静嘉堂@丸の内で『静嘉堂文庫竣工100年・特別展画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで』が4月13日(土) に開幕。6月9日(日) まで開催されている。明治の“マルチタレント”として知られる河鍋暁斎と松浦武四郎との交流に着目した展覧会だ。幕末から明治期に活躍した絵師・河鍋暁斎と、探検家であり著述家、そして好古家(考古資料、骨董品、古美術品などの収集・研究を行う愛好家)であった松浦武四郎。二人の間には交流があり、また二人を取り巻く人物たちも縁が深い関係だった。同展は二人の関係、そして彼らを支えた人々と古物や文化財への情熱に着目する展覧会だ。武四郎が調査した情報をもとに作られた地図原寸複製もホワイエで展示展覧会は4つの章で構成されている。第一章「暁斎と武四郎―『撥雲余興』まで」では、二人の関係が始まった頃に着目する。北海道の名付け親としても知られている松浦武四郎は、古物蒐集家としても知られていた。明治初期頃より暁斎と交流を持っていた松浦は、自ら制作した愛蔵品図録『撥雲余興』内の挿絵を12点暁斎に依頼している。当時の暁斎は、国内外の博覧会を舞台に活躍するほか、『地獄極楽めぐり図』なども描くなどその才能を十二分に発揮していた。『地獄極楽めぐり図』は、日本橋の小間物問屋・勝田五兵衛の愛娘・田鶴(たつ)の追善供養のために描かれたもの。臨終を迎えた田鶴が阿弥陀三尊に導かれ、冥界をめぐり、極楽にたどり着くまでの模様が、ユーモアを交えて細密に描写されている。本展では、近年特に注目が高まっている全40図を全場面表示する(※10図ずつ4回の展示替えあり)。河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》(部分)明治2-5年(1869-72)静嘉堂蔵河鍋暁斎《地獄極楽めぐり図》(部分)明治2-5年(1869-72)静嘉堂蔵《老猿面》は、武四郎の愛蔵品。『撥雲余興』では暁斎が原寸大で細密にこの面を描いた。《老猿面》年代不詳 静嘉堂蔵『撥雲余興』「古銅老猿仮面」 河鍋暁斎挿絵 明治10年(1877) 静嘉堂蔵暁斎と武四郎は、ともに天神(菅原道真)と観音を篤く信仰していた。第二章「暁斎と武四郎―天神信仰と祈りの造形」では、二人の信仰に着目し、武四郎が集めた信仰に関する造形物を展観する。展示風景より相撲の祖とされる野見宿禰は、殉死を禁じ、代わりに陵墓に埴輪を立てることを進言したことでも知られている。埴輪を作ることを許された野見宿禰は土師臣となり、その末裔の一人に菅原道真が挙げられる。暁斎が描いた《野見宿禰》は、武四郎が天満宮に奉納するために暁斎へ発注したものと考えられている。河鍋暁斎《野見宿禰》明治17年(1884)松浦武四郎記念館蔵そして、本展の大きな見どころが第三章「暁斎×武四郎=「武四郎涅槃図」」だ。河鍋暁斎が6年かけて描きあげた《武四郎涅槃図》(北海道人樹下午睡図)は、武四郎を釈迦に見立て、その周囲に釈迦の弟子や十二支の動物たちのかわりに、武四郎自慢のコレクションを並べ立てた涅槃図だ。本展では、この涅槃図の隣に、武四郎が暁斎に描かせたお気に入りの古物が展示される。絵と同じように並べられたコレクションを見くらべるのは、非常に楽しく、貴重な機会だ。重要文化財河鍋暁斎《武四郎涅槃図》明治19年(1886)松浦武四郎記念館蔵重要文化財河鍋暁斎《武四郎涅槃図》(部分)明治19年(1886)松浦武四郎記念館蔵《大首飾り》 縄文時代〜近代静嘉堂蔵重要文化財河鍋暁斎《武四郎涅槃図》(部分)明治19年(1886)松浦武四郎記念館蔵展示風景より松浦武四郎のコレクション最終章となる第四章「好古趣味の系譜―静嘉堂文庫と千歳文庫」は、武四郎を取り巻く実業家たちに着目する。武四郎の旧蔵品は明治末頃より岩崎彌之助の所蔵物となり、静嘉堂文庫で秘蔵されていたという。一方、武四郎の幼馴染で、生涯を通して友情を育んだ伊勢の豪商、川喜田石水は、蔵書家としても知られている。