「“映画音楽”で語り合う」をコンセプトに、作曲家・坂本龍一が主催する「坂本龍一 Selections スコラ映画祭」が8月6日(月)よりスタートし、『リリー・シュシュのすべて』や『花とアリス』などで知られる岩井俊二監督が初日を飾るスペシャルゲストとして登壇。映画音楽の魅力について、予定されていた時間を超えるディープなトークを繰り広げた。坂本龍一の総合監修で、TV放送、公開講座、各種イベントなどへ展開している音楽全集「commmons:schola」(コモンズ・スコラ)のうち、第10巻「映画音楽“FilmMusic”」で選曲された楽曲が使われている名画が特集上映される本映画祭。「YMO」での音楽活動のほか、『戦場のメリークリスマス』を始め、村上春樹の短編小説を映画化した『トニー滝谷』や三池崇史監督作『一命』など、数多くの映画に楽曲を提供していることで知られる坂本さんだが、「もちろん僕も子供の頃から映画が好きでしたが、まさか自分が携わることになるとは思ってもいませんでした(笑)」との語る。そんな坂本さんの音楽から、岩井監督は多大な影響を受けているようで、「坂本さんの『戦場のメリークリスマス』のインパクトはすごかったです。革命的でした。当時、20歳くらいで学生映画を作っていましたが、将来のことは何も考えてなかったです」と若かりし日の思い出を明かした。さらに、「当時は、自分たちで作った映画に好きな曲を(無許可で)どんどん勝手に入れていってましたが、そういう意味では坂本さんの曲にも相当お世話になりました(笑)」とのカミングアウトもあり、会場を沸かせた。そして、話題はそれぞれのライフワークへ。「音楽には音楽のテンポと文法があるので、なるべく映画と一致させようとは思うんですけど、音楽が勝手に盛り上がってしまうこともあります。でも、音楽としては正解でも、映画音楽としてはダメなものもあるんですよね」と映画音楽の奥深さと難しさを坂本さんが語れば、岩井監督は「僕の場合は、音楽の癖に映像の癖を合わせてみようかなと思ったりします。以前、プロデュースした作品で音楽が良かったのでそれに合わせて、最初は5秒だったシーンを40秒にしたこともあります」と知られざるこだわりを明かした。すると、胸に秘めた不満を思い出した坂本さんは「こんな優しい映画監督は世の中にいないですよ!大概の監督は、映像と同じで音楽も“切ればいい”と思ってるからね(笑)」と漏らし、「これからは、岩井監督と仕事したいです」と監督に熱烈なラブコールを贈っていた。その後も、岩井監督がプロデュースを手がける中山美穂&向井理主演の『新しい靴を買わなくちゃ』(10月6日公開)の音楽制作に坂本さんが携わった話なども飛び出し、最後まで熱いトークを交わしていた。「坂本龍一 Selections スコラ映画祭」開催期間:8月10日(金)まで会場:アカデミーヒルズ六本木(東京・六本木)公式サイト:特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月6日より全国にて公開© 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年08月07日7月21日(土)に公開されるディズニー/ピクサーの最新作『メリダとおそろしの森』のエンディングソングを坂本美雨が歌うことが発表された。その他の写真『メリダとおそろしの森』は、弓と乗馬が得意で自由を求めるあまり、王家の伝統をうとましく思っている赤毛の王女メリダが、太古から続く森の呪いを目覚めさせてしまったことを機に、王国にかけられた呪いを解くために壮大な冒険を繰り広げるアドベンチャー大作だ。坂本美雨は、1998年にメジャーデビューした人気ミュージシャン。自身の“声”を活かした音づくりが高い評価を集めており、舞台出演やCMナレーション、ラジオパーソナリティとしても活躍している。本作で、坂本が歌う日本語版エンディングソング『いにしえの子守歌』は、主人公メリダと母の王妃エリノアがふたりで歌う子守歌で、劇中で挿入歌としても使用され、物語上、重要な役割を果たすという。エンディングソングは、大きな愛で娘を包み込む母親の気持ちを表現した楽曲だが、坂本はこの曲を、母親と娘の両方を演じながら歌い分けて“セルフデュエット曲”として歌唱。「大好きなディズニー/ピクサー映画にこういった形でかかわれることが何よりもうれしいし、歌手になってから、子守歌を歌いたいとずっと思っていた。無邪気な子供に戻った気持ちと見守る母の気持ちの歌い分けは、子供になった自分とのデュエットという不思議な体験でした」とよろこびのコメントを寄せている。彼女の澄んだ歌声は、アメリカのディズニー/ピクサーの音楽担当者も絶賛しているそうで、今夏、坂本の美しい歌声が映画館に響き、観客の心をふるわせることになりそうだ。『メリダとおそろしの森』※同時上映『ニセものバズがやって来た』『月と少年』7月21日(土) TOHOシネマズ日劇ほか全国公開
