ベトナム戦争の現実を鮮烈に切り取った写真「安全への逃避」で1966年のピューリッツァー賞を受賞、世界中に今も多くのファンを持つフォト・ジャーナリスト、澤田教一。彼の短くも濃い人生と、妻サタとの絆を描く舞台『ホテル マジェスティック』が、玉木宏の主演で上演される。タイトルになっている“ホテル マジェスティック”は、ホーチミン(旧サイゴン)で現在も経営を続けている老舗ホテル。ベトナム戦争時は海外から集まった特派員が多数滞在し、取材の起点となったことでも知られている。これが初舞台となる玉木を支えるのは、酒井美紀、徳山秀典、秋山真太郎(劇団EXILE)、紫吹淳、そして別所哲也ら実力派の面々。12月21日、脚本の樫田正剛と演出の星田良子も交え、都内で制作発表が行われた。『ホテル マジェスティック ~戦場カメラマン澤田教一 その人生と愛~』チケット情報緊張気味に登壇した玉木は、「20代の頃から舞台に挑戦したいと思っていたので嬉しい。澤田さんとは比べ物になりませんが、僕も写真を撮るのが好きなので、1枚の写真で物語や意味を伝える難しさを感じることがある。その共通点を大切に演じたい」と意気込みを語った。妻サタ役の酒井は「戦場に行くことに反対するものの、夫の気持ちを尊重して自分も付いていくサタさんの強さと覚悟はすごい。同時に、誰にでもある家族を思う気持ちを表現できたら」と熱く話した。続いて、米軍に所属する傭兵・湯川役の徳山は「傭兵になるに至った裏側、理由まで意識してやりたい」、澤田の同級生で商社マンの中嶋を演じる秋山は「澤田とのやりとりを通して戦争の哀しさを伝えられれば」と、それぞれに本作への想いを語った。澤田の同僚の女性カメラマン、平良を演じる紫吹が「女性の戦場カメラマンと聞いて、まず思い浮かんだのは山本美香さん。どんな気持ちでいたかは想像しか出来ないけれど、そういった人たちの想いが伝わるような舞台にしたい」と話すと、玉木が真剣な表情でうなずくひとコマも。それを受けるように、「戦争の写真を撮ることが仕事の人たちにとって、生きる意味やジャーナリズムを気持ちの中でどう整理しているのか。その部分もしっかりと考えながら舞台に立っていたいですね」と澤田の上司・大河内役の別所も話した。途中、サタさんからのメッセージが読みあげられると、「気が引き締まる思い」と感動の面持ちの玉木。夫婦の出身が青森であることから、劇中のサタとの会話は津軽弁になるとか。口ベタだが一度決めたら後に引かないと言われた武骨な澤田を、玉木がどう演じてくれるのか。新境地で見せる、玉木の新しい表情に注目だ。公演は来年3月7日(木)から17日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、3月20日(水・祝)から24日(日)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。ともにチケット発売中。取材・文佐藤さくら
2012年12月25日アカデミー賞にノミネートされること5回。そのうち『グローリー』で助演男優賞、『トレーニング・デイ』で主演男優賞。名実ともにハリウッドでトップの座についているデンゼル・ワシントンに、またしてもアカデミー賞の呼び声があがっている。最新作『フライト』で見せた見事な演技である。その他の画像「私はこんな役が大好きなんだ。白黒はっきりしているようなキャラクター、つまり善と悪がすぐに色分けできるような人間には興味ない」デンゼルがそうきっぱり言いきっているように本作の主人公である旅客機のパイロット、ウィトカーは一筋縄ではいかないキャラクターだ。パイロットとしての腕は超一流。だからこそ、操縦不能な状態に陥っても不時着し犠牲者を6名に留めることができる。だが実はアルコール依存症を患っていて……そんな状況からウィトカーを描くドラマが始まるのだ。デンゼルがどんな人物像を作りあげているかと言えば、まさに玉虫色。善とも悪とも言いきれない人物であり、それでいて強烈な存在感とカリスマを感じさせる。「こういう脚本と、最高の監督によってスペシャルな旅に連れて行かれたような気持ちがしたよ。なぜスペシャルかというと、自分をさらけ出し、ダークな場所へと行かなきゃいけないからだ。これは役者としては最高に楽しい旅なんだ」ちなみに、その「最高の監督」とは、本作で12年ぶりに実写映画に復帰したロバート・ゼメキス。彼もまたデンゼルの演技を「素晴らしかった」と絶賛する。「依存症の演技で何が一番役立ったか白状するとYouTubeの動画だよ。“酔っ払い” で検索するとごまんと出てくる。これが最高の教科書だった、いや、ホントに(笑)」このユーモア感覚。それもデンゼルの魅力であり、本作の魅力にもなっているのだ。『ぴあ Movie Special 2012-2013』より文:渡辺麻紀『フライト』3月1日(金)全国ロードショー
2012年12月25日先日の第70回ゴールデン・グローブ賞にて、『世界にひとつのプレイブック』にて主演男優賞に初ノミネートされたブラッドリー・クーパーが、本作を引っ提げて、来年の1月下旬に来日することが明らかとなった。妻の浮気が原因で心のバランスを崩したパット(ブラッドリー・クーパー)は、家も仕事も妻も、すべてを失ってしまい、いまは実家で両親と暮らしながら、社会復帰を目指してリハビリ中の身だ。何とか妻とヨリを戻したいパットは、彼女の理想の夫になろうと努力するが、妻は接近禁止命令を解いてくれない。そんなとき近所に住むティファニー(ジェニファー・ローレンス)に出会う。愛らしい姿からは想像もつかない、過激な発言と突飛な行動を繰り出す彼女に、振り回されるパットだったが──。先述のゴールデン・グローブ賞でのノミネートを始め、本年度トロント国際映画祭、ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 、サテライト・アワードなど世界各国の映画祭やアワードで高い評価を得て、現在注目度がグングン上昇中の『世界にひとつのプレイブック』。ブラッドリー自身は、これまで『ハングオーバー!!』シリーズでのイメージが先行していたが今回、本作で主演男優賞をいくつも受賞し、多くの映画ファンや業界人たちからすでに太鼓判を押されており、日本でもさらなる人気を集め始めているいま最もホットな俳優だ。来日は、2010年に公開された『特攻野郎Aチーム THE MOVIE』以来、約2年5か月ぶり2度目となるブラッドリー。来日は1月下旬を予定しており、2013年1月13日(現地時間)にはゴールデン・グローブ賞の結果が発表され、さらにアカデミー賞を目前に控えるタイミングでの来日となるが、ブラッドリーの会心の笑顔が見られることを期待したい。『世界にひとつのプレイブック』は2月22日(金)よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える 2011年7月1日より丸の内ピカデリーほかにて公開(C) 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND LEGENDARY PICTURES世界にひとつのプレイブック 2013年2月22日よりTOHOシネマズシャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開(C) 2012 SLPTWC Films, LLC. All Rights Reserved.