実業家で陶芸家の川喜田半泥子は石水の蔵書を受け継ぎ、「千歳文庫」を創設した。松浦武四郎に縁のある2つの文庫を通して岩崎家、川喜田家の縁をたどっていく。井戸茶碗 銘紅葉山朝鮮王朝時代(15〜19世紀)石水博物館蔵展示風景より明治時代に様々な方面で活躍した河鍋暁斎、松浦武四郎。この二人の見事な共演や二人が作り出した縁の不思議を、この展覧会で楽しもう。取材・文・撮影:浦島茂世<開催情報>『静嘉堂文庫竣工100年・特別展 画鬼 河鍋暁斎×鬼才 松浦武四郎「地獄極楽めぐり図」からリアル武四郎涅槃図まで』4月13日(土)~6月9日(日)、静嘉堂@丸の内にて開催公式サイト:
2024年04月16日TRANSIENT主催、『松平頼曉90歳の肖像』が2022年2月18日 (金)に東京オペラシティリサイタルホール(東京都新宿区)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ <松平頼曉 90歳の肖像>松平頼曉は「システムの作曲家」である。1957年のデビュー作である≪変奏曲≫で、システムの極北ともいえる総音列技法(音高、持続、強弱等、音楽の様々な要素を数値化し、音列によって制御しようとする作曲技法。一般的には、複雑で作曲の自由度を著しく制限する方法論とされる)によって作曲を行い、以後、音列の「誤用」による(疑似)旋法性、ピッチ・インターバル技法と、用いるシステムは変われど、90歳となる今日まで、システマティックな方法論による作曲を一貫してきた。まさに変幻自在。だが、それゆえに「松平頼曉の作品は捉えにくい」という人がいる。生物全般が遺伝というシステムを共有しながらも、その表現型が様々であるように、松平頼曉の作品の様相は、作品ごとに著しく異なる。その上、その作風を代表する一作(たとえば、メシアンの≪アッシジの聖フランチェスコ≫のような)がない/を書くことを巧妙に避け続ける、ところにこそ、松平頼曉の本領はある。人間だけをひたすら研究しても、生物全体のことを把握するのには無理があろう。ゆえに、松平頼曉の作品をトータルに理解するためには(ただし、トータルな理解など度外視して、個々の作品を愛でる、というスタンスも有り得ることは特筆しておきたい)、異なる傾向の作品を集めて聴いてみる必要がある。<コンサートについて>本コンサートでは作曲年代の異なる7曲の楽曲が演奏される。1950年代、70年代、80年代、90年代、00年代から1曲ずつ。10年代からは初演曲を含む2作品を選んだ。いかにも現代音楽といった無調の作品から、聴きようによっては環境音楽のように聞き流せるマイルドなものまで、その作風は様々だ。松平頼曉のデビュー作であると同時に、日本で最初の総音列技法の援用例である≪変奏曲≫。アルバン・ベルクが歌曲≪私の両目を閉じてください≫で使用した12音列を徹底的に「誤用」し、旋法的なミニマル音楽のような音世界を紡ぐ《コヘレンシー》。システマティックに音列を複雑化するプロセスを設定し、その過程を進化と見立て、聖書の言葉を歌詞にはめ込んだ《創世記》。ピッチ・インターバル技法によって作られる独特な音響の中でバッハからの引用が閃く≪スパークル≫。乱数を駆使しポワソン分布に基づいて音を配置した弦楽四重奏曲≪ポワソンの遊戯≫など。それらの作品を聴く者は、その多様な音世界と、それらを貫くシステマティックな思考の強靭さに慄くことだろう。演奏には、多久潤一朗(fl)、菊地秀夫(cb)、村田厚生(tb)、橋本晋哉(tub)、篠田昌伸、中村和枝(pf)、篠﨑和子(hp)、神田佳子(perc)、太田真紀(sop)、亀井庸州、安田貴裕(vn)、多井智紀(vc)といった、現代音楽ファンならどこかでその演奏を耳にしている奏者に加え、オーケストラでの活動を軸に日本の現代音楽演奏の新たな顔となりつつある荒木奏美(ob)、濱地宗(hr)。多井智紀と先鋭的な活動をともにする佐久間大和(vn)、多井千洋(va)らが集結。