中央大学はこのほど、言葉がわからない乳児における色カテゴリの存在を証明したと発表した。同成果は中央大学人文科学研究所の楊嘉楽 客員研究員、中央大学文学部の山口真美 教授、日本女子大学人間社会学部の金沢創 教授、東北大学電気通信研究所の栗木一郎 准教授らによるもの。2月8日に「米国科学アカデミー紀要」のオンライン版に掲載された。心理学や言語学、文化人類学などでは、知覚や思考が言葉の影響を受けるというサピア=ウォーフ仮説が浸透しており、同仮説では色知覚も言葉が決定するとされている。同研究では、言語獲得以前の乳児を対象に近赤外分光法を使用することで、乳児が同じ緑カテゴリの2色変化と、青と緑の異なるカテゴリの2色変化を観察したときの後側頭領域の脳血流反応を計測した。その結果、カテゴリ内の色変化と比べ、カテゴリ間の色変化を観察する際により強い脳活動が確認された。また、言語を獲得した成人においても類似した脳血流反応が存在することも確認され、言語獲得の有無に関わらず微妙に異なる複数の色を同じカテゴリとしてまとめて認識する脳内処理が存在し、言語システムとは独立であることが証明された。今回の成果について同研究グループは「サピア=ウォーフ仮説を覆す驚くべき成果です」とコメントしている。
2016年02月09日ブロケード コミュニケーションズ システムズは1月21日、モバイルネットワーク市場の参入について都内で記者会見を行った。近年、急速に拡大するモバイルネットワーク市場向けのソリューションを拡大するとともに、取り組みを強化していく方針だ。最初に日本法人のブロケード コミュニケーションズ システムズ 代表取締役社長の青葉雅和氏がモバイルネットワーク市場参入について「政府の携帯料金引き下げ策やMVNO市場の拡大、クラウド事業者がIoTに特化したサービスなどを展開している。これまで、われわれは『New IP』(第3のプラットフォームに対応する新しいネットワークのアーキテクチャ)を支持しており、ネットワークでもハードウェアとソフトウェアを別々のベンダーから調達することが可能となった。オープンかつスケーラブルなネットワークを構築することができ、これと同様のことがモバイルでも可能なのではないかと考えている。過去1年半にわたりモバイルのスタートアップ・ベンダーとしてモバイルアナリティクスのVistapointe、ヴァーチャルEPCを扱うConnectemなどを買収しており、米国では開発体制の構築、日本ではモバイルのエンジニアなどを採用し、ユーザーに製品を提供できる体制が整った。これまでデータセンターネットワーキングにおいてSANやイーサネットファブリック、データセンターネットワーキングのソフトウェア化に取り組んできており、これから新しいマーケットとしてモバイルにおいてソフトウェア化という戦略のもとで参入する」と意気込みを語った。次に米国本社 CTO兼コーポレート・デベロプメントおよびエマージング・ビジネス担当シニア・バイスプレジデントのケン・チェン氏と、ディスティングイッシュト・エンジニア モバイル・ネットワーキング担当CTOのケビン・シャッツケーマー氏が同社の戦略、モバイルネットワークビジョンについて説明した。チェン氏は同社の戦略として「われわれのコアビジネスはファイバーチャネルSAN、イーサネット/IPファブリック、キャンパスネットワーク、ルーティングとなり、成長過程のビジネスはSDN(Software-Defined Network)とNFV(Network Functions Virtualization)がある。そして、近年は新しいビジネスとしてモバイルやビッグデータ分析、セキュリティをはじめとした高度なテクノロジーへの投資を行っている。まずはモバイルで2社を買収し、ConnectemはヴァーチャルEPCにおいてパイオニアの企業であり、多くの企業で製品が導入されている。また、ビッグデータ分析にも注力しており、大規模なテレメトリデータを収集、処理、配信しているほか、セキュリティの投資としては機械学習を用いて次世代のセキュリティ製品を構築している」と語った。続いてシャッツケーマー氏はモバイルネットワークビジョンについて「現在、モバイル業界は転換期を迎えており、モバイルやクラウド、ソーシャル、データアナリティクスといった第3のプラットフォームの出現により、5Gは4Gの単なる進化ではないということだ。高速でレイテンシーが低くなり、新しいインタフェースが出るということではなく、5Gは新たなデジタル世界を実現するものだ。しかし一方で、サービスプロバイダーはOTT(Over-The-Top)メッセージによるSMS収益の侵食といった収益の確保や、電波利用量を凌ぐトラフィック量の増大などネットワークの課題を抱えている」と指摘した。同社のモバイルビジョンとして「一連の課題を抱えるモバイルサービスプロバイダーにわれわれが提供する価値は3つある。1つ目はイノベーションのスピードアップを支援しつつコストの、低減も可能するソリューションを提供し、新しい収益機会とサービスアジリティを改善していく。2つ目はインフラ側でのデマンドはスケールアップ、スケールダウンするなど動きがあるため新しいワークロードの処理を効率的にする環境が必要であり、運用の簡素化、プロビジョニング、多様なユースケースを想定したマネジメントを行う。3つ目は、それぞれの要件を満たすパーソナライズが可能なネットワークサービスに向けて、ARPU(Average Revenue Per User)の増加やカスタマーバリュー、カスタマーリテンションを図る」と同氏は強調した。最後に同氏は「われわれはビジョン、ソリューション、アーキテクチャ、パートナーシップによりモバイルサービスプロバイダ市場を破壊的に革新し、SDN、NFV、データセンターネットワーク市場における実績がモバイルネットワーク分野でリーダーシップを裏づけ、技術への投資を継続する。そして革新的なソリューションを今後も継続して投入していく」と胸を張った。今後、同社はSDNやNFVの各種技術コンポーネントで構成されるモバイルネットワーク向けソリューションの国内展開を本格化し、従来の固定的で柔軟性に乏しいネットワーク(Old IP)からの脱却を図ることで国内のモバイルネットワーク事業者(MNO)、およびMNOの回線を借りてモバイルサービスを提供する仮想移動体通信事業者(MVNO)の収益拡大を支援する。次世代のモバイルネットワーク・サービスを自社ネットワークに採用することで、多くのメリットを享受できる企業に対しても5G時代を見据えた新たな企業ネットワークアーキテクチャを提案していく考えだ。
2016年01月22日「タイ鉄道の父」ラーマ5世の肖像が掲げられたファランポーン駅著者撮影第二次世界大戦中、日本はタイに様々な足跡を残した。旧日本軍がビルマ(現在のミャンマー)戦線への物資輸送を目的に突貫工事で建設した泰緬鉄道は、その例としてよく知られている。半世紀以上たった今、その足跡はほとんど見ることはできないが、バンコク中央駅であるファランポーン駅には、日本に関わりのあるものがひっそりと残っている。駅の片隅に保存されているC56型機関車 著者撮影その一つは、ファランポーン駅を出発するとすぐ左手に見えるSLである。このSLにはタイの国旗が付けられ、なんとなくタイらしいスタイルになっているが、1941年に日本で製造されたC56型という機関車である。このファランポーン駅のC56型は、タイ国鉄にとって最も大切な場所、タイ国鉄発祥記念碑の横に置かれており、タイのSLの代表選手のように展示されているのが嬉しい。日本の靖国神社に保存されているC56型機関車 著者撮影日本からタイへは90両が輸出され、泰緬鉄道などで使用された。終戦時に敵国に利用されないようにボイラーを爆発させて「自決」させられた機関車もあったようだが、使用できる46両はそのままタイ国鉄に引き継がれ1980年頃まで使用された。1979年には、2両のC56型がタイから日本へ「帰還」し、1両は東京都の靖国神社の遊就館に保存、もう1両は静岡県の大井川鉄道で今も活躍している。レールが使用されているホームの屋根 著者撮影もうひとつの足跡を探すのは少し大変である。それは駅の柱に使われている古レールである。レールは一定期間使用すると擦り減るので交換するが、強度は十分にあるので駅のホーム屋根の柱などに転用されることが多い。ファランポーン駅の柱にも多くの古レールが使用されているが、その中に「RSRYAWATA1936」と刻印されたものがある。そう、日本の八幡製鉄所製のレールである。私が確認したところ少なくとも2本のレールにこのマークが刻印されているのを発見した。「RSR」はタイ国鉄の旧名称、「1936」は製造年を表している。つまり、1936年に八幡製鉄所で製造され、タイ国鉄に納入されたレールということになる。泰緬鉄道の建設前のことなので、おそらく日本がタイの鉄道輸送網を増強させるために輸出したレールであろう。「YAWATA」の刻印が入ったレール 著者撮影このレールが貴重なのは「YAWATA」の文字があることである。実は、日本ではほとんど八幡製鉄所製のレールが使用されているため、わざわざ製造所を見分ける必要がなく「YAWATA」の文字は刻印されていない。「YAWATA」の文字があるのは外国向け輸出レールのみで、現在、この刻印が確認できるレールがあるのはタイと台湾だけである。日本の「レールマニア」にとっては大変の貴重なレールなのである。アメリカ、カーネギー社製のレール 著者撮影この八幡製作所製のレールがある周辺の柱には、様々な国の製鉄所の名前が入ったレールが多数存在しており、日本では見かけない刻印のレールが多い。ここを見るだけで、強国のパワーバランスを上手く使って独立を保ち続けたタイ国の歴史が分かる。もっとも、駅でブツブツ言いながら柱を見て回っているのは、かなり不審な日本人であるが。(text & photo : 井上毅)バンコクから見る、東南アジア鉄道の楽しみ方その他の記事はこちら>
