産業技術総合研究所(産総研)は12月21日、生きた細胞内に導入したDNAが分解される機構をリアルタイムに可視化する技術を開発したと発表した。同成果は、同研究所 バイオメディカル研究部門 バイオアナリティカル研究グループ 佐々木章 研究員と、北海道大学 先端生命科学研究院 金城政孝 教授ら、理化学研究所 生命システム研究センター 神隆 チームリーダーらの研究グループによるもので、9月24日付けの英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。今回の研究では、最先端の顕微鏡技術であるラスター画像相互相関分光法(ccRICS)の原理を利用し、多数のタイムラプス顕微鏡画像を一括して解析し動画とするプログラムを開発した。これにより、生きた細胞のなかでダイナミックに進行する生命現象である「外来DNAの分解」を時空間的に可視化することに成功した。DNAが分解されたかどうか判別するためには、導入する外来DNAを2色の蛍光色素で標識し、ccRICSで分子の運動を観測する。この2色の蛍光シグナルが同時に変動するか、別々に変動するかを解析することで2色の蛍光色素の分離、すなわちDNAの分解を検出することができる。今回は研究対象としてMEF細胞とHEK293細胞を使用。MEF細胞は遺伝子導入の効率が悪く、HEK293は遺伝子導入によるタンパク質発現が容易な細胞として知られている。この効率の差には、細胞内のDNA分解活性が関与しているという仮説を立て、作製した蛍光標識DNAをMEF細胞とHEK293細胞に注射しccRICSでDNAの分解を可視化した。この結果、MEF細胞ではDNAが細胞質において5分以内に分解を受けており、一方でHEK293では顕著な分解は見られなかった。これは見いだした細胞内でのDNA分解活性が外来遺伝子発現効率と負の相関を持つという仮説を支持することに加え、細胞の種類によって細胞質内のDNA分解活性が異なるという新しい概念の発見であるといえる。また、遺伝子導入に用いるDNAは今回のモデルDNAよりも大きく移動速度が遅いため、細胞質での滞留時間が長くなる。したがって、このような分解を制御することは外来遺伝子発現効率の向上につながる可能性がある。同研究チームは今後、DNAの分解メカニズムがどの分子によって担われているかを明らかにし、遺伝子治療や核酸医薬だけでなく、DNA代謝と疾患の関係などに広く展開していくことを目指すとしている。
2015年12月22日京都大学は12月11日、独自に設計した座布団型構造をもつ有機半導体材料を開発し、これをp型バッファ層に用いることでペロブスカイト太陽電池の光電変換効率を向上させることに成功したと発表した。同成果は、同大学 化学研究所 若宮淳志 准教授、工学研究科博士後期課程 西村秀隆 氏、化学研究所 嶋崎愛 研究員、村田靖次郎 教授、佐伯昭紀 大阪大学准教授らおよび米ボストンカレッジ ローレンス・スコット 名誉教授の研究グループによるもので、12月10日付けの米科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン速報版に掲載された。ペロブスカイト太陽電池は、材料を基板やフィルムに塗る印刷技術により作製でき、従来の太陽電池に比べて製造コストを大幅に下げることが可能な太陽電池として注目を集めている。これまでは、主に光吸収材料であるペロブスカイト層の作製法の改良により光電変換効率が向上してきたが、光により生成した電荷をペロブスカイト層から取り出すためのバッファ層材料については、優れた特性を示す材料は限られており、製造コストが極めて高い有機半導体材料が用いられている状況だった。今回の研究では、二次元のシート状に骨格を拡張して「座布団型構造」をもたせるという独自の分子設計に基づいて、塗布型の有機半導体材料を新たに開発。これをペロブスカイト太陽電池のp型バッファ層に用いることで、従来の球状の分子である標準材料を用いた場合に比べて、最大で1.2倍の光電変換効率の向上を実現し、16.5%の光電変換効率を得ることに成功した。同材料は、独自の合成ルートにより、簡便かつ安価に製造することが可能で、すでに製造・販売について国内企業との共同研究を開始しており、1年以内に販売を開始する予定だという。若宮准教授は、「本研究で、ペロブスカイト太陽電池の高効率化につなげるための、有機半導体材料の分子設計指針を明確に示すことができました。これに基づいて、今後、安価で優れた特性を示す材料の開発が国内外で活発化し、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた研究が加速するものと期待されます」とコメントしている。
2015年12月11日東京工業大学は11月26日、電子濃度の異なる12CaO・7Al2O3(C12A7)エレクトライド触媒を用いてアンモニア合成活性を詳細に調べたところ、C12A7エレクトライドが絶縁体から金属に変化する際に、触媒活性および反応メカニズムが劇的に変化することを発見したと発表した。同成果は、同大学応用セラミックス研究所 細野秀雄 教授と原亨和 教授、北野政明 准教授らの研究グループによるもので、10月24日付けの米科学誌「Journal of the American Chemical Society」オンライン速報版に掲載された。同触媒は、細野教授らが2003年に開発したC12A7エレクトライドの表面にナノサイズのルテニウムの微粒子を担持させたものであり、電子濃度によって絶縁体から金属へと転移することが知られていた。今回の研究では、同触媒を用いてアンモニア合成活性を詳細に調べた。その結果、C12A7エレクトライドの電子濃度が1.0× 1021cm-3以下の場合は、触媒活性および活性化エネルギーともに既存の触媒とほぼ同じであるが、電子濃度が1.0× 1021cm-3以上になると、触媒活性は電子濃度が低い場合よりも10倍程度高い値を示し、活性化エネルギーは約半分にまで低下することがわかった。また、ルテニウム触媒を用いたアンモニア合成は一般的に、吸着した水素でルテニウム表面が覆われることにより、窒素の吸着が阻害される「水素被毒」が起こるため、水素の圧力が増加するにつれて反応速度が低下するが、C12A7エレクトライド触媒では、電子濃度が1.0× 1021cm-3以上になると水素被毒されず、水素圧力の増加に伴い触媒活性が向上したという。同大学は、今回の成果によりアンモニア合成プロセスの省エネルギー化に向けた触媒開発の有力な手がかりが得られたとしている。
2015年11月26日サーモフィッシャーサイエンティフィックは11月25日、「ThermoScientific NanoDrop One」および「NanoDrop OneC」超微量紫外可視分光光度計の国内販売を12月1日に開始すると発表した。両製品はライフサイエンス研究者が試料の品質についてより網羅的な情報を得られるようにすることと、実験のトラブルシューティングややり直しによる遅延をなくし、コストを削減することを目的として設計されている。具体的には、試料中のコンタミネーションを同定し、その影響を補正した濃度値を得ることが可能となっているほか、ガイド付きオンデマンドのトラブルシューティング機能を備えたテクニカルサポートにより、試料の品質に関するフィードバックを即座に得ることができる。また、内蔵センサーが試料をモニターし、異常による測定ミスを防ぎ、センサーからの映像をデジタル画像解析することで測定結果に影響を与える気泡による誤差を補正する。なお、両製品は2015年12月1日から4日まで神戸ポートアイランドにて開催される「第38回日本分子生物学会年会、第88回日本生化学会大会合同大会(BMB2015)」で展示される予定で、同社展示ブースでデモンストレーションを行う予定となっている。
2015年11月25日アクシバースは11月11日、シーツの下に敷いて眠ることで、睡眠状態を可視化するシート型センサー「beddit スリープモニター」を発売した。直販価格は税込19,800円。beddit スリープモニターは、心弾動数(BCG)を計測することで、睡眠効率や心拍数、いびき、呼吸など睡眠の状態をモニタリングできるセンサー。リボン状の薄いセンサーをマットレスとシーツの間に敷いて使用する。計測したデータは、スマートフォンとBluetooth接続して専用アプリから閲覧可能だ。beddit スリープモニターが計測するのは、就寝時間、実際に寝るまでの時間、夜中に目覚めた時間、ベッドを離れた時間、安静時心拍数、睡眠効率、いびきと呼吸など。これらの数値を個別に確認できるほか、数値を総合的に判断して、睡眠の質を0~100点で「スリープスコア」として点数化する。サイズは幅4×長さ75cm。
