外壁塗装工事には、足場の設置、高圧洗浄、下地処理、養生、下塗り、中塗り、上塗り、といくつも工程があります。なかでも、新たに塗る塗料のつきと持ちをよくするためには、外壁の汚れをきれいに落とす高圧洗浄は欠かせません。ここでは、外壁塗装の際に行う高圧洗浄の方法や単価についてご説明していきましょう。外壁塗装で行う高圧洗浄ってどんな作業?建物の外壁に塗られている塗料は、日々雨風や紫外線にさらされて、劣化し続けています。塗料が劣化すると、「チョーキング現象」という表面の粉化を起こし、手で触ると白い粉がつくようになります。外壁塗装をする際に、チョーキング現象が起こった壁にそのまま塗料を塗ると、新しい塗料の粘着力が損なわれ、古い塗料とともにはがれやすくなってしまいます。また、古い塗料の粉化に加えて、年月の経った外壁には汚れのほか雨や湿気によるカビや藻・コケなどが付着していることもあります。外壁塗装をする際には、古くなって粉化している塗料とともに、そうした汚れなどを取り除くため高圧洗浄の必要が出てきます。また、特に汚れなどがひどい場合は、水に薬品を混ぜて噴射する「バイオ高圧洗浄」を行う必要があります。高圧洗浄とは文字通り、高圧の水を使って壁を洗浄することですが、この時の圧力は15Mpa(メガパスカル)以上、つまり150キロ以上の圧力になります。ホームセンターやテレビショッピングなどで市販されている家庭用の高圧洗浄機は約8~12Mpaですから、単純に考えても、専門業者がエンジン式の機械で行う高圧洗浄は、家庭用の2倍程度の威力があるといえます。このように、外壁の高圧洗浄は専門の特殊な道具を使い、場所や外壁の状態によって圧力を調節しながら行う必要があります。経験や熟練を要する作業のため、必ず専門の業者に任せるようにしましょう。高圧洗浄工事の単価ってどのくらい?一般的な外壁塗装の際の高圧洗浄は、1㎡当たり150~250円で行われます。また、バイオ高圧洗浄になると、1㎡当たり200~300円となります。標準的な大きさの一戸建て住宅の場合、外壁の面積は「延べ床面積×係数(1.2~1.7)」で計算できますので、今回は係数を1.2にして計算してみると、以下のようになります。30坪の家の外壁面積:30×3.3×1.2=118.8㎡40坪の家の外壁面積:40×3.3×1.2=158.4㎡50坪の家の外壁面積:50×3.3×1.2=198㎡60坪の家の外壁面積:60×3.3×1.2=237.8㎡(1坪=3.3㎡)相場の目安としては、水による高圧洗浄の場合で約20,000~50,000円、バイオ高圧洗浄の場合で約24,000~72,000円になります。業者に見積を出してもらった際に、高圧洗浄代が相場よりもかなり高く計上されていた場合は、その業者と契約することを避けたほうがよいかもしれません。たとえば、高圧洗浄費用に100,000円以上も提示されたり、本来は必要でないにもかかわらず、無理やりバイオ高圧洗浄を勧めたりするような業者は、あまり信用しないほうがよいでしょう。外壁塗装の費用を無料で比較高圧洗浄工事の依頼時に注意すべきこと先に述べた通り、外壁塗装の業者は専門の業務用の機械を使って高圧洗浄を行います。ガソリンエンジンを使った機械での作業のため、この作業はかなりの騒音を発生させます。高圧洗浄だけに限りませんが、外壁塗装をする際には何らかの騒音を伴いがちなため、あらかじめ近所に声をかけておくなどマナーの遵守が必要でしょう。また、雨の日や風が強い日などは、せっかく高圧洗浄で汚れを落としてもすぐに汚れがついてしまいます。高圧洗浄は、晴れていて風のない日に行ってもらうようにしましょう。さらに、住宅の通気口から室内に洗浄水が入ってきてしまいますから、作業の際は十分気をつけてもらう必要があるでしょう。また通気口だけでなく、壁と壁の間の目地の部分も、水圧に弱い箇所です。