宝塚歌劇団星組の次回作の制作発表が2月8日、宝塚バウホールにて行われた。今回上演するのは、名曲の数々で彩られるオペレッタの傑作『こうもり』をミュージカル化した『『こうもり』…こうもり博士の愉快な復讐劇…』と、星組の魅力を余すところなく見せるショー・スペクタキュラー『THE ENTERTAINER!』。会見では最初にトップスター・北翔海莉(ほくしょう・かいり)、トップ娘役・妃海風(ひなみ・ふう)、紅ゆずるがパフォーマンスを披露。トップコンビが滑らかなハーモニーを聴かせたり、思わず身体が揺れるアップテンポの爽快な楽曲で楽しませてくれた。宝塚歌劇星組『『こうもり』…こうもり博士の愉快な復讐劇…』/『THE ENTERTAINER!』のチケット情報『こうもり』の作・演出を手掛けるのは谷正純。2013年にオペレッタとして有名な『メリー・ウィドウ』を谷がミュージカル化し、北翔主演で上演した際、北翔が「今度は『こうもり』をやってみたい」と谷に話したことが上演に繋がった。「夢を叶えていただいて、本当に光栄です。私が演じるのは物理学者のファルケ博士で、計算違いのない愉快な復讐劇を繰り広げていきます。いつもの発声とは異なるクラシックな発声で、なおかつ歌の中できちんとストーリーをお伝えすることを大切にして取り組み、お客様に楽しんでいただける作品にしたい」と北翔。相手役の妃海はアイゼンシュタイン公爵家に仕えるメイド・アデーレ役だが、ファルケ博士との恋模様も描かれる。「本格的なオペレッタは初めてですので、大きな課題だと思っています。初日までにハッピーな気持ちで演じられるように日々全力で取り組みたい」とコメント。そしてファルケ博士にさまざまな復讐を仕掛けられるアイゼンシュタイン公爵役の紅は「復讐を仕掛けられていることに気付かず、欲望のままに動く楽しいおじさんの役です(笑)。周りの状況にうまく巻き込まれていきたい」と語った。また、第2幕は作・演出家、野口幸作の大劇場デビュー作で、北翔主演の星組にとって初めての大劇場ショー作品。そして、102期生の初舞台公演でもある。「トップハット、羽根扇、大階段といった王道アイテムを詰め込んだプロローグ、初舞台生のロケット、盆やセリを使った100人以上の大スペクタクルな人海戦術。北翔のマルチぶりを見せる歌、ダンス、笑い、楽器演奏、他にも…」と、とめどなく出てくる野口の構想を聞くだけでも期待が高まる。そして野口の「初舞台生に対する応援歌を紅に歌ってもらう」という言葉を受け、紅は「初舞台を踏んだときの初心を、ここでまた思い出せるのではないかなと思っています。初舞台生への応援歌を自分自身に向けても歌いたいと思います」と語った。兵庫・宝塚大劇場公演は3月18日(金) ~ 4月25日(月)まで。チケットは発売中。また、東京宝塚劇場公演は5月13日(金) ~ 6月19日(日)まで。チケットは4月10日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2016年02月15日モスバーガーを展開するモスフードサービスは2016年3月下旬まで、「とびきりハンバーグサンド『傑作ベーコン』」と「とびきりハンバーグサンド『傑作ベーコン』スライスチーズ入り」を「モスバーガー」店舗(一部店舗除く)にて販売している。○こだわりのベーコンやたっぷりの野菜をはさんだハンバーグサンド「とびきりハンバーグサンド」は2008年の発売以来、累計1億1,600万食(2015年10月末時点)を販売している人気シリーズ。国産肉(豚・牛合挽き肉)を100%使用したジューシーなハンバーグは、通常パティより約1.5倍の重量で食べ応えあるボリュームに仕上げており、肉本来の味わいをじっくりと楽しめるハンバーガーになっているという。