国立感染症研究所はこのほど、最近の感染症の発生状況をまとめた「感染症発生動向調査」を公表し、手足口病の感染者が増加していることを明らかにした。手足口病はエンテロウイルスやコクサッキーウイルスを原因とする病気で、手や足、口内などを中心に水疱(すいほう)を伴った発疹が出ることが特徴。37~38度の発熱や喉の痛み、食欲の低下などの症状が出る。乳幼児に発症例が多く、潜伏期間は3~6日間、症状は2~4日間ほど続くとされている。国立感染症研究所によると、全国約3,000カ所の小児科定点医療機関から報告される患者数は、2014年第44週以降は過去5年間の平均と比較して多い状態が続いていた。2015年に入ると第23週(6月1~7日)頃から急増。第29週(7月13~19日)には、定点当たり報告数が10.16となり、全国での患者数が3万1,920人となった。この数値は、過去10年間で最も報告数が多かった2011年第28週の定点当たり報告数11.0(報告数3万4,216)に次いで多いという。地域別にみると、最近は東日本での患者数が増えているという。定点当たり報告数の上位10位に入る東日本の都道県数は、第26週(6月22~28日)が3県、第28週(7月6~12日)が4県、第29週(7月13~19日)が7都県と増加している。第31週(7月27~8月2日)の手足口病の定点当たり報告数は10.26で、前週(9.38)より1近く増加。都道府県別では、宮崎(19・61)、新潟(19・59)、宮城(18・73)、山形(18・67人)が同期間中の上位となっている。なお、東京都は14.09、大阪府は11.26と比較的高い数値となっている。
2015年08月12日関西福祉大学の勝田吉彰研究室はこのほど、感染症とメンタルヘルスについてまとめた「パンデミック症候群~国境を越える処方箋~」(著者: 勝田 吉彰)を出版した。同書の著者は、外務省医務官として24か国で海外医療の世界を経験した渡航医学の専門家。著者は2003年のSARS流行渦中の北京で大使館医務官として対応にあたり、社会のパニック状態への対処を経験してきた。同書ではその経験から、今後日本に「耳慣れない感染症」が入ってきたときに何を伝え、何を知ってもらう必要があるのかを的確に記している。また、医学系の書籍は著者の専門により、分野別に分かれているのが一般的だが、同書は「感染症」「メンタルヘルス」「海外医療事情」を1冊で網羅した。致死率の高いエボラ出血熱や、蚊によって媒介されるデング熱など、これから日本に入り脅威となる病気や、海外進出にあたって注意が必要な感染症とメンタルヘルスに加えて、途上国の医療事情やアンテナの張り方まで1冊にまとめている。海外に行く際に気をつけたい情報についても記載。今後、国境を越える人に向け、海外旅行や出張の際に備えておきたい病気の知識、海外勤務で自分の身を守るための情報も掲載した。価格は972円(税込)。
2015年08月07日IPAは、コンピュータウイルスや不正プログラムの状況分析から、「今月の呼びかけ」を発表している。今月は、そのWebサイトを閲覧すると、日本語音声でウイルスに感染したことを警告し、偽のウイルス対策をするように促される。このような手口は、初めてであり、騙されてしまうことが少なくないと、IPAでは注意喚起している。これまで、音声を使った詐欺的な行為は、スマホでカメラのシャッター音を使い、いかにも本人を撮影し、個人を特定できたかのように振る舞うものが存在した。しかし、今回は日本語を使い、ウイルスの感染を警告する内容を読み上げる。ちなみに声は女性であった。その内容であるが、以下の通りである。警告あなたのコンピュータでウイルスが検出されました。ただちに提供された番号に電話していただくと、あなたのコンピュータ上のアドウェア、スパイウェア、ウイルス除去のためにガイドされます。このメッセージが表示されたということは、あなたの個人情報、写真、パスワードやクレジットカード情報が危険にさらされているということです。提供された電話番号に連絡していただけるまでは、インターネットの使用、Webサイトにログインすることや、オンライン上での商品の購入はなさらないでください。文面は、かなり日本語に精通した人が作成したと思われるレベルである。しかし、「ガイドされます」のように不審を感じ得ない部分もある。また、実際に音声を聞いた印象であるが、完全なネイティブとは思えない印象であった。このことから、海外の攻撃者が、明確に日本人を狙った攻撃といえるだろう。IPAに寄せられた相談内容によると、「PCサポート」といったWebサイトのアクセスしたところ、音声データが不意に再生されたとのことである。その詐欺サイトへは、広告バナーのクリックやリダイレクトによるものとIPAでは指摘する。音声を再生するのは、BGMなどと同じ仕組みである。その詐欺サイト閲覧したら、ウイルス感染などを調べることなく、無条件で警告音声を再生するようになっていた。警告音声にあったように、表示されたメッセージにある電話番号に電話をかけるように薦められる。このような手口に遭遇したことのないユーザーの中には、不安から電話をしてしまったユーザーもいたとのことである。そして、電話では遠隔サポートによるウイルス駆除を行うので、指定された遠隔操作ソフトのインストールを行うように告げられたとのことである。実際に、遠隔操作ソフトをインストールすると、なんらかの遠隔操作が行われた。その後、有償のセキュリティ対策ソフトの購入を促された。IPAでは、遠隔操作ソフトは速やかにアンインストールするように推奨した。有償のセキュリティ対策ソフトは断ればすむ。しかし、IPAではもっとも確実なのは、このような誘いに乗らず、指定された電話番号に決して電話をかけないこととしている。そして、IPAでは、日頃からのセキュリティ対策こそが重要と注意喚起する。脆弱性の解消、正しいセキュリティ対策ソフトの導入、地味であるが確実な対策となる。それを決して忘れないでほしい。その一方で、筆者が脅威に感じるのは新たな手口を考え、攻撃を仕掛ける攻撃者である。ウイルスや不正プログラムなどに大きな変化はない。それ以上に巧妙化しているのは、ドラマ性であったり、危機感を煽る演出、注力を働かせないようにする工夫である。個人データを入力するまえに、重要な判断をするまえに、今一度、振り返ってみることがいかに重要か。改めて思い知らされた事例であった。
2015年08月04日情報通信研究機構(NICT)は7月28日、安静時の脳活動の脳画像データに対して脳内を活動の類似性で色分け(モジュール化)することで、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定する安定的な手法を開発したと発表した。同成果は、NICT脳情報通信融合研究センター(CiNet)の下川哲也 主任研究員と大阪大学大学院連合小児発達学研究科の橋本亮太 准教授らによるもの。詳細は「第38回日本神経科学大会」にて発表された。統合失調症は約100人に1人が発症する精神障害で、診断は医者が症状を診ることでなされ、客観的な検査などで判断する方法は確立していなかった。今回の研究では、統合失調症のデータ解析に向け、ネットワーク理論におけるモジュールに着目。従来、個人のモジュール構造のバラつきが大きいことから、集団を特徴付けるモジュール構造を推定することができなかったが、研究グループでは、統合失調症患者の安静時脳活動のfMRI(機能的磁気共鳴画像)データに対して、被験者間の差を考慮しつつ、従前の各個人でモジュール分け(色分け)する方法ではなく、新しい試みとして、平均化せずに、全員を一度に色分けすることで、モジュール解析する手法を新たに開発することで、結果のバラつきが少なく、安定的に、統合失調症患者群と健常者群それぞれに特徴的な脳部位モジュールを推定することを可能とした。今回の成果について研究グループでは、患者の主観的意見に左右されない、脳画像のデータに基づく客観的な診断法につながり、精神医学領域において注目される成果だとするほか、同手法を活用することで今後、医療の現場で実際に使えるような、医者の診断を補完する自動診断システムの開発に発展することが期待されると説明している。