2016年01月21日米App Annieは、昨年1年間の世界のアプリ市場動向を総括した「2015年アプリ市場総括レポート」を発表した。このレポートでは、2015年の世界のアプリ市場の重要トレンド、国別トップアプリやパブリッシャーのランキング等に関する情報を分析し提供している。それによると、2015年のトレンドとしては、音楽や動画のストリーミングアプリの台頭、アプリを通じたモバイルコマースの活性化、相乗りアプリ及びタクシー配車アプリの流行などが挙げられという。相乗りアプリ及びタクシー配車アプリでは、特に中国、メキシコ、ブラジルはiPhoneで顕著で、インドはAndroidデバイスで先行。この4市場では、スマートフォンユーザーの20%以上が2015年第4四半期、主要な配車アプリまたは相乗りアプリ1種類以上を日常的に利用したという。プラットフォームでは、Google Playがダウンロード数、iOSが収益でリードする構造は以前と変わらないものの、iOSの国別ダウンロード数で中国が首位に立ったこと、米国のダウンロード数シェアでGoogle PlayがiOSを上回ったことなど、地域ごとに大きな変化もあるという。パブリッシャーの世界収益ランキング(ゲーム以外)では、LINEが首位。同社のコミュニケーションアプリであるLINEは、アプリの世界収益ランキングでは2位に、世界ダウンロード数ランキングでは9位に入っている。一方ゲームの世界収益ランキングでは、MixiのMonsterStrikeが2位、GungHo OnlineのPuzzle&Dragonsが3位、LINEのDisney Tsum Tsumが10位にランクインしている。日本のトップパブリッシャーは、ダウンロード数(ゲーム以外)でYahoo Japan、ダウンロード数(ゲーム)と収益(ゲーム以外)でLINE、収益(ゲーム)でMixiとなり、パブリッシャーランキングでは、GungHo Online、BANDAI NAMCO、Cocone、SQUARE ENIX、Sega Sammy Holdingsといったパブリッシャーが上位にランクインした。
2016年01月21日有楽製菓は1月14日~2月14日、「義理チョコショップ」を東京駅一番街 「東京おかしランド」イベントスペース(JR東京駅八重洲地下中央口改札出てすぐ)にオープンする。"一目で義理とわかるチョコ"としても人気の「ブラックサンダー」。同店は2014年、国内初の義理チョコ専門店として期間限定でオープンした。出店は今年で3回目となる。今回は、義理でも初恋の甘酸っぱさを味わえる瀬戸内産レモンを使用した、ブラックサンダー初のフレーバー「幸せの黄色いブラックサンダー(レモン味)」と、ザクザクした食感とチョコレート感たっぷりのムースを使用した「ブラックサンダーショコラケーキ」が新登場する。さらに昨年好評だった土屋公二氏監修の「生ブラックサンダー」、重量35倍の「ブラックサンダー大」がそれぞれリニューアルを加え、個数を増加して復活。全8種類のブラックサンダー関連商品が用意される。○「幸せの黄色いブラックサンダー」ブラックサンダーのレモン味。瀬戸内産レモンを使用した、「初恋の思い出においしさ直滑降!」な甘酸っぱいフレーバー。18袋で価格は1,000円。義理チョコショップ限定販売品。○「ブラックサンダーショコラケーキ」ブラックサンダーのザクザクした食感に、ミルクチョコムースとブラックチョコムースを合わせた、満足度抜群のケーキ。おかしランド限定品。1日100個限定。価格は1個1,500円。義理チョコショップ限定販売品。9時~(50個)、15時~(50個)販売予定。○「生ブラックサンダー2016」チョコレート専門店「ミュゼ・ドゥ・ショコラテオブロマ」の土屋公二氏監修の、生チョコレートを使用した、特別感たっぷりの商品。今年は柚子味。1日50個限定、1人1個まで。「義理の本命、特別な相手への義理チョコにご利用ください」と同社。3本で価格は800円。義理チョコショップ限定販売品。13時~(25個)、17時~(25個)整理券配布予定。○「ブラックサンダー大」「おおきさヘビー級!」がキャッチフレーズの見た目のインパクトを持たせた、重量は通常品の約35倍の特別商品。「特に大きな感謝を示したい相手への義理チョコにご利用ください」と同社。1本で価格は1,000円。義理チョコショップ限定販売品。1日20個限定、1人につき1本まで。13時~(10個)、17時~(10個)整理券配布予定。そのほか、イナズマに打たれたかわいいドクロの入った「ブラックサンダー義理チョコパッケージ」(600円/20本)、ミニバーサイズのブラックサンダーがバレンタイン専用パッケージに入った「ラ・ブラックサンダーミニバー」(700円/160g×2袋)、雷おこしの老舗、『常盤堂雷おこし本舗』の協力により開発された「東京サンダー」(700円/110g×2袋)、AR動画付でアメリカンなチェリーパイ味の「ブラックサンダーミニバーアメリカン」(417円/12本)もある。なお2月14日に「義理チョコショップ」閉店後、ホワイトデーに向けた期間限定ショップのオープンも予定している。※価格はすべて税別
2016年01月05日IDC Japanは12月22日、国内ソフトウェア市場の2015年上半期(1~6月)の実績と2015年~2019年の予測を発表した。IDCが定義するソフトウェア市場には、パッケージソフトウェア、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)の売上額が含まれる。これによると、2015年上半期の国内ソフトウェア市場は1兆3232億8900万円、前年同期比成長率が4.6%。同社では、前年同期に起こったWindows XPサポート終了特需と消費税増税前の駆け込み需要の反動は比較的軽微であり、堅調な成長だとしている。大分類市場別では、アプリケーション市場が前年同期比成長率3.9%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が同5.9%、システムインフラストラクチャ市場が同4.5%となった。最も成長率が高いアプリケーション開発/デプロイメント市場では、データアナリティクス需要の高まりによって、ビジュアライゼーションBIツールやクラウド型データベースサービスが高い成長だという。また、同社は2015年の国内ソフトウェア市場は前年比成長率は4.2%、さらに2016年は前年比成長率4.5%と予測。さらに2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は4.2%、2019年には3兆1147億円に達するとも予測。大分類市場別の2014年~2019年のCAGR予測はアプリケーション市場が3.1%、アプリケーション開発/デプロイメント市場が5.6%、システムインフラストラクチャ市場が4.5%となっている。同社は、アプリケーション市場では、企業においてデジタルトランスフォーメーションが進むことで、コグニティブシステムやデジタルマーケティングに関連したソフトウェアやクラウドサービスの急速な成長が見込まれるとしている。アプリケーション開発/デプロイメント市場ではデータアナリティクス関連の高成長が続き、さらにデジタル化の進展によってSoE(Systems of Engagement)領域におけるPaaS(Platform as a Service)の採用が拡大するものとみている。システムインフラストラクチャ市場では、サイバーセキュリティ対策やマイナンバー制度への対応に向けセキュリティソフトウェア需要の拡大や、クラウド基盤構築/管理ソフトウェアの導入の増加が市場成長をけん引していくと予測している。
