長年にわたりデータを改ざんしてきたとして問題になっている「KYB」の“疑惑のオイルダンパー”。もっとも使われているのが、マンションなどを含む住宅である。「東日本大震災で免震構造のマンションに大きな被害がなかったことから、免震・制振オイルダンパーを設置するマンションが急速に普及しました。免震装置は高額ですが、一戸あたりの負担費用が割安になる戸数の多いマンションによく設置されています。築10年以内で、20階以上のタワーマンションには、データが改ざんされたオイルダンパーが使われている可能性があります」(NPO法人「建築Gメンの会」大川照夫理事長)ところが、KYBは自社製のオイルダンパーを納品したマンション名をかたくなに公表しない。その理由は?東京都港区にあるタワーマンションの31階に住んでいる女性(38)が語る。「不正データの報道をみて、慌てて管理会社に確認してみましたが、現在調査中と言われました。その後、アナウンスがありません。うちのマンションは東京都認定の免震構造で、税制も優遇されている物件。安心して購入したのに、もし不適合なものが使われていたら、騙されたようなもの。東京にもいつ地震が来てもおかしくない状態だから、マンション名を公表されたら困ります。資産価値が下がってしまいます……」KYBは、改ざんされたオイルダンパーを「すべて交換する方針」としているが……。建築構造が専門の東京理科大学の高橋治教授はこう語る。「すでに使用している建物で免震装置の交換工事を行うのは、そんなに簡単な話ではありません。とくにビルやマンションの壁の中に設置されている制振用オイルダンパーの交換は、壁の一部を壊したり、エレベーターを止めたりする必要があるため、工期が数カ月におよぶことも。住居や店舗、オフィスなどの場合は影響が大きく、設置場所によっては、営業を一部停止しなければいけなくなるでしょう」しばらく間、KYBのデータ改ざんの騒動はおさまりそうにない。耐震設計・免震構造を専門にしている福岡大学の高山峯夫教授も言う。「油圧機器メーカーとしては老舗のKYBやその子会社が行った不正は、企業の信頼だけでなく、これまで日本が世界をリードしてきた免震構造の技術に対する信頼性を傷つける行為です。日本で免震構造を普及させていこうという流れをせきとめる、とても悔しく、悲しいことです」信頼という地盤が揺らぐことこそ地震大国・日本の大問題なのだ。
2018年10月24日「地震で予期しない揺れ方をしたときに、大きなトラブルが生じる可能性は否定できません。そんな重大なことなのに、15年以上に渡ってデータ改ざんをしてきた。企業の倫理観が著しく欠如していると言わざるをえません」違法建築の問題に取り組むNPO法人「建築Gメンの会」の大川照夫理事長がこう語気を強める。免震・制振装置のオイルダンパーの国内トップシェアをほこる部品メーカー「KYB」。同社と子会社によるデータ改ざん問題で日本中に“激震”が起きた――。長年にわたりデータを改ざんしたオイルダンパーが使われている建築物は全国で987件にのぼる。「基準に満たないオイルダンパーを使うことは非常に問題です。建物は免震装置が働いたことを想定した上で、柱や梁の太さなどを決めて設計していきます。耐性データに疑いのあるオイルダンパーを使った場合、想定よりも揺れ幅が大きくなったり、揺れる時間が長くなったりする恐れも。建物全体に影響する可能性があるのです」(大川さん)19日には、KYBは所有者の了解が得られたという70施設を公表(表参照)。しかし、全体のわずか7%のみ。不特定多数の人たちが利用する役所や官公庁の建築物だけが並んでいる。さらに不正の疑いがあるオイルダンパーを使っていると報じられたのは、赤煉瓦の東京駅の「丸の内駅舎」、都心のランドマーク「東京スカイツリー」、大阪のシンボル「通天閣」、東京五輪の競技会場の「五輪水泳センター」など、たくさんの人が集まるスポットが少なくないのが気がかりだ。また「浜岡原発」の非常用ガスタービン用の建物、「伊方原発」の事務所棟でも使われているとされ、懸念が広がっている。「世間の不安を払拭するためには、庁舎だけでなく、人が多く集まる場所や医療や文化などの施設名もすみやかに公表して、迅速に対応をするべきです」(大川さん)耐震技術に詳しい名古屋大学の教授で、福和信夫・減災連携研究センター長も言う。「免震用のオイルダンパーは基準値の上下15%の誤差が認められています。多少の誤差を想定してゆとりある設計をしているはず。問題のオイルダンパーを使ってもすぐに危険というわけではありません。しかし十分なゆとりを持たずに設計した建物があれば、揺れがおさまらずに周囲の地盤に衝突するなどの深刻な事態が起きかねません」国土交通省は「国民の信頼を揺るがした」と言う一方で、第三者による検証をしたことを受けて「倒壊する恐れはない」と強調しているが……。前出の大川さんもこう指摘する。「そもそも倒壊しなければいいというのは大前提の話。免震装置に求められているのは、地震の大きな揺れを抑え、物が倒れたりするリスクを下げること。想定よりも物が倒れやすくなり、その下敷きになり、負傷したり亡くなったりすることも考えられます。また、医療施設に多く使われているのが気がかりです。たとえば手術中に地震がおきたとき、免震装置がしっかり働けば、医師は手術が続けられたのに、それができなくなってしまう。そんな事態が起きることだってあるのです」