2015年11月12日横河ディジタルコンピュータ(横河ディジタル)は11月10日、システムの動きと通信データの流れを同時に可視化・検証することができる、動的テスト/解析ツール「TRQerAM」を開発したと発表した。同ツールは、同社の既存製品である動的テスト/解析ツール「TRQerS」のソフトウェア(関数/スレッド)トレース機能に加え、通信データ2系統を同時記録できる機能を備えた機能強化モデルとなっている。組込み製品・組込み機器の最終評価・検証の現場、および最終製品形態での使用を考慮し、機器との接続や設置がしやすいようコンパクトな設計と2mのケーブルを採用。スタンドアロンで動作可能となっている。また、システム動作検証中に気になったタイミングをトレースデータにマークしておく機能もあり、8時間以上にわたるトレースデータの中からでも目的箇所を簡単に見つけ出すことができる。同社によると、カーナビなどの車載情報システムにおける本体システムと同期した音声信号/映像信号処理、車載制御システムにおけるECU間のCAN通信、複合機(MFP)におけるシリアル通信など、通信の流れとOSを含むシステム全体の動作検証・動作分析が必要になる実環境で効果を発揮するとしている。
2015年11月10日パナソニック エコシステムズは11月9日、ディーゼルエンジンの排ガスに含まれる粒子状物質を分解する新しい方式のディーゼル排ガス浄化用触媒フィルター工場を中国の蘇州市に新設し、12月より生産を開始すると発表した。同社は白金を使用せず、低温で粒子状物質を分解する省エネ性に優れた新しい方式のディーゼル排ガス浄化用触媒を2010年に開発。このディーゼル排ガス浄化用触媒はディーゼルエンジン車の規制が強化されている中国のエンジンメーカーからの受注が決まっているほか、既存車やこれから規制が強化される非道路機器にも採用が決定しているという。新工場はこうしたニーズに対応するために設立されたもので、日本の春日井工場で触媒粉体を生産し、蘇州工場でDPF基材にコーティングすることで、ディーゼル排ガス浄化用触媒フィルターを生産する計画だ。パナソニック エコシステムズは、新工場の設立により、ディーゼル排ガス浄化用触媒事業を本格的に展開し、2018年度100億円規模の販売を目指すとしている。
2015年11月09日サイバーセキュリティクラウドは10月26日、外部公開サーバへのあらゆる攻撃をリアルタイムに可視化するWebサービス「攻撃見えるくん」の無料提供を11月11日に開始すると発表した。同社によると、リアルタイム可視化製品で無償提供のものは日本初だという。自社に対するサイバー攻撃がどこからどの程度行われているかを測るツールは今までもあったが、サーバのログをまとめて解析する形式のものが多く、実際に攻撃を受けた時間からタイムラグが生じていた。また、ログデータを解析するための時間も必要だった。「攻撃見えるくん」はどこからどのような攻撃を受けているかを地図上に視覚的に表し、自動でグラフ化するため、ページを開くだけで攻撃の傾向がわかる。常にリアルタイムで表示されるため、今どのような攻撃を受けているかを即時に確認できる。「攻撃見えるくん」の提供に合わせて、攻撃遮断製品の「攻撃遮断くん」もバージョンアップ。こちらは、サーバへのあらゆる攻撃を遮断するIPS+WAFクラウド型サーバセキュリティとなる。クラウド(IaaS)を含むほぼすべてのサーバに対応し、ネットワーク、OS、Webアプリケーションに対する攻撃を防ぐ。バージョンアップでは、「攻撃見えるくん」による攻撃の可視化に加え、「過去の攻撃データからの分析」「監視センターとの接続状況確認」に対応。さらに、24時間365日サービスの申し込みができるようになった。最短5分、24時間以内で利用を開始でき、顧客に合わせたフルカスタマイズ機能(攻撃遮断くんのみ)も用意する。また、データセンターは国内に設置した。「攻撃遮断くん」の基本料金はIP単位で4万円/月。従量課金プランでは5000万リクエストごとに10万円/月で、追加費用は5000万リクエストごとに10万円/月。また、攻撃ログ最新表示件数は、「攻撃見えるくん」が1000件、「攻撃遮断くん」は1万件で、表示数追加には1万件で5000円/月が必要となる。現在、サービスの事前登録を受け付けている。
2015年10月28日グランバレイは10月6日、BI(ビジネス・インテリジェンス)や可視化に課題を持つ企業を対象に無料でアドバイスする「BI - ビジネスインテリジェンス/見える化無料相談室」を開設した。事前予約制で、同社Webサイトから申込可能。同相談室は、利用企業の課題を聞き最適解が何かを一緒に考え、アドバイスすることで、企業の課題解決を推し進めBIや可視化の実利用に結び付けることが目的という。これまで同社は「何をどうしたらよいのか分からない」「現場で使えない」「うまく活用できない」といった多くの問い合わせを受けており、経営や業務におけるデータ活用ができない現状を受けて相談室の開設に至ったとのこと。初回の相談は無料。同社は独立系のITコンサルティング会社のため、自社製品を持たない中立的立場で利用企業だけでは解決が困難なBIおよび可視化の課題解決を支援するとしている。
2015年10月08日UBICは9月25日、人工知能の成長を可視化することに成功、人工知能の成長過程を視覚的に把握し、テキスト解析の精度を効率的に向上するコンサルティングサービスの提供を開始すると発表した。同社は、人工知能によるEメール自動監査システム「Lit i View EMAIL AUDITOR(以下、EMAIL AUDITOR)」により、企業内の大量のメールを自動的に監査し、企業が防ぎたいリスクを発見するソリューションを提供している。「EMAIL AUDITOR」に搭載された人工知能「バーチャルデータサイエンティスト(以下、VDS)」が、豊富な経験をもつ監査人(社内外の監査スタッフや弁護士など)から不正を判断する特徴を学び、監査人がすべてチェックすることが不可能な大量の電子メールのテキストから、情報漏洩やカルテルなど不正行為への関与の疑いがあるコミュニケーションや行動を、監査人に代わって見つけ出すというものだ。今回提供開始となったサービスは、EMAIL AUDITOR導入企業に対するコンサルティングサービスとして提供される。人工知能の成長を測定するポイントは、監査人が「不正に“関連する”と判断した文書」と「不正に“関連していない”と判断した文書」が、正しくスコア付けされているかどうかで判断。成長プロセスは、「成長初期」、「成長期」、「成熟期」の3つの段階に分けることができ、成熟期に到達すると、安定したメール監査機能としての稼働が確認できたことになる。同社では、VDSの学習機能が適切に働いているかどうか分析するコンサルティングを行ってきたが、今回の可視化の手法を用いることによって、従来よりも、より直感的に人工知能の成長過程を把握することが可能になり、成長の精度やスピードが適正であるかどうかを容易に判断することができるようになったという。
2015年09月25日東京大学は9月10日、貯蔵された記憶を可視化・消去する技術を開発したと発表した。同成果は同大学大学院医学系研究科 附属疾患生命工学センター 構造生理学部門の林(高木)朗子 特任講師、河西春郎 教授らの研究グループによるもので、9月9日(現地時間)に英科学誌「Nature」オンライン版に掲載された。人の大脳皮質では、膨大な数の神経細胞が約60兆個のシナプスを介して連絡した神経回路網を形成している。このうち、興奮性シナプスというシナプスの約8割は、樹状突起スパイン(スパイン)という小突起構造上に形成され、スパインは学習・記憶に応じて新生・増大し、それに伴い電気的伝達効率を変化させることが知られている。今回の研究では、新生・増大したスパインを特異的に標識し、青色光を照射することで標識されたスパインを小さくする人工遺伝子(記憶プローブ)を開発。この記憶プローブを導入したマウスを用いた実験では、大脳皮質に青色レーザーを照射することで、運動学習によって獲得された記憶が特的に消去されたことが確認された。また、各神経細胞における記憶に関わるスパインの数を数えたところ、大脳皮質の比較的少数の細胞に密に形成されていることがわかり、記憶を担う大規模回路の存在が示唆された。生きたままの脳内において学習・記憶の基盤を担うスパインの観察および操作を可能とする今回の新技術は、学習・記憶の細胞基盤や、認知症や心的外傷後ストレス障害の研究に貢献するものだと考えられている。
