子どもが大きくなるにつれて、言葉の乱れや汚い言葉遣いなどが気になることがあることも。友だちの影響を受けたり、または自分の子どもが周りの子に悪影響を与えてしまうこともある言葉遣い。親たちの悩みを聞いてみましょう。Q.お子さまの言葉遣い、気になるときがありますか?1.ある 94.0%2.ない 6.0%ほとんどの親たちが子どもの言葉遣いが気になるときがあるという結果になりました。小学生くらいから徐々に気になる親が多いようです。■怖い言葉を平気で使っている子どもに不安を感じる最も多かったのが、暴言などの汚い言葉や人を攻撃する怖い言葉に対する意見。発した本人にそのつもりがなくても、相手に深い傷を負わせてしまうこともあり、親たちは心配をしているようです。「『ヤバイ』の使い方。OKなのかNGなのか、私の年代になってくると何事も一言で済ますなとつい憤りを感じます」(神奈川県 50代女性)「怖い言葉を平気で使っている子どもが多い気がします。殺すとか消えろとか…」(神奈川県 40代男性)「小学生になり、うるせぇ! ぶっ殺す! 黙れ! などなど汚い言葉を言っている友だちがいるらしく、うちの子もいつか話すようになるのかと心配しています」(岩手県 30代女性)■親こそ言葉遣いに気をつけなければいけないやはり手本になるためには親が正しい言葉遣い、きれいな言葉遣いをしなければいけないということ。夫や周りの人に言われてやっと気づく人も。「下の娘が私の口調にそっくり。『もっと優しい言い方があるでしょ!』と注意すると、旦那さんに『自分のことは棚上げだね』と言われて、最近反省しました」(三重県 30代女性)「先日、私の友だちに子どものしゃべり方がそっくりって言われました。悪い言葉も良い言葉も、親が使っていたら子どもも真似してしまうので、子どもの前だけは言葉遣いに気をつけています」(神奈川県 40代女性)「私の話し方のクセが似ちゃってます。言葉遣いを気をつけないと…」(千葉県 40代女性)■大人になれば使い分けができる?なかには、大人になれば自然と使い分けができるようになるから、子どものうちは心配しなくてもいいのではという人もいました。そのときに正しく話せるようにするためにも、親としては正しい言葉遣いをして接するに越したことはないですね。「まあ、気にすることないと思いますよ。私たちも若いころは、言葉遣いで注意されたものです。でもある程度の歳になれば使い分けられます。大きくなっても使い分けできなければ、ただのバカですね」(神奈川県 40代女性)「ちゃんと場所や相手で使い分けできたらいいんじゃないかな。仲間内なら悪い言葉遣いで結束を強めたりすることもありかと思います」(滋賀県 30代女性)Q.お子さまの言葉遣い、気になるときがありますか?アンケート回答数:5123件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年12月20日「DINKs」という言葉も一般的になり、結婚しても子どもを持たないことを選択する夫婦も増えています。また、あえて子どもを作らない・持たないことを選択したわけではなく、さまざまな理由によって子どもを持つことができなかった夫婦も少なくないでしょう。しかし、子なし夫婦への世間の風当たりはまだまだ強く、時に心無い言葉をかけられることもあります。中には、何の悪気もなしに相手を傷つける発言をしてしまっている人もいます。必要以上に気を使ってギクシャクする必要はけしてありませんが、子どもがいない夫婦の心情を理解すること も大切だと思うのです。そこで今回は、結婚しているけれど子どもがいない女性たちにインタビューした、「子どものいない夫婦に言ってほしくない言葉」をご紹介したいと思います。●(1)「子ども作らないの?」『職場の後輩に「結婚して何年ですか?」と聞かれたから、「6年になる」と答えたら、「え、何で子ども作らないんですか? 」と聞かれて答えにくかった。不妊治療をしてるけど、あまり人に言いたくないし、「欲しいけどできない」と答えたら雰囲気を悪くしそうだし、回答に困る』(37歳女性/会社員)『若いうちに子どもを産んだ友達やデキ婚した友達に会うと、必ず「まだ子ども作らないの? 」と聞かれる。「もう少し二人の時間を楽しみたくて」って2年前くらいには嘘ついたけど……。本当に仲の良い友達には子どもができないことを話してるけど、そうじゃない人には言いたくない。なんとなく、変な意地があって(苦笑)』(36歳女性/公務員)これは必ず1度は誰かしらに聞かれることです。「欲しくないから」「子どもがあまり好きじゃないからいらない」「欲しいけどなかなかできなくて」……本当のことを答えても、なんだかどれも波紋を広げそうで答えにくいんですよね。自分から子どもを作らない理由を話さない限りは、非常にデリケートなことなので聞かないでいただきたいです。●(2)「親にならないとわからない」「人の子の親になればわかるよ」『友達が子育ての愚痴をひたすら語ってきたから、「うん、大変だね」って話を聞いていたのに、「親にならないとわからないよ 」って言われたときはなんだかショックでした』(35歳女性/会社員)『子持ちの友人たちと久々に集まって食事していたとき、子どもの成長に感動した話でみんなが盛り上がっていたので、「すごいねぇ」とか笑顔で相槌を打っていたら、「○○ちゃん(私)も人の子の親になればわかるよ 」と言われた。見下されてるみたいで嫌だった』(39歳女性/パート)親になりたくてもなれないというコンプレックスのある人がそんなことを言われたら、とても傷つきます。