『宇宙刑事ギャバン』や『マジンガーZ』の音楽をはじめ、数々の特撮作品の音楽や主題歌、映像音楽を手がけてきた作曲家・渡辺宙明氏による「渡辺宙明卆寿記念コンサート」が、8月30日に東京・渋谷区立文化総合センター大和田さくらホールで開催されることが明らかになった。「宇宙刑事」三部作をはじめとした「メタルヒーロー」シリーズの音楽の礎を築き、「スーパー戦隊」シリーズ、『仮面ライダーBLACK』や『仮面ライダーBLACK RX』、そのほかにもさまざまな特撮作品の音楽を担当し、特撮音楽の巨匠として知られる渡辺氏。その活躍は特撮だけにとどまらず、『マジンガーZ』や『グレートマジンガー』、『鋼鉄ジーグ』、『最強ロボ ダイオージャ』とアニメ作品も手がけている。昨年には、新たにVシネマとして生まれ変わった特撮作品『宇宙刑事シャリバンNEXT GENERATION』と『宇宙刑事シャイダーNEXT GENERATION』の劇中BGMを手がけたことでも記憶に新しい。渡辺氏が8月19日に90歳を迎えることを記念して開催される「渡辺宙明卆寿記念コンサート」は、同氏の代表的作品を組曲としてオーケストラで演奏する公演。渡辺氏本人の監修、そして当時のオリジナル楽譜が渡辺氏より提供され、数々の名曲はもちろん、これまでステージで一度も演奏されずにいた伝説の音楽の数々が生演奏で披露されるという。演奏は、昨年にゴジラ音楽のフルオーケストラ演奏で、NHKや新聞にも取り上げられ、タワーレコードチャートで1位を記録したオーケストラ・トリプティークが務める。演目は、宇宙刑事ギャバン組曲、マジンガーZ組曲ほかが予定されている。チケットは1月19日10:00より「カンフェティチケットセンター」で先行発売。700席程度のホールのため、プレミアムチケットになることが予想される。チケットの詳細は、「カンフェティチケットセンター」まで。
2015年01月19日水島精二監督(『機動戦士ガンダム00』)と、脚本の虚淵玄氏(『魔法少女まどか☆マギカ』『仮面ライダー鎧武』)がタッグを組み、11月15日に公開されるアニメーション映画『楽園追放 -Expelled from Paradise-』の劇場版Blu-ray、パンフレット、週替り入場者プレゼント情報が公開された。2,000本の限定生産となるBlu-ray(5.1ch/STEREO)は、キャラクターデザインの齋藤将嗣氏描き下ろしによるインサイドジャケットで、紙スリーブ+アマレイケース仕様。購入者特典には、ニトロプラス制作のアンジェラ・バルザック特製カレンダーが用意されている。価格は6,000円(税抜)。劇場版パンフレットは、全74ページにてキャラクター、美術デザインなどの設定画に加え、ディーヴァの歴史や世界観に迫る1冊となり、ムック本のような構成で制作。フロンティアセッターの設定、キャラクター像など「楽園追放」を余すことなく紹介するとともに、釘宮理恵、三木眞一郎、神谷浩史、水島精二(監督)、京田知己(演出)、齋藤将嗣(キャラクターデザイン)、野口光一(プロデューサー/東映アニメーション)、阿尾直樹(CG監督/グラフィニカ)、柏倉晴樹(モーション監督/グラフィ二カ)、横川和政(造形ディレクター/グラフィニカ)といった、声優&制作陣の豪華インタビューも収録されている。そして、週替り入場者プレゼントの1週目には、水島監督のコメントが入った齋藤氏描き下ろしのアンジェラ色紙。数に限りがあるため、なくなり次第終了となる。『楽園追放- Expelled from Paradise-』は、水島監督と脚本の虚淵氏がタッグを組んだアニメーション映画で、虚淵氏が生み出した電脳世界を舞台とした未来像を、水島監督率いるチームが最新の3DCG技術でビジュアル化した大作。ナノハザードにより地球は廃墟と化し、人類の多くは地上を捨ててデータとなって電脳世界「ディーヴァ」で暮らす世界が舞台となる。物語では、電脳世界ディーヴァが地上世界から謎のハッキングに侵され、ハッキングの主・フロンティアセッターを調べるため、捜査官アンジェラは機動外骨格スーツ・アーハンを伴って荒廃した地上へと舞い降り、地上での案内人となる調査員ディンゴとともに謎に迫る旅に出る。(C)東映アニメーション・ニトロプラス/楽園追放ソサイエティ