2012年06月01日転職する上で採用されるためには、履歴書の作成もまた、欠かすことのできないポイントのはず。そこで履歴書作成における注意点などを、キャリアコンサルタントの坂本徳子さんに聞いてみました。――履歴書の作成において、受かりやすいもの、落ちやすいもの、違いはあるんでしょうか。「基本的には、ペンで丁寧にしっかりと漢字を使って書くことですね。文字から受ける印象は強いので、履歴書は採用か不採用の大きな判断材料になります。誤字脱字はもちろん、学校の入学、卒業の年月日の間違えも厳禁です。細かくチェックされることを前提として考えましょう。履歴書はまず、不採用にならないことが大事なわけですから、その原因を自ら作ってしまっては元も子もありません。そしてもし、せっかく最後まで書き終えたのに、見直したら間違いが見付かった場合、その場合は残念ですが最初から書き直しすることをお勧めします。修正液を使った履歴書が、相手に良い印象を与えるとは思えませんよね」――履歴書をパソコンで作成した方が見やすいと思うのですが、それはルール違反でしょうか?「そんなことはないと思います。特別に手書きの指定がない場合、希望する職種が事務系であればパソコンスキルのアピールにつながるかもしれません。とにかく、自分の能力を積極的に相手に伝えることを心掛けましょう」――履歴書にはる自分の写真について、注意点などあれば教えてください。「まず、サイズが合わないなどは問題外ですね。しっかりと枠に当てはまるようはってください。写真が古すぎたりしてもダメ。履歴書用に新しく撮影してください。服装についても、ラフなものは避けた方がいいかもしれませんね。できれば正装で、髪型も整えたものを使いましょう。写真は、あなたのことを知らない相手に、自分のことを分かってもらう大きな判断材料になります。これだという1枚を、慎重に選びましょう」――最近では履歴書と一緒に、職務経歴書の提出も求められますが、こちらも書き方にコツはありますか?「職務経歴書は、自分がこれまで身に付けた経験やスキルの最大のアピールの場となります。どんな仕事に従事して、今までどんな功績をあげたのかなど、分かりやすく的確にまとめます。その際に、具体的な数字などを明記すると伝わりやすいかもしれません。マイナスなイメージの伴わない書き方が望まれます」履歴書1枚が、もしかしたら自分の人生を大きく変えることになるかもしれません。そう考えると、慎重になって当然の作業です。とにかく、自分がどういう人間なのか、丁寧に分かりやすく伝えることを心掛けて書くことが大事なことのようですね。(OFFICE-SANGA 川島光明)監修:坂本徳子パフォーマンスコンサルタント、CMCA認定キャリアカウンセラー、日本交流分析学会正会員。これまで多くの大手企業の新人研修やCAコンサルティング、学生のキャリアデザインなどを手掛けてきている。社会人としてのビジネスマナーなどにも詳しい。監修書籍として『「君、こんなことも知らんのか」と言われる前に読む本』(洋泉社)がある。
2012年04月27日履歴書1枚で、人間性を判断することはできません。会って話してみなければ、どういう人なのか、どんな思想の持ち主なのか分からないでしょう。そういう意味で、転職するにあたって、面接がもっとも重要なポイントであるというのは納得のいくところです。そこで、面接を受けるにあたっての注意点などを、引き続きキャリアコンサルタントの坂本徳子さんに伺いたいと思います。――面接において、アピールするべき点はどこでしょうか。「入社する際はもちろん即戦力として働かなければならないわけですから、やはり経験やスキルなど、自分の持つ能力を上手にプレゼンする必要があります。過去の実績はもちろん、これから自分がこの会社でどんな仕事ができるのか、しっかりと明確にアピールすることが肝心です」――そうなるとやはり、転職回数が多い方の場合はマイナスなイメージを与えてしまいますよね?「確かに、転職が多い方は、この会社でも長く続くとは限らないわけですから、落とされる可能性は高いですね。