あえて子どもを持たないという選択をしている人だって、そんなことを言われたら「子どもがいなきゃ半人前」と言われているようでショックです。●(3)「子どもがいないとラクでいいなぁ」『「子どもがいないとラクでいいなぁ。自分の時間を自由に使えていいなぁ 」と言われると、悪気はないんだろうけど腹が立つ。別に子どもがいなくても仕事してるからラクでも自由でもないし。かといって、専業主婦になったら「子どもがいないのに専業主婦なんて……」って言われるんだろうしなぁ』(36歳女性/公務員)これはついつい言ってしまいそうな一言ですね。でも、子どもがほしいと思っている人にはカチンとくるでしょうし、子どもがいない人=ラク、自由と決めつけられるのは嫌なものなんです。●(4)「旦那と二人だけの生活なんて考えられない」『「ずーっと旦那と二人でしょ?よく飽きないね」とか、「子どもができると旦那のことなんて男として見れないわー」「私は旦那と二人だけの生活なんて考えられない 」とか、実は地味に傷つくんだよね。子どもがいないんだから、二人でいるしかないじゃんって感じ。悔しいから、「全然飽きないよ。週末はいつも二人で外食したりデートしたりしてるし、手もつないで歩くよ」って自慢してる(笑)』(35歳女性/会社員)これは、純粋に「夫と仲が良くて羨ましい」と言われている場合もありますが、子どもがいないことを遠回しに批判されていると受け取ってしまう可能性もあります。----------いかがでしたか?中には何気なく言ってしまいがちなこともあるかと思います。でも、何気なく言った言葉で傷ついている人がいるのも事実です。「そんなことで傷つくの?」と思われる方もいるかもしれませんが、先に述べたように、子どもがいない理由は夫婦によってさまざまです。人によっては、公にしていなくても実は深い事情を抱えている可能性もあります ので、心に留めておいていただけたら嬉しいなと思います。●文/パピマミ編集部●モデル/福永桃子
2017年02月21日言葉の遅れ(言語発達遅滞)とは出典 : 言葉の遅れとは、発語や言葉を理解することが、生活年齢から予測される平均的な状態よりも大幅に遅れることをいいます。専門的な用語では、言語発達遅滞(げんごはったつちたい)といいます。子どもが言葉を覚え、話し始める時期は個人差がありますが、おおむねの基準としては、子どもが以下のような状態である場合には、言葉が遅れていると判断することができると言われています。・1歳半で、言葉が、意味の伴った言葉が2つ以下である場合や、簡単な指示の理解ができない場合・3歳で、「ジュース のむ」など2つの単語による言葉である2語文が出ていない場合「言葉の遅れ」といったときに、そのパターンは大きく分けると2通りあります。ひとつ目は、乳児期の時点では言葉が遅れていても、育ちの過程において、遅れが目立たなくなるような場合です。この場合は、「ただ言葉の習得が遅いだけ」、「育ちのスピードの個人差の範囲」と言えます。もうひとつは、発達や聴覚に障害のある可能性があり、その兆しとして言葉の遅れが生じる場合です。言葉の遅れは、発達の早期である乳幼児期において生じやすいです。乳幼児期の子どもの育ちは個人差が大きく、また性格や環境など様々な要因が関わっているため、言葉の遅れの原因を明確に特定することは簡単ではありません。乳幼児健康診査マニュアル|鳥取県母子保健対策協議会・鳥取県健康対策協議会母子保健対策専門委員会日本精神神経学会/『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)2014年 医学書院/刊中川信子/監『ことばの遅れのすべてがわかる本』2006年 講談社/刊言葉が出るために必要な3つのこと出典 : 子どもは、言葉を話すまでに、日常生活でさまざまな経験をする中で、言葉を発するための準備を行っています。その準備とは、大きく分けて「意味の理解」と「コミュニケーション」、そして「発音」です。この3つの要素が整って、はじめて言葉が出るに至ります。子どもは、他者の言葉とふれあう経験から言葉の意味がわかるようになります。子どもの頭の中に言葉が蓄積され、記憶された言葉が積み重なることによって、言葉の意味を理解できるようになります。言葉が出るまでには、子どもと養育者のコミュニケーションの積み重ねがあります。コミュニケーションは、最初は、養育者とのふれあいを通じて、体温や匂いなどを感じることから始まります。そして養育者と微笑みを交わしあったり、そして声のトーンやしぐさを真似するという模倣の行為といったものへと進展していきます。こうした人と人の交流の発達の延長線上に、言葉の出現があるのです。自分の思い通りの音を発するためには、舌や喉を動かしたり、肺から息を出したりすることを含めた体の使い方、体の育ちに支えられています。発話のために正しい音を選び出し、作り出すためには脳の働きが深く関連しています。これら意味の理解、コミュニケーション、思い通りに音を出すことのできる体や脳の機能が整ってはじめて、子どもの言葉は花開くのです。言葉の遅れの原因とその確かめ方出典 : 言葉の遅れが見られるときには、聞こえに問題がないかどうか確かめておくことが必要です。難聴や聴覚障害の場合には、聞こえを改善する訓練や治療、視覚的な手段を使ったコミュニケーションの方法を取り入れるために早めの対応が必要になるからです。1歳半、3歳の乳幼児健診のときにも、耳のきこえのチェックが行われますが、耳の聞こえは家庭生活の中で見つかることも多いです。心配なときには、以下のチェックリストを参照して、聴覚に問題がないか確認してみるとよいでしょう。