『とびきりハンバーグサンド「傑作ベーコン」』は、シャキシャキなレタスとトマトの上に、国産肉(豚・牛合挽き肉)を100%使用したハンバーグと、厚さ4mmにカットして鉄板で焼いたベーコンを乗せ、店舗でソテーしたオニオンとデミマスタードソースを合わせた。贅沢素材のベーコンとボリュームあるハンバーグ、たっぷりの野菜を入れたハンバーガーは、手に持つとずっしりとした重さを感じる、ボリューム満点な食べ応えのある商品になっているとのこと。価格は550円(税込)。『とびきりハンバーグサンド「傑作ベーコン」スライスチーズ入り』は、『とびきりハンバーグサンド「傑作ベーコン」』にスライスチーズを加えることで、さらにコクのある味わいが楽しめる。価格は580円(税込)。現在販売中の定番商品『とびきりハンバーグサンド「プレーン」』(410円・税込)、『とびきりハンバーグサンド「チーズ」』(440円・税込)と合わせ、計4品を販売。なお、『とびきりハンバーグサンド「傑作ベーコン」スライスチーズ入り』は、同シリーズ史上最重量、最高価格帯のハンバーガーとなる。
2015年12月11日ディズニー・アニメーション・スタジオの傑作短編を集めたブルーレイ/DVD『ディズニー・ショートフィルム・コレクション』がリリースされたのを記念して、収録作品『ミッキーのミニー救出大作戦』のプロデューサー、ドロシー・マッキムのコメントが公開になった。その他の画像『ディズニー・ショートフィルム・コレクション』は、1999年製作の『ジョン・ヘンリー』や、近年に公開された『紙ひこうき』『愛犬とごちそう』『アナと雪の女王/エルサのサプライズ』など、ディズニーの短編12本を収録した貴重なアイテム。ブルーレイにはボーナスコンテンツも収録されている。数々の名作、傑作を生み出してきたディズニー・アニメーション・スタジオにとって、短編の製作は現在でも重要な役割をしめている。ディズニーの歴史の中で、初めてのトーキー作品、初めてのカラー作品がどちらも短編だったことからもわかるように、スタッフは短編で新しい技術、新しい表現、新しい題材に挑んできた。『ミッキーのミニー救出大作戦』もチャレンジングな作品で、ミッキーやミニーがスクリーンを飛び出して、大騒動を展開する。本作のプロデューサーを務めたマッキムは「ミッキーマウスを主人公にしたショートフィルムを作ることになり、アイディアを出し合っていた時に、監督のローレン・マクマランが、“古いディズニー・アニメーションの手描きのセル画のキャラクターを白黒のまま見せているときに、突然スクリーンが破れ、その穴から外側(映画館)にキャラクターが飛び出した途端に、カラーのCG映像になる”というアイディアを、ジョン・ラセターに提案したのが始まり」と振り返る。彼らは、モノクロのパートを“かつて本当に作られたミッキー映画”のように見せるため、徹底的にリサーチを重ねて、色や動き、効果音を完璧に再現した。「ミッキーの声を演じているウォルト・ディズニーの生の声、そしてピートを担当したビリー・ブレッチャーによるオリジナルの声も聞いてください。30年代、40年代のアーカイブから探し出した、オリジナルの音声です」。本作の完成度は極めて高く、ディズニーのスタッフたちも、この映像が“クラシック”だと信じ込んでしまったようだ。ちなみに、その時の模様をスタッフが語った映像がボーナスコンテンツに収録されている。ブルーレイとDVDには他にも様々なジャンルの短編が12作品も収録されており、マッキムは「創造性とオリジナリティが溢れる作品ばかりなので、ぜひディズニー映画の多様性を楽しんでください。まったく未知の世界に観る人を連れていってくれるだけでなく、がんばれば夢は叶うことを教えてくれます。フィルムメーカーやアニメーターを目指す人は、特に観てくださいね!」とメッセージをおくっている。