ただ一概に、マイナスイメージばかりとは限りません。『やっと自分を生かせる職場に巡りあえた』と、強い気持ちをアピールすればいいのです。マイナスをプラスに転じるのも、転職においては大事な手段のひとつです」――もし未経験の職種への転職を試みる場合、アピールするポイントが難しいと思うのですが、どうすればいいでしょう。「35歳以上で、未経験の職種への転職は現実的にかなり厳しいものがあります。面接では、今までの仕事における自分の経験を話しても、さほど意味はありません。アピールすべきは実績でしょう。正確な数字に表して、自分が携わったことで、どれだけ変化があったのかを伝えるべきです。それは、自分がこの会社に入ることで、これだけの利益を生むということにもつながります。また、転職先で役立つ資格など取得しておくと、アピールの場が広がるでしょう」――面接時にアピールすべきは、経験とスキルと実績。ほかに求められる能力があれば教えてください。「転職の際に要求されるもう1つ重要なポイントがあります。それは、コミュニケーション能力です。35歳以上の中堅のポジションで、中途採用で入社となると、上司や部下との関係をこれから築き上げていかなければなりません。ある意味、コミュニケーション能力は、転職の際に最も求められる能力かもしれません。ですから、これまで自分が経験した、上司や部下とのコミュニケーションにおける具体例などを、面接時にアピールできたらいいかもしれませんね」面接をするといっても、それは限られたわずかな時間。自分のことを知ってもらうのに十分な時間とは言えません。その限られた時間で自分をアピールするためには、それなりに準備が必要です。大事なのは具体的に話すこと。実績であれば数字、経験であれば具体例。頭の中でしっかりとシミュレーションして、強い気持ちで本番に臨むべきでしょうね。(OFFICE-SANGA 川島光明)監修:坂本徳子パフォーマンスコンサルタント、CMCA認定キャリアカウンセラー、日本交流分析学会正会員。これまで多くの大手企業の新人研修やCAコンサルティング、学生のキャリアデザインなどを手掛けてきている。社会人としてのビジネスマナーなどにも詳しい。監修書籍として『「君、こんなことも知らんのか」と言われる前に読む本』(洋泉社)がある。
2012年04月26日「人は見た目が9割」とは、最近ではよく耳にする言葉となりましたが、確かに外見から得る情報はかなり大きな比重を占めます。人間、見た目が良いに越したことはないと思いますが、やはり転職においても、見た目の良しあしは影響するのでしょうか。そこで、キャリアコンサルタントの坂本徳子さんにお話を聞いてみました。――見た目とひとことに言ってしまいますが、容姿やセンスなども関係しますか?「見た目といっても、外見ではなく、重要なのは基本的な服装や髪型などではないでしょうか。相手に対して不快な印象を与えない、清潔感が求められます。しかしいくら清潔でも、奇抜なものはあまり好まれません。髪型などは特に、職種によって微妙な特徴などがあるので、よく周りを見て、同調させることも時には重要です」――服装はスーツが無難な気もしますが、ほかにも気を使わなければいけない部分があるんでしょうかでしょうか?「スーツを着ていれば安心ということはありません。クリーニングにも出さず、ヨレヨレのスーツではだらしない印象を与えるだけです。それに、サイズの合ってないものも頂けませんね。『親の形見だから…』なんていう理由もあるかもしれませんが、良い印象を与えるためには、ピシっとサイズの合ったスーツを着ましょう」――そうなると、マナーの問題にもなってくると思いますが、例えば面接時、これは気を付けなければいけないという点などありますか?「基本的なことですが、会社に入る時は、冬であれば必ずコートは脱いでください。マナー違反ですし、非常識な人間ととらえられてしまうでしょう。逆に、暑いからといって、スーツのジャケットを手に持つのはアウト。しっかりと着用して、会社に入るようにしてください。ネクタイの着用は、最近では義務付けられてはいないようです」――マナーの問題で言えば、姿勢を正すことも重要だと思いますが、いかがですか?「背中が曲がっていたり、姿勢が悪かったりすると、不健康なイメージを与えてしまいます。胸を張って、しっかりと真っすぐ前を向いている人は、自信があるように見え、好感が持てます。