2014年11月12日宝塚歌劇宙組トップスター、凰稀(おうき)かなめのサヨナラ公演が11月7日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕。ミュージカル『白夜の誓い-グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』、ショー『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』の2本立てで上演中だ。宝塚歌劇宙組公演『白夜の誓い-グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』/『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』のチケット情報『白夜の誓い』は、1770年代のスウェーデンを舞台に、北欧史に名を残すグスタフⅢ世の波乱に満ちた生涯を描いた物語。スウェーデンにロココ文化を花開かせるとともに、腐敗した貴族政治を改革、大国ロシアと戦争し、大勝利を収めた人物だ。スラリと伸びた手脚に、クールかつノーブルな雰囲気の佇まい。しかしその内には、宝塚歌劇への熱い情熱を秘めるトップスター。ラストステージで演じるグスタフⅢ世は、そんな凰稀にぴったりの役だ。抜群のスタイルには、華やかな貴公子の衣装がよく似合う。国民のことを一番に考えて平和な国にしようと、自分の想いや信じたことには真っ直ぐに突き進むグスタフは、トップとして、組やファンのことを第一に考えて歩んできた凰稀の姿に重なる。グスタフの妻ソフィアを演じるのは、娘役トップスターの実咲凛音(みさき・りおん)。最初はプライドが高く、気高い雰囲気をまとわせながら、次第にグスタフへの愛を深めていく女性の気持ちの変化を丁寧に表現。次期トップスターの朝夏(あさか)まなとが演じるのは近衛士官長のリリホルンで、さまざまな人間の板挟みになり、葛藤、苦悩する役どころ。また、凰稀と同様、本作で退団する緒月遠麻(おづき・とうま)は、グスタフの幼なじみで側近のアンカーストレム役。同期で同時退団という関係性から、このふたりの印象的なシーンも多く作られている。第2幕のショー『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』は、凰稀をフェニックスに見立てて構成。サヨナラ公演らしく、演出家・藤井大介の宙組への愛がたっぷり詰まったステージだ。オープニングでは、大階段を覆い尽くすほどの大きなマントを羽織ったフェニックスが登場。その美しさと壮大さに一瞬で引き込まれ、一気に華やかなステージが展開。凰稀がコミカルな七変化で楽しませる場面、組子に見守られて羽ばたいていく場面、凰稀から新たな宙組へエールを送るような場面……と、盛りだくさん。緩急つけた演出で、クールかつ熱い情熱みなぎる凰稀の魅力が引き出されている。両作ともに、個々の魅力、組としての圧倒的なパワーを感じるステージ。気高きトップスターのラストステージを、じっくりと堪能してほしい。公演は12月15日(月)まで兵庫・宝塚大劇場にて。2015年1月2日(金)から2月15日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。チケットは宝塚大劇場公演は発売中。東京宝塚劇場公演は12月7日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2014年11月12日宝塚歌劇団宙組トップスター・凰稀かなめが、11月7日(金)より兵庫・宝塚大劇場にて開幕する『白夜の誓い-グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』、『PHOENIX宝塚!! -蘇る愛-』で退団。