Upload By 発達ナビ編集部自閉症者の独特な世界観を表現した作品編集部(以下、――) 映画の原作となったエッセイ『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、自閉症者の内面の感情や思考を分かりやすい言葉で伝えたことで注目され、34か国以上で出版され、117万部を超える世界的ベストセラーになりました。書著を書こうと思われたきっかけを教えてください。話せなかった僕が気持ちを伝えられるようになってから、母は僕の行動について「なぜ、そんなことをするの?」と、ことあるごとに聞くようになり、僕の説明を聞いては驚いていました。僕の行動の理由が分かるようになり、僕に接する母の態度に余裕が出てきたと思います。僕は母に尋ねられなければ、自分の行動を言葉にすることはなかったのではないでしょうか。なぜなら、それが僕にとっての日常だったからです。僕の世界が母の世界と違うと知ってから、僕が見たり感じたりしている世界を母に伝え、母からは“普通”と呼ばれている人たちが見たり感じたりしている世界について教えてもらうようになりました。当時の母は僕の行動の理由を知り、親子関係がよりよくなったと感じていたようです。自閉症者である僕の気持ちを知ってもらうことで、自閉症者に関わる人たちの気持ちが少しでも楽になればと思い、この本を出版しました。――映画は「自閉症と呼ばれる彼らの世界が“普通”と言われる人たちと、どのように異なって映っているのか?」を世界各地の5人の自閉症の少年少女たちの姿やその家族たちの証言を通して追い、明らかにしていく内容でした。著書がこのような形で映画化されたことについて、どのように思っているか教えてください。すばらしい映画にしてくださり、制作者のみなさまに感謝しています。僕は、自閉症者の生きづらさや独特な世界観について文章で表現しましたが、ジェリー・ロスウェル監督は映像で表現してくださいました。多くの方にこの映画をご覧いただき、自閉症とは何かということについて考えていただければうれしいです。――本作では、自閉症のある人が世界をどのように感じているのか、視覚や聴覚で伝えている描写がありました。東田さんが完成した映画の映像を見て、感じたことを教えてください。とても芸術的な映像だと思いました。自閉症者が見ている風景のように描かれている場面がありましたが、僕が日常のすべてにおいてこのような風景を目にしているわけではありません。僕は著書の中で世界の見え方について「最初に部分が目にとびこんできます。その後、徐々に全体が分かるのです。」と書いていますが、僕の視界にそう映っているというよりは、意識の向け方がそういう感じだということです。意識というのは本人にしか分からないものだと思っていました。意識下で起きていることを映像で表現し、それを見ている人に自分の視界で起きているかのような錯覚を起こさせる映画の技術に感動しました。Upload By 発達ナビ編集部「繰り返し行動」「動きを制御できない不安」、言葉にするなら――「不安に感じるとき、繰り返し行動を行うと安心する。不確かさから自分を守ってくれる」という言葉がありました。映画のなかでも、ある女の子がキラキラしたひもをいつも持っていて、集中している時は平穏、目を離すとさまざまな刺激が飛び込んでくる描写があります。東田さんも、繰り返し行動をしていないとさまざまな刺激が飛び込んでくるのでしょうか。また、どのようなことをすると気持ちが落ち着きますか?繰り返し行動をしていないとさまざまな刺激が飛び込んでくるのではなく、さまざまな刺激が飛び込んでくるために繰り返し行動をしてしまうのです。どちらが先でも同じではないかと思われるかもしれませんが、繰り返し行動は、したくてしているのではないという意味では、自分を守るために繰り返し行動をしてしまうという表現の方が、自閉症の人の心境をよく表しているのではないでしょうか。僕も刺激には弱いです。気になる音や風景が目に入ると、自分を落ち着かせるために、いつも見ている絵本や昔の写真を見たり、手で耳をふさいだりしていました。今は、周りの刺激にもだいぶ慣れました。――発達ナビを読んでいる人たちのなかには、お子さんが突然家を飛び出してしまったりすることにどうしたらいいか悩んでいる人もいます。東田さんもよく家を出て外にいらっしゃったと言います。