2015年09月10日日本ラッド(ラッド)は9月1日、情報通信研究機構(NICT)が開発した次世代ネットワーク可視化・監視システム「NIRVANA」の大幅な改修開発を行い、新シリーズ「NIRVANA-R(ニルヴァーナ・アール)」として第1弾をリリースした。同社は、6月にNICTより「NIRVANA」のソースコードの利用・改変権を取得した。今回のリリースでは、あらかじめ設定した閾値を外れた通信量、「ネットワークトラフィック」「ネットワークプロトコル」「ポート番号」「送信元/送信先IPアドレス」といった特定の条件を満たす通信の発生をトリガーとするアラート・通知機能を実装している。事象検知時は画面上に該当トラフィックが発生した場所を示す警告を表示すると同時に、ネットワーク管理者にアラートメールを送信する。強力なネットワーク状態可視化エンジンにこの新機能を追加することにより、ネットワーク管理者がインシデントに素早く対応することが可能となり、初動の負担軽減・迅速化、原因究明と対策策定における作業効率の改善が期待できる。また、昨今非常に大きな問題となっている標的型攻撃に対しても、NIRVANA-Rを導入することにより、社内LANに侵入したマルウェアなどによる非定常通信の検知と感染元の特定が可能となる。同社は、これを原因分析と対応をサポートする各種IPS/FWサービスと組み合わせることで、さらに強固な対応を行う環境を整備できると考え、各社とのサービス連携を強化していく考えだ。今後、「セキュリティ・アプライアンスとの連携」「セキュリティ・アプライアンスからのアラートをトリガーとしたネットワーク機器との連携」「アラートをトリガーとしたパケットの保存」などの機能を追加したバージョンのリリースを予定している。
2015年09月02日横浜ゴムと東京工業大学は7月29日、バイオマスであるセルロースから合成ゴムの原料であるブタンジェンを直接合成する触媒の開発に成功したと発表した。現在、ブタンジェンは石油精製の副産物として生産されているが、新技術の開発によって石油への依存度が低減できれば、二酸化炭素削減につながる。今後について両社は、「量産化に向けた触媒設計を進め、2020年代前半を目標に実用化を目指す」とコメントしている。
2015年07月29日ウォッチガード・テクノロジー・ジャパンは7月23日、同社のネットワーク・セキュリティ可視化ツール「WatchGuard Dimension」を機能拡張し、さらなる多様な可視化と管理機能の向上を実現したという「同2.0」を発表した。今回のリリースではプレビュー版として複数のネットワーク制御機能を新たに追加しており、ネットワークの可視化により得られるインテリジェンスを生かすことで、IT管理者は課題に対して迅速に対応可能になるとしている。同製品は、ユーザーのネットワークに導入済みの同社製アプライアンス全てからデータを収集し、各種の可視化画面により脅威の抑止に役立つインテリジェンスへ変換するという。今回発表した機能拡張では、可視化能力とパフォーマンス性能の向上、詳細なシステム・ヘルス・レポートに加え、監視機能を備えるサイバー・ローフィング(ネットの私的利用)ダッシュボードを新たに追加した。また同製品はセキュリティ・リスクの洗い出しに加え、IT管理者がセキュリティのリスクを軽減するためのアクションを迅速に実行できるよう支援するとしている。さらに、2015年内にリリースを予定している同製品のプレミアム追加オプション「Dimension Command」では、ネットワーク制御とセキュリティ構成を容易に実行可能になるという。今回のリリースでは、ワンクリック構成変更、以前の構成に戻す「jump back」、Web UIやVPN管理ツールから各アプライアンスへのダイレクト・アクセス機能などを含む、新たな制御機能のプレビュー機能を提供する。同製品は、同社の統合脅威管理(UTM)および次世代ファイアウォール(NGFW)製品を使用するユーザーに無償で提供しているが、サポート・サービスは有償となる。新機能は、有効なサポート契約を所有し、「Fireware」バージョン11.10.1もしくはそれ以降のバージョンを利用中のユーザーが利用できる。
2015年07月24日スマートインサイトは7月22日、企業内の各種データソースを統合可視化する新製品「Mμgen(ミュージェン)」を発表した。出荷開始は7月末。なお、米国市場向けには4月30日に発表済み。新製品は、各種データに対する接続やデータモデルを作成する「Data Studio」および、ダッシュボード画面を作成する「Analytics Studio」で構成する。価格は、これらのツールを使用する年単位のユーザー課金となる。また、エンドユーザー向けにViewerを利用する割安なマーケティング・プログラムも別途用意しているとのこと。データを統合し可視化を容易にするため、「Connect」「Discover」「Analyze」の3つのフェーズごとに用意したビジュアルな管理ツールを通じ、システムを構築する。Connectフェーズでは、各種のデータソース・コネクタによるデータ仮想統合を実現する。具体的には、IoTなどのビッグデータとERP/CRM/SCM/PLMなどの既存業務データ、AWS(Amazon Web Service)上の複数のデータ・リソース間およびオンプレミスにあるデータ、構造化データと非構造化データ、SNSなどネットワーク上のデータと既存の社内データといった接続を容易化する。用意するコネクタは、RDBMS(OracleやMicrosoft SQLなど)、Non SQL、Search(SolrやElasticSearch)、Hadoop上のツール群、Microsoft Officeファイルなどに対応する。Discoverフェーズでは、異なるデータを容易に関係付けるという「Smart DataChain」による柔軟なディスカバリーを可能にするとのこと。Analyzeフェーズでは、HTML5ベースの100種類以上のビジュアライゼーション・グラフィック・ライブラリを採用。情報を可視化するためのダッシュボードをセルフサービスで作成可能という。
2015年07月22日埼玉県のさいたまスーパーアリーナTOIROで7月17日から8月31日、体感型の現代アートの展覧会「魔法の美術館~Art in Wonderland 光で遊ぶ超体感型ミュージアム~」が開催される。○見て、さわって楽しめるミュージアム同展では、日本を代表するメディア・アーティスト11組による光と影を駆使した作品を展示する。石の道の上を歩くと光を発して足元を照らす石が見つかる「the blink stone」(far east method:首藤圭介/金箱淳一)、スクリーンの前で動いた動作が記録され音楽に合ったダンスに変化する「Dancing Mirror」(松村誠一郎さん)などの作品を見て、さわって楽しむことができる。また、お笑い芸人・藤本敏史さん(FUJIWARA)と同展に「Pixelman」を出展するアーティスト・LENS(岡田憲一さん+冷水久仁江さん)によるコラボ作品の出展も決定している。開場時間は10時から18時(入場は閉館の30分前まで)となる。入場料金は前売り券が一般・大学生1,100円、中・高校生500円、3歳から小学生300円で、当日券は一般・大学生1,300円、中・高校生700円、3歳~小学生500円となる(どちらも3歳以下は無料)。当日券のみ、一般・大学生券と3歳から小学生券、それぞれ1枚ずつのセット料金となる親子ペア券(1,500円)を購入できる。
2015年07月15日ウイングアーク1stは7月14日、病院内に複数存在する業務システムのデータを統合し、医療データを可視化する「医療データ分析・可視化ソリューション」を発表した。提供開始は7月27日。新ソリューションは、電子カルテ・システムや部門システム、問診システムなど、システムごとに異なるデータ形式を持つデータをCSVファイルで統合・整理し、BIツールである「Dr.Sum EA」および「MotionBoard」と医療業務に最適な可視化モジュールにより、医療データの分析・可視化を可能にする。利用プロセスに合わせた「データ加工サービス」「データベース構築サービス」「可視化モジュール」の3つのサービスにより、病院のデータ活用を支援する。データ加工サービスは、複数のシステムに存在するデータを自動的にデータベースに取り込む仕組みを構築するサービス。ETLツールである 「Dr.Sum EA Connect」を利用し、各種システムからCSVファイルでデータを集計・分析プラットフォーム であるDr.Sum EAに取り込むことで、データを統合する。データベース構築サービスは、分析に必要なデータを効率よく取り出すためのデータベースを構築するサービス。同社が持つデータ活用の経験やノウハウを活かし、Dr.Sum EAをデータベース・エンジンとする統合分析環境を構築できるという。可視化モジュールは、情報活用ダッシュボードである 「MotionBoard」でデータの分析を可能にするものであり、医療データの可視化を実現するとのこと。MotionBoardはマウス操作でデータのビジュアル化やOLAP分析が可能であり、ITの専門知識は不要とのこと。「治験候補者抽出」「投薬効果可視化」「DPC自由分析」の各モジュールを、業務に合わせて利用できる。治験候補者抽出モジュールでは、部門システムの問診システム/血液検体システム/薬品処方データから治験対象となる患者を検索可能。複数のITシステムの横断検索が可能であり、抽出条件設定を容易に追加・変更・削除できる。投薬効果可視化モジュールは、受診・処方・検査などタイミングの異なるデータを重ね合わせることにより、薬剤処方後の経過を可視化する。現状では問診システムで症状に変化が現れても、その原因や処置内容を特定するには電子カルテや血液検査システムの数値を手作業で検索しなければならないが、同モジュールにより原因と結果の可視化が可能になるという。DPC自由分析モジュールでは、入院患者がどこから来院しているかの診療科ごとの表示や、入院日から起算した相対日数による診療実績の表示、診療科別手術件数実績の表示が可能。
