日本銀行は5日、10月6~7日に開催した金融政策決定会合の議事要旨を発表した。それによると、2%の「物価安定の目標」の実現に当たり、何人かの委員が「来年の春闘におけるベースアップを含めた賃上げが重要である」と述べたことがわかった。○物価基調、1年前とは「明確に異なる」同会合で委員は、物価目標を達成するには「賃金の上昇を伴いつつ、緩やかに物価上昇率が高まっていくことが重要である」との見方を共有。この点、多くの委員は、企業収益が過去最高水準であるにもかかわらず、賃金上昇率は緩やかなものにとどまっているとの認識を示した。賃金上昇率が伸びない背景として、ある委員は「小売や介護など相対的に低賃金の業種での雇用増が全体の賃金上昇率を抑制している」と指摘。また、ある委員は「今後の賃金動向をみるうえで、パートから正規社員へのシフトが行われるかどうかが一つのポイントになる」と述べた。物価面については、消費者物価(生鮮食品を除く)の前年比は0%程度となっており、先行きについても、エネルギー価格下落の影響から当面0%程度で推移するとの見方で一致。物価動向の判断については、多くの委員が、8月の消費者物価(生鮮食品とエネルギーを除く)の前年比が1.1%まで上昇したことや、消費者物価の指標がはっきりと上昇していることなどを指摘、物価の基調は改善を続けているとし、追加緩和を実施した1年前とは「明確に異なっている」との考えを示した。
2015年11月05日○原油価格下落で低迷インフレ率2%が目標とされるなかで、原油価格下落の影響もあり、日本の物価上昇率は足元0%近辺で推移しています。この物価の動きを把握するために総務省は消費者物価指数(CPI)を公表しており、今年は5年に1度の見直しが行われる年です。新基準は2016年7月から適用される予定であり、数値を押し上げるとの見方もあるため、注目が集まっています。この見直しのタイミングでそもそも消費者物価指数(CPI)とはどのようなものなのか確認してみましょう。○消費者物価指数とは消費者物価指数(CPI)とは物価の変化を測定するための指標で、昭和21年8月から毎月公表されています。CPIを計算する上では、まず基準となる時点を決定し、その時の消費者の嗜好や生活水準などを考慮して品目を選び出します。基準時点でこれらの品目を購入するのにかかったコストを100として測定時のコストを指数化したものがCPIです。これを他の時期と比較することで物価の変動を把握することができます。比較をする上では、前年比や前年同期(月)比など複数の種類があるため、注意が必要です。○時代を映すCPIは計算するための基準時点や測定品目が5年おきに見直されるため、その時々の消費者の生活水準を把握するための指標としても用いられています。今回の改訂では588品目が選ばれ、品目としてはお子様ランチなどが除外され、補聴器やリフォーム関連品目などが新たに加わりました。少子高齢化の影響が色濃く反映された品目となっています。他にも、電動アシスト自転車やコンビニのセルフコーヒーなど、現代のトレンドに沿ったものが調査の対象に加えられました。難しそうな経済指標でも私たちの生活に深く関係しているものも存在します。少し踏み込んで調べてみると、経済指標も身近に感じることができるかもしれません。2015年消費者物価指数基準改定の変更品目の一部●ピクテ投信投資顧問が提供する、「ボンジュール」からの転載です。
2015年07月29日西友は21日、低価格ラインのPB(プライベートブランド)「きほんのき」に、日用品を新たに追加すると発表した。これにより、消費増税や物価上昇に伴い高まっている低価格志向に対応する。「きほんのき」は、シンプルで無駄を省いた商品を、そのカテゴリーにおいて"最安値級"の価格で提供するPB。2012年12月の販売開始以来、「炭酸水(350ml、37円)」「穀物酢(500ml、78円)」など、特に低価格への期待が高いベーシックな食品を展開し、消費者から好評を得ているという。2014年3月に消費増税前の駆け込み需要が高まった際、「きほんのき」の売上は同年1月比で約20%増を記録、駆け込み需要が落ち着いた5月以降も継続して好調に推移している。これらの結果から、同社は今後も食品や日用消耗品の分野で低価格商品への高いニーズが継続すると判断し、新たに日用品カテゴリーに導入することを決定したとしている。第1弾として、ペットシートなどのペット用品、キッチン・浴室用スポンジ、アルミホイルなど合計12品目を、全国の西友365店舗にて22日より発売。必要な機能を満たしながらもパッケージや付属品を極力シンプルにすることで、市場の同等品と比べて平均20%~40%安い価格を実現した。今後は、2014年12月末までに23品目まで拡大する予定という。