面接時の採用担当者は、そういった座る姿勢や、歩き方も見ているので、入室してから退出するまで、気を抜かないようにしましょう」面接時に大事なのは、採用担当者に好印象を与えることです。マナーを守ることや、姿勢を正すことは、急にできるものではありません。常日ごろ、気を付けながら生活し、自然にできるようにしておく必要がありそうですね。(OFFICE-SANGA 川島光明)監修:坂本徳子パフォーマンスコンサルタント、CMCA認定キャリアカウンセラー、日本交流分析学会正会員。これまで多くの大手企業の新人研修やCAコンサルティング、学生のキャリアデザインなどを手掛けてきている。社会人としてのビジネスマナーなどにも詳しい。監修書籍として『「君、こんなことも知らんのか」と言われる前に読む本』(洋泉社)がある。
2012年04月25日外資系企業において、実力がともなわないとリストラが激しいといううわさの絶えない外資系企業ですが、実際はどうなのでしょう。気になるうわさの真相を、キャリアコンサルタントの坂本徳子さんに聞いてみたいと思います。――外資系企業と日系企業とでは、転職においてどのような違いがありますか?「外資系の会社は実力社会です。年齢にかかわらず、努力し結果が伴えば、早期昇進昇給が望めるのが大きな特徴です。転職においてもその考え方は同じ。豊富な実績を持っていたならば、年齢を問わず採用が見込めます。ただ、若いうちからの転職であれば、英語力はこれから身に付けていけばいいかもしれませんが、35歳以上からの転職となると、ある程度の英語力はどうしても必要になってくるでしょう」――英語力がない場合、35歳以上の外資系企業への転職は厳しいということですが、ほかにも、外資系に向いていない性格の人などいたら教えてください。「日本の場合、誰かが失敗すれば、それは上司の責任であったり、その部署全体の責任となることが多いですが、外資系は自己責任の社会。自分の失敗は、自分だけのものです。ですから、自分の意思が明確でない人や、人に意見を求めがちな人などは、外資系は向いてないと言えます。また、外資系の場合、海外出張が突然言い渡されます。準備ができていないなどという言い訳は通用しません。その場その場で臨機応変に対応できる人でなければ、外資系でやっていくのは厳しいかもしれませんね」――転職を考える上で知っておきたい、外資系企業の欠点などありますか?「外資系企業は、やはりシビアです。業績が落ちれば、もちろんそれなりの制裁があるでしょう。しかし、業績が落ちていなくても、リストラなどに遭ってしまうこともあるのです。それは、本社自体の業績が落ちてしまった場合、社長よりもっと上の大株主からの命によりコストカットが行われ、そのとばっちりを食らうわけです。外資系に勤めるのには、そういった状況が訪れることを覚悟しておかなければなりません」――外資系企業に採用されて転職したとしても、業績不振であればすぐにクビにされてしまう可能性もありそうですね?「そんなことはないはずです。会社の発展のため、社員は大切な存在です。その社員を粗末に扱えば、ほかの社員も納得はしないでしょう。結果的に、会社にダメージをもたらすことになります。ただ業績不振が続けば、周りの人間が昇進していく中で自分だけ取り残され、気まずい雰囲気の中で仕事をすることにはなるかもしれません」実力社会である外資系の企業への転職を希望する際は、しっかりと結果を残すという覚悟が必要なようです。でなければ、次第に自分の居場所を失い、また転職を考えなければならなくなるでしょう。外資系企業で働くのには、人によって向き不向きがありそうですね。(OFFICE-SANGA 川島光明)監修:坂本徳子パフォーマンスコンサルタント、CMCA認定キャリアカウンセラー、日本交流分析学会正会員。これまで多くの大手企業の新人研修やCAコンサルティング、学生のキャリアデザインなどを手掛けてきている。社会人としてのビジネスマナーなどにも詳しい。監修書籍として『「君、こんなことも知らんのか」と言われる前に読む本』(洋泉社)がある。