2012年12月20日先日、ノミネートが発表された第70回ゴールデングローブ賞にて、主演のマリオン・コティヤールがドラマ部門の主演女優賞に、そして外国語映画賞に選出された『君と歩く世界』。本国・フランスでは『最強のふたり』に続くスマッシュヒットを記録し、当週のハリウッド作品を抜き初登場2位を獲得した本作の予告編がこのたびポスター・ビジュアルと共に、遂に解禁となった。南仏・アンティーブの観光名所・マリンランドのシャチ調教師・ステファニーを突然襲った事故は、彼女の人生を一変させた。満場の拍手を浴びながら、シャチによる華麗なショーを指揮している最中にステージが崩壊し、両脚を失う大怪我を負ってしまったステファニー。絶望の海に沈む彼女が出会ったのは、他者への愛を表現する術を知らないアリという名の不器用な男。哀れみの目を向けず、妙な気づかいもせず、自分に接してくるアリに不思議な魅力を感じたステファニーは、すでに諦めかけていた生きる喜びを呼び覚まされ、自らの意思で未来へ踏み出す力を掴み取っていく。宝石のようにきらめく幾つもの人生の発見に満ちあふれ、いかなる痛みや悲しみに打ちひしがれても這い上がり、時には生まれ変わることさえできる人間のもつ可能性を息を飲むような迫真のリアリティで描き出す本作。中でも注目すべきは“両足をなくした女性”という難役中の難役に挑んだマリオンの渾身の演技だ。今回公開となった予告編では、ステファニーとアリそれぞれの葛藤や、次第に変わっていく2人の姿が映し出される。同時公開となったポスター・ビジュアルにも「光射す方へ一歩ずつ2人で」とあるが、彼らはそれぞれの生きる希望をどのように見つけ、再び自身の人生を歩み始めていくのだろうか。美しい音楽で彩られる素晴らしい映像世界をひと足お先に堪能してみては。『君と歩く世界』は2013年4月6日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:君と歩く世界 2013年4月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Why Not Productions - Page 114 - France 2 Cinéma - Les Films du Fleuve – Lunanime
2012年12月19日女優の吉永小百合が12月18日(火)、都内のホテルで開かれた「第37回報知映画賞」の表彰式に出席。『北のカナリアたち』での熱演が評価された吉永さんは、28年ぶりに同主演女優賞を獲得したが「みなさんから良い作品だという声をたくさんいただき、手応えもあった。もしかしたら、作品賞かなと期待していたので、私ひとりでいいのか…という思いがあります」と恐縮した様子。それでも『北のカナリアたち』、『ALWAYS 三丁目の夕日’64』の2作品で助演男優賞を受賞した森山未來、お祝いに駆けつけた共演者の満島ひかり、撮影を手がけた木村大作氏とステージに居並び、『北のカナリアたち』がこの日の“主役”となった。「今年は決選投票で、僅差だったと伺っています」(吉永さん)という通り、大接戦となった作品賞を制したのは、内田けんじ監督の『鍵泥棒のメソッド』。内田監督の受賞を祝おうと、堺雅人、広末涼子、香川照之という豪華キャスト陣が駆けつけ表彰式を彩った。「終始ワハハと笑いながら、楽しく平和に撮影した。だから、逆にインタビューで答えることがなくて、インタビュアーさんを困らせちゃったほど」(堺さん)、「素っ裸のまま、銭湯ですっ転ぶ(笑)。そんなたった1秒のシーンを、丸一日かけて撮影したのが昨日のよう」(香川さん)。ちなみに、広末さんは体調不良で声が出ず、挨拶こそなかったが、その分男優2人が丁々発止のやりとりで盛り上げ役を買って出るなどチームワークは相変わらず。内田監督も「この映画は、とにかくキャストが良かった」と喜びの笑顔を見せていた。また、高倉健が約6年ぶりの出演作『あなたへ』で、第2回(1977年)以来の主演男優賞を受賞した。スケジュールの都合で表彰式は欠席となったが、「今回の受賞を励みに、これからも精進していきたい」とメッセージを寄せ、さらなる飛躍を誓うと、会場からは大きな拍手が沸き起こった。高倉さんの代理として、同作がなんと20本目のタッグとなる盟友・降旗康男監督が登壇し、「健さんを鉄に例えるのも何ですが(笑)、『鉄は熱いうちに打て』という言葉もあるように、とにかく早く次の作品を撮りたい」と次なる21本目に期待感。「ぜひ面白い企画で、健さんを誘い出してくれれば、友人として嬉しい」と映画関係者が集う会場でアピールしていた。<「第37回報知映画賞」受賞結果一覧>作品賞・邦画部門:『鍵泥棒のメソッド』(内田けんじ監督)作品賞・海外部門:『アルゴ』(ベン・アフレック監督)主演男優賞:高倉健(「『あなたへ』)主演女優賞:吉永小百合(『北のカナリアたち』)助演男優賞:森山未來(『ALWAYS 三丁目の夕日’64』『北のカナリアたち』)助演女優賞:安藤サクラ(『愛と誠』『その夜の侍』)監督賞:吉田大八監督(『桐島、部活やめるってよ』)新人賞:満島真之介(『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』)新人賞:能年玲奈(『カラスの親指』)■関連作品:鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会あなたへ 2012年8月25日より全国東宝系にて公開© 2012「あなたへ」製作委員会ALWAYS三丁目の夕日‘64 2012年1月21日より全国東宝系にて公開© 2012 「ALWAYS三丁目の夕日‘64」製作委員会 北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会愛と誠 2012年6月16日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「愛と誠」製作委員会その夜の侍 2012年11月17日より全国にて公開© 2012「その夜の侍」製作委員会桐島、部活やめるってよ 2012年8月11日より新宿バルト9ほか全国にて公開© 2012「桐島」映画部©朝井リョウ/集英社11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち 2012年6月2日より全国にて公開カラスの親指 2012年11月23日より全国にて公開© 道尾秀介・講談社/2012「カラスの親指」フィルムパートナーズアルゴ 2012年10月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2012年12月18日舞台を現代に移した設定でシャーロック・ホームズを演じたドラマ「SHERLOCK/シャーロック」で第70回ゴールデン・グローブ賞TVミニシリーズ主演男優賞にノミネートされたベネディクト・カンバーバッチ。祝杯をあげようと出かけた先で、同伴の若い女性とのツーショットをパパラッチに撮られてしまったようだ。恋人かと憶測を呼んだこの女性、実は彼のパーソナル・アシスタントで、姪だったのだ。そうとは知らないパパラッチの猛攻を受けたベネディクトは、AP通信の取材に「姪でパーソナル・アシスタントのエミリーと出かけたら、いきなり撮られたんだ。車に乗ろうとしていたところだった」とふり返る。「パパラッチは『お、綺麗なブロンド女性と…』と考えたんだろうね。かわいそうに、彼女はあんな目に遭ったことなかったんだ。僕だってそうだ。パパラッチは車のボンネットに15人くらいいたよ」と語った。先日、『スター・トレック イントゥ・ダークネス』のプロモーションで初来日した際も、成田空港に500人以上のファンが詰めかけたばかり。静かな生活を送るのは日に日に難しくなっているようだ。(text:Yuki Tominaga)© Rex Features/AFLO■関連作品:SHERLOCK/シャーロック [海外TVドラマ]© Colin Hutton Hartswood Films 2010 John Rogers © Hartswood Films 2010スター・トレック イントゥ・ダークネス 2013年9月、全国にて公開
2012年12月17日12月13日(現地時間)に発表となった第70回ゴールデングローブ賞。このたびアカデミー賞の前哨戦としても注目度の高い本賞の外国語映画賞部門に、日本でも大ヒットを記録した『最強のふたり』を始め、マリオン・コティヤール主演『君と歩く世界』、ミヒャエル・ハネケ監督最新作『愛、アムール』、『A Royal Affair』(原題)、『Kon-Tiki』(原題)がノミネートされたことが明らかとなった。本国・フランスでの公開時には、『最強のふたり』に続くスマッシュヒットで当週のハリウッド作品を抜き初登場第2位を獲得、2012年の映画祭でも続々と受賞を果たすなど満を持してのゴールデン・グローブ賞のノミネートとなった『君と歩く世界』。フランスを代表する名匠ジャック・オディアールと組み、“両足をなくした女性”という難役に挑んだマリオンは本作で、見事ドラマ部門での主演女優賞にもノミネートを果たしている。マリオンは2012年ハリウッド映画祭に本作が出品された際、主演女優賞を受賞。来年の1月14日(現地時間)での授賞式にも期待ができそうだ。そして、外国語映画賞にノミネートされたもう一つの注目作が、誰しもが避けて通れない「老い」と「死」の淵に立つ夫婦の姿を、巨匠ミヒャエル・ハネケ監督が描く『愛、アムール』。2012年カンヌ国際映画祭パルムドール賞を受賞、ヨーロッパ映画賞では作品賞を始め監督賞、主演男優賞、主演女優賞の主要4部門を受賞するなど快進撃を続ける本作。