2015年07月28日●ウイルスバスタークラウド10と太田雄貴選手トレンドマイクロは、ウイルスバスタークラウドの新バージョンとフェンシングの太田雄貴選手とのスポンサー契約を発表した。○太田雄貴選手とのスポンサー契約太田選手であるが、北京五輪にて日本フェンシング界の初のメダル(銀)の獲得、ロンドン五輪では団体銀メダル、2015年の世界選手権で金メダルを獲得したことで知られる。今回、トレンドマイクロ社が太田選手とのスポンサー契約を結ぶにあたって、代表取締役社長兼CEOのエバ・チェン氏は以下のように語った。フェンシングの名前は「FENCE(守る・囲い)」から生まれたもので、相手の攻撃からの防御、変化する相手の攻撃に対応する戦略性などが重視される。この発想は、トレンドマイクロの脅威からの防御、そしてさまざまな手法で攻撃を仕掛ける攻撃者に対応する姿勢と一致する部分がある。そして、各種大会での立派な成績もさることながら、小学生のフェンシング大会の企画・プロデュースなども手掛け、若い選手への育成にも力を注いでいる。こういった活動を高く評価すると、エバ氏は語っていた。さらに、エバ氏自身が、フェンシングが大好きであることも、スポンサー契約の理由の1つとのことである。エバ氏は、コーチからつねに早く、集中力を高め、相手の攻撃を予測できなければならないと教わった。トレンドマイクロの驚異対策も同じで、いかに早く驚異への対策を講じ、未知の脅威への対策と同じ姿勢が求められる。トレンドマイクロでは、太田選手のスポンサーとしてさらなる活躍と成長を支援するとともに、次世代選手育成キャンプなどの支援を継続し、グローバルに活躍する人材の育成の協力に取り組む予定とのことである。太田選手は、この場に立てることをとても感謝しているという言葉から挨拶が始まった。太田選手もトレンドマイクロが大切にしているフェンスとフェンシングには、とても似通ったものがある。相手の先の攻撃を予測して防御する点も、トレンドマイクロの思想とフェンシングが共感していると思うと語った。東京五輪が開催される2020年のセキュリティについて尋ねられると、インターネットと実社会は非常に近いものとなっている。それはこの先もより加速していくだろう。5年後、もっともっと近い存在となっていくがゆえに、ウイルスの脅威も増大していくのではないかと答えた。2020年には、ウイルスバスターに守ってもらいながら、次世代のアスリートを育成し、もしかしたら自分もチャンスがあれば、五輪にチャレンジしたいと夢を語っていた。○ウイルスバスタークラウド10必要な10理由続いて、ウイルスバスタークラウド10の発表となった。まずは、エバ氏がウイルスバスタークラウド10が必要な10の理由を披露した。以下の通りである。SNSWeb閲覧ネットバンキングネットショッピング動画視聴仕事遊び共有通信学習たとえば、共有ではOneDriveが、Windows 10の登場でより普及が進むと予想される。そこで、ウイルスバスター10では、クラウドストレージのスキャン機能が搭載された。実際にデモが行われ、CPU負荷がほとんどかからないことが示された。このように、新しいOSによる新しい環境や利用形態に沿ったものとなっていることを強調していた。○トレンドマイクロのコンシューマビジネス次いで登壇したのは、取締役副社長の大三川彰彦氏である。まず、トレンドマイクロが27年間貫き通したビジョンの「デジタルインフォメーションを安全に交換できる世界実現」、そしてミッションとして「お客様のデジタルライフやITインフラを脅威から守る」を再確認した。そして、環境の変化についてふれた(図3)。多くのユーザがPC以外にもスマホなど複数のデバイスを持つ、平均的には1人で3.5台になる。しかし、PCのセキュリティ対策はしても、スマホなどの対策があまり行われていない。次に、クラウドサービスが普及する一方で、セキュリティへの懸念が拡大している。また、トレンドマイクロのデジタルライフサポートの利用者も急増している。これは、複雑化するデバイスの設定がわからない。警告が表示されたが、どう対応していいかわからないといったものである。実際にサポートで、何が起きているかを確認するだけで、30分もの時間を費やしてしまうこともあるとのことだ。こういった問題を解決するために開発されたのが、ウイルスバスタークラウド10である。以下では、個々の新製品の新機能などを見ていこう。●ウイルスバスタークラウド10/モバイルの新機能○ウイルスバスタークラウド10の新機能など製品紹介は、マーケティング本部プロダクトマネジメント部の石橋達司氏である。まずは、PC用の製品である。新機能などは図6の通りである。Windows、Mac以外にも、Android、iOS、Kindle Fireなどにも対応する。クラウドストレージスキャンであるが、図7を見てほしい。ユーザのPCを介さずに直接スキャンを行う。現状、対応するのはOneDriveのみであるが、Microsoftから提供されるAPIを利用してスキャンが行われるとのことだ。そして、デジタルライフサポートプレミアムであるが、特徴的なのはユーザ側にサポートツールをインストールすることで、ユーザの環境を直接サポートが知ることができる。OSなどの情報はもちろん、今、ユーザの画面で何が起きているかを把握できる(図8では、怪しげなポップアップが表示されているが、それもモニタ可能だ)。さらには、サポートからコントロールパネルを開くといった操作も可能になる。障害のより詳しい把握、サポート時間の削減などが期待できるだろう。一方、Windows 10の新ブラウザEdgeでは、一部の機能(ブラウザガード、リンクの安全性表示)はサポートされない(現時点では対応次期は未定とのことだ)。○ウイルスバスターモバイルの新機能などAndroidなどのモバイルデバイス向けのセキュリティ製品が、ウイルスバスターモバイルである。今回の新機能などは、図9の通りである。オンラインバンキングなどでの安全性の向上が期待できる機能が追加された。図10は、偽アプリを検出そたこの対象であるが、国内の主要銀行でオンラインバンキング用のアプリを提供する銀行を対象としている。トレンドマイクロでは、この仕組みを作る前に存在するアプリにスキャンを実行し、問題があれば銀行に連絡をとったとのことである。新バージョンへの対策であるが、すでにチェックが終わったアプリは定期的に確認をしている。新たなアプリについては、一定間隔で確認を行うとのことである。大三川氏のマルチデバイスの普及に関して、平均3.5台という数字をあげていた。今回の標準パッケージでは、3台までのデバイスが利用可能である。しかし、家族のすべてのデバイスに対応できない。そこで、トレンドマイクロでは、OKAERIという月額制のサービスも提供している(台数無制限)。状況によっては、こちらも検討したい。
2015年07月27日九州大学(九大)は7月21日、アトピー性皮膚炎に伴う慢性的な痒みのメカニズムに、「アストロサイト」と呼ばれる細胞が関わっていることを発見したと発表した。同成果は同大学大学院薬学研究院ライフイノベーション分野の津田誠 教授、白鳥美穂 学術研究員らの研究グループによるもので、7月20日(現地時間)に米科学誌「Nature Medicine」オンライン版に掲載された同研究では、アトピー性皮膚炎モデルマウスを用い、マウスが引掻く皮膚と神経でつながっている脊髄後角で、神経系を構成する非神経細胞であるグリア細胞の一種「アストロサイト」が長期にわたって活性化していることを発見した。さらに、このアストロサイト内では、遺伝子の発現を促すタンパク質「STAT3」が働いていて、その働きを阻害することで、アストロサイトの活性化と引掻き行動が抑えられることを確認した。また、アトピーマウスの脊髄の遺伝子を調べたところ、活性化アストロサイトが、炎症に応答して産生されるLCN2というタンパク質を作り出し、それが脊髄後角ニューロンでの痒み伝達物質の作用を強めてしまうことも判明した。慢性的な痒みはこれまで主に皮膚を中心に研究されてきたが、今回の研究でアストロサイトの重要性が明らかになったことで、痒みのメカニズムの解明だけでなく、アストロサイトを標的とする新たな治療薬の開発につながることが期待される。
2015年07月22日東京都福祉保健局はこのほど、海外旅行における感染症の注意点などをまとめた「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」を同局のホームページにて公開した。エボラ出血熱をはじめとする国内未確認症例を含め、海外にはさまざまな感染症が存在する。そこで、海外旅行者が増えると見込まれる夏休みシーズンを前に、海外旅行における感染症の注意点などをコンパクトにまとめたガイドを東京都が作成した。「海外旅行者・帰国者のための感染症予防ガイド」には、感染症予防のポイントや帰国後の健康状態をチェックできる独自の体調管理シートなど、すぐに活用できる情報が一目でわかるようになっている。例えば、旅行前に行う準備として、旅行先の感染症情報の収集方法や、必要な予防接種と受けられる医療機関の探し方が記されている。旅行中に気をつけるポイントとしては、「手洗いが基本」「生水や氷、カットフルーツ、サラダに用心すべき」「はだしでの水遊びは禁物」などが挙げられている。また、海外旅行から帰国した後に「発熱」「下痢」「皮膚の異常」などの症状が出た場合、どのような状態が続けば医療機関を受診すべきかもまとめられている。同ガイドは7月17日より、都内のパスポートセンター4カ所(有楽町、新宿、池袋、立川)において、無償で配布する予定。なお、東京都福祉保健局のホームページからも自由にダウンロード可能となっている。