2015年07月14日京都大学は6月29日、生きたマウスの脳内の細胞内RNAを可視化することに成功したと発表した。同成果は同大学物質-細胞統合システム拠点(iCeM S)の王丹 特定拠点助教らの研究グループによるもので、6月19日(現地時間)に英科学誌「Nucleic Acids Research」で公開された。RNAは体内で働くタンパク質が、いつ、どこで、どれだけ必要かという情報を持つほか、細胞内の生体反応の制御を行う役割をもつ。そのため、生体内で目的遺伝子がどのように機能しているかを知るためには、このRNAが細胞内のどこでどのように局在しているのかを突き止めることが必要となる。RNAが集まり、局在するという現象は正常な細胞でも発生するが、一部の神経変性疾患において異常な集まりがあることが観察されており、この局在変化によって本来のRNAの機能を果たせず、神経細胞の健康状態が破たんしてしまうと考えられている。しかし、生きた組織内でその局在を見るのは困難だったため、RNAの集まりがどのように細胞内で制御され、異常がもたらされているかは明らかになっていなかった。今回の研究では、目的とするRNAの有無によって蛍光のオン・オフができる点灯型蛍光プローブ(DNAやRNAなどの核酸を元にしたオリゴ鎖)を脳内に打ち込み、電流を流して細胞内に導入することで、生きた組織内でのRNAの標識を可能とした。この標識方法を用いて、組織内のRNAの集まりが薬剤に対してどう応答するのか検証したところ、ディッシュ内で培養した細胞と、生きた組織内の細胞では反応に違いがあることを初めて定性的に示すことができた。同研究グループは「今後は、生きた個体の細胞内でのRNAの集まりが環境応答によってどのように出現・消失するのか、何がそれを制御するのか、正常な組織と疾患にかかった組織でどのように異なっているのかを明らかにすることで、生きた組織・個体での遺伝子発現のメカニズムおよび疾患をもたらすRNAの動きの解明に繋げていきたいと考えています。」とコメントしている。
2015年06月29日オプトグループのグルーバーは6月26日、GMOインターネットグループのGMOリサーチとコンテンツ型ネイティブアドのブランドリフト効果を可視化・レポーティングするサービスを共同開発し、提供を開始したと発表した。同サービスは、グルーバーが提供するネイティブアド・コンテンツマーケティングの効果測定・分析ソリューション「TRIVER」と、GMOリサーチが提供するオンラインアンケートパネル「Japan Cloud Panel」に構築した「CPAT」を連携し、コンテンツ型ネイティブアドの閲覧状況・属性やブランドリフト効果を可視化・レポーティングするもの。具体的には、「TRIVER」から誘導したユーザーのコンテンツ接触状況を計測し、「CPAT」のモニタ(接触者 / 非接触者)とクロス分析することで、接触・非接触だけでなくコンテンツの閲覧度合いによる態度変容の違いを分析することが可能だ。サービスにより提供される主なレポート項目は、「ネイティブアドのキャンペーンレポート」や「インフィード型・レコメンドウィジェット型広告のインプレッション数・クリック数」「コンテンツメディア上での記事閲覧状況」「インフィード型・レコメンドウィジェット型広告・コンテンツメディア経由での広告主サイトへのサイト流入」「コンバージョン貢献」などとなる。
2015年06月29日NTT東日本・西日本の「光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)」が2015年2月にスタートしたことで、様々な光回線サービスが登場している。光コラボとは、NTT東西が「フレッツ光」の光回線を卸売りし、他事業者が自社ブランドで光回線サービスを提供できるようにした方式のこと。フレッツ光と同品質の光回線サービスを、割安な料金で利用できるのが特徴だ。また、現在フレッツ光を利用している人であれば、"転用"という手続きにより回線工事不要で乗り換えられることも魅力となっている。それでは、現在フレッツ光を利用している人が光コラボに乗り換えた場合、月々の料金はどのくらい安くなるのだろうか。本稿では、昨年2月にいち早く光コラボの提供を開始した光回線サービスの「U-NEXT光」を例に、フレッツ光と光コラボの料金プランを比較してみたい。○戸建向けプランでフレッツ光とU-NEXT光を比較光回線サービスには、大きく分けて戸建向けと集合住宅向けという2種類があるが、まずは戸建向けの料金プランについて、フレッツ光と光コラボを比較してみよう。本稿では、光コラボの光回線サービスとして、U-NEXTが提供する「U-NEXT光」を取り上げる。同サービスの戸建向けプラン「ファミリー1G」の月額料金は4,980円(以下、価格はすべて税抜)で、2年契約の「にねん割」を適用することで毎月780円の割引になる。また、同サービスでは、インターネットの接続に必要なインターネットサービスプロバイダ(以下、プロバイダ)を複数から選べるが、同サービス独自のプロバイダ「U-Pa!」を選択することも可能。U-Pa!の特徴は料金の安さで、「にねん割」適用後の利用料は月額780円。このプロバイダ利用料を加えた月々の合計料金は4,980円となる。一方、フレッツ光のプランについては、NTT東日本と西日本でも料金が異なっているが、今回は、NTT東日本の戸建向けプラン「フレッツ 光ネクスト ファミリー・ギガラインタイプ」を取り上げている。月額料金は5,400円で、2年契約の「にねん割」の適用により毎月700円が割引される。プロバイダ利用料は各社ごとに異なるが、主要プロバイダのOCN、BIGLOBE、So-netの場合、料金はそれぞれ月額1,100円、月額1,200円、月額1,000円。フレッツ光の月々の合計料金は5,700円から5,900円ということになる。戸建向けプランでは、U-NEXT光のほうがフレッツ光よりも、毎月700円から900円程度安くなる計算だ。1カ月分の差額はわずかかもしれないが、2年間の累計では最大2万円以上の違いになる。○集合住宅向けプランでフレッツ光とU-NEXT光を比較次に、マンションやアパートなどの集合住宅向けプランについて、フレッツ光とU-NEXT光を比較してみよう。U-NEXT光の集合住宅向けプラン「マンション1G」の月額料金は3,480円で、「にねん割」により毎月300円が割引される。プロバイダでU-Pa!を選択した場合、集合住宅向けのプロバイダ利用料は月額730円。月々の合計料金は3,910円だ。一方、NTT東日本の「フレッツ 光ネクスト マンション・ギガラインタイプ ミニ」の月額料金は4,050円で、「にねん割」により毎月100円の割引となる。主要プロバイダであるOCN、BIGLOBE、So-netの利用料は月額900円で同一。プロバイダ利用料を合わせた月々の合計料金は4,850円となる。集合住宅向けプランでは、U-NEXT光がフレッツ光よりも毎月940円安いことがわかる。戸建向けプランと同様に、2年間の累計では2万円以上の違いになるため、通信費を節約したい人はフレッツ光からU-NEXT光への乗り換えを検討してみるとよいだろう。○光回線と格安SIMのセット割でさらにお得になお、光コラボでは、光回線とスマートフォンをセットで契約すると割引になる「セット割」が用意されることも特徴だ。U-NEXTでは、光回線サービスの「U-NEXT光」に加え、格安SIMサービスの「U-mobile」も展開しており、これらを組み合わせた「U-NEXT光&スマホ コラボレーション」というセット割を提供している。同社のセット割では、戸建向けまたは集合住宅向けの光回線を選択できるほか、SIMカードも1回線から5回線までセットで契約して割引を受けられるなど、ラインナップが充実している。それでは、家族で利用する場合、単身で利用する場合をそれぞれ想定して、セット割で固定・携帯の料金がどのくらい安くなるのかを確認してみたい。まず、戸建に住む4人家族のケースで、U-NEXT光のセット割に乗り換えた場合と、フレッツ光とキャリアのスマートフォンを使い続ける場合で料金をシミュレーションしてみた。