赤ちゃんの耳のきこえ チェックリスト|栗原市ホームページ脳の聴覚野での処理に問題があるなどで、子どもが言葉の意味が理解できていないと、子どもの中に言葉が蓄積されていかないために、言葉の遅れが生じやすくなります。言葉の発達においては、言葉を理解することが先で、言葉を話すようになるのはその次です。言葉の意味がわかっているかどうか確認するために、名前を呼んだら振り向くかどうかや、「こっち、おいで」と呼びかけるとこちらへ来るかどうか、などを確認してみるとよいでしょう。以下の項目のすべてに当てはまるような子どもは、性格や環境などの何らかの理由で言葉が出るのが遅れているだけであると考えられます。・養育者が子どもとのコミュニケーションに難しさを感じない・たいていの言語的な指示が分かっている・特別なこだわりがない・生活習慣にも気がかりな点がないこうした場合は、たいていは年齢が上がってくるとともに自然と話すようになります。2~3歳になっても言葉が出なかったり、遅れている場合には、知的障害や、自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害などの発達障害の可能性もあります。発達障害は先天性の脳の機能障害であるといわれています。障害があるかどうかは、言葉の表出のみによっては判断することはできず、他者との関係性やコミュニケーションの領域の発達にも目を向けることが必要です。発達障害のある場合、言語、非言語に関わらず、人との関わりにおいて発達の遅れまたは困難さが生じることがあります。以下を参照してください。①他者との情緒関係の問題視線や表情や身振りをもちいることが難しく、他者との間に愛着関係を築きにくいといわれています。また、感情の共有や興味の共有がむずかしく、人間関係を拡大しにくいといわれています。②コミュニケーションの問題言葉に限らず、指さしや身振りなど、非言語なやりとりを獲得することが難しいです。相手に対してものの受け渡しをしたり、ほしいものがあるときにも要求の声を出すことが少ないです。③活動の対象や興味の幅が著しく限られる活動や物事への興味関心の範囲が著しく狭く、特定の事物へのこだわりがあります。変化することへの抵抗が強く、道順や日課、空間への位置関係など「おなじもの」にこだわるような行動があります。また、手をかざしたり、ひらひらさせたり、行き戻りを繰り返したりなどの、反復行動がみられることもあります。白石正久/著『発達の扉<下>』1996年/かもがわ出版/刊p181-182.以上の例に当てはまる場合でも、一概に発達障害だと断定することはできません。「言葉が遅い」といわれる子どもの中には、「障害の兆しとして、言葉が遅い」場合と「ゆくゆくは発達が追いついていくけれど、今は遅れている」という場合の境目にいることが多いからです。自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム障害を含む発達障害に関しては、診断規定こそあるものの、乳幼児期は児童期以降に比べると発達のスピードには個人差が大きく、発達障害であるかないかの境界は曖昧です。言葉の育ちのステップを知ろう出典 : 言葉が出ない、あるいは遅れているときには、子どもが発達のどの段階にいるのかどうか把握をして、子どもの生活全体に対して働きかけていくことが大切になります。「言葉」の領域のことについて考えるとき、子どもの運動能力の育ちや、情緒面の育ちについて同時に考えることが必要です。ここでは言葉の育ちのステップについてお伝えするとともに、そのステップごとにみられるコミュニケーションや身体の動きの特徴についてお伝えします。Upload By 発達障害のキホン生まれてきてすぐの頃には、赤ちゃんは空腹や排泄などの不快な状態を表すために泣きますが、これは体の内部の不快な状態を表しただけで、特に養育者に向かって訴えたものではありません。生後間もなくは、泣くことでしか自身の身体の状態を示すことのできなかった赤ちゃんはやがて、「くー」や「あー」などの、柔らかい声を出すようになります。これは、赤ちゃんが「心地よい」「気持ちよい」と感じるときに多く発する声でクーイングと呼ばれています。だいたい生後2ヶ月頃に見られます。音を作る器官を発声が少しずつ育ってきている証拠です。そして、骨格が整い、口の奥にある音を作る器官が成長することにより、「あむ」や「ばぶ」などの、2つ以上の音のある声である喃語を発するようになります。次第に、周りの人や自分が発した音声が、意味のあるものとしてとりいれられてきます。また、音の調節と発声、肺から出る空気のコントロールができるようになり、発する喃語の発音もはっきりしてきます。この頃には、身体の動きも活発になり、興味のあるものを目で追ったり、手をのばしたりし、表情も豊かになってきます。リズミカルに身体を動かすバンギングと呼ばれる行動とともに、けらけらと快活に笑うようになります。喃語が出るようになってから数ヶ月くらいが経つと徐々に喃語は少なくなり、その代わりに指差し、身ぶり手ぶりが増えていきます。この時期になると、言葉を話すまでの一歩手前だといえます。指差しが出るのは、認知機能が発達し、言語が芽生えるきっかけとなる行動です。知っているものと知らないものをはっきり分け、知らないものは不安になるという心の状態も発達します。指差しをして認識する対象はモノだけではなく人にも向けられ、愛着関係のある人とそうでない人との区別がつくようにもなり、人見知りが出だす頃です。他者の視線の方向に自分の視線の方向を合わせようとする行動も現れはじめます。