場所に応じて水の圧力を調節してもらうようにしましょう。高圧洗浄の際の水道代は、基本的に家主の負担となります。しかし、蛇口から直接機械をつなぐわけではなく、専用のタンクやバケツに水をためて使いますので、それほど多くの水を消費するわけではありません。だいたい2,000~3,000円の水道料金がかかると考えておけばよいでしょう。また、高圧洗浄自体が比較的新しい技術です。したがって、昔ながらの業者では高圧洗浄機を使わず、ブラシやサンドペーパーを使って汚れを落とす場合もあります。しかし、高圧洗浄機による洗浄をすれば、チョーキングの粉もきれいに取り除けますし、凹凸のある外壁の汚れもきれいに落とすことができます。外壁塗装業者を選ぶ際には、このような点にも留意するとよいかもしれません。それに加え、高圧洗浄の作業にかかる時間は平均で外壁・屋根を合わせて7~8時間ほどといわれています。つまり、外壁塗装全体の工程のうち、1日は高圧洗浄にあてられるということになります。2~3時間で終えてしまう業者もあるようですが、できればしっかりと時間をかけて洗浄してくれる所を選びましょう。特に見積の際には、全体の作業工程と期間をしっかり確認するようにしましょう。まとめ外壁塗装を長持ちさせるためには、高圧洗浄は欠かせない工事となっています。作業自体に1日、その後の乾燥に2日ほどかかってしまいますが、この工程を省いたため、新たに塗った塗料が1年ではがれてしまったということも起きることもあります。きちんとした技術を持った、信頼のおける業者で施工してもらうようにしましょう。外壁塗装の費用を無料で比較
2017年11月20日マンションの第一印象を決める外壁。塗装が色褪せていたりひび割れていたりしたら、早い段階で塗り替えをすることが入居率の維持にもつながります。とはいえ、一般住宅に比べてマンションの外壁塗装は大掛かりな工事になります。まずは手順やかかる時間、費用の相場などを知って検討してみましょう。マンションの外壁塗装の手順マンションの外壁塗装の場合であっても、基本的に一般住宅と手順に大きな違いはありません。ですが、中には階数のあるマンションならではの工法や塗装の特徴もあるので、それぞれの要点を押さえておくと安心です。【手順1】足場の組み立て塗装作業をするための足場を足場材やパイプなどで組み立てていき、マンションを覆います。マンションは高さがあるため、工事費の大半を足場代が占める場合も。必ず予算として考えておきましょう。なるべく低予算で押さえたい場合は、足場を組まずに「ブランコ作業」と呼ばれる無足場工法で塗装を行ってくれる業者もあります。ブランコ作業は建物の屋上からロープでぶら下がって作業を行うため、低コストで施工を行うことができるのが最大の特徴です。足場が組めない狭小地でも作業ができたり、スケジュールに余裕がない場合に工期を短縮できたりするメリットもあるので、まずはブランコ作業ができるかどうか業者に確認すると良いでしょう。【手順2】高圧洗浄壁にはカビやホコリ、苔、藻、水垢、そして劣化した塗膜や塗料の粉など様々な汚れが付着しているので、高圧水を利用して、外壁についた汚れを根こそぎ落とします。ここでしっかりと洗浄しておくことで、塗装時の塗膜欠落などの不具合を防ぎます。【手順3】養生塗料が外壁以外に付着しないよう、窓や付帯設備などに養生シートを取り付けて保護します。また、塗料が近隣の住宅などマンション周辺に飛び散ってしまわないように、足場とともに飛散防止シートも設置します。【手順4】下地処理・調整塗装前に外壁をならしていく作業です。器具を使って古い塗膜を落としていくだけでなく、クラック(ひび割れ)や亀裂、凹凸などの傷も改修してならしていきます。下地処理・調整がしっかり行われていないとうまく塗装ができず、失敗の原因となる場合があります。【手順5】下塗り中塗り、上塗りの塗料を下地となる壁に定着させるための塗料を塗ります。