公演を前に、その思いを訊いた。第1幕は、スウェーデン国王・グスタフⅢ世の波乱に満ちた生涯を描くミュージカル。凰稀演じるグスタフⅢ世は、軍事力、芸術性を備え、激動の18世紀ヨーロッパでひたむきに生きた人物だ。「何があろうと、自信を持って前に突き進んでいくところが共感できます。それに、自分のことよりも人のことを考えている人。そのために言い過ぎて傷つけてしまうこともあるし、誤解される部分があって、若い頃の自分を見ているみたいだなと思います(笑)」。退団公演だからといって役に向き合う姿勢は何も変わらず、そこに少しの妥協も見せない。「グスタフⅢ世に絡む人物がとても多く、さまざまな問題が起きるんです。そこに、私自身が出会った人や、トップになって残してきたことをリンクさせたり、絡んでくる人物との関係性をきちんと見せたりしたいと思っています。いかにお客様に分かりやすく伝えるか、納得がいくまで演出の原田先生と意見を交わしながら作っています」。第2幕は、凰稀をフェニックスに見立て、美しさとカッコ良さを感じさせるショーを展開。演出の藤井大介に「私の退団公演ではありますが、お客様に次の宙組の姿も観ていただきたいと思い、若手をどんどん前に出してほしいということ、そして、次のトップである朝夏まなとと娘役トップの実咲凜音を中心にした場面がほしいと伝えました。緩急があるショーなので、最後まで楽しんでいただきたいです」。クールながら、宝塚歌劇やファンへの熱い想いが言葉から垣間見える。100周年を迎えたこの1年はこれまで以上に、トップとしての重みを感じた。「いちばん重要な節目の年にトップとして立たせていただいて光栄でしたが、それ以上に責任を感じました。でもその重み、苦しみがあるからこそ男役として輝けるんだと思います。これからトップに立つ朝夏には、とにかくブレないで、自分の意思を一本突き通した状態で進んでほしいです」。公演は宝塚大劇場にて11月7日(金)から12月15日(月)まで。東京宝塚劇場では2015年1月2日(金)から2月15日(日)まで上演される。東京公演は12月7日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2014年10月31日現在公開中の『渇き。』『劇場版 仮面ライダー鎧武サッカー大決戦!黄金の果実争奪杯!』やCMなどで人気急上昇中の高杉真宙と、人気アーティスト「supercell」の「さよならメモリーズ」PVなどで注目された佐倉絵麻というフレッシュな2人が、なんとアニヲタと腐女子に扮する『ぼんとリンちゃん』。このほど待望の予告編が完成し、あわせてポスタービジュアルも解禁となった。ここではないどこかの地方都市に住む四谷夏子(佐倉絵麻)、通称“ぼん”は、16歳と42か月を自称する女子大生。彼女と友田麟太郎(高杉真宙)、通称“リン”は、ボーイズラブ(BL)やアニメ、ゲームが大好きというヲタつながりの幼なじみ。ふたりは、同棲中の彼氏から暴力を振るわれているという親友のみゆちゃん、通称“肉便器"を連れ戻しに東京へやってきた。名付けて「肉便器救出作戦」。ぼんとリンはネットゲームで知り合った会田直人、通称“べび”に協力をあおぎ、ロールプレイングゲームさながら肉便器の家へと突撃。リン曰く“ボス戦”に挑むのだが…!?長編映画デビュー作『ももいろそらを』(’13)が東京国際映画祭、サンダンス映画祭を始め世界14か国、20の映画祭で絶賛された小林啓一監督の最新作。ボーイズラブの同人誌で妄想をするのが大好き、常にオタク口調で親友救出の正義感に燃える “ぼんちゃん”を演じるのは、本作が映画初主演となる新星、佐倉絵麻。一方、そんなぼんちゃんを「ねえさん」と慕う男の子“リンちゃん”には、中島哲也監督の問題作『渇き。』の松永役や、「仮面ライダー鎧武」の仮面ライダー龍玄こと呉島光実役、さらにファブリーズのCMにも出演し、一気にブレイク男子の仲間入りを果たした若手イケメン俳優、高杉真宙。