1人目を出産してから産後2カ月まで、母乳は十分に出るのに赤ちゃんがうまく飲めない状態が続き、とても苦労しました。うまく飲ませられるようになるまでの約2カ月、母乳育児に関する悩みをどのように乗り切ったか、当時のエピソードをお話しします。 私だけうまく授乳できない私が出産したクリニックは、母子別室制でした。授乳の時間になると授乳室で一斉に授乳するというスタイルで、同じ時期に出産した方が常時5~6人はいる状態です。出産翌日の授乳から胸が張りカチコチになっているせいか、わが子が乳首をうまくくわえられず、母乳を飲み始められない状態が続きました。 他のママは赤ちゃんにおっぱいを吸わせて泣き止ませることができているのに、私はうまく飲ませられないので、わが子だけが授乳室でずっと泣いています。周りと比べる必要はないとわかっていながらも、どうして私だけできないのだろう⋯⋯ととても落ち込みました。 助産師さんに相談するが……授乳のたび助産師さんに赤ちゃんが吸い付きやすい姿勢を教えてもらったり、授乳の補助をしてもらったりしていたのですが、どうしても母乳を飲み始めるまでに20分ほどかかってしまいます。 私の乳首や赤ちゃんの口の形が特別「授乳しにくい」というような問題もなく、「ママも赤ちゃんもとにかく慣れるしかないかもね」とのことでした。入院中は助産師さんに助けてもらいながらなんとか授乳をしていましたが、結局自分だけでは授乳がうまくできない状態のまま退院の日を迎えました。 不安を抱えたまま退院……退院後は突然スムーズに授乳できるようになるわけもなく、助けてくれる助産師さんもいません。授乳の時間になり、赤ちゃんが乳首を吸い始め母乳を飲み始めるまでに15分~30分ほどかかります。そこから授乳時間が15分程、そして寝かしつけというサイクルであっという間に1、2時間が経ちます。それを昼夜問わずですから、私は精神的にも肉体的にも疲れ切ってしまいました。 母乳の出が悪いということであれば、すぐにでもミルク育児に切り替えられたのですが、母乳はよく出ているためどうしても完全母乳で育てたい思いがありました。 授乳のプロに相談してみたらその後、ワラにもすがるような思いで母乳マッサージを受けました。母乳の出はまったく問題なかったのですが、授乳に関して相談するためです。「母乳が勢いよく出すぎて赤ちゃんが飲みにくい」「赤ちゃんがおなかを空かせていると、落ち着いて乳首に吸い付けない」という可能性から、「まず搾乳して哺乳瓶で少し飲ませてから、直接授乳する」方法を提案されました。 搾乳の手間はありましたが、この方法だと直接授乳がとてもスムーズで、精神的なストレスが減ったのでした。それから2カ月ほど経つと哺乳瓶で授乳する必要がなくなり、最初から直接授乳できるようになったのです。 産前、私は母乳育児に関するトラブルと言えば「母乳の出が悪い」ということしか知りませんでした。当時、「母乳の出を良くする方法」に関する情報が多くありましたが、乳首をうまくふくませられない場合にどうしたら良いかという情報にはたどり着けず、とても悩みました。私の場合は、母乳育児のプロの方に相談することで私と赤ちゃんに合った方法が見つかり、本当によかったです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO著者:幸村あゆ5歳と2歳の兄妹の母。販売職、事務職を経て現在は子育てをはじめとする様々なジャンルの記事を執筆。子ども服やママファッション、インテリア、整理収納を研究するのが趣味。
2020年05月13日彼と手をつなごうとしたら、なぜか拒否されたという経験はありませんか?この時の男性の本音が知りたいですよね。人の視線が気になる男性の中には、手をつないで歩くことが、まるで女性の尻に敷かれているように見られるのではと考えている人もいます。そして、そんな姿を知り合いに見られたらどうしようと考えている人もいます。もし、男性が人の視線を気にしているようなら、無理に手をつなごうとするのは逆効果です。どうしても手をつなぎたいと考えているなら、部屋の中など人の視線が気にならないところにしましょう。普段は手をつなぎたがらない彼も、もしかしたらギュッと力強く手を握ってくれるかもしれません。手をつなぐのが面倒だから男性の中には、単に手をつなぐことが面倒だと考えている人もいます。手をつないで歩くと、歩行者とぶつからないように歩くことも難しいですし、荷物があったら歩きづらく感じてしまいます。もし、彼が突然手をつながなくなってしまったら、思いきって理由を聞いてみましょう。男性は、女性が考えているよりも手をつなぐことに深い意味は持っていません。そんな時には、多少男性が嫌な顔をしても手をつないでみても良いのかもしれません。男性も、悪い気はしないかもしれません。手汗が気になってしまう男性の中には、手汗が気になるという人もいます。手をつないでいるうちに汗が出てきて、ベタベタしてきたらどうしようと悩んでいる人もいるのです。女性に知られてしまって嫌われるぐらいなら、手をつなぐようなことはしないと考えているのかもしれません。決して女性と手をつなぎたくないというわけではありません。もし、彼が手汗のことを気にしているとしたら、思いきって手を握ってあげましょう。女性が気にしないとわかったら、男性も次からは手をつないでくれるかもしれません。大切なことは、男性が手をつなぎたいと思っているかどうかです。そして、自分がどれだけ手をつなぎたいか、その気持ちを素直に伝えてみましょう。浮気をしている可能性がある男性が急に手をつながなくなったら、それはもしかすると浮気をしている可能性があるかもしれません。浮気相手にバッタリ会った時に、本命である彼女と手をつないでいたら気まずい空気になってしまうと考えているのかもしれません。ですが、手をつながないだけで浮気を疑うのはあまりにも危険です。確かめるためには、手をつながない以外に、彼に変わったところがないかどうかを確かめてみましょう。歩きながらソワソワしてはいないか、やたら離れて歩こうとしていないか。彼の行動を細かくチェックしてみると、何か分かるかもしれません。
2020年05月04日私は左胸が扁平乳頭で、妊婦健診のときから母乳を吸いづらいだろうと指摘されていました。産後2日目から溢れるほど出るようになった母乳ですが、赤ちゃんがうまく飲めず乳首は傷だらけに。入院中早々に育児用ミルクを足すよう助産師さんに言われ、混合授乳を目指し頑張りましたが……。私が完ミになるまでの2カ月間にわたる心の葛藤や気持ちの変化についての記録です。 扁平乳頭だから母乳を吸いにくい?里帰り出産が迫り転院先でマッサージの講習を受けるようになったころ、助産師さんから、左胸は扁平乳頭だから母乳を吸いにくいだろうということは何度か言われてきました。そうは言っても、マッサージを続けて母乳が出れば赤ちゃんも吸うだろうと私は気にしていませんでした。 そして出産後、母乳がちっとも出ないまま2日が過ぎ、その後、仮眠から起きるとパジャマがずぶ濡れで、胸の張りも出てきました。あとは赤ちゃんが無事吸ってくれるようになれば……と思った矢先のことです。 母乳をあげたい…授乳室で泣いた夜右胸はまだ吸ってくれる様子だったものの、左胸はそっぽを向いてしまい、なかなか飲んでくれない赤ちゃん。乳頭保護器を使ってもあまり変わりませんでした。退院が近付いてきたある夜、いつものように授乳をしていましたが、やはり左胸からは何分経ってもうまく飲んでくれません。 深夜の授乳だったこと、退院したあとの不安がよぎったことで心が折れてしまい、他のママさんや助産師さんがいたにもかかわらず私は号泣してしまいました。その日はママさん同士でお互いに励まし合いながら授乳を乗り越えました。 実家での生活がスタート退院して実家での生活が始まっても、赤ちゃんはうまく母乳を吸えるようにはなりませんでした。搾乳して哺乳瓶で授乳後、育児用ミルクをあげていましたが、里帰りとはいえ日中はほぼワンオペで気持ちに余裕が持てず、次第に育児用ミルクを頼りに……。 生活に慣れてきたころ電動搾乳器を使い始めましたが、時すでに遅く、そのころには1日で1回分の授乳量に足りるかどうかくらいしか母乳が出なくなっていました。母乳の終わりを実感するにつれ、「どちらでも子は育つ、限界を感じたら卒業しよう」と気持ちが変わっていきました。 そして迎えた完ミの日できる範囲で搾乳をし続けるなか、里帰りを終えるときに搾乳が1日できない日がありました。そこから1週間経たないうちに私は完ミに移行。移行していく過程で2つの思いが私の気持ちに変化をもたらしました。 まずは私自身ほぼ完ミで育ち、そのことをまったく覚えておらず、母乳にしても育児用ミルクにしても心身の成長に違いは出てこないと感じたのです。また育児用ミルクに切り替えていくにつれて時間にゆとりができ、赤ちゃんにも余裕を持って接することができるようになりました。 「母乳で育てる・育てない」は、結局ママ自身の問題であるように個人的には感じます。完ミにしてからも成長や愛情の差があるようには感じられません。短期間ではあっても、悩みながらも2カ月間母乳をあげられたことを誇りに思います。現在、離乳食が始まり、育児用ミルクをあげる機会も限られますが、成長していく姿を愛情たっぷりで見届けたいです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 原案/桜場紫作画/やましたともこ
2020年04月21日昔は、脂っこいものや甘いものを食べると母乳がドロドロになり、乳腺をつまらせて乳腺炎になることがあるので控えるように、と指導されていた時代がありました。現在でも、その指導が根強く残っていることもあり、母乳をあげているママが、おっぱいのために揚げ物やケーキなど脂肪分の多い食事を控えているというお話を聞きます。また、その他にもおっぱいのために控えているものもあり、それがストレスに感じているママもいるようです。授乳中の食事制限が本当に必要なのでしょうか? 母乳育児の専門家である国際ラクテーションコンサルタントとしてお答えします。 ママの食事は母乳の成分に影響する?母乳育児には、通常より負荷した栄養が必要です。日本人の食事摂取基準では、プラス350kcalとされています。総摂取カロリーが1500kcal以上であれば、母乳量は減少しません。また、余分に食べても母乳量は増えないとされています。 ママたちが気になっている食事中の脂肪ですが、摂取量によって母乳中の脂肪酸組織が変化します。また、食事による摂取だけでなく、もともとママがもっている体内の脂肪の貯蔵量が多いと、母乳中の脂肪成分が多くなることがあるます。一方、たんぱく質やビタミンB12、ナトリウム、カルシウム、鉄などは、食事やママの体内の貯蔵量に影響されることはなく母乳中の成分は一定であるとされています。 揚げ物や甘いものを食べると乳腺炎になる?先ほどもお話した通り、食事により脂肪の摂取量が増えると母乳中の脂肪成分も増えることがあります。しかし、母乳(成乳)の脂肪球の直径は2.0〜6.0μmと小さく、母乳中において脂肪球同士がくっついてしまうということはありません。 母乳の出口である、乳管は出口に近い部分は2mm程度で脂肪球の直径の300倍以上であり、射乳反射で飛び出す時は約58%拡張します。そのため、母乳中の脂肪成分が増えても、乳管をつまらせるほどの影響はないといわれています。 カフェインの母乳への影響は?カフェインは、母乳中に移行して、移行量が多いと赤ちゃんが眠らなくなったり落ち着かなくなったりするなどの症状がみられることがあります。成人に比べて新生児は半減期(半分に代謝される時間)が長く、とりすぎに注意しましょう。特に生後3週未満の児や早産児はカフェインの代謝が遅いためより少なめにしましょう。それ以降でしたら、1日1〜2杯程度のコーヒーを飲んでも影響は少ないといわれています。 アルコールと食事に含まれるアルコールの母乳への影響は?アルコールは、分子が小さいために母乳中へ移行しやすいのですが、アルコール10g以下(ビール250ml、ワイン100ml、日本酒80ml)であれば問題ないとされています。アルコールは通常2〜2.5時間で血中から消失します。もし飲むのであれば、授乳したあとにほんの少量程度に留めておき、その後の授乳は3時間くらいあけると安心ですね。 しかし、アルコールの代謝は個人差があること、アルコールは母乳分泌抑制作用があるために、慢性的な飲酒は避けましょう。ノンアルコールのビールやカクテルなどもたくさん販売されています。食事やお菓子に含まれるアルコールに関しては、少量であり、加熱していればアルコール成分は飛んでいることもあるため、あまり気にされなくても大丈夫かと思います。 授乳中は、カロリー消費が多く通常よりプラスした栄養が必要です。寝不足や育児ストレスなど蓄積しやすい時期かと思います。食事制限によるストレスなく、美味しい食事やおやつで、毎日頑張っているママへのご褒美として、元気を回復させたいものですね。 <引用・参考文献>日本ラクテーションコンサルタント協会第45回母乳育児支援学習会in東京山本よし子「Q脂肪の多いものを食べると乳管がつまる?(母乳の生化学)」 日本ラクテーションコンサルタント協会第43回母乳育児支援学習会in東京田中奈美「産後の母親の健康薬、食事、不妊治療など」 日本ラクテーションコンサルタント協会第39回母乳育児支援学習会in東京齋藤朋子「母乳と薬剤〜とりあえず母乳はやめましょうと言わない支援者になろう〜」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2020年03月20日昔は、脂っこいものや甘いものを食べると母乳がドロドロになり、乳腺をつまらせて乳腺炎になることがあるので控えるように、と指導されていた時代がありました。現在でも、その指導が根強く残っていることもあり、母乳をあげているママが、おっぱいのために揚げ物やケーキなど脂肪分の多い食事を控えているというお話を聞きます。また、その他にもおっぱいのために控えているものもあり、それがストレスに感じているママもいるようです。授乳中の食事制限が本当に必要なのでしょうか? 母乳育児の専門家である国際ラクテーションコンサルタントとしてお答えします。 ママの食事は母乳の成分に影響する?母乳育児には、通常より負荷した栄養が必要です。日本人の食事摂取基準では、プラス350kcalとされています。総摂取カロリーが1500kcal以上であれば、母乳量は減少しません。また、余分に食べても母乳量は増えないとされています。 ママたちが気になっている食事中の脂肪ですが、摂取量によって母乳中の脂肪酸組織が変化します。また、食事による摂取だけでなく、もともとママがもっている体内の脂肪の貯蔵量が多いと、母乳中の脂肪成分が多くなることがあるます。一方、たんぱく質やビタミンB12、ナトリウム、カルシウム、鉄などは、食事やママの体内の貯蔵量に影響されることはなく母乳中の成分は一定であるとされています。 揚げ物や甘いものを食べると乳腺炎になる?先ほどもお話した通り、食事により脂肪の摂取量が増えると母乳中の脂肪成分も増えることがあります。