『ディズニー・ショートフィルム・コレクション』ブルーレイ+DVDセット 3800円+税DVD2800円+税発売中発売:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2015年08月27日ギラギラ照りつける真夏の太陽を浴びると、身体の奥底からプリミティブなリズムが湧きあがってきて、本能のままに踊ってみたくなりませんか? えっ、紫外線は気になるし、ただでさえ夏は弱いのにとんでもない? いえいえ、エアコンの効いた涼しいお部屋でお楽しみください。人間が本来、持っている“踊りたい!”という欲求を、余すところなく満たしてくれるダンスシーンが見事な映画たち。特に、狂おしいほど魅力的なラテンのステップが、これでもか!これでもか! と楽しめるマンボ、フラメンコ、タンゴは、ダンスに興味がなくてもその肉体美に目がクギ付けに! お薦めの傑作映画を3本をご紹介します。セクシー&官能的なダンスで、マンボの魅力に開眼▼「マンボ・キングス わが心のマリア」監督:アーネ・グリムシャー出演:アーマンド・アサンテ, アントニオ・バンデラス, キャシー・モリアーティキューバからニューヨークへ、アメリカンドリームを夢見てやってきた歌手のセサール(アーマンド・アサンテ)と、作曲家でトランペッターのネスター(アントニオ・バンデラス)兄弟。彼らが、アメリカのショウビズ界でスターダムに上りつめる様子が、情熱的なラテンのリズムに乗って、スタイリッシュに描かれます。1950年代、マンボ全盛期のニューヨークを背景に、アメリカの伝説的なコメディ番組「ルーシー・ショー」に二人が出演するシーンも。1992年製作で、これが英語圏の映画初出演となるアントニオ・バンデラスが、恋に悩む初々しくも激しい青年を好演。“最高にセクシーで、狂おしいほど官能的”という謳い文句通り、圧巻なダンスシーンが見物です。音楽好きにはたまらない、ラテンミュージックのトップスターたち、セリア・クルーズ、ティト・プエンテ、リンダ・ロンシュタット、ロス・ロボスらが、なんと実際に登場! ノリノリで歌い踊るシーンからは、本場の熱気がムンムン伝わり、一緒にステージを囲んでいるような気持ちになることでしょう。思わず腰が動いちゃう1本です。一流アーティストたちが華麗なる共演を果たした鳥肌もののドキュメンタリー▼「フラメンコ・フラメンコ」監督:カルロス・サウラ出演:パコ・デ・ルシア, サラ・バラス, マノロ・サンルーカル, ホセ・メルセー, ミゲル・ポペダ「血の婚礼」「カルメン」「恋は魔術師」のフラメンコ3部作が有名なスペインの巨匠カルロス・サウラ監督と、アカデミー賞撮影賞に輝く“光の魔術師”ヴィットリオ・ストローラが、スペインを代表する一流アーティストたちをドキュメンタリーで描いた傑作。フラメンコはともかく、ダンスシーンを延々見せられるのはちょっと…という方、ご心配なく! 1曲ずつ独立した21幕で構成され、ダンサーと歌手とバンド、ダンサーとギタリスト、ピアニスト2人、群舞など、それぞれが個性豊かに登場するオムニバス的な演出。美術館で個々の展示室を巡るように優雅に鑑賞でき、決して暑苦しくありません。フラメンコ界の“神”と称される、ギターのパコ・デ・ルシアを始めとするマエストロたちと、新世代の豪華なダンサーたちの華麗な競演は鳥肌もの。ダイナミックなダンスを最高に美しく見せる美術や衣装も秀逸で、本国スペインで“最高の芸術作品”と讃えられた本作。スペインに次ぐフラメンコ人口を誇る日本でも、きっとロングセラーになるはず。見事なダンスシーンと望郷のせつなさ…踊ることは生きること▼「タンゴ ガルデルの亡命」監督:フェルナンド・E・ソラナス出演:マリー・ラフォレ, フィリップ・レオタール1976年の軍事クーデターで、誘拐、拷問、虐殺が日常化したアルゼンチンから、パリに亡命した女優のマリアナ(マリー・ラフォレ)は、同じく亡命してきたバンドネオン奏者や仲間たちと、音楽劇「ガルデルの亡命」を上演しようと腐心中。