賃上げの成果を誇る岸田首相だが、年金生活者を中心に賃上げの恩恵を受けない家庭も多い。そんな家庭に、さらなる苦難が。新年度は空前の値上げの年になるという。「われわれはデフレから完全に脱却する千載一遇の歴史的なチャンスを手にしています」岸田文雄首相は、3月28日に行われた2024年度予算成立を受けての記者会見でこう語った。総務省は3月22日に2024年2月の消費者物価指数を発表した。2020年の物価を100とした指数では106.9と、昨年の同じ月より2.8%も上昇している。岸田首相は“賃上げ”があるから大丈夫と豪語