しかし、母乳(成乳)の脂肪球の直径は2.0〜6.0μmと小さく、母乳中において脂肪球同士がくっついてしまうということはありません。 母乳の出口である、乳管は出口に近い部分は2mm程度で脂肪球の直径の300倍以上であり、射乳反射で飛び出す時は約58%拡張します。そのため、母乳中の脂肪成分が増えても、乳管をつまらせるほどの影響はないといわれています。 カフェインの母乳への影響は?カフェインは、母乳中に移行して、移行量が多いと赤ちゃんが眠らなくなったり落ち着かなくなったりするなどの症状がみられることがあります。成人に比べて新生児は半減期(半分に代謝される時間)が長く、とりすぎに注意しましょう。特に生後3週未満の児や早産児はカフェインの代謝が遅いためより少なめにしましょう。それ以降でしたら、1日1〜2杯程度のコーヒーを飲んでも影響は少ないといわれています。 アルコールと食事に含まれるアルコールの母乳への影響は?アルコールは、分子が小さいために母乳中へ移行しやすいのですが、アルコール10g以下(ビール250ml、ワイン100ml、日本酒80ml)であれば問題ないとされています。アルコールは通常2〜2.5時間で血中から消失します。もし飲むのであれば、授乳したあとにほんの少量程度に留めておき、その後の授乳は3時間くらいあけると安心ですね。 しかし、アルコールの代謝は個人差があること、アルコールは母乳分泌抑制作用があるために、慢性的な飲酒は避けましょう。ノンアルコールのビールやカクテルなどもたくさん販売されています。食事やお菓子に含まれるアルコールに関しては、少量であり、加熱していればアルコール成分は飛んでいることもあるため、あまり気にされなくても大丈夫かと思います。 授乳中は、カロリー消費が多く通常よりプラスした栄養が必要です。寝不足や育児ストレスなど蓄積しやすい時期かと思います。食事制限によるストレスなく、美味しい食事やおやつで、毎日頑張っているママへのご褒美として、元気を回復させたいものですね。 <引用・参考文献>日本ラクテーションコンサルタント協会第45回母乳育児支援学習会in東京山本よし子「Q脂肪の多いものを食べると乳管がつまる?(母乳の生化学)」 日本ラクテーションコンサルタント協会第43回母乳育児支援学習会in東京田中奈美「産後の母親の健康薬、食事、不妊治療など」 日本ラクテーションコンサルタント協会第39回母乳育児支援学習会in東京齋藤朋子「母乳と薬剤〜とりあえず母乳はやめましょうと言わない支援者になろう〜」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2020年03月20日みなさんは母乳育児、ミルク育児、どちらですか? 母乳&ミルクの混合で育てているママさんも多いことでしょう。出産後、産院で「授乳指導」や「調乳指導」を受けると思います。その際に「今後どう育てていきたいのか」を聞かれることでしょう。わたしの場合は、「なるべく母乳で育てていきたい」との思いがありました。人によって、授乳の理想はさまざま。仕事に復帰するつもりだったり、パパと一緒に授乳していきたいからと、混合育児や完ミ育児を望むママも。今回は、これからママになる方や授乳で悩んでいるママさんたちに、気になる完母・混合・完ミの1日と、母乳育児、ミルク育児のメリット・デメリットを聞いてみました。完全母乳ママの1日完全母乳で育てているママは、新生児から数ヶ月間は「2~3時間毎に8~10回/1日」授乳します。なかなか最初は母子ともに授乳に慣れず、赤ちゃんの吸い方にムラがあったり、ママのおっぱいがトラブルを起こしたりと大変な時期も…。しかし、成長と共にこの授乳回数は減っていきます。息子の場合は、生後2ヶ月~6ヶ月くらいまで授乳間隔は3~4時間で、その後、1歳3ヵ月で断乳する頃には感覚もまばらになり、1日数回になりました。また、抱っこしても、オムツを交換しても泣き止まない時は、おっぱいに頼ることが多いです。母乳育児の場合は「何時間経ったら」や「1日何回飲ませる」というよりも、「赤ちゃんが欲しがったら」あげるというスタイルに落ち着くママが多いよう。息子も断乳間際の1歳前後には、お腹が空いていないはずなのにすぐにおっぱいを欲しがる「甘え飲み」が多くなり、どうしたら間隔を開けられるかが悩みの種でした。母乳とミルクの混合ママの1日基本的なスケジュールは完全母乳のお母さんと同じ。わたしは混合育児だったのですが、1日の内にミルクを与える時間を決めていました。混合育児をしているママたちの理由はいろいろですが「最初のうちは母乳が安定しているのか不安だから」、「哺乳瓶に慣れさせたくて」、「夜はしっかり(ママが)眠りたいから」などと言います。わたしは、産院でもらった新生児用の100mlの哺乳瓶に40mlの粉ミルクを作り、毎日のお風呂上がりに与えることに決めていました。その後、成長と共に量を増やし、生後2ヶ月~4ヶ月くらいまでは、100ml。それ以降は、〜200ml与えていました。キューブ状の粉ミルクを使っていたので調乳は楽だったのですが、哺乳瓶の準備が面倒に感じて、完全母乳にしていた日もあります。完全ミルクママの1日わたしの友人の完ミママは、2~3時間毎に7~8回与えているそう。産院で「体重の増加を見ながら、出来るだけ目安の量と授乳間隔を守って」と指導されたそうです。赤ちゃんはそれぞれの性格や体型などは違いますが、だいたいの月齢で「飲める量」や「飲むべき量」が決まっています。ミルクのパッケージなどにも、月齢毎のミルク量が参考に書いてあるので、それを参考に、少しずつ増やしていくといいと思います。授乳の時間になったら、1度沸騰させたお湯で粉ミルクを溶かし、人肌になるまで冷まして授乳します。授乳を終えたら、使い終わった哺乳瓶を洗って、煮沸・消毒までが一連の流れ。次の授乳の時間になったら、また、調乳して、授乳して、消毒して…、私は1日1回しか哺乳瓶を使っていませんでしたが、それでもこの一連の作業が大変だなぁと感じました。少しでもこの負担を軽減させるため、洗った後の哺乳瓶は煮沸ではなく、消毒液に浸けるだけ・電子レンジで消毒にしているママも多いようです。母乳派のメリット・デメリット母乳は赤ちゃんにとって栄養になる大事なもの。特に、出産後にでる濃い黄色の初乳は、赤ちゃんの免疫力を上げるため重要と言われています。また、赤ちゃんとのお出かけは荷物がとても多いものですが、母乳であれば哺乳瓶などの持ち物は要りません。赤ちゃんがぐずった時も、おっぱいがあればその場をしのげる心強さもあります。そして、何より無料です。粉ミルクはお金がかかりますが、母乳はかかりません。ただ、私の場合は、両方のおっぱいから同じように母乳が出ませんでした。そのため息子の好みがはっきり出て、片方しか吸ってくれないことで、片方の乳房が何度も乳腺炎になり、激痛と闘う度に挫けそうに…。助産師さんを呼んで母乳マッサージを受けたり、自分で搾乳して哺乳瓶で飲ませたり...、断乳まで試行錯誤の連続でした。乳腺炎にならなくても、「乳首を噛まれて切れる」、「母乳パットをつけていても母乳が服に染み出る」などのトラブルが母乳育児には付き物です。ミルク派のメリット・デメリットミルクはお父さんでも授乳ができます。その間にお母さんは少しでも休みましょう!おっぱいでの授乳とはまた違う可愛い表情が見られるので、お父さんも楽しめるはず。また、ミルクはいつでも一定でバランスの良い栄養を赤ちゃんに与えることができます。お母さんが風邪をひいたときも、体を休ませて、問題なく薬を飲めます。母乳よりも腹持ちが良いと実感しているママが多く、赤ちゃんの睡眠時間が母乳よりも長くなる傾向があります。赤ちゃんにとってもお母さんにとっても、少しだけ休める時間が増えるのは良いですよね。ただ、お出かけする時に哺乳瓶などの持ち物が増えることと、場合によっては長時間の外出は難しいところがあります。粉ミルク代金はメーカーによって値段も変わりますが、1缶2000円前後します。赤ちゃんとママがハッピーならどちらでもオッケー♡完全母乳でも、混合でも、ミルクでも、育児は赤ちゃんとお母さんがハッピーならそれで良いんです!母乳じゃなきゃいけないとか、粉ミルクはあまり飲ませたくないとか、そういう価値観でお母さんを縛り付けるのは良くないなぁと思います。もっと自分らしく、育児を楽しんじゃいましょう!
2020年03月13日春からの仕事復帰を予定しているママで、お子さんが保育園に行く場合、母乳を続けるか、断乳するか悩んでいる方も多いのではないでしょうか? 今回はそんなママに向けて、仕事復帰後の母乳育児のヒントになることをお話しします。 仕事復帰後の母乳育児をどうするか決めるポイントまずは、母乳育児をどうするか決めるときにポイントとなることを、赤ちゃんの成長や状況、ママの体調や状況に分けていくつか紹介します。 赤ちゃんの成長や状況によるポイント・月齢(年齢)・離乳食の進み具合・食べる量・体重や発達→1歳未満であれば、離乳食が食べられていても栄養の観点から母乳や育児用ミルクの液体栄養は大切です。完母の方は育児用ミルクへ替えていくこともあります。・母乳分泌量・授乳回数(特に日中)→母乳量が多い場合や日中の授乳回数が多い場合は、仕事中に搾乳しないと胸が張ってつらいことがあります。・授乳状況→母乳で寝かしつけをしている場合、他の方法(抱っこやトントンするなど)への移行ができるかという課題もあります。・保育園の搾乳対応の有無→搾母乳に対応していない園もあるようです。その場合は、保育園にいる間は育児用ミルクになることもあります。 ママの体調や状況によるポイント・乳房トラブルの有無→乳腺炎を繰り返している場合、トラブル発生時に体調不良で欠勤することも。・夜間授乳の回数→夜間の睡眠が十分にとれないと、翌日の仕事に影響が出ることがあります。・勤務時間(往復の通勤時間も含めて)→授乳できない時間が長い場合、勤務中の1〜2回の搾乳が必要になることも。・搾乳できる場所や時間が確保できるか→昼休みにトイレや更衣室で搾乳される方が多いようです。・ママの気持ち→これが一番大事です。母乳を続けたいか、やめていきたいか、ママの気持ちもポイントになります。 仕事復帰後も母乳を続けるメリット・デメリット次に母乳を続けるメリットとデメリットについてお伝えします。こちらも赤ちゃんから見たメリット・デメリットと、ママから見たメリット・デメリットに分けてみました。 赤ちゃんから見たメリット・感染症にかかりづらくなり、重症化を予防できる・寝かしつけがしやすい・ママとのスキンシップ、癒しになる 赤ちゃんから見たデメリット・特になし ママから見たメリット・母乳の免疫で、感染症にかかりづらくなったり、重症化を防ぐ・子どもが休むことが少なくなり、ママの欠勤も少なくなる・子どもとのスキンシップ、癒しになる・母乳育児を長期的に継続することにより、乳がん・卵巣がん・子宮体がんの発生を抑える(長期的効果) ママから見たデメリット・乳腺炎になることもあり、体調不良で欠勤する可能性がある・夜間の授乳のために睡眠が不足することもある・休憩時間が搾乳の時間にとられる 仕事復帰後も母乳を続ける場合の準備や心構えは?1歳未満や保育園にいる時間帯に授乳している場合は、日中1〜2回の搾乳が必要になることも。搾乳場所・搾乳を保存するための冷凍庫の確認、搾乳時間の確保をしましょう。【準備するもの】手搾乳(タオル、カップ)、搾乳機(手動・電動)※保存する場合は母乳パック、持ち運び時に溶けないように保冷剤・保冷バック 【スケジュール例】※生後10カ月9:00〜16:00までのお仕事の場合 6:00 ・・・・・・起床/準備 7:00 ・・・・・・朝食/授乳 8:00 ・・・・・・登園/出社 9:00 ・・・・・・就業開始12:00 ・・・・・・昼食/搾乳16:00 ・・・・・・就業終了/退社17:00 ・・・・・・お迎え/帰宅、授乳、夕食、お風呂20:00 ・・・・・・授乳/寝かしつけ、夜間覚醒時授乳仕事復帰に向けて断乳する場合の準備や心構えは?断乳する日を決めて、お子さんに事前にお話をしましょう。断乳ケアは慣らし保育前から余裕をもって始めておきましょう。セルフケアでもできますが、搾乳に自信がない人や不安があれば、お近くの母乳外来を探して、断乳ケアを受けるようにしましょう。春は断乳ケアが集中することがあるので、余裕のあるうちに相談しましょう。 仕事復帰後の母乳育児については、みなさん悩むところです。WHOでは、生後6カ月までは母乳で育てて、その後、補完食(離乳食)を適切にとりながら2歳まで母乳を続けることを推奨しています。また、その後も子どもが欲する期間は母乳をあげることも推奨しています。しかし、ママという立場からひととき離れて仕事に集中したい、体力勝負で睡眠も万全で挑みたいという気持ちもあると思います。それぞれの家族や仕事、ママの想いにも合わせて、家族で話し合って決めていけると良いかと思います。監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2020年02月27日こんにちは、保育士の中田馨です。赤ちゃんが成長するために必要な母乳や育児用ミルク。たくさん飲んでほしいけど、赤ちゃんが飲んでくれないときがあります。赤ちゃんが飲んでくれない理由はさまざま。今回は、そのチェックポイントとママができる対応を紹介します。 足りているかを確かめるチェックポイント「こんな少ししか飲んでいなくて大丈夫かしら?」ママにとって一番気になることは母乳や育児用ミルクが足りているかどうかだと思います。新米ママの場合特に、足りているのか足りていないのかを判断するのは難しいと思います。気になるときは、以下を参考にしてみましょう。 ・体重の増え方が悪い・授乳の間隔が1~2時間・おっぱいをいつまでもくわえている・おしっこやうんちの回数が少ない・不機嫌 新生児の場合は、生理的体重減少を考慮して、退院したときからどれくらい体重が増えているかをチェックしましょう。心配な場合は、授乳の時間やうんちおしっこの回数などをメモしておき、助産師、医師などに相談します。体重増加はどうか、おっぱいを正しい吸い方をしているかなどからチェックしてもらいましょう。 すぐ寝てしまうときはどうすればいい?低月齢の時期によくある姿です。最初は勢いよくゴクゴク飲んでいるのに、すぐにウトウトと寝始めてしまいます。低月齢のときは、母乳や育児用ミルクを飲むことに体力が必要です。まだまだ体が小さい赤ちゃんですので、疲れて途中で寝てしまうんですね。 ほっぺをツンツンしても起きない。ママとしては、一度にたくさん飲んでから寝てほしいですよね。でも、寝てしまったときに、無理に起こすのはなかなか難しいこと。しばらく寝かせ、起きたらまた飲ませます。月齢が上がるごとに、体力がつき一度に飲めるようになってきます。 遊び飲みをするときはどうすればいい?月齢が上がり、3カ月ごろになると徐々に遊び飲みを始めることがあります。おなかが少し満足し始めると乳首を外して周りをキョロキョロ見たり、ニヤリと笑ったり、「う~」などお話を始めたり。飲むのはやめているのに乳首を加えたままだったり。 このころの赤ちゃんは、大脳が発達してお腹がいっぱいになると自分で飲まなくなるのです。つまり、自分の適量を飲めるようになるということ。遊び飲みや飲みムラが出てくるように思いますが、赤ちゃんの発達ととらえ、何度か乳首をお口に入れて飲まなければ、そこで終了して遊んであげましょう。また、育児用ミルクの場合、温度に厳しい赤ちゃんは少し冷めてしまうと飲まなくなることも。そんな場合は、再度ミルクを温めなおして飲ませてみましょう。 哺乳瓶から飲んでくれないときはどうすればいい?赤ちゃんによっては、哺乳瓶を嫌がって飲まないことがあります。母乳が足りずに育児用ミルクを足す場合は、栄養が足りないのではないか? 4月から保育園を控えている場合は、保育園で大丈夫か? と心配になります。 哺乳瓶を嫌がる赤ちゃんの場合、私の保育園では以下のようなことを家庭と一緒にチャレンジしています。 ・お気に入りの乳首を探すメーカーにより乳首が違いますので、より母乳に近いものを選んでみます。・育児用ミルクのメーカーを変えてみる育児用ミルクはメーカーにより味が違います。試供品などもらっておいて、各メーカー試してみるのもいいですね。・温かさを確認する腕の内側にミルクを垂らして温度を確認しましょう。40度前後の、やや熱いくらいが適温です。赤ちゃんによって微妙に好みが違うので、あなたの赤ちゃんの好きな温度を探してみましょう。・搾乳した母乳で練習する普段飲みなれた味のママの母乳を搾乳し哺乳瓶で飲んでみることからスタートしてみましょう。 赤ちゃんの食欲には個人差があります。成長曲線に沿って体重が増えていて、おしっこやうんちがよく出ている、機嫌が良いなどの場合は基本的に大丈夫ととらえましょう。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。『いっぺんに作る 赤ちゃんと大人のごはん』(誠文堂新光社)も発売中!