接着剤のような役割を果たすと考えると良いでしょう。この工程で塗膜をしっかり平らかにできるかどうかが、中塗り・上塗りの出来栄えを左右します。【手順6】中塗り・上塗り仕上げ用の塗料を塗っていきます。同じ塗料で中塗り1回、上塗り1回の計2回重ね塗りすることで、美しい仕上がりになります。中には1回しか塗らない業者もありますが、上塗りのみだと必ず塗りムラができてしまうので、下塗りも含めて確実に3回塗ってくれる業者を選ぶのが大切です。外壁塗装の費用を無料で比較マンションの外壁塗装はどのくらい時間がかかる?一般的な住宅の場合は7日~10日程度で完了する外壁塗装工事ですが、マンションでは、50戸未満の規模であれば2~3ヶ月程度、それ以上であれば3ヶ月以上かかることが想定されます。外壁塗装は当然屋外で行われるため、天候によっては工事が中断される場合もあります。雨や雪、台風の季節などは工期が伸びる可能性も高くなるため、考慮しておきましょう。マンションの外壁塗装にかかる費用はどれくらい?外壁塗装の費用は塗装面積と塗料のグレードによって数百万単位で大きく変動します。下記が足場代や人件費なども含めた階数別の費用目安です。・3階建て…約2,700,000円~4,100,000円・4階建て…約3,600,000円~5,400,000円・5階建て…約4,400,000円~6,600,000円・6階建て…約5,400,000円~8,200,000円・7階建て…約6,300,000円~9,400,000円複数社で相見積もりを取った時に費用に大きな差がある場合は、まず塗装面積と塗料の内容をチェックするようにしましょう。塗料のグレードは耐用年数に比例しているため、例えば最も安価なアクリル系の塗料の耐用年数は6年ほどですが、高価な光触媒塗料であれば約20年もの耐用年数を誇り、汚れもつきにくいメリットがあります。そのため、「見積もりが安かったから」という理由だけで安価な塗料を提案した業者を選んでしまうと、ものの数年で再度塗装工事を検討しなくてはならず、かえって費用がかさんでしまうことがあります。外壁塗装の塗料は大きく「アクリル系」「ウレタン系」「シリコン系」「フッ素・断熱」「光触媒」の5つに分けることができるので、それぞれの塗料の費用相場や耐用年数、メリット・デメリットを事前に学んでおけば、費用対効果の高い外壁塗装が行えるでしょう。まとめマンションの外壁塗装は実際の工事以外にも、着工前に仮設事務所やトイレの設置、関係官庁への届け出、住民への説明など、規模や条件によって様々な工程が発生します。外壁だけでなく、他の部位の修繕が必要になる場合もあるので、施工計画は入念に行って、入居者も満足する素敵な外観のマンションへと改修しましょう。外壁塗装の費用を無料で比較
2017年10月30日外壁塗料の中でも最高クラスのフッ素塗料は、その抜群の耐候性から航空宇宙機器や、大型建築物に用いられている他、一般家庭でも普及してきています。そこで、今回は気になるフッ素塗料の特徴と、知っておくべきデメリット、使う際の注意点についてご紹介します。フッ素塗料の特徴・メリット【抜群の耐候性】フッ素塗料は、どのメーカーでも外壁塗料の最高クラスに位置づけている塗料です。その特徴は、長期間にわたって美観を保つことができる抜群の耐候性にあります。馴染み深いところでは、フライパンのフッ素加工がありますが、焦げ付かずお手入れも簡単なフライパンのフッ素加工と同じように、フッ素塗料による塗膜は紫外線や風雨の影響を防ぐ機能を持っているのです。耐用年数は約15~20年と長いことから、ビルやマンション、立体駐車場や橋脚といった大型の建築物に用いられています。その性能の高さは航空宇宙機器に使われているほどです。【熱や紫外線に強く、耐摩耗性に優れている】フッ素塗料は分子同士が強く結合する性質を持ち、塗装が外壁に密着してはがれにくいのが特徴です。