2015年12月22日IDC Japanは12月18日、2015年の国内IT市場予測、および2015年~2019年における国内ITの産業分野別市場規模予測について発表した。2015年は金融機関などの大型案件とPC更新需要でIT支出を伸ばした2014年の反動を受け、全体で14兆7,837億円と前年比0.1%の成長に落ち着く予測となるが、産業分野別では、通信/メディアおよび消費者を除いたすべての分野でプラス成長を見込んでいる。特に銀行、製造業、小売業、運輸業、サービス業が堅調なIT支出を維持することが見込まれ、国内IT市場の2016年の前年比成長率を2.7%、2017年を2.0%と予測。産業分野別では、金融セクターにおける大手都市銀行や、ゆうちょ銀行での大型案件、地方銀行の再編によるシステム統合などの案件、大手金融機関を中心にFinTechやコグニティブなどITによるビジネス/サービス革新を進める動きが国内IT投資をけん引するとしている。また、製造業では基幹システムの刷新を終えた企業がグローバルサプライチェーンの最適化や、生産ラインの自動化、設計/開発領域でのデジタル化、標準化を見据えた環境整備へ進む動きが見られるという。小売業ではチャネル推進が加速し、それを実現するプラットフォーム構築やデジタルマーケティング領域での投資が後押しするとみている。さらに、ユーザー企業調査結果からは第3のプラットフォーム、IoTといったイノベーションアクセラレーターの取り組みが経営層からIT部門に出される指示に含まれていたという。一方、IT部門の課題にはビッグデータなど「新たなIT戦略を検討する人材の不足」や「ITを活用する事業に関する知識不足」が上位に挙がり、IT部門に経営層から課せられたミッションと、それを実行するためのIT部門の体制にギャップがあることが判明。IDC Japan ITスペンディングマーケットアナリストの岩本 直子氏は「ITベンダーはIT部門の役割が変化していく中、IT部門の課題解決の支援を踏まえた提案をし、IT部門のミッション達成に向けて伴走する役割を担うべきである」と分析している。
2015年12月18日IDC Japanは12月16日、国内モバイルデバイス市場(スマートフォン市場、タブレット市場
2015年12月17日矢野経済研究所が12月14日に発表した「DMP(データマネジメントプラットフォーム)サービス市場/MA(マーケティングオートメーション)サービス市場に関する調査結果 2015」によると、2015年のDMPサービスの国内市場規模(事業者売上高ベース)は52億円、MAサービスは220億円となり、いずれも2014年と比べて30%強の成長となる見込みだ。DMPサービスに関しては、2014年の市場規模は事業者売上高ベースで40億円であったが、消費者のニーズが多様化しており、広告会社に頼るだけではなく企業が自社や第三者が保有するデータを利用して生活者の行動要因を突き止め、自社のマーケティング活動を最適化することへの意識が高まっていることなどから、DMPの構築や利用の動きが加速しているという。また、大手企業でのDMP利用事例が広がりを見せていることも、市場への追い風になっているとのことだ。MAサービスについては、2014年の市場規模は事業者売上高ベースで168億円であったが、最近では企業におけるマーケティング活動の費用対効果が強く意識されるようになったことや、顧客の詳細なニーズに基づいてパーソナライズしたコンテンツを提供する必要性が増したこと、チャネル別に入手したデータの急増によりオートメーション・ツールが無ければマーケティング業務に支障をきたすようになったことなどから、MAを導入する機運が高まっているという。また、製造業を中心に日本企業の海外売上比率が高くなり、海外営業を支援するためのグローバルなマーケティング・プラットフォームが必要になっていることや、引き合いを待つビジネス・スタイルからの脱却といった目的でMAを導入する動きが活発化していることも、市場拡大の一因となっているとしている。DMPサービスとMAサービスを合わせたデジタル・マーケティング・サービスは、中堅・中小企業では未だ情報収集段階の企業が多数派を占めるものの、大企業では本格的な導入・検討のステージに入っており、今後も市場は拡大する見通しだという。また、ITを始めとするテクノロジーの進展によりマーケティングをビジネスの中核として捉える企業が増加基調にあることや、企業のIT投資が管理・効率化から変革・成長へとシフトしはじめていることがデジタル・マーケティング・サービスに対する前向きな投資を生むといい、2020年におけるデジタル・マーケティング・サービスの市場規模(事業者売上高ベース)は、2014年に対して約2.7倍の559億円に達すると同社は予測する。
2015年12月15日半導体市場調査企業である米IC Insightsは12月10日(米国時間)、半導体の最終用途(エンドユース)である電子製品(システム)の2015年の世界総売上を前年比2%減となる1兆4230億ドル規模になるとの予測を発表した。電子製品の売り上げが前年割れとなるのは、2001年、2002年、 2009年に次いで史上4度目となる。一方、2019年の電子製品売上高は1兆6140億ドルに達すると予測している。これは、2014年の1兆4540憶ドルから年平均2.1%で成長することに相当している。電子製品の主要9分野の市場規模(2015年の総売上に占める各分野のシェア(%)と2014~2019年の年平均成長率(%))を図1に示す。これら9分野だけで電子製品全体の売り上げの約7割を占めている。半導体の最終用途である電子製品のうち、Cellphones(従来型の携帯電話+スマートフォン)の売り上げは電子製品の18%にあたる2623億ドル(2015年)で、いまや電子システムの最大分野となっている。PC(デスクトップ+ノ―トパソコン)の売り上げ(同)1874億ドル(全体の13%)を上回る。Cellphonesの売り上げがPCの売り上げを超えたのは2013年のことで、2014~2019年に年率平均2.9%で成長するのに対して、PCはマイナス1.7%で減少していく。この原因としては、PCの買い替え時期がさらに伸び、タブレットが2 in 1 PCに吸収される一方で、インターネットへのアクセスにスマートフォンを使用する度合いが増えるためである。注目のIoT(ただし、システムの中のインターネットへ繋ぐ部分のみの売り上げ)は、2015年の規模は全体の5%にも満たないものの、2014~2019年に年平均成長率21%と最高の成長率を示す。これを除けば、7%を超えて成長する分野はみあたらない。多くの半導体企業が参入している車載ICは、2019年まで7%超の成長が期待されるが、車載製品の成長率は4%に満たない。また、PC、タブレット、据え置き型ゲーム機はマイナス成長となることが見込まれている。
2015年12月15日映像コンテンツメーカーや映像機器メーカーが一体となり、次世代のデジタルエンターテイメント市場のさらなる成長を目的に活動を行う業界団体DEGジャパンが12月8日に、東京・スペースFS汐留で『映像コンテンツデジタル配信セミナー2015』を開催した。その他の写真本セミナーは“映像デジタル配信サービス”の普及促進を行うことを目的に開催された。三宅洋一郎氏(株式会社 野村総合研究所 コンサルティング事業本部)は国内の現状について、「モバイルの視聴環境が整備されたことにより、若年層による有料VOD(ビデオオンデマンド)利用者は増加、市場が拡大している」との調査結果を報告。一方で、テレビのネット接続については、環境は整っているものの接続率が未だ1割強と普及率が低いことを挙げ、「サービス以上に利便性が高いという点が広まっていないのではないか」と普及活動を課題に挙げた。土屋隆司氏(ワーナーエンターテイメントジャパン株式会社)は、「米国をみてもEST(ダウンロード動画販売)、VOD(都度課金型動画配信)、SVOD(定額制動画配信)の伸長が推進力となるだろう」とホームエンターテイメント市場の伸びを期待した。パネルディスカッションでは、モデレーターにジャーナリストの西田宗千佳氏を迎え、パネリストには、小西貴明氏(バンダイビジュアル株式会社 執行役員 事業本部 営業部 部長)、吉川広太郎氏(20世紀フォックス ホームエンターテイメント Head of Digital Sales.Japan)、吉村文雄氏(東映株式会社 コンテンツ事業部長代理 企画開発室長)らが参加。dTV(Dビデオ)、hulu、UULA、ビデオパスなどのSVODによる影響について、「映像配信入門として良いが価格については今後の課題」(小西)と挙げた。よく観られている作品について「シリーズが展開されている名作」(小西)、「連続性のあるドラマ」(吉川)、「30分程度の作品や、アクション系」(吉村)と特徴を挙げた。今後のデジタル配信活性化策について、「劇場に行く前にも活用してもらいたい。スピード感を活かし、初の試みとして『機動戦士ガンダムサンダーボルト』を12月25日正午よりEST配信する」(小西)、「啓蒙活動をしていきたい」(吉川)、「パッケージ化されていない作品や、廃盤になってしまった作品をデジタルなら提供できる。オリジナル作品を提供していくことにもチャレンジしたい」(吉村)とそれぞれ語った。取材・文・写真:小杉由布子