2020年01月23日出産すれば、当たり前のように母乳が出ると思い込んでいた私。いざ、子どもが生まれて母乳をあげようとしましたが、何度あげてもほとんど出ませんでした。母乳で育てたい気持ちと思うように出ないことへの悲しさ、申し訳なさに悩みました。そんななか、ミルク育児にしようと思ったきっかけを紹介します。 母乳がたくさん出るのは当り前じゃない私はもともと乳首が小さく、扁平ぎみでした。気になっていたので妊娠中に助産師外来で相談したところ、「扁平乳首でもあげることはできるし、もし難しければ乳頭保護器を使うこともできるから大丈夫」と言われました。 そのため安心していたのですが、出産後の入院期間から思ったよりもうまくいかず、何度も子どもと練習を繰り返す日々。病院の授乳スペースで母乳をあげていると、周りのママたちはすんなり母乳をあげて部屋に帰っていきます。うまくいかない私と子どもはなかなか帰ることができず、周りのママたちがうらやましくてたまりませんでした。「母乳は出なくても吸わせたほうがいいわよ」とアドバイスされたので、何度も挑戦しますが、いっこうに母乳が出る気配はありませんでした。 母乳育児とミルク育児で悩む日々入院は5日間でしたが、黄疸が出ていたために子どもの退院は2日ほど延期になりました。母乳もうまくあげられない、黄疸で一緒に家に帰ることもできない……と落ち込んでいた私に「親孝行な子だね! お母さんに2日間ゆっくり休んでねって言ってくれてるのよ!」と、病院の掃除担当の方が言ってくれた言葉がとても心に残っています。その言葉を聞いて、自分を責めてばかりいたことに気づかされました。 2日後、里帰りしていた実家で子育てをスタート。病院へ授乳しに行ったり、搾乳器を使ったりすることで、おっぱいの張りは退院後少しありましたが、搾乳しても母乳はほとんど出ません。繰り返しおっぱいを吸わせますが、うまくいかずに子どもはおっぱいを嫌がることも。おなかいっぱい飲ませてあげたいけれど、おっぱいをあげても母乳は出ない。昼間は、家族がいて気持ちがラクですが、夜中の授乳タイムは心細くてたまりませんでした。母乳育児に固執し続けることが子どものためになるのか……。混合育児という形で母乳をあげ続けるべきか、ミルク育児に切り替えるべきか、悩み迷う日々でした。 私を支えてくれた夫の存在母乳のことで毎日悩んでいた私のために、夫は仕事がどんなに遅くなっても顔を見に来てくれました。疲れているのに、私の愚痴を聞いてくれたり、おっぱいマッサージをしてくれたりして心の支えになってくれたのです。そんなある日、いつものように愚痴を聞いてくれていた夫が「母乳で頑張りたいのはよくわかる。でも、母乳のことばかりで毎日つらい思いをするなら、ミルク育児に切り替えても良いと思うよ。だけど、母乳育児を頑張りたいなら応援するし、毎日マッサージもする。どちらでも良いんだよってことをわかっていてほしい」と言ってくれたのです。 母乳育児で悩むならやめろと言われたり、ミルクにすれば良いよと簡単に言われたりしたら、きっと反発していたと思います。夫が私の頑張りたい気持ちをわかってくれたうえで、ミルク育児の提案をしてくれたことがとてもうれしかったです。その言葉で、母乳育児を頑張る期間を「お宮参りの日まで」と決意しました。 母乳育児を続けるリミットを“お宮参りの日まで”と決めたことで、その期間中、穏やかな気持ちで過ごすことができました。結果的にミルク育児へ切り替えることを決意しましたが、精いっぱい頑張ったので後悔はしていません。夫が私の気持ちを汲んでくれたことで、“家族が笑顔で過ごせる”ということが一番だと気づくことができました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:矢野えみ1歳男児の母。妊娠を機に、5年間続けていた介護職を退職。出産後、ハンドメイド作品販売をしながら、子育てと仕事の両立を目指してライターに転身。自身の体験をもとに子育ての体験談を執筆中。
2020年01月18日こんにちは! 助産師のREIKOです。昨年12月29日、「厚生労働省が『母乳バンク』を全国的に整備する方針を固めた」という報道がありました。そこで今回は、母乳バンクについてお話ししたいと思います。 母乳バンクとは?「母乳バンク」とは、母乳がたくさん出るママが寄付した母乳(ドナーミルク)を、適切に検査、保管・管理をおこない、母乳を必要としている他の赤ちゃんに提供する仕組みのことを言います。ドナーミルクを提供されるのは、早産などで生まれた極低出生体重児(出まれたときの体重が1,500g未満の赤ちゃん)です。 現在、世界の50カ国以上で600を超える母乳バンクがありますが、日本の母乳バンクは昭和大学江東豊洲病院内の1箇所のみとなっています。その後、2017年に一般社団法人 日本母乳バンク協会が設立され,2018 年以降、ドナーミルクを利用するNICUは増加しているそうです。 母乳栄養のメリットは早産で生まれた赤ちゃんにも早産で生まれた赤ちゃんは体のさまざまな機能が未発達なため、呼吸器や消化器に合併症を生じる恐れがあります。なかでも新生児壊死性腸炎は、極低出生体重児や超低出生体重児(生まれたときの体重が1,000g未満の赤ちゃん)の約3〜7%に発症し、進行すると赤ちゃんの命に関わる恐れのある疾患の1つです。 母乳(特に初乳)には免疫物質が多く含まれるため、育児用ミルクより新生児壊死性腸炎を起こしにくいと言われています。また、新生児壊死性腸炎だけでなく、慢性肺疾患や後天性敗血症に対する予防効果,将来的な神経発達予後の改善など、早産で生まれた赤ちゃんにとってもさまざまな利点があるということが明らかになってきています。 早く赤ちゃんに母乳を与えたい! でも…。そのため、早い時期から赤ちゃんに母乳を与えたいところですが、赤ちゃんを産んですぐにたくさんの母乳が出るというママはあまりいません。そのため、低出生体重児用のミルクか他のママの母乳(もらい乳)を使用するという方法が取られます。 しかし、低出生体重児用とはいえ、やはり消化機能が未発達な赤ちゃんにとって人工乳は負担になってしまいます。また、もらい乳の場合は、他のママから提供された冷凍母乳を解凍後、加温して使用します。そのため、感染症のリスクが否定できないという問題もあり、もらい乳を実施していない施設も多々あります。 私が働いていたNICUでは、もらい乳が必要だと判断された場合、母乳を提供してくださるママの感染症の有無を確認し、母乳を必要としている赤ちゃんのママ、双方に個別で説明をおこない、同意書をとったうえでもらい乳をしていましたよ。 母乳バンクでの徹底管理母乳バンクで取り扱われる母乳はドナーからの提供によるものですが、ドナー登録にはいくつかの条件があり、指定された施設での検診が必要になります。母乳を提供する際にも家族を含めたその時点での健康状態の確認がおこなわれます。 そして、提供された母乳は殺菌処理の前に細菌検査をおこない、母乳に病原菌が含まれていないことを確認します。そして、62.5℃、30分の低温殺菌処理をおこない、その後、あらためて細菌検査で細菌がまったく検出されないことを確認し、冷凍保存されます。 このように徹底管理された母乳バンクのドナーミルクは、一般的に安全であると受け止められています。ですので、日本小児科学会でも早産・極低出生体重児の経腸栄養に関して、「自母乳が不足する場合や得られない場合,次の選択肢は認可された母乳バンクで低温殺菌されたドナーミルクである」と提言しています。 ドナーになりたいママはたくさんいるけれど…日本母乳バンク協会では、ドナー登録、ドナーミルクの殺菌処理、ドナーミルクの他施設への無償提供、地域の母乳バンク設立への働きかけ、研究などさまざまな活動がおこなわれています。このような活動に賛同するママたちも増え、ドナー登録をする方も200人を超えたとのこと。しかし、現行の母乳バンクではキャパシティの問題もあり、ドナー登録を制限しているそうです。 こうした状況の中、育児用品を取り扱うピジョン株式会社が、日本母乳バンク協会への経済的支援に手を挙げ、2020年春から会社の一部スペースを「東日本橋 母乳バンク」として使用することになりました。現在の母乳バンクが年間80人の赤ちゃんにしか対応できていないのに対し、新しい母乳バンクは年間200人に応えていく予定だそうです。 母乳バンクが全国に整備されるのはいつ?極低出生体重児を産んで、母乳を与えたいのに母乳が出ない(与えられない)ママにとって、母乳バンクの整備は朗報だと言えます。ですが、今すぐ実現する……というわけではないようです。 厚生労働省によると、まずは2020年度から3年程度、調査研究をおこない早ければ2023年度からの事業開始を目指すとのことです。調査研究の内容は、現行の母乳バンクにおけるドナーミルクの提供を受けた児の予後の追跡調査、諸外国での母乳バンクの運用と法的規制等の実態調査と整理、医療機関関係者・NICU児の親・一般の妊産婦に対する母乳バンクに対する意識調査などがあがっています。 過去には不衛生な状態の母乳をインターネット上で販売していたとして、厚生労働省や消費者庁から注意喚起がなされたこともあります。より安全な方法で安心してドナーミルクを活用できるようなシステムが全国にでき、1人でも多くの小さな命が助かるといいなと思います。 監修者・著者:助産師 REIKO医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
2020年01月15日上の子のときは問題なく授乳できたので、第3子も当然のように母乳が出ると思いこんでいた私…。母乳だけでは足りない状況に大きな不安を持つようになりますが、夫の一言で救われることになります。▼前回エピソード ■母乳だけでは足りず、ミルクを足す日々自分の母乳が出てないのか、赤ちゃんの飲む力が上の子たちより弱いのか、そのどっちもなのかはわかりませんが、結局長男次男のように、退院日までに「母乳のみでオッケー!」とはならず…。しばらく授乳の後にミルクを足してやっていくことになりました。不思議なことに、母乳の悩みがなかったときは、母乳で育てようとミルクで育てようと、どっちが良いなんてことはないし、全く気にする必要なんてないよ! と思っていたのに、いざ自分がそういった悩み直面すると、母乳が足りずミルクを追加することに、とても罪悪感を持ってしまう自分がいました。そして自分を責めるようになったり…周囲の人のちょっとした一言でも落ち込むようになりました。それ以外にも、今まで夜中の授乳は大変だと思っていましたが、ミルクはお湯を注いで人肌に冷まして…とやる事が母乳のときより増える…。お出かけのときも、ミルクの持ち歩きの事を考えないといけない…。など、ミルクで育てているお母さんたちは、大変な思いをしていたんだなと痛感させられました…。■旦那の一言に救われるもうこのまま自分は母乳が出なくなるんじゃないか…、とどんどんマイナスなことを考えるようになり、旦那に愚痴ったとき、意外な事を言われました。たしかに子どもたちは生まれる前から「赤ちゃんにミルクをあげてみたい!」 とずっと言っていました。ミルクだと旦那も子どもたちも赤ちゃんに関わる機会がさらに増える! そんな考えもあったのか!と気持ちが楽になっていきました。そして、母乳外来で産婦人科に行ったときも、担当の看護師さんに色々相談に乗ってもらえました。それからはあまり深く考えないようにして、ミルクでの育児にもたくさんメリットはあるんだと楽しめるようになりました!今は赤ちゃんの体力もついてきたようで、母乳のみになっていますが、この体験から、母乳やミルクの会話って何気ない一言で傷つけてしまう事もあるんだと身をもって分かりました。なので自分もこういった話題のときは慎重に話そう、と再確認するきっかけになりました。
2019年12月03日こんにちは、Arareです。今回は母乳についてのエピソードです。■母乳をたくさん飲んでくれた長男次男3人目を出産するまで、自分は母乳が当たり前に出て、赤ちゃんも当たり前に飲んでくれると根拠のない自信がなぜかありました。妊娠中にある胸の検査では、形もいいし飲みやすそうと言われました。その言葉のとおり、長男も次男も産後3日目くらいには看護師さんに驚かれるくらい良く母乳を飲んでくれました。長男出産時の退院前には、看護師さんにこんな事も言われ…、妊娠中にマッサージなどをしていたわけじゃなかったので、この言葉で完全に調子に乗ってしまった私…。私はマッサージや食事を気にしなくても、母乳がよく出て赤ちゃんもたくさん飲んでくれる胸なんだー! ラッキー! と思うようになっていました。しかし、3人目出産後…■今までとは様子が違う、3人目の授乳3人目出産後、2日くらい経つと胸がカッチカチに張り出し、あー今回も母乳がたくさん出そうだぁー! きっとたくさん飲んでくれるだろうなぁー、と思い込んでいざ授乳に向かったのですが…。あれ? なんだかあんまり飲んでくれない…頑張って吸ってくれているけど、上2人の時とは明らかに違うと感じました。まだ母乳が出だしたばっかりだし…、きっと退院までには今まで通り飲んでくれるはず…と思ったのですが、退院の前日になっても、長男や次男の時には、退院前にはミルクを足さなくても充分過ぎるくらい飲んでくれていたのに…。これってやっぱり…、当然のように母乳が出て飲んでくれると思っていた私にとって初めての経験…。母乳に対して大きな不安を持つようになっていきました。次回に続きます!