ところが、官憲の眼を盗んで祖国から送られてくるはずの台本の結末が、いつまでたっても届かなくて…。ガルデルとは、不世出のタンゴ歌手、カルロス・ガルデルのこと。人気の絶頂期にあった1935年、アメリカから故郷ブエノスアイレスへ帰る途中、飛行機事故で早逝。この映画では、彼の録音した2曲の音源が使われ、アルゼンチン人の漂白の悲しみが伝わります。本作で新しい音楽を担当したタンゴの革命児、アストル・ピアソラは、試写でガルデルの歌を聴いて泣き出してしまったとか。音楽劇のリハーサルが進行していくストーリーで、見事なダンスシーンが続き、まるでミュージカルのような展開にワクワクしっぱなし。とはいえ、電話線だけでかろうじて祖国と繋がっている人たちのせつない思いも胸に迫って…。同じく亡命を体験しているフェルナンド・E・ソラナス監督が、望郷の念、愛、明日への希望をユーモアと詩情を散りばめて描き、数々の映画賞を総なめにした1985年の傑作。ぜひご堪能ください。美しいだけでなく、生きることと踊ることが一体化した“命のダンス”は、人生を浄化してくれる清流のように、私たちを癒し昂揚させてくれるでしょう。人間ってすごいな! そんな人間賛歌を感じるダンスで、心身を思う存分リフレッシュさせてください。・ 「マンボ・キングス」 ・ 「フラメンコ・フラメンコ」 ・ 「タンゴ ガルデルの亡命」
2015年07月31日1950年代末にフランスで始まった映画運動で、当時の若者のみならず、現在に至るまで絶大な人気を博しているヌーヴェルヴァーグ。フランス語で「新しい波」という意味のヌーヴェルヴァーグ(Nouvelle Vague)は、50年以上経った今なお、様々な分野において大きな影響を与え続けているのです。そこで、7月4日よりBunkamuraル・シネマで行われる特集上映企画では、『ヌーヴェルヴァーグの恋人たち』と題してヌーヴェルヴァーグが生んだ名作を一挙上映。今回は、フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダール、レオス・カラックスといったヌーヴェルヴァーグの名手たちがおくる珠玉の21本がスクリーンに甦ります。映画史上に残る傑作の数々から発せられる“波”は、スクリーンで観てこそ肌で感じられるというもの。時を経てもなお色褪せず、新しささえ感じさせる映画の魅力を堪能してください。巨匠たちが描く恋人たちの物語とあわせて、パリのファッションや音楽も満喫してみては?さらに、今回はうれしいリピーター割引もあるので、気になる作品はすべて鑑賞して、この夏はヌーヴェルヴァーグの世界にどっぷり浸ってみましょう。時を越えてあなたのお気に入りの一本に出会えるかも。ヌーヴェルヴァーグの名作をスクリーンで観ることができる貴重な4週間をぜひお見逃しなく!イベントデータ:Bunkamuraル・シネマ特集上映企画『ヌーヴェルヴァーグの恋人たち』会期:7月4日(土)~7月31日(金)会場:Bunkamura ル・シネマ(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura 6F)主催:Bunkamura料金:¥1,300均一(リピーター、学生は¥1,000)