2015年12月08日阪神電気鉄道このほど、12月25日までの期間限定で梅田駅と神戸三宮駅にてクリスマスを彩るデコレーションを開始した。梅田駅では「Umeda X’mastation(クリスマステーション)~星に願いを~」をテーマに、クリスマスツリーを設置。駅務室の装飾も施す。さらに、大阪デザイナー専門学校の生徒が製作したスノーマンフィギュアが登場する。スノーマンフィギュアは応募ボックスを持っており、願いごとカードを投函することができる。カードは駅構内のクリスマスボードに貼られ、期間終了後はサクラ ファミリア(カトリック大阪梅田教会)に奉納される。神戸三宮駅ではクリスマスツリーや雪だるまフィギアを設置するほか、植栽への装飾も行われる。また、神戸山手短期大学キャリアコミュニケーション学科が駅務室および西改札内エレベーターガラス面の装飾を行う。東改札外コンコースには、カップルで記念写真が楽しめる記念写真撮影用パネル「date.KOBE ロゴ型つり革オブジェ」も掲出する。
2015年11月28日IDC Japanは11月25日、国内ITインフラストラクチャサービス市場予測を発表した。2014年の国内ITインフラストラクチャサービス市場規模は2兆4,035億円、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は2.1%と予測している。同社は国内ITサービス市場におけるITインフラストラクチャに関わる領域の影響を定量的に捉えるため、国内ITインフラストラクチャサービス市場として切り出している。2014年の実績と2015年~2019年の市場予測を分野別(ITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション、ITインフラストラクチャアウトソーシング、ITインフラストラクチャサポートサービス、ITインフラストラクチャセキュリティサービス)にまとめている。2014年のITインフラストラクチャコンサルティング&インテグレーション市場では、景気回復に伴う企業や政府/自治体のシステム構築需要を背景に前年比成長率は6.9%に達したが、2015年以降はその反動に加え、クラウド移行に関する需要の一巡、非クラウドのインフラ構築案件の減少などにより成長率は低下し、2014年~2019年のCAGRは1.9%に落ち着くと予測している。また、ITインフラストラクチャアウトソーシング市場においては、データセンターを利用したプライベートクラウドやハイブリッドクラウドなどの需要拡大により、成長率は徐々に下降しつつも堅調な成長を続ける傾向があるという。2014年~2019年のCAGRは4.0%で推移すると予測。さらに、ITインフラストラクチャサポートサービス市場は、最大のセグメントであるソフトウェアサポート&保守が安定した成長が見込まれているが、ハードウェアサポート&保守の長期的な縮小の影響により、市場全体では2014年~2019年のCAGRはマイナス1.2%に留まると予測している。一方、最も注目されるのはITインフラストラクチャセキュリティサービス市場という。市場規模は、そのほかの市場と比べると大きくないものの、成長率で見ると2015年以降、国内ITインフラストラクチャサービス市場の中で唯一上昇するとみている。2014年~2019年のCAGRは5.9%に達すると予測。ITインフラストラクチャは第3のプラットフォームの動向の影響を受けているほか、セキュリティもそれと並ぶ重要なテーマとなっているという。同社ITサービスシニアマーケットアナリストの吉井誠一郎氏は「ITサービスベンダーは、まずは情報セキュリティ対策向けサービスとその体制を最優先で充実させる必要がある。そして、高い技術力で第3のプラットフォームおよびセキュリティを支える海外のテクノロジーベンチャー企業にも積極的にアプローチすべきである」と述べている。
2015年11月25日JR上野駅中央改札外 ガレリア1F(東京都台東区)では11月21日~23日、「Station Zoo in 上野」にてチームラボによる「チームラボ お絵かきアニマルズ」が展示される。「チームラボ お絵かきアニマルズ」は、チームラボが進める教育プロジェクト「チームラボアイランド -学ぶ! 未来の遊園地-」の一環として展開しているデジタルインタラクティブアート。紙に自由に描いた動物の絵をスキャンすると、動物が立体となって、画面上の巨大なアートの中で動き出す。また、他の人が描いた動物とコミュニケーションを取ったり、人に触られることでさまざまなアクションをとったりもするとのこと。なお、「Station Zoo in 上野」の開館時間は10:00~17:00となる。
2015年11月20日ドスパラこのほど、楽天市場内に「ドスパラ楽天市場店」をオープンした。オープン当初はスティック型PCのみの販売となるが、順次取り扱い製品を拡充するという。ドスパラでは、ドスパラ通販サイトに加え、全国22店舗のショップを運営しているが、新たに「ドスパラ楽天市場店」をオープンすることで、販路を拡大。顧客が持つ「買いたいお店・モールで買う」というニーズに応えていくという。現在は、スティック型PC「Diginnos Stick DG-STK1B」「Diginnos Stick DG-STK2F」と、それぞれに対して、Microsoftの「All-in-one media keyboard」とのセットモデルを用意する。ファンレスモデル「Diginnos Stick DG-STK1B」は税込み10,778円、キーボードとのセットで税込み13,478円。ファン内蔵モデル「Diginnos Stick DG-STK2F」は税込み15,984円、キーボードとのセットで税込み18,684円。
2015年11月09日IDC Japanは11月4日、国内ユニファイドコミュニケーション/コラボレーション(UC&C)市場の2015年上半期(1月~6月)市場動向を調査し、同市場の分析と2015年~2019年の同市場予測アップデートを発表した。同社ではUC&C市場を、「IPテレフォニー市場」「コラボレーティブアプリケーション市場」「IPコンファレンスシステム市場」「IPコンタクトセンターシステム市場」の4つのソリューション市場に分類して、それぞれの市場について個別に調査/市場予測を行っている。上記の市場分類にて、2015年上半期の国内UC&C市場規模は、前年同期比5.6%増の1,237億2,400万円。2015年前半は、2014年から継続している企業の音声プラットフォームリプレイス需要が好調に推移し、特に大規模音声システムリプレイスが好調だったという。この結果、IPテレフォニー市場が前年同期比3.3%増。コラボレーティブアプリケーション市場では、PCやモバイルデバイス間でファイル同期を行ったり、複数のデバイス間でファイルを共有するクラウドサービスである「ファイル同期/共有ソフトウェア市場」の好調やクラウド型コラボレーティブアプリケーションの成長によって前年同期比14.0%増。IPコンファレンスシステム市場では、ビデオ会議システムの価格低下によって2015年上半期は前年同期比2.2%増。2015年上半期の同市場は好調なWeb会議サービスによってプラス成長を維持。IPコンタクトセンターシステム市場は、市場のSaaSへのシフトや小型システムの増加によって成長率が減速し、前年同期比2.1%増となった。国内UC&C市場は、「第3のプラットフォーム」へのシフトが顕著になっており、特にクラウドをベースとしたサービスへのシフトが活発になっているという。同社では、上記の調査結果から、2015年の国内UC&C市場は2,365億5,600万円となり、前年比3.4%の成長になると予測。また、同市場は2014年~2019年における年間平均成長率3.1%で成長し、2019年には2,666億3,900万円の規模になると予測している。同社 ソフトウェア&セキュリティ グループマネージャーの眞鍋敬氏は、「ベンダー/システムインテグレーター/通信事業者は、ユーザー企業のIT投資動機の変化に応じたマーケティング戦略の改革、UC&Cシステムのクラウドファースト戦略を加速するべきである」と分析している。