2018年10月24日一本木 / PIXTA(ピクスタ)災害はいつ起きるか分かりません。だからこそ平常時に、事前に震災などの自然災害に備えておくことが大切です。今回は、被災経験しから分かった災害に対する事前の準備や心得、おすすめ防災グッズ、住まいの防災対策など、今見直したいポイントや準備できる事前の防災対策まで、役立つ記事を特集します。■ 経験者が語る!震災から分かった準備と心得近年、日本全国で自然災害による被害が相次いでいます。被災者になったからこそわかる、実体験から得た事前準備の大切さと心得がありました。震度7の「北海道地震」の大停電で体験したオール電化生活の落とし穴2018年9月6日の午前3時過ぎ。スマホの「緊急地震速報アラーム」と同時に襲った「激しい揺れ」、最大震度7の北海道地震。それが原因で約40時間にわたり電気が使えない生活を強いられることに。震災直後に書き綴った、事前準備と大切な心得防災リュックより先に!熊本地震経験者が教える見直してほしいポイント7つ大きな地震の後は、防災意識が高まります。でも、「とりあえず防災リュック!」と思っていませんか?もちろん、防災リュックはあったほうがいいですが、まず第一は命を守ること!熊本地震で経験!防災リュックよりもまず第一は命を守ること!《関連記事》>【注目記事】大阪地震でも食器が割れなかった!その理由って?>熊本地震経験者が教える7つの防災ポイント>西日本豪雨にも関係が? 自然災害対策には先人の「言伝え」が効果あり!■ 震災後に困ったこと、防災意識や対策などアンケートから見る災害実態被災後に聞いた、防災意識や対策などアンケート結果を解説。経験からの気づきが参考になります。被災者に聞いた震災直後に「本当に困った事」実際に震災を経験した人に「震災直後に困った事」について、アンケート調査を行いました。最も多かった答えは、日常生活で欠かせない「水」を手に入れる事でした。こちらの記事のアンケート結果では、日頃の備えの参考になることばかりです。震災直後に困ったこと、参考にしたいアンケート調査《関連記事》>【注目記事】大地震、台風…。防災への意識は地域・世代でこんなに違った!■ 事前防災、家と住まいの防災対策情報まとめ事前防災、家と住まいの防災対策情報まとめいつ起こるかわからない、地震や水害などの自然災害。この機会に、一度自分の住まいの防災に対する備えを再点検してみましょう。自分でできる住まいの防災に関するお役立ち記事をまとめてご紹介します!今再確認!自分でできる防災対策《関連記事》>【注目記事】超大型の台風が次々来襲!暴風雨で被害に遭いやすい住宅設備3つ■ 今見直して事前準備が大切!防災グッズ事前の準備が肝心!今からできる防災グッズおすすめ5選防災グッズを準備したいけれど、実際、自分に必要なもの、どんなものを用意すればいいのでしょうか?そんな人に向けて、マストでおすすめしたい防災グッズをご紹介いたします。事前の準備が肝心!防災グッズおすすめ5選非常食は「自宅用」「避難用」に分類!一人暮らしの防災対策震災経験者を含めた一人暮らしの友人が実践している、知恵やオススメ防災グッズをご紹介していきます。今実践!一人暮らしの防災対策《関連記事》>【注目記事】アウトドアグッズだけで構成した防災セット、「ライフライン・サポートパック」>非常用持出袋の中身、32アイテム全部見せます!・その2>我が家が400個の簡易トイレを備蓄する理由。試してわかったベストな「防災備蓄」とは?>【注目記事】カセットガスストーブは都市向き!非常用品の選び方>備蓄保管場所〜自宅避難用の非常食と水・日用品はクローゼットに置くが正解!の理由■ 震災時にどうする?ペットの防災対策防災グッズは何が必要か、心掛けておくことはあるかなど、いざという時に困らないように、日頃からペットの防災について考えておきましょう。災害時に愛犬、愛猫はどうする?ペットの防災対策ですべきこと4つ環境省が発行している「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」では、避難所への”ペットの同行避難”を推奨しています。