2019年11月28日私は3歳の長男、2歳の長女、生後1カ月の次男と生活をする33歳の母親です。もともとスポーツが大好きで、学生時代は全力でソフトボールを楽しみました。大学を卒業後、スポーツから縁遠くなってしまい、3人の出産を経て得たのは揺れる肉……。今回は、そんな体形を何とかすべく奮闘している様子をお伝えします。 母乳育児で体重が減る予定が…!?長男を妊娠したとき、私の体形は身長168cm、体重87kgでした。かなり大きめなため、妊娠中は体重を増やさないようにと医師から指導されました。初めての妊娠に気を張った生活をしていたためか、体重をキープしたまま出産することができました。 長男は完全母乳での育児。母乳育児は体形が戻りやすいとの情報から、いつか体形が戻り、あわよくばやせるかも……と考えていましたが、長女と次男の妊娠・出産を経てさらに太っていってしまいました。 産後、筋肉がぜい肉に早変わり3人の出産を終えて気付いたことは、妊娠中に筋肉が落ち、ぜい肉に早変わりしてしまったということでした。スポーツを楽しんでいたときの体脂肪率は、自己ベストで12%。現在は、自分の目を疑うほどの数字が並び、体の約半分が脂肪であるとの結果でした。 一生懸命つけた筋肉は、妊娠・出産を経験した4年間という歳月をかけて脂身へと変わり果てていたのです。もちろん代謝も落ち、さらに体形が戻りにくい体へと変化していました。 本格的に産後のケアを開始!そんな状況に危機感を感じ、動ける体を取り戻すために食事の見直しと骨盤のケア、ストレッチを始めました。次男を妊娠したときに使用した骨盤ベルトを産後も着用し、骨盤をケアしながら、ストレッチを毎日継続しておこないました。 現在は、産後の経過を見ながら体を動かす準備をしています。骨盤ケアの成果が出てきたのか、2週間でヒップのサイズが2cmダウンしました! 食事では、無理のない程度に、主食の量を3分の2に減らすという方法を取り入れ、2週間で2kg減をキープ中です。 産後、思った以上に筋肉が落ちていたようで、ちょっと長めの買い物で足腰が疲れるという現状です。そんな状況を打破するために、有酸素運動を無理なくできるだけ長くおこなうことにしています。体形と体重の変化を楽しみに、産後のぶよぶよ体形とこれからも向き合っていきたいです! ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト/ニシカタ監修/助産師REIKO著者:簗田智花4歳の長男、2歳の長女、1歳の次男との育児ライフを楽しむ34歳の母。現在は、仕事と家事、育児に奮闘中。ドライブ、スポーツ、スポーツ観戦が趣味のアクティブママ。
2019年11月25日断乳や卒乳は、母乳育児の最後にして最大の難関であるといえるでしょう。ママと子どもの大切なコミュニケーションタイムであることから、できればいつまでも授乳したいと考える人もいるかもしれませんね。果たして、母乳はいつまで与えるものなのでしょうか。このコラムから、ママが納得のいく答えが見つかりますように。【監修】イシハラクリニック副院長 石原新菜 先生小学校は2年生までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。クリニックでの診察の他、わかりやすい医学解説と、親しみやすい人柄で、講演、テレビ、ラジオ、執筆活動と幅広く活躍中。著書に、13万部を超えるベストセラーとなった『病気にならない蒸し生姜健康法』(アスコム健康BOOKS)をはじめ、『「体を温める」と子どもは病気にならない』(PHP研究所)等30冊を数える。■母乳はいつまであげる?母乳育児のメリット・デメリット赤ちゃんの栄養源である母乳。母乳を与えることは赤ちゃんのおなかを満たすほかにも多くのメリットがあり、厚生労働省では母乳育児の優れた点として次の6つを挙げています。1.免疫学的感染防御作用がある2.成分組成が乳児に最適であり、代謝負担が少ない3.アレルギーを起こしにくい4.出産後の母体の回復を早める5.母子相互関係の良好な形成6.衛生的、経済的で手間もかからないアレルギーが出にくく、赤ちゃんを病気から守るための免疫物質も含まれている母乳は、赤ちゃんにとって良いことづくめの栄養です。このほか、母乳を飲むことで赤ちゃんの口や舌、脳の発達を促したり、SIDS(乳幼児突然死症候群)の発生率が低くなることも注目されています。また、母乳育児は赤ちゃんだけではなく、ママにとってもメリットがあります。体の回復が早まるほか、母乳を分泌することによって消費エネルギーが増大。授乳が自然な産後ダイエットにもつながるといわれています。メリットがある一方、デメリットも。それは、母乳の量が足りているかわかりにくいこと。ミルクとは違って母乳は飲んだ量が目に見えないので、ちゃんと母乳が出ているのか不安に感じてしまいますよね。目安として、1.体重が増えているか2.赤ちゃんの機嫌は良いか3.授乳間隔が3~4時間あいているか4.うんちの回数がいつもより減っていないか以上の4つをクリアしていれば、母乳の量は足りていると考えられます。しかし、個人差があるので、普段から赤ちゃんの状態を観察しておくことが大切です。参考サイト:厚生労働省 「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」 厚生労働省 「妊産婦のための食生活指針―「健やか親子21」推進検討会報告書―」 参考書籍:『母乳育児ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社) 監修 渡辺とよ子母乳育児の実態近年、母乳育児への関心は高まるばかり。母乳で育てることを希望する人は多く、妊娠中の女性を対象にした厚生労働省の調査では、子どもが生まれたら母乳で育てたいと回答した人が全体の9割以上にものぼりました。実際に母乳で育てているママも多く、10年ごとに実施されている調査によると、母乳で育てている人の割合は増加傾向にあります。注目したいのが、母乳育児を選択するワーキングマザーが増えている点。平成27年度の調査では、平成17年度とくらべると母乳育児をしているワーキングマザーの割合が22.6ポイントも増加しています。仕事をしている間、ママと赤ちゃんとは離ればなれ。だからこそ、母乳育児のスキンシップがよりいっそう必要だと考えるママが多いのかもしれませんね。参考サイト:厚生労働省 「平成27年度乳幼児栄養調査(2016)」 母乳はいつまであげてOK?授乳をママと子どもの大切なコミュニケーションととらえるならば、母乳をいつまであげても問題はありません。実際、最近では2歳以降になっても母乳をあげるママは多いようです。しかし、いつまでも母乳を与えていいとはいっても、成長に伴って母乳だけでは栄養不足になってしまいます。母乳だけを栄養源とするのは、生後5~6カ月ころまで。それ以降は母乳をあげながらも、主な栄養摂取元は離乳食となるようにシフトしていきましょう。参考書籍:『母乳育児ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社) 監修 渡辺とよ子WHOの見解世界保健機関(WHO)によると、生まれてから1時間以内に初乳を飲むことが赤ちゃんにとって重要なのだとか。初乳は「最初のワクチン」と考えられるほど、赤ちゃんに必要な栄養素や免疫が豊富です。また、初乳を与えることで乳腺を刺激し、その後の授乳がスムーズに進むという効果もあります。さらにWHOでは、生後半年間は母乳だけで育て、その後は離乳食と併せて最低でも2年以上母乳を与え続けることを推奨。母乳で育てることで乳幼児を病気から守り、同時に母親の乳がんや卵巣がん、産後うつなどのリスクが軽減されるとしています。参考サイト:世界保健機関(WHO) 「2018年世界母乳育児週間」 母乳の栄養はいつまであるの?母乳の成分が変わったり、ママの食事内容によっては母乳の味が変わることもあります。なんと、1回の授乳の中でも、最初は低脂肪で、しだいに高脂肪へと変化するのだとか!また、出産から日がたつにつれ、母乳の栄養も変化がみられます。母乳に含まれるたんぱく質や鉄分は出産直後からゆるやかに減少し、産後300日までには半分になってしまいます。母乳の栄養が減ると聞けば心配にもなりますが、そのぶん赤ちゃんが母乳を飲む量が増え、生後6カ月ころまでは赤ちゃんに必要な栄養量はまかなえるのでご安心を。さらに、このころになると離乳食が始まります。母乳から摂取できる栄養量は減ってしまっても、離乳食から栄養がとれるようになるので心配はいりません。母乳はいつまで出るの?赤ちゃんの母乳を飲む量が減るにしたがって、母乳の分泌量もだんだんと減ってきます。裏を返せば、赤ちゃんが母乳を飲み続けていれば、いつまでも母乳は分泌し続けるということです。断乳や卒乳後は残った母乳を搾乳する必要がありますが、搾りすぎると母乳はまた分泌を続けてしまいます。もう母乳が必要ないことを脳に認識させるためにも、3日ほど搾乳せずにおきましょう。胸が張ってしまったときには全部搾るのではなく、張りを少しだけ解消する程度にするのがポイントです。参考書籍:『母乳育児ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社) 監修 渡辺とよ子■母乳はいつまであげよう…断乳と卒乳の違いとは母乳やミルクを与えるのを完全にやめて、栄養の摂取方法を離乳食に移行することを「断乳」や「卒乳」といいます。しかし、この2つには大きな違いがあるのです。断乳とは赤ちゃんの意志とは関係なく、母乳やミルクをやめることを断乳といいます。ひと昔前までは、1歳になるのをきっかけに母乳をやめることが勧められていたそう。近年では、ママが病気になって薬の服用が必要になったり、職場復帰を機に断乳をする人が多いようです。卒乳とは子どもの成長を機に、ママが赤ちゃんに言い聞かせたり、子どもが自らの意志で飲まなくなることを卒乳といいます。最近では断乳よりも卒乳を選ぶママが多いようです。子どもが自然に母乳やミルクを欲しがらなくなるまで見守る自然卒乳や、卒乳にむけて言い聞かせながら授乳回数を減らしていく言い聞かせ卒乳というスタイルがあります。参考書籍:『いちばんやさしいはじめての母乳育児』(成美堂出版) 監修 SOLANIN(ソラニン)断乳すべき? 卒乳まで待つべき?離乳食が1日3回になり、食事からきちんと栄養がとれるようになったら、断乳や卒乳をしても問題ありません。しかし、いつまで授乳を続けるかを判断するのは難しいですよね。ママが体調を崩して薬を飲むことになったのをきっかけに、授乳をやめるのはよくあるケース。しかし、一般的な薬の多くは授乳中にも服用でき、薬の成分が母乳に出たとしてもごくわずかで、赤ちゃんに影響を与える可能性は低いとされています。また、予防接種を受けたあとも同様に授乳を続けても問題はありません。まだまだ授乳を続けたいのに、薬の服用を機に断乳や卒乳したり、体調が悪いのに薬を飲むのを我慢する必要はありません。体調が悪いときは産婦人科にかかり、授乳中であることを伝えて薬を処方してもらうと安心です。2歳を過ぎても母乳で育てられている子どもは世界で49%。日本でもいつまでに断乳や卒乳をさせるべきといった目安は定められていません。断乳するにしても卒乳するにしても、まずはママが自分の気持ちに納得して進めることが大切です。参考サイト:厚生労働省 「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」 ユニセフ 「世界子供白書2017 栄養指標」 ■母乳はいつまで続ける? やめるときの注意点子どもの数だけ母乳をいつまであげるかは変わる子どもが成長するスピードはそれぞれ違います。同じように、断乳や卒乳にチャレンジしたり、成功するタイミングだって、みんな違って当たり前です。卒乳をしても大丈夫だとされる条件として、形のある食べ物を食べることができ、離乳食から必要な栄養がとれていることや、ストローやコップを使って十分な水分がとれることが挙げられます。同じ月齢でも発達には個人差があるので、同じタイミングで授乳をやめることはできないでしょう。また、授乳が親子のスキンシップとして重要な意味を持っていて、親子関係や子どもの心に影響が出るおそれがある場合は、無理に卒乳する必要もありません。母乳がいつまで必要になるかは、子ども次第。子どもの成長に合わせて、卒乳までの成長を見守りたいものです。参考サイト:日本歯科医学会 「小児の口腔機能発達評価マニュアル」 母乳をやめるときの注意点1:いつも以上にスキンシップを赤ちゃんの体はもちろん、心にも栄養をもたらしてきた授乳。卒乳や断乳をすると、授乳に代わって赤ちゃんの心を満たすスキンシップが必要です。たとえば、寝かしつけ時の添い乳の代わりに読み聞かせをしたり、背中をトントンしながら添い寝をしたり、いつもより少しだけ長く抱っこして触れ合う時間を持つのもいいかもしれませんね。母乳をやめるときの注意点2:おっぱいのケアも忘れずに授乳の回数が徐々に少なくなっていく卒乳であった場合、乳房の張りが少ないため、特別なケアは必要ないでしょう。しかし、断乳や突然の卒乳だった場合にはケアが必要です。残っている母乳を搾乳して出し切ってしまいましょう。このとき、搾乳の回数や量は、卒乳前の授乳回数や量を超えないこと。搾乳することで乳腺が刺激され、母乳の量が増えてしまいます。少しずつ回数を減らしながら出し切りましょう。■まとめ母乳育児をいつまで続けるかは人それぞれ。まわりが断乳や卒乳をしたからといって、焦ることはなさそうです。いつやめるかよりも、子どもとママが納得して母乳を卒業するほうが大切。ママと子どもの納得のいく答えは、周りの人たちの中ではなく、自分たちの中にあるのかもしれませんね。参考資料:・ 厚生労働省 ・ 世界保健機関 ・ ユニセフ ・ 日本歯科医学会 ・『母乳育児ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社) 監修 渡辺とよ子