2015年07月13日情報処理推進機構(IPA)は6月29日、「【注意喚起】潜伏しているかもしれないウイルスの感染検査を今すぐ!:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、最近の相次ぐウィルス感染の報道などを受け、自社の端末に関してウィルスの感染チェックを実施するなどを取り組みを呼びかけた。組織内のすべての端末のウィルスチェックが困難である場合であっても、外部からメールを受け取るといったような、マルウェア感染の入口となるような危険性の高い端末からチェックを実施するように指摘している。不審なファイルや不審な通信を発見した場合には、次のような対策を取ることが推奨されている。該当する端末をネットワークから切り離すファイアウォールやプロキシサーバで通信をブロックするセキュリティベンダなどの専門家へ相談するマルウェアに感染した端末やサーバの存在に気がつかないまま日々の業務を執り行っている企業の数は少なくなりとみられる。定期的にマルウェアに感染していないかチェックするとともに、感染が疑われる場合には適宜対処することが求められる。
2015年06月30日カリフォルニア プルーン協会はこのほど、カナダ・モントリオールで開催された「骨粗しょう症の栄養学的側面に関する国際シンポジウム」において、プルーンの有益性を示唆する2件の研究が報告されたと発表した。同シンポジウムにおいて、カリフォルニア大学サンフランシスコ校の内科教授のバーナード・ハロラン博士は、プルーンの摂取と骨量増加の関連性について発表。マウスの食餌にプルーンを取り入れると、幼体期と成長期のマウスだけではなく、若年成体と成体のマウスでも、骨量増加を助ける可能性があることがわかったという。この結果を受け、ハロラン博士は「プルーンが生涯の早い時期から骨の健康をサポートし、もしかしたらわれわれの加齢に伴う骨関係の問題への有効な対策になりうる可能性が示唆されます」とコメントした。ポスターセッションでは、サンディエゴ州立大学運動栄養科学科の研究員・助教授のシリン・フーシュマンド博士が閉経後の女性を対象とした新しい研究結果を発表した。これまでの研究では、閉経後の女性が1年間にわたってプルーン1日100グラム(2サービング相当、約10~12個)を摂取すると、骨密度(BMD)が増加し骨代謝回転指標が改善されるという関係が明らかになっていた。同博士は今回、プルーンの摂取量を50グラム(1サービング相当、約5~6個)に減らした場合の有用性について研究したという。その結果、骨の健康改善と骨量減少の進行抑制に対しては、1サービングのプルーンでも有効かもしれないということがわかった。同博士は「風味豊かなドライフルーツで手軽な軽食でもあるプルーンが、骨量減少の予防に役立つ可能性があるのです」と研究の成果を語った。骨粗しょう症治療用の処方せん薬は進歩しているが、長期的有用性などの問題も多い。今回の研究結果を受けて、同協会は「プルーンは手軽でコストパフォーマンスの高い軽食および食材としてさらなる研究に値する」と期待を寄せている。
2015年06月22日水の安全性や選び方などをあらためて考え直すことを目的とする「水を考えるプロジェクト」はこのほど、20代~70代の全国の男女600名を対象に実施した「熱中症に関する意識実態調査」の結果を明らかにした。調査期間は5月27日~28日。まず「熱中症になったことはありますか」と尋ねたところ、23.0%が「ある」と回答した。次に熱中症の症状で、暑い時期に自覚したことがある症状について聞いた。現場での応急処置で対応できる軽症の熱中症である「めまい、失神、立ちくらみ」は52.2%が、「手足のしびれ・気分の不快」は13.7%が、「筋肉痛・筋肉の硬直」は6.2%が自覚した経験があると回答。半数以上の回答者が、軽度の熱中症の諸症状を経験していることが明らかとなった。熱中症の自覚症状があるのは約4人に1人に対し、実際に軽度の熱中症の症状を経験がある人は2人に1人となっていることから、自覚していない"隠れ熱中症患者"が多いことがわかる。熱中症対策として、1日どの程度の水分を摂取しているか尋ねところ、最も多い回答は「501ml~1,000ml」(42.0%)だった。環境省は「1日に飲料として摂取すべき水分量の目安は1.2リットル」としているが(※)、それに該当する「1,200ml以上」と回答した割合は19.0%で2割にも満たなかった。熱中症対策として、1日にどの程度の水分を摂取する必要があると思うか聞くと、環境省が目安として挙げている「1.2リットル以上」を選択した人は27.0%だった。そのほかの7割以上は、熱中症対策の水分補給に関して正しく理解していないことがわかった。今回の調査では、2人に1人が「隠れ熱中症」であることが明らかになったが、医学博士で管理栄養士でもある井上正子先生によると、「隠れ熱中症」は、自分で気づいたときには、重症化していることが多いという。「自覚がなくても、呼気や皮膚から水分は失われています。喉が渇いたと感じたら、すでに脱水気味になっていることが多いので、喉が渇く前から水分補給をした方が良いでしょう」と、熱中症予防には、こまめな水分補給が有効であるとアドバイスしている。※環境省の「熱中症環境保健マニュアル III熱中症を防ぐためには」より
2015年06月22日ラックは16日、遠隔操作ウイルス「Emdivi」(エンディビ)に感染している国内企業が増加しているとして、注意を喚起した。Emdiviは日本年金機構における個人情報流出の原因と報道されているウイルスで、これに不安を感じた企業からの調査依頼により感染が判明するケースが多くみられたという。同社が運営する、情報セキュリティに関する事件や事故、懸念に対応する「サイバー救急センター」の調査では、Emdiviが発見された事例数が2015年6月に過去最高となった。しかし、それらの感染時期は2014年末と推定され、「Emdiviに感染していながら気付いていない企業が多く存在している可能性がある」として、注意を呼びかけた。標的型サイバー攻撃では、特定の組織や個人が反応してしまう、周到に用意された詐欺メールを送付。添付ファイルなどから感染したPCに対し、第三者の企業のPCを踏み台(攻撃拠点)にして指令を出し、重要な情報を継続的に窃取する。ラックでは、組織全体の防御レベル向上を図るだけでなく、セキュリティを突破された際の対策、復旧手段を日頃から訓練しておくことが重要だと指摘。情報の暗号化やダミーの混入といった施策などを、セキュリティ専門家と検討しておくことが必要だとしている。
2015年06月16日ラックは6月16日、サイバー救急センターにおいて対応した標的型サイバー攻撃に関する調査を行い、遠隔操作ウイルス「Emdivi:エンディビ」に感染が今年度に入って急増していると警告した。同社の調査によると、Emdiviによる感染被害は最近始まったのではなく、昨年末より徐々に増え始め、昨今の標的型攻撃に用いられた遠隔操作ウイルスの報道で不安を感じた企業からの調査依頼により、徐々に感染事実が判明し始めているという。同社では、同社が今回の脅威への対応のため新たに用意した「情報漏えい危険度測定パッケージ」を活用することで、遠隔操作ウイルスのあぶり出しと、標的型サイバー攻撃への耐性を調べることが可能だとしている。「情報漏えい危険度測定パッケージ」の発売期間は7月31日までで、価格は198万円(税別)。