なお、キャリアのスマートフォン通信量は1人あたり月間5GB使用するものとして、料金はドコモのシェアプランをもとに算出している。U-NEXT光のセット割のプランとしては、戸建向けの「スーパーファミリーバリュー」(SIM 4回線)を選択。同プランは、U-mobileの音声SIMの「LTE使い放題プラン」(月額2,980円)を組み合わせたもので、4回線分の携帯料金は月額11,920円。固定料金はプロバイダ利用料を含めて月額4,980円となり、セット割による3,120円の割引を適用すると、月々の合計料金は13,780円となる。一方、フレッツ光とキャリアのスマートフォンの組み合わせでは、固定料金が月額5,700円、携帯料金が月額29,500円となり、月々の合計料金は35,200円。U-NEXTのセット割に乗り換えれば、毎月2万円以上を節約することができ、2年間の累計では50万円以上を削減できる計算だ。続いて、マンションに住む単身ユーザーのケースで、U-NEXT光のセット割への乗り換えをシミュレーションしてみよう。なお、スマートフォンの通信量は月間5GB使用するものとして、キャリアのスマートフォン料金はドコモの新料金プランをもとに算出している。U-NEXT光のセット割では、携帯回線にU-mobileの音声SIMの「5GBプラン」(月額1,980円)を選択。集合住宅向けの光回線が月額3,910円で、セット割による200円の割引を適用すると、月々の合計料金は5,690円となる。これに対し、フレッツ光とキャリアのスマートフォンの組み合わせでは、固定料金が月額4,850円、携帯料金が月額8,000円となり、月々の合計料金は12,850円となっている。U-NEXTのセット割に乗り換えれば、固定・携帯の合計料金が半分以下になり、毎月7,000円以上を節約することが可能。2年間の累計では17万円以上の違いが出てくる。フレッツ光とU-NEXT光の料金を比較してきたが、戸建向け、集合住宅向けのどちらのケースでも、U-NEXT光の料金が安くなることが確認できた。また、U-NEXT光と格安SIMのセット割も利用でき、家族ユーザーはもちろん、単身ユーザーにとっても固定・携帯料金を大幅に節約できることがわかった。ぜひ、自分や家族の固定・携帯の利用状況に照らし合わせて、光コラボに乗り換えたら、どのくらい料金がお得になるかを確認してみてはいかがだろうか。
2015年06月23日光回線とスマートフォンをセットで契約すると割引になる「光セット割」に注目が集まっている。とはいえ、名前は聞いたことがあるものの、実際にどんな割引サービスなのか詳しくは知らないという人もいるかもしれない。MMD研究所が16歳以上のスマートフォン利用者、男女2,200人を対象に実施した「光セット割に関する実態調査」では、全体の82.3%が「光セット割を知っている」と答えたが、そのうち65.5%は「サービス内容をよく理解していない」と回答したという。同調査からは、光セット割自体は知っていても、内容はよくわかっていないユーザーが多いことがわかる。2015年2月にNTT東日本・西日本が「光コラボレーションモデル」(光コラボ)を開始したことで、様々な事業者が同モデルに参入し、光回線サービスやセット割を提供している。そこで本稿では、「光コラボ・光セット割とは何か?」「どのようにお得な割引サービスなのか?」をあらためて解説していきたい。○そもそも「光コラボ」って何?光コラボレーションモデル(以下、光コラボ)とは、NTT東日本・西日本が「フレッツ光」の光回線を卸売りし、様々な事業者が自社ブランドで光回線サービスを提供できるようにした方式のことだ。これまでフレッツ光を利用したいユーザーは、回線事業者であるNTT東日本または西日本と契約し、加えてインターネットサービスプロバイダ(以下、プロバイダ)とも契約する必要があった。光コラボでは、このプロバイダなどがワンストップで光回線サービスを提供することが可能になり、ユーザーはプロバイダ1社と契約するだけで光回線サービスを利用できる。プロバイダでは、OCNやBIGLOBE、@niftyなどが有名だが、各社はそれぞれ「OCN光」「ビッグローブ光」「@nifty光」として光コラボを採用した光回線サービスを提供している。また、プロバイダ以外にも、携帯キャリアや格安SIMサービスを提供するMVNOなど、幅広い事業者が光コラボに参入しており、たとえばNTTドコモは「ドコモ光」、ソフトバンクは「SoftBank光」といった光回線サービスを提供している。ユーザーにとって、光コラボを選択する一番のメリットは、フレッツ光と同品質の光回線サービスを従来よりも安い料金で利用できることだ。また、プロバイダなど事業者1社のみと契約するだけで利用でき、料金の支払い先も1カ所にまとめられることもメリットと言える。一方、事業者にとっては、自社の他サービスと光回線サービスをパッケージ化して提供できることがメリットとなっている。○光コラボに乗り換えるには、回線工事は必要?光コラボの料金の安さに魅力を感じたとしても、実際に契約する際に気になるのが回線工事の有無だろう。すでに光回線サービスを利用している人であればご存じの通り、自宅に光回線を引くには通常、立ち会いの回線工事が必要になる。工事に立ち会うために仕事を休む必要があったり、工事の順番待ちで開通までに時間がかかるとすれば、面倒に感じて乗り換えをためらう人もいるかもしれない。しかし、現在フレッツ光を利用しているユーザーが、光コラボに乗り換える場合、契約形態を変更する"転用"という手続きのみで乗り換えが可能だ。転用は回線工事が不要で、もちろん立ち会いの必要もない。光コラボを申し込んでから開通日までは既存のフレッツ光を利用でき、継ぎ目なく光コラボへ移行することができるのだ。なお、現在フレッツ光を利用しておらず、新規で光回線を引く場合には回線工事が必要になる。また、一旦転用してから他の光回線サービスへ乗り換える"再転用"は不可となっており、その場合は新規契約の扱いとなるので注意しよう。○光コラボとスマホをセットで契約するとお得になる?このような光コラボの光回線サービスとスマートフォンをセットで契約することで、利用料金が割引されるのが「光セット割」だ。前述のドコモは「ドコモ光パック」というセット割を提供しており、同社のスマートフォンとドコモ光をセットで契約すると、1世帯あたり最大3,200円/月(以下、すべて税別)の割引になる。一方、ソフトバンクも「スマート値引き」というセット割を提供しており、SoftBank光とセットで契約することで、同社のスマートフォンの利用料金が1人あたり最大2,000円/月割引される。また、格安SIMを提供するMVNO各社も、光コラボと格安SIMのセット割を提供している。格安SIMはキャリアのスマートフォンと比べて通信料が割安であることが特長であり、キャリアからの乗り換えを検討している人も多いだろう。利用したいMVNOがセット割を提供しているのであれば、スマートフォンに加えて光回線も乗り換えることで、固定・モバイルの通信費を大幅に節約することも可能だ。たとえば、格安SIMサービスの「U-mobile」を提供するU-NEXTでは、光コラボを採用した光回線サービス「U-NEXT光」とのセット割として、「U-NEXT光&スマホ コラボレーション」を提供している。同サービスの「スーパーファミリーバリュー3」(マンション向け)では、LTE使い放題プランの音声SIM3回線と光回線がセットで、2,120円割引の月額10,000円となる。これは、キャリアのスマートフォン2台分以下の料金で、光回線とスマートフォン3台分をまかなえる計算だ。なお、同サービスでは戸建向けや、SIM1回線から5回線までのセット割なども幅広くラインナップしているので、格安SIMに興味がある人はぜひチェックしておきたい。***本稿では、光コラボと光セット割について解説してきた。現在、フレッツ光を利用している人であれば回線工事不要で乗り換えることができ、料金がお得になるのが光コラボの特長だ。また、スマートフォンとのセット割も各社から提供されており、とりわけ格安SIMサービスとのセット割であれば、家庭の通信費を大幅に節約することもできる。フレッツ光やキャリアのスマートフォンの料金が高いと感じている人は、光コラボや光セット割をぜひ検討してみてはいかがだろうか。