2019年11月21日産後、母乳の出がかなり良好だった私は、息子もじょうずに飲んでくれていたため、母乳のみで育てていました。ところが、産後3週間目に初めて乳腺炎になり、痛みと熱に苦しみながら母乳外来を受診。今回は、そのときに初めて考えさせられた母乳の味についてのエピソードをご紹介します。 私の母乳はおいしくないの!?乳腺炎を患った私は母乳外来を受診し、まずはマッサージをしてもらいました。痛みが落ち着いて、ホッとひと安心。そんなとき、私の母乳は「マズイ」状態だという、思いがけない言葉が先生から発せられました。 甘い物を極力控え、母乳にいいと言われる野菜や大豆類を摂るように心がけていた私にはショックな言葉でしたが、マッサージのときに搾った母乳を実際に見せてもらうと、きれいな色ではなく少しドロドロとした状態の母乳だったのです。このときに私は初めて母乳の味について考えさせられました。 大豆が私には合わない? 私が受診した母乳外来の先生は、「腕がいい」と非常に評判の先生でした。先生は母乳の状態を見ると、何が問題なのかわかるようで、私の母乳を見て「大豆は控えなさい」と言いました。 母乳にいいと聞いて、極力食べるようにしていた大豆がダメだと言われ、困惑したことを覚えています。母乳にいいと言われていても、人によっては逆に控えたほうがいい物もあるのだと先生は教えてくださいました。加えて、油分のとり過ぎで、少しドロドロしている状態だということも指摘されました。 油分は控え、根菜類を意識した食事に変更スムーズに母乳育児をするには、にんじんやごぼう、大根などの根菜類を取り入れるといいとのこと。根菜類はもちろん油分もなく、なにより母乳の味も栄養面も整える効果があると教えてくれました。 私は大根もごぼうも苦手でしたが、それ以降は意識して食べるように。すると、2回目の母乳外来で見た母乳は、明らかに前回の受診で見たものとは違っていました。前回見た母乳のようにドロドロしていないうえに、色も白に近いような、やや黄色い色に変わっていました。 母乳を飲む赤ちゃんにとって、母乳はとても大切な栄養源です。初めて行った母乳外来では厳しいことも言われましたが、母乳について考え直すいい機会になりました。今思えば、母乳外来を受診して本当によかったと心から思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:(c)chicchimama著者:前田奈々自閉症の長男、次男の二児の母。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。 ✿❀ベビカレ秋のマンガ祭り❀✿大好評のマンガ記事を増量してお届けする期間限定“マンガ祭り”開催中! 人気レギュラー連載10作品に加え、新たにゲスト連載8作品が登場♪ 育児や家事、仕事などの合間の息抜きタイムにどうぞ♡
2019年11月13日初めての妊娠、出産を経てついに授乳開始! 母乳らしきものが出始めていたので、どんと構えていれば母乳なんてすぐ出るだろうと思っていました。しかし、産後は母乳がほとんど出ていなくて、娘に「ごめんね」と謝る日々……。けれども、あるものによってそれが改善されました。 乳頭マッサージの効果あり!?妊婦健診のとある日、助産師さんからの母乳指導がありました。「初めての妊娠ではなかなか母乳は出ないだろうから、妊娠中はおなかが張らない限りしっかり乳頭マッサージしてくださいね」と言われました。それから少しずつ、入浴時にわが子を思いながらマッサージの日々。すると少しずつ、透明に近い分泌物が出始め、母乳らしいものに変わったので、母乳は出るに違いないと確信していました。 産後の授乳開始…母乳が出なくてごめんね私はバースプランで完全母乳をお願いしていたので、産後の疲労もありましたが、粉ミルクは一切使わずに授乳を開始しました。 しかし入院中、娘の体重チェックが定期的におこなわれるのですが、2日目にして出生時より体重が激減。「この減り方はまずいね……」と助産師さんに言われ、一気に不安に。助産師さんには、「(娘の吸い方に関しては)とてもじょうずだね」と言われていたので、私の授乳の仕方がいけないのだとひどく落ち込んでしまいました。 搾乳器の存在を知らなくてごめんねすぐに混合栄養に切り替え、粉ミルクを足したけれども娘の体重が増えない→落ち込む、その繰り返し。授乳室にいる同期ママの前で体重をチェックされるのも嫌になり、部屋にこもる日々でした。 そんな私を見兼ねた助産師さんが、「授乳室の搾乳器を使ってみて」とすすめてくれました。すると、1回に推定10mlしか出ていなかった私の母乳も、搾乳器を使うと30mlくらい搾乳ができたのです。そのときは本当にすがる思いだったので感動しました。 今まで母乳が足りてなくてごめんね体重チェックもなんとか合格をもらい、無事に退院してからはとにかく搾乳器で搾乳する日々でした。徐々に母乳も増え、1カ月を過ぎたころになると1回に50~80mlを搾乳できるまでになりました。 すると、授乳の時間が楽しくなって気持ちも前向きになり、今までは「母乳が足りてなくてごめんね」と娘にマイナスな気持ちばかり伝えていたのですが、「私を母親にしてくれてありがとう」という気持ちがこみ上げてくるようになりました。 その後、搾乳器を使わなくても娘がごくごくと音を立てて飲めるようになり、「搾乳器を使用したことで母乳の出を促してくれたのかな?」と思っています。現在は「標準より少し大きめだね」と言われるぐらいにまで成長してくれていて安心しています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:imasaku著者:川口さゆり1歳の娘をもつ母。山暮らしを満喫しながら小さなお店を営んでいる。娘のめざましい成長に日々一喜一憂。
2019年10月23日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 双子の赤ちゃんの母乳育児について、あまり情報がなくて困っているママも多いと思います。お世話が大変だったり、2人分の母乳は出ないかもと初めから諦めているママもいます。 今回は、できるだけラクに双子の母乳育児が続けられるポイントをお話していきます。 双子の母乳育児って難しい?双胎妊娠は、子宮が大きくなるため切迫早産になりやすく、予定帝王切開になることも多く、36週〜37週と少し早い時期に出産になる傾向があります。出生体重が小さいと、お口が大きく開けられなかったり、おっぱいを飲む力が弱く吸いつけなかったり、おっぱいが上手に飲めないことがあります。また、赤ちゃんが小さく生まれる場合や早産になる場合もあり、NICUやGCUなどの新生児集中治療室に大きくなるまで入院することで、ママと少しの間離れるということもあります。近年、双子は帝王切開での出産も多く、手術後の体調などにより母乳育児のスタートが少し遅くなってしまうこともあります。 双子のママは母乳が2人分出る?双子の場合、おっぱいを吸われる回数や時間が長くなるので母乳分泌が多くなり、2人分の母乳が十分に出るといわれています。しかし個人差もあり、ママの産後の体調によっては、母乳が出るようになるまで時間がかかることもあります。また、赤ちゃんがうまく吸えないことで分泌量が上がりにくいこともあります。最初、おっぱいに吸い付いてくれなくて直接あげれない場合には、搾乳してあげる方法もあります。搾乳は手搾乳だったり、手動や電動の搾乳器もあります。電動の搾乳器の中にはダブルポンプといって両方のおっぱいから同時に搾乳できるものもあり、母乳量が上がりやすかったり、搾乳時間が短縮できたりといったメリットがあります。 同時授乳のメリットとデメリット双子の授乳の方法としては、1人ずつおっぱいや育児用ミルクをあげていく方法と、同時におっぱいを吸ってもらう同時授乳をする方法があります。同時授乳には、横抱きと脇抱き(フットボール抱き・クラッチ抱き)を組み合わせる方法がありますが、2児ともに脇抱きをする同時授乳が一番スタンダードだと思います。 メリットとしては、同時に授乳することで両乳房に刺激が行くのでホルモンが多く分泌し、母乳量があがりやすい、授乳時間の短縮になるという点があります。 デメリットとしては、抱き方にコツがいり、最初は誰かに手伝ってもらわないと難しいという点があります。 まずは1人ずつの授乳から始めて、慣れてきてから同時授乳に進むといいと思います。同時授乳にする時期は、赤ちゃんの大きさや哺乳力などによって変わってくるので、様子を見ながらステップアップしていきましょう。 双子の同時授乳の方法慣れるまでは、赤ちゃんをおっぱいの近くに連れてきて授乳のセッティングをしてくれる人を確保しておきましょう。同時授乳には、リラックスしてできるようにクッションや枕を使って、赤ちゃんを安定して支えられるようにします。おっぱいの高さに赤ちゃんの顔がくるように高さを調整します。乳頭が鼻の先につくポジションで片方の赤ちゃんをフットボール抱きで吸い始めたら、もう片方の赤ちゃんを連れてきてもらいフットボール抱きにします。タオル類などで赤ちゃんの頭を固定できるようにすると手や腕への負担が少ないです。片方の赤ちゃんがおっぱいを吸うのが休み休みになったり、口が止まって飲むのをやめたら、おっぱいを外してお手伝いの方に渡します。ゲップをさせてもらったり、必要なら育児用ミルクを補足してもらったりしましょう。慣れてきたら、すぐにゲップをさせられないときは脇に下ろして横向きに寝かせる、クッションなどで上半身を高くするようにすると吐き戻しが少なくなります。授乳中は動けなくなるので、飲み物や携帯電話、リモコンなどの必要なものは近くに置いておきましょう。2人の飲む力や時間に差がある場合は、授乳のたびに赤ちゃんを左右入れ替えると良いでしょう。 双子の同時授乳は慣れるまでは少しコツがいりますが、マスターすると授乳時間がグンと減り、育児用ミルクを作ったり片付けたりする時間が減ってラクになってきます。最初は周りの協力をお願いしながら試してみてくださいね。 引用参考文献『ペリネイタルケア 2009年 夏季増刊』『すぐ使える!70の事例から学ぶ母乳育児支援ブック』 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年10月15日「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【管理栄養士に相談】。その中から特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は、お子さんが母乳好きで離乳食の食べ方にムラがあるとお悩みのママからのご相談です。 Q.母乳が大好きで離乳食の食べムラがあります生後9カ月の子どもを完母で育てています。子どもはいつも6時代に起床して、7時から8時を離乳食の時間としています。時間はバラバラですが、まだ夜中に授乳が1〜2回あり、それによって朝の離乳食も食べる度合いが変わります。また、手づかみはするものの、まだ手でぐちゃぐちゃにするだけです。昼寝の時間もバラバラで、9時ごろに寝ることもあれば、昼前からグズグズ言って寝ることもあったり、それもリズムが日によります。以前は9時ごろに軽く朝寝、13時前後より昼寝とリズムがいい感じでできていましたが、崩れるとまったくペースがつかめません。また、寝るときもトントンして寝てくれるときと、授乳しないと寝てくれないときがあります。また、母乳大好きで離乳食も好きなものは好んで食べますが、嫌いなものはとことん食べません。この調子で卒乳できるのか不安になります。 小林亜希管理栄養士からの回答生後9カ月の完母のお子さんが母乳大好きで、離乳食の食べ方にムラがあることにお悩みなのですね。 まだまだ生活リズムが乱れてしまったり、すんなり寝てくれるとき、そうでないときがあって難しいですよね。毎日きっちり同じ時間に同じ行動をするのはなかなか難しいと思いますので、だいたいで大丈夫ですよ。 離乳食の進め方として、苦手なものには注目しないことが原則ですので、嫌いなもの食べさせようと頑張らなくてよいと思います。この時期の好き嫌いは、その日の気分や体調によって変わることも多いので、あきらめずに食卓にはのせ、今日はどう? という感じで進めていただき、普段食べないものを食べられたときには大げさなくらい褒めてお子さんの食べる意欲を引き出してあげてくださいね。手づかみにも興味がある様子ですので、今は、食べ物の触感や温度を手で触って確かめているときだと思いますよ。手についた状態で、お子さんのお口の前に誘導してあげてもよいかと思います。 また、卒乳は1歳ごろが目安になりますので、まだ生後9カ月全然焦らなくて大丈夫ですよ。卒乳に向けて、母乳以外で水分が摂れるように、マグやコップの練習をしておくと安心だと思います。※参考:ベビーカレンダー「管理栄養士に相談」コーナーより 離乳食は食べる練習期間離乳食初期・中期の赤ちゃん。このころの離乳食は「食べる練習をする期間」と思ってくださいね。栄養のほとんどは母乳です。たとえ、ひと口も食べてくれなくても「次の離乳食の時間に食べてくれるかな?」と思えばOKです。離乳食後の母乳は欲しがるだけ飲ませていいですよ。 母乳を飲ませる時間より少し早めに離乳食を与えるいつも10時に母乳を与えているのなら、その少し前、たとえば9時半に離乳食の時間をとってみてください。赤ちゃんが「おなかが空いた!」という少し前。そこでひと口でも食べてくれたら、大げさにほめてみましょう。食べたらママが喜んでくれる楽しい離乳食の時間を赤ちゃんに体験してもらいましょう。 母乳で満足してから離乳食を食べる離乳食を食べなかったら、離乳食をいったん中止して母乳を与えてみましょう。赤ちゃんが満足して心が満たされたら、再度、離乳食にチャレンジです。もしかすると母乳でおなかも満たされていて食べてくれないかもしれません。そんなときは、食べなくてもいいですし、30分ほど時間を置いてチャレンジするのもひとつの方法です。※参考: ニュース(食・レシピ):「おっぱい好きで離乳食が進まない子への対処法」を保育士がアドバイス!」【著者:離乳食インストラクター協会代表理事 中田馨】