これは「共同注視」と呼ばれる認知行動で、自分と他者、間にあるモノの三項関係が徐々に成立するようになります。「子どもと他者が物を介して経験を共にすること」がコミュニケーションを獲得するステップには欠かせないので、温かく見守りながら関わりを持っていくことが大切です。ある特定の音声(マンマならマとンとマという音の組み合わせ)が、どの人にとってもほぼ共通するモノと結びついていくことがわかってくると、一語文という意味をもった言葉になります。一語分が喃語と異なるのは、意味をともなう言葉であるという点です。例えば、犬という意味をともなった「わんわん」、ご飯という意味をともなった「まんま」などです。これは、子どもが伝えたい事柄に対して、大人がそのものの名前を「まんま、ほしいのね」や「わんわんだね」などと伝えていくことにより、言葉が獲得されていきます。一語文が出るようになってから、数カ月すると、「わんわん、いる」「まんま、ちょーだい」などの、名詞と動詞の2つの言葉を使い、助詞のない簡単な文を話すようになります。最初の段階では散発的にしか出ないものですが、二語発話が本格的に使えるようになるのは、二語文がはじめて出てからだいたい2~3ヶ月後です。田辺正友/著・発達における機能連関に関する研究書 一言語発達と手指の機能の発達 (1981)/『奈良教育大学リポジトリ』言葉を育む2つのポイント出典 : 日常生活の中でできる、言葉を育むための工夫をお伝えします。言葉の遅れの場合には、専門家の特別な指導に頼るのもひとつですが、毎日の生活のかかわりの中で、本来の力を伸ばしていけることも多いです。言葉の獲得は、大人とのコミュニケーションを通して、準備され促されるものです。子どもと養育者という二者間における気持ちのつながりや、気持ちを共有することへの心地よさ、また肯定的な応答を十分に感じて、「通じ合っている」という喜びを味わっていることが大切です。具体的な働きかけとは、子どもの表情や行動や気持ちを察して、「まんま、おいしいねえ」「イヤだったのね」などと言葉にしてあげることや、子どもの声や言葉をもう一度繰り返すなど、さまざまなものが挙げられます。■子どもの興味関心に寄り添い、主体的な言葉を引きだす子どもが自分から注意を向けた対象について話しかけてあげましょう。視覚的な注意が向いているときに、耳から情報が伝わってきてくることで、情報を頭に取り入れることができます。例えば・走っている電車を見つめる子どもに対して、「電車だね」「早いね」などと、実物や経験に対して名称や状態を言葉をかけてあげることなどです。大人からの働きかけになかなか応じてくれない子どもに対して、大人が子どもの興味関心に合わせて話しかけることで、子どもの記憶に言葉を蓄積させることができます。■わかりやすい、はっきりとした言葉でゆっくりと話す大人に比べると、乳幼児期の子どもの聞きとる力は未熟で、人の声を聞き取ることに慣れていません。いつも言葉が聞き取れずにいると、話しかけられることや言葉を聞くこと自体に興味を失ってしまう可能性があります。小さい子や、言葉の遅い子に話しかけるときには、ゆっくり、はっきり、繰り返して、単語と単語の間に適当な間をおいて話してあげることが大切です。■2つの中から選ばせる2つのものを対比させながら提示して、その中からひとつのものを選びとる際には、注意が集中しやすく、子どもの能動的な気持ちが働きます。例えば、りんごとみかんを見せて「りんごと、みかん、どっちがいい?」「大きいクッキーと小さいクッキー、どっちがいい?」など2つのものを示して子どもが主体的に選択できる機会を設けるといいでしょう。2つのものを提示して選ばせるという過程は、大きい小さい、高い低い、長い短いという対比の概念を理解することにもつながります。子どもが、言葉で他者に何か伝えたいと思う気持ちが、自然と引きだされるような環境を整えることも大切です。■豊かな体験や経験を味わう言葉が出始める、あるいはまだ出ていない段階においては、子どもが外界の世界に興味関心をもって、自らかかわっていこうとする力を育てることが大切です。そのためには、具体的にものにふれたり、身体を使った遊びや活動を行ったり、見たり、聞いたり、味わったりと、五感の器官を十分に使って世界にふれあうことのできる環境を作り、子どものやりとりや遊びを豊かで楽しいものにすることを意識します。豊かな生活体験の中で引き起こされる、他者に自身の感じていることを伝えたいという思いが生まれ、それが言葉を引き出していくきっかけになります。■テレビをつける時間を減らすテレビからは、言葉や音楽が絶えず流れだしています。言葉を学ぶ段階である子どもにとっては、とても刺激の強い存在です。テレビを見せることが、必ずしも言葉の遅れにつながるわけではありませんが、一方的に言葉や音楽が流れてくるテレビからは、会話に必要なコミュニケーションを身につけることはできません。テレビ番組は、大人と子どもが一緒に楽しく過ごすための道具のひとつなので、つけっぱなしにせず、適度に利用する程度に留めておきましょう。■視覚的な手がかりを使う子どもは、ひとつの対象に対して注意を向けにくく、また取り込んだ情報を頭に留めておくという力が未熟です。また、言葉の意味がまだよくわからない子どもの場合には、言葉だけでは説明や、意味が理解できないことがあります。ですので、このような場合には、聴覚的な情報に加えて、視覚的な手がかりを使うことが有効です。例えば、ジェスチャーや、指さし、絵を見せるなど、目で見てわかる情報を使い、子どもの頭に情報が入りやすい工夫をしてあげましょう。言葉の遅れに気づいたときには、専門機関に相談したほうがいいの?