いままでとはまったく違ったヲタ演技を見せている。予告編では、ちょっと風変わりでコミカル、けれど誰もが一度は経験したであろう、理想と現実の挟間で迷い悩む等身大の若者たちの青春物語が展開。また、映像中に登場するオリジナル同人誌を、「おとめ妖怪 ざくろ」の人気漫画家・イラストレーターの星野リリィが担当するなど、ヲタク垂涎の最強の布陣が集結。さらに、ボーカロイドプロデューサーとして圧倒的人気を誇る、「虹色オーケストラ」の40mPが本作のために作詞作曲した主題歌「迷子のリボン」が本邦初公開されていることにも注目だ。『ぼんとリンちゃん』は9月20日(土)より新宿シネマカリテ、シネ・リーブル梅田ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2014年07月23日宝塚歌劇宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編-』の東京公演が6月20日、東京宝塚劇場にて開幕した。初日に先立ち19日には最終舞台稽古が報道陣向けに公開されるとともに、主人公オスカルを演じる宙組トップスター凰稀かなめ、トップ娘役実咲凜音が会見を開いた。宝塚歌劇宙組 公演情報池田理代子の人気漫画を原作にし、いまや宝塚歌劇の代名詞となった『ベルサイユのばら』。この名作が劇団創立100周年であり、初演から40年目の節目の年に堂々の登場だ。宝塚歌劇はこれまでに『オスカルとアンドレ編』『フェルゼン編』など様々なバージョンで上演を繰り返しているが、今回は男装の麗人オスカルを主人公にした『オスカル編』。オスカルに扮する凰稀はその美しいビジュアルを存分に活かすとともに、フランス革命の動乱の中、鮮やかに生きたオスカルの一生を情感たっぷりに繊細かつ力強く演じ、これぞ決定版と言えるオスカル像を作り上げた。作品的にもオスカルの誕生シーンなど新たな場面も追加されるなど、見どころ満載。宝塚の伝統たる“ベルばら”の良さは存分に見せながらも、洒落たフィナーレナンバーなど新鮮さもあり、歌劇団100周年に相応しい一作となっている。会見で、今回の宙組版の魅力を問われた凰稀は「私がここに存在していられるのは、宙組の仲間や、今まで私を支えてくださった人たちの影響があったから。オスカルも同じで、そういう人たち…宙組の仲間が演じる衛兵隊や市民たちに出会い、彼らの気持ちや思いやりがあって、そこにいられるのだと思う。その部分が今回、すごく出ていると思います。オスカルが主役として立っていますが、私はこの作品は民衆が主役だと思っている。私もいろんな人たちの影響を受けて、最後まで生き抜き、散っていきたい」と語った。オスカルを慕う少女ロザリーに扮する実咲も「私も『オスカル編』ということでオスカル様の一生のお話だと思ったのですが、周りにいる人たちがオスカル様を思う気持ちがそれぞれ違うので、それをどれだけ色濃く描けるかで、オスカル様が引き立つ」と話し、現在の宙組の団結から生まれる充実感を垣間見せた。また凰稀は今月、退団発表をしたばかりだが「主演男役としてどこまでいこうかと考えながらも、悔いのないようにここまでやってきましたし、今の宙組だったら次に繋げてくれると思った。でも今はまったく実感がないですし、辞めるということを口にしたくない気持ち。それは(退団公演『白夜の誓い』『PHOENIX 宝塚!!』ラストデイの)2月15日までとっておきたい。今はお客さまに楽しんでいただけるように、100周年という記念すべき年にこうして自分もいられたという感謝の気持ちをこめて、毎日公演をしていきたい」と心境を話していた。『ベルサイユのばら-オスカル編-』東京公演は7月27日(日)まで上演。