2015年11月05日○画期的だったIntel Insideキャンペーンリテール市場の開拓はカバレージを広げることに焦点があったので、基本的には力仕事であったが、OEM市場の開拓にはかなり時間がかかった。AMDにとってOEM市場というのは簡単に言えば、AMDのCPUを日本のPCメーカーに売り込むことである。半導体メーカーの本来の仕事であり、ビジネスの根幹である。その時点で、Intelはエンドユーザーにそのブランドを直接売り込むという、それまで半導体メーカーで考えられなかったようなユニークでパワフルなキャンペーン、"Intel Inside(日本ではインテル入ってる)"をテレビのコマーシャルなどで強力に展開していて、これが我々AMDのPCメーカーへの売り込みに強力に立ちはだかった。通常、CPUも含めて、半導体製品は電気製品の中に搭載されているもので、消費者は全く目にしないし、気にもしないものである。極端な話を言えば、エアコンを買う人が、"このエアコンに搭載されている16ビットのマイクロコントローラーはどこの製品ですか?"、などと言う質問は全くあり得ないので(よっぽどの業界オタクでないと質問しないし、質問されてもその答えはだれも知らない)、そんな半導体の世界にブランドマーケティングが成立するなどだれも考えないものである。しかしIntelは違った。IntelはPCのマザーボードに搭載される半導体はメモリとアナログを除いてはすべて集積回路に取り込んでしまう(まさにムーアの法則である)という戦略であったのでそのうちPC自体がCPUと同義になると考えていた。とは言っても、多分この戦略は、PCが流行し始めたその当時でもIntelの中の限られた人間しか認識していなかったことだと察する。前述のIntelの本では、CPUを開発した当時創業者のロバート・ノイスが"Intelはこれからコンピューターの会社になる"、と言ったが、当時その言葉の意味を分かる人間はノイス以外にいなかったと書いている。逆説的に言えば、ノイスはその天才的直観でIntelが開発したCPUがその後どのような未来を構築するのかの可能性がはっきり見えていて、その未来をIntel自身がそのビジョン通りに創造したということであろう。Intel恐るべしである。しかも、AMDが低迷する中で、Intelは市場独占の力を強力に進めていったので、OEMカスタマ(PCメーカー)に対する影響力は絶大であった。何しろ、PCビジネスを優位に進めるためには唯一のCPU供給者のIntelからより有利な条件でCPUを購入するということが命題になる。Intelにとってみれば、同じようなPC製品を市場に供給する複数のカスタマーを相手にした場合、そのカスタマーの最重要部品のCPUの供給と価格を握っているのであるから、交渉を有利に進めることは至って容易である。"どちらが客かわからない状態"、というのがその状況であり、その状況はPC市場が指数関数的に成長し、競争が激化すればするほどIntelの独占的優位性は高くなる。Intelにとって最も重要な要件はPC市場がより性能の高い高付加価値品を目指して成長していくことであって、IntelのCPU製品を搭載した同じようなPC製品を大量に市場に売りさばくPCメーカーはもはや顧客ではなく単なるディストリビューターになっていたのだ。その当時、テレビのコマーシャルで頻繁に流れた"Intel Inside"キャンペーンは(PCの宣伝の後にタンタンタンタン~と流れるあの音を覚えている読者も多いと思う、私にとってはこの上もなく耳障りなものであった)そのIntelの独占的ポジションを象徴する代表的な例である。このIntelの市場独占については、司法当局が行き過ぎがあったと判断して、その後法的な争いに発展するが、これについては別の章で述べたい。○Piggy Back MarketingでIntelに対抗そんな中、私はAMD K6を日本のPCメーカーであるカスタマーに売り込むべく、いろいろな方法を模索していた。以前の386、486で経験したような互換性への問題はなかったものの、Intel独占の状態において"IntelではなくAMDを使うことに対する抵抗"を解決するのに大きな労力を使った。私にとってのチャレンジは大別して次の点である。今まで100%Intelであったところに、AMDを入れるとIntelがどういう反応をするかわからない、Intelが報復するのではないか?今やPC市場で"Intel入ってる"は常識になっている。そんな中で、IntelでないCPUを使ったPCがエンドマーケットで受け入れられるのだろうか?そんな状況でAMDを使うのであるから、それなりのメリットがないと使えない。ブランドの問題は特に厄介であった。単純にマーケティング的に言えば、大金を投入してブランドマーケティングを展開すればこの問題はある程度解消するが、そんな資金はもともとない。それならば、既に確立されたPCブランドに売り込んでその実績をそのブランドとともに普及させる、これはブランドマーケティングのイロハである、所謂"Piggy Back Marketing"- 他人のブランドの背中を借りて自分のブランドを売り込むという手法である。AMD本社もその辺はよく承知していて、AMDの営業たちは、"何が何でもとにかく大きなブランドを確保せよ"というサンダースの命令に全力で突っ走った。その結果、2つの大きなカスタマーを獲得した。1つは当時コンシューマーデスクトップPC市場でAptivaブランドを拡販し大きく勝負し始めたIBMと、企業デスクトップで大きな市場を獲得していたDEC(Digital Equipment)である。それまで、日本PC市場は日本メーカーの独占状態であったが、USのPCメーカーは世界で2番目に大きい日本市場への参入を虎視眈々とうかがっていた。そこで、コストパフォーマンスに優れるAMDのK6を使用したPCは強力な武器になった。特に、IBMのAptivaは日本IBMの強力なプッシュで日本のリテール市場で着々と実績を作りつつあった。日本AMDのK6のリテール市場でのプレゼンスを高めるためには完ぺきな商材であり、AMDは日本IBMのリテール担当の人々の強力なサポートを得て、リテールでの協業が始まった。その当時、私が手掛けたK6/Aptivaの広告があったのでここに掲載しておく。そのIBMも実はAptivaを市場投入するにあたってAMD K6が市場に受け入れられるかどうか自信がなかったので、初期の段階ではAMDとの合意のもとに、搭載CPUの表示を"IBM-K6"としていたほどである。しかし、この状況もAptivaが売れていくにしたがってAMDの認知度も上がっていったので解消された。今から思うと信じられない話であるが、当時はそれほどまでに深刻だったのである。我々AMDのリテールチームはAptivaを扱うリテーラーの接客対応員に対し勉強会などを積極的に行い、グラスルーツの活動を行った。私は北海道から沖縄までリテールめぐりの出張を繰り返した。スケジュールは大変忙しいものであったが、おかげでそれまで行ったこともない場所まで出かけてゆく機会を得、土地の人たちの話を聞いたり、ご当地のおいしい食べ物をいただく貴重な経験ができて今では楽しい思い出である。(次回に続く)著者プロフィール吉川明日論(よしかわあすろん)1956年生まれ。いくつかの仕事を経た後、1986年AMD(Advanced Micro Device)日本支社入社。マーケティング、営業の仕事を経験。AMDでの経験は24年。現在も半導体業界で勤務。・連載「巨人Intelに挑め!」記事一覧へ
2015年10月26日福岡銀行は21日、訪日外国人向け外貨両替サービスの拡充として、6月に中央ふ頭クルーズセンター自動外貨両替コーナー、7月に天神ライオン広場外貨両替ショップの開業に続き、「JR博多駅外貨両替ショップ」を開業した。○午前8時から午後9時まで年中無休で営業「JR博多駅外貨両替ショップ」は、九州のランドマークであるJR博多駅のコンコース中央、博多駅総合案内所の一角に位置し、午前8時から午後9時まで、年中無休で営業するという。JR博多駅や周辺施設を利用する外国人旅行者のみならず、平日や昼間に銀行に行くのが難しかった地元の顧客にも、通勤や買い物のついでに、便利に利用してもらいたいとしている。福岡銀行によると「福岡を訪れる外国人旅行者から『夜間や土日に外貨両替が出来なくて不便』という声があり、6月に中央ふ頭クルーズセンターに自動外貨両替機を設置し、7月には天神ライオン広場外貨両替ショップを開業させた。店舗としては、『JR博多駅外貨両替ショップ』は2店舗目となる。既にある福岡空港内の両替ショップは近くリニューアルする予定」としている。銀行がJR駅のコンコース中央に営業拠点を設けるのは全国的にも珍しく、福岡銀行の外貨両替サービスは、立地、営業時間、取扱通貨数、いずれをとっても満足してもらえるものと考えているという。地元九州における訪日外国人のおもてなしや、より良い街づくりを目指した福岡銀行の企画やサービスの拡充を順次実施する予定で、今後とも、地域のニーズに密着した取組みを強化していくしている。