2015年06月23日トム・クルーズの同名映画で知られる傑作軍事法廷サスペンス『ア・フュー・グッドメン』。映画公開より23年の時を経て、日本オリジナル版の上演が決定した。舞台『ア・フュー・グッドメン』キューバの米海兵隊基地で起きた殺人事件。その弁護にあたった法務総監の若きメンバーたちは、軍隊内の落ちこぼれに対する暴力的制裁「コード・レッド」の存在を知り……というストーリー。元の作品では20人以上の人物が登場するが、今回の上演にあたり演出の鈴木勝秀が脚本を一部改定、キャストは7人に絞りこまれた。殺人の被疑者として裁かれる若き海兵隊・ドーソンを演じるのは平埜生成。アミューズ所属の若手俳優で構成される「劇団プレステージ」所属、昨年は蜷川幸雄演出『ロミオとジュリエット』に出演するなど近年活躍の幅を広げている注目の俳優だ。出演にあたり映画作品を観て「いろんな事を考えさせられた」という。「法廷ものなんですけど、今よくある法廷ものとは違うんですよね。けして華やかな演出などではないですし。あくまで法廷が舞台になっているだけというか……裁判の争点になっているのは軍隊内部での話ですけど、今でも色々なところにある話だと思うんですよ。学校とか会社とか、そこでしか生きられない人たちの起こしてしまったこと、という意味ではどこでも起こりうるなと」けして単純な「正義対悪」の二項対立ではないこの作品。それだけに殺人を犯し裁かれるドーソンの存在……“なぜ”彼が罪を犯すに至ったか、そしていかなる葛藤を持っているか、ということが物語上で大きな意味を持つ。「多分、登場人物それぞれが“間違ったこと”はしていないというか、それぞれの正義があるんですよね。ドーソンにはドーソンの正義がある。それをきちんと演じることで、ラストシーンがより意味を持つのでは、と思っています」近年劇団以外の作品も目立ってきた彼だが、今は「舞台に出るのが楽しくて仕方ない」という。それは昨年の『ロミオとジュリエット』で、蜷川演出の強烈な洗礼を受けたことが大きいようだ。「本当にきつかったです(苦笑)。でもボロボロになって『今の自分には価値がない』ということに気付かされたから、今“演じる”ことがどんどん面白くなってます」物語上のキーマンともいえる役柄に抜擢されたことで、やはりプレッシャーもある模様。「ドキドキですよ(笑)」と語るが、新たな出会いがもたらす刺激への期待が上回っているようだ。さらなる成長を遂げた姿を舞台上で観られるのも楽しみに待ちたい。公演は6月19日(金)から28日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。チケットは発売中。取材・文:川口有紀
2015年05月08日チャップリン晩年の傑作映画『ライムライト』、その世界初の舞台化が日本で実現することとなった。映画と、チャップリンの未発表小説『フットライト』を下敷きに、オリジナル音楽劇として再構成される。映画の中で名優が演じた主人公カルヴェロに扮するのは、近年舞台のみならず映像でも目覚ましい活躍を見せる実力派、石丸幹二だ。以前からチャップリンに深い関心を持っていたという石丸は、今回の縁について「運命の結びつきかもしれない」と熱を込めて語った。音楽劇『ライムライト』チケット情報「もう20年も前に『チャップリン自伝』という本を読んでいたんですね。あれほどの名作を作った人ってどんな人なんだろう…と、彼自身の人となりに興味があったんです。その後、チャップリンの半生を綴った創作音楽劇(2013年『スマイル・オブ・チャップリン』)に出演する機会を得て、その舞台で『ライムライト』のテーマ曲『エターナリー』を歌いました。そういったさまざまな出来事が今、運命のパレットの中でひとつの色に集約されたような気がしています」かつては名声を博したが、いまや往年の輝きを失った老喜劇役者カルヴェロ。彼は若きバレリーナ(野々すみ花)から献身的な愛を受けるも、彼女の幸せを願って身を引き、新進作曲家(良知真次)と結びつけようと画策する。美しくもせつないラブストーリーを、映画では当時60代前半のチャップリンが至高の演技で見事に表現している。「ものすごいチャレンジです。この役を演じるには私はまだ若いかな…と最初は思いました。でも単なる映画の再現とは違うオリジナルの舞台ですから、役を自分に引き寄せることもありだと思う。