なお、3作品で指揮を執るのは、名を石川星太郎から改め、新たな道を歩み始めた石川征太郎である。2022年にはあれがあったと、10年後も回想される記念碑的なコンサートとなる予感がある。ジャンルを問わず、先鋭的な音楽に興味をお持ちの方は、ぜひご来場いただきたい。プログラム曲目と各曲の出演者(現時点で想定する演奏順)全作品、松平頼曉作曲コントラポジション(2004)Contraposition多久潤一朗(fl)、荒木奏美(ob)、菊地秀夫(b-cl)、中村和枝(pf)弦楽四重奏曲第3番「ポアソンの遊戯」(2011)Game of Poisson for SQ佐久間大和、安田貴裕(vn)、多井千洋(va)、多井智紀(vc)トリゴノメトリー(2014:初演)Trigonometory濱地宗(hr)、村田厚生(tb)、橋本晋哉(tub)アークのためのコヘレンシー(1976)Coherency for Ensemble ARK多久潤一朗(fl)、菊地秀夫(cl)、篠崎和子(hp)、神田佳子(perc)、篠田昌伸(e-pf)、石川征太郎(cond)(休憩)創世記(1981)Genesis太田真紀(sop)、多久潤一朗(fl)、菊地秀夫(cl)、多井智紀(vc)、中村和枝(pf)、石川征太郎(cond)変奏曲ヴァイオリン、チェロ、ピアノのための(1957)Variations for violin,violoncello,piano亀井庸州(vn)、多井智紀(vc)、篠田昌伸(pf)スパークル(1997)Sparkle多久潤一朗(fl)、亀井庸州、安田貴裕(vn)、篠田昌伸(pf)、中村和枝(toy-pf, etc.)、石川征太郎(cond)開催概要『松平頼曉90歳の肖像』開催日時:2022年2月18日 (金)18:30開場/19:00開演会場:東京オペラシティリサイタルホール(東京都新宿区西新宿3-20-2)■出演者多久潤一朗(fl)荒木奏美(ob)菊地秀夫(cl)濱地宗(hr)村田厚生(tb)橋本晋哉(tub)神田佳子(perc)篠崎和子(hp)太田真紀(vo)篠田昌伸中村和枝(pf)亀井庸州佐久間大和安田貴裕(vn)多井千洋(va)多井智紀(vc)石川征太郎(cond)■スタッフ制作: 石塚潤一■チケット料金一般前売:3,500円(当日:4,000円)学生:2,500円(全席自由・税込)サントリー芸術財団第22回推薦コンサート後援:日本現代音楽協会助成:東京都歴史文化財団 アーツカウンシル東京アサヒグループ芸術文化財団野村財団 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年02月03日幕末から明治にかけて活躍し、狩野派でありながら浮世絵も数多く描いた絵師、河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい1831~1889)。近年、その画業が注目を集め、全国各地の美術館で展覧会が開催されている。これまで、さまざまな肉筆画や版画が紹介されてきた暁斎だが、葛飾北斎の『北斎漫画』に匹敵する躍動感ある筆づかいで、『暁斎漫画』や『暁斎鈍画』、『暁斎酔画』など、数多くの絵本を刊行していた。同展では、これまで一堂に紹介されることのなかった、暁斎の絵を一冊の本にまとめて出版した「絵本」というジャンルに注目し、代表作を全ページ展示する。ページ総数は420ページ超えという膨大な量で、大きさはA5サイズ(21×14.8㎝)以下。見開きで9.5×13㎝という極小の絵本でも、人物や動物、妖怪などが躍動感あふれる筆づかいで描かれている。尽きることのない暁斎のイマジネーション。「画鬼」と称された暁斎の知られざる神髄に迫る。河鍋暁斎≪暁斎百鬼画談≫(前期)河鍋暁斎≪暁斎画談外篇≫巻之上(後期)河鍋暁斎≪暁斎漫画≫(前期)【開催概要】『河鍋暁斎―躍動する絵本』会期:2021年10月29日(金)~12月19日(日)※前後期で全点展示替え前期 :10月29日(金)~11月23日(火・祝)後期 :11月27日(土)~12月19日(日)会場:太田記念美術館時間:10:30~17:30(入館は17:00まで)料金:一般800円、大高600円公式サイト:
2021年09月27日ヨウジヤマモトが展開するGround Y(グラウンド ワイ)から、「河鍋暁斎(かわなべきょうさい)」の画を使用した“鳥獣戯画”コレクションが登場。2021年4月14日(水)より、Ground Y直営店舗などで販売される。「河鍋暁斎」にフィーチャーした第2弾「その手に描けぬものなし」と言われ、“画鬼”と呼ばれた「河鍋暁斎」は、幕末から明治にかけて生きた絵師。反骨精神をもとに、戯画や風刺画など様々な作品を世に残し、没後130 年を迎えた今でも高い人気を誇る。ヨウジヤマモトが展開するGround Yでは“反骨”をキーワードに、「河鍋暁斎」の画を用いたコレクションを2020年にも発売。今回はその第2弾にあたる。“鳥獣戯画”を配したTシャツ&フーディー新作では「河鍋暁斎」が描いた“鳥獣戯画”にフォーカス。Tシャツやフーディーなどに、“鳥獣戯画”を中心とした画をモノトーンで落とし込んだ。たとえば、フーディーには、虎とヒョウの違いを解説した多色刷木版画「舶来虎豹幼絵説(はくらいこひょうおさなえとき)」をオン。Tシャツのバックスタイルには、妖怪・猫又や、人を騙すとされた狸やイタチ、モグラたちが二足歩行で輪舞する様子を描いた「鳥獣戯画 猫又と狸 下絵」を配している。即完売の柄シャツも再販その他にも、第1弾発売時に即完売した人気柄シャツを一部再販。河鍋暁斎の実娘である「河鍋暁翠(かわなべきょうすい)」の画を使用したシャツなどが再び登場する。なお、キーヴィジュアルモデルには、俳優・モデルの玉城ティナと栁俊太郎を起用した。【詳細】河鍋暁斎 “鳥獣戯画“ Tribute by Ground Y発売日:2021年4月14日(水)販売店舗:Ground Y直営店舗(GINZA SIX/ラフォーレ原宿/渋谷パルコ/心斎橋パルコ)、公式オンラインショップTHE SHOP YOHJI YAMAMOTO※昼12:00より販売スタート価格:・Tシャツ 30,800~35,200円・フーディー 35,200円・シャツ 33,000~74,800円※価格は全て税込。※全てユニセックス・フリーサイズ展開。使用画:鳥獣戯画 猫又と狸 下絵、鳥獣戯画 梟と狸の祭礼行列、舶来虎豹幼絵説、女人群像 下絵、幽霊図 下絵、泰平開化繰雙録、暁翠美人十二ヵ月カレンダー(二月、五月、十月)【問い合わせ先】ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03-5463-1500
2021年04月09日ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)が展開するGround Y(グラウンド ワイ)の2020年春夏コレクションより、没後130年を迎えた絵師・河鍋暁斎(かわなべきょうさい)とのコラボレーションが登場。2020年1月17日(金)にGround Y直営店舗にて発売される。幕末~明治の絵師・河鍋暁斎と世界初コラボ河鍋暁斎は、幕末から明治にかけて活躍し、幅広い画業で知られる絵師。反骨精神を持ち、戯画や風刺画など様々な作品を手がけた河鍋暁斎は“画⻤”と称され、「その手に描けぬものなし」とも言われている。“反骨”をキーワードに共鳴したGround Yと河鍋暁斎が、世界初のコラボレーション。特別に手引きされたパターンで仕立てられたウェアには、河鍋暁斎やその実娘である河鍋暁翠(かわなべきょうすい)の絵画がダイナミックにあしらわれている。着物や和装から着想を得たマントや羽織などウェアは、着物や身体を覆い隠す和装の美学からインスピレーションを得た、マントや⽻織、ロングビッグシャツ、バルーンパンツなどを展開。絵画の再現性を高めるため、生地はヴィンテージデシンを使用。