2015年06月16日夏は、熱中症や夏バテで体調を崩しがち。でも、それだけでなく感染症にも注意が必要だというのをご存知ですか?感染症と言えば、インフルエンザなど冬のイメージ。ところが、夏に流行る感染症もあるので油断は禁物です。そこで今回は、医師の佐藤留美先生に夏に気をつけるべき感染症について聞いてみました。「夏にとくに注意したいのは、子どもがかかる感染症。咽頭結膜熱(プール熱)、手足口病、ヘルパンギーナなどがあります」佐藤先生は7歳の男の子のママ。あまりなじみのない病名が挙げられましたが、これらは珍しいものではなく、子どもを持つママは知っておいたほうがいいものだそう。「どの病気も高熱が出るのが共通する症状です。さらに、咽頭結膜熱(プール熱)では、ノドや目が充血したり、ヘルパンギーナではノドの奥の扁桃に小さいプツプツができて腫れたりします。手足口病は手や足、口の周りに水泡ができたりもします」咽頭結膜熱(プール熱)は、だいたい3~5日ぐらいで熱も下がり、症状は落ち着くと言いますが、手足口病やヘルパンギーナといった病気の原因となるウイルスは、夏から秋にかけて流行します。エンテロウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスといった聞きなれない名称ですが、実はこのウイルスは、こういった手足口病やヘルパンギーナといった病気を引き起こすのではなく、髄膜炎を引き起こすウイルスなのです。さらに、エンテロウイルスは「便」として排出されて、口の中に発疹ができるので、非常に痛がり水分が取れず脱水症状になる可能性も。そのため、熱が下がらなかったり、頭痛や嘔気・嘔吐などの症状があるときは、早めに医師の診察を受けられてください。「髄膜炎を合併したりすると、即入院して、安静、点滴などの治療が必要」とのことなので、怖いですね。夏の感染症や夏風邪にかからないために大切なのは、冬と同様予防をすることです。ただし、インフルエンザのようなワクチンはないそう。そこで、佐藤先生は、「手洗い、うがいは冬のイメージですが、夏も大切です」と言い、ご自身が実行するのはもちろん、息子さんにも徹底されているとか。さらに、「睡眠や栄養を十分にとり、抵抗力をつけることや、二酸化塩素を主成分とする除菌剤など除菌グッズを使って、手やよく手の触れる所などの除菌、空間除菌をすることが大切」とアドバイスをいただきました。これらは子どもがかかる感染症ですが、実は子どもから大人に感染することもあるので、大人も注意が必要だそう。また、感染すると大人のほうが重症化するケースが多いそうなので、特に気をつけたいですね。まだ子どもがいなくても、甥っこや姪っこ、女友達の子どもなど、小さな子どもに接する機会は意外にあるものです。そんなときは、手洗いやうがいなどを意識的にして、注意を払いましょう。冬は、ウイルス対策をして、インフルエンザなどの感染症を予防している人は多いはず。けれども、夏でも感染症に注意する必要があるというのは、いつかママになる日のためにも知っておきたいですね。もちろん、手洗い、うがい、空間などの除菌といった予防対策についても、今からしっかり覚えて、意識的に実行しておきましょう。<佐藤 留美先生プロフィール>2002年医師免許取得、2012年医学博士号(甲)取得。現在は、呼吸器内科にて常勤医。日本内科学会認定内科医、日本内科学会総合内科専門医、日本呼吸器学会呼吸器専門医、インフェクションコントロールドクター、「日本感染症学会感染症専門医、日本化学療法学会化学療法認定医・指導医、日本結核病学会抗酸菌認定医・指導医、肺がんCT検診認定医」。Doctors Meにて、女性の健康や美容などについての記事を執筆中。二酸化塩素を使用した除菌剤「クレベリン」製品ページは こちら
2015年06月15日イーバランスは、「ROOMMATE」ブランドから「ROOMMATE パーフェクト高速ブレンダー EB-RM3600」(以下、EB-RM3600)を発売した。希望小売価格は税込19,800円だ。EB-RM3600の最大の特徴は、2枚の刃を3段配置した「マルチレイヤーブレード」。毎分3,500回の高速回転をするモーターを搭載し、食材をすばやくカットできるうえ、消費電力800Wのパワーで氷などの固いものも切削可能だ。ミキサーカップの容量は1,700mlと、小鍋1杯分のスープを一度に調理できる。付属品の「泡立て器」パーツに取り換えることでホイップクリームやメレンゲも作れる。連続使用時間は3分以内で、本体サイズは約W201×D215×H405mm、重量は約2,650g。
2015年06月15日IPAは6月10日、組織のウイルス感染の早期発見と対応に関する注意喚起を公表した。この喚起は、企業・組織の経営者、システム管理者を対象に行われたものだ。標的型サイバー攻撃の被害事案増加を踏まえ、その対策と運用管理の注意喚起が6月2日に行われた。今回の注意喚起は、相次ぐ報道を受け、多くの組織においてウイルス感染の有無に関する懸念が広がっていると想定されることから実施された。ウイルス感染の懸念がある場合、まずウイルスに感染して攻撃活動が始まっていないか、ウイルスの活動の痕跡の確認を行う必要がある。このような確認が、ウイルスの早期検知と被害低減につながるという。ウイルス活動の痕跡を確認するには、以下の4つのポイントがある。○ファイアウォール、プロキシサーバーの確認ファイアウォールやプロキシサーバーのログにおいて、ウイルスによる外部のC&Cサーバー(感染PCに命令を送るサーバー)への通信を確認する。このログで、数秒や数分間隔で繰り返し行われているなど、人間によるウェブサイトの閲覧では起こりえない特徴的な通信が行われていないか、注意する必要がある。○業務上想定していない通信の確認ウイルスはプロキシサーバーを経由せずに直接外部へ通信を試みる場合がある。そのため、端末のインターネット接続がすべてプロキシ経由で、直接のインターネット接続は遮断されている場合は注意が必要だ。直接外部と通信を行おうとして遮断されている通信がないか、ファイアウォールにおいてブロックされた通信のログを確認することも重要だという。また、Active Directoryサーバーやファイルサーバーなどの端末からWindows Updateなどの通信を除いたインターネット向けの通信が無いか確認したい。もし通信があれば、意図的なものか注意が必要だ。なお、国内のサイトが改ざんされ、C&Cサーバーとなっている可能性もある。そのため、国内のウェブサーバーへの通信だから安全とは判断せずに、通信内容を精査する必要がある。○Active Directoryのログの確認Active Directoryを運用している組織は、ログなどから下記のような不審な兆候がないか確認する必要がある。想定されないアカウントでのログイン想定されない端末やサーバーへのログイン想定されない端末での管理者ログイン想定されない時間帯のアクセス想定されない管理者操作やポリシーの変更○Active Directoryサーバーやファイルサーバーなどの確認見覚えのないタスクがタスクスケジューラーに登録されていないか確認する。また、タスクのイベントログに見覚えのないタスクの実行履歴が残っていたら注意する必要がある。また、不審と思われる通信などを行っている端末を発見した際はすぐに対応する必要がある。対処方法は下記の4点だ。○該当の端末をネットワークから切り離すこれにより、被害は最小限に抑えられる。その上で該当の端末や通信ログなどを詳細に調査する。○ファイアウォールやプロキシサーバーでのブロック不審な通信先を発見した場合、ファイアウォールやプロキシサーバー、導入済みの場合はウェブフィルタリングシステムで、不審な通信先との通信をブロックする。これにより、更なる通信が防げる。○セキュリティベンダなどの専門家に相談する正確な被害範囲や感染原因を把握した上で対応を進める。これにより、該当の端末が踏み台とされ、既に他の端末へウイルス感染が広がっている場合の被害拡大を防げる。このほか、継続的な脆弱性対策を実施することも重要だという。攻撃者に一度侵入されてしまうと、Active Directoryサーバーなどの内部サーバーの脆弱性も攻撃者に悪用される恐れがある。IPAでは、クライアント端末だけではなく、Active Directoryサーバーなどの内部サーバーにもソフトウェアの更新プログラム(パッチ)の適用することを推奨している。
2015年06月11日難病の「拘束型心筋症」と診断された1歳の女児・金澤佳代(かよ)ちゃんを救うため、佳代ちゃんの両親である金澤輝宏さん、亜矢子さんの友人らが「かよちゃんを救う会」を立ち上げた。このほど、米国での手術や渡航などに必要な費用を集める募金活動を開始した。拘束性心筋症とは、心室の壁が固く広がりにくくなることによって心不全を起こす病気。症状として呼吸困難や倦怠(けんたい)感、不整脈、胸痛などが起こり、進行すると肝不全や腎不全など他の臓器にも影響を及ぼすとされている。現状では、発症メカニズムや治療法は解明されていない。佳代ちゃんは出生前から「総肺静脈還流異常症」と診断され、生後1年がたった2014年11月にも重度の肺高血圧症が疑われるなどしており、2015年1月の米国コロンビア大学での検査結果などを踏まえ、「拘束型心筋症」と診断された。佳代ちゃんの命を救うには、心臓移植が必要だという。同会が目標としている募金金額は、2億2,000万円の移植手術費用などを含めた総額2億4,500万円(1ドル120円換算)。6月10日時点で9,400万円を超える募金が集まっている。今年4月には、金澤さん夫妻や佳代ちゃんの主治医である東京女子医大の清水美妃子医師らが厚生労働省を訪れ、活動支援を呼びかける会見を行っている。同会の活動などを受け、千葉県議会議員や金澤さん夫妻が住む千葉県流山市の井崎義治市長らも応援メッセージを寄せている。募金などに関する詳しい情報は、「かよちゃんを救う会」の特設ページまで。