あまりにも多くの方に知られた作品なので、はたして石丸幹二はこの役を表現するのに適しているか?とはかられるでしょうね。でもそこで認めていただけたら、この先何年でもやれる役だと思うし、ぜひそうしていきたいと思っています」カルヴェロの生き方から強く心に響いたテーマは「人にものを残し、伝えること」だという。「カルヴェロが自ら身を引き、若い者同士が結ばれるように仕向けたのは、愛情という面だけでなく、才能と才能を出会わせたとも言える。そういう生き方を自分もできたら素敵だなと思いました。私自身も50歳を前にして、後進の人たちの才能を表に推し出すことを考えるべき歳になったんだな……なんて思ったりしましたね」世界中のチャップリン・マニアが日本の舞台に押し寄せるのでは?と問うと、「そうなったら楽しい!ありがたいことですよね。プレッシャーも楽しく受けとめます。コピーではない、自分たちの『ライムライト』を作っていけば、ちゃんと胸を張れるものができるはずだから」と頼もしい言葉が返ってきた。この予想、あながち冗談では終わらないはず。世界が愛した名作の進化に期待したい。公演は7月5日(日)から東京・シアタークリエにて。チケットの一般発売は4月25日(土)午前10時より。チケットぴあではインターネット先行抽選を実施中、4月13日(月)午前11時まで受付。取材・文:上野紀子
2015年04月10日今年、生誕100年を迎える市川崑監督の傑作『雪之丞変化』『炎上』『おとうと』が4Kデジタル復元され、2月から開催される第65回ベルリン映画祭のフォーラム部門で上映されることが決定した。その他の写真市川崑は、アニメーターとして活動した後、1948年に『花ひらく』で監督デビュー。『ビルマの竪琴』『東京オリンピック』『犬神家の一族』『ぼんち』『野火』など数々の傑作を発表し、徹底的にこだわり抜いた画作りと観客をアッと驚かせる語り口で人気を博した。このほど4Kデジタル復元されたのは3作品。『雪之丞変化』は名優・長谷川一夫の当たり役・中村雪之丞を主役に据えた作品で、大胆な色使いと構図が特徴的な1作。『炎上』は監督と繰り返しタッグを組んできた市川雷蔵を主演に迎えて三島由紀夫の小説『金閣寺』を映画化した作品だ。幸田文の小説を名脚本家・水木洋子が脚色した『おとうと』は岸惠子、川口浩を出演者に向かえた傑作で、カメラマン宮川一夫が“銀残し”という手法を用いて描いた色彩も高く評価された。今回の復元は現存する最良のフィルムを4Kを超える解像度でスキャンし、ゴミや傷、色むらをすべてデジタルで補正。公開時の質感を最大限に尊重して復元を行ったという。今回の映画祭出品について岸惠子は「深川の土手に桜の木を植えて、『おとうと』が撮影されたのは54年もむかし。その古いフイルムが、市川崑監督の生誕100年を記念して新技術のお蔭で蘇りました。女優としての私に大事な道しるべをくれた『おとうと』。今の若い方たちにはどんなふうに観ていただけるのでしょう?心配と希望で胸が高鳴ります」とコメントしている。また、3作品が3月に開催される第39回香港映画祭にも出品されるほか、監督の生誕100周年を記念する様々な企画が進行中だという。
2015年01月21日ディズニーの傑作アニメーションを高クオリティな画質と音質で収録した『美女と野獣』ダイヤモンド・コレクション MovieNEXが3月に発売されることが決定した。本作は、1991年に公開され、アカデミー最優秀作品賞にノミネートされた作品。愛らしいヒロイン・ベルと野獣のロマンスや、美しい音楽が高く評価され、ディズニーの新たなクラシックとして多くの人々に愛されている。ブルーレイにはミュージック・クリップや製作の裏側に迫ったドキュメンタリー、未公開シーン、音声解説など多彩な特典も収録される。