12月13日時点では、39個のノミネート、18個の受賞という驚異の記録をもつ本作の今後のゆくえにも注目だ。さらにノミネートされた『A Royal Affair』は正気でない王と結婚した若い王妃が、彼女の内科医と秘密の恋に落ちていき、国を変えるために彼との革命を決意するストーリー。そして『Kon-Tiki』では、筏・コンティキ号を建造し1947年に南アメリカからポリネシアへの航海に挑戦した人類学者であり海洋生物学者のトール・ヘイエルダールらの航海を描いた映画となっている。そして本国・フランスでは3人に1人が観たと言われ、各国の大統領なども関心を寄せる社会現象を巻き起こした『最強のふたり』も、もちろんノミネートを果たしている。果たして今年の外国語映画賞を制するのはどの作品か!?引き続き賞レースのゆくえから目が離せない。第70回ゴールデン・グローブ賞の授賞式は2013年1月13日(現地時間)に開催。■関連作品:君と歩く世界 2013年4月6日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© Why Not Productions - Page 114 - France 2 Cinéma - Les Films du Fleuve – Lunanime愛、アムール 2013年3月9日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、伏見ミリオン座ほかにて公開© 2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinéma - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk最強のふたり 2012年9月1日よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開© 2011 SPLENDIDO/GAUMONT/TF1 FILMS PRODUCTION/TEN FILMS/CHAOCORP
2012年12月14日今年10月より公開され、大ヒットを記録した『アルゴ』が第70回ゴールデン・グローブ賞において最優秀作品賞・ドラマ部門、監督賞、助演男優賞、脚本賞、音楽賞の5部門にノミネートされ、監督・主演を務めたベン・アフレックより、喜びのコメントが到着した。1979年11月4日、イラン革命が激化していたテヘランにて、アメリカ大使館占拠事件が発生。過激派により52人の人質となり、内6人が逃げ出すことに成功。しかし、敵だらけの町中に置き去りにされた彼ら6人にはさらなる危険が迫っていた。CIA救出作戦のエキスパート、トニー・メンデス(ベン・アフレック)は、命が狙われている彼らを無事に国外へと逃すため、“ニセの映画撮影”を装い前代未聞の作戦を立てるのだが――。ベンは監督賞の部門でノミネートを果たしたが、「『アルゴ』をゴールデングローブ賞5部門にノミネートしていただき、本当にありがとうございます。これはアメリカ、カナダ、イラン、そして世界中の英雄たちの勇気や熱意のおかげです。複数の言語を話す役をこなしてくれた120人の俳優たち、アメリカや海外の何千人ものエキストラたち、映画の製作に心血を注いでくれた何百人ものスタッフたち、そして本日ノミネートされたアラン・アーキン、クリス・テリオ、アレクサンドル・デプラ、全ての人たちに感謝の気持ちを贈ります!」と普段のクールなイメージから一転、喜びを爆発させた。さらに、助演男優賞でノミネートとなったアラン・アーキンからは、「とても光栄に思います。特にクリストフ・ヴァルツ、レオナルド・ディカプリオ、フィリップ・シーモア・ホフマン、そしてトミー・リー・ジョーンズといった、私が非常に尊敬している俳優たちと一緒にノミネートされたことにとても感激しています。また、この『アルゴ』でベン・アフレックが注目を集めたことに非常に興奮しています」と、1960年代から映画俳優として活躍する大御所とは思えない謙虚さでその胸の内を明かしてくれた。今回のゴールデン・グローブ賞5部門でのノミネートで人気が再燃することは間違いない!『アルゴ』ブルーレイ&DVDは早くも2013年3月13日(水)より発売。「アルゴブルーレイ&DVDセット(初回限定生産)」発売日:2013年3月13日(水) ※同日、レンタル/オンデマンド配信開始価格:3,980円(税込)発売/販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ発売元:ワーナー・ホーム・ビデオ/デジタル・ディストリビューション© 2012 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.■関連作品:第70回ゴールデン・グローブ賞 [アワード] 2012年12月13日(現地時間)にノミネート発表、2013年1月13日に授賞式開催アルゴ 2012年10月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
2012年12月14日昨日、発表された今年のゴールデン・グローブ賞(GG賞)のノミネート結果。映画界最大の祭典に向けて、本場ハリウッドを始め、大きな盛り上がりを見せる今年の賞レースだが、このほど、同賞にて『ヒッチコック』で主演女優賞・ドラマ部門にノミネートを果たしたヘレン・ミレンから喜びのコメントが到着した。1959年、ヒッチコックは新作『サイコ』の製作に挑んでいた。後にサスペンス映画の金字塔と称えられ、現代に至るまで多くのクリエイターに影響を与え続けているヒッチコック最大のヒット作だ。だが当時、映画史上かつてない斬新さゆえに、ヒッチコックは資金難など数々の試練にぶつかり、さらに最大の味方のはずの妻・アルマとの関係まで揺らぎ始める。監督として、そして夫として、ヒッチコックは岐路に立たされるのだった――。斬新な演出方法で世界に衝撃を与え、“サスペンスの神”と謳われた巨匠アルフレッド・ヒッチコックと、彼を支えた妻アルマ・レヴィルとの知られざる物語を描いた本作。昨日、発表された第70回GG賞でのノミネートを含め、主人公・ヒッチコックを演じたアンソニー・ホプキンスの名演と並び、各方面からその評判の高さが聞こえていた妻・アルマ役のヘレン。今回届いたコメントでは、「この度はノミネートいただきまして、誠に光栄です。私が演じたヒッチコックの妻・アルマ。この映画『ヒッチコック』でも描かれている彼女のヒッチコック作品への貢献が認めてもらえたことを心の底から感謝いたします!」と喜びを語っている。過去にイギリス王室の舞台裏を描いた『クィーン』(’07)で、アカデミー賞主演女優賞を受賞した実績を持つ大女優・ヘレン。母国・イギリスでは、“デイム”(=ナイトの女性版)の称号を与えられおり、その役者としても、ひとりの女性としても美しく逞しい彼女の名演に期待せずにはいられない。『ヒッチコック』は2013年春、全国にて公開。■関連作品:第70回ゴールデン・グローブ賞 [アワード] 2012年12月13日(現地時間)にノミネート発表、2013年1月13日に授賞式開催ヒッチコック 2013年春、全国にて公開© 2012 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.
2012年12月14日『007カジノ・ロワイヤル』の悪役ル・シッフル役や、『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』でのロシュフォール隊長など存在感のある役どころで人気を博している名優マッツ・ミケルセンの最新主演作『偽りなき者』。先日、英国インディペンデント映画賞で外国語映画賞に輝いた本作のポスター・ビジュアルがどこよりも早くシネマカフェに到着した。離婚と失業の試練を乗り越え、穏やかな日常を取り戻したかに思えたルーカス(マッツ)は、ある日、親友の娘・クララの作り話が元で変質者の烙印を押されてしまう。クララの言葉を信じ込んだ人たちは、ルーカスの身の潔白を説明しようとする声に耳を貸そうとせず、ルーカスは仕事も親友も、そして信用も全てを失ってしまう。ルーカスに向けられる憎悪と敵意がますますエスカレートし、真実が深い闇の奥に葬られようとする中、それでもルーカスは無実を訴えるのだが…。理不尽な恐怖と男の孤独な戦いの行方を描き、本年度の英国インディペンデント映画賞では鬼才ミヒャエル・ハネケ監督作『愛、アムール』を抑え、外国語映画賞を受賞した本作。今年のカンヌ国際映画祭でも、マッツが主演男優賞を獲得するなど世界各国の映画祭で脚光を浴びており、日本での公開も多くの映画ファンが今や遅しと待ちかまえている話題作だ。今回、初お披露目となったポスター画像ではクールなイメージのあるマッツが深く抱擁し合うワンシーンが映し出されている。そして、その横には「決して、譲れないものがある―」とマッツ扮するルーカスの覚悟を思わせる言葉が添えられている。『007』シリーズで大人気となったダニエル・クレイグにも通じる、女子たちの心をわし掴みにするクールな雰囲気をまとうマッツ。世界中の賞を騒がせた『偽りなき者』の名と共に、2013年はブレイクを果たすのでは?『偽りなき者』は2013年3月、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。■関連作品:偽りなき者 2013年3月、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開© 2012 Zentropa Entertainments19 ApS and Zentropa International Sweden.