2019年10月13日産後初めて息子を預けて長時間外出をすることになりました。最近は母乳パッドが濡れることも少なかったので、私はすっかり油断していたのです。外出先でおっぱいがパンパンに張って痛く、母乳で服がびしょびしょになるという恥ずかしい思いをしました。そんな私の体験談をお話しします。 初めて息子を長時間預けて外出息子は生後6カ月。普段母乳のみで育てていましたが、近ごろはおっぱいが張ることもなくなり、息子に授乳するときにだけ母乳が出る、いわゆる「差し乳」の状態でした。息子は哺乳瓶でミルクも嫌がらず飲むので、今回の外出前に搾乳も必要なかったのです。 久しぶりに荷物も少ないなぁ、なんていつもと違う身軽な様子に不思議な気分になりながら、息子を預けていざ出発! 久しぶりの“ひとり”という環境に少しわくわくしていました。 3時間後⋯おっぱいが張ってきた外出してから3時間ほど経ったころ、私のおっぱいは張って痛みを感じ始めていました。普段4時間弱間隔の息子の授乳。「そろそろだよ」と言わんばかりに、私の体は授乳の準備を始めていたのです。 私はセミナーに参加していたので途中で退席するわけにもいかず、お昼休憩にちょっとしぼらないといけないかな? なんて考えながら過ごしていました。しかし、授乳モードに入った私のおっぱいはどんどん硬さを増して、ついには服の胸のあたりが濡れてきてしまったのです。 おっぱいがカチカチ! 服はびしょびしょやっと来たお昼休憩の時間。私は急いで授乳ルームに駆け込み上着を脱ぐと、下着とTシャツの胸の部分がすでにびしょびしょ⋯⋯。下着を外すとカチカチになったおっぱいからぽたぽたと母乳が勝手に出てしまっている状態。冷たいペットボトルを当てながら冷やし、軽くしぼって落ち着くのを待ちました。 こんなことになると予測できていなかった私は、母乳パットをあと1セットしか持っておらず激しく後悔。とりあえず落ち着いたおっぱいに母乳パットを当ててコンビニで急きょ買ったTシャツに着替えてセミナーに戻ったものの、とても大変な思いをしました。 生まれて今まで、息子がおっぱいを長時間飲まないという機会がなかった私。もし飲まなかったらこんなことになるんだと、今回の体験でとても驚きました。私の予想をはるかに超え、自分ではどうすることもできないあふれ出す母乳に四苦八苦し、結果服までびしょびしょになってしまったのです。次に外出するときには、きちんと対策をしていこうと思いました。 イラストレーター/さくら監修/助産師REIKO 著者:山下 ひいこ一児の母。看護師・鍼灸師の資格を持ち、逆子治療やマタニティケアなどを行っている。自身の経験を生かし、不妊や妊娠・育児に関する体験談を中心に執筆活動を行う。
2019年10月10日息子は低出生体重児(2,500g未満)ギリギリの2,590gで生まれました。私が出産した産院の助産師さんによると、出生時の体重が3,000gくらいと2,500gくらいの子では、育てやすさに差があるそうです。今回は、母乳で育てたかった私がじょうずに飲めなかった息子と奮闘した、母乳育児の様子についてお伝えします。 入院中は助産師さんにおんぶに抱っこ母乳自体は助産師さんから褒められるほどよく出ていたのに、息子はじょうずに吸うことができませんでした。深くくわえることができず、何とかくわえさせてもすぐに眠ってしまいます。 退院するまでの5日間は、助産師さんに何度も母子同室の部屋まで来てもらい、さまざまな授乳の体勢、搾乳方法、添い乳の方法、飲めた母乳の量を測ってもらう、授乳中に寝たときの起こし方など、手取り足取り教えてもらう日々でした。 無我夢中だった新生児期結局入院中、自分ひとりで飲ませられたのは1回だけという状態での退院となりました。母乳が飲ませられないことを危惧して、退院したその足で育児用ミルクと、産院で使っていたものと同じ搾乳器を買って帰り、不安でいっぱいのまま息子との生活が始まりました。 はじめの1カ月は自分でもいつ寝ていたのかわからないくらい無我夢中でした。母乳を吸わせる→搾乳した母乳をあげる→息子を寝かせる→哺乳瓶等を洗って搾乳する、という流れを毎日毎日ただひたすら続けました。 気がついたら軌道に乗っていた母乳育児助産師さんからも心配され、母乳外来をすすめられていたので、産院の母乳外来にも2回通いました。でも、実際に母乳外来に行ってみて、助産師さんに相談をしようとしたら、話すことがあまり浮かんでこない自分に気が付きました。 体重の増えもまったく問題なし。自分でも気が付かないうちに、母乳育児が軌道に乗っていたのでした。 結局購入した育児用ミルクは、生後9カ月で夜泣き対策として飲ませるまで使うことなく、完全母乳で育てました。「母乳をよく飲むのね」と周りから言われるほど、すくすくと成長していった息子。今振り返ると、あのとき母乳育児を諦めずに、頑張ってよかったと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:谷口菜穂一男の母。保育士資格、幼稚園教員免許、小学校教員免許を取得。出産後、仕事を退職。日に日にできることが増えていく子どもの成長におどろく毎日。妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。
2019年09月15日およそ40週間の妊婦生活を終え無事出産が終われば、育児生活が待っています。その中でママと赤ちゃんにとって欠かせないのが授乳。 出産前までは「母乳をあげるのって幸せそう」「子供が生まれたら自然に母乳が出るんだよね」と漠然としたイメージを持っているものですが、実際は想像以上に大変な作業です。 今回は出産前に知っておきたい授乳や母乳の基礎知識をご紹介します。授乳のしかたや姿勢、一連の流れ、意外に多いおっぱいトラブルなどこれから出産を迎える新米ママ向けなので、ぜひ参考にしてくださいね。 目次 1 授乳の基礎知識 1.1 授乳のやり方、一連の流れ 1.2 搾乳後哺乳瓶や市販のミルクでも 1.3 授乳の頻度やいつまで続くか1.4 母乳育児で気を付けるべきこと 2 意外に多い!?母乳&授乳トラブル 2.1 おっぱいがカチカチに 2.2 乳腺炎のリスク 3 まとめ授乳の基礎知識●授乳のやり方、一連の流れまずは授乳のやり方からです。(1)ママの手と乳首を清潔にする 濡れタオルやアルコールを含まない洗浄綿などで軽く拭きます。 (2)赤ちゃんに乳首を含ませる 赤ちゃんの口元に乳首を近づけると赤ちゃんは自然と口に含みます。その際、乳首の先だけをくわえさせると乳首に傷がつくことがあるので、乳輪の根元まで深く含ませるようにしましょう。 (3)赤ちゃんの体をまっすぐに、ママも楽な体勢で 赤ちゃんの体がよじれていると上手に吸うことができません。体がまっすぐになるよう抱っこしましょう。※いくら小さな赤ちゃんとはいえ抱っこするのはかなり疲れます。授乳専用クッションや背当てクッションなどを活用して、ママ自身が疲れないようにしてください。 (4)左右のおっぱいを均等に 片方のおっぱいをあげたらもう片方も同様にふくませます。片側5~15分程度で反対側へ変えるようにしましょう。どちらか片側だけのおっぱいだけを授乳に使っていると、おっぱいが張るなどトラブルのもとになります。 (5)ゲップさせる 赤ちゃんを肩にもたれかかるように抱っこして背中をさすり、ゲップをさせます。ゲップをさせずにいると、吐き戻しで喉が詰まり窒息する恐れがあります。授乳の後は必ずゲップをさせましょう。 ●搾乳後哺乳瓶や市販のミルクでも出産をすると数日~遅くとも数週間後には自然と母乳が出るようになりますが、個人差が大きいものです。 母乳が出ない場合や出が少ない場合は市販の粉ミルクを活用しましょう。70℃くらいのお湯で規定のミルク量を溶かして作ります。 また、母乳は出るものの、赤ちゃんが乳首から上手に飲めない場合もあります。その場合はは母乳を搾乳したものを哺乳瓶で飲ませてあげましょう。こちらは保存容器のままお鍋で人肌に温めます。電子レンジで直に温めたり、50℃以上のお湯を使うと栄養が壊れるので厳禁です。 粉ミルクや搾乳した母乳は哺乳瓶で与えますが、必ず消毒したものを使います。消毒方法は熱湯消毒や専用の消毒ケースを使うタイプ、電子レンジを使用するタイプなどさまざまです。 ●授乳の頻度やいつまで続くか授乳の頻度は、新生児期は2~3時間に1回というのが一般的です。ただし、赤ちゃんが一度に飲める量やママの母乳が出る量に大きな差があるのでまちまちです。 基本的には赤ちゃんがおっぱいを欲しがったらあげるという生活を続けていくことで、次第に授乳間隔が広がっていきます。 授乳は、生後5ヶ月程度で離乳食をはじめると同時に回数が減っていきます。離乳食をはじめた当初は、食事から100%の栄養を摂れるわけではないので授乳も必要です。離乳食に慣れ食事からしっかりと栄養を摂れるようなるころには卒乳を考えても良いでしょう。 ●母乳育児で気を付けるべきこと母乳の成分は、ママが摂取する食事に大きく左右されます。栄養バランスの摂れた食事、特にたんぱく質や鉄分、カルシウムなどを積極的に摂取しましょう。また当然ですが、お酒やタバコ、市販薬なども妊娠中に引き続き厳禁です。 さらに、気を付けておきたいのが水分摂取量です。母乳が十分出るようにするためには、ある程度の水分が必要なため、1日最低でも3リットル程度の水分を摂るようにしましょう。 意外に多い!?母乳&授乳トラブル●おっぱいがカチカチにおっぱいが張ってカチカチになるなんて大げさに感じるかもしれませんが、先輩ママの多くが体験しているあるある話です。 おっぱいがカチカチになってしまう理由は、分泌されたおっぱいが乳房の中で溜まってしまっているからです。赤ちゃんが飲む量とおっぱいが作り出すお乳の量のバランスが取れていないことで起きます。 一番良いのは赤ちゃんにいっぱい飲んでもらうことですが、飲んでもらえない場合は搾乳をすることで改善します。また、ときには熱を持つほど痛みが生じることもあります。 ●乳腺炎のリスク乳腺炎とは、おっぱいに母乳が溜まり乳腺に炎症が起きることです。乳腺炎になるとおっぱいに激しい痛みやしこり、腫れが生じます。 先ほどの「おっぱいがカチカチに張ってしまう」状態を放置すると乳腺炎になってしまいます。乳腺に炎症が起きないよう適宜搾乳するようにしましょう。 また、乳腺炎はひどくなる前に専門の病院で診てもらうのがおすすめです。出産した産婦人科や自宅近くの助産院がいいですが、あらかじめ乳腺外科や乳腺外来などを調べておいても安心ですね。 まとめ新生児期はおむつ替えとおっぱいをひたすら繰り返す毎日。特に、母乳育児を考えているママにとっては、母乳と赤ちゃんの飲む量が違うことでトラブルが起きやすいのが現実です。 母乳でも市販のミルクでも、授乳は赤ちゃんとママの大切なスキンシップです。2〜3時間おきに1回の授乳はかなりハードですが、ぜひ赤ちゃんへ話しかけながら愛情をもって授乳するようにしましょう。 卒乳後の「しぼんだ胸」対策!これ以上悲しい姿を見ないために、いま出来ること4つ出産直後に気分が沈む「マタニティーブルー」。原因と上手な乗り越えかた 妊娠中のママとパパのためのサプリ ●ライター/パピマミ編集部
2019年09月12日ウーマンエキサイトをご覧のみなさま、こんにちは、タキノユキです!今回は 前回の出産のお話 の続きで、入院中のできごとです。…という至れり尽くせりの最高の入院生活でしたが、やはり初めての出産でわかってないこともあり、驚くことがいろいろありました。まず驚いたのは深夜に運ばれてきたアレです…■深夜のおにぎり事件産後を乗り越えるためには体力!体力をつけるためには食事!と頭ではわかっていても、3食おやつ付きでたくさん食べた上に毎日深夜におにぎりが運ばれてくるのはびっくりしました(笑)そして母乳マッサージでまた予想外のことがありまして■初乳マンゴー事件痛すぎるマッサージを終えて初乳をとってみると色が大分濃かったらしく(黄色というよりオレンジ色だった)、母乳指導をしてくれた看護師さんもちょっと興奮気味だったのをよく覚えています…。…っていうかおっぱいマッサージ痛すぎでした(これも出産前は知らなかった…)入院中は本当に快適で食事もとても美味しく、エステまでついて「こんな贅沢な暮らししたことない!」と感動しきりでしたが、慣れない新生児との生活がスタートするにあたって母乳指導で洗礼を受けたような気がしました。出産育児は知らなかったこと&予想外の連続です…!
