映画『笑う警官』が23日(金)、開催中の東京国際映画祭にて特別招待作品として上映され、これに先立ち角川春樹監督および大森南朋、松雪泰子、宮迫博之(雨上がり決死隊)らキャスト陣、そして原作者の佐々木譲が出席しての記者会見が行われた。北海道警で実際に起きた事件を基に書かれた佐々木さんの同名小説を映画化した本作。12年ぶりにメガホンを握った角川監督は「全世界のどこでも通用する映画になった」と自信満々。主演を務めた大森さんは「僕は子供の頃、角川映画で育った世代。(角川監督と会って)憧れの人と出会えた気分でした」と挨拶した。警察をテーマにした作品とあって、報道陣からは角川監督の演出方法について、大森さんに「直接、(監督の)実体験を基にした演出や指導はあったか?」というきわどい質問も。大森さんは「現場でこまごまとありましたが、どういうものだったかは僕の口からは差し控えます」と慎重なコメント。では、角川監督の第一印象は?という質問には「恐怖!」(大森さん)、「左に同じ」(宮迫さん)、「恐怖(笑)」(松雪さん)と口を揃えた。だが、話をしてみると最初の印象と全く違ったようで、松雪さんは「純粋な情熱を持った方で少年のように目が輝いていた」と笑顔で語った。一方で「監督には常に『いままでにない表現を見せておれを感動させてくれ』と求められた」と妥協のない演出を明かした。宮迫さんは、海外の報道陣も詰め掛ける国際映画祭の場で、おなじみの身振り手振りを付けて「宮迫です!」を決め「いちコメディアンなもので」とご満悦。「僕はこのキャストの中で唯一、実体験で怖い人に追われたり、逃亡したり、すごく隠れたりしたことがあるので、やりやすかったです」と笑顔を見せた。原作者の佐々木さんは完成した映画について「あの原作をここまで深い映画にするとは…原作者として悔しいです。もっと野暮ったい道警の刑事たちを描いたつもりが『こんなにかっこよくていいのか?こんなかっこいい刑事いないだろう』と思った」と称賛を贈ったが、大森さんはこのコメントに「嬉しいですが…ちょっと複雑な気持ちです」と苦笑していた。『笑う警官』は11月14日(土)より全国にて公開。東京国際映画祭2009特集■関連作品:第22回東京国際映画祭 [映画祭] 2009年10月17日から25日まで六本木ヒルズ、Bunkamuraをメイン会場に、都内の各劇場及び施設にて開催笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】これぞ影の最高賞?観客賞が発表 『少年トロツキー』に栄誉!辻仁成インタビュー「アントニオ猪木さんをもう一度、リングに上げたかった」【TIFFレポート】辻仁成が率いるバンドZAMZA登場!往年の名曲「ZOO」熱唱【TIFFレポート】辻仁成、不在のアントニオ猪木と支えになった家族への感謝を吐露【TIFFレポート】中谷美紀、貧血で挨拶を降板広末は「任せきり」と中谷を絶賛
2009年10月24日累計販売部数100万部を超える、警察小説の金字塔「道警シリーズ」の第1作「笑う警官」を原作に、映画界のカリスマ・角川春樹が12年ぶりにメガホンを取った。9月29日(火)、角川監督を筆頭に、主演の大森南朋に忍成修吾、蛍雪次朗、野村祐人、伊藤明賢、矢島健一ら“警察”一派と原作者の佐々木譲が一堂に会して、映画『笑う警官』の舞台挨拶が行われた。本作は、北海道警察で実際に起きた組織ぐるみの事件を題材に、刑事たちの間で繰り広げられる攻防戦を描く。角川監督は、「今回は、犯人を追うのも追われるのも警官。ひとりひとりの警官が警察という組織の冷酷さや非情さ、傲慢さに挑んでいきます」と作品を説明。エンターテイメント性にこだわったという作品の出来について、「原作のベストセラーとホイットニー・ヒューストンによる主題歌、そして映画の三位一体が久しぶりに実現した。150万人動員できなければ、映画は辞めようと思ってます」との宣言をした。そんな監督とのコラボレーションに、大森さんは「僕らの世代は角川映画を観て育ってきたので、ご一緒できて夢が叶ったような気分です。(監督が)スクリーンの向こう側に行ってしまったというか、まだ行ってないんですけど…(笑)」と冗談交じりに喜びを語った。今回大森さんが演じるのは、同僚の無実を晴らすため奔走する警官・佐伯。「監督と一緒に、人間ドラマをしっかり作ってきたので見てもらいたい」と見どころを語った。その後も、キャスト陣からは角川監督との仕事についてコメントが続出。初タッグとなる忍成さんは、「角川監督というのを聞いた瞬間から緊張しっぱなしでしたが、本当にいい経験をさせていただきました。自分がここにいるのが信じられません」と監督の横で緊張した面持ちで語った。撮影現場については、蛍さんが「監督はよく『TVじゃなくて映画なんだから!』というダメ出しを何度もしていた」と明かせば、「役者としていろんなチャレンジをしなければならなかった」(野村さん)、「角川監督にだいぶ怒られ、苦労しましたが、いい勉強になった」(伊藤さん)と、監督のストイックな指揮ぶりをうかがわせた。