2012年12月13日今年の第65回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝いたミヒャエル・ハネケ監督の『愛、アムール』が、2012年ヨーロッパ映画賞の主要賞4つを総なめにした。来年の3月9日(土)にも日本公開予定の本作は、主役の2人ジャン=ルイ・トランティニャンとエマニュエル・リヴァがヨーロピアン・アクター賞とヨーロピアン・アクトレス賞を、ミヒャエル自身もヨーロピアン・ディレクター賞を受賞し、さらに作品がヨーロピアン・フィルム賞に選ばれた。ソニー・ピクチャーズ・クラシックスが北米配給権を獲得している本作は、秋の映画祭シーズンで賛否両論を巻き起こした話題作だ。さらに『愛、アムール』は、来年に開催されるアカデミー賞で外国語映画賞の最有力との呼び声も高い。■関連作品:愛、アムール 2013年3月9日よりBunkamuraル・シネマ、銀座テアトルシネマ、新宿武蔵野館、シネ・リーブル梅田、伏見ミリオン座ほかにて公開© 2012 Les Films du Losange - X Filme Creative Pool - Wega Film - France 3 Cinéma - Ard Degeto - Bayerisher Rundfunk - Westdeutscher Rundfunk
2012年12月04日ノーベル賞に数学賞がないのをご存じでしょうか? ノーベル数学賞がない代わりに、数学のノーベル賞と言われているのが『フィールズ賞』です。天才が受賞するこのフィールズ賞の面白い話をまとめてみました。まずノーベル賞に数学賞がないのが不思議です。数学は数式で世界の森羅万象を表そうとするもので、最も美しい科学と言ってもいいでしょう。もし宇宙人と接触することがあったら、同じ宇宙に生きる者同士として、数式はきっと通じるに違いありません。では、なぜノーベル賞にこの重要な数学部門がないのでしょうか。これには諸説ありますが、ノーベルの個人的な恨みつらみがその原因とする説があります。■あいつに取らせたくない!スワェーデンにマグナス・グスタフ・ミッタク-レフラー(1846年~1927年)という数学者がいました。ノーベルさんは彼が嫌いで、彼にノーベル賞を取らせたくないのでノーベル賞に数学部門を設けなかったという説。■数学者に彼女をとられたノーベルは生涯独身を貫きましたが、ノーベルが好きだった女性を数学者に取られてしまったので、数学者に恨み骨髄。それでノーベル賞に数学部門を設けなかったという説。いずれにしてもあまりカッコのいい話ではありませんね(笑)。さてフィールズ賞です。これは1936年、カナダ人の数学者ジョン・チャールズ・フィールズ(1863年~1932年)が提唱して設立された数学賞です。4年に一度開催される世界数学者会議で選出されます。面白いのは年齢制限があることです。40歳までの素晴らしい業績を上げた数学者に贈られます。また人数制限もあって1回につき4人までとなっています。■日本人数学者は3人も受賞!日本人数学者もフィールズ賞を受賞しています。小平邦彦先生(1954年受賞)、広中平祐先生(1970年受賞)、森重文先生(1990年受賞)の3人です。小平邦彦先生(1915年~1997年)は『調和積分論、二次元代数多様体の分類』によって、広中平祐先生(1931年~)は『標数0の体上の代数多様体の特異点の解消、および解析多様体の特異点の解消』によって、森重文先生(1951年~)は『3次元代数多様体の極小モデルの存在定理』によって受賞されました。■14歳で独力で発見ノルウェーのアトル・セルバーグ(1917年~2007年)先生は1950年にフィールズ賞を受賞していますが、「栴檀は双葉より芳し」とはよく言ったもので、若い時から数学に素晴らしい才能を発揮していました。有名なエピソードですが、14歳の時にすでに独力でベルヌーイ(1700年~1782年)が考えた公式を独力で発見したというのです。第二次世界大戦時にはドイツがノルウェーに侵攻。先生も祖国のために戦いますが、投獄されてしまいます。しかし占領下のノルウェーでも研究を続け、戦後先生の業績が花開くことになったのでした。■隠居生活にフランスのアレクサンドル・グロタンディーク先生(1928年~)は1966年にフィールズ賞を受賞しています。1つの命題を突き詰めて考え続けるという数学の特性ゆえでしょうか、数学者には隠居生活に入る人が多いようです。グロタンディーク先生も変わった人で、今世紀最大の数学者と賞されながら1970年頃になると、自らが設立した『フランス高等科学研究所』も辞め、数学の世界と距離を置き、1991年には家族も振り捨てて隠居生活に入ってしまいました。現在も(生きているだろうけど)消息は不明とされています。■特別賞を出さなくちゃ!イギリスのアンドリュー・ワイルズ先生(1953年~)は年齢制限にひっかかりながらもフィールズ賞を受賞した唯一の学者です。というのは、360年もの長きに渡って幾多の天才たちの挑戦を阻んできた『フェルマーの最終定理』の証明をやってのけたからです。証明論文は1995年に発表されていますが、この時ワイルズ先生は42歳。フィールズ賞の規定に引っかかりますが、さすがにこの快挙に賞を出さないわけにはいかなかったのです。またこの歴史的証明には、岩澤健吉先生(1917年~1998年)の『岩崎理論』が決定的な役割を果たしました。日本人としても誇らしいことですね。■賞を根こそぎ辞退数学の面白いところは証明しなくてはならない点です。どんなに一見正しそうな命題、定理があったとしても、それが証明できなくては数学的な前進にならないのです。近年、数学界ではミレニアム懸賞問題の1つ『ポアンカレ予想』が解決されました。解いたのは、ロシアのグリゴリー・ヤコヴレヴィチ・ペレルマン先生(1966年~)です。ちなみにミレニアム懸賞問題とは、アメリカのクレイ研究所が2000年に発表した数学の7つの未解決問題のことで、それぞれに100万ドルの懸賞金がかけられています。ペレルマン先生は2002年、2003年に亘って論文を『arXiv』(アーカイブと読みます。数学、物理学などの論文が上げられるサーバ)に発表。約4年がかりでその証明が正しかったと認知されました(!)。結果、2006年にフィールズ賞に選出されましたが受賞を辞退。2010年には懸賞金をかけたクレイ研究所から、ポアンカレ予想の解決者として認定されましたが、それも辞退。ペレルマン先生の消息は不明で、新たなる問題に取り組んでいると言われます。フィールズ賞を受賞するような先生方は例外なく天才で、しかも天才ゆえに面白いエピソードに事欠きません。論文の方はとても理解できませんが、先生方の人間性には興味を引かれますね。さて、みなさんは数学は好きでしたか?(高橋モータース@dcp)
2012年10月31日『トレーニング デイ』で主演男優賞、『グローリー』で助演男優賞と2度のアカデミー賞に輝き、近年ではライアン・レイノルズと共演した『デンジャラス・ラン』も大ヒットと、いまやハリウッドのトップ俳優となったデンゼル・ワシントンを主演に迎えたサスペンス超大作『フライト』。先日のN.Y.プレミアに続き、10月23日(現地時間)、L.A.にてプレミアイベントが開催され、デンゼルを始め、ケリー・ライリー、メリッサ・レオらキャスト陣に加え、ロバート・ゼメキス監督が登壇。デンゼルからの日本のファンに向けたメッセージも到着した。高度3万フィートで、ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)が操縦する飛行機が不慮のエンジントラブルを起こすが、機長の咄嗟の判断で緊急着陸に成功し大惨事を逃れ、多くの命を救った。人々はどんな一流パイロットにも不可能な“奇跡の着陸”を称え、彼は一躍国民的なヒーローとなる。しかし、その後の調査で彼の血液中からアルコールが検出されてしまい…。多くの人々の命を救い、一躍“時の人”としてもてはやされるも、血液中からアルコールが検出されたことをきっかけに、“疑惑のヒーロー”となったひとりの男の葛藤と高度3万フィートで起きた真実を描く本作。「日本のみなさんは、きっと映画に満足してくれると思う。『フライト』は本当に素晴らしい作品だよ。ぜひ、僕の演技を観に来て欲しい。映画館でお会いしましょう」と日本のファンに向けたコメント。さらに先日、映画業界紙「ハリウッドレポーター」で大絶賛されたこともあってか、早くもアカデミー賞最有力作品との呼び声も高く、詰めかけたマスコミ陣からはオスカーに関する質問が飛ぶも、「この作品で、そのようにうわさされるのはとても素晴らしいよ。でも、まだ結果は分からないからね」とかわしながらも自信のほどを伺わせていた。共演には、『ホテル・ルワンダ』でアカデミー賞主演男優賞にノミネートされたドン・チードル、『ザ・ファイター』で同賞助演女優賞を獲得したメリッサ・レオ、『アーティスト』のジョン・グッドマン、『シャーロック・ホームズ』シリーズのケリー・ライリーら、実力派俳優が顔を揃える本作。ハリウッド最高峰のスタッフ・キャストたちが作り上げたこの感動は、どこまで世界を魅了することになるのか?『フライト』は2013年3月1日(金)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:フライト 2013年3月1日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2012年10月26日『トレーニング デイ』(’01)でアカデミー賞主演男優賞に輝いたオスカー俳優デンゼル・ワシントンを主演に、『フォレスト・ガンプ/一期一会』でアカデミー賞作品賞を含む計6部門を獲得したロバート・ゼメキス監督が贈る衝撃と感動のサスペンス大作『フライト』。このたび、本作の日本公開が来年の3月1日(金)に決定!それに先駆けて10月14日(現地時間)、歴史ある第50回ニューヨーク映画祭にてワールド・プレミアが行われ、デンゼルとゼメキス監督を始め、ケリー・ライリー、ジョン・グッドマンらがレッドカーペットイベントに登場した。高度3万フィートで、ウィトカー機長(デンゼル・ワシントン)が操縦する飛行機が不慮のエンジントラブルを起こすが、機長の咄嗟の判断で緊急着陸に成功し大惨事を逃れ、多くの命を救った。人々はどんな一流パイロットにも不可能な“奇跡の着陸”を称え、彼は一躍国民的なヒーローとなる。しかし、その後の調査で彼の血液中からアルコールが検出されてしまい…。“疑惑のヒーロー”となった男の栄光と影、そして高度3万フィートで起きた真実を描き出す本作。