2015年10月23日米App Annieはこのたび、2015年第3四半期のアプリ市場動向を分析した「アプリ市場動向レポート : App Annie Index 2015年第3四半期」を公開した。これによると、インドやインドネシア、ベトナムなどの新興市場が、アプリ市場の成長を牽引する重要な成長地域であることが明らかになったという。○レポートハイライト新興市場の成長は、インドと東南アジアにおける低価格スマートフォンの普及が後押しこれら地域では、スマートフォンを初めて購入する層が増加しており、中でも50ドル以下のスマートフォンが人気。新興市場に進出を考える日本のアプリパブリッシャーは、低価格市場の新しいユーザー層を狙うことで、競争から抜け出すチャンスを得られるかもしれないと同社は分析する。インドのGoogle Playでは、セキュリティ・ソーシャルネットワーク・メッセージングアプリが人気インドでは、「360 Mobile Security」などのセキュリティアプリと、ファイル共有ユーティリティの「SHAREit」などが、ダウンロード数の成長に大きく貢献したほか、FacebookとWhatsApp Messengerも、ダウンロード数の増加を支えた。これらのアプリの人気は、「Google Playのインドにおける成長が、スマートフォンを初めて手にするユーザーによるものである」ことを示唆していると同社は指摘する。中国のiOS App Storeでは 、収益の増加をゲームが、ダウンロード数の増加をソーシャル動画アプリがそれぞれ牽引ソーシャル動画アプリでは、「iCast Show」と「MiaoPai」がダウンロード数の成長に大きく貢献。動画アプリに加え、タクシー予約アプリの「Didi Dache」も目覚ましい成長を遂げ、Uberと覇権を争っているという。ゲームアプリでは、Tencentの人気IPをベースとした「The Legend of Mir 2」と「The King of Fighters’ 98 Ultimate Match」が収益の成長に大きく貢献した。
2015年10月22日IDC Japanは10月13日、国内ITサービス市場予測を発表した。同社の調査によると、国内ITサービス市場は金融機関や公共セクターにおける積極的なシステム構築投資に寄り、2014年には前年比3.9%増と、世界金融危機前の2007年に達成した成長率と並ぶ高い成長率で推移。2015年に入っても好調な市場環境は続き、同年の国内ITサービス市場の前年比成長率は2.7%に達すると同社は予測している。また、金融、公共によるシステム構築需要も継続し、SI(システムインテグレーション)、ITコンサルティングなどから構成されるプロジェクトベース市場の成長率は、2014年に引き続き2015年もITアウトソーシング市場の成長率を上回る見込み。同社は、2016年以降も国内ITサービス市場は堅調に拡大が続くと予測しているが、成長率は2015年までほどではなく、2014年から2019年にかけての年間平均成長率は1.9%と予測。成長率だけでなく、提供するサービス内容も同様に変化し、これまで市場成長をけん引してきたクライアント/サーバーシステムなどを中心とした「第2のプラットフォーム」に関わるシステム構築から、今後はクラウド、モビリティ、ソーシャル技術、ビッグデータ/アナリティクス、IoT(Internet of Things)などの、「第3のプラットフォーム」に関わるITサービス支出が急激に拡大していくと考えを示している。この「第2」から「第3」へのシフトはサービス内容だけでなく、競争環境や顧客との関係性も変えていき、このシフトに対応できないITベンダーは淘汰される可能性もあると分析している。
2015年10月14日多くの駅施設や商業施設などが立体的に絡み合い、階段や出口が多く複雑な駅構造としても知られる渋谷駅。その渋谷駅の待ち合わせスポットとして「ハチ公」と並び知られるのが「モヤイ像」です。胴体は無く、2つの人の顔が合わさった形をしている像ですが、調べたところ、実は1980年に新島から寄贈されたものだいいます。「モヤイ」とはどういう意味なのか? 新島にとって「モヤイ像」とは何なのか? 詳しいお話を新島村広報部の方に伺いました。――渋谷駅の南口にある「モヤイ像」ですが、どういった経緯で設置されたのでしょうか?新島には「渋谷区青少年センター」があり、以前から友好的つながりがありました。「モヤイ」の言葉が意味する一致団結、協力の精神、島の人の素朴な思いを大都会の人々に伝えるとともに、新島のPRにつなげたいという意向から、渋谷区の理解、協力を得て村から寄贈いたしました。――新島には数も種類もたくさんのモヤイ像があるということですが、モヤイ像の「定義」のようなものがあるのでしょうか?モヤイ像は新島で産出される「抗火(コーガ)石」という石で作られています。イメージキャラクター的な存在として、「オンジイ(流人のおじいさん)」と「モンモ(娘さん)」がいます。また、定義ではありませんが、モヤイは島の言葉で協同作業との意味があります。――「モヤイ」は島の言葉だったんですね!新島には渋谷駅のモヤイ像と似た意匠のものもありますか?新島には似た意匠の像もあります。渋谷のモヤイ像は顔の表情に凝っているところがポイントだと思います。――設置後の反応などはいかがでしょうか?直接、村の方には一般者からの意見などは届きませんが、皆さんもご存知のとおり、待ち合わせなどでよく使われているスポットだと思います。――ありがとうございました。いかがだったでしょうか。筆者は「モヤイ」は「モアイ」が訛ったものと思っていましたが、島の言葉ということでした。渋谷から離れた新島にも同じような顔のモヤイ像があるということは、聞くとなんだかわくわくしてきますね。活気に溢れる町・渋谷ですが、たまにはゆっくりと、海のそばにある同じ顔に思いを馳せてみるのも素敵ではないでしょうか。
2015年09月30日東京都の、いわずと知れたターミナル駅・東京駅。乗り入れ路線が多く、人通りも多いJR東京駅ですが、その中で待ち合わせスポットとして親しまれてきたのが八重洲地下中央口の改札内にある「銀の鈴」です。東京駅に、なぜ「鈴」なのか?どういった経緯で作られたのか?東日本旅客鉄道広報部の方にお話を伺いました。――東京駅の八重洲地下中央口改札内にある「銀の鈴」ですが、どういった経緯で設置されたのでしょうか?東京駅は、昭和39年10月に新幹線開業以来、お客さまが急増したため、「待ち合わせ場所を作っては?」という社員のアイディアから、お待ち合わせのお客さまと通常のお客さまを分けることで混雑緩和と利便性向上を図るために設置されました。神社で鈴をつけた紐をゆすってから拝むのは、神様を呼ぶためのものだそうです。古来、鈴は神様だけでなく、人を呼び注意を促す道具として使われており、待ち合わせ場所の意味合いと上記内容がマッチしていることと、東京駅の伝統にもふさわしいということで、鈴をモチーフにしたそうです。――それで鈴なんですね! 神社の鈴は金色が多いですが、なぜ「金」ではなく「銀」なのでしょうか?設置当時(昭和43年ころ)の駅社員の声から、渋く品のある銀色になったそうです。――設置された当初から現在の場所だったのですか?設置当初は地上(南乗り換え改札口前)にありましたが、平成6年の長野新幹線東京駅乗り入れ工事に伴い地下に移設され、今に至っています。――過去には実際に鈴の音が流れていたという噂も耳にしましたが…設置当初から昭和53年ころまでは、憩いの空間を演出するために鈴の中に設置したスピーカーから鈴の音を鳴らしていました。その後、4代目の銀の鈴から(平成19年10月設置)、銀の鈴広場に6か所設置したスピーカーから毎時00分に環境音楽を数分流して、待ち合わせに不可欠な時報機能を持たせています。――今の"鈴"は4代目だったんですね。定期的に変えているのには理由があるのでしょうか?定期的に変えている理由は特にございませんが、東京駅名店会さまの30周年記念事業として寄贈をいただいたり(3代目)、東京駅グランスタのオープンに合わせて、鉄道会館さまから寄贈いただく(4代目)など、東京駅にかかわる節目のタイミングで代替わりが行われています。――4代目ならではのデザインのコンセプトや、こだわりのポイントなどはありますか?4代目銀の鈴は、「出会いと旅立ち」をテーマに、日本を代表する立体作家である宮田良平さま(東京藝術大学長)にデザインを依頼し、多くのお客さまに長く愛されるデザインとしています。銀の鈴広場に設置した6か所のスピーカーから流れる環境音楽は、流れるような立体音響で快適性を向上しています。――利用者様の反応などはいかがでしょうか?直接お伺いすることはありませんが、親しみのあるデザインで待ち合わせスポットとして非常に親しまれております。――ありがとうございました。東京駅になぜ鈴が?と思っていましたが、由来を聞くと、待ち合わせ場所にはぴったりのモチーフでした。出張に旅行にと使う機会の多い駅なので、皆さんも4代目の「銀の鈴」を眺めながら待ち合わせ時間を過ごされてはいかがでしょうか。