それももとに避難時に役立つ普段からの備えやトレーニングなど、今から役に立つポイントを紹介します。ペットの防災対策ですべきこと4つ《関連記事》>犬、猫、ウサギ、小鳥。「ペット種類別」飼い主がやるべき災害対策>災害時の猫用キャリーバッグは「リュック型」がベスト>【注目記事】連れて行けない避難所がある!? 「ペット」のもしもの時の備えを考える>愛犬の介護用品や防災アイテムにも!? オシャレ「犬用靴下」が新登場■ 建物の地震・震災対策「強い」ってどんな住まい?東京駅にも導入!マンション地震対策の最新兵器「免震構造」って?地震の多い日本において、地震に対する備えは日々進化しており、被害の軽減に絶大な効果を発揮してきました。最近になって増え始めた建物の「免震構造」についてのお話です。最新!地震の揺れを建物に伝えない免震構造とは?>【注目記事】地震に強いマンションはこう選ぶ!不動産業界19年の経験でわかったこと>地震・災害に強い家の3つの条件【スパルタ!?な工務店】>免震、耐震、マンション、一戸建て…地震に強い「家」は、ズバリどれ?>耐震化が100%進めば、首都直下型地震が来ても8割以上死者数が減少する!? 建物の耐震化が必要な理由■ 「もしも」の時の住まいの保険住まいに関する保険の基本や、その保険で補償されるのはどんな場合か、注意するべき点などを解説します。「割高」「火災保険金額の半分まで」でも地震保険が必要な理由万一の災害に備えるためには、建物の強度を上げることやハザードマップを確認することだけではなく、保険への加入やその内容をしっかり把握することも重要です。「もしも」の時の保険と確認ポイント《関連記事》>マンション管理組合役員は必見!共用部の地震保険への加入はアリ?ナシ?>あなたの地域は上がる?下がる?地震保険改定で地域によって料金が違うって本当!?保存保存
2018年09月12日6月18日に発生した大阪北部地震ではブロック塀の倒壊や家具の転倒が問題となっていますが、筆者が知る限りにおいてマンションではエレベーター停止以外の重大な問題は発生していないようです。地震の多い日本において、地震に対する備えは日々進化しており、被害の軽減に絶大な効果を発揮してきました。今回は最近になって増え始めた建物の「免震構造」についてお話しします。■ これまでの建物の地震対策は「耐震」と「制振」の2つだった日本では長らく31mまでという高さ制限があったため、9階建て程度の建物しか建てられず、日本初の超高層ビルである霞が関ビル(高さ147m地上36階建て)が誕生したのは昭和43年になってからです。Ryuji / PIXTA(ピクスタ)日本において建物の地震対策としてはこれまで「耐震」と「制振」が中心でした。「耐震」は柱・梁を太く頑丈につくり、建物全体の強度を上げることにより揺れの力に立ち向かおうというもので、恐らくマンションの大半はこの考え方に基づいていると思います。「制震」は揺れの力を「柳に風」で受け流す仏教建築である五重塔の構造をヒントにしたといわれ、地震のエネルギーを吸収するダンパーなどを建物内の骨組みの部分に設け、建物自体で振動や衝撃を吸収する構造となっています。主としてタワーマンションなどに採用されている方式です。■ 「地震の揺れを建物に伝えない」免震構造免震構造は地面の上に免震装置を設置し、地震の揺れを吸収するというもので、ひとことでいえば「地震の揺れを建物に伝えない」というコンセプトです。地面と建物を切り離し、その間に積層ゴムを挟み込ませますが、そのため免震構造の建物は1階部分に隙間が空いています。地面と建物の間に設置された積層ゴムが自動車のサスペンションのような役割を果たし、地震の揺れを建物に伝えないようにしています。平成28年の熊本地震において熊本県内の免震構造の建物では16センチから90センチの幅で横揺れがあったことが記録されていますが、これを積層ゴムが吸収することにより家具の転倒もほとんどなかったといいます。積層ゴム■ 免震構造のしくみが一目でわかる「水天宮」最近では免震構造の建物もあちこちで見ることができるようになってきましたが、筆者の知る限り最もわかりやすい事例が安産のご利益で有名な日本橋蛎殻町の水天宮です。水天宮水天宮では平成30年の江戸鎮座200年に向け平成26年1月から平成28年2月までの期間で社殿の建替え工事を実施しましたが、その際に境内全体を一体的に免震化しました。「安産祈願を安全に」ということなのだそうです。建物全体が地盤から切り離され、間に積層ゴム・弾性すべり支承・オイルダンパーといった免震装置が設置されています。