2014年06月23日宝塚歌劇宙組公演『ベルサイユのばら-オスカル編-』の制作発表が3月12日、都内にて行われた。登壇者は主人公オスカルを演じる宙組トップスター凰稀かなめ、宙組トップ娘役実咲凜音、アンドレを役替わりで演じる朝夏まなと、緒月遠麻ら。『ベルサイユのばら-オスカル編-』チケット情報池田理代子の人気漫画を原作にしたこの作品は、1974年に初演。以降上演を重ね、今回の公演期間中には観客動員数が500万人を超える見込みであるなど、今や宝塚歌劇の代名詞となったこの名作が、劇団創立100周年の節目の年に登場する。40年のあいだ『オスカルとアンドレ編』『フェルゼン編』など様々なバージョンで上演を繰り返しているが、今回宙組が上演するのはフランス革命の動乱の中、将軍家に生まれ軍人として生きる男装の麗人オスカルを主人公にした『オスカル編』。脚本・演出の植田紳爾は「とにかく100周年に相応しい『ベルサイユのばら』を作りたい。原作が非常に大きく、まだまだ(舞台で)使っていない場面がたくさんある。そういう場面を掘り起こし、一部は全体的に脚本を書き直し、今回は初めてオスカルの誕生シーンからやります」と構想を語った。そのオスカルを演じるのは、「彼女の声を聞いた瞬間、これがオスカルの声だと思った」と植田に称された、凰稀かなめ。少女マンガから抜け出たような美しいビジュアルを持つスターだ。凰稀は「こんな記念すべき年に、宝塚の代表作である『ベルサイユのばら』をやらせていただけることが大変光栄」と語り、「オスカルをイメージする言葉は“自ら咲く場所を選ぶ一輪のばら”。そのイメージを崩さないようにしたい。また、なぜ彼女が“白ばら”と呼ばれているのかというところも重要だと思う」と話した。会見では他にも植田の口から「小林一三先生が100年前に宝塚を作った時、一番の目標は“親子で楽しめる娯楽”だった。子どもたちが宙を飛ぶ馬や馬車を見る時のキラキラした目が忘れられないので、子どもたちも喜んでもらえるようまた新しく工夫をしています」「池田さんの原作に、ペガサスに乗っているオスカルの姿がありますので、それを再現したい」「フィナーレでは『愛の讃歌』をボレロにして全員で大階段で踊ってみようかなと思っている」等々の見どころが飛び出した。100年目に宝塚歌劇団が満を持して贈る『ベルばら』、伝統に留まらず、歌劇団の新たな挑戦が楽しめそうだ。公演は5月2日(金)から6月2日(月)まで兵庫・宝塚大劇場、6月20日(金)から7月27日(日)まで東京宝塚劇場にて。チケットは兵庫公演が4月5日(土)、東京公演が5月18日(日)に一般発売を開始する。
2014年03月14日宝塚歌劇の宙組公演『風と共に去りぬ』が、9月27日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。マーガレット・ミッチェルのベストセラー小説が原作で、映画でも知られる本作。宝塚歌劇では1977年の初演以来、再演を重ね続けてきた代表作のひとつだ。宝塚歌劇宙組『風と共に去りぬ』のチケット情報南北戦争の開戦から1年後の1862年。南軍の軍事拠点となったアトランタに、義妹のメラニーらと暮らすためにやってきた未亡人のスカーレット。そこで再会したのは、北軍の封鎖を破り、軍需物資を南部へ運んで暴利を得たと噂されるレット・バトラー。メラニーの夫アシュレに想いを寄せるスカーレットは、かつて、アシュレに告白していたところを、レットに目撃されていたのだった。初めて会ったときから、スカーレットに惹かれていたレットと、自分の気持ちに正直に生き、アシュレを想い続けるスカーレット。戦争が激しくなる中で、それぞれの想いは……。トップスター凰稀(おうき)かなめが演じるレット・バトラーは、“男の中の男”。稽古段階では凰稀が「自分自身を、男役を一から洗い直している」と言うほどの役柄で、レットを演じることは大きな挑戦だ。そんな強い意志を持ちながら凰稀は厚みのあるレットを作り上げ、ワイルドな大人の男を熱演している。粗野な無頼漢だが、色気があり、ときに優しく、力強くスカーレットを包み込むレット。やはり一番の見どころは、スカーレットに裏切られたことを知り酒に酔ったレットが、悔しさと寂しさをにじませながら、スカーレットに怒りをぶつけるシーンだろう。