オスカー受賞経験を持つ、デンゼルとゼメキス監督の初タッグ作とあって、早くも現地では2013年度のオスカー最有力との呼び声も高く、この日のワールドプレミアには多くのファンと報道陣が駆けつけた。ニューヨークのアリス・タリー・ホールに颯爽と現れたのはデンゼル。ファンの大歓声に応えながら、記者から本作への出演理由を問われると「とてもいい脚本だった。役者として探究するのに面白い世界があった。それと『フライト』は、亡くなった僕のエージェントが、僕のテーブルに置いてくれた最後の脚本だったんだ。義務を感じたとは言わないけど、彼のためにもやりたいと思ったんだ。それにロバート・ゼメキスが加わった。『すごい!』って思ったよ」と明かした。ゼメキス監督も初タッグとなるデンゼルへの称賛を惜しまない。「デンゼルが主演だからこそ、可能になった作品だ。彼の演技の全ての瞬間に驚かされたよ。この映画を作る楽しみは、仕事に行ってデンゼルの演技を見ることだったよ。本当にワクワクしたんだ!」と熱っぽく撮影当時をふり返った。しかし、オスカーへの意気込み聞かれると「それは、どうかな(笑)」と交わしつつも、自信に満ちた笑みを浮かべていた。共演したキャストたちもその思いは同じようで、特に女優陣は「デンゼルにはアカデミー賞をとってもらいたい!彼は取るに値するから」(メリッサ・レオ)、「デンゼルとの撮影はかなりハードで強烈だったわ!」(ケリー・ライリー)と名優に手放しで称賛を送っていた。果たして、来年のアカデミー賞の台風の目となれるか?期待して2013年を待ちたい。『フライト』は2013年3月1日(金)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:フライト 2013年3月1日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2012 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2012年10月18日アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『ハート・ロッカー』を始め、同賞助演男優賞候補に挙がった『ザ・タウン』、日本での大ヒットが記憶に新しい『アベンジャーズ』など、その熱演と目覚ましい躍進で、いま“最もホットな俳優”となったジェレミー・レナー。そんな彼の最新作『ボーン・レガシー』は彼の魅力と映画を愛する想いが存分に感じられる作品であり、撮影の裏側について語る姿には旬の男のオーラが漂っていた。来日早々の舞台挨拶で「カラオケに行きたいな…」と呟いていたものの、「まだ行けていないんだ…」と冗談交じりに嘆くジェレミー。終日の取材攻勢に見舞われているそうだが、それも旬な男の宿命として受け入れる他ない。それも、主演最新作として引っ提げてきた作品は、あの『ボーン』シリーズの最新作なのだから。「僕自身も『ボーン』シリーズの大ファンだしね。前3部作を観て感じたのは、僕が映画の世界に夢中になったきっかけでもある70年代の作品、特に『フレンチ・コネクション』を彷彿とさせること。映画というものはそもそもファンタジーだけど、エイリアンが出てくるファンタジーもあれば、その世界が実在しているかのようなファンタジーもある。後者にあたる『ボーン』シリーズの中には、匂い立つようなリアリティが存在するんだ」。「そのリアルな世界に身を置きたいと思った」と語り、俳優としてのポリシーにも言及。ただし、彼がこれまでに身を置いてきた「リアルな世界」は、肉体的にも精神的にも、あまりにシビアなものが目を引く。『ハート・ロッカー』で死と隣り合わせの戦場を生き、『ザ・タウン』で犯罪の世界を疾走。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』にも、『アベンジャーズ』にも尋常ではないスリルが伴っていた。「肉体を駆使したり、精神的に追い詰められたりする役が好きなのかって?もちろん!好きじゃなかったらやっていないさ(笑)。『ボーン・レガシー』のアーロン・クロスは、その最たるものと言えるかもしれないね。肉体面の演技も過酷だし、内面的にもすごく複雑な役。でも、そういった役にこそ僕は惹かれるんだ。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』や『アベンジャーズ』といった最近の4本はたまたま連続してアクションが多かったけど、体を鍛えることやアクションを学ぶことは嫌いじゃない。運動神経にも自信はあるしね。一方、キャラクターの複雑な心情を表現することにも相当なやりがいを感じるんだ」。ジェレミー自ら「最たるもの」と認める通り、アーロン・クロスは肉体的にも精神的にも徹底的に追い詰められる。CIAの極秘計画によって暗殺者へと育成された彼は、計画を抹消したい国家から命を狙われる事態に陥るのだ。「アーロンは自ら志願して暗殺者となった男。演じる上での入り口は、まさにそこだった。自分の人生に何か目標を持ちたい、もしくは何かの一員になりたいという意識は僕自身にもあるし、そこが役との共通点。ただし、彼の場合は道徳的なジレンマや葛藤が生じてくるんだ。目標を持ち、一員になったものの、果たしてこれは正しいことなのか?とね」。「そこからドラマが生まれるのだけど、まだ語られていない彼の過去にも関係してくるし…。この先は複雑過ぎて上手く説明できないな」と苦悶。その表情からもキャラクターの複雑さが伝わってくるが、「もちろん役ごとに演技のアプローチは変わるけれど、脚本に書かれていること以外の背景はあまり考えない」とも明かす。「1ページから120ページまで脚本自体がしっかり書かれていれば、それだけで十分な情報になる。4歳のときにどうやってパンツを履いていたか(笑)、どこの学校に通っていたか、そんな背景は必要ない。あくまでも指標にすべきは“真実”かどうか。アクション面においても心情面においても、現実的かどうかを推し量っていくんだ。興味深かったのは、ターミネーターとして造り上げられているにもかかわらず彼には感情があり、感情があるからこそ弱点があるということ。アーロン・クロスという男を成立させるのに十分な情報はそこにあったし、それこそが僕の求めていた必要な情報でもあった」。大人になったヘンゼルとグレーテルのその後を描く『Hansel and Gretel:Witch Hunters』(原題)、ホアキン・フェニックスらと共演する『Nightingale』(原題)など、今後も出演作が目白押し。益々セレブ度がアップする中、ジェレミー自身は現状にどう向き合っているのか。「周りの期待だとか、人が僕のことをどう思っているかなんて考え出したら気が狂ってしまうよ(笑)。だから、なるべく考えないようにしているね。そういった雑音は遮断するようにしているんだ。僕の役目は、俳優としての仕事をしっかり成し遂げること。そして、どんなチャンスが巡ってくるかを待つこと。人が僕を愛しているか憎んでいるか、そんなことを考え出したらきりがないからね」。雑音を遮断しようと努めている中、大変申し訳ないが“雑音”めいた質問を。ジェレミーのカッコよさに心ときめかせている女性も急増中だが…と投げかけると、「ああ、何てこった(笑)!カッコよさなんて分からないし…」と照れて戸惑いながらも、自身の考える“カッコいい男性像”を語ってくれた。「自分に自信を持っている人ほどカッコよく見えると思う。自分が何者であるかをきちんと把握できている人は、男女問わず素敵だよね。そんな相手がガールフレンドだとしたら、どんな問題でもすぐに解決できるだろう?あとはユーモアのセンスも大事なんじゃないかな。いままで付き合ってきた友達や家族など、僕の周りにもユーモアの分かる人が多いんだ。自信があって、ユーモアのセンスを持っている人。これが最強だね。アクションが格好よく見えるかどうかは問題じゃない。アクションを披露している僕がカッコよく見えるとしたら、それは相手のスタントマンが殴られた演技や倒された演技をしてくれるから。全て彼ら次第なんだ(笑)」。(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:ボーン・レガシー 2012年9月28日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2012 Universal Studios. All Rights Reserved. アベンジャーズ 2012年8月14日より全国にて公開TM&© 2012 Marvel & Subs.ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 2011年12月16日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
2012年09月26日コリン・ファースが『英国王のスピーチ』の続編に出演するようだ。吃音に悩まされた英国王ジョージ6世を演じ、アカデミー賞主演男優賞に輝いたコリンは、第二次世界大戦中を舞台にした続編でも引き続き同役として出演することに同意したと報じられている。ある関係者は「The Sun」紙に「続編は、ナチス・ドイツによるロンドン大空襲の時期の家族の姿を描きます。ジョージ6世を診ることになった民間人である言語療法士のような一般家庭と比べて、特権のある皇室一家がどのように戦火の危機にさらされるかといった所に焦点が当てられるでしょう」と明かし、さらに「もちろんジョージ6世を中心に描きますが、同時に皇室全体が戦争によってどのような影響を受けるかということにも重点を置きます。ロンドン大空襲時代には興味深いテーマがまだまだあります。続編はまだ初期段階ですが、製作側はすぐにでも始めたがっていますよ」とコメントしている。第1作目は製作費用900万ポンド(約11億円)と低予算にも関わらず、2億5,000万ポンド(約316億円)の興行収入を叩きだし、アカデミー賞での4部門受賞を始め、英国アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、全米映画俳優組合賞など数々の賞を総なめにした。コリンだけでなく、前作でジョージ6世の妻・エリザベス王妃を演じたヘレナ・ボナム=カーターや言語療法士を演じたジェフリー・ラッシュらも続編での続投に乗り気なようで、第1作を手がけたトム・フーパーが再びメガホンを取る模様だ。■関連作品:英国王のスピーチ 2011年2月26日よりTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて順次公開© 2010 See-Saw Films. All rights reserved.