2012年04月24日世間一般では「転職できる年齢のリミットは35歳まで」と、広く言われているところです。実際のところ、35歳を過ぎた場合、どの程度転職は可能なのでしょうか。転職するにあたり、少しでも有利に働く情報などを含め、パフォーマンスコンサルタントCMCA認定キャリアカウンセラーの坂本徳子さんに、お話を聞いてみました。――まず、この「35歳転職限界説」のそもそもの理由は何なのでしょうか。「『35歳転職限界説』の主な理由としては、35歳ともなるとある程度の年収を確保しなければならないのに対し、もう少し若ければ、年収もそこまで高いものを要求されずに即戦力として働いてくれる、もっと若い世代の人材の方が採用しやすいというところにあります。さらにそれが未経験の分野への転職となると、条件はより厳しくなるでしょう」――では、どうすれば35歳以上の方の転職採用率を上げることができるのでしょうか。「採用するにあたり求められるのは、やはり、これまで培ってきた経験やスキルということになります。専門的なもの、マネジメントなど、これまでの実績は確実に評価されるはずです。そのほか、人柄や人望も評価の対象となる場合があります。人間的な魅力、信用に値する人物なのか、面接時の受け答えなどで判断されることもあるので、侮ってはいけないポイントと言えます」――さらに効率よく転職を可能にする方法などありますか?「転職するにあたり求人広告や求人サイトを閲覧すると思いますが、なかには求人内容に明記できない内部の情報も多々あります。転職サイトなどの会社情報をよく見ると、企業によっては、中堅層を求めていたりするところもある ので、自分の求めている条件に近いものを探し出し、効率よく転職を進めるためには、人材紹介会社を介した方が得策かもしれません」――35歳以上であっても十分に転職は可能であるという印象を受けたのですが、「35歳転職限界説」は過去のものと言っていいのでしょうか。「企業や業種によっては、『35歳転職限界説』を否定できない面もあるでしょう。ですが、そういった風潮はだいぶ緩和されてきています。それは、転職するということが、一般的になりつつあるという社会の流れが関係しています。永久雇用伝説が過去のものとなってしまったのがいい例ではないでしょうか。ひとつの会社に定年まで勤め、約束されたポストと賃金、そして退職金はもはや過去のもの。それを受けて、将来、転職することを見越して、専門的なスキルをアップさせておこうという意識が個々に高まってきています 。ですから、ここ数年でさらに、35歳以上であっても、転職の採用率は上がっていくのではないでしょうか」「35歳転職限界説」はいまだ存在するものの、徐々にその壁は薄くなっているようです。しかし、ただ収入の面だけを重視して会社を選ぶのではなく、これまで自分が培ってきた、経験やスキルを生かせる場所を探すことが、より条件のいい転職先へ採用されることにつながってくるようです。監修:坂本徳子パフォーマンスコンサルタント、CMCA認定キャリアカウンセラー、日本交流分析学会正会員。これまで多くの大手企業の新人研修やCAコンサルティング、学生のキャリアデザインなどを手掛けてきている。社会人としてのビジネスマナーなどにも詳しい。監修書籍として『「君、こんなことも知らんのか」と言われる前に読む本』(洋泉社)がある。(OFFICE-SANGA 川島光明)
2012年04月17日1983年にブロードウェイで初演され、大ヒットを飛ばしたミュージカル『MY ONE AND ONLY』。その日本版がこの3月、坂本昌行の主演で青山劇場に登場する。作曲家ジョージ・ガーシュインと実兄アイラ・ガーシュインの兄弟が手がけた最後の作品である本作は、音楽の魅力もさることながら軽妙な会話の応酬、水を蹴ってステップを踏むタップダンスなど見どころが満載。飛行機乗りの主人公ビリー(坂本)と水中レビュー団のスター、イーディス(大和田美帆)の恋模様を綴った王道のラブコメディだ。2月某日、本作の稽古場を見学した。ブロードウェイミュージカル「MYONEANDONLY」 チケット情報稽古場では、坂本をはじめとして大和田、大和悠河、鈴木綜馬、川平慈英、そしてアンサンブルのキャスト陣が、集中して個々の課題の自主稽古に取り組んでいた。過去に日本で『プロデューサーズ』や『カーテンズ』を手がけた経験を持つ演出・振付のビル・バーンズが、俳優たちの間を精力的に動き回り、ほがらかに指示を与えていく。ビルの演出・振付は次から次へとアップテンポで行われ、彼の高い要求を素早く吸収して体現しようとする、キャスト陣の前傾の勢いがひしひしと感じられた。全体でのシーン稽古が始まると、動きや歌、タップダンスまで全員が早くも息の合った演技を見せて、止まることのないスムーズな進行に驚かされた。このままシーンの最後までいってしまうのか……と思ったところで坂本がお茶目なNGを出し、「あっ、ごめんなさい」と照れ笑い。全員の緊張がドッとほぐれて笑い声があがる。