凰稀の男役としての深みがより一層増しているようだ。スカーレットは、普段は男役の、朝夏(あさか)まなとと七海(ななみ)ひろきが役替わりで演じる。初日の朝夏が演じるスカーレットは、気が強くもチャーミング。どんな状況でも真っ直ぐに前を見て生き抜いていく強さや、アシュレを前にしたときの乙女な一面など、コロコロと表情を変えながら演じていく。スカーレットと彼女の“心の声”とのやり取りは、宝塚歌劇ならではのユニークな演出だ。また、悠未(ゆうみ)ひろは、優しいけれど弱くて優柔不断なアシュレ、実咲凛音(みさき・りおん)は、天使のように誰に対しても優しく懐の深いメラニー、男役の緒月遠麻(おづき・とうま)は、男勝りなカッコよさのあるレットの情婦ベルと、宙組の粒ぞろいなスターたちが、役の個性を繊細に捉えて演じており、凰稀をはじめ、大きな飛躍を見せる宙組の魅力がじっくりと味わえる作品となっている。兵庫公演は11月4日(月・祝)まで上演中。また、11月22日(金) ~ 12月23日(月・祝) まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは10月20日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2013年10月02日宝塚歌劇宙組の新トップスター・凰稀(おうき)かなめのお披露目公演『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』が8月31日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕した。1982年の刊行以来累計1500万部の売り上げを誇る、田中芳樹のベストセラーSF小説を原作とするミュージカルで、原作ファンからも注目を集めている。宝塚歌劇宙組『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』のチケット情報名将ラインハルト率いる「銀河帝国」とヤン・ウェンリー擁する「自由惑星同盟」の対立を軸に、個性豊かなキャラクターたちの人間ドラマが絡み合う本作。多彩な登場人物、宇宙戦争が起こるまでの経緯など、ストーリーを追うのに必要とする膨大な情報を、映像を駆使してスマートに紹介していく。そしてその映像に重なるように登場する、ラインハルト役の凰稀。その颯爽とした格好良さ、凛とした佇まいに一気に引き込まれる。クールビューティな凰稀の個性が生きる役柄だ。ラインハルトの参謀、オーベルシュタイン役の悠未(ゆうみ)ひろは妖しげなオーラをまとい、ヤン・ウェンリー役の緒月遠麻(おづき・とうま)は、軍人ながら温かみのある雰囲気を放つ。ラインハルトの腹心の部下・キルヒアイス役の朝夏(あさか)まなとは、誠実さと優しさを際立たせて演じるなど、個性豊かで粒ぞろいのメンバーが、それぞれのキャラクターを生かした演技で魅せている。凰稀が公演前のインタビューで「男祭になりそう」と言っていたように、各登場人物にも物語がしっかりと組みたてられ、見どころがある。娘役新トップスターの実咲凛音(みさき・りおん)も、ラインハルトを敬愛するヒルダを真っ直ぐに、知性をのぞかせながら演じている。原作では2巻までのストーリーを、130分の上演時間にギュッと凝縮しているが、演出・小池修一郎の手により、壮大なSF作品に、華やかで美しい宝塚歌劇の魅力がうまく合致。基本は原作に忠実でありながら、ラインハルトとヒルダのラブロマンスのように、宝塚歌劇として膨らませるところはより深く描き出す。宝塚ファンはもちろんのこと、原作ファンも楽しめるであろう、美しくも迫力ある新たな『銀河英雄伝説』が生み出された。兵庫公演は10月8日(月・祝) まで上演中。