2019年09月11日母乳や育児用ミルクを卒業する時期は、ママと赤ちゃんのペースでゆっくり決めたいもの。個人差がありますが、離乳食を卒業する1歳半ごろには授乳なしでも大丈夫といわれています。しかし仕事復帰などのママの都合で、焦って断乳させてしまうことも。私も娘の断乳をちょっと強引にしてしまい、後悔しているママの1人です。 1歳になったら断乳しなくちゃいけない?離乳食が進み、おっぱいやミルクの回数が減ってくると、断乳や卒乳を考え出すママも多いのではないでしょうか。娘が1歳になるのを機に仕事復帰の予定だった私は、母親からの「1歳になれば断乳でしょう」という根拠のない言葉を鵜呑みにしていたこともあり、ちょっと強引に断乳をしてしまいました。 そもそも、卒乳と断乳の違いについてもあいまいな知識しか持っていなかった当時の私。子どもの意思で母乳育児を終える「卒乳」ではなく、親の意思でやめる「断乳」という方法しか知らなかったとも言えます。 当時、離乳食も進み、昼間の授乳は卒業できていた娘。入眠時の授乳も1回に減っていたので、寝かしつけさえできれば断乳は簡単だと思っていました。しかし断乳を決行した日から娘はどう寝ればいいかわからず、パニック状態に! 何をしても泣きやまない娘を前に、私も途方にくれるしかありませんでした。結局、随分泣いた末に諦めた……という感じで断乳が完了しました。 どうすれば無理なく断乳できる?前出の母の言葉のように、何となく昔から言われている根拠のない言葉を鵜呑みにするのはよくなかったと思っています。子どもが自ら「いらない」と意思表示するのを待たない断乳の場合、離乳食の進み具合や子どもの成長に合わせて、無理のない時期を設定したいもの。 仕事復帰などの期限が迫ってくると焦りがちですが、夜1回程度の授乳であれば断乳せずに仕事復帰し、自然に卒乳できるのを待つという選択肢もあったのかな、と今なら思えます。 娘にとっては、ある日突然やってきた断乳。もっとやさしく声かけをしたり、母乳をやめることについて徐々に理解を深めたりしながら、お互いが無理のない方法を探せばよかったなと思うこともあります。 断乳してよかったことももちろんある少し強引だったとはいえ、断乳してよかったことももちろんあります。授乳中は、毎晩必ず夜泣きをしていた娘。おなかが空いているという訳ではないようでしたが、私も眠さに負けてついおっぱいをあげてしまう毎日でした。 そんな娘も、断乳を機に朝までぐっすり寝てくれるように。やっと訪れた朝まで眠れる生活に娘の成長を感じ、当時の私は感激を覚えました。睡眠時間を確保できるようになり、娘も私もストレスが軽減されたように思います。 ずいぶん泣かせてしまった娘もその後順調に成長してくれて、今では5歳になりました。現在、第2子妊娠中の私。長女の断乳に関する反省を生かして、次こそは親子のペースで卒乳を目指したいと思います。 イラスト:sawawa著者:金谷ともみ第2子妊娠中、5歳の娘の母。働きながら結婚、出産、産休育休を経て復帰、マイホーム購入などを経験。よりフレキシブルな働き方を求めて、ライターに転向。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年08月13日私は3人の子どもを産みましたが、第一子のときから母乳の出があまりよくなく、混合栄養で育てて、生後3カ月くらいから完全に粉ミルクに移行……という感じでした。毎回なんとなく申し訳なさと、劣等感を感じていたのですが、第三子はさらに短い授乳期間となってしまいました……。 母乳がなかなか出ない…第一子のときから母乳の出があまりよくない私。おっぱいマッサージをしてもあまり効果はなく、なんとか粉ミルクとの混合栄養で育てて、生後3カ月くらいからは完全に粉ミルクへ移行していきました。第二子も同様だったので、第三子もまた同じ感じだろうな……と思っていました。 生後1週間で口の中に発疹が…無事出産して退院すると、生後1週間しか経っていないのに赤ちゃんが39度前後の熱を出してしまいました。そして、母乳を飲ませようとすると大泣き。口の中を見てみると、口内炎のようなブツブツがたくさんできていてびっくり! 口の中が痛いため、飲みやすくてたくさん出てくる粉ミルクならなんとか飲んでくれる状況でした。 生後1週間で完全育児用ミルクに総合病院で診てもらいましたが、幼児がかかりやすいヘルパンギーナのような症状で、なぜ赤ちゃんがそのような症状になったのかはわかりませんでした。その後、症状はよくなり、心配いらないとのこと。 症状が治まった後は搾乳してなんとか母乳を飲ませようと頑張っていたのですが、だんだんとそれすらも難しくなり、断念。生後1週間で完全粉ミルク育児となってしまいました。 いまだに子どもたちが体調を崩すと「わたしが母乳をあげられなかったから体調を崩しやすいのか……?」と考えてしまうこともありますが、大きなトラブルもなく3人ともすくすく育っています。罪悪感や劣等感を感じたことも多々ありましたが、粉ミルクだとパパも授乳することができ、夜中の授乳の負担も少なく、生後6カ月で保育園に入園した後も、完全粉ミルクだったことで預けるのがスムーズでした。私には粉ミルク育児にもメリットがいっぱいあると感じました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:ライター 岩崎未来三児(女・女・男)の母。出版社・編集プロダクションの勤務を経たのち、第一子出産を機にフリーランスに。現在は会社役員という肩書きを持ちながらも、ライター・編集者としても活動中。
2019年07月15日産後に母乳が出づらく赤ちゃんの吸う力も弱かったため、手で搾っておっぱいを出し哺乳瓶であげていました。しかし手で搾るのは時間も労力もかかるため、搾乳が苦痛に感じるときがありました。そんな搾乳時の悩みを解決してくれたのが、ピジョンの「さく乳器 母乳アシスト手動」です。搾乳器を使うまでの気持ちや使用してよかったと感じた点をお伝えします。 搾乳器に頼らなかった産後の授乳出産後5日ほどは母乳が出にくく、さらに生後間もない赤ちゃんの吸う力が弱く、おっぱいをうまく飲むことができませんでした。そのため長時間かけて直接授乳したり、手で搾って哺乳瓶から母乳をあげていたのです。 しかし、おっぱいを搾る力も必要ですし時間もかかってしまい、毎回の授乳タイムにしんどさを感じるようになってきていました。そんなときに助産師さんにおすすめされたのが、搾乳器です。出産も育児も初めてだった私は「搾乳器? 痛そう! 手で十分!」とあまり乗り気ではありませんでした。 もっと早く知りたかった! 搾乳器の便利さ 助産師さんに搾乳器をおすすめされたのは、赤ちゃんが生後1週間ほどのころです。私の母乳の量は増えてきていたのですが、まだ赤ちゃんの吸う力が弱かったので、助産師さんが試しに搾乳器を使わせてくれました。 搾乳器を使うと、手や指全体に力を入れなくてもレバーを引くだけで母乳が搾れました。簡単に哺乳瓶に母乳がどんどん溜まることに驚き、なんでもっと早く使わなかったんだろう! と思い、早速購入することにしました。 搾乳器を使う機会は意外と多かった 搾乳器のメリットは手で搾るより力が要らないため、搾乳時間をぐっと減らすことができます。おかげで授乳を楽しめるようになりました。そして赤ちゃんのほうも生後2カ月ごろにはおっぱいを吸う力がついてきて、直接母乳をあげられるようになりうれしかったです。 そろそろ搾乳器の出番は終わりかな? と思っていましたが、他にも用途がたくさんあったのです。赤ちゃんに直接授乳できない場所にいるとき、誰かに赤ちゃんを預けるとき、乳首が切れて痛みがあるときなど、使う場面は意外とたくさんありました。 手動の搾乳器の使いやすさとは 搾乳器には手動と電動のタイプがあり、それぞれにメリットやデメリットがありました。私が使用した手動のメリットは電動よりも価格が安い、自分の力加減で搾乳できて使いやすい、パーツも簡単な物で洗浄しやすいということです。デメリットは電動に比べて手が疲れて時間がかかることです。 私がピジョンの「さく乳器 母乳アシスト 手動」を選んだ決め手は、弱めの刺激をする「搾乳準備モード」と、効率的に母乳を出す「搾乳モード」の2つがあったことです。 搾乳器はあまり使わないかもしれないと思い購入を悩みましたが、私の場合は使用頻度が意外と多かったので役立ちました。実際に手動の搾乳器を使ってみて、手が疲れると感じたこともなく授乳が楽しくなってよかったと思っています。 著者:西口くるみ 1歳児の男の子ママ。息子や夫と美味しいものを食べることが好き。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年07月07日雨の降る日が多く、湿度も高い6月。赤ちゃんがいると洗濯物が増えがちなのに、なかなか乾かないので困ります。赤ちゃんと迎えた初めての梅雨、なんと使い始めたばかりの布製母乳パッドにカビを生やしてしまいました。そのときのショッキングな体験をお伝えします。 布製母乳パッドを使ってみることに出産準備をするまで、その存在も知らなかった母乳パッド。産院でもらったメーカーと同じ使い捨て母乳パッドを、産後に何度か購入して使っていました。しかし、出産から3カ月ほど経ったころから、赤ちゃんが飲む量と生産される母乳量がうまく釣り合ってきたのか、母乳パッドが濡れることが少なくなってきたのです。 それまで「布製の母乳パッドは吸収量が少ない」と聞いたので使っていなかったのですが、この状況なら使い捨てより布製のほうが経済的かもしれないと思い、使い始めることにしました。 快適に使っていたはずが、まさかのカビ!母乳パッドは「購入したけれど使わなかった」という人も少なくないようで、あるフリマアプリで検索してみると使い捨てタイプも布製もたくさん未開封状態で出品されていました。そのなかから、取り外し可能な防水カバーがついている布製母乳パッドを安価で購入することができました。 使ってみると、肌あたりが柔らかいのでかぶれることもなく、とても快適。厚みがあるためか多少の射乳反射があっても漏れません。しばらくは何の問題もなく過ごしていたのですが、ある日パッドをカバーにセットしようとすると、パッドの内側に細かい黒い点が見えました。なんとカビが生えてしまったのです! 染み込んだ母乳をしっかり落として清潔にすぐさまネットで情報を調べ、カビが生えたパッドは即処分。思うに、自分自身に「パッドが濡れた」という実感がなくてもパッドにわずかに付着した母乳成分を栄養にしてカビが生えてしまったようです。それからはせっけんで洗う前に、しっかり水の中で揉み洗いして、母乳がパッドに残らないようにすることを心がけました。 また、あえて布製母乳パッドは使わず、付属の防水カバーの中に畳んだガーゼを入れ、湿り気を帯びたと思ったらすぐに洗う、という方法も取り入れました。清潔さを保てたおかげか、長女が2歳で卒乳するまでの間、布製母乳パッドやガーゼなどに再びカビが発生することはありませんでした。 今思えば、赤ちゃんの哺乳瓶消毒に比べると、母乳パッドを清潔に保つ感覚は結構ルーズでした。神経質になりすぎるのはよくないかもしれませんが、赤ちゃんが健やかに過ごせるように、特に梅雨時は意識していたいと思います。著者:柴崎諒子2016年2月長女、2019年2月次女を出産。元雑誌編集部勤務で、企画・編集・営業・ライターを経験。現在は仕事をセーブしつつ子育て優先。妊娠・出産・子育てに関する記事を中心に執筆している。