鮮やかな発色と風合いの際立つ仕上がりとなっている。双六(すごろく)を描いた《泰平開化繰雙録》をプリントしたマントは、黄色や赤などのカラフルな色彩と、賑やかな絵柄が目を引く1着。また、狩野派や大津絵など、様々な画風を取り入れて描かれた《風神雷神図》のパンツも登場する。尚、キービジュアルには、女優・アーティストののんと、俳優の⿊⽻麻璃央が起用されている。【詳細】Ground Y×河鍋暁斎「KYOSAI KAWANABE Collection 2020 Spring Collection」発売日:2020年1月17日(金)※正規ディーラー、公式オンラインショップ「THE SHOP YOHJI YAMAMOTO」での発売は1月24日(金)~。販売店舗:Ground Y直営店舗(ギンザ シックス/ラフォーレ原宿/渋谷パルコ)、正規ディーラー、公式オンラインショップ「THE SHOP YOHJI YAMAMOTO」展開アイテム:ビッグマント、フードコート、ドレープガウン、ロングビッグシャツ、台襟シャツ、バルーンパンツ、フーディー、ビッグカットソー価格帯:マント 110,000円+税/コート 96,000円+税/シャツ 70,000円+税~50,000円+税/ガウン 64,000円+税/パンツ 66,000円+税~62,000円+税/フーディー 16,000円+税/カットソー 28,000円+税~10,000円+税使用絵画:河鍋暁斎作 13点(「惺々暁斎下絵帖」より文読む美人 / 「風神雷神図」(双福) / 「惺々暁斎下絵帖」より釈迦如来図 下絵 / 「惺々暁斎下絵帖」より日本武尊、能「小鍛冶」下絵 / 「鯉魚遊泳図」 / 「月に狼」 / 「骸骨の花⽕⾒⽴ 下絵」 / 「三味線を弾く骸骨 下絵」 / 「骸骨のたわむれ[背面] 下絵」 / 「泰 平開化繰雙録」 / 「暁斎デザイン鶏文兎型硯 下絵」 / 「⻄洋道中膝栗⽑」第十三編 袋より)・河鍋暁翠作 1点(「暁翠美人十二ヵ月カレンダー」より)【問い合わせ先】ヨウジヤマモト プレスルームTEL:03-5463-1500
2020年01月10日話題のスポットやニューオープンのお店を、本誌編集者・めた坊(42歳独身。食いしん坊生活が続き、身長170センチで体重はかろうじて0.1トンを切るメタボ体形に成長)が覆面取材。“勝手に対決”させるこの企画。今回は、「どうぶつの絵」展覧会対決だ! ■太田記念美術館「浮世絵動物園」 最初に向かったのは原宿近くにある太田記念美術館の「浮世絵動物園」。こちらは浮世絵専門の美術館で、現在、動物が描かれた浮世絵が160点前後展示されている。葛飾北斎、歌川広重、河鍋曉斎といった絵師たちが、その個性を動物の描写に発揮している。 展覧会のチラシなどに描かれた象は歌川芳豊の作品で、両国での見世物興行の際に制作されたものだそう。マラッカからやってきた日本初上陸の象は約10年ほど国内を巡回し、ご利益ある動物として愛されたのだとか。着物の柄などファッションに取り入れられた動物画も登場。4部構成と充実した内容に大満足だ。 ■世田谷美術館「エリック・カール展」 次に向かったのは砧公園にある世田谷美術館の「エリック・カール展」。エリックさんの名前は初耳でも、エリックさんの絵を、一度は見たことがある人も多いはず。鮮やかな緑のあおむしが印象的な代表作「はらぺこあおむし」は日本の出版社から世界へ発信されベストセラーになった。そういうことも説明されている本展は、2部構成となっており、原画や作品などが約160点公開されている。 パート1では、動物たちや自然をはじめとした作品、パート2では初期作品や素描が展示されている。鮮やかな色彩と愛らしい動物たちの姿かたちにほんわかとしたやさしい気持ちになっていく。ベビーカーで観覧できることもあって、家族連れが多かった。大人も楽しめる、癒され効果大野展覧会だった。 【めた坊ジャッジ】はらぺこあおむしは見たことがあったけど、これほど有名とは知らず。今回はエリックさんの勝利だ!