2012年09月25日テレビ界のアカデミー賞とも言われる米国エミー賞の結果が23日(日本時間24日)に発表され、注目のドラマ・シリーズ作品賞は『HOMELAND』が受賞した。その他の写真エミー賞は、世界の放送業界において顕著な実績のあった番組や俳優、プロデューサー、制作技術者に贈られる賞で、1949年にハリウッドで行われた第1回の授賞式以来、今年で64回目を迎える。授賞式の模様はアカデミー賞と同じく全米で放送される。今年の作品賞ではABC、CBS、NBCの3大ネットワーク局のドラマが1作品もノミネートされず、HBO、AMCなどのケーブル局作品が名を連ねた。中でも、5年連続で作品賞を受賞するかで注目を集めていた『MAD MEN』は、惜しくも逃し『HOMELAND』が受賞した。『HOMELAND』は、作品賞のほか脚本賞と、ダミアン・ルイスが主演男優賞を、クレア・デインズが主演女優賞をそれぞれ受賞し、ドラマ・シリーズの主要部門4冠を獲得した。コメディ・シリーズでは、『モダン・ファミリー』が3年連続で作品賞を受賞したほか、監督賞など4賞を受賞する結果となった。『HOMELAND』は、日本ではFOXCRIMEで10月よりリピート放送予定(10/18開始、毎週月~金曜17:00~18:00)、『モダン・ファミリー』はFOXチャンネルでシーズン2が現在放送中(毎週日曜23:30~24:00)。またエミー賞授賞式の模様は、日本ではAXNチャンネルで9月29日(土)20時よりノーカット完全版で放送される。第64回エミー賞(2012)主な受賞結果●ドラマ・シリーズ部門【作品賞】『HOMELAND』【主演男優賞】ダミアン・ルイス『HOMELAND』【主演女優賞】クレア・デインズ『HOMELAND』【監督賞】ティモシー・ヴァン・パタン『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』【脚本賞】アレックス・ガンサほか『HOMELAND』【助演男優賞】アーロン・ポール『ブレイキング・バッド』【助演女優賞】マギー・スミス『ダウントン・アビー』●コメディ・シリーズ部門【作品賞】『モダン・ファミリー』【主演男優賞】ジョン・クライヤー『Two And A Half Men』【主演女優賞】ジュリア・ルイス=ドレイファス『Veep』【監督賞】スティーヴン・レヴィタン『モダン・ファミリー』【脚本賞】ルイス・C・K『Louie』【助演男優賞】エリック・ストーンストリート『モダン・ファミリー』【助演女優賞】ジュリー・ボーウェン『モダン・ファミリー』●ミニシリーズ/テレビムービー部門【作品賞】『ゲーム・チェンジ大統領選を駆け抜けた女』
2012年09月24日『ザ・ファイター』の演技で第83回アカデミー賞助演女優賞を受賞したメリッサ・レオが、ヒュー・ジャックマン主演の新作スリラー『Prisoners』(原題)に出演することになった。メリッサが今回出演を決めた本作は、小さな田舎町の大工の娘とその親友の2人の誘拐事件を軸にストーリーが展開する。警察の捜査では2人は発見されないため、父親自ら娘たちを探し出そうと決心するものの、大都会からやって来た担当刑事と対立していくというストーリーだ。同作は、『灼熱の魂』を手がけたドゥニ・ヴィルヌーヴ監督がメガホンを取り、アーロン・グジコウスキが脚本を執筆する予定。製作元のアルコン・エンターテイメント社は、来年秋にワーナー・ブラザースからの公開を目指して、来年から撮影を開始する予定だという。メリッサはデンゼル・ワシントンと共演するロバート・ゼメキス監督最新作『Flight』(原題)に出演しているほか、トム・クルーズ、モーガン・フリーマン出演のSFアクション大作『Oblivion』(原題) がクランクアップしたばかりだ。■関連作品:灼熱の魂 2011年12月17日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開© 2010 Incendies inc. (a micro_scope inc. company) - TS Productions sarl. All rights reserved.ザ・ファイター 2011年3月26日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 RELATIVITY MEDIA. ALL RIGHTS RESERVED.
2012年09月20日ブラッドリー・クーパー主演作『Silver Linings Playbook』(原題)が第37回トロント国際映画祭で最高賞を受賞した。『ザ・ファイター』のデヴィッド・O・ラッセルがメガホンをとり、ブラッドリーとジェニファー・ローレンスが共演する同作は、最高賞にあたる「ピープルズ・チョイスアワード」を獲得した。過去には『スラムドッグ$ミリオネア』や『英国王のスピーチ』などが同賞に輝いている。マシュー・クイック原作の同名小説の映画化となる本作は、ブラッドリー扮するパットがノイローゼから回復して幸せを探そうと決意し、ジェニファー扮する女性・ティファニーに出会ったことで将来に希望を見出せるようになるというストーリーだ。ブラッドリーとジェニファーのほかに、ロバート・デ・ニーロやクリス・タッカーが出演している。『Silver Linings Playbook』は11月21日(現地時間)に全米公開予定だ。
2012年09月18日主演にユアン・マクレガーを迎え、『スラムドッグ$ミリオネア』でアカデミー賞脚色賞を受賞したサイモン・ビューフォイと『ギルバート・グレイプ』などヒューマンドラマの名手ラッセ・ハルストレム監督がタッグを組んだ笑いと涙の感動作『砂漠でサーモン・フィッシング』の予告編がシネマカフェに到着した。砂漠の国・イエメンで「鮭釣りがしたい」。そんな大富豪の思いつきで生まれた、バカげた仕事を依頼された水産学者・ジョーンズ博士。「不可能」と一蹴するが、英国外務省も中東との緊張緩和のために支援を決定。首相まで巻き込み、荒唐無稽な企画は立派な国家プロジェクトに急展開していく──。昨年公開された『人生はビギナーズ』での好演や『スター・ウォーズ』シリーズのオビ=ワン・ケノービ役で知られるユアン・マクレガーだが、今回彼が演じるのは釣りしか人生の楽しみがない水産学者・ジョーンズ。今回届いた映像では、エミリー・ブラント(『LOOPER/ルーパー』)扮する仕事一筋の投資コンサルタント・ハリエットから“砂漠に鮭を泳がせる”という壮大かつバカげたプロジェクトを聞かされれば、「不可能です!」と即答。さらに「バカげてる!」、「砂漠でサーモンなんて…」とことあるごとに愚痴るちょっと堅物な男。しかしその後の映像では、これまで黙々と退屈な日々を過ごしてきた彼も、この一見バカげたプロジェクトに秘められた大富豪の願いに心を動かされ、もう一度人生の輝きを取り戻していくさまが活き活きと映し出されている。さらに、冴えないジョーンズと仕事はデキるが恋に奥手なハリエットとの関係にも注目したいところ。大人になるほどに忘れてしまいがちな、夢を信じる力。そんなマトモな大人ならとっくに諦めてしまいそうな、ムチャな夢を真剣に追いかける彼らの姿に心打たれる人も多いはず。まずはこちらの映像から、このプロジェクトの一端を覗いてみては?『砂漠でサーモン・フィッシング』は12月8日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:砂漠でサーモン・フィッシング 2012年12月8日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 Yemen Distributions Ltd., BBC and The British Film Institute.All Rights Reserved.