隙間部分に設けられたエキスパンションジョイントは、大きな揺れがあった場合も隙間の上に設置されたカバーが外れるだけで済み、建物に深刻なダメージを与えることを防止します。■ 実は東京駅にも導入されている免震構造免震構造を導入した建物で最も有名なのが東京駅丸の内駅舎です。ばりろく / PIXTA(ピクスタ)東京駅では平成19年4月から平成24年10月にかけて駅舎の保存復元工事を実施し、大正3年に開業した当時の姿を再現しました。その際に建物全体をジャッキで持ち上げて約350台の免震装置を設置し、巨大地震が発生しても耐えうるような構造に改められています。免震構造は巨大地震に対して有効であることが実証されており、今後は免震マンションも増えてくると思います。住まい選びの際に注目してみてはいかがでしょうか。【参考】※参詣者の安全を最優先し境内全体を免震化水天宮の建替計画において境内を一新した建替えが完了
2018年07月15日ギャラリー「ペロタン東京」が、3月9日から11日にかけて開催されるアートフェア東京2018に初参加し、中国アーティスト、シュー・ジェン(徐震)の個展を開催。2013年より開始したフラッグシップ・アートブランド「徐震®(XU ZHEN®)」の代表作を紹介する。徐震® エターニティ - 天の守護者の紅陶彩絵像と眠れる女神、2016 ブロンズ、鉱物複合材、鉱物質顔料、スチール 236 x 102 x 60 cm | 92 15/16 x 40 3/16 x 23 5/8 in Courtesy the Artist and Perrotin上海で活動し、中国国内でも重要なアーティスト・キュレーターとして知られるシュー・ジェンは、2013年に自身の創作活動を行う会社、MadeIn Companyのもとで「徐震®」を立ち上げ、クリエーションにおける方向性をビジネスとアートの関係に変化させた。その構造は、グローバル化によって引き起こされる社会経済的および文化的変化に左右される。徐震® エターニティ - 龍の六朝彩色土器と眠れる女神、2017 鉱物複合材、鉱物質顔料、ステンレススチール、樹脂、木材 80 x 52 x 23 cm | 31 1/2 x 20 1/2 x 9 1/16 inCourtesy the Artist and Perrotin『エターニティ』シリーズは、美術史と偉大な文明における古典を融合し、不朽にさせる彫刻インスタレーション。ギリシャ神や中国の神々、現代美術の彫像を無機化合物を用いて再現しつつ、視覚的にハイブリッドな形状を織り成す。同シリーズは、東西文化の衝突を通して伝統的な西洋・東洋文明の現代生活への影響を示しながら、世界文明に広域な視点をもたらす。2つの異なる視覚的体験は、文化遺産への距離感覚を近づけたり遠ざけたりするのではなく、東西における形式と美学、古代と現代、比喩と抽象を利用することで時を超越する瞬間を作り出す。徐震® エボリューション - 侍女立像とブワ・ボボのマスク、2017 鉱物複合材、鉱物質顔料、ステンレススチール 195 x 88 x 50 cm | 76 3/4 x 34 5/8 x 19 11/16 inCourtesy the Artist and Perrotin新シリーズ『エボリューション』は、『エターニティ』と同文脈上において時間と空間を跨ぐ文化的要素に基づきながら、グローバリゼーションの中での文化差に焦点を当てている。徐震®はこのシリーズを通して古典文化という領域から脱却し、サブカルチャーや文化の境界線によって定義されるある種の原始芸術へと舵を取る。この愉快な体験は、インターネットの台頭によって生まれた認知上の諸挑戦、すなわちその利用の簡便さや増え続ける知識へのアクセスに基づく、思考や行動の質的変化を明るみに出している。また、2014年にニューヨークで開催されたアーモリーショーで、商業キャンペーンの一環として登場した『アンダー・ヘヴン』や、現在の政情への批判にも根ざす『メタル・ランゲージ』シリーズも登場し、シュー・ジェンの作品の全体像を追うことができる。【イベント情報】徐震®会期:3月9日〜3月11日会場:東京国際フォーラム アートフェア東京2018 ブース#S23住所:東京都千代田区丸の内3-5-1
2018年03月12日オムロンは11月6日、高精度な地震検知を実現した小型感震センサーを開発し、2016年1月より販売を開始すると発表した。同社によると、世界最小クラスの大きさになっているという。同センサーは、MEMS3軸加速度センサーと、独自のSI(Spectral Intensity:スペクトル強度)値演算アルゴリズムにより演算負荷を低減することで回路を小型化し、あわせて低消費電力動作を実現。機器組込みの際の設置の自由度を向上するとともに、電池での長時間駆動にも対応可能となっている。また、地震の揺れの大きさを表わす震度階級とも相関性の高いSI値を採用することで、震度5強相当以上の揺れを高精度に判定できるため、装置や設備の的確な停止を可能にする。このほかにも通信機能を搭載しているため、今後は感震センサーをネットワーク化し、地震による建物などの被害状況を把握することにより、地震発生後の復旧対策への活用が期待される。同社は2018年度までの販売目標を50万個としている。