2015年09月18日早朝から人々が声を掛け合い、せりを行う卸売市場。東京都内には実に11もの市場があるという。今回はその内でも特に訪れたい3カ所を紹介しよう。○マグロのせり現場に突入!卸売市場の代名詞ともなっている「築地市場」(中央区)。日本の活気ある卸売り現場を体感できるとあって、海外からの旅行者にも人気の的となっている市場だ。見学のパンフレットは英語だけでなく、中国語、韓国語、そしてロシア語まであるということからもその注目ぶりがうかがえる。まずは築地市場の中でも「築地市場マグロ卸売場」を訪れたい。ここでは、早朝に行われるせりの様子を見学できる。予約の必要はなく、先着順で120人までの入場が可能。「おさかな普及センター」という、何ともかわいらしい響きの受付で申し込みを行う。許可証代わりのベストをもらったら、着用して会場へ。写真撮影はできるがフラッシュは厳禁のため注意したい。ちなみに受付は5:00からとなっているが、定員に達してしまったら5:00前でも締め切ってしまうとのこと。がんばって早起きしよう。せっかく新鮮な食材が集まる市場にいるのだから食べずに帰るのはもったいない。場内にある「魚がし横丁」には必ず立ち寄ろう。築地市場では水産物だけでなく青果物も多く取引されているため、ここには実に様々なお食事処がそろっているのだ。そのほか、プロ仕様の調理器具や船用品を扱っている店も多数ある。食後の散策も楽しめるだろう。ガラスの浮き玉や船の舵はインテリアとしてもオススメだそうだ。やっと空が明るくなってきたころだというのに人々がせわしなく動き回り、大きなマグロを前に声を掛け合う様子は非日常的。東京にいながら異文化を体験するような気分になるだろう。築地市場は2016年11月に「豊洲新市場」への移転を予定している。80年近くの歴史がある築地市場を今のうちに見ておいてはいかがだろうか。アクセスは都営大江戸線「築地市場駅」下車すぐとなっている。○見学コース完備! ゆっくりめぐれる市場卸売市場は生鮮品を買い付ける業者の集まる"プロの仕事場"。そのため見学者は彼らの邪魔にならないように気を遣う必要があるものだ。そのライブ感が市場の醍醐味ではあるが、もう少しゆっくり見てみたい、という人には「大田市場」(大田区)をオススメしたい。ここには「見学コース」が完備されているため、自分のペースで見て回ることができる。大田市場で扱われているのは水産物、青果物、そして花。青果と花では日本一の規模を誇るという。まずは警備員の詰め所に立ち寄り、パンフレットを入手。あとは自由見学となるがコースの看板がところどころにあるため迷うことはないだろう。コースは2階ほどの高さにあり、上から市場全体を眺めることができる。ここでしか見られない壮観な光景だ。見学できる時間は5:00から15:00まで。それぞれに早朝からせりが行われているため、やはり早い時間に訪れた方がいいだろう。場内には築地市場と同様、お食事処がある。せりを見た後に食べる市場の朝ごはんはまた格別だ。大田市場へのアクセスはJR線「大森駅」や京浜急行「平和島駅」からバスを利用しよう。また、この市場の隣には東京港野鳥公園があり、東京らしからぬ自然の中でのバードウォッチングが楽しめる。たくさんある観察小屋には望遠鏡も設置してあるため、手ぶらで本格的な観察ができるのがうれしい。朝の市場見学の後、足を伸ばしてみてはいかがだろうか。○肉好きにはたまらない!「食肉市場」(港区)は、東京に11カ所あるという中央卸売市場で唯一の肉市場。通常の見学は受け付けていないが、毎年10月に"お肉の祭典"として特別に開放される。しかも、無料試食が多数あるという大奮発ぶり。2015年は「総称山形牛」のしゃぶしゃぶや、モツ煮込み、とんかつ、焼き肉の試食が用意されるとのこと。そのほかにも有料の屋台や、肉・野菜・革製品の販売ブースも登場するという。食三昧を楽しめそうだ。開催は10月24日~25日の10:00~16:00(25日は~15:00)。試食は数量が限られるため、早めに行った方が良さそうだ。また、イベントが開催されていない日でも「お肉の情報館」への入場は可能。肉の格付けについての説明や、実際に触れる事のできる牛の毛皮、実物大の牛・豚の内臓レプリカなども展示している。アクセスは各線「品川駅」より徒歩5分。東京の主要駅にお肉の市場があるところが面白い。意外と身近にある、東京の卸売市場。たまには少し早起きをして市場の活気を肌に感じ、新鮮な食材を食べて始まる一日、なんてものはいかがだろうか。また、市場は現場の人々にとっての仕事の場でもある。邪魔をしないよう、マナーを守って見学しよう。○筆者プロフィール: 木口 マリ執筆、編集、翻訳も手がけるフォトグラファー。旅に出る度になぜかいろいろな国の友人が増え、街を歩けばお年寄りが寄ってくる体質を持つ。現在は旅・街・いきものを中心として活動。自身のがん治療体験を時にマジメに、時にユーモラスに綴ったブログ「ハッピーな療養生活のススメ」も絶賛公開中。
2015年09月17日“美肌菌”を育ててスキンケア!「ビオサプ楽天市場店」が登場株式会社ビューティームは、楽天株式会社が展開するインターネットショッピングモール“楽天市場”に「ビオサプ楽天市場店」を9月1日にオープンした。ビオサプシリーズには【クリーミーホットクレンジング】や【アドバンスリッチクリーム】、【スピーディーモイストウォッシュ】および【バイオセルロースマスク】が用意されている。“美肌菌”に注目したビオサプとは?素肌の表面には数多くの菌がすんでいるというが、その中で皮脂や汗をたべてナチュラルなうるおい成分を生成してくれる“美肌菌”も存在している。そしてこの“美肌菌”に注目し開発されたスキンケアがビオサプ商品だ。ビオサプ商品の特徴ビオサプには美肌菌が好きな【バイオエコリア】がすべてのアイテムに調合されている。バイオエコリアは天然オリゴ糖で美肌菌の栄養となり、美肌菌によって肌の土台が調整された素肌へ豊かな美容成分を与えてくれる。ビオサプ商品は美肌菌のナチュラルな力と優しい使用感とともに、健康で美しい素肌を実現してくれる。(画像はプレスリリースより)【参考】・株式会社ビューティーム プレスリリース (PR TIMES)・株式会社ビューティーム
2015年09月07日IDC Japanは9月7日、国内ソーシャルビジネス関連市場について、2014年の同市場の分析と2015年~2019年の市場予測を発表した。同社はソーシャルビジネス関連市場を「コラボレーション」「CRM(カスタマーリレーションシップマネジメント)」「ERM(エンタープライズリソース管理)」のソフトウェア市場のうち、ソーシャルネットワーキング技術に関わる14の機能分類をテクノロジー市場として抽出し、各市場でのソーシャルネットワーキング技術利用状況を考慮し、それぞれ一部を抽出し、合算したコンペティティブ市場と定義している。2014年の国内ソーシャルビジネス関連市場規模は、前年比32.0%増の126億9300万円と推定されている。同社が行った企業ユーザーの利用動向調査では、企業内ソーシャルネットワーキングシステム活用は「特定の部署やプロジェクトでの利用」とした回答者が多く、利用目的も「プロジェクトの進捗/リソース管理」が最も多い結果となった。2015年の調査では、「顧客グループやコミュニティとのコラボレーション」「顧客へのサポート提供」などが2014年調査と比較して上位に位置しており、企業ユーザーのソーシャルテクノロジー活用の意識は、顧客やコミュニティとのエンゲージメントに移行していることが判明した。同社は、2015年以降の同市場は、企業のワークスタイル変化によるソーシャルネットワーキング技術を多用した従業員/顧客/パートナーとのコラボレーション、プロジェクト管理/マーケティング/人事管理/調達の各分野でのソーシャルネットワーキング技術の活用が見込まれることから、2014年~2019年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は26.3%で成長し、2019年には407億7100万円になると予測している。