外に飛び出すことで得たかったものはなんですか?外に出ることで自分が何かを得たかったわけではなく、脳が僕にそう指令を出すのです。外に出てしまったら、あとは歩き続けるだけです。赤い靴を履いた女の子のように、僕はただ目的地に向かって足を動かします。目的地といってもどこを目指しているのか、自分でもよく分からないのです。自分がどうなるのかなんて考えませんでした。自分の行動を自分でうまくコントロールできないというのは、なぜこんなことをしているのか、自分でも説明できない状況なのだと思います。僕の場合は、警察に保護されたり、車にひかれそうになったりしたことで、勝手に外に出て行かなくなりました。――東田さんは、記憶は線でつながっておらず点としてばらばらに存在し、突然思い出されるといいます。そのような時間の感覚を持っていることで大変だと思う点、逆に良いと思っている点等があれば教えてください。大変だと思っているのは「前にやったでしょ」「もう忘れたの?」などと注意されることです。普通の人たちは、これくらい覚えているのは当たり前という前提のもと、僕たちが記憶していないことに対して、叱ったり怒ったりします。けれど記憶というのは本来、意思の力だけでどうにかできるものではなく、脳の機能も関係しているものではないのでしょうか。僕がこんな文章を書けることを不思議に思われる方もいますが、僕が言う「点のような記憶」というのは、記憶が線のようにつながらないだけで、場面ごとの記憶はあるということです。場面としての記憶があれば、言葉や知識そのものは増えていきます。僕の記憶で良かったと思っているのは、過去から現在、どの地点においても、自分という人間の存在感が変わらないことではないでしょうか。小さい頃の自分も今の自分もそれほど変わらないのです。過去に思いをはせ遠い昔を振り返るというよりは、自分がたくさんいるようなイメージです。自分という人間がこの世に無数にいるような感覚は、時間を超越しているとも言えるでしょう。フラッシュバックに怯えることもありますが、もしかしたらこれは、四次元を体感している状態なのかもしれません。――自分の体や行動を制御できない不安はありますか?そのような不安から守るためにしていることがあれば教えてください。僕は、体の機能に問題がないにもかかわらずみんなのように動けない自分のことを、「壊れたロボットのようだ」と表現してきました。大人になった今も、あまり違いはありません。指示に従うことも、集団行動も上手くできないのです。じっとしていることさえ苦痛です。そんな自分を不安に思う気持ちはずっと続いています。特別な対策はしていませんが、失敗してもそれほど落ち込まなくなりました。なんとかなると、自分で自分を励ませるようになったからだと思います。――「人間にどれだけ否定されても、自然は僕を抱きしめてくれる」という表現がありました。東田さんはどのように自然とふれあい、感じてきたのでしょうか。光を浴びれば僕の体は分解し、分子となって周りに飛び散るような感覚になります。風が吹けば風よりも速く走りたくなり、水中に潜れば自分に手足がついているのを忘れてしまいます。僕は自分が人であることが、いまだに信じられません。人の中にいる自分より、自然の中にいる自分の方が安心できるからです。嫌なことがあったら空を眺めます。流れる雲やまたたく星を見ているだけで、気持ちが癒されるのです。自閉症者として、人として、自分に向き合うUpload By 発達ナビ編集部――思ったことを会話で伝えられないことで、人とのコミュニケーションに苦労されてきたと思います。そんななか、人との関わりで癒されたり救われたりした経験はありますか?僕が心から信頼しているのは家族です。僕がここまで元気に生きてこられたのも、家族の支えがあったから。自分が信じた道を歩くことの大切さを身をもって教えてくれた母には、感謝しています。父からは、世の中にはさまざまな価値観が存在するということを教わりました。学校の先生も、僕に優しかったです。僕が友達に笑われることはあっても、いじめられることはありませんでした。先生は僕をいつも気にかけてくれていました。僕が人を嫌いにならなかったのはこのような経験も影響していると思います。僕はコミュニケーションでずっと苦労していますが、人との関わりを拒絶しているわけではありません。