出典 : 子どもの発育や発達には個人差があり、今までなかなか出なかった言葉がある日に急に出るようになるという事例もたくさんあります。ですので、ゆったりとした気持ちで子どもとのやりとりを楽しみ、ゆっくりでも構わないので、子どもの着実な育ちを支えることが大切です。これまでに何度か述べてきたように、乳児期の赤ちゃんの発達には大きな幅があるため、身体の成長などとともに、急に話し始めることは決して稀なことではありません。しかし、専門家に相談してみることで、療育の機会の提供や、思ってもみなかった子育てに関する情報を得られることもあります。気になることがある場合には、以下のような専門機関を訪れてみるとよいでしょう。小児科は子どもの病気の診療だけではなく、子どもの発達に関する悩みごとの相談にも乗ってくれます。より子どもの発達に詳しい専門機関などの情報も持っているので、地元の専門機関を紹介してくれる場合もあります。行政や自治体が実施主体となって行っている事業です。子育て中の親子が気軽に集い、交流や子育ての不安・悩みを相談できる場を提供することを目的として各地域に設置されています。無料で相談をすることができます。0~17歳の児童を対象として、育児の相談、健康の相談、発達の相談など、さまざまな相談を受け付けています。必要に応じて、発達検査を行う場合もあり、無料で医師や保健師、心理士、言語聴覚士などから支援やアドバイスをもらうことができます。基本的に予約制なので、あらかじめお住まいの市町村のウェブサイトなどを見て確認するようにしましょう。乳幼児健診は、各市町村の保健センターなどで行われているもので、赤ちゃんの病気の早期発見や予防と早期発見、そして順調に発達しているかどうかを確認するための検査です。保護者が普段の子育てで疑問に思っていることや、なかなか話す機会がない不安などを専門家に相談できる場でもあります。また、乳幼児健康診査は、同じ月齢期の赤ちゃんを育てる保護者も来ており、子育てを同じくする人と情報交換できる場所でもあるので、上手に活用しましょう。社会福祉法人やNPOが行っており、一人ひとりの子どもの発達について、言葉の面だけではなく、運動面やコミュニケーションの面についても総合的に判断して、個別、集団で発達を促す支援を行っています。また、子育てにおいての悩み事を相談することもできます。費用は、医師の診断書があれば、保険が適用され一部の負担で療育を受けることが可能です。言葉の遅れの気になる子どもに対して、言語聴覚療法というトレーニングを行っている施設もあります。詳しくは、施設にお問い合わせください。以下のリンクから、全国の子どもの発達支援を専門に行っている施設や機関を検索することができます。発達障害のお子さんが利用出来る全国の施設一覧 | LITALICO(りたりこ)発達ナビ子どもの言葉の遅れの相談については、言葉に関するものだけではなく、好きな遊びやコミュニケーションの様子を学校や幼稚園の先生から聞いてメモしておくとよいでしょう。普段の子どもの様子を伝えることは、専門家が子どもの発達段階を把握するために役立ち、生活の中で取り入れられる工夫や気をつけるべきことについて専門家から教えてもらいやすくなります。まとめ出典 : 子どもの育ちは停滞したり、急に進んだりと個々によってペースは様々です。発達の順路を把握することによって、適切なかかわり方を知り、子どもの中に育ちつつある力を確かなものにすることができます。言葉を話す前の子どもは体やこころのなかに言葉をためている段階です。言葉が遅れていたり出なかった場合には、つい言葉を教え込む方法に目がゆきがちですが、日常生活全体に働きかけるなかで、子どもとのやりとりを楽しんだり、子どもの経験を豊かにする環境を整えることで子どもの育ちを支えていきましょう。
2016年10月16日秋は運動会シーズン。出場する子どもはもちろんのこと、観戦する親などの大人も張り切ってしまう年に一度のイベントです。せっかくのイベントならやる気を出してがんばって欲しいと親は思うものですよね。では、どんな応援や声かけが子どものやる気をアップさせるのか、知っておきましょう。声かけは運動会の前から運動会が始まる前にかけっこやダンスの練習を家でもすることがありますよね。練習を目にしたら声をかけるチャンス。例えばダンスをしていたらそのダンスを褒めることはもちろん、「うまく踊れるように魔法をかけよう」なんて言って魔法をかける素振りをすれば、子どもはその魔法を当日に思い出して元気になるかもしれません。かけっこの練習をしていたら、早く走れるフォームのアドバイスなどもいいですね。親がいつも見てくれている、気にかけてくれているという態度や言葉が、子どものやる気アップ!につながりますよ。声かけとは少し違いますが、お弁当のリクエストを聞いておくこともいいですね。さらに一緒に食材を買い出しに行けば、当日のお弁当が具体的に思い浮かべられるのでよりテンションアップにつながります。頑張りすぎや恥ずかしがりやの子どもには対応を変える子どもが全員、運動会と聞いて張り切るわけではありません。まじめで頑張りすぎる子に「頑張れ」と言っても余計に緊張してしまうものです。練習の時に冗談を言って笑わせるだけで、肩の力が抜けて実力を発揮できるかもしれません。恥ずかしがりやの子には、手を振ったり大声で声援を送ったりすることは余計にプレッシャーになります。やる気や集中力が途切れてしまわないように、遠くからコッソリと見守るということが必要なこともあります。子どもの性格を一番わかっている親だからこそ、見極めた応援が大切ですね。