2012年09月12日1992年に製作され、米アカデミー賞4部門に輝いたクリント・イーストウッド主演・監督作『許されざる者』が、日本映画として新たに製作され、渡辺謙が主演を、『悪人』の李相日が監督を務めることが発表された。その他の写真巨匠イーストウッド監督の名作を、『硫黄島からの手紙』でイーストウッド監督とタッグを組んだ渡辺謙主演でリメイクする巨大プロジェクトがスタートする。物語の骨格はそのままに、舞台を19世紀の北海道に変更し、かつては江戸幕府の残党として京都中にその名を轟かせるも、二度と刀を持たないと誓った男・釜田十兵衛(渡辺)が辿る数奇な運命と、暴力の連鎖を描き出す。オリジナルでイーストウッドが演じた役を渡辺が、モーガン・フリーマンの役を柄本明が、ジーン・ハックマンの役を佐藤浩市が演じる。渡辺は本プロジェクトについて「映画界での父とも思っているクリントの代表作をリメイクするのは、大きな挑戦になります。李監督と共に北海道の大地と格闘しながら、僕たちなりの『許されざる者』を積み上げていきたいと思っています」と語り、李監督は「西部劇の傑作と言われるオリジナル作品。そしてなによりも、尊敬してやまないクリント・イーストウッドという類まれな映画人に立ち向かえる機会を得られたことに、興奮と喜びはもちろん、怖れすら抱かざるえません。この作品の根底に流れるテーマは、未だ暴力の連鎖を断ち切れない現代の我々に深く突き刺さります。自分は正しいと疑いなく胸を張る人間よりも、迷いや贖罪を抱え、正しくありたいと葛藤する人間に寄り添えるもの……、そんな映画を目指していければ、と考えています」と意気込みを語っている。本企画は2011年5月に立ち上がり、同年11月にはイーストウッド監督のOKも出たことから、脚本執筆が開始された。イーストウッド監督は本企画について「『硫黄島からの手紙』で濃密な仕事をした私の良き友人である渡辺謙氏と李相日監督が、この度、日本の『許されざる者』制作にあたり、タッグを組むと聞いて大変光栄に思います」と述べている。撮影は9月中旬より11月下旬まで全編北海道ロケで行われ、来年秋にワーナー・ブラザース映画の配給で全国公開される。『許されざる者』2013年秋、全国ロードショー『許されざる者〈1992年〉』ブルーレイ 2500円(税込)DVD 1500円(税込)ワーナー・ホーム・ビデオ
2012年08月20日作品賞も含めアカデミー賞8部門ノミネートという快挙を果たし、主演男優賞、撮影賞を受賞した『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』から5年。若くしてその確かな手腕が認められ、ハリウッドから絶大な支持を得たポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『The Master』(原題)が来年春に日本公開されることが決定!さらに、この公開に先駆けて、8月29日(現地時間)に開幕となる第69回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが明らかとなった。1950年代、アメリカで信者を増やしていった新興宗教団体のカリスマ的教祖と、彼の右腕となり教団にのめり込んでいく一人の男のドラマを描く本作。教祖を『マネーボール』などでの名演が光るオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン、その妻を『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスが演じるほか、突然の歌手活動から一転、『容疑者、ホアキン・フェニックス』での俳優復帰が話題を呼んだホアキン・フェニックスが教団にのめり込む信者を演じる。本作が出品される同コンペティンション部門では、日本からも北野武監督の『アウトレイジビヨンド』が正式出品される予定で、栄誉ある賞を巡る戦いも注目されるところだが、本作がいま高い注目を集めている理由がもう一つ。フィリップ扮するカリスマ的教祖が実在する宗教団体をモデルにしているかは明かされていないが、アメリカに拠点を置く新宗教「サイエントロジー」の創始者L・ロン・ハバードを彷彿とさせると製作前から物議を醸しているのだ。本国アメリカでは、アカデミー賞レースの有力候補を占う映画祭の一つとして重視されているヴェネチア映画祭での出品とあってますます注目の的となっている本作。『ブギーナイツ』、『マグノリア』、そして『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と次々と衝撃作を生み出してきたアンダーソン監督と彼の作品の常連でもあるフィリップの強力タッグとあって、早くもオスカー候補の呼び声高し!?宗教というデリケートな題材がテーマとなっていることもあり、本映画祭でも物議を醸すことは間違いなさそうだ。『The Master』は2013年春、全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は8月29日から9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開
2012年08月08日ズーイー・デシャネルが、「New Girl ~ダサかわ女子と三銃士」で、第64回エミー賞のコメディ・シリーズ部門主演女優賞にノミネートされた。19日(現地時間)に発表されたエミー賞で見事同賞にノミネートされたズーイーは「本当に光栄!」と「Entertainment Weekly」誌に語った。「2歳のときからずっと女優になりたいと思ってたの。常に私の夢であり目標でもあったわ。この賞はまさに夢に見ていた瞬間よ。私の演技を認めていただけたことは本当に光栄なことで、こうなるとは正直、想像もしてなかったわ。本当に興奮しているの」と明かし、「素晴らしい贈り物とも言えるような、こんなすごいお仕事を頂いたし、それにどんな理由にも増してこの仕事を愛しているからこそ、ずっと演技をやり続けたいと思ってるの。それがこのノミネートとして実ったのね」と続けた。また、「New Girl ~ダサかわ女子と三銃士」でズーイーと共演しているマックス・グリーンフィールドも同部門助演男優賞でノミネートを果たしている。さらに、ズーイーは「Girls」(原題)で同じくコメディ・シリーズ部門主演女優賞にノミネートされているレナ・ダナムと共に、自身のツイッターで興奮気味に「#エミー賞!興奮するわ@レナ・ダナム―どんなネイルをつけて行こうかしら?!!!」と綴っている。■関連作品:New Girl ~ダサかわ女子と三銃士 [海外TVドラマ]© 2011-2012 Fox and its related entities. All rights reserved.
2012年07月23日アカデミー賞受賞作『アーティスト』でフランス人初の主演男優賞獲得の快挙を果たしたジャン・デュジャルダンの最新主演作『プレイヤー』が6月23日(土)より公開となる。プレイボーイという役どころでコメディアンの実力を発揮する“ダメ男”ぶりに注目の本作だが、注目すべきは彼のみならず!彼に負けず劣らず、色気あるダメ男ぶりを露呈しているのが、同じくフランス随一の伊達男、ギョーム・カネ。その何とも情けない“浮気現場”の一幕を動画にてお届け。ジャン・デュジャルダンとジル・ルルーシュの2人の浮気男の情けなくも愛おしい大人の恋愛ゲームを中心に、各監督による9つのストーリーがオムニバス形式で展開する本作。ギョームは、妻子がいながら浮気に身を投じる、正真正銘の“ダメ男”を演じている。現在公開中の『恋と愛の測り方』では、キーラ・ナイトレイ扮するかつての恋人にスマートに、そして情熱的なアプローチをするフランスの“イイ男”を魅力的に演じていたギョーム。俳優として母国・フランスだけでなく英国圏でも人気を集め、私生活では2001年に女優ダイアン・クルーガーと結婚し、2006年に離婚。現在は、ハリウッドでも幅広い活躍を見せ、フランスを代表する女優マリオン・コティヤールと交際中で昨年には第一子を設ける、正真正銘の“モテ男”なのだが、その華麗なるイメージを本作では見事に覆している。浮気相手との情事を終えた直後に、突然妻が帰ってくるという惨事に見舞われてしまった夫(ギョーム)。その証拠を隠すべく、彼が取るとんでもない行動とは…?色男にしてダメ男なギョームのチャーミングな魅力と共に、ぜひ一笑いを。『プレイヤー』は6月23日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。※こちらの映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:プレイヤー 2012年6月23日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開
2012年06月22日『アーティスト』で第84回アカデミー賞主演男優賞に輝いたジャン・デュジャルダンが、マーティン・スコセッシ監督の新作映画の出演交渉中だという。ジャンが出演交渉に入ったのは、スコセッシ監督がメガホンを取り、レオナルド・ディカプリオ、ジョナ・ヒルらが出演する新作『The Wolf of Wall Street』(原題)。原作は、ジョーダン・ベルフォートが自身の株式ブローカーとしての栄枯盛衰を描いた「ウォール街狂乱日記 −「狼」と呼ばれた私のヤバすぎる人生」で、パーティ三昧の日々を送るドラッグ中毒の成金株式仲買人・ジョーダンが最終的に証券詐欺やマネー・ロンダリングで起訴され、22か月間収監されるまでを描いている。主人公のジョーダンをディカプリオが演じる予定。とある関係者が「collider.com」に語ったところによれば、ジャンが演じる見込みの役柄は、ジョーダンの会社への不正資金のマネー・ロンダリングに関わった温厚なスイスの銀行家、ジャン=ジャック・ハンダリとのこと。一方、ジョナ・ヒルがジョーダンの友人かつビジネスパートナーを、そして『SUPER 8/スーパーエイト』のカイル・チャンドラーがジョーダンを追い詰めるFBIエージェントを演じる。海外ドラマ「ザ・ソプラノズ」のテレンス・ウィンターが脚本を手がけ、8月にもクランクイン予定。ジャンは今週末より日本公開を迎える『プレイヤー』、さらにフランス発のスパイ・スリラー作品『Möbius』(原題)にも出演が決定しており、まさにいま飛ぶ鳥を落とす勢いである。■関連作品:プレイヤー 2012年6月23日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開アーティスト 2012年4月7日よりシネスイッチ銀座、新宿ピカデリーほか全国にて公開© La Petite Reine - Studio 37 - La Classe Americaine - JD Prod - France 3 Cinema - Jouror Productions - uFilm