一方で、矢島さんは「監督はとてもチャーミングで、見ているとニコニコしてしまう、愛すべきキャラクター」とにこやかな笑顔を見せた。そして、原作者の佐々木さんは完成作の感想を尋ねられ、「悔しい!という思いになりました。本当の道警にはこんなにかっこいい刑事はいないぞと、そんな思いでありますが、決して荒唐無稽な話ではないということを踏まえて観ていただきたい」と太鼓判を押した。最後には、本作のために結成された応援ユニット“笑うトップモデル”が登場し、男性一色の舞台挨拶に華を添えた。この“笑うトップモデル”の代表するのは、10代、20代から圧倒的な支持を集める「Popteen」のカリスマモデル、船山久美子。初めての経験に少々ぎこちなさを感じさせながら「ハラハラドキドキのスリル満点の映画です。みなさん『笑う警官』をぜひ観てください」と映画をアピールした。一方、美女の応援にご満悦の角川監督。男性陣には厳しい監督のようだが、「女性のことは怒りませんから、男は別です」とニンマリと頬をゆるめた。『笑う警官』は11月14日(土)より全国にて公開。■関連作品:笑う警官 2009年11月14日より全国にて公開© 2009『笑う警官』製作委員会■関連記事:恋したい“大人”な俳優は誰?MTVオリジナルiTunesダウンロードカードを10名様プレゼント大森南朋主演『笑う警官』主題歌に復活間近の歌姫W・ヒューストンの新曲が決定!人気警察小説の映画化!『笑う警官』モニター試写会に50組100名様ご招待
2009年09月30日中谷美紀と大森南朋を主演に迎え、江國香織の人気小説を映画化した『スイートリトルライズ』が無事、クランクアップを迎えた。先日のクランクアップ直前に、撮影現場に潜入!さらにこのほど、映画の新たな場面写真も到着。嘘と秘密を積み重ねつつ、共に歩む夫婦を演じた中谷さん、大森さんの姿が初めて公開された。撮影も佳境に差し掛かった6月中旬、訪れたのは主人公の瑠璃子(中谷さん)と聡(大森さん)が住むマンション。東京・五反田にある6階建てのマンションをビルごと借り切って撮影は行われていた。2人が住む岩本家の一室は、外観の古ぼけた感じからは全く想像つかないほど見事なセットが組まれていた。瑠璃子のテディベア作業机のあるリビングとキッチンがつながるダイニング。十数体のテディベアが並べられた2人の寝室に1人閉じこもりゲームを楽しむ聡の部屋。淡いブルーやグリーンを配色した部屋にはアンティーク調の家具が並べられ、テディベア作家の瑠璃子らしいハンドメイドの趣あるセットが美術・装飾の手によってゼロから作り上げられていた。この日、撮影が行われていたのは瑠璃子と聡の朝食のシーン。瑠璃子が食卓に差し出したポーチドエッグを見て「これが食べたいとずっと思ってたんだ」と言う聡に対して「私たち、気持ちがちゃんとつながっているのね」と返す瑠璃子。一見、何気ない会話のように見えて、静かな朝の風景に2人の間の微妙な緊張感が感じとれるシーンだ。中でも鍵となるのは「一緒に眠って一緒に起きて、どこかに出かけてもまた同じ場所に帰るってこと。大切なのはそのことだと思う」という瑠璃子の孤独が見え隠れする意味深なセリフ。ちなみに本作にはこれ以外にも、「恋をしているの。本当は夫だけを愛していたいのに」、「人は守りたいものに嘘をつくの。あるいは守ろうとするものに」など、原作そのままのセリフが度々登場し、江國香織の繊細で美しい世界観が映画で表現されている。監督を務めるのは『ストロベリーショートケイクス』の独特な空気感が印象的だった矢崎仁司。本作でもまた、夫婦の間の距離感をどう映像として表現するのかに期待と注目が集まる。監督の細部に至るまでのただならぬこだわりは、撮影現場を見れば容易に見てとれる。そして、中谷美紀と大森南朋こそが、そんな彼の要求に応えうる役者なのである。監督は2人について、こう語ってくれた。「中谷さんは、初めて会ったときに『瑠璃子だ』と直感しました。中谷さんが醸し出す“品”のようなものが『瑠璃子に会えた』と思わせたのだと思います。大森さんについては、彼の持つ静けさ、他人と一線を画す距離感みたいなものが、聡の孤独と重なると感じました。孤独をまとっているこの2人の夫婦を見てみたいと思いました」。『スイートリトルライズ』は今秋の完成を目指しており、公開は2010年を予定。まさに現在編集中という段階にあり、これまで、ほとんど写真も明かされていなかったが、このたび、シネマカフェが写真を独占入手。岩本家のベランダで瑠璃子が遠くを見つめ、聡がその姿を優しく見つめるシーン(写真上)のほか、2人の朝食シーンなど、合わせて4枚の写真が到着、シネマカフェ内の『スイートリトルライズ』特集にて公開中。特集『スイートリトルライズ』撮影現場フォトアルバム■関連作品:スイートリトルライズ 2010年公開予定© 2009 江國香織/「スイートリトルライズ」製作委員会■関連記事:中谷美紀×大森南朋が夫婦役に!江國香織原作『スイートリトルライズ』が映画化
2009年07月17日