このため、太陽光の熱や紫外線の影響から壁面素材を守り、劣化を防ぎます。また耐摩耗性にも優れており、塗装面の光沢を長期にわたって保持することができるのも大きな特徴です。光沢の減少率を比較すると、5年でアクリルやウレタン塗料がおよそ20%、シリコン塗料は10年で20%ほどの減少であるのに対し、フッ素塗料は20年で減少率が約10%と、優れた対摩耗性を備えています。【防汚染性が高い】外壁塗装で気になるのが雨染みによる汚れですが、フッ素塗料は親水性も高く、塗膜に汚れが付きにくくなっています。雨や水洗いで簡単に汚れが落ち、美しい外観を保つことができるのもフッ素塗料の大きな特徴です。塗装面を清潔に保ちやすいため、カビ・藻が付きにくいというメリットもあります。外壁塗装でフッ素塗料を使うデメリット【高機能であるだけに価格も高い】フッ素塗料は優れた機能を持つだけに、他の塗料に比べて価格が高いのが難点です。1平米当たりの平均的な価格を比較すると、最も安いアクリル塗料が約1,000円~1,200円、ウレタン塗料が約1,800~2,000円、シリコン塗料が約2,500~3,500円であるのに対し、フッ素塗料は約3,500~4,500円となっています。高品質ですが一般家庭で行う外壁塗装用には、なかなか手が出しにくいというのが現状です。【ツヤなしのフッ素塗料がない】分子同士の密着度が高いフッ素塗料は、光沢感のある仕上がりが特徴です。このツヤがフッ素塗料の親水性という特徴を生みだしています。ツヤのない落ち着いた外壁を好む方には向かない塗料です。【建物自体の劣化に弱い】高度な耐久性を持つフッ素塗料ですが、建物本体の劣化の影響を受けやすいというデメリットがあります。フッ素塗料は塗装面が非常に硬いことで耐候性や耐摩耗性を実現している一方、壁面本体にヒビ割れや水漏れなどが生じると、塗装面にヒビが入りやすくなります。本体の補修が必要な場合は、きちんと行ってから塗らないと、折角のフッ素塗装が台なしになる可能性もあるため、注意しましょう。外壁塗装の費用を無料で比較一般家庭の外壁塗装でフッ素塗料を使う際の注意点高性能ですが高価なフッ素塗料は、一般家庭には少し高価すぎるイメージがありますが、15年以上という耐候性や耐摩耗性を考えると、メンテナンスコストを抑えることも可能です。一般家庭用の外壁塗装ではどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?【フッ素の含有量を確認しよう】フッ素塗料の中にどの程度のフッ素が含まれているかは、塗料によって異なります。含有量の規定もなく、一般人にはまだ馴染みがないのをいいことに、フッ素の成分が低い物を高価に売りつけるようないわゆる悪徳業者も存在します。もともと高価な塗料でもありますから、フッ素の含有量や、フッ素塗料についての分かりやすい説明を求め、製品のカタログサンプルなどを見せてもらうことで、価格に見合った性能の塗料を選ぶようにしましょう。【フッ素の塗装には腕のいい職人さんを】フッ素塗料を使った外壁塗装では、下処理や下塗りの処置が大変重要です。また塗り替えの場合には、もとの下地の塗料によっても対応が異なります。高度な機能を発揮するには、専門的で丁寧な仕事をしてもらえる職人さんに依頼しなければなりません。フッ素塗料の施工には、信頼できる腕のいい職人さんにお願いしましょう。まとめ樹脂塗料の中で最高レベルの耐久性を持つフッ素塗料は、耐摩耗性や、防汚染性などの機能的なメリットが多く、信頼性の高い塗料です。長期的なメンテナンスサイクルを実現できるため、一般家庭の屋根などを中心に需要も少しずつ広まっています。しかし、塗装する本体の劣化の影響を受けやすいため、施工には下地や補修点検などの塗装業者の入念なチェックも必要であることを覚えておきましょう。外壁塗装の費用を無料で比較
2017年10月29日