子どもの頃から「和食」に親しみ、家族で食卓を囲む「輪食」を大切にしてほしいという願いを込めてお届けしている「わごはん」企画。今回は子どもと一緒にできる料理と、お手伝いのコツを紹介します。親子で一緒に作れば、もっとごはんが楽しくなりますよ。●体験したのは髙橋彩絵子さん(34歳)、舞桜(まお)ちゃん(5歳)、蒼翔(あおと)くん(1歳)舞桜ちゃんにお手伝いをしてもらいたいけれど、蒼翔くんがいるためなかなか時間が作れなかった髙橋さん。「子どもってお手伝いすると喜ぶんですね。蒼翔も野菜ちぎりができてびっくり。これからは3人で料理を楽しめそうです」■ 忙しいママこそ子どもにお手伝いしてもらおう食材の色や形、調理中の匂いや音など五感を刺激する料理のお手伝いは、食への関心、食べる意欲をアップさせます。お手伝いしたら、苦手なものも食べられるようになったということもあるでしょう。親子で料理をすることは、なかなか子どもとの時間が取れない働くママにこそおすすめです。1食すべてを一緒に作るのは難しいですが、食材を準備するだけ、最後のトマトを盛り付けるだけなど、ひと工程をお願いするだけで、子どもは「お手伝いした!」と満足します。簡単にできるお手伝いをちょこっとさせて、「できた!」という喜びを味わってもらうことが大切。その経験が積み重なると、「お手伝いって楽しい!」と前向きになってくれます。少しずつお手伝いを増やしていけば、いずれは子どもが家事の戦力になりますよ。■ まずは簡単なことから始める食への意識を高めるために、幼少期から料理の様子を見せてあげることも大切です。お手伝い初心者の子にはまず、野菜をちぎっている様子などを見せてあげたり、食材に触れさせてみましょう。そのうちに「やりたい!」と手が出たら、やらせてみて。スプーンやフォークの練習と同じように、大人が手を持ってサポートしてあげれば、食材をちぎったり裂いたりするのは、0歳児からでもできます。初めは子どもが好きな食材でお手伝いしてもらうと、より楽しさが増します。■ お手伝いは食卓で一緒にやるキッチンには包丁や火など危険なものがたくさん。ママも調理しながら子どもを見るとなると、気が焦ってしまい、イライラしたり、手が滑ってケガをしてしまったりということもあるかもしれません。お手伝いに慣れないうちは、食卓でできることをお願いしましょう。火や刃物などがなく安全ですし、十分なスペースがあり、座って作業できるので、低年齢の子でも安心です。食卓では食材の準備や盛り付けなどを一緒にやるのがおすすめ。テーブル拭きや食器の片付けなど、普段ママがやってあげてしまうことをお願いしてみるのもいいですね。お手伝いに慣れてきたら食卓ナイフでバナナなど柔らかいものを切ったり、4~5歳になって手先の器用さや力が発達してきたら、キッチンで調理したりしてみましょう。■ 感謝の言葉で子どもの気持ちを盛り上げるお手伝いしてもらったら、「助かる~」「おいしそうにできたね、ありがとう」など、感謝の気持ちを伝えて。ママが喜んでくれた経験は子どものやる気や自己肯定感を高めます。■ 「やりたい!」の気持ちに応えてあげる子どもが「やりたい!」と言い出したときがお手伝いのチャンス。できればそのタイミングでやらせてあげたいものですが、そういうときに限って時間がなかったり、気持ちに余裕がなかったり…。そんなときのために対応策を用意しておきましょう。例えば、味見をお願いする、盛り付けや、仕上げにちぎったのりやごまを振るのをお願いするなど。食前が慌ただしければ、「デザートのときにお手伝いをお願いしていい?」などと伝え、食後にお手伝いしてもらうのも手。果物をむいて皿に盛り付けたり、ヨーグルトを盛り付けてもらったりと、少しだけでも「やりたい」気持ちをくんであげましょう。<年代別お手伝いポイント>0~1歳台一人でお座りができるようになれば、お手伝いがスタートできます。この時期はまだ力が弱く、手指が未発達なので、大人が手を持って、一緒に作業してあげましょう。●おすすめのお手伝い・ミニトマトのヘタを取る・シメジをほぐす・レタスをちぎる・タマネギの皮をむく・食材を皿に置く食材を見る、触るといった経験を積極的にさせて。2~3歳台手指が発達するので、泡立て器など、道具を使ったお手伝いも可能に。自分でやりたい気持ちが膨らむころですが、まだ思うようにできないので、火や刃物は一人で使わせないで。●おすすめのお手伝い・ボウルの中を泡立て器などで混ぜる・ポリ袋をもみ混ぜる・パン粉や粉チーズ、かつお節などを振るポリ袋をもむのは力がない子でもやりやすい!4~5歳台危ないことには自ら「気を付ける」ことができるようになります。手先の器用さ、力も発達し、大人が見守っていれば、切る・炒めるなどほとんどの調理が可能に。●おすすめのお手伝い・野菜をすりおろす・ピーラーや包丁を使って野菜を切る・フライパンで炒める・料理を一人で盛り付ける大人が見守れば、火を使う調理も一人でできる。