2015年11月06日ディスコは2月2日、精密加工装置・精密加工ツールを製造する桑畑工場(広島県)に、免震構造の新棟を竣工したと発表した。スマートフォンやタブレット端末などのモバイル機器がけん引役となり、半導体市場は拡大基調にある。これに伴い、搭載される半導体・電子部品の生産設備投資が拡大し、同社の2014年度上期売上高は精密加工装置・精密加工ツールともに過去最高となったという。また、世界的なIoTの流れから今後新たなアプリケーションも登場し、半導体・電子部品需要はさらに拡大することが予測される。今回発表された新棟は、既存のA棟(2010年竣工)と接続することで、広い生産スペースが確保され、生産キャパシティは現状の約1.75倍となり、将来の需要拡大時にも対応できるという。また、同社では、BCM(Business Continuity Management:事業継続管理)強化のため各工場の免震化を進めてきたが、精密加工ツールの特定品種は桑畑工場に一部残った非免震棟にて製造していた。新棟の竣工により、すべての精密加工ツール、および精密加工装置を免震構造棟で製造できる体制が整い、大地震の際にも被害を最小限に留め、いち早い製品供給の復旧が可能となるとしている。なお、新棟は2月以降に順次稼働を開始し、10月に移設が完了する予定。
2015年02月02日富士通は11月21日、西日本地区のメインデータセンターである「明石システムセンター」に、ラック、電源、空調などの稼働効率が最大になるよう配置するモジュール型データセンター技術を取り入れた新棟を開設し、同日より運用を開始すると発表した。同センターには、免震DCと耐震DCというタイプの異なる2種類のデータセンター(DC)が用意されている。免震DCはミッションクリティカルシステム運用に適した高スペックデータセンターで、免震構造3階建(500ラック設置。今後1,000ラックまで増設予定)。外気利用による高効率空調設備、生体認証、共連れ防止、ラック電気鍵システムなどによるフィジカルセキュリティ、長期間の電力途絶時の対応力を強化するため、長寿命型非常用自家発電機を導入している。耐震DCは最適な品質・コストで利用可能なスタンダードスペックデータセンターで、耐震構造1階建(100ラック×1、60ラック×2設置。今後600ラックまで増設予定)。外気利用による高効率空調設備、生体認証、ラック物理鍵管理などによるフィジカルセキュリティ、無停電電源装置2重化、免震設備などをオプションとして追加可能。明石システムセンター新棟では、高効率設備(UPS、空調など)の導入や熱流体シミュレーションによるサーバ室レイアウト設計など、従来からの環境配慮型データセンターの施策を継承するとともに、外気活用による空調設備の省電力化にも積極的に取り組んでいる。また、夏期の補助冷却装置としてデータセンター用の空調設備に一般的な電算室用パッケージエアコンを組み合わせることで、温暖な地域でも通年の外気冷却を可能とする新たな空調技術を開発・導入。同技術は、データセンターの規模や建物仕様を問わず容易に導入でき、既存のデータセンターのエネルギー効率を大幅改善する際にも有効となっている。そのほか、国内外の同社データセンターや利用者オンサイトに配置されたICTインフラの構成情報、稼働状況、インシデント情報、キャパシティ状況を一元管理できる運用マネジメント体制を整えており、グローバルに展開したシステムの状況も24時間365日リアルタイムの把握が可能となっている。
2013年11月21日あなたが今住んでいる住居は、大きな地震が起きても倒壊の恐れはないでしょうか?2011年の東日本大震災以降、建物の「耐震性」に関して重視する方が多くなりました。そこで、「マイナビ賃貸」では、住宅建築や購入のアドバイザー、アネシスプランニング株式会社代表取締役の寺岡孝さんに、震災に強い住宅選びについて教えていただきました。■「耐震等級」って何?まずは、物件の耐震構造についてですが、確認するポイントは「耐震等級」で、この数値は地震に対する“建物の強さ”を表しています。