『美女と野獣』ダイヤモンド・コレクション MovieNEX3月18日(水)発売4000円+税発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2015年01月13日2008年に初演され、名作揃いのナイロン100℃作品群の中でも“最高傑作”との呼び声高い『わが闇』が、6月より東京・本多劇場で再演される(その後、7月まで地方公演あり)。曇り空の3月某日、都内で行われたイメージビジュアル撮影現場に潜入した。ナイロン100℃『わが闇』チケット情報『わが闇』の舞台かつ作品において重要な役割を果たすのが、田舎の古い日本家屋。撮影場所はその空気感を最大限に再現できる、大正時代の日本家屋をそのまま生かしたスタジオで行われた。テーブル以外家具のない十畳間に、メインの三姉妹(犬山イヌコ、峯村リエ、坂井真紀)が揃う。幼い頃から作家として活躍するしっかり者の長女・立子(犬山)は手に本を持って立ち、不誠実な男に嫁いだ貞淑な妻の次女・艶子(峯村)はおぼんを手に居間に入ってきた風。そしてスキャンダルを起こして実家に舞い戻ってきた女優の三女・類子(坂井)は、無造作に足を伸ばして座っている。3人のキャラクターが分かりやすく表現されており、心の微妙な距離感までも伝わるような配置も絶妙。その状態で、リズミカルなシャッター音が響く。坂井が「舞台のチラシっぽいですね」と言うと、立ち会っていた作・演出のケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)が「永井愛さんの作品みたいだよね」と笑顔で返す。ちなみに、まだ台本がなくタイトルのイメージのみで撮影したという初演『わが闇』のビジュアルはコンクリート打ちっ放しの空間での、冷たく抽象的なイメージだった。同じ作品だが、全貌をつかんだ上での今回は、まるで異なるビジュアルとなる。再演は、キャスト14名全員が初演と同じメンバー。その理由をKERAは、「ひとりでも変わっちゃうと作品全体の雰囲気が変わる。だから再演はできれば、全く変えないか大きく変えるかのどちらかでやりたい」と話す。「『わが闇』は自分でも大好きな作品だから再演したいと思っていた。これや『百年の秘密』(2012年)のようにドラマ性の高いものは、ギャグもののように鮮度云々ではないので、じっくりと数を重ねていくのに向いている」。5年ぶりに再会した三姉妹の息も既にぴったりだ。「これはほんとに家族劇。お客さんも登場人物の誰かに自分を置き換えて、グッと入り込む感じで観てくれる人が多かった」(犬山)、「親戚が観に来てくれて、旦那さんの言いなりになってる私の役(の気持ち)を『わかるわ』って(笑)」(峯村)、「みんないろいろあるんですよね。それぞれの人にそれぞれのツボがあって、きっとそういうところが観る人をひきつけるんだと思います」(坂井)演劇界では先駆けとなったプロジェクションマッピングなどの効果も濃密なドラマを盛り立てる、KERA版『三人姉妹』だ。公演は、6月22日(土)から7月15日(月・祝)まで本多劇場にて。一般発売は4月21日(日) より。チケットぴあではプリセール(先行先着)を4月20日(土)23:30まで受付中。以降、地方公演もあり。取材・文武田吏都
2013年04月09日予測できない衝撃のラスト!!!“新”犯人は誰だ?シリーズ最恐傑作『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』の、DVD発売を記念して2月29日に行われたイベントに、バラエティなどで大活躍中の福田萌が登壇。ツイッターの極意などを織り交ぜながら、映画の”萌”ポイントを教えてくれた。●ゴーストフェイスに囲まれていかがですか?襲ってきやしないか、ドキドキでした。実は今日はこのゴーストフェイスのブローチと髪飾りを付けているんですよ!