●お話を聞いたのは中村美穂さんなかむら・みほ/ 管理栄養士、フードコーディネーター。2児の母。保育園栄養士の経験を生かし、親子料理教室を開催するほか、雑誌や広告などで活躍。サッと作れて、子どもがお手伝いしやすいメニューを紹介。旬の野菜を使った栄養バランスがいい料理なので、夏バテ予防にもなりますよ。※材料はすべて大人2人+子ども2人(計4人分)の分量です の部分はお手伝いしてもらおう!ぱぱっと作れて、野菜たっぷり!■ カレー肉みそうどん彩り鮮やかで、野菜が苦手な子でも食べやすい一品麺料理。肉みそをあらかじめ作っておき、盛り付けをお願いするのもおすすめです。麺はそうめんや中華麺にアレンジしてもおいしくできます。[材料]うどん(ゆで)…3玉豚ひき肉…200gレタス…2枚程度キュウリ…1/2本ミニトマト…10個ナス…1本長ネギ(白い部分)…1/2本ニンジン(すりおろし)…大さじ2ニンニク、ショウガ(すりおろし)…各小さじ1塩…少々ごま油…大さじ1A[麺つゆ(3倍濃縮)…大さじ2、みそ…大さじ1、片栗粉…小さじ2、カレー粉…小さじ1~2、水…200ml][作り方]1.レタスは一口大にちぎる。キュウリはピーラーでリボン状にむく。ミニトマトはヘタを取り、半分に切る。ナスは1cm角に切り、塩を振り混ぜる。長ネギはみじん切りにする。2.フライパンにニンニク、ショウガ、ごま油、豚ひき肉、ナス、ニンジン、長ネギを入れ、火にかけて肉の色が変わるまで中火で炒める。ボウルで混ぜ合わせたAを加え、とろみが付くまで煮る。3.うどんをゆでて水で冷やし、水気を切って皿に盛る。2をかけて、レタス、キュウリ、ミニトマトを飾る。<お手伝い成功ポイント>肉は上からつぶすイメージで炒めて。フライパンのフチでやけどをしないように注意しましょう。香ばしい甘辛じょうゆ味で食が進む■ アジと野菜の磯辺照り焼きのりの風味と蒲焼風の甘辛味で、子どもでも食べやすいメニュー。手間がかかりそうな魚料理でも、切り身を使えば手軽にできます。厚揚げを入れればボリュームも栄養価もアップ![材料]アジ(3枚おろし、骨なし)…6枚(3尾分)厚揚げ…小2個(約160g)グリーンアスパラガス…4本赤パプリカ…1/2個シメジ…1/2パック焼きのり…1と1/4枚塩、こしょう…各少々サラダ油…大さじ1しょうゆ…大さじ1みりん…大さじ2[作り方]1.アジは1枚ずつ3等分のそぎ切りにし、塩、こしょうを振る。厚揚げは熱湯を掛けて油抜きし、1.5cm厚さの一口大に切る。焼きのりを2cm×10cm程度の帯状に切り、アジと厚揚げに巻く。2.グリーンアスパラガスは食べやすい大きさに斜め切り、赤パプリカは種を取り1cm幅に切る。シメジはほぐす。3.フライパンにサラダ油を温め、1を並べ、周りに2を広げ、中火で焼く。アジと厚揚げに焼き色が付いたら裏返し、しょうゆ、みりんを回し入れ、照りが出るまで絡める。<お手伝い成功ポイント>包丁で指を切らないように注意。斜め切りは、食材を斜めに置いて切ると簡単!味が染みやすく、すぐに食卓に出せる■ たたきキュウリのごま酢和え[材料]キュウリ…2本ちくわ…2本白炒りごま…大さじ1すし酢…大さじ2[作り方]1.キュウリは両端を切り落とし、ポリ袋に入れ、麺棒などで割れ目ができるまでたたき、手で食べやすい大きさに割る。ちくわは5㎜厚さの輪切りにする。2.白炒りごまをすってポリ袋に加え、すし酢とちくわも入れて振り混ぜる。<お手伝い成功ポイント>キュウリ割りは、2歳頃までは大人と一緒に。2の工程ではポリ袋に空気を入れて振るときれいに混ざります。冷めてもおいしい常備菜■ トウモロコシとオクラのバターじょうゆ炒め[材料]トウモロコシ…1本(ホールコーンなら小1缶弱)オクラ…1袋(8本)ミニトマト…6個バター…大さじ1しょうゆ…小さじ2かつお節…適量[作り方]1.トウモロコシは皮をむき、包丁で実をそぐ。オクラはヘタを取り、1cm厚さの輪切りに、ミニトマトは半分に切る。2.バターを溶かしたフライパンにトウモロコシとオクラを入れ、火が通るまで中火で炒める。ミニトマトを加え、しょうゆを回し入れ、かつお節を振る。<お手伝い成功ポイント>オクラは子どもでも切りやすい食材。包丁を持つ手と反対の手はしっかり握って“猫の手”にしましょう。レンジも使って短時間で完成■ カボチャの鶏そぼろ煮[材料]カボチャ…200g(約1/8個分)サヤインゲン…4本A[鶏ひき肉…100g、砂糖…小さじ2、しょうゆ…小さじ2、水…150ml]B[片栗粉…小さじ1、水…小さじ2][作り方]1.カボチャは一口大に切り、水大さじ2(分量外)を掛け、ラップをして電子レンジで3分程加熱。サヤインゲンは小口切りにする。2.鍋にAを入れて混ぜる。中火に掛け、肉の色が変わったらサヤインゲンとBを加えてとろみを付け、カボチャを加えて全体がなじむ程度に煮る。<お手伝い成功ポイント>鍋を火にかける前に肉と調味料を混ぜておくと肉が固まらず、しっとりしたきれいなそぼろ状に仕上がります。
2016年07月13日