「『耐震等級』とは、『住宅性能表示制度』の項目の一つで、『住宅性能表示制度』とは、天災や火災に対する物件の耐久力などを、国が定めた客観的な数値で図る制度のことで、中でも3段階にランク付けされている『耐震等級』は、等級1の住宅は数百年に一度発生する地震(東京では震度6強~7程度)に、等級3だと等級1の1.5倍の地震に耐えられることを示します。つまり、この数値が高ければ高いほど、震度6強~7程度の地震に対する住宅の強度が増すので、お部屋選びの際には、できれば等級3、少なくとも等級1の物件がいいのは間違いありません」(寺岡さん)■「制震」と「免震」、何が違う?次にチェックしたいのが“建物の構造”についてです。その物件が災害に強いつくりになっているかどうか、「骨格の仕組み」を読み取ります。建物の災害への対策構造は、大きく分けて「耐震」、「制震」、「免震」の三つが挙げられます。耐震……基本的な骨組みを強化して、建物が地震の力に耐えられるようにする構造方法。大多数の建築物はこの構造でつくられており、標準的な構造だと言えます。制震……耐震構造でつくられた、強い骨組みの内部に、外からの揺れの力を弱める装置を組み込む構造方法。地震エネルギーを吸収するつくりになっています。免震……建物の根っこの部分に、クッションのような装置を組み込む構造方法。骨組みを強くする耐震・制震と比べ、特殊な装置で揺れを受け流すため、ほとんど建物に揺れが伝わりません。■まずは不動産会社に確認してみよう!「『耐震等級が高く、かつ免震構造』という好条件の物件は、探すだけでも一苦労で、それは、ほとんどの賃貸物件で耐震等級の表示がないからです。また、免震構造は、耐震構造に比べ建設コストがかかりますので、地盤の弱い場所では採用されない場合もあり、なかなか普及に至っていませんね」(寺岡さん)それでは、地震に強い住まいはどうやって探せばよいのでしょう?賢い選び方はありますか?「まずは不動産会社に、住宅性能評価を受けた物件かどうか直接聞くことでしょう。また、1981年以降の建築基準法による新耐震設計に該当するかどうかも確認しておくべきです。つまり、同年に東北を襲った宮城県沖地震以降に定められた『新耐震設計基準』でつくられた建物ならある程度の安全が担保されている、ということです」(寺岡さん)物件を探すときは、インターネットで築年数や種別・構造などをあらかじめ確認しておくことがおすすめです。そこで、コレ!という物件を見つけたら、実際に内見をおこない、直接、不動産業会社に住宅性能評価など、耐震について積極的に聞いてみましょう。きっと、今以上に納得のいく住まい選びができるはずです。取材協力:アネシスプランニング株式会社代表取締役の寺岡孝さん(文・エフスタイル)【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月05日あなたが今住んでいる住居は、大きな地震が起きても倒壊の恐れはないでしょうか?2011年の東日本大震災以降、建物の「耐震性」に関して重視する方が多くなりました。そこで、「マイナビ賃貸」では、住宅建築や購入のアドバイザー、アネシスプランニング株式会社代表取締役の寺岡孝さんに、震災に強い住宅選びについて教えていただきました。■「耐震等級」って何?まずは、物件の耐震構造についてですが、確認するポイントは「耐震等級」で、この数値は地震に対する“建物の強さ”を表しています。「『耐震等級』とは、『住宅性能表示制度』の項目の一つで、『住宅性能表示制度』とは、天災や火災に対する物件の耐久力などを、国が定めた客観的な数値で図る制度のことで、中でも3段階にランク付けされている『耐震等級』は、等級1の住宅は数百年に一度発生する地震(東京では震度6強~7程度)に、等級3だと等級1の1.5倍の地震に耐えられることを示します。つまり、この数値が高ければ高いほど、震度6強~7程度の地震に対する住宅の強度が増すので、お部屋選びの際には、できれば等級3、少なくとも等級1の物件がいいのは間違いありません」(寺岡さん)■「制震」と「免震」、何が違う?次にチェックしたいのが“建物の構造”についてです。その物件が災害に強いつくりになっているかどうか、「骨格の仕組み」を読み取ります。建物の災害への対策構造は、大きく分けて「耐震」、「制震」、「免震」の三つが挙げられます。耐震……基本的な骨組みを強化して、建物が地震の力に耐えられるようにする構造方法。大多数の建築物はこの構造でつくられており、標準的な構造だと言えます。制震……耐震構造でつくられた、強い骨組みの内部に、外からの揺れの力を弱める装置を組み込む構造方法。地震エネルギーを吸収するつくりになっています。免震……建物の根っこの部分に、クッションのような装置を組み込む構造方法。骨組みを強くする耐震・制震と比べ、特殊な装置で揺れを受け流すため、ほとんど建物に揺れが伝わりません。