2014年10月22日トリップアドバイザーは、外国人観光客数の多い世界48都市における旅行者の出費を比較調査した「旅行者物価指数(トリップインデックス)」を発表。旅行者の財布に最も優しいリーズナブルな都市はハノイ(ベトナム)、最も厳しい都市はロンドン(イギリス)という結果になった。このランキングは、2人組の旅行者における1日あたりの出費を、宿泊費(4つ星クラスのホテル1泊2名分)、食費(現地の一般的なメニュー2人前分)、タクシー代(レストランとホテルの往復代)、カクテル代(トップクラスのホテルのバーでドライマティーニ2杯分)でモデル化し、外国人観光客の多い世界48都市で調査したもの。これによると、旅行者物価の最も安い都市は「ハノイ(ベトナム)」で1万1,162円、次いで「北京(中国)」の1万2,581円、3位「バンコク(タイ・1万2,779円)、4位「ブダペスト(ハンガリー・1万5,264円)」、5位「クアラルンプール(マレーシア・1万5,368円)」という結果だった。一方、最も旅行者物価の高い都市は「ロンドン(イギリス)」で4万907円、次いで「オスロ(ノルウェー)」の3万9,488円、3位「チューリッヒ(スイス・3万8,374円)」、4位「パリ(フランス・3万7,979円)」、5位「ストックホルム(スウェーデン・3万7,325円)」という結果に。東京は2万7,685円と世界のワースト13位で、アジアではシンガポール(2万9,655円)に次いで旅行者物価の高い都市であることがわかった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月21日日本銀行は14日、同日の政策委員会・金融政策決定会合において、わが国経済のデフレ脱却と物価安定のもとでの持続的な成長の実現に向けた日本銀行の姿勢をさらに明確化する取り組みの一環として、「中長期的な物価安定の目途」を新たに導入したと発表した。日本銀行は、「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資すること」を理念として、金融政策を運営している。「その際の『物価の安定』は、中長期的に持続可能なものでなければならない」(日本銀行)。今回導入した「中長期的な物価安定の目途」は、日本銀行として、中長期的に持続可能な物価の安定と整合的と判断する物価上昇率を示したもの。この「中長期的な物価安定の目途」について、日本銀行は、消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にあると判断しており、当面は1%を目途とすることとした。従来は、「中長期的な物価安定の理解」として、中長期的にみて物価が安定していると各政策委員が理解する物価上昇率の範囲を示していた。「中長期的な物価安定の目途」の背後にある「物価の安定」についての基本的な考え方については、以下のとおり、これまでと同様であることを確認した。概念的定義 : 「物価の安定」とは、家計や企業等が物価水準の変動に煩わされることなく、経済活動にかかる意思決定を行うことができる状況である時間的視野 : 十分長い先行きの経済・物価の動向を予測しながら、中長期的にみて「物価の安定」を実現するように努めるべきものである中心的指標 : 物価指数としては、国民の実感に即した、家計が消費する財・サービスを対象とした指標が基本となり、中でも、統計の速報性の点などからみて、消費者物価指数が重要である「中長期的な物価安定の目途」を具体的な数値として示すに当たっては、これまでの点検と同様、(1)物価指数の計測誤差(バイアス)、(2)物価下落と景気悪化の悪循環への備え(のりしろ)、(3)家計や企業が物価の安定と考える状態(国民の物価観)、の3つの観点を踏まえて検討。「その際、日本経済の構造変化や国際的な経済環境などを巡り、先行きの不確実性が大きいことに留意する必要がある」(日本銀行)。このため、日銀では、「中長期的な物価安定の目途」について、現時点では、「消費者物価の前年比上昇率で2%以下のプラスの領域にある」とある程度幅を持って示すこととした。そのうえで、「当面は1%を目途」として、金融政策運営において目指す物価上昇率を明確にした。日銀は、「中長期的な物価安定の目途」について、「今後も原則としてほぼ1年ごとに点検していくこととする」としている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年02月14日