2015年06月17日電気通信大学は6月10日、固体高分子形燃料電池触媒劣化についてナノXAFS/TEM2次元同視野イメージングに成功したと発表した。同成果は同大学燃料電池イノベーション研究センターの岩澤康裕 センター長・特任教授らの研究グループによるもので、米化学会誌「Journal of the Physical Chemistry Letters」に掲載される予定。燃料電池はクリーンなエネルギー源として注目され、昨年12月にトヨタ自動車から燃料電池車MIRAIが発売されるなど、応用が進んでいる。しかし、その本格普及に向けては燃料電池触媒の耐久性向上など、まだまだ課題が多い。触媒の耐久性向上を実現するために、劣化の原因とメカニズムの解明が必要となるが、従来の観察手法では燃料電池が発電する時と同じ条件で観察することができていなかった。今回の研究では、兵庫県にある大型放射光施設「SPring-8」に同大学が建設した、燃料電池計測用のX線吸収微細構造(XAFS)ビームライン「BL36XU」に開発整備した2次元走査型顕微鏡XAFSシステム(ナノXAFS)と走査型透過電子顕微鏡(STEM)を独自設計のメンブレンXAFS/STEM測定セルを用いることで組み合わせて使用し、燃料電池が発電する時と同じ飽和水蒸気下で燃料電池触媒を観察することに成功した。また、同手法によってアノードガス交換の繰り返し(起動・停止の繰り返し)劣化により、カーボン担体から白金(Pt)がPt2+イオンとしてとして酸化溶出する領域と、Pt金属ナノ粒子として脱離してしまう領域があり、その違いがPt/アイオノマー比によって決まることを発見した。岩澤センター長は「発電下の燃料電池電極触媒はウェットな環境で複雑なため劣化の因子やメカニズムを直接観察する手段に乏しく、特に耐久性の向上について、これまで主に経験を頼りに議論・対応してきたが、開発したナノXAFSーSTEM/EDS同視野イメージング法は、燃料電池触媒の劣化機構解明と劣化抑制の解決に繋がる情報を提供し、今後の燃料電池車本格普及のための次世代燃料電池触媒設計の理解を深め開発を加速するものと期待される。」とコメントしている。
2015年06月11日2015年2月から始まった「光コラボ」。CMや店頭などで各社こぞって宣伝しているのでだいぶ耳慣れてきました。でも、「いまひとつよくわからない」「どこが一番お得なの?」「乗り換えって面倒?」という疑問もあるはず。そこで、光コラボの基本情報とお得な光コラボ「excite光」をご紹介します。そもそも「光コラボ」ってなに?光コラボ(光コラボレーション)モデルとは、NTT東日本・NTT西日本から光回線の提供を受けた事業者(プロバイダなど)が、自社の商品と光回線をセットにして、自由な価格設定で提供できるサービスモデルのこと。いままで、回線料はNTT東日本・NTT西日本に、プロバイダ料金はプロバイダにそれぞれ支払っていましたが、光コラボを展開しているプロバイダと契約すれば、ひとつにまとめて支払うことができるようになります。また、各社個性を生かしたお得で便利なサービスを提供できるようになるため、わたしたちにとってはお得な選択肢が増えた、ということです。業界最安水準!「excite光」とは?業界最安水準の月額500円で提供しているエキサイトのプロバイダ BB.excite。「excite光」がお得な理由は、このBB.exciteと光回線のセットだから。マンションタイプでも業界最安水準の月額3,360円で提供しています。★excite光「ゲロヤス♪」CM放映中 また、契約期間の制限や解約事務手数料はありません。安価なままずっと定額で利用できるのが魅力のひとつだとか。申込み方法もカンタン。「excite光」のサイトにアクセスして、そのまますぐに申し込むことができます。編集部N子も見直してみた! どれだけお得?そこで、キレイスタイル編集部のN子が「excite光」に乗り換える前提で、自宅のインターネット料金プランを見直してみることにしました。「あれ、外したつもりだったのに…」と、自動引き落としゆえに見過ごしていた不必要なオプションサービスを早速発見。また、現在のプロバイダから乗り換えると月額290円もお得になることがわかりました。年間で3,480円、3年で1万円弱。ちりも積もれば…と考えると決して見過ごせない金額です。今回の見直しで発覚した不必要なオプションプランの合計1,150円(月額)もあわせると、合計1,440円。重い腰をあげてチェックをした編集部N子は、大幅な家計のコストカットを達成できそうです。現状を把握して見直す、無駄なコストは省く。アラフォー女子にとってこれらは重要なテーマです。「excite光」がどのくらいお得になるのかは、マンションや一戸建てなどの住宅状況、現在の契約内容などによりケースバイケース。まずはご自宅のプロバイダ契約内容を確認して、乗り換えた場合どのくらいお得になるのか見積もってみましょう。excite光 料金シミュレーターのページで簡単に確認することも可能です。それでもよくわからない場合は、悩まずにカスタマーサポートに問い合わせてみて。▼戸建てにお住まいの場合(キャンペーンを除く定価料金)▼マンションにお住まいの場合(キャンペーンを除く定価料金)「excite光」はNTT東日本・NTT西日本の光回線を使用しているので、フレッツ光と同じ高速通信が可能(最大1Gbps※3の高速通信)。安心のクオリティと納得のコストです。インターネットライフも無駄を省いてすっきりと、スマートに送りたいものですね。エキサイトの光コラボ 「excite光」 料金シミュレーターでチェック! >> ※料金は税抜金額を表示。別途消費税がかかります※一部の回線タイプをご利用の方については、excite光へ移行する際に回線タイプの品目変更工事が必要となる場合があります※3 最大通信速度は技術規格上の最大値であり、実効速度ではありません。また、端末、LANケーブル、その他の利用環境・状況等により、実効速度が向上しない場合があります
2015年05月29日岡山大学は5月8日、光合成水分解反応の触媒であるMn4CaO5クラスターと類似のモデル化合物を人工的に合成することに成功したと発表した。同成果は岡山大学大学院自然研究科(理)の沈建仁 教授(同大光合成研究センター長)、中国科学院化学研究所、ドイツベルリン自由大学らの共同研究グループによるもの。5月8日付の米科学誌「Science」に掲載された。光合成における水分解・酸素発生反応は藻類や植物の葉の中の葉緑体にある光化学系II複合体と呼ばれるタンパク質で行われており、同タンパク質中で触媒として水分解・酸素発生反応を実際に進めているのがMn4CaO5クラスターだ。今回、沈教授らが合成したMn4CaO5クラスターは、タンパク質の代わりに有機化合物に結合しており、天然のものと同じ化学組成と歪んだ椅子型構造を有している。さらに、人工的な酸化剤によって天然の触媒と同じように1電子ずつ酸化され、天然の触媒と同じような反応中間体を取ることが判明した。一方、このモデル化合物は水を酸化することができない。これは構造上の歪みの位置が原因と考えられており、天然触媒と人工化合物の間で異なった歪みの部位が水分解の触媒活性を発現するのに重要であることを示しているという。今回の研究成果は、天然触媒の反応機構を研究するためのモデルシステムを提供しただけでなく、天然触媒における特殊な歪みを人工的に再現することで、水分解活性を持つ人工化合物の合成に一歩近づくものとなった。今後、水分解の人工触媒の合成に成功すれば「人工光合成」の実現も期待される。
2015年05月11日富士通研究所は5月1日、複雑で大規模な業務アプリケーションから、業務ロジックの複雑度を可視化する技術を開発したと発表した。新技術により、アプリケーション資産を簡易的に分析するだけで業務ロジックを可視化できるという。同社によると、同種の技術の開発は世界初とのこと。同技術は2016年度の実用化を目指し、さまざまな業種や多様な言語の業務システム分析に適用・検証していく意向だ。企業で運用している業務アプリケーションは長年の開発保守により複雑化していることが多く、機能強化や改善などビジネスの環境変化に即した迅速な対応が難しくなっているという。とりわけ業務アプリケーションの機能追加などで必要となるアプリケーションの実態把握において、特に他社が開発保守したプログラム資産を活用する場合は、人手による分析が必要で多大な時間を要することから、重要な課題になっているとのことだ。しかし、従来はプログラムの大きさや条件分岐の数の多さなどから比較的重要な部分を見極める際、業務に関係する処理を実行する業務ロジックとプログラム間のデータ共有や形式チェック処理などを実行する制御ロジックとの区別は困難だったという。新技術は、業務ロジックをプログラムの記述から自動的に識別する技術と、業務ロジックの複雑度を場合分け数などの指標で定量化する技術からなる。業務ロジックの識別技術では、業務システムが担当者の入力する業務データから実行する、業務に関係する判断や計算である業務ロジックをプログラムの記述から自動的に識別する。チェック処理などは条件判断では無いため、業務ロジックから除くとのこと。複雑度の定量化技術では、業務ロジックにおいて条件の組み合わせと結果の対応を表形式で表した決定表(ディシジョン・テーブル)の大きさと、業務ロジックの複雑度が対応することに着目し、決定表の大きさを決める「条件に関係した項目数」「場合分けの数」「計算式に関係した項目数」の3つの指標を定義したという。