続く坂本と川平のふたりのシーンは、稽古場全員の期待の視線が集中した。とくに大和田は嬉しそうにみつめている。坂本ビリーに恋の駆け引きをアドバイスするミステリアスな男マジックスとして登場する川平は、リアクションのひとつひとつに絶妙な可笑しさを差し込んでくる。そしてふたりによるタップダンスのデュエットは圧巻の一言。坂本と川平が作り出す粋でコミカルな空気が、軽やかなタップ音に乗ってどんどん増幅。ビルも納得の様子で頷きながらふたりを見ている。稽古場中に笑顔が充満し、最後には大きな拍手が沸き起こっていた。ボーイッシュな魅力を放つ大和とギャグセンスが光るムードメーカー鈴木によるキュートな大人のやりとり、坂本と大和田のロマンチックなラブシーンなど、思わず見入って微笑んでしまう。滑らかに進んだ立ち稽古はフィナーレのシーンへ突入。総勢での迫力十分のタップダンス、ガーシュインの美しいメロディに包まれてのハッピーエンドは、稽古場にしてすでに大満足の完成された華やかさ。演出のビルを筆頭に、その場にいた誰もが幸せそうな笑顔を浮かべ、このシーンに拍手を送っていた。今後、気になる“水の上でのタップダンス”シーンも加わり、本番ではさらに磨きのかかった豪華なステージで魅了してくれるに違いない。ブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』は3月10日(土)から24日(土)まで東京・青山劇場にて、3月29日(木)から4月1日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。取材・文上野紀子
2012年02月22日歌手の坂本美雨が9月10日(金)、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで映画『ネコを探して』(ミリアム・トネロット監督)の続映決定記念トークショーに出席した。フランス、日本など世界各国に住むネコの姿を追いつつ、ネコと人間の関係を映し出したフランス発のドキュメンタリー。テーマに共鳴した、動物と人間の関係を考える団体「FreePets」が公開前から同作を応援。先月14日(土)から公開され、好評を得ての続映決定の“朗報”に、愛猫家で知られ、同団体のメンバーでもある坂本さんが、同じメンバーで動物愛護団体「Rencontrer Mignon」を主宰しペットサロン&カフェ「pet salon Mignon」を経営する友森玲子さんとこの日、来場した。トークショー開催のきっかけについて、坂本さんは「フリペ(FreePets)のTwitter上でいろいろ書いていたら、すごい勢いで監督がリツイートしてきてくださった。本当は監督が来日できればよかったんですが叶わないので、フリペとしてはひとりでも多くの人に観てもらいたいと思いまして」と説明。続けて、年間30万匹と伝えられる犬猫の殺傷処分の問題に触れ「とても深刻で大きな大きな問題ですが、友森さんはそのことを大きく訴えるのではなく、明るくパワフルに向かっている。ちゃんと生と向き合っている人なので、何かお手伝いができたらと思い、手伝わせていただいていますが、そんなシンプルでいいんだなと思う」と呼びかけ。友森さんが「深刻に考えるのは嫌いで、ウチでできることは世話できるコを連れて帰って面倒を見る。例えば週2匹助けられれば月8匹。50年続ければ凄いことだなぁと。続けるしかない。楽しみながら続けることが大事」と前向きな姿勢で訴えた。同団体は今年3月からTwitter上で活動をスタートさせ、同5月に公式ホームページを立ち上げ、8月26日(木)に社団法人化された。メンバーは坂本さんのほか、父親の音楽家・坂本龍一、作家の渡辺眞子ら各界文化人を中心にした22人。坂本さんは「それぞれの職種で忙しい人が集まっていますが、できる範囲で何かできることがまだまだたくさんある」と話した。『ネコを探して』はシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開中。FreePets公式サイト(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ネコを探して 2010年8月14日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開© La bascule and Ana films
2010年09月10日