むしろ、人にとても興味を抱いています。――人の、どのようなところに興味があるのですか?人はいつも正反対の性質を持って生きています。「善と悪」「やさしさと厳しさ」「期待する気持ちと失望する気持ち」…どんな人もさまざまな一面を持っています。誰でも自分の気持ちに正直に生きたいと願う気持ちと、人として正しくありたいという気持ちの間で揺れ動いているし、それは僕も同じです。だから、そんな思いは自分だけではないと知ることで、僕は未来に希望を感じるのです。僕の悩みも自閉症だからではなく、人として生まれたからだと思えるからです。――映画に出てきたある自閉症の方は、文字盤で意思を伝えられるようになる前の学校教育について、苦い思いを語っていました。東田さんは、受けてきた教育についてどのように感じていますか?僕は小学校時代、5年生まで地域の学校(通常学級)で学びました。ただし、授業中も母がずっと付き添ってくれていました。小学校6年生から中学3年生までは特別支援学校に通い、高校は障害のある生徒も受け入れてくれる通信制の学校に在籍しました。普通の学校も特別支援学校も、一長一短があったと思います。子どもには教育を受ける権利があります。どんな人生を歩みたいのか、学校の選択も含め本人が決められれば理想だと思っています。――東田さんは、どのようにご自身の学校を選択してきたのでしょうか。学校は、基本的に自分で選択してきました。小学校では、とにかくみんなと一緒に勉強したかったです。けれどもだんだん周りが見えるようになり、他の人との違いに気づき始めたのです。自分はいったい何者なんだろうと、思春期の入り口で深く考えるようになりました。みんなとの違いは努力だけではうめられないことも知りました。当時は、みんなのことがまぶしかったです。そこで小学6年生から特別支援学校に転校することを決めました。小学校の卒業まであと1年、せっかくだから頑張ったら?と言われたこともありましたが、将来のためにも、自分で自閉症という障害を受け止めるべきだと思いました。特別支援学校では、自閉症である自分と向き合うことができたと思います。世界中の自閉症者が、自分らしく生きられるように――発達ナビの読者は、主に保護者や支援者です。自閉症など、特性がある人の保護者、支援者に対して伝えたいことがあれば教えてください。当事者にとっては、自分のことを心配し、気にかけてくださる方々の存在が生きる希望につながっています。人が生きるうえで最も大切なものは、希望ではないでしょうか。どうすればできるようになるのかを考えることは大切ですが、そのためにも次も頑張ろうと思えるよう応援をしてあげてください。――映画に出てくる自閉症の人たちを見て、何を感じましたか?僕が気になったのは、やはり自閉症であるために差別されている人たちがいるということです。人は生れながらに平等で誰もが幸せに生きる権利を持っているはずです。そして、幸せかどうかを決めるのは、周りの人ではなく本人だと思います。世界中の自閉症者が自分らしく生きられることを祈っています。そして、これからもどうして差別が起きてしまうのか考えていきたいです。――自閉症のある人とまわりの人たちには、どの様な対話が必要だと思っていますか。また、どの様な人に対話へ加わってほしいですか。特別な対話はいらないと思います。ただ普通の人たちとは少し違う人たちも、社会の中にいることを知ってほしいのです。「どの様な人に対話に加わってほしいですか」というご質問には、「どなたでも」と僕は答えます。――今日はありがとうございました!インタビューを終え、東田さんの繊細かつ独特な感受性と、人に対する温かいまなざしの伝わってくる言葉の数々が印象に残っています。著書では自閉症者の見ている世界観が言葉で的確に表現されていますが、映画では映像と音声で、その世界観を体感することができます。ぜひ鑑賞してみてください。※インタビューは、東田さんにお送りした質問事項に文章で回答していただく形と、オンライン対面で質問してその場で文字盤を使いながら回答していただく形の2つをとりました。この記事は、その両方の回答をあわせて執筆しています。Upload By 発達ナビ編集部東田直樹さんの著書『自閉症の僕が跳びはねる理由』が原作となった映画、『僕が跳びはねる理由』 が、4月2日(金)より、角川シネマ有楽町、新宿ピカデリー、アップリンク吉祥寺 ほか全国順次公開。