決定表の作成には詳細な分析が必要なため、これらの指標に相当する特徴量を、決定表を作成しなくてもプログラムの変数や条件分岐の数から近似的に計算する手法を開発し、大規模資産を対象とした分析を可能にしたとのこと。プログラムを分析した結果、業務ロジックの複雑度が大きい物は、業務に関係する判断や計算処理が多くあることがわかったという。COBOLで記述した業務アプリケーションの約1,200本のプログラムを対象に業務ロジックの複雑度を上位・中位・下位のグループに分ける社内実験では、業務的な計算を行っているプログラムが上位に含まれ、形式的チェックしか行っていないプログラムは下位に含まれることが確認できたとしている。同技術により、人手を要する業務アプリケーションの分析作業に費やす時間を短縮し、ビジネスの環境変化に即した機能強化や改善などの迅速な対応が可能になるという。同社の社内実験では、行数ベースで分析対象の3割程度のソース・プログラムには業務判断や計算を含まないことを確認できたとのことだ。例えばシステムの再構築などの作業で必要となる初期分析で、分析作業の範囲を絞り込み、業務ロジックの複雑度が大きい物から重点的な把握が可能になるとしている。さらに、同社が開発したソフトウェアの機能構造を自動的に地図化する「ソフトウェア地図」の、ビルの高さに業務ロジックの複雑度を適用することで、地図の区画が表す機能の単位で複雑な業務ロジックが含まれるかどうかを確認できるため、プログラムのサイズによらず優先的に調査する範囲を見つけることができるという。
2015年05月02日アートユニット「ゼロバイゼロ」は、音に反応して光を放つキャンドルライト「Kvel」(クベル)を発表した。発売は今秋を予定。「Kvel」は好きなグラスやキャンドルホルダーに入れて楽しむ照明器具。利用するグラスの色や形によって光の広がり方が変化し、周囲の音に反応して明滅するため、音楽を聴くとき、あるいは演奏するときに利用することで、音楽を視覚的に楽しめる。また、同プロダクトは、イタリア・ミラノにて開催された国際家具見本市「ミラノサローネ」にて出展され、現在量産化に向けてクラウドファンディングでの資金提供を募る予定を立てており、今秋の発売を目指すということだ。なお、「ゼロバイゼロ」は、光、水、空気などの自然物の美しさをテーマにインスタレーション作品を制作するアートユニット。主な出展歴は六本木アートナイト(2014)、 神戸ビエンナーレ (2011、 2013)、 おおさかカンヴァス推進事業(2011)、 六甲ミーツ・アート 芸術散歩 (2010、 2012)、 徳島LEDアートフェスティバル (2013)、 TOKYO EXPERIMENTAL FESTIVAL (2011)。そのほか、サーモス「VECLOS 真空ワイヤレスポータブルスピーカー SSA-40M/SSA-40S」ムービー制作(2015)、「NHK Eテレ 大科学実験(実験59「音の特等席」)」装置デザイン・設計・製造など。
2015年05月01日「睡眠には光を浴びるとよい」というのは聞いたことがあるけれど、どのくらいの量をいつ浴びればよいのかわからない、という方も多いのではないでしょうか? 今回は、光を浴びるタイミングや量などのポイントを探ってみました!睡眠改善には光が必要?不眠の人の睡眠改善や冬季うつの治療法として用いられる高照度光療法。これは日中に太陽光に似た人工的な光を数時間浴びるというもので、即効性があるとして注目を集めています。この治療法が発案されたのは1980年代初めのこと。夏と比べて日の出ている時間が短い冬は、不眠や冬季うつになる人が多かったため、人工的な光を使って夏と同じだけ光を浴びることでそれを防ごう、という狙いだったそうです。ここで気になるのが光を浴びると、私たちの体にはどのような効果・影響があるのか、ということですよね。具体的に何が変化するのでしょうか?セロトニンがカギを握る!目から入った光は、脳幹部にある神経核に到達します。神経核は光を受けると、心身の安定と深い関係のある神経伝達物質セロトニンを合成し、脳全体に行き渡らせると考えられています。セロトニンは自律神経をコントロールする役割を担っていて、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの分泌を活発化させる働きがあると言われています。また、セロトニンが不足すると、睡眠不足や情緒の不安定にもつながるのだそうです。このことから、浴びた光の量が不眠や冬季うつとつながりがあると考えられているのです。必要な光の量とは?それで高照度光療法では、どのぐらいの光を浴びる必要があるのでしょうか。ちなみに、照度の目安は次のようになっています。・10万ルクス晴天時の屋外・1万ルクス 曇天時の屋外・5千ルクス 雨天時の屋外・2千5百ルクス 晴天時の室内(東や南側に窓がある場合)・1千ルクス オフィスの照明・5百ルクス 住宅の照明これらをふまえたうえで、光療法で効果を得るには「1万ルクス×1時間」程度が必要だと言われています。ただし、夜にこれだけの光を浴びると体内時計が大幅に狂ってしまい、眠れなくなるのでNGとのこと。ただ、夜以外であれば、必ずしも朝である必要はないと考えられています。現在はLED光源を用いたポータブル型の光療法器も販売されているとのことなので、気になる人はチェックしてみては?Photo by Mateus Lunardi Dutra
2015年04月16日固定インターネット回線でにわかに注目を集めているのが、NTT東日本・西日本が光回線を卸売りする「光コラボレーションモデル」だ。同モデルにはインターネットサービスプロバイダ(ISP)や携帯キャリアなどが相次いで参入し、自社ブランドで光回線サービスの提供を開始している。光コラボレーションモデルの光回線サービスは、既存の「フレッツ光」よりも低価格で利用でき、すでにフレッツ光を利用している人であれば、契約形態を変更する"転用"手続きによって、工事不要で乗り換えられることなどが特長。とはいえ、実際どのような手続きが必要なのか、よくわからないという人も多いかもしれない。本稿では、U-NEXTが光コラボレーションモデルを採用して提供する光回線サービス「U-NEXT光コラボレーション」(以下、U-NEXT光)に、実際にフレッツ光から乗り換えてみたので、その手続きの流れを紹介していこう。○光コラボレーションモデル「U-NEXT光」とは?まずはじめに、U-NEXT光の概要をおさらいしておきたい。U-NEXT光は、格安SIMサービスの「U-mobile」やビデオ配信サービス「U-NEXT」などを提供するU-NEXTが、2月1日より提供開始した光回線サービス。同サービスは、NTT東西の光コラボレーションモデルを採用したもので、「フレッツ光」より低価格で提供されるのが特長だ。U-NEXT光の月額料金は、2年契約による割引を適用した場合、戸建て向けが月額4,200円(以下、金額はすべて税抜)、マンション向けが月額3,180円。同社が提供するISP「U-Pa!(ウーパ)」のプロバイダ料金を含めても、戸建て向けが月額4,980円、マンション向けが月額3,910円となり、従来のフレッツ光の一般的な料金と比べて、毎月1,000円程度安くなっている。また、U-NEXT光では、格安SIMサービスのU-mobileと組み合わせたセットプランの提供も行っている。たとえば、マンションに住む家族向けの「スーパーファミリーバリュー」では、LTE使い放題プランの音声SIM3回線と光回線をセットで月額10,000円、音声SIM2回線と光回線をセットで月額8,000円で利用することが可能。もちろん、戸建向けにも同様にセットプランが提供されているほか、単身者向けに光回線とSIMカード1枚からの割引も用意されている。このように自社の他サービスと組み合わせて、よりお得な料金で提供できるのも光コラボレーションモデルならではのメリットと言える。○フレッツ光から乗り換える"転用"とは?U-NEXT光をはじめとする光コラボレーションモデルでは、既存のフレッツ光のユーザーが乗り換えやすいのも特長だ。契約形態を変更する"転用"手続きのみでフレッツ光から乗り換えることができ、立ち会いの回線工事などは不要。転用手続きでは、まずフレッツ光を契約しているNTT東日本または西日本に問い合わせて、"転用承諾番号"を取得し、その番号を使って転用先の事業者で申し込みを行う。ちなみに、U-NEXT光の転用についてのページでは、そもそも転用とは何か、転用における全体的な流れや注意事項などがわかりやすく解説されている。携帯電話やスマートフォンで、番号を変えずにキャリアを乗り換えるMNP(携帯番号ポータビリティ)にもよく似ているが、転用(開通)が行われるのが即日ではなく、数日後になることが大きな違いだ。