(髪飾り見せる)●ホラー映画は普段ご覧になりますか?ホラーは苦手で、見るときは、目をふさぎながら見ちゃうので肝心なところがいつも見られないです。でも、スクリーム4は謎解き要素が多くて、犯人は誰だろうと予想しながら見るのが楽しかったです。この作品は、出だしから度肝を抜かれます!●福田さんは最近、怖い経験はされました?年に1回、夜金縛りに遭います。最近は2mぐらいのジャガイモ型で顔がライオンのおばけが布団を開け閉めする、ファンタジーな金縛りに遭いました(笑)。夢ですかね?先日夕張市への臨時列車に乗った時は30分電車が止まってしまって…。前の電車が牛にぶつかったんですよ!すごい原因ですよね。●本作は、「ネクスト・ジェネレーション」ということで、前作よりも現代的になっている部分があり劇中携帯電話で事件を撮影したり、SNSをする場面があったりしますが萌さんは怖いことがあったら、なんてつぶやきますか?夜0時にいつも「よるほー」とつぶやいているのですが、そんなときには「こわほー」「きけんほー」とつぶやこうと思います!●魅力的なつぶやきをするポイントはありますか?実生活に添ったつぶやきがいいと思います。例えば、サラリーマンの人が、「親に電話したよ」とかつぶやいていると惹かれますよね。●では最後に、『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』のアピールを一言!スクリーム4は謎解き要素や犯人探しがとても楽しいので、そこに注目してくださいね!作品情報『スクリーム4:ネクスト・ジェネレーション』10年前に発生したウッズボロー連続殺人事件で生き残ったシドニーは、いまでは作家となり成功を収めていた。しかし、シドニーが本の宣伝のため故郷へ戻ったのを機に2人の女子高生が惨殺される事件が発生。シドニーの周囲の人々が次々と襲われていく…。・2012年3月2日(金)よりDVD&ブルーレイリリース!・レンタルはTSUTAYAだけ!
2012年02月29日ヌーヴェルヴァーグの鬼才ルイ・マルによるフランス映画の傑作『死刑台のエレベーター』の世界初となるリメイクが日本で製作されることが決まり、主人公の2人の男女を吉瀬美智子と阿部寛が演じることが発表された。オリジナルの『死刑台のエレベーター』(’57年)は、パリを舞台に不倫関係にある男女が、完全犯罪を目論みながらも、絶望の淵に沈みこんでいく姿を描いた犯罪サスペンス。クールな美しさを持つジャンヌ・モローの彷徨、ジャズの帝王マイルス・デイヴィスの即興演奏、そして手持ちカメラによる斬新な映像で世界を席巻した。今回、オリジナル版の手法を踏襲しつつも日本独自の芸術性を融合させ、亡きルイ・マル監督の息子のマニュエル・マル氏のお墨付きをもらう形でリメイクされた。日本版では吉瀬さん演じる芽衣子は医療グループの社長夫人で、阿部さん扮する魅力的な医師・時籐と不倫関係にある。2人は年の離れた芽衣子の夫の自殺に見せかけた殺害を計画。実行当日、約束のカフェで芽衣子は時籐を待つが彼は一向に現れない。いらだち始める芽衣子だったが、そんな彼女の目の前を通り過ぎたのは、信じられない光景だった――。吉瀬さん、阿部さんに加え、玉山鉄二、北川景子という人気・実力を兼ね備え2人の共演も決定!監督は先頃、『のんちゃんのり弁』が公開されたばかりの緒方明。『独立少年合唱団』、『いつか読書する日』などで海外からも高い評価を受ける監督が、このヌーヴェルヴァーグの傑作をどのようにリメイクするのか――?完全犯罪のはずだった計画のどこにひずみが…?彼女を待ち受ける運命とは?吉瀬美智子×阿部寛×玉山鉄二×北川景子――想像するだけで楽しみなリメイク版『死刑台のエレベーター』は2010年秋、全国にて公開の予定。■関連作品:死刑台のエレベーター 2010年秋、全国にて公開
2009年10月01日