2015年06月10日情報処理推進機構(IPA)は6月2日、「【注意喚起】ウイルス感染を想定したセキュリティ対策と運用管理を:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構」において、サイバー攻撃は年々巧妙になっており、重要な業務や機密情報を保護する対策を実施する際は、ウイルスに感染したことも想定したうえで多重防御を実施してほしいと呼びかけた。IPAは多重防御の管理・運用のポイントとして次のような項目を挙げている。ソフトウェアを最新版へ更新する作業を習慣化するとともに徹底するセキュリティソフトウェアの導入メールの添付ファイルのブロックの実施Webフィルタリングの実施セキュリティ脅威の内容を教育によって伝える標的型攻撃などを受けたことを想定した訓練の実施一般端末と重要業務システムの分離の実施部署などの業務単位でのネットワークの分離の実施共有フォルダアクセス権の適切な設定データの暗号化やパスワードによる保護の実施有事の際に迅速に対応できるように体制を整備本来はウイルスに感染しないことが望まれるが、多くの人材が活動する企業において、すべての従業員をウイルスから100%保護することはなかなか難しい。したがって、ウイルスへの感染を前提とした仕組みを確立しておくことは、被害を最小限に抑えるうえで有益と言える。
2015年06月04日アクト・ツーは5月26日、未知のウイルスからPCを守るアンチウイルスソフト「DeP(ディフェンスプラットフォーム HomeEdition)」の無償版を一斉配布すると発表した。「DeP(Defense Platform)」は、ウイルスをAPIで察知・捕捉し対処する。新型ウイルスの侵入も阻止する「情報漏洩対策」として開発された技術を搭載している。アクト・ツーによると、日本は先進国の中でもホワイトリスト型セキュリティソフトの導入が遅れているという。そのため、開発元であるハミングヘッズの全面協力の下、日本国内での認知度と普及を促進するために、無償版の配布を決めたという。また、米国でも同日に無償版の提供を開始する。日本国内で900社以上が導入する「メイドインジャパン」の技術を米国市場でも本格的に普及させることを目的としており、米国版「DeP」は「SHINOBI」という名称で提供される。使用期間に期限はないが、利用者側で操作できるリスト項目数は1000個(有償版は無制限)までに限定される。
2015年05月27日春はあたたかいので感染症の流行する季節ではない……。そんなふうに思っている人も多いかもしれません。でも、女性はとくに気をつけたい病気「風しん」は、5月が流行のピークを迎えることが多いのだそうです。“女性はとくに”と書いたのは、妊娠したときに風しんにかかっていると、おなかの中の赤ちゃんに影響を及ぼすことがあるから。耳が聞こえなくなったり、重い心臓病になってしまったりする「先天性風しん症候群」を発症する恐れがあるからです。発症してしまった場合、完治する手立ては今のところありません。だから、予防接種をきちんと受けて、体の中に抗体をつくることが大事なのです。と、ここで「あれ、私はワクチン接種してるのかな?」と思った人もいるのでは?そんな人は、下記の関連リンクでチェック。この中の表を見れば、自分がどの時期に予防接種を受けた可能性があるかわかります。これをもとに、ご両親に聞いたり、ご自身の母子手帳を見たりして、ぜひ確認してみてください。今の子どもたちや24歳くらいまでの人は、風しんワクチンを2回接種した世代ですが、25歳以上の人たちは、1回接種。シロタ産婦人科名誉院長の久保隆彦医師によれば、1回接種の人たちは、2回接種の人たちよりも抗体が弱く、もう一度接種したほうがいい場合もあるとのこと。「両親に聞いても覚えてなかった」「母子手帳が見つからなかった」などという人も含めて、これらの人たちは抗体検査を受けるとよいでしょう。妊娠を希望する女性なら無料で受けられるので、おすすめです。最後にもう一つ。男性は妊娠する生き物ではありませんが、風しんに感染し、それを女性にうつしてしまう可能性はもっています。中でも、36歳以上の男性は定期接種のなかった世代なので、より注意が必要です。自治体によっては、男性の抗体検査が無料の場合も。パートナーと先天性風しん症候群の話をして、一緒に抗体検査を受けるとよいでしょう。将来の赤ちゃんのために、みんなができること……。自分事として考えていきたいですね。◇「風しん」予防は社会、職場全体の問題風しんワクチンの接種はなぜ大切? Vol.2(妊娠出産インフォ)
2015年05月27日東北大学は5月25日、1970年代以前によく見られ、一旦は収まっていた感染症「レプトスピローシス(ワイル病)」が近年、東北地方で再発生していると発表した。同成果は東北大学災害科学国際研究所 災害医学研究部門・災害感染症学分野の研究グループによるもので、5月1日付けの「Tohoku Journal of Experimental Medicine」に掲載された。レプトスピローシスは、古くから存在する人獣共通感染症で、重症型はワイル病として知られる。重症化すると急性腎不全、肝不全、脳症などを起こし、死に至る場合もある。感染源はラットなど動物の尿で、それがヒトに経皮感染すると考えられている。世界では年間30万~50万人の患者が存在し、洪水などで増加することが報告されており、2009年にはマニラの洪水のあとに大流行したとされる。日本では1970年代以前に宮城県でよく見られたが、その後農業の機械化や衛生面の改善により患者数は減少した。近年では2008年に秋田県で1例報告されるに留まっていたが、2012~2014年の間に4例の感染報告がされた。中には、ネズミに噛まれて発症した例があったという。東北大学は、今回の発病と災害は直接の因果関係がないとしつつも、災害時に被災者が自然界に近い生活を強いられるため「東北地方にお住まいの方々は、災害時、このような疾患が起こりうるとの知識を持っておくことが大切です。また、医療関係者も、発熱疾患を診た際は、この疾患の可能性を考えることが大事です」とコメントしている。
2015年05月25日今年もそろそろ“熱中症”に注意が必要な季節になってきた。総務省消防庁のまとめによると、2010年以降、6月~9月にかけて熱中症で救急搬送された人の数は、2013年の5万8,729人を筆頭に、毎年4万5,000人から5万5,000人前後で推移している。2014年は若干低くなったものの、約4万人が救急搬送されている。○熱中症の原因は?そもそも熱中症とは、高温の環境下で体内の水分や、ナトリウムやマグネシウムといったミネラルのバランスが崩れたり、体内の調整機能が低下するなどにより発症する障害の総称。最悪の場合には死に至る可能性もあり、体温調節機能が未発達な乳幼児や、体温調節や発汗機能が低下している高齢者は特に注意が必要とされる。熱中症が起こる主原因は、体内のミネラル分の不足。夏場は、気温とともに体温も上昇することから、人間の身体では発汗と血液を皮膚に集めることで、体外に熱を放出して体温を下げようとする機能が働く。しかし、その際に汗に含まれるミネラルが大量に失われてしまうことから、体は体内のミネラルの濃度を一定に保つために水分を減らすように働くため、血液量が減り、血液による脳への酸素供給が不十分となった結果、めまいやふらつきを引き起こすのだ。ミネラルは人間の体内では生成できない成分。それゆえ、飲食に補給する必要がある。水分だけでなく、ミネラル不足を補うために、スポーツ飲料が飲まれることが多いが、乳幼児から高齢者まで年齢を問わず誰でも手軽にミネラル補給ができる飲み物として、「ミネラル入りむぎ茶」を勧めるのは漢方専門医でノザキクリニック院長の野崎 豊先生だ。「体内で発生した熱は、血液によって皮膚に集めることで、その熱を体外に放出して血液の温度を下げて、体内に戻していくことで、体内の熱を下げます。そのため、水分やミネラルが不足していて、血液がドロドロ状態になると、血液の流れが悪いため、皮膚に血液を集めることができずに熱を放出しづらくなり、熱が体内にこもり熱中症にかかってしまいます。そのため、熱中症対策には、“血液さらさら効果”のあるミネラル入りむぎ茶を飲むことオススメします」と野崎先生。