また一旦転用してから他の光回線サービスに乗り換える"再転用"は不可となっており、その場合は新規契約になることにも注意しておきたい。○実際に、フレッツ光からU-NEXT光に乗り換えてみたそれでは、フレッツ光からU-NEXT光に乗り換える際の転用手続きの流れを紹介しよう。なお、筆者はこれまで、都内の自宅で「フレッツ光ネクスト マンション・ハイスピードタイプ ミニ」を利用してきた。転用手続きの流れは、U-NEXT光の利用までの流れでも詳しく解説されている。同ページで説明されている通り、まずはNTT東日本から転用承諾番号を取得することになる。NTT東日本の場合、フリーダイヤルまたはフレッツの公式Webサイトから転用承諾番号の取得が可能だが、今回はWebサイトから番号の取得を行った。フレッツの公式Webサイトにある転用手続きページにアクセスしたら、注意事項を確認の上、同意して、お客様情報の入力画面へと進む。なお、入力画面では、契約者情報を確認するために、フレッツ光の「お客さまID」「ひかり電話番号」「契約者の連絡先電話番号」のいずれかの入力が必要になる。そのため、手続きの際は、NTT東日本から送付されてきた請求書や開通の案内を手元に用意しておくのが良いだろう。入力画面では、このほかフレッツ光の契約者名や利用場所の住所を入力し、現在の支払い方法などの選択も行う。さらに、転用承諾番号発行のお知らせメールの送信先メールアドレスを指定して、次の画面で入力内容を確認しよう。確認後、[お申し込み内容を送信する]ボタンをクリックすれば情報が送信され、続いて表示される画面で転用承諾番号を確認することができる。なお、先ほど入力したメールアドレスに送られてくるメールには、転用承諾番号は記載されていないため、忘れずに番号を控えておくこと。転用承諾番号の有効期間は15日間。有効期間内にU-NEXT光への申し込みが必要となり、有効期間を過ぎてしまうと、再度、転用承諾番号を取得しなければならない。転用承諾番号を取得したら、U-NEXT光の申し込みフォームで必要な情報を入力しよう。転用の場合、"お問い合わせ内容"で「フレッツ光から乗り換え希望」を選択し、氏名、住所、電話番号、メールアドレスと、先ほど取得した転用承諾番号を入力する。[入力内容を確認]ボタンをクリックし、次の画面で内容を確認して、問題がなければ[入力内容を送信]ボタンをクリックして情報を送信可能。送信が完了したら、U-NEXTからの連絡を待とう。数日後、U-NEXTの担当者から電話がかかってくる。この電話で、今回は転用のため工事不要であることや、再転用が不可であることなどの説明を受け、同意すれば、電話口でそのまま申し込むことが可能。また、今回はプロバイダもU-NEXTのU-Pa!に変更したため、プロバイダの申し込みも同時に行った。なお、プロバイダを変更する場合は、現在使っているプロバイダを自身で解約する必要がある。申し込み後、10日前後で転用が完了し、その2、3日前にU-NEXTから届く「ご契約内容確認書」に転用予定日が記載されている。また、プロバイダのU-Pa!からも会員証が届くので、U-Pa!を利用してインターネットに接続するには、会員証に記載されている接続用IDとパスワードを自宅のルーターなどに設定すればよい。以上がフレッツ光からU-NEXT光への転用手続きとなる。フレッツ光ユーザーの場合、工事不要で乗り換えられるのが光コラボレーションモデルの最大のメリットと言えるだろう。あらかじめ転用承諾番号を取得してから申し込む必要があるものの、あとは申し込みフォームへの入力と電話の対応だけで手続きを完了できるため、工事に立ち会う時間がない人でも簡単に低価格の光回線に乗り換えることが可能だ。とりわけU-NEXT光では、格安SIMサービスのU-mobileとのセットプランも用意されており、自宅の光回線とあわせてスマートフォンの料金の節約も図ることができる。毎月の通信費を負担に感じている人は、ぜひ検討してみてはいかがだろうか。
2015年03月31日宇都宮大学、埼玉医科大学、早稲田大学、三次元工学会、アリゾナ大学による共同研究グループは、任意の偏光を持つテラヘルツ光の偏光状態をスナップショットで解析する手法を開発した。同技術はテラヘルツ光の偏光を制御するために重要となる。同研究では、テラヘルツアクロマティック軸対称波長板(TAS plate)とテラヘルツ検光子で透過後のテラヘルツ光の光強度分布をパイロカメラによって1枚撮像するだけで、テラヘルツ光の偏光を決める手法を実証した。詳しく調べるために、テラヘルツ検光子の角度方向に対するテラヘルツ強度分布を複数枚測定し、フーリエ変換することにより、入射偏光のストークスパラメータをすべて算出。このストークスパラメータを用いてテラヘルツの強度分布を再計算することにより、未知の入射偏光だけでなく、TAS plate透過後のベクトルビームの偏光状態も解析できることを示した。さらに、TAS plateを用いると、検出するだけでなく、逆に発生に使うこともでき、テラヘルツ光ベクトルビームの生成にも適用できることを示したとのことで、これらのことから、任意の偏光をもつテラヘルツ光の偏光を解析する革新的な手法が開発されたことになる。今回の成果は、ベクトルビームとしてのテラヘルツ光の偏光を解析する新しい手法を実証した。これにより、テラヘルツ波の偏光を制御するために必要な計測系ができたことを意味する。今後は、同手法でテラヘルツ光の電場の向きをモニタしながらテラヘルツ光の偏光を設計することによって、物性科学、情報通信、生体計測、天文学、セキュリティなどのテラヘルツ光に関する分野への貢献が期待される。例えば、偏光状態がよく制御されたテラヘルツ光により分子振動や物質の構造骨格などを解析する物性科学などに寄与することになり、将来的にはレーザ加工機や高密度記録媒体、顕微分光分析装置の開発を目指した応用発展も期待される。また、この偏光解析法は、テラヘルツ光のみならず、遠赤外線から、可視光、X線にいたる電磁波全般にも今後活用されるものと期待される。同研究は、宇都宮大学大学院工学研究科の東口武史准教授、及川大基(博士前期課程大学院生)ら、埼玉医科大学保健医療学部の若山俊隆准教授、米村元喜客員教授ら、早稲田大学理工学術院総合研究所の坂上和之講師、鷲尾方一教授ら、三次元工学会の吉澤徹理事長、アリゾナ大学のタイヨスコット教授、宇都宮大学オプティクス教育研究センターの大谷幸利教授との共同研究として実施され、研究成果の詳細は、3月24日付の英科学誌「Scientific Reports」オンライン版に掲載される予定だという。
2015年03月25日テクトロニクスは、DSA8300型サンプリング・オシロスコープ用、100G広波長帯80C15型光サンプリング・モジュールの高感度クロック・リカバリ・トリガ・ピックオフ(CRTP)を発表した。この組み合わせは、100GBASE-SR4(IEEE 802.3bm)の仕様で規定された光デバイスのテスト、クロック・リカバリに必要な信号感度を実現している。80C15型光サンプリング・モジュールとOpt. CRTPは、-9dBm(クロック・リカバリでは-8.5dBm)の高い感度で正確に信号を測定できる、シングルモード(SM)、マルチモード(MM)両方の100G Ethernet規格に対応した、光信号解析ソリューション。80C15型は業界トップクラスの低ノイズを実現しているため、100GBASE-SR4(IEEE 802.3bm)、広く普及している100GBASE-ER4/LR4(IEEE 802.3ba)、さらに最新の400GBASE-xR8(IEEE 802.3bs)400Gbps規格など、数多くの100G規格のテストに適している。DSA8300型サンプリング・オシロスコープに80Cシリーズ光サンプリング・モジュールを装備することにより、テレコム(100Mbps~40Gbps)、データコム(Ethernet、Fibre Channel、InfiniBand)、汎用光コンポーネントのテストに適したソリューションとなる。主な機能として、光-電気変換、平均電力モニタ、光クロック・リカバリ、9~62.5μmのSM/MMファイバの入力サポートがある。80C15型は32GHz以上の全帯域、完全統合されたコンプライアンスフィルタを装備しており、800nm~1600nmの広波長帯のSM/MMの両方の光ファイバのコンフォーマンステストが可能。同モジュールは、22Gbps 25.781Gbps(100GBASE-ER4、-LR4、-SR4、InfiniBand EDR)、27.952Gbps(OTU-4)、28.05Gbps(32G Fibre Channel)のレートをサポートする光フィルタを装備している。製品価格は80C15型 32GHz光サンプリング・モジュールが685万円(税別)、Opt. CRTP クロック・リカバリ&トリガ・ピックオフが498万円(税別)となっている。
2015年03月23日