2012年06月18日先日、第66回トニー賞最優秀男優賞を受賞したばかりのジェームズ・コーデンが、ハーヴェイ・ワインスタインが手がける伝記映画『One Chance』(原題)でオペラ歌手のポール・ポッツを演じることとなった。イギリスのオーディション番組「ブリテンズ・ゴット・タレント」で優勝するまで、携帯電話の販売員をしていたポール・ポッツが成功するまでへの厳しい道のりを描く本作。ワインスタイン氏は英「Daily Mail」紙に「ジェームズは優れた俳優で、素晴らしいコメディアンだから、この感動的な実話を基に一緒に仕事ができるのが楽しみだ。ジェームズは舞台『One Man,Two Guvnors』でトニー賞の最優秀男優賞を獲ったばかりだし、撮影開始が待ちきれないよ」と語っている。ジェームズは、本作の監督を務める予定の『プラダを着た悪魔』のデヴィッド・フランケル監督と共に脚本も執筆するという。さらに、歌手のケイティ・ペリーが、ポッツの妻ジュリー=アン・クーパー役として出演交渉中のようだ。今年3月、ワインスタイン氏は「New York Post」紙に「イギリスでもうすぐ撮影予定のポール・ポッツの映画で、ケイティにドラマティックな役柄を演じてもらえるか話し合っていたんだ。ケイティかアデルのような女性にポールの妻役をぜひやってほしくて。ケイティは本当に興味があるようだったね」 とも語っている。本作は10月にクランクインを予定している。
2012年06月18日映画『リトル・ダンサー』に2,000人の候補者の中から見事主演に抜擢され、弱冠14歳で英国アカデミー賞主演男優賞、英国インディペンデント映画新人俳優賞など各賞を総なめにし、世界的名声を得た俳優、ジェイミー・ベル。まだあどけなさの残る表情が印象的だったジェイミーだが、彼ももう26歳。今年に入り、女優エヴァン・レイチェル・ウッドとの婚約も報じられたばかりの彼は、やんちゃな表情が母性本能をくすぐるイケメン俳優へと変身を遂げた。『ジェーン・エア』や『第九軍団のワシ』など、今年の日本公開作だけでも様々な変貌を遂げている彼の次なる出演作『崖っぷちの男』が7月7日(土)より公開となる。ニューヨーク・マンハッタンの高層ホテルの窓の外に現れた男、ニック・キャシディ。“飛び降り自殺志願者”として注目を集める彼は自らの要求を伝えるため、女性刑事・リディアを唯一の“交渉人”に指名。なぜ自分が選ばれたのかも分からぬまま、ニックとの交渉を開始するリディアだが、実はニックはその背後である計画を進行させており――。本作でサム・ワーシントン扮する主人公・ニックの弟、ジョーイを演じているジェイミー。劇中ではジョーイと共にある“計画”を実行するガールフレンド、アンジー(ジェネシス・ロドリゲス)とのシーンが多いが、彼女との共演をジェイミーは「恋人のアンジーとは、サスペンス、ユーモア、アクションなど色々なシーンがあった。相性がいいんだ。撮影中によく監督はカメラを回し続けて、僕たちはアドリブでたくさんのセリフを言い合ったんだ。本当に楽しかったよ」とふり返る。そんなジョーイとアンジーのやり取りが本作の見どころの一つでもあるが、ジョーイが恋人との関係も家族、学校のことも全部二の次で尽くすのが、兄・ニック。そこには何か2人の“強い絆”のようなものを感じずにはいられない。「兄弟関係はとても重要なポイントだった。実際の撮影までに互いにどんなやりとりをするか、サムとよく話し合ってリハーサルしたよ」とジェイミーは明かす。その一方で、サムが「ジェイミーのことはしばらく知っているんだ。だからわりと簡単だったよ。演じているときは、この兄弟がいつも言い合っているところがリアルで気に入ったよ。そういうふうに脚本に書かれていたわけじゃない。やっているうちに、そういうふうになっていったんだよ」と証言するように、ジェイミーとサム、2人の関係性がそのままスクリーンにも映し出されたようだ。今回メガホンを握ったのはドキュメンタリー映画監督の出身で、本作が初の劇場用長編デビュー作となるアスガー・レス監督。ドキュメンタリーとフィクションでは多くのギャップもありそうなものだが、「ドキュメンタリーをやってると、『それは現実じゃない』とフィクションを敬遠しそうだよね。でも、家族とか愛とか名誉とか、深くてリアルなコンセプトを表現することで、映画はリアルになれるんだ。作品は素晴らしかったよ」と話すジェイミーには頼もしささえ感じてしまう。また、名優エド・ハリスとの競演を「彼の演技は真に迫るものがあるから、楽しかった」と言ってのけてしまうところにも、この数年間での彼の役者としてのさらなる進化を感じずにはいられない。『リトル・ダンサー』当時の面影も残る愛らしい表情に、“大人”の魅力も併せ持ったジェイミーは向かうところ敵なしといったところ。本作について「『えっ?そんなことは思いつかなかった』、『一本とられた』というリアクションが返ってくるように情報を的確に伝えることを心がけた」と語るジェイミーの好演が見られるノンストップアクション・サスペンス『崖っぷちの男』。一回りも二回りも大人の男に成長したジェイミーから、今後とも目が離せない!『崖っぷちの男』は7月7日(土)より全国にて公開。■関連作品:ジェーン・エア 2012年6月2日よりTOHOシネマズ シャンテ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© RUBY FILMS (JANE EYRE) LTD./THE BRITISH BROADCASTING CORPORATION 2011. 崖っぷちの男 2012年7月7日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2011 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2012年06月15日2012年度「渡邉暁雄音楽基金」音楽賞・特別賞の発表記者会見が、6月7日に都内にて行われた。音楽賞は山田和樹(指揮者)、特別賞は中藤泰雄(株式会社ジャパン・アーツ代表取締役会長)が受賞した。「山田和樹」の公演情報本基金は、日本フィルハーモニー交響楽団の創設者で、戦後の音楽界の発展に大きく貢献した指揮者・渡邉暁雄の業績を後世に引き継ぐため、1992年6月に誕生。毎年、次代の音楽界を担う優秀な指揮者、およびオーケストラ界に貢献した関係者の顕彰を行っている。今回5年ぶりとなる音楽賞受賞となった山田和樹は、いま最も目覚しい活躍を続ける若手指揮者のひとり。現在NHK交響楽団副指揮者、オーケストラ・アンサンブル金沢ミュージック・パートナーなどを兼任するほか、今年9月にはスイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者、日本フィル正指揮者に就任する。現代の音楽シーンの潮流とは一線を画す個性、オーケストラを豊かに“ドライブする”才能などが評価された。特別賞を受賞した中藤泰雄は、1976年に株式会社ジャパン・アーツを設立。文化事業を通じ、世界一流の舞台芸術を日本に紹介するほか、日本人演奏家の海外への紹介も行うなど、クラシック音楽の普及、演奏家の育成、文化事業の活性化と団結を図り、国際発信力を強化したことなどが評価された。記者会見で受賞者のふたりは、「僕の師である松尾葉子、小林研一郎両先生の師匠だった渡邉先生のお名前を冠した賞ですから、本当に嬉しいです。指揮者のある種のDNAのようなものを受け継げたのかなと。この賞を励みに今後も頑張っていきたいと思います」(山田和樹)、「これからも日本と外国の文化交流に貢献できるよう、良い仕事を続けてきたいです」(中藤泰雄)と、喜びと今後の抱負を語った。
2012年06月08日小泉今日子「第49回ギャラクシー賞」個人賞を受賞4日、女優の小泉今日子(46)が都内で開催された「第49回ギャラクシー賞」授賞式に出席した。小泉はフジTV・木曜劇場「最後から二番目の恋」、WOWOW・連続ドラマW「贖罪」の演技が認められて個人賞を受賞し、「世の中に明るいニュースはないですけど、景気の良い時代を知ってる私たちが元気に生きて、若者を先導していきたい」と、コメントした。(スポニチより)小泉スタッフからのコメント本日はギャラクシー賞の授賞式でした!皆様の応援や、共演者、スタッフの皆様のおかげで、テレビ部門の個人賞を受賞させて頂きました。本当にありがとうございます!今日の模様は恐らく明日以降新聞やテレビなどで見かけることになると思いますので気にかけておいて下さいませ。(staff)ギャラクシー賞とは?1963年に放送批評懇談会が日本の放送文化の質的向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために創設。テレビ、ラジオ、CM、報道活動の四部門からなる。第49回ギャラクシー賞受賞作品は個人賞の小泉今日子、テレビ部門・大賞のNHK・連続テレビ小説「カーネーション」、マイベストTV賞第6回グランプリ日本TV「妖怪人間ベム」などが受賞している。また、優秀賞に選ばれた長谷川博己主演のテレビ東京・ドラマ「鈴木先生」は映画化も決定している。元の記事を読む
2012年06月06日BBCで放映されたドラマ「SHERLOCK/シャーロック」でシャーロック・ホームズを演じ、2010年には英国アカデミー賞テレビ主演男優賞にノミネート、『戦火の馬』、『裏切りのサーカス』など話題作への出演が続く俳優ベネディクト・カンバーバッチが、『SHAME−シェイム−』のスティーヴ・マックイーン監督作『Twelve Years a Slave』(原題)に出演することが明らかとなった。ソロモン・ノーサップによる同名自伝小説を映画化した本作は、ソロモンが1841年にワシントンで誘拐され、奴隷として売られ厳しい労働を強いられるものの、12年後に妻に自身の過酷な状況を伝える機会を得て救出されるという話だ。キウェテル・イジョフォーが主人公のソロモンを演じ、残酷な奴隷主にポール・ダノが扮する同作品では、役柄は決まっていないものの、ブラッド・ピットとマイケル・ファスベンダーの出演が既に決定しているという。「Variety」誌によると、今回同作への出演が決まったベネディクトが演じるのはソロモンを奴隷として買うプランテーション農園主で、ソロモンのエンジニアとしての技量に感嘆し、後に彼と絆を結ぶという役どころのようだ。マックイーン監督は米・ニューオリンズで、6月後半から同作の撮影をスタートさせる予定だという。■関連作品:SHAME−シェイム− 2012年3月10日よりシネクイント、シネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開© 2011 New Amsterdam Film Limited, Channel Four Television Corporation and The British Film InstituteTwelve Years a Slave (原題)
2012年06月04日