注意!NGな応援応援の気持ちが強すぎた言葉かけは、逆に子どもにとってプレッシャーとなることもあります。例えば1位にこだわりすぎると1位以外はダメなのかな、という気持ちになってしまいますよね。また、運動会に限ったことではありませんが、他の子と比べるのはタブーです。「〇〇ちゃんはすごいね」「〇〇君みたいにできるといいね」などの比較は、やる気をダウンさせるだけではなく子どもを傷つけてしまいます。声をかける時は注意しましょう。運動会はチームの勝敗などもありますが、まずは本人が楽しむことが大切だと思います。私はよく「失敗してもいいから、一生懸命やるんだよ」と言葉をかけることがあります。本人が100%の力を出すことができ、いい思い出となり楽しめることができれば結果はそのあとの話。一緒に気持ちを盛り上げながらやる気が出るような言葉かけをしていけるといいですね。
2016年09月26日つまり「キライ」っていうこと??息子が通うスイミングスクールでは、上の級へあがるためのテストがあります。テストの前日、こんなやりとりがありました。Upload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナUpload By ラム*カナどうやら息子は、ホットケーキはあまり好きではないようでした(笑)実は息子、日頃から「きらい」というワードをあまり使わない子です。息子は意識していなかったようですが、これはとても大切なことだと思いました。息子は自然とできていた!ふわふわ言葉とチクチク言葉出典 : 「ふわふわ言葉とチクチク言葉」をご存知でしょうか。発達障害センターの先生によると、チクチク言葉は・「きらい」・「うるさい」・「やだ」という尖った言葉です。これを、・「すこし苦手」・「元気で声が大きい」・「あまりしたくない」など、柔らかい表現にしたものがふわふわ言葉です。ふわふわ言葉を使うことで、家族や周りのお友達を嫌な気分にさせずに自分の気持ちを伝えることができます。私は大学の授業や発達障害センターでこれを知ったのですが、息子はなんと自然に「ふわふわ言葉」を使っていたのです。ふわふわ言葉を使って、発達障害を前向きにとらえよう出典 : ふわふわ言葉は日常会話だけではなく、性格や特性を表わす言葉にも応用できます。発達障害の子どもが持つ・落ち着きがない・忘れんぼう・多弁・集団行動が苦手などの特性は、一般的にはマイナスなイメージかもしれません。しかし私はこれらの特性を、・とにかく元気!体力がすごい!・過去は振り返らず、「今」に全力!・頭の中に広がる想像力・創造力が壮大!・周りにとらわれず自分を貫く!というように、ふわふわ言葉に変換してとらえています。もちろんこれから社会に出て、息子の特性が短所になりうる場面も出てくるかもしれません。でも、息子には自信を持っていてほしい。自分の持っているものは力なのだと。そのためには、私たち親が子どもの特性をもっとプラスにとらえることが大切だと思うのです。息子のようにふわふわ言葉を使うことで、自分も周りも発達障害をポジティブに考えられるようになると良いなと思っています。
2016年08月20日1歳半検診のときに「言葉は何語くらい話しますか」と質問される自治体が多いのではないかと思います。私の住んでいる地域では、「何語話すか」と「指差しの確認」をされました。そしてその時期、私の息子は「まんま」しか話せませんでした。もちろん、指差しもできず…。しかし、その後一気に言葉が増えて、今(2歳4カ月)では普通に会話が成り立つほどに成長。その間に、家で実践した「これがきっかけで言葉が増えたのかも?」と感じることを紹介します。■大好きな物から学ぶ! 「のりもの図鑑」息子は、大の乗り物好きです。男の子には人気の乗り物ですが、好きなもので言葉を覚えさせようと「のりもの図鑑」を購入。「1歳半の子どもには、少し難しいかな」とも思いましたが、イラストではなく写真で多くの乗り物が紹介されている図鑑を選びました。90ページと子どもの本にしてはページ数が多く、元交通博物館の副館長である松澤正二さんと、交通ジャーナリストの井上廣和さんが監修している、割と本格的な図鑑です。息子は驚くほど気に入ってくれ、毎日、夢中になって図鑑を見ていました。読んであげるのはとても疲れるのですが(ページ数も多く、重さもあるので)、できる限り付き合ってあげると、毎日おもしろいくらいに多くの乗り物を覚えていきます。好きなものから学ぶことは、大人も子どもも効果的なようです。電車や車、新幹線、船、飛行機、トラック、消防車、救急車、ゴミ収集車など、たくさんの乗り物の名前を言えるようになり、車で出かけるたびに「トラックいるよ~」「バス大きいよ~」など、楽しそうに話しています。また、家にいるときでもエンジン音や走行音を聞き分け、「電車来た」「トラック来た」「バイク来た」など、教えに来てくれるようになりました。図鑑を購入したことで、好きな物の名前を覚える→知っている単語を話したい→話をする機会が増える→他の言葉も増える、と好循環になったと感じます。【購入した書籍】『チャイルドブックこども百科 新版 のりものいっぱい図鑑 いろいろ501/チャイルド本社』(監修/元交通博物館副館長・松澤正二/交通ジャーナリスト・井上廣和)■部屋に「友達と写っている写真」を貼る額に入れて飾った保育園の集合写真。これは、言葉を覚えさせるためではなかったのですが、結果的にはとても良かったと思います。保育園のお迎えの際に、ほかの同月齢の子どもたちが息子の名前を呼んで「◯◯くん、バイバイ~」と言うのを聞いて、とても驚いていました。