また、10月19日(金)から11月18日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは9月9日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2012年09月06日総合光学機器メーカーのビクセンは、星空の観望におすすめの双眼鏡に、オシャレなケースやイラスト付きのガイドブックなど、星空に関心を寄せる女性たち“宙(そら)ガール”のための7つのアイテムをセットにした「ソラプティ」シリーズ(2種)を発売した。「もっと見てみたい」と本気モードに入った“宙ガール”に向けた、初の商品となる。双眼鏡は、天体望遠鏡のようなセッティングが不要で、気軽に天体を観察できるアイテム。また両眼で見るので立体感が得られ、月面などを独特の味わいを持って観察できる。同社では、特に天体を見るのに適したスペックの既売品の双眼鏡2機種をピックアップし、付属のケースやストラップなどを“宙ガール”仕様に変更、さらに星空ビギナー向けのガイドブックなどを加え「ソラプティ」シリーズとして発売した。同シリーズの双眼鏡「アトレックHR8×32WP」「ニューフォレスタHR8×42WP」はいずれも、レンズとプリズムにコーティングを施して光の損失を最小限に抑え、暗い夜空でも鮮明に星が見える性能を誇る。倍率はいずれも8倍で、女性が手で持って星をじっと見つめていても手ブレがおきにくくて使いやすく、天体の魅力を実感できるちょうど良い倍率となっている。「アトレックHR8×32WP」は、幅12cm足らずで重さはわずか390g。天体観察のほか、トレッキングや観光など、どこへでも気軽に持っていけるサイズで、コンパクトさを優先したい人に向く。「ニューフォレスタHR8×42WP」は、有効径42mmの対物レンズを採用し、明るくワイドな視界を確保。目的の天体を視野に入れやすく、星空をくまなく見て回るにも使い勝手の良いタイプ。ケースやストラップは、ナチュラル&個性を意識したオシャレなデザインに変更し、双眼鏡本体をふくためのクロスは、星を描いた大判タイプに。双眼鏡の使い方や基本的な星空の知識を、イラスト満載で優しく解説したガイドブックも付属している。価格はいずれもオープン。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月24日宝塚歌劇の宙組トップスター、大空祐飛(おおぞらゆうひ)、野々すみ花(ののすみか)の退団公演『華やかなりし日々』『クライマックス-Cry-Max-』が4月13日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。宝塚歌劇宙組『華やかなりし日々』のチケット情報『華やかなりし日々』は、狂騒の時代と称された、1920年代のニューヨークが舞台。貧しい移民として生きてきた過去を持つ天才詐欺師、ロナウド・フィリップスが、ブロードウェイの劇場を手に入れる夢を実現すべく画策していく様や、その中で出会った娘との愛をドラマチックに描き出している。タカラヅカの集大成となる作品で大空が演じるロナウドは、頭がキレる大人の男で、男役のダンディズムが随所に見られる役柄だ。クールな佇まいに、積年の野望を胸に生きる姿は大空にぴったりのハマり役で、余裕を感じさせる演技で見せていく。一方、相手役の野々すみ花は、ブロードウェイで注目を集めるレビュー『ジーグフェルド・フォーリーズ』の舞台に立つ夢を見る娘、ジュディ・レイン役。不器用ながらも真っ直ぐに生きる姿を、自然体で演じている。最大の見せ場である終盤のレビューシーンでは、タカラヅカのフィナーレを思わせるような、とびきり豪華なレビューが展開。その影で大空がひとりで去りゆく様は、退団公演ならではの哀愁漂う演出だ。また、先日、宙組次期トップスター就任が発表された凰稀(おうき)かなめは、ニューヨーク市警の敏腕刑事で、ジュディとは幼馴染のアーサー役。ある事件に巻き込まれたロナウドとの出会いから、次第に彼への疑念が生じていく心情の変化や、ジュディへの純粋な気持ちを剛柔織り交ぜながら丁寧に表現している。第2部の『クライマックス』は、まさにクライマックスの連続を楽しめるような、見応えたっぷりのショー。