ほか、「血液がドロドロしていると、血液中にかたまりができてしまうこともあり、このかたまりが血管壁を傷つけたり、血管を詰まらせたりすると全身の器官や臓器の機能低下を招いて心筋梗塞や脳梗塞などの症状を発症させる恐れもありますので、"血液さらさら効果"は、それらの予防にも効果的だと言えるでしょう」と付け加えた。○ミネラル入りむぎ茶の知られざる効果ミネラル入りむぎ茶の“血液さらさら効果"は、2003の「第11回日本ヘモレオロジー学会」で、伊藤園、赤穂化成、ノザキクリニックの共同研究成果として発表されている。健常な男性22~23人がミネラル入りむぎ茶と2種類の一般的なむぎ茶を飲んだ後に、一定量の血液が流れる時間を測定すると、ミネラル入りむぎ茶が最も血液流動性が高い結果が示されたとのことだ。また、野崎先生によると、ミネラル入りむぎ茶には“体温下降効果”もあるという。健常な男性4人がミネラル入りむぎ茶とミネラルウォーターを飲用する前と飲用30分後の体温変化をサーモトレーサー(赤外線熱画像カメラ)で測定する実験では、ミネラル入りむぎ茶を飲んだ被験者の腹部・胸部の体温は1.7℃下がったが、ミネラルウォーターを飲んだ被験者の体温は逆に0.6℃上昇するという結果が得られたそうだ。「人は体内で発生した熱を血液によって皮膚に集めることで、その熱を体外に放出するほかに、汗の蒸発により体の熱を奪うことで体温を下げています。しかし、湿度が75%を超すと、汗は蒸発することができなくなります。すると、ダラダラと汗が出るだけで熱を奪うことができず脱水状態となり、熱中症につながります。でも、体温下降効果のあるミネラル入りむぎ茶は、体の余分な熱を奪い、体の内部体温を低下させるので、熱中症対策に効果的と言えます。日本の夏は湿度が高いため熱中症になりやすい環境。ミネラル入りむぎ茶は、刺激物であるカフェインも含まず、お子様から高齢者、冷え性の方、妊婦の方にも安心な飲料です」と野崎先生は説明する。また、熱中症対策にはミネラルの定期的な補給が必須とのこと。野崎先生は「ミネラルの補給は、血液内に吸収されたときにしか効果がありません。一時にまとめて補給を行うよりも少しずつ毎日継続的に飲むことが大切です。意外に知られていないことですが、熱中症は発生した当日の水分不足から起こるのではなく、数日前からの水分とミネラル不足が原因で発生するのです。ですから、常日頃から十分なミネラルの補給を心がけてほしいと思います」と話し、熱中症への耐性獲得には2~3カ月ほど掛かることを付け加えたうえで、日常的なミネラルの補給の必要性を強調した。毎日飲むという点でも、お茶は飽きが来づらい現実的な飲み物。熱中症対策として、今年の夏はミネラル入りむぎ茶を常用しておきたい。
2015年05月13日セックスには欠かせないアイテム、コンドーム。避妊に役立つのはもちろんのこと、性感染症などを防ぐためにも大切な、れっきとした医療器具です。そんなコンドームの知られざる意外な真実を、『DailyEntertainment.me』を参考に7個まとめました。これを読むと、コンドームがいかに世界中で大活躍しているか、よくわかりますよ!■1:スウェーデンには電話一本でコンドーム支給「あれ、コンドームがない!」そんなとき、コンドームなしでセックスしてしまうのを防ぐために、スウェーデン政府は全く新しい解決方法を編み出しました。なんと電話一本でコンドームを宅配してくれるサービスを提供することにしたのです。その名も『コンドーム救急車』。公衆衛生のためにコンドームを配布することは増えてきましたが、ここまでするとは驚きです。■2:インドの人口増加はコンドームが原因のひとつ少子高齢化が進む日本に対して、人口を増やし続けている勢いのある国がインド。しかしインドの人口増加には、実はコンドームが関係しているという説があります。コンドームはたくさんの国に出荷されているため、世界の標準サイズに合わせて作られています。しかしインド人の男性器のサイズにコンドームが合っておらず、セックスの途中に脱落して避妊に失敗してしまうのだとか。■3:オリンピック選手が必要なコンドーム数は14個2010年、バンクバーバーオリンピックでは、選手村で無料コンドームを配布しました。7,000人の選手に対して10万個も用意していたにもかかわらず、すぐになくなってしまい緊急追加したそう。これは選手ひとりあたり14個になるという驚きの数字です。■4:なんと1836年はコンドームを再利用していた昔々のコンドームは、今のように工場で大量に作られるものではありませんでした。医者が装着しなければならず、しかも洗って再利用されていたのだとか。使用済みコンドームを何度も装着するなんて、悪夢ですよね……。さぞかし気持ちの悪かったことでしょう。■5:冷戦期にコンドームをバラ撒く作戦が検討されたアメリカ合衆国とソビエト連邦、ふたつの国が水面下で激しく争った冷戦期。アメリカでは、特大のコンドームに“ミディアム”と印字してソ連にばらまき、アメリカ男性の力強さを印象付けようとする計画がCIAによって本気で計画されていたことがあるそうです。■6:コンドーム使用が禁止されていたことがある現在でも麻薬は持っているだけで違法になるように、1936年のアメリカでは、コンドームを所有していることは罪になりました。他にもカトリックは堕胎を認めていないことで知られていますが、同様にコンドームも認めていません。■7:コンドームの感想を上司に報告する会社がある海外で活躍するコンドームメーカーの最大手『Trajan』では、社員を対象にした自社製品のモニターテストを実施しています。つまりコンドームを家に持ち帰り、使った感想を報告するのです。上司に事細かにセックスライフを報告するなんて、そんな会社ならちょっと入ってみたいかも?このように、人種、国家、民族全てを越えて使われるコンドーム。それゆえに意外な一面も持っていること、おわかりいただけたでしょうか?(文/和洲太郎)【参考】※Bizarre Facts You Didn’t Know About Condoms-DailyEntertainment.me
2015年04月28日季節の変わり目は、疲れやすいものです。上着がいらないぐらいの暖かさかと思えば、コートが必要なほど寒い日もあったり。でも、もしあなたの疲れが慢性化しているなら、何かほかに原因があるのかも。毎日の習慣を見直してみるべきでしょう。疲れ知らずの健康体質をつくるポイントをご覧ください。【食事】水分や鉄分補給はだいじょうぶ?わたしたちの体内の60~65パーセントは水ですが、水分量がたった2パーセント減っただけでも体内の機能が低下してしまうそうです。汗をかきやすいこれからの時期は、水分補給をしっかりしないと、疲れやすくなるだけでなく、熱中症や脱水症状の原因にも。利尿作用のあるカフェインを含むコーヒーや紅茶よりも、水を飲んだ方が効果的!水が苦手なら、水分補給に加えてビタミンなども効率よく摂取できるデトックスウォーターを飲んでみてはいかがでしょう?また、「鉄分不足」もよくありません。体がだるく感じたり、イライラしたり、貧血の原因に。牛肉の赤身や大豆製品、豆類、卵やゴマ、ナッツなどを積極的に食べましょう。なかでも、青のりやひじきなどの海草類は、100g当たりの鉄分含有量がレバーよりも多いので、たっぷり摂るようにしたいですね。みそ汁の具や、煮物にしてみましょう。鉄分の吸収率は、ビタミンCと合わせることで高まりますよ!【休息】スマホのチェックは、就寝1時間前までについつい見たくなってしまうスマホは、ベッドに持ち込まない方がよさそうです。スマホやタブレット、PCやテレビなどの強い光源は、睡眠ホルモン「メラトニン」の働きを邪魔してしまうのだとか。ぐっすり休むためにも、スマホのチェックは就寝1~2時間前を目処に切り上げるようにしましょう。どうしてもという時には、スクリーンとの間隔を35cm程度に保つようにすれば、睡眠へのダメージは少ないそうですよ。【職場・プライベート】「できません」と言えるようになって!心苦しいときもあるかもしれませんが、時にはきちんと断るのも大切なことです。うまく断ることができなければ、ストレスや疲れは溜まる一方。わたしは以前、勤めていた会社の社長に、「1日1時間でも、好きなことに費やす時間は大切。自分の時間を削ってまで気乗りのしない誘いに付き合ったり、ムダな残業をする必要はない」と言われて以来、困ったときには彼の言葉を思い出すようにしています。この発言、的を得ていると思いませんか?「できない」「やらない」と断ることも、時には必要です。無理をしないようにしましょうね。疲れを翌日に持ち越すと、仕事のパフォーマンスも下がります。一日の疲れはその日のうちに解消して、ハッピーな毎日を過ごしましょう!※関連記事ストレスで肌がボロボロに…!! 春、キレイになるための「心のケア」って?