2019年06月25日赤ちゃんに授乳するようになると、母乳の出る量が増え、自然に母乳が溢れ出てくるという方もいると思います。そんなときに便利なのが「母乳パッド」。 今回は、いつごろから必要になったか、どんなタイプがあるのか、愛用していた「母乳パッド」について先輩ママ2,306人が教えてくれました!アンケートの結果から、リアルな口コミや、おすすめの「母乳パッド」をご紹介します。 「母乳パッド」はいつ必要?種類は?どう使うの?一般的には出産後、授乳が始まってから母乳が出るようになる方が多いのですが、なかには妊娠中から母乳が出る方もいます。母乳の出る量は個人差がありますが、たくさん出るようになると「母乳パッド」がないと下着や服がびしょ濡れになってしまうこともあります。新生児用品を購入するのと同時に、妊娠中から準備しておくと安心です。 「母乳パッド」は、大きく分けて布タイプと紙タイプの2種類があります。布タイプは洗濯して何度も繰り返し使用でき、紙タイプは生理用ナプキンのように下着へ貼り付け、汚れたら剥がして新しいものに取り替えます。 布タイプは繰り返し使えて経済的ですが、洗う手間がかかります。また、紙タイプは気軽に取り替えられるので乳房を清潔に保てますが、夏は蒸れやすくなります。お出かけ時や母乳分泌過多の間は紙タイプを、すぐに洗濯できる在宅中や蒸れやすい夏は布タイプを、シーンや時期によって使い分けてもいいですね。 先輩ママ2,306人に「母乳パッド」事情を聞いてみました! なんと8割以上の方が、母乳が漏れて下着・服が汚れるのを防ぐためなどの理由で「母乳パッド」を使用していました。使用していなかった方は、「母乳が溢れるほど出ることはなかった」「ガーゼやタオルで代用した」「汚れたら着替えていたので必要なかった」という回答でした。 また、使用していた時期については、開始時期は産後すぐ(当日〜1週間以内)が最も多く、使用をやめた時期は卒乳・断乳のタイミングという方が多く見られました。なかには妊娠中から使用を開始した方もいたので、やはり準備は早めが良さそうです。 「母乳パッド」を使用していたママに使用していたタイプを聞くと、紙タイプを使用していたママが圧倒的に多数でした。「洗濯の必要がない」「取り替えがラク」「衛生面を考えて使い捨てが良い」という理由で紙タイプが選ばれたようです。また、自宅では布タイプを使用し、お出かけの際は紙タイプにして使い分けているママもいました。 選ぶ際に重視したポイントは以下のようなアンケート結果になりました。 毎日使用するものだからこそ、やはり“低コスト”に抑えたいですよね。乳首を守るという機能も欠かせないので、“肌触り”も重要になってきます。「母乳パッド」がズレて下着に母乳が漏れてしまった……なんて事態になると元も子もないので、“ズレにくい”ことも重要なポイント。 先輩ママに人気の「母乳パッド」TOP3先輩ママへのアンケート調査結果をもとに、とくに人気だった「母乳パッド」をご紹介します。 dacco 母乳パッド マミーパット助産師さんとママの声から生まれたブランド・daccoの「母乳パッド マミーパット」。下着からはみ出ないサイドカット形状で、長い4本のテープで下着にしっかり固定できる母乳パッドです。 ピジョン 母乳パッド フィットアップ プレミアムケアピジョンの「母乳パッド フィットアップ プレミアムケア」は、中心部はふわふわで、敏感な肌にやさしい肌触り。かゆみを感じやすい方、肌荒れしやすい方にも◎。乳首がデリケートなママや、はじめてのママに特におすすめの、プレミアム品質の母乳パッドです。 ピジョン 母乳パッド フィットアップたくさんのママから支持されたのは、ピジョンの「母乳パッドフィットアップ」。クッション性がある立体的なカップシートがおっぱいを包み込み、母乳を吸収してくれます。 初めはあまり母乳が出ず、「母乳パッドは必要ない」と感じるかもしれません。それでも、赤ちゃんのおっぱいを吸う力が強くなり、母乳をしっかり飲んでくれるようになると、母乳の分泌量が増えたというケースもあります。念のため、妊娠中に1つ用意しておくと安心ですね。ぜひ先輩ママの口コミを参考に、ご自身に合った母乳パッドを選んでみてください。 <調査概要>調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」「ベビーカレンダー全員プレゼント」のサービスを利用された方調査期間:2019年6月9日(日)~2019年6月10日(月)調査件数:2,306件 監修者:助産師 保健師・看護師・アドバンス助産師(※) 高塚あきこ都内の看護大学にて保健師・助産師・看護師の資格を取得。大学卒業後、大学附属病院の総合周産期母子医療センターにて、助産師として妊娠期から産後のケア、新生児のケアに携わる。9年程勤務した後、出産を機に、横浜市内の総合病院の産婦人科病棟にて勤務し、母子のケアをおこなっている。現在、自身も3人の子の育児に日々奮闘中。※アドバンス助産師とは、日本助産評価機構より自律して助産ケアを実践できると認証された助産師の呼称です。
2019年06月19日赤ちゃんとの毎日がもっとラクに、もっと楽しくなる。ベビーカレンダーは、そんな毎日を応援するコラムを絶賛連載中! 今回は、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本さんからメッセージです。 こんにちは。助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。 授乳期間は、おっぱいに関する様々なトラブルや「これでいいのかな?」という不安もいっぱいな時期です。 母乳育児がラクになるように、母乳外来を利用してみましょう。 母乳外来はどんなときに利用するの?一般的に、母乳外来というと、乳腺炎などのおっぱいのトラブル発生時に受診するイメージがあると思います。 そのほかにも、・母乳分泌を増やしたい・授乳姿勢がうまくできない・赤ちゃんがおっぱいを吸ってくれない・母乳が足りているか心配・赤ちゃんの体重が増えているか心配・混合栄養でミルクをどのくらい足したらいいの?・母乳分泌が多すぎて困っている・卒乳や断乳時のケアなど、たくさんの相談ができます。 不安を解消することで、精神的なサポートが受けられ、母乳育児がよりラクになっていきます。 母乳外来にはどのようなものがある?■産婦人科クリニックや総合病院出産した病院であれば受診しやすいですし、乳腺炎などのときも医師の診察や処方などもしてもらえます。病院によっては、授乳姿勢チェックや体重測定、母乳相談のみで乳房マッサージは実施していない場合や、出産した方限定で受診できる場合、また受診できる曜日・対象月齢などの制限があるところもありますので、事前の確認が必要です。 ■助産院お産のイメージが強いですが、分娩だけでなく母乳相談ができるところも多くあります。助産院で出産されていなくても、母乳外来は受診できることもあります。また、出張訪問もしているところもあるようです。 ■母乳相談室地域で母乳相談を専門として開業しています。来院型や訪問型のタイプがあります。おっぱいマッサージやケアの理論など、専門の知識をもった助産師が開業しています。桶谷式母乳育児、堤式乳房マッサージ、国際ラクテーションコンサルタントも、母乳育児のケア専門家の資格のひとつです。 日本助産師会のホームページから、全国の開業助産師の一覧を検索できます。 気になる料金は?母乳外来は、一般的に相談する場所であって、病気を治療する場所ではありません。そのため、母乳外来でかかる診察料は保険適用外になり、病院であっても全額自己負担になります。 比較的、病院の母乳外来のほうが安い傾向があります。費用は施設によって異なりますが、初診で5,000~7,000円程度、再診で3,000~5,000円程度かかります。また、診察料とは別に、乳房マッサージに料金がかかる場合もあります。助産院や開業助産師の母乳相談室の料金は、助産師業務料金参考表(平成29年9月改定 乳房管理指導料7000円以上)に基づき設定しています。施設によって料金には差があるようです。 訪問型は、交通費などが別途かかることが多いです。実際に母乳外来に訪れる前に料金の詳細について問い合わせてみることをおすすめします。領収書はかならずもらいましょう。 乳腺炎などの乳房トラブルでの受診など、場合によっては医療費控除の対象となる可能性があります。また、自治体によっては母乳外来でかかった料金を一部補助してくれることがあります。 母乳外来は来院型と訪問型、どちらが良い?赤ちゃんを連れての移動は、月齢が浅いと大変です。ご家族の方に送り迎えをお願いしたり、タクシーなどを利用されたりする方が多いです。 特に新生児期は訪問型をおすすめします。ただ、おうちに訪問されることに抵抗を感じる方にとっては、来院型のほうが良いかもしれません。料金も安くなります。しかし、交通費がかかり思わぬ出費があることもあり、訪問型のほうが反対に出費を抑えられる場合もあります。お子さんの月齢やお母さんの体調、母乳外来場所との距離、家族の送迎など、トータルで検討されるとよいと思います。 母乳外来を選ぶ基準は、口コミだけでなく助産師との相性もあると思います。セカンドオピニオンも有効的です。 地域や病院では、母乳育児を支援している助産師がいます。母乳育児をラクにできるように、ぜひ活用してみてくださいね。 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業しました。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援しています。訪問時の相談は、母乳だけではなく離乳食や抱っこひも、スキンケア、寝かしつけなど多岐にわたることも。また、おむつなし育児アドバイザーとして、トイレトレーニングなどの相談も受けています。自身も一児の母として奮闘中です。HP:「みき母乳相談室」
2019年06月16日初めての出産を経験した後、父親からの何気ない一言にどん底に陥ってしまった私。母乳がうまく出ないことがきっかけで、慣れない育児に輪をかけるように悩みが積もっていった私のエピソードをお伝えします。 うまくいくと思っていた初めての育児私は器用なタイプだったので、これまでの人生で特に苦労した経験がありませんでした。悩みもすぐに解決できるほうで、ポジティブな性格。そのせいか、初めての育児を経験する前からなぜか自信たっぷりで、「育児なんて簡単だろう」ぐらいの気持ちでいたのです。 しかし第1子を出産後、病院で初めておこなったおむつ替え、沐浴指導、夜中に泣き出す長男と向き合うなかで、お見舞いに来てくれる家族や友人の何気ない言葉が棘のように感じることがありました。特に「母乳はどうなの?」という言葉には痛いところを突かれるような気分になっていったのです。 母乳が出ない… 病院にいる間は助産師さんに言われた通り、できる限り母乳を飲ませるようにしていたのですが、コツが掴めず乳首はボロボロに……。痛みで母乳をあげるのもためらうほどでした。 それでも、乳首に馬油を塗ったりして、退院後も痛みに耐えながら母乳をあげ続けました。しかし長男はおっぱいを吸わせてもすぐに泣き出し、足りない分をミルクで足すしかなかったのです。 試しに搾乳を試みたものの、頑張って30分搾っても10ml程度。母乳が出ないことが情けなくて、泣いているわが子を抱きしめ「こんなママでごめんね」と呟くこともありました。 父親の何気ない一言でどん底へ母乳が出るためにはどうすればいいのか、ネットで調べたり育児本を読んだりしたのですが、どれも効果なし。そんなある日、昼食でなかなか箸が進まない私を見兼ねた父親が「ちゃんと食べないから母乳が出ないんだよ」と呟いたのです。 きっと、本人は軽く呟いただけたったのでしょうが、私にとってその言葉は重くのしかかりました。とっさに、母乳育児のために読んでいた本をテーブルの下に隠しました。そのとき、私はまさにどん底に陥ってしまったのです。ひとりになると耐えきれず、声を抑えながら涙しました。 その後、1番の相談役であった母に母乳が出ないことで悩んでいると泣きながら打ち明けると、「私もそうだったんだよ。でもあなたたちはミルクでも立派に育ってるじゃない」と言われました。その言葉に胸がスーッと晴れ、「母乳が出ないことは悪いことではない」と、気持ちがラクになったのです。私をどん底から救ってくれた母親には、感謝してもしきれません。著者:堀江ゆうき二男の母。現在第三子を妊娠中。現在はフリーランスとして育児をしながら、体験談・出産・妊娠についての記事を執筆。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月07日私は母乳育児を推奨している産院で出産しました。今日は、私が母乳育児をしてみて、よかったことと困ったことをお伝えしたいと思います。 母乳育児推奨の産院での出産私が出産した産院は母乳育児を推奨していました。健診のときには、母乳外来というものがあり、問診や乳房のチェックなどがありました。また、母乳育児についての勉強会もあり、出産前から完全母乳で育てる気持ちになっていました。 先に出産した友人から、母乳があまり出ないうちは、泣いてグズる赤ちゃんとの母子同室がつらいという話を聞き、少し不安な気持ちもありました。 母乳育児でよかったこと産後の入院中は溢れるくらいに母乳が出て困ることがなかった私は、退院後も母乳がよく出て、ミルクを足さなくてもいいくらい。ミルクを作るには、哺乳瓶などの消毒やミルクを作る手間も必要ですが、母乳だと飲ませるだけなので、ミルク育児に比べてとても楽でした。 産院では、母乳で育った子どもは風邪を引きにくいという話も聞いていましたが、母乳の影響なのか、わが子も風邪はほとんど引きませんでした。 母乳育児で困ったこと母乳育児で困ったことは、私が熱を出したとき。このときだけミルクを飲ませようとしましたが、母乳に慣れてしまっていた息子はまったく飲みませんでした。 カップで飲ませてみたり、スプーンで飲ませてみたりしましたが、どうやっても飲まず、泣いて開けている口に流し込むことしかできずにとても困りました。少しだけでもミルクを飲ませて慣れさせておくべきだったと思っています。 完全母乳を目指すママが多いとは思いますが、こだわりすぎるとストレスにもなります。赤ちゃんとママに合わせて無理のない範囲でミルクを足すなど、柔軟に考えられたらいいですね。著者:藤川智子結婚前は小学校教員、現在は幼児への音楽教育を指導している音楽ママ。自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆中。※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
2019年06月05日