東田さんが文字でつづった自閉症のある人の感じている世界を、東田さんの言葉と美しい映像とともに描いた作品。アメリカをはじめ、さまざまな国で暮らす自閉症当事者の暮らしや夢、友情などを丁寧に取材している。原作:東田直樹『自閉症の僕が跳びはねる理由』(エスコアール、角川文庫、角川つばさ文庫)翻訳原作:『The Reason I Jump』(翻訳:デイヴィッド・ミッチェル、ケイコ・ヨシダ)監督:ジェリー・ロスウェルプロデューサー:ジェレミー・ディア、スティーヴィー・リー、アル・モロー撮影: ルーベン・ウッディン・デカンプス/編集: デイヴィッド・シャラップ/音楽: ナニータ・デサイー原題:The Reason I Jump2020年/イギリス/82分/シネスコ/5.1ch/字幕翻訳:高内朝子/字幕監修:山登敬之/配給:KADOKAWA
2021年03月26日東田さんが描く―これまでの自分の人生を振り返って―今回紹介する『自閉症の僕の七転び八起き』(KADOKAWA)を執筆した東田直樹さんには、重度の自閉症があります。このエッセイには、障害のある子どもとの接し方、当事者の心の中、一人の人間としての葛藤、前向きに生きていく力、障害があるがゆえの悲しみや喜びが詰まっています。東田さん自身が振り返る、通常学級での悩みや、家族の自分への接し方、これまでのさまざまな選択からは、本人の努力だけでなく、家族や周囲の支えがどれだけ大きかったのかが伝わってきます。特別支援学校から通信制高校へ。自分がやりたいことを探し続けた青年期出典 : 東田直樹さん(ひがしだなおきさん:以下東田さん)は、重度の自閉症があり、口頭で会話をすることが困難です。ですが、パソコンや文字盤ポインティング(文字盤を指差しながら言葉を発する方法)を使うことで、コミュニケーションを取ることができます。東田さんは小学5年生までは通常学級に在籍、小学6年生から中学3年生の4年間は特別支援学校に通いました。その後特別支援学校の高等部には進学せずに、アットマーク国際高等学校(通信制)に入学、2011年3月に卒業。彼が13歳のときに執筆した書籍『自閉症の僕が跳びはねる理由』は、今や20カ国以上で翻訳・出版されているベストセラーとなっています。東田さんが発する言葉や挑戦する姿勢からは、前向きな性格を感じ取ることができますが、東田さんが初めからそうだったわけではありません。自分が一生かかっても「できない」ことを、同級生が簡単にやってのける姿を見て、苦しんだ小学5年生までの日々。逃げるように転校した特別支援学校で知った、人から大切にされることの重要性。そこは、できないからと言って責められることも叱られることもない、居心地の良い場所でした。特別支援学校で4年間自分を見つめなおした東田さんは、自分の人生を生きたいと、通信制高校への入学を決意します。現在は紆余曲折を経て、作家や詩人として活躍している東田さん。彼は何を思い、どう生きてきたのでしょうか。今の自分があるのは家族のおかげ―東田さんはどう支えられてきたのか出典 : 大人になった東田さんは、子どもの頃に「できなかった」たくさんのことが「できる」ようになりました。幼児用の工作ワーク、人とのコミュニケーション、我慢をすること、家族に言いたいことを言うこと。それから、誰の人生も大変だということにも気づけました。できることが増えた今、東田さんは自閉症で良かったと思える機会も増えたそうです。そして、自分がここまで頑張ってこられたのは、否定せず、障害があるからできないだろうと決めつけず、長所を伸ばそうと努力してくれた家族のおかげだと言います。本書では、東田さんの経験に基づいた、自閉症のある子どもとの接し方も紹介されています。・人格を否定するような叱り方はしない・本人に選ばせる練習をする(選ばせるときは2回確認する)・機嫌がもとに戻ったら、いつものように接する・どんな人になりたいのか聞いて、将来の楽しみを一緒に考える・コミュニケーションを諦めない・問題のある行動は辛抱強く注意するこのように日々心掛けることから、あめのなめ方やおかずを取り分ける方法といった、細かい接し方まで具体的に書かれています。こうした両親のささやかなサポートが積み重なり、今の伸び伸びとした東田さんがあるのでしょう。