2015年04月27日バイエル薬品はこのほど、全国の20代~60代の男女1,000人を対象に実施した「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH/シーテフ)と、難病に対する生活者の意識と身近な症状に対する調査」の結果を明らかにした。調査期間は3月16日~18日。CTEPH は、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(chronic thromboembolic pulmonary hypertension)の略称。CTEPH では、肺の血管の内側に血のかたまり(血栓)が詰まり、血液が流れにくくなって、肺動脈へかかる圧が上昇する「肺高血圧症」と呼ばれる状態が続く。肺と心臓の血液の流れが悪くなるため、息苦しさや身体のだるさ、胸の痛みなどさまざまな症状が現れるのが特徴だ。調査で日頃感じる症状を聞いたところ、「疲れやすさ」や「だるさ」があると回答した人は70%以上と多数にのぼることが明らかになった。ただ、「疲れやすさ」や「だるさ」を感じていても、半数近くの人が「特に何もしない」と回答しており、一般病院や診療所などの医療機関を訪問する割合は5%以下になっている。難病に対するイメージを尋ねたところ、「社会生活が困難」「明確な治療法がない」「かかったら治らない」について「そう思う」と回答した人がそれぞれ85.2%、84.3%、78.4%と約8割を占めた。調査対象となった難病についてその認知度を尋ねたところ、「パーキンソン病関連疾患」「クローン病」「潰瘍性大腸炎」はいずれも半数を超えた。しかし、その他の疾患の認知率は半数以下で、特に「慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH/シーテフ)」は12.6%と約1割強にとどまっている。この数値は、CTEPH(シーテフ)と同数レベルの患者数を持つ「肺動脈性高血圧症」や「アミロイドーシス」などの難病と比較しても低い結果だった。CTEPHに関する情報を提示した後、あらためて「だるさ」や「疲れやすさ」などの症状に対する対処法を聞いたところ、「特に何もしない」が減少。一方で、病院に行くと回答した割合が共に3割以上まで増えている。
2015年04月27日デング熱をはじめとした蚊媒介感染症についての情報を発信するため、このほど「みんなで防ごう! デング熱プロジェクト」が発足した。ウェブサイトもオープンし、対策法や最新情報について情報を公開している。2014年8月、約70年ぶりに日本国内でデング熱感染者が確認された。デング熱は蚊が媒介するウイルス感染症で、感染すると潜伏期間を経た後に発熱や激しい頭痛、関節痛などの症状が出る。日本では2014年10月31日時点で感染者数は160人と報告されていたが、世界的に見ても、最近の数十年間でデング熱にかかる患者数が増加している。同プロジェクトは、デング熱をはじめとした蚊媒介感染症および害虫リスクへの予防意識を高め、虫よけ活動をサポートすることなどを目的に立ち上げたもの。ウェブサイトでは、デング熱など蚊媒介感染症に関する正しい知識や対策、最新情報を掲載している。4月中旬からは、蚊や害虫専門家の嘉糠洋陸教授(東京慈恵医科大学)や、皮膚科医の馬場直子先生などによるデング熱対策や、虫よけの必要性に関するコラムも掲載予定とのこと。早期からの対策の重要性や具体的な対策法について啓発を行っていく。そのほか、マダニなど蚊以外の害虫リスクも掲載する。
2015年04月14日警視庁は4月10日、ネットバンキングを狙ったウイルスの無力化作戦を説明したWebページを公開した。同庁によると、2014年におけるネットバンキングの不正送金被害は1876件、被害額が約29億と過去最悪を記録した。不正送金の多くは、ボットネットと呼ばれるウイルスに感染したPCのネットワークが関係している。あるPCがウイルスに感染していると、そのPCを経由して他のPCを感染させたり、C&Cサーバーとしてデータを経由する踏み台とされるケースが存在する。今回、警視庁では、日本のネットバンキングを利用するユーザーを狙ったボットネットを撲滅する「ネットバンキングウイルス無力化作戦」を実施。全世界で約8万2000台、国内だけでも約4万4000台存在する感染端末を特定し、不正送金被害を防ぐための対策を行った。こうしたボットネットの撲滅作戦は、世界規模で行われており、3月にもシマンテックやマイクロソフトらがRamnitボットネットのテイクダウンを行っている。しかし、今回の無力化作戦は日本独自のもので、初の試み。総務省やTelecom-ISAC Japanと連携して、感染PCの利用者に対してウイルスの駆除依頼も行っている。こうした取り組みのたびに言われていることではあるが、PCのウイルス感染は、自分自身が被害に遭うだけではなく、他人の金銭的被害などにも寄与してしまう恐れがある。そのため、ウイルス対策ソフトの導入やPCのOS、利用しているソフトウェアを常に最新の状態に保つことで、セキュリティリスクを抑えるよう警視庁では呼びかけている。
2015年04月10日九州大学はこのほど、ウイルス感染による糖尿病発症に関わる遺伝子を発見したと発表した。同成果は九州大学大学院医学研究院保健学部門の永淵正法 教授と、生体防御医学研究所、宮崎大学医学部、佐賀大学医学部、大分大学医学部、愛知県衛生研究所、シカゴ大学医学部らの共同研究グループによるもの。4月7日付け(現地時間)の国際学術誌「Nature Communications」に掲載された。ウイスル感染によって糖尿病を発症する可能性はこれまでも指摘されており、糖尿病を誘発する脳心筋炎ウイルスD株(EMC-Dウイルス)が一部の系統のマウスのみに高率に糖尿病を誘発すること、さらにその感受性遺伝子は単一であることが知られていたが、その責任遺伝子はわかっていなかった。一方、近年の研究でEMC-Dウイルスの感染によって糖尿病になるかどうかは、自然免疫が重要であることが明らかとなっていた。今回の研究では、ウイルス感受性の高い系統のマウスでは、ウイルス感染の防御に働くインターフェロンの効果を発揮するために必要なTyk2遺伝子に異変が起きていることがわかった。また、これらTyk2遺伝子異変マウスの通常の細胞では、高濃度インターフェロン刺激によりウイルス抵抗性が回復したが、インスリンを作る膵臓のランゲルハンス島β細胞では回復力が少なかった。このことから、ウイルス感染を受けてもTyk2遺伝子が正常に働かず防御機能が低下し、インスリンを作るランゲルハンス島β細胞が破壊されてしまい糖尿病が発症していたことがわかった。今回の成果は、マウスに比べてよりウイルス感染に感受性が高いヒトにおいてもウイルス感染が糖尿病の危険因子の1つとなり得ることを示すもので、今後、ウイルス糖尿病の病態の解明、糖尿病を起こしやすいウイルスの発見、わらにはそのワクチンの開発につながることが期待される。
2015年04月10日電気化学工業は3月31日、グループ会社であるデンカ生研が北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの高田礼人 教授と共同で、エボラウイルス迅速診断薬を開発したと発表した。同診断薬は、デンカ生研が製造・販売している感染症迅速診断キット「クイックナビ」シリーズのプラットフォームをベースとし、血清を検体とした測定を実施する。米国の施設で実施された試験では、約15分でエボラウイルス感染の有無を判定することができた。「クイックナビ」シリーズが採用するイムノクロマト法は特別な器具や装置を必要としないため、簡便かつ迅速な検査が可能。そのため、今回開発されたエボラウイルス診断薬は電源が十分でない地域での活用が期待される。
2015年04月01日不正送金や遠隔操作など個人、法人を問わず様々なウイルスやマルウェアの被害を受ける可能性が高まるなか、家庭でもすぐに実現できる強固なセキュリティ環境の構築方法について識者らによる解説が行われたのが、去る3月15日(日)に東京・秋葉原で開催されたセミナー「あなたのPCは安全?動作が重い?自宅でもできる次世代セキュリティ対策 ― DefensePlatform書籍出版記念セミナー ―」だ。このセミナーの講演でハミングヘッズの顧問 石津広也氏は、「これまでできなかった防御を可能にする純国産セキュリティ」をテーマに、アンチウイルスソフトを中心としたこれまでのセキュリティ対策では難しかった未知の脅威からPCを守る方策を「DefensePlatform」の解説を通して披露した。その模様をレポートする。○アンチウイルスソフトの限界と現在進行形の新たな脅威創業15年の技術ベンチャーで、純国産のセキュリティソフトメーカーであるハミングヘッズ。その最大の強みは、WindowsAPI監視に関する特許を有しており、プログラムに不正動作をさせない技術を製品に実装できる点にある。Windows上で動くソフトウェアはすべてAPIを使用するため、そこを監視できれば、ソフトウェアの挙動を完全に把握し、そしてコントロールすることが可能となるのである。こうした極めて優位性の高い独自技術を背景に、同社の情報漏えい対策製品は電力、金融、官公庁といった機密性の高いシステムを扱う企業や組織を中心に約900社もの導入実績を誇る。24時間365日、サービスを停止させることが許されない重要インフラ企業でも十数年にわたって使われ続けており、そのような信頼性の高いコア技術をベースに標的型攻撃対策製品として開発されたのが「DefensePlatform」である。