息子は、友達の名前はおろか、自分の名前も口にしなかったので、「お友達の名前を覚えるのはまだ難しいのかな」と思っていたのです。しかし、写真を飾り始めた途端、写真を指さして「◯◯ちゃん」「◯◯くん」と言うようになりました。最初はほとんど聞き取れず、私が知っている名前の子だけ「本当だ。◯◯ちゃんだね」と返していたのですが、すぐに発音が上達。保育園でも「◯◯ちゃん」とお友達の名前を呼ぶようになり、帰り道で「今日は誰と遊んだの?」と聞くと「◯◯くん」と答えが返ってくるようになりました。自分の名前は、少し発音が難しいようで(息子は「ら行」が苦手)下手なのですが、「お名前は?」と聞くと答えてくれるようになりました。写真を貼ったことで「仲の良いお友達を教えたい」という欲求が出てきたのか、家で私と主人に友達の話をするようにもなり、保育園での様子をなんとなく感じることができるようになったのも、良かったと思います。言葉が増えた理由は、実際にはわかりません。しかし、好きな乗り物の名前を教えたことや、お友達の写真を飾ったことは、家庭で子どもとの会話を引き出すきっかけになってくれました。会話が増えたことで、言葉が増えるのはとても自然なことです。上手に話せない子どもの言葉に、じっくり耳を傾け続けたことも、言葉を増やした理由のひとつだったのかもしれません。
2016年06月18日子どもが喜ぶ言葉掛け子どもは、ママに言葉を掛けてもらうだけで、ほっとしたり楽しくなったりします。「何をしてあげればいいんだろう」と迷ったときは、まず元気になる言葉掛けをしてみましょう。illustrationKAWAZOE MutsumiQ、息子と一緒に楽しく全て子どもに聞いてみて私はもともと子どもが苦手です。4歳の息子に遊びに誘われても、何をしていいか分かりません。電車遊びをしていて、「お母さんはこの電車にしよう」と言ったら「ダメ!」と言われ、息子の世界に入っていけません。ボール遊びでは、淡々と蹴るだけで私は楽しめず…。主人が子どもと楽しそうに遊んでいるのがうらやましいです。楽しく遊んであげるには何をしたらいいですか?[京都府・にゅ~まま]A、遊びで分からないことは全て子どもに聞いてみて一人っ子や姉妹で育ったお母さんは、男の子の遊びが分からないということがあります。男の子と女の子の遊びは違うので、戸惑うのかもしれませんね。4歳にもなれば子どもは自分が遊びたいものがはっきり決まっていますから、「私が何かしてあげないと」と考え過ぎなくていいんです。遊びのリーダーは子どもに任せて、「何して遊びたいの?」と尋ねてみましょう。「ダメ!」と言うのは自分の想像の世界と違うから。「お母さんは何をしたらいい?」と聞けば得意になって教えてくれるはずです。また、子どもは気に入った遊びを繰り返したがるものです。お母さんには淡々と感じられるボール遊びも、お子さんは楽しんでいるでしょう。お母さんが疲れてしまうなら、「取ってきてね」と子どもを走らせてお母さんは同じ所で相手をしてあげたらいいんです。「すごく速かったね」とか「強く蹴れたね」など子どもの様子を言葉にしてあげてください。そのときのポイントは否定的な言葉を使わないことと、しつけを持ち込まないことです。まずはパパやお子さんが遊んでいる様子を見て、「楽しそうね」と言葉を掛けるだけでもOK。楽しい会話があれば、それだけでお子さんは遊んでもらったと満足するはずですよ。Q、赤ちゃんの世話で忙しく上の子が寂しそうです5歳の男の子がいます。赤ちゃんが生まれてから、お世話している間はどうしてもお兄ちゃんを待たせてしまうので、寂しそう。お利口に待ってくれたお兄ちゃんを満たしてあげる方法があれば教えてください!今までお兄ちゃんだけに時間を使ってきたのでかわいそうな気がしています。[大阪府・かずママ]A.手は掛けられなくてもたくさん言葉を掛けてあげて赤ちゃんのオムツを取り替えながら「気持ち良くなったね」と声を掛けると赤ちゃんは安心しますよね。それと同じように、5歳のお子さんもお母さんから関心を向けてほしいと思っています。おとなしくていい子であればあるほど自分の気持ちを言えないので、上の子は寂しくなりがちです。「○○ちゃんのオムツを取り替えたら、おやつにしようね」とか「寂しそうだね、ごめんごめん。何かお話しようか」など、たくさん言葉を掛けてあげてください。大事なことはお母さんとつながっているという感覚を子どもが持てるようにすること。そのために、必ずしも抱っこしたり一緒に遊んだりしなくてもいいのです。お母さんの愛情を感じれば、心が安定します。昔のお母さんたちは、赤ちゃんをおんぶしながら洗濯して、上の子とおしゃべりするなど、同時に3つくらいのことをやっていました。今のお母さんたちも、ぜひマルチタイプになってほしいですね。それから、子どもをかわいそうと思ってはいけませんよ。子どもは立派な能力を持っている存在です。「○○くんがいてくれて助かるな」と大人扱いしましょう。ママに近い存在になったと感じて、子どもはうれしい気持ちになります。