2015年09月07日小田急電鉄は8月28日、同社線海老名駅とJR相模線海老名駅の両駅間に広がる事業用地(駅間地区)の開発計画の概要について決定したと発表した。また、2016年3月に実施予定のダイヤ改正から、特急ロマンスカーが小田急小田原線海老名駅および伊勢原駅に停車する。同社はこれまで、海老名駅周辺において、駅の改良工事や東口地区における大型商業施設「ビナウォーク」や複合商業施設「ビナフロント」の開発、賃貸・分譲マンション等の住宅供給などを行ってきた。開発計画では、「沿線中核駅」にふさわしいまちづくりとして、「憩う・くらす・育む~ViNA GARDENS~」を開発コンセプトに、約3万5000平方メートルの敷地を「住宅エリア」と「賑わい創出エリア」の2つのゾーンに分けて、街づくりを進めていく。「住宅エリア」では地域特性や将来的な人口構成の変化を見据えた住宅を供給し、また、「賑わい創出エリア」では周囲の既存施設との差別化を図った商業施設やオフィスに加え、地域の交流を育むカルチャー施設やフィットネスクラブ、郊外での新たな過ごし方を提案する施設などを計画している。2025年度の完成を目指している。また、2016年3月に実施予定のダイヤ改正から、小田急小田原線海老名駅および伊勢原駅を特急ロマンスカーの停車駅とすることも発表された。海老名駅は日中時間帯を中心に上下それぞれ1時間に1本程度、伊勢原駅は朝方下りおよび午後の上りに数本の停車を予定。
2015年08月31日矢野経済研究所は8月28日、2015年5月から7月にかけてクラウドファンディング運営企業、利用企業などに対して行った国内におけるクラウドファンディング市場の調査結果を発表した。調査は、同社専門研究員による直接面談、ならびに電話・e-mailなどによるヒアリングを併用して実施されたもの。同調査におけるクラウドファンディングとは、資金を必要とするプロジェクトなどがインターネットを介して不特定多数の人々から比較的少額な資金を調達する手段で、「購入型」「寄付型」「投資型(ファンド型)」「貸付型(ソーシャルレンディング)」を対象としており、年間の新規プロジェクト支援額を市場規模として算出している。2014年度の国内クラウドファンディングの市場規模(新規プロジェクト支援額ベース)は、前年度比59.5%増の197億1,200万円と拡大。東日本大震災を契機に、2011年以降、寄付を募るプロジェクトから認知が進み、社会貢献性や共感性の高いプロジェクトが多数起案されてきたことが背景にある。2014年度の市場規模を類型別にみると、購入型が約20億円、寄付型が約1億円、投資型(ファンド型)が約19億円、貸付型(ソーシャルレンディング)が約156億円であった。最も規模が大きい類型は貸付型で、全体の79.2%を占め、市場拡大に大きく貢献している。購入型、投資型も拡大基調にある。さらに同社では、2015年度の国内クラウドファンディング市場規模を、前年度比で43.9%増の283億7,300万円と見込んでいる。株式型の法整備が進展していることから、今後はネット証券の参入の可能性もあり、さらに市場規模は拡大するという予測だ。
2015年08月31日楽天とローソンは、楽天市場の対象商品を全国のローソン店舗で受け取ることができる「コンビニ受取りサービス」を9月1日より開始する。同サービスは、楽天市場の参画店舗で対象商品を購入し、コンビニ受取りサービスを配送方法として選択すると、自宅や勤務先近くなど、希望するローソン店舗で24時間365日、商品を受け取ることが可能というもの。受け取り可能なローソン店舗は2015年7月末時点で、ナチュラルローソンを含む1万1,299店(ただしローソンストア100を除く)。配送可能な商品は、ゆうパックでの取り扱いが可能となる「3辺の合計が100cm以内のサイズの商品」で、冷蔵・冷凍商品や代金引換、着払い、配達日・時間帯を希望する場合は対象外だ。受け取る際は、楽天市場が送付する受取可能メールに記載のある「お問合せ番号」と「認証番号」をローソン店頭のマルチメディア端末「Loppi (ロッピー)」に入力し、出力した申込券か同メールから取得できるバーコードを、ローソンのレジ・カウンターで提示すればよい。楽天はこれまで、ネットショッピングの市場拡大や消費者の多様なニーズに応えるため、専用宅配ロッカー「楽天BOX」や日本郵便が展開する「ゆうパック」の受取ロッカー・サービス「はこぽす」など、商品の受け取り方法を拡充してきた。また、ローソンは全国1万店以上の店舗網を活かし、店舗を拠点とした注文・受け取り・宅配サービス網を活用する「オープンプラットフォーム」の構築を進めてきた経緯がある。両社は今後も、利用者にとってさらに便利なサービスの提供を目指していく予定だ。
2015年08月27日楽天とローソンは25日、ショッピングサイト「楽天市場」の商品をローソンで受けとれる「コンビニ受取りサービス」を発表した。サービス開始は9月1日。「楽天市場」の商品を、ナチュラルローソンを含む全国のローソン店舗11,299店で受け取ることができるサービス。「楽天市場」の商品購入後に送付される「受取可能メール」内の問合せ番号と認証番号を、店頭のマルチメディア端末「Loppi」に入力し申込券を出力するか、同メールから取得できるバーコードをレジで提示すると、商品を受け取ることができる。店舗までの配送は日本郵便が担当。このため、コンビニ受取りサービスが利用できる「楽天市場」の商品は、「ゆうパック」で配送できる、3辺の合計が100cm以内のものが対象となる。このほか、冷蔵・冷凍商品や代金引換、着払、配達日および時間帯指定を希望する商品も、同サービスの対象外となる。
2015年08月25日中国株式市場の下落が他の株式市場へも影響を与える展開となっています。中国株式市場が下落した背景を主にファンダメンタルズ(基礎的条件)に求めると、中国景気への不安と中国当局の対応への失望が考えられます。○中国8月の財新製造業PMI速報値:2009年以来、6年半ぶりの低水準財新伝媒とマークイット・エコノミクスが2015年8月21日に発表した8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1と市場予想(48.2)、7月改定値(47.8)を下回りました(図表1参照)。PMIは50が製造業活動の拡大、縮小の目安となります。図表1:中国製造業PMIとGDP(国内総生産)の推移(月次、期間:2012年8月~2015年8月、GDPは四半期2015年4-6月迄)○どこに注目すべきか:製造業PMI、GDP、リバースレポ、MLF中国株式市場の下落が他の株式市場へも影響を与える展開となっています。中国株式市場が下落した背景は中国景気への不安と中国当局の対応への失望が考えられます。まず、短期的な景気動向をGDPについて、21日に公表された(GDPに)先行する傾向がある製造業PMIでみると、4-6月期のGDP成長率は前年同期比7%となりましたが、それ以降のPMIは下落しており、7-9月期のGDP成長率は4-6月期を下回る可能性が想定されます(図表1参照)。2つ目は中国のGDPの信頼性への疑問から、経済の実態への懸念が広がっていると見られることです。中国のGDP統計では、各地方政府が発表するGDPの合計が、国家統計局のGDPを上回っていたこと、その算出方法の説明不足等がかねてより指摘されていました。中国景気への懸念が高まり、市場は、恣意性が入りにくい指標への注目を高めていますが、これら指標は中国経済の悪化を示唆しています。例えば、電力消費量は前年比でマイナスを示す月もあるなど全般に低下傾向です。(安定している)失業率よりも実態に近いと思われる求人倍率も頭打ち傾向です(図表2参照)。また、中国の内需の動向を反映すると考えられている輸入も7月は前年同月比マイナス8.1%で、これで9カ月連続のマイナスとなりました。世界の商品市況が軟調な一つの原因と見られます。また、中国の内需の動向を反映すると考えられている輸入も7月は前年同月比マイナス8.1%で、これで9カ月連続のマイナスとなりました。世界の商品市況が軟調な一つの原因と見られます。図表2:中国電力消費量と求人倍率の推移(月次、期間:2010年7月~2015年7月、求人倍率は四半期)3つ目は政策への失望です。例えば、日本では量的金融緩和と財政政策の組み合わせで円安となったことで景気浮揚に一定の効果が見られましたが、8月11日の中国の事実上の人民元切り下げは基準値算出方法の見直しと人民元の水準調整に留まり、結果として生じた数%の人民元安は輸出の底上げには不十分と見られます。むしろ(人民元安に伴い)資本逃避の懸念があからさまになったこと、中国経済の実態に懸念が強まったことなど弊害だけが露呈した格好です。先週リバースレポや中期貸出制度(MLF)が利用され注目しましたが利用の背景は、先の人民元安の再調整に為替介入を実施し、減少した市中の流動性確保に使用された模様で、短期金利の低下は見られず、対応にちぐはぐな面も見られます。規制緩和を実施した住宅市場では一部の都市で住宅価格がプラスに転じるなど効果も見られただけに適切な対応が求められます。市場では、預金準備率や政策金利引き下げ等の金融政策や財政政策が期待されていますが当局の対応は現段階、鈍い印象で市場は不安定な動きも見込まれます。●ピクテ投信投資顧問が提供する、「今日のヘッドライン」からの転載です。
2015年08月25日