石津氏は、「これまでいくつものセキュリティ対策製品が守れなかった脅威であっても確実に守れるように開発したのが『DefencePlatform』です」と語る。ここで同氏は、昨今の脅威の深刻さを端的に示すマルウェア被害の実例を2つ紹介した。1つは、2013年12月に米国小売大手T社で、2014年9月には米国小売大手H社で発生した情報漏えい事件である。どちらの事件も同じ手法でPOSネットワークが攻撃され、クレジットカードなどの情報が盗み出された。その被害件数は前者が7千万件、後者が最大6千万件に及ぶ。いずれの攻撃にも同じマルウェアが使われているが、T社の事件を知っていたH社も情報漏えいを防ぐことはできなかった。もちろん、アンチウイルスソフトやIPSなど一般的なセキュリティ対策は実施済みだ。石津氏はこう力説する。「なぜ両社はウイルスに気付かなかったのか? それはアンチウイルスソフトは基本的に、過去に発見されたマルウェアが記されたパターンファイルによって検知を行うため、検知されないよう工夫された新種や亜種への対応が遅れがちであり、また攻撃先が1社の場合はそこで発見されない限りマルウェアの存在に気付くことができないからだ。さらにPOS端末は機能が限定されているために、監視項目がサーバーなどに比べて少なくなりがちなことから、被害に気づきにくい傾向にある」もう1つのマルウェア被害の実例は、昨年より脅威が叫ばれているMITB (マン・イン・ザ・ブラウザー) 攻撃によるインターネットバンキング不正送金である。警察発表によると、昨年この攻撃によって29億1000万円に及ぶ被害が発生しており、そのうち37.3%が法人口座での被害だという。MITB攻撃に用いられるマルウェアは次々と新種亜種が作られるため、やはり既存のアンチウイルスソフトでの検出が困難だ。加えて、通信先が正規の銀行サイトのため、通常のネットワーク監視を行っていても異常を検知しにくい。「つまり、既存のアンチウイルスソフトが効かず、さらにネットワーク監視でも発見できないような攻撃が蔓延していることが、今日のセキュリティの大きな問題なのです」(石津氏)実際、アンチウイルスソフトでは現在流出しているマルウェアの45%しか検出できない、と大手セキュリティベンダーの幹部が発言して波紋を呼んだことは記憶に新しい。○プログラムの「今」の挙動を監視する「DefensePlatform」の実力とは既存のアンチウイルスソフトやネットワーク監視ソリューションが限界に達している中にあって、その限界を突破する新たなソリューションとして登場してきたのが「DefensePlatform」だ。これまでのアンチウイルスソフトは、前述のように過去に発見されたマルウェアと突き合わせて検知を行うという、過去の事例に依存する方式を採用している。「ビルの管理にたとえるならば、入り口に警備員が立っていて、来訪者と犯罪者リストを照らしあわせ、リストになければ通すということになります。これでは、もしリストに記載されてない悪意を持つ人間がいたとしても入り放題となってしまう。それがパターンファイルの限界なのです」(石津氏)対して「DefensePlatform」の仕組みは、Windows内部のプログラムの動作を監視し、プログラムが自動で破壊・改ざん・漏えいしようとする動きを制止するというものだ。そのため、マルウェアが新種であろうと亜種であろうと (さらにはたとえ正規のプログラムであろうと) 一定の疑わしい動作をすればそれを見つけて止めることができるのである。「ビルの監視で言えば、ビル内の人々の行動を監視していて、悪いことをしたら即座に捕まえるということ」と、石津氏は表現している。○ホワイトリスト方式のセキュリティを支援する豊富な機能現在は、毎日20万件ものマルウェアが新たに登場していると言われており、もはやアンチウイルスソフトのように過去のデータと突き合わせる「ブラックリスト方式」では脅威を防ぐことはできない。「DefensePlatform」のように、あらかじめ許可したプログラムだけに動作を認める「ホワイトリスト方式」への発想の転換が切実に求められているのだ。とはいえ、これまでにあったホワイトリスト型と言われるセキュリティ製品は、使うアプリケーションをすべて把握して登録設定が必要となり、実用性の面で問題があるといった事例が多数あった。しかし「DefensePlatform」の場合、WindowsのOS本体や国内企業でよく使用されているビジネスアプリケーションはあらかじめホワイトリストに登録済みなので、基本設定だけで高度なセキュリティを実現することができるのである。さらに、新たにアプリケーションをホワイトリストに追加登録する際も、ダイアログのボタンで簡単に行えるようになっている。また、アプリケーションごとに「他のユーザーがどのような選択をしたのか」という情報が、グラフなど視覚的に提示されるため、判断に迷った際の参考になる。他にも、端末に負荷がかかるスキャンが一切不要であるため、性能が不足しがちなタブレット端末でも快適に使用できる点も特筆に値する。「これまでできなかった対策ができるようになる反面、カバーできない部分も存在します。UTMなど他のセキュリティ製品と組み合わせることで、本当の意味で安心できるWindows環境を作っていける製品だと自負しています。Webサイトでは評価版も用意しているので、ぜひその効果を実感してください」──石津氏は会場に向けてこう訴えかけ、セッションを閉じた。なお、「DefensePlatform」を活用した家庭でのセキュリティ環境構築方法の詳細については、今回のセミナーの題材となった書籍(マイナビムック)「PCセキュリティ“超” 向・上・計・画」を参照するといいだろう。
2015年03月27日「最近おりものが多い」「下腹部が痛む」といった症状を感じたことはあるだろうか。実はこれらの症状はSTD(性病・性感染症)のサインかもしれないのだ。今回は、女性には自覚症状が無い場合も多い「性器クラミジア感染症」と「淋菌感染症」の症状や予防法、治療方法などについて、STDの郵送検査キットを販売するアルバコーポレーションの萬田和志社長に話を伺ったので紹介しよう。○クラミジアに感染すると、HIV感染リスクも増加萬田社長によると、「いつもよりおりものが多い」「下腹部の痛み」などの症状から疑われるSTDには、「性器クラミジア感染症」と「淋菌感染症」があるという。性器クラミジア感染症「クラミジアトラコマティス」という病原体を原因とする病気で、単に「クラミジア」と呼ばれることもある。感染者との粘膜同士の接触や精液、腟分泌液を介して感染するため、セックスやオーラルセックス、アナルセックスなど、あらゆる性行為で感染の可能性がある。またクラミジアに感染していると、粘膜が炎症を起こした状態になり、抵抗力が落ちてHIV(エイズの原因ウイルス)に感染する可能性が3~5倍も高くなるとされている。淋菌感染症「淋菌」を原因とする病気で、「淋病」とも言われる。感染経路は性器クラミジア感染症と同様で、あらゆる性行為で感染の可能性がある。特に近年では、オーラルセックスで咽頭(のど)に感染する例が多くなっている。■症状女性の場合は、「おりものの増加」「不正出血」「下腹部の痛み」「性交時の痛み」などが主な症状。オーラルセックスで咽頭(のど)に感染すると、「のどの腫れ、痛み」「発熱」などが起こることがある。どちらも子宮頸管へ感染して子宮頸管炎を起こす。感染が広がって、骨盤内にまで炎症が広がることもある。女性の場合は、これらの感染症に感染しても症状を感じないことが多い。気づかないまま放置すると、「卵管炎」を起こし、子宮外妊娠や不妊症などの原因にもなるため、注意が必要だ。「女性の不妊症のうち、『卵管』に原因があることが30~40%と最も多く、そのうちクラミジア感染が原因となっているのが60%以上と言われています。症状からは感染に気づきにくいため、不妊で受診して初めてクラミジア感染がわかるという例もあるようです。予防できなかった性行為があるなら、症状を感じていなくても検査を受けることが大切です」。○抗生剤で治療し、必ず再検査を性器クラミジア感染症は発症まで1~3週間、淋菌感染症は2~7日ほどが一般的とされている。どちらも検査自体は、感染した可能性があった日から2~3日経っていれば可能。もし感染が認められたら1~7日間、抗生剤で治療する。性器クラミジア感染症では服薬、淋菌感染症では筋肉注射や静脈注射などを行う。また、正しく服用しないと不完全治癒の可能性もあるので、治療後に再度検査を受け完治を確認することが好ましい。性器クラミジア感染症の場合は、治療終了後から3~4週間後、淋菌感染症の場合は、治療後3日以降に再検査するのがベストだ。「特に淋菌感染症は、抗生剤が効かない耐性菌の問題もありますので、医師の指示に従って治療を受け、完全に治すことが大切です。オーラルセックスで咽頭(のど)に感染しても、症状を感じることは少なく、気づかないままパートナーへの感染源になることもあるようです。オーラルセックス時にも、必ずコンドームを使用してください」。女性は自覚症状が無いことが多いので、少しでも違和感を覚えたら、まず検査してみることが大切だ。いきなりの検査に抵抗を感じる場合は、自分で検査できるキットを使うという選択肢もある。写真と本文は関係ありません取材協力: アルバコーポレーションSTD(性病・性感染症)の不安を感じながらも対面での検査を受けにくいと感じている人のために、匿名で検査ができる郵送検査キット「STDチェッカー」による検査サービスを提供。運営サイト「STD研究所」を通して、STDについての正しい情報を発信し、STDにまつわるさまざまな不安や悩みの解決を目指す。
2015年03月24日