宙組の印象に合った大人っぽい雰囲気を感じさせる内容で、ワルツ、ジャズ、スパニッシュ、黒燕尾の群舞など、ドラマチックかつスピーディーに繰り広げられ、瞬きをするのも忘れるほど。大空と野々による息ぴったりのデュエットも、思わずため息が漏れる。男役、娘役をとことん追求してきたふたりのラストステージは、より一層の輝きを放っていた。また、本公演では第98期生39名が初舞台を踏み、今後の舞台生活への思いを込めた口上やフレッシュなラインダンスを披露。さらにミュージカルのレビューシーンにも登場し、ステージに一層花を添えている。兵庫公演は5月14日(月)まで上演。また、6月1日(金)から7月1日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演。東京公演のチケットは4月29日(日・祝)に一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2012年04月19日10月7日、兵庫・宝塚大劇場で、宝塚宙組公演『クラシコ・イタリアーノ -最高の男の仕立て方-』『NICE GUY!! -その男、Yによる法則-』が開幕した。タイトルからも想像できる通り、“男役の美学”が全編に炸裂。男の色気も懐の深さもあますところなく表現できる宙組トップスター・大空祐飛をはじめ、充実した宙組のメンバーが魅せた。宝塚歌劇宙組公演「クラシコ・イタリアーノ」のチケット情報『クラシコ・イタリアーノ』は、経済復興に華やぐ60年代のローマが舞台。“Made in Itary”のスーツを世界に広めようとするファッション業界の帝王、サルヴァトーレ・フェリ(大空)を中心に、一流へのこだわりと葛藤、人の絆をじっくりと見せ、余韻のあるハートウォーミングな作品に仕上がっている。まずファッションショーのように、さまざまなスーツを着こなした男役たちが華麗に踊り出すオープニングが格好いい。最後に全身黒づくめのスーツ姿の大空がスターオーラ全開で登場。カリスマ性を存分に発揮しつつも、大空はサルヴァトーレの知られざる生い立ちや、伝統の技を継承する職人たちとの確執を温もりある演技で見せてゆく。相手役の野々すみ花は、NGを連発する映画学校の研修生ミーナをナチュラルな雰囲気で演じていてキュート。不器用な彼女を放っておけないサルヴァトーレとミーナの関係が微笑ましい。2番手男役の凰稀かなめは、アメリカの若手映像作家レニー役に扮する。飄々と明るい若者といった雰囲気のレニーが、サルヴァトーレの生き方に触れ、仕事への情熱、人生の意味まで見出し成長していく姿を丁寧に演じている。スニーカーにラフな格好だったレニーが、かっちりスーツを着こなす男に変身するのも華のある凰稀だけに鮮やか。北翔海莉はナポリの伝統を信じる職人のスピリットを、生真面目さを押し出して見事に体現。悪役的キャラを気持ちよく演じきった悠未ひろ、十輝いりすらも印象深い。ショー『NICE GUY!!』は、その男“Y”こと大空祐飛の魅力をさまざまな角度から魅せるダイナミックなショー。ファンタジックなプロローグが一転、稲妻とともに男役の群舞になだれこむのが圧巻。大空はアイドル風あり、アダルトなジャズの男ありと変幻自在。特に凰稀を誘惑するユニセックスな第5章での妖艶な表情は見ものだ。凰稀も宙組へ組替えして2作目、すっかりなじんで舞台を楽しんでいるのが分かる。野々は摩天楼の夜の大空とのアダルトな絡みもいいが、銀橋で大空と掛け合いのような歌を歌うシーンの可愛さが抜群で、息もぴったり。ショー全体がクールビューティーな大空カラーに染められ、娘役はどこまでも優雅に、男役はキザすぎるぐらいキザに。とことん極めた大人のショーを満喫できる。兵庫・宝塚大劇場公演は11月7日(月)まで上演。その後、11月25日(金)から12月25日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演。チケットは10月23日(日)一般発売開始。文:小野寺亜紀
2011年10月14日