「愛」と「自分の心」―東田さんの背中を押した、生きる希望と勇気出典 : けれど、接し方よりも大事なのは、「愛」だと言います。「人の心を育てるのは、愛情です。」「愛情を注いでもらっているから、心は育つのです。」「たとえ、自己表現できなくても、知能が低くても、愛は伝わります。自分が大切にされているという実感は、生きる希望につながります。」本書の中で東田さんは、「愛」という言葉を何度も使っています。障害のある子どもを育てることは、ときに一筋縄ではいかない難しさがあります。強く叱りすぎてしまったり、接し方を意識しすぎて疲れてしまったり。しまいには自信を失くしてしまうこともあるかもしれません。子育てに正解がないと分かっていても、上手くいかない、と落ち込むこともあるかもしれません。でも、それでいいのです。落ち込んだり悩んだりするのは、しっかりと子どもに向き合って愛を注いでいる証だからです。無理せず、自分のペースで愛情を注ぐこと。いつかあなたの愛は、その子にとって生きる希望になるはずです。もう一つ、東田さんは「自分の心」の大切さについても述べています。今何をしたいのか、どう感じているのか、本当に幸せなのか。自分の心に正直に生きること。自分の気持ちを大切にしていれば、周りの人の気持ちも尊重できるようになります。もしも、みんなが頑張っているように見えて、自分だけが頑張れない時があっても大丈夫。「頑張れないときがあっていいのです。頑張る基準は、自分の心が決めればいいと思います。」「もしも子どもに障害がなかったら」そう思うのは別に悪いことじゃない出典 : 「障害児の子育てには、たくさんの苦労があります。僕は、子供を愛せない親が悪いのではなく、愛せないほど苦しい状況になってしまうこと、そのものが「悪い」と思っています。親が、もしも子供に障害がなかったらと考えたとしても、別に悪いことではなく自然なことです。」東田さんは当事者目線で、障害のある子どもを育てることについて触れています。彼自身も、自分に障害がなかったらどんな人生を歩んでいたのだろうと考えることもあり、そのことに罪悪感を持っていた時期もあったようです。「普通である想像上の僕は、いつも笑っています。しかし、今の僕より幸せかどうかはわかりません。悩みのない人などこの世にはいないからです。」障害者は決して特別な存在ではありません。それぞれが不安や悩みを抱えて生きている。障害を抱えながら生きていくには、たしかに困難や壁がつきものですが、“普通”と言われる定型発達の人の日常や人生にも、悩みや孤独があります。どんな人も、みんな同じように心を持っている。それが東田さんの考えです。「自分らしく生きられる社会を目指して」―誰にでも必要な3つのこと―出典 : 東田さんは、障害のある人自身にも必要な3つのことを挙げています。・この社会の中で、自分の生きる意味を探すこと・自分のことを理解すること・なぜできないのか、どうすればいいのか自分で考えることこれらをすべて実現するには、周囲のサポートが欠かせません。ずっと自分と向き合い続ける努力も必要です。この3つは、どんな人にとっても大切なことだと思います。どれだけ多くの人が自分のことを理解し、生きる意味を見出し、できないことに立ち向かっているでしょうか?障害があっても、多様な生き方を選択でき、社会の中で自分らしく生きられる温かい未来を東田さんは望んでいます。そんな東田さんの今後の目標とは…「自閉症で本当に良かったと思える人生を歩むこと」。それを達成すべく、日々自分の気持ちと向き合い、行動のコントロールに挑戦しています。ちなみに外出やお金の払い方は、今もトレーニングを継続中だそうです。「どんな生き方を選ぶかは人それぞれでいい、大切なのは自分の気持ち」と語る東田さん。彼はこれからどんな未来を切り拓いていくのでしょうか。悩みや葛藤に向き合い、自分に正直に生きる東田さんの生き方は、たくさんの人の人生の選択を後押ししてくれるでしょう。