2017年05月15日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、狩野博幸、河鍋楠美著の『反骨の画家河鍋暁斎』。東京・渋谷の支店 NADiff modern(東京都渋谷区道玄坂2-24-1 Bunkamura地下1階)によるご紹介です。■『反骨の画家河鍋暁斎』 狩野博幸、河鍋楠美幕末から明治にかけて活躍した絵師、河鍋暁斎は、別名「狂斎」とも言われ、いわゆる世俗を逸脱した聖人に近い狂者のような人物であった。浮世絵師歌川国芳のもとで学んだ後、狩野派の前村洞和に師事し、洞和は、一心不乱に絵に打ち込む姿を見て「画鬼」とあだ名をつけたという。彼の画力の見事さは、実物を前に写生することで身につけた卓越したデッサン力にあり、特に動物の絵に現れている。国芳も猫好きであったが、暁斎も庭にさまざまな動物を飼い、熱心に写生していた。彼の描くネズミやコウモリなどが曲芸をする絵はどれもユーモラスでおもしろい。明治維新のさなかの1831年に生まれた暁斎の絵には、文明開化によって現れた電信柱や蒸気船、暁斎の門人であったジョサイヤ・コンドルをはじめとする外国人の姿も多く描かれており、文明開化に踊らされる愚かな人間たちを笑い飛ばすような、人間の内面をえぐりとった風俗も数多く戯画化しているのが、さらにおもしろいところである。現在、Bunkamuraザ・ミュージアムで暁斎の展覧会を開催している。本書とともに、世界が認めた暁斎=狂斎の画力の凄さをご覧頂きたい。【書籍情報】『反骨の画家河鍋暁斎』著者:狩野博幸、河鍋楠美版元:新潮社214×151mm/126ページ発刊:2010年7月価格:1,500円【展覧会情報】「ゴールドマン コレクション これぞ暁斎!世界が認めたその画力」会場:Bunkamura ザ・ミュージアム住所:東京都渋谷区道玄坂2-24-1地下1階会期:2月23日~4月16日※会期中無休時間:10:00~19:00(金・土曜日は21:00まで、入場は閉館の30分前まで)料金:一般1,400円(団体1,200円)、大学・高校生1,000円(団体800円)、中学・小学生 700円(団体500円)
2017年03月16日東京都・丸の内の三菱一号館美術館にて、"画鬼"と称された絵師・河鍋暁斎の型破りな画業と、その弟子で英国人建築家のジョサイア・コンドルの功績を紹介する「画鬼・暁斎-KYOSAI幕末明治のスター絵師と弟子コンドル」が開催される。開催期間は6月27日~9月6日(7月20日、8月31日を除く月曜は休館、一部展示替えあり)、開場時間は10:00~18:00(祝日・振替休日を除く金曜、8月31日~9月4日は20:00まで)。入場料は一般1,500円、高校・大学生1,000円、小・中学生500円。同展は、幕末明治の絵師・河鍋暁斎のユニークで型にはまらない幅広い画業を、滑稽な戯画や風刺画、挿絵、錦絵など多様なジャンルの作品約130点によって紹介するもの。暁斎は、6歳で浮世絵師・歌川国芳に入門、9歳になると狩野派に転じて、18歳という早さで修行を終える。熱心に絵に向かう姿勢や描くことに夢中になってしまう彼のエピソードは有名で、卓越した画力と合わせて「画鬼」と呼ばれた由縁だ。また、暁斎に弟子入りして絵を学んだ英国人建築家のジョサイア・コンドルは、師の没後に「Paintings & Studies by Kawanabe Kyosai」を出版し、暁斎作品を広く海外に紹介したことで知られているが、同展では、三菱一号館の設計など日本の近代建築にもたらした建築家としてのコンドルの功績についても紹介されている。なお7月5日には、同展の関連企画として現代美術家の天明屋尚とコントユニット「ラーメンズ」の片桐仁によるトークイベントが開催される(会場は青山ブックセンター本店、開催時間は14:00~16:00、要事前予約)。
2015年07月03日