2016年05月11日いつも子どもに「ごめんね」という言葉ばかり言っていませんか? 子どもとずっと一緒に居てあげられないのがかわいそう。だからつい謝ってしまうのもよくわかります。でも、その言葉が本当に子どものためになっているのかというと、実はそうではないかもしれません。「ごめんね」はかえって子どもを不安にする私の住むフランスの耳鼻科の待合室に張り紙がありました。そこにはこういったことが書かれていました。「診察室から出てくるお子さんに『嫌だったね』『(嫌な思いをさせて)ごめんね』という方がいます。これだと病気を良くする治療をしているのに、こちらが悪いことをしているようで悲しくなります。ぜひ『がんばったね』『はやく良くなろうね』と声かけをしてください」これを見て「たしかにそのほうがいい!」と、うなずいてしまいました。周りに迷惑をかける行為をした場合は謝るのが普通です。それがキチンと守られている日本は礼儀正しくて、規律が整っていて、フランスを始めとする欧米に比べると、本当に過ごしていて気持ちいいと思えることが多いです。でも、子どもに対して「ごめんね」を発する数が多いと、それは反対にマイナスエネルギーになって子どもが不幸を感じたり、周りの人に罪悪感を覚えさせてしまったりすることだってあるのではないでしょうか?「自分はママといられないから不幸なんだ」「保育園に居ることは、あまり良くないことなんだ」自分がよかれと思って発している、子どもに向けての「ごめんね」なのに、子どもはそんなふうに受け取ってしまうとしたら、どうですか?ポジティブな声がけで空気を変える子どもを自立させることを教育目標にしているフランスでは、子どもに「ごめんね」という言葉をかけることが、かなり少ないことに気づきます。そのかわり、子どもにも周りにも、ポジティブな言葉かけをしていることが多いです。その姿は、子どもについて話しているときにもよく表れています。「これをやろうと思ったら、息子が張り切ってやってくれたわ。うちの子、そういうの得意だから、楽しんでやってくれるの」こういった発言は慣れていないと、子どもの自慢話をしているように聞こえてしまいます。でも実は、この会話と同じことを子どもたちにも言っていて、子どもにとってはそれが自信につながっています。おまけに第3者までもが、子どもに「ママから聞いたのだけど、◯◯が得意なんだってね」と繰り返すことで、子どもの「自信」がさらに「確信」にも変わっていくのです。他人を巻き込んで子どもに声かけをすることまではできないかもしれませんが、自分からわが子への声かけを変えることはできるはずです。 「ごめんね」を言うかわりに「保育園が楽しくてよかったね」「仕事で忙しくて遅くなっても、ちゃんと好きなこと見つけて楽しんでくれているから、ママ助かるわ」と言ってみるのはどうでしょうか?保育園の先生や職場の人たちにも「申し訳ありません」や「ごめんなさい」ではなく、「ありがとうございます」「助かります」という言葉に変えてみるのもいいかもしれません。プラスエネルギーの出る言葉を発し続けることで周りの空気も変わり、いろんなことがスムーズに回るようになっていくかもしれませんよ。(Ulala<フォークラス>)
2016年02月09日「寝る子は育つ」というのはよく聞く言葉ですよね。この言葉に従って、子どもには「眠れ、眠れ」と促していった方が良いのでしょうか? 実は子どもに一律に昼寝をさせる習慣は、現在少しずつ見直されつつあります。それにはどんな背景があるのでしょう? 子どもの健康的な成長を支えるための睡眠の秘訣をご紹介します。子どもの成長と共に変化する眠りの状態生後半年から1年くらい経つと、パラパラとしていた子どもの眠りのリズムがまとまり始めます。夜の就寝時刻は3歳から5歳頃まではほとんど変わりませんが、それに対して昼寝の時間は顕著に変化するようです。2004年に行われたアメリカでの調査「2004 Sleep in America Poll」では、昼寝の時間を設けなくても特に体に不調を来たさない子どもが3歳以降年齢と共に増えていくことが明らかになりました。その人数は、3歳で約4割、4歳で約7割、5歳で8割を超えています。少しずつ昼寝の時間が不要になり、小学校入学の学齢になると、ほぼ昼寝が不要になり昼間は学習に集中できるということになります。発達にそった昼寝を促すことが重要子どもの眠気を解消する適切な手立てとは子どもは徐々に昼寝が不要になっていくことが明らかになりましたが、日本の保育園の多くは、まだ一律に昼寝を取らせるところが多いようです。自宅でも同様で、子どもは「眠くない」と言っているのに眠るように指導している場合が多いようです。「寝る子は育つ」をそのまま子育てにつなげていくのではなく、子どもによって昼寝の必要性は異なるということを理解して子育てをしていくことが重要でしょう。また、成長段階によって昼寝が減っていくのも当然。成長の証だと捉えていく必要があるのです。子どもが眠気を訴えたら、それに応じて昼寝させても良いでしょう。しかし、「みんながさせているから」などの理由でお昼寝させるのは望ましいことではありません。子どもに合った睡眠指導ができていないとどんな問題があるの?身体が欲していないのに昼寝をさせると、夜の眠りに問題が生じることがあります。日中に睡眠時間を十分に確保しているので、夜の寝ぐずりがひどくなったり中途覚醒が頻発したりします。こうなると、子どもにとっても保護者にとってもストレスが大きくなってしまいますよね。また、無理に寝かされるというイメージが付いてしまうと、睡眠自体が子どもにとってのストレスになりかねません。子どもの昼寝について、ポイントをまとめると下記の通りです。・子どもが「眠い」と言ったら昼寝を促す・夜眠れない様子であれば、昼寝の時間や習慣を見直す・他の子どもと比較して、「もっと寝かせなければ」と焦らない(子どもの個人差を認める)・毎日昼寝する習慣があったとしても、成長と共にある時を境に昼寝をしなくてもよくなることを知っておく子どもの成長段階に合わせて、また必要な眠りの量には個人差があることを踏まえた上で、子どもの睡眠を確保していってくださいね。Photo by Brent Gambrell
2014年12月01日