2018年05月12日Netflixオリジナル映画『アウトサイダー』でも注目を集める椎名桔平が主演を務め、社会の闇をえぐり出す小説で知られる相場英雄の「不発弾」をWOWOWがドラマ化。連続ドラマW「不発弾~ブラックマネーを操る男~」として放送されることが決定した。本作は、食肉偽装問題を題材にした「震える牛」、警察組織を舞台にした「血の轍」など、社会の闇をえぐり出す小説で注目を集める相場英雄の同名小説(新潮社刊)をドラマ化。7年間で1,500億円の“不適切会計”を発表した大手総合電機メーカー・三田電機産業を舞台に、その裏で暗躍するひとりの男と、彼を取り巻く人々の人間模様を描いた“連続ドラマW”らしい骨太の社会派ヒューマンサスペンスだ。主人公の金融コンサルタント・古賀遼を演じるのは椎名桔平。貧しい炭鉱町で育ち、東京の証券会社に入社、その後、ある出来事を機に欲深い人間たちへの復讐を始め、証券業界ひいては経済界の影の立役者にのし上がっていく人物を熱演。また、主人公を取り巻く人物として、財界に広い人脈を持つ三田電機産業相談役・東田章三役として宅麻伸、和装小物店を営みながら古賀と暮らす内縁の妻・村田佐知子役に原田知世、古賀を証券マンに育て上げた元上司・中野哲臣役に奥田瑛二ら実力派俳優が集結する。さらに、古賀と対峙し、“不適切会計”の真相に迫る警視庁捜査二課の管理官・小堀弓子は後日、発表される予定という。■ストーリー1,500億円もの“不適切会計”が露呈した三田電機産業の記者会見。狼狽する社長を裏で操るひとりの男がいた――金融コンサルタント・古賀遼(椎名桔平)。捜査二課の管理官・小堀弓子は、この“不適切会計”は“粉飾”であり、上場廃止にならないことに違和感を覚える。そんな中、三田電機の経営監査部長が自殺。直後、古賀は同社相談役・東田章三(宅麻伸)と密会する。小堀はこの自殺に事件性があると疑い始めていた。一方、内縁の妻・村田佐知子(原田知世)に優しい笑みを浮かべる古賀。この男はいったい何者なのか?昭和52年――金と男にだらしない母親の下、貧しい炭鉱町で育った古賀。妹を東京に連れ出したい一心で、上司・中野哲臣(奥田瑛二)にノウハウをたたき込まれ、国民証券でのし上がっていくが…。数年後、ある出来事を機に始まった古賀の復讐は、日本経済の深い地層に「不発弾」として仕掛けられていく!椎名桔平「清濁あわせ呑む男」の20代後半~50代後半を熱演まず原作を読んだという椎名さんは、「経済の世界における深い人間ドラマに感銘しました。特に主人公の古賀の、恵まれない生い立ちから、大企業を裏で支える人物になるまでの半世紀にも及ぶ紆余曲折した生き方は、私にとってとても魅力的に感じました」とコメント。演じる主人公・古賀遼の人物像について「とても繊細な面と思わぬ大胆さ、そして清濁あわせ呑む男という印象です。善悪の狭間で葛藤しながらも、強い意志を持って生きている男」と語り、そんな古賀の「20代後半から50代後半までを行ったり来たりしながらの撮影」になると言及。「いわゆる経済ドラマとか金融ドラマとかでは括りきれない、骨太な人間ドラマ」に期待を込めている。また、相場氏原作の連続ドラマW「血の轍」にも出演していた宅麻さんは、「身が引き締まる思い」と本作出演の思いを語り、初共演となった椎名さんについて「以前から『カミソリ』のような俳優というイメージがあり、共演できることをとても楽しみにしていました」とコメント。「一瞬演技とは思えない密談シーンの撮影で大企業のリアルさを俯瞰で垣間見た自分がいたほど」とも明かす。原田さんは、そんな椎名さん演じる主人公・古賀遼と20年以上連れ添う内縁の妻・村田佐知子について、「悲しみ、怒り、憎しみを抱いて生きてきた古賀にとって、疑うことなく真っ直ぐに古賀を見つめる佐知子の存在は彼の唯一の心の支え。冷酷にも見える古賀の、本来持っていた優しさや温かさが佐知子との関係の中で見えてくる。古賀という人物を描く上で彼女はとても重要な人物」と、その関わりが気になるコメント。さらに、椎名さんとは「がっぷり本格的に共演させていただくのは初めて」という奥田さん。「このドラマに身を置くこと、それは自身にとってかなりの冒険である。いざ脚本を手にし、そして演じる…七転八倒!自律神経崩壊!もはや、この役から逃げ出すことはできない。物語の展開もさることながら、金融界の用語、システム、悪夢の連続である。しかし、我が身は一つ、気合の入れどころを間違えないように、気合を入れて臨んでます」と、バブル期を生きた“同い年”の中野役について思いを込めている。連続ドラマW「不発弾~ブラックマネーを操る男~」は6月10日(日)よりWOWOWプライムにて放送開始(全6話・第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2018年03月16日