■まずは不動産会社に確認してみよう!「『耐震等級が高く、かつ免震構造』という好条件の物件は、探すだけでも一苦労で、それは、ほとんどの賃貸物件で耐震等級の表示がないからです。また、免震構造は、耐震構造に比べ建設コストがかかりますので、地盤の弱い場所では採用されない場合もあり、なかなか普及に至っていませんね」(寺岡さん)それでは、地震に強い住まいはどうやって探せばよいのでしょう?賢い選び方はありますか?「まずは不動産会社に、住宅性能評価を受けた物件かどうか直接聞くことでしょう。また、1981年以降の建築基準法による新耐震設計に該当するかどうかも確認しておくべきです。つまり、同年に東北を襲った宮城県沖地震以降に定められた『新耐震設計基準』でつくられた建物ならある程度の安全が担保されている、ということです」(寺岡さん)物件を探すときは、インターネットで築年数や種別・構造などをあらかじめ確認しておくことがおすすめです。そこで、コレ!という物件を見つけたら、実際に内見をおこない、直接、不動産業会社に住宅性能評価など、耐震について積極的に聞いてみましょう。きっと、今以上に納得のいく住まい選びができるはずです。取材協力:アネシスプランニング株式会社代表取締役の寺岡孝さん(文・エフスタイル)
2012年10月05日マンションを探すとき、また、自分が住むマンションが地震に強いのかどうかは、どこを見ればわかるのでしょうか。不動産の広告では、「耐震構造」、「免震構造」、「制震構造」などということばをよく目にしますが、これらはいったいどう違うのでしょうか。そこで、構造設計一級建築士の笘谷修作(とまたに・しゅうさく)氏に、「耐震構造」・「免震構造」の違いや、地震に強いマンションの見分け方をおたずねしました。■外観、内観を見て分かるポイントとは――地震に強いマンションかどうか、外観、内観から分かるポイントはありますか。笘谷氏マンションの造りは、大きくは、A.鉄筋コンクリート造など(鉄筋の場合はRC造、鉄骨鉄筋の場合はSRC造と言う)、B.鉄骨造(S造) の二つがあります。建設費が高くてグレードの高いマンションはAとなります。分譲マンションは、ほぼAです。賃貸マンションではAとBがあります。また、階数によって、5階程度までの「低層系」、6~15階程度の「中高層系」、それ以上の「超高層系」の三つに分かれます。さらに、Aの低層系では柱・梁のある構造と、柱・梁のない「壁式構造」に分かれます。――地震への対応は、それぞれどのようになるのでしょうか?笘谷氏4つのポイントがあります。ポイント1 B.鉄骨造は、A.鉄筋コンクリート造に比べて地震時の揺れは大きくなります。ただし、一般の人がAかBかを見分けるのは難しいと思います。ポイント2 A.鉄筋コンクリート造などの場合は壁式構造であるか否かを確認してください。この構造は地震に強く、過去の震度6クラスの地震であまり被害を受けておりません。一応安心してよいかと思います。ポイント3 A.鉄筋コンクリート造の場合で壁式構造でない建物については、外観での判断は難しいのですが、一つの目安として、「柱の太さ」があります。太い方が地震に強いと言えます。また、1階の短辺方向(縦、横の長さで短いほう)に壁のない構造で、旧耐震設計基準(1981年6月以前の建築法。後述)の場合は注意をする必要があると思われます。ポイント4 低層系の場合は、壁の多い建物は安心感があります。つまり、地震の揺れに一番強いのは、「A.鉄筋コンクリート造など」でかつ「低層系」かつ柱・梁のない「壁式構造」です。Bは低層から高層まで幅が広いですが、一般的に建物の揺れはAより大きくなります。――部屋のなかで、構造的に地震に強い場所はありますか。笘谷氏A.鉄筋コンクリート造の場合は、隣り合った住戸の境目にある壁が耐力壁(15cm程度のコンクリート製の壁)となっており、地震時にこの壁がくずれて床が落下するようなことはまず考えられません。したがって、隣の住戸を仕切っている壁付近は安全な空間となりますので、家具、電気製品などの衝撃を受けないような対策をしておいて、壁のそばにいるのが良いと思います。――地震が起こったときに気をつけるべき場所はありますか。笘谷氏1階が柱のみの構造(1981年6月以前の設計で1階に壁がない場合)では、1階への避難は気をつけてください。また、エレベータホールが建物本体の外にある場合や、外部階段は揺れが収まるまで近づかない方がよいでしょう。■耐震構造の種類をチェック――「耐震構造」、「免震構造」、「制震構造」の特徴を教えてください。笘谷氏耐震構造とは、文字通り、地震に耐える構造ということです。そのなかで免震装置、制震装置のついていない建物を、総称として「耐震構造」と呼んでいます。国内にあるほとんどの建物が「耐震構造」となります。「免震構造」とは、地震のときに建物にかかる水平方向の力を低減し、地震のエネルギーを「免震層」という1階床下に組み込んだ積層ゴムなどの装置に集中させる造りです。地震時の揺れを1階床下で吸収するため、揺れは小さくなり、家具の倒壊や建物が被害を受けることはほとんどありません。ただし、免震装置が高額なため、建設費が高くなります。強い地震を受けた後は免震装置の修理、メンテナンスに別途の費用がかかるなど、分譲マンションの場合は修繕積立金が高くなることがあります。「制震構造」は、建物にかかる水平方向の耐震強度は「耐震構造」と変わりませんが、地震による建物の変形を小さくするための装置を取り付けています。この構造は主に超高層建物に取り付ける場合が多く、一般の中高層マンションでは見られません。制震装置を取り付ける必要性が少ないからです。高層階の揺れをある程度抑えるため、家具の倒壊や建物が被害を受けることが少なくなりますが、建設費はやや高くなります。――高層階になるほど揺れが大きくなるのはなぜでしょうか。笘谷氏各階の床が揺れで移動する量は、地盤の水平移動量にその階の移動量を加算した値になります。つまり、下の揺れがどんどん上に伝導していくイメージです。例として、地盤が30cm移動し、各階が3cm移動した場合、10階建てでは1階が30cm、10階では57cmとなります。階が上に行くほど床の移動量が大きくなるため、当然、揺れは大きく感じられます。――「高層マンションやビルは揺れたほうがいい」といいますが、本当でしょうか。笘谷氏 建物は揺れないに越したことはありません。免震構造が良いと考えるのは、揺れが小さいからです。現在のマンション設計の主流はある程度の揺れを考慮していますが、これは揺れた方が良いのではなく、揺れても壊れないように建物に粘りを持たせた設計法だからです。――高層階より、低層階のほうが安全なのでしょうか。笘谷氏必ずしも、低層階のほうが安全とはいえません。地震時に建物に加わる水平力は建物の重さに比例します。低層階の方が重いので、より大きな力が加わります。そのため、地震による建物被害は一般的には低層階の方が多くなります。高層階では揺れは大きいのですが、構造体の被害は少なくなります。■法律の制定年を知って、築年数で確認――築年数で地震対策について判断することはできますか。笘谷氏1981年6月に建築基準法が改正され、「震度6~7の地震でも建物が倒壊しない耐震性能を求める」という「新耐震基準」が施行されました。よって、同年同月以降に設計されたかどうかが一つの判断材料です。また、阪神・淡路大震災の地震被害を受けて1995年12月に「耐震改修促進法」が制定されました。この法律は1981年6月以前に設計が完了した建物に対して、耐震診断、耐震補強計画を促進するために作られました。現在全国の公共施設などではこの法律に基づいて耐震診断、耐震補強計画を進めています。次に、2000年6月に建築基準法が改正され、さらに、2007年に起こった「耐震強度偽装事件(いわゆる姉葉事件)」を受けて、2008年末には「新建築士法」が施行されました。新しい国家資格である「構造設計一級建築士制度」が創設され、「一定規模以上の建築物の構造設計について、構造設計一級建築士が自ら設計を行うか、構造設計一級建築士に構造関係規定への適合性の確認を受けることが義務付けられる」ことになりました。つまり、2009年以降に設計されたマンションはひとまずは安心だといえます。阪神大震災の例でわかることは、震度6強、震度7クラスの地震が起きたときに命を守ることです。このような非常に強い地震に対して命を守るためには、建物の崩壊(柱がつぶれて生存空間が失われる)、倒壊(倒れてしまう)を起こさないマンションを選ぶことです。壁式構造の建物は建設年度にかかわらず、1981年以前のものを含めて大丈夫だと思います。壁式構造でないマンションは1981年以後の設計が良いと思います。マンションの「見た目」、「構造」、「耐震構造の種類」、「築年数」をチェックすることで、その物件の「地震に耐える力」を知ることができると分かりました。どの確認方法も、誰もが少し意識をすれば簡単にできることばかり。マンションを買う、借りるときの重要なポイントです。監修: 笘谷修作氏。一級建築士、構造設計一級建築士、有限会社トマタニ構造設計(千葉市稲毛区)・代表取締役。(阪河朝美/ユンブル)【関連リンク】【コラム】女子の一人暮らしは危険だらけ!マンションでチカンが潜む場所は【コラム】マンションと一戸建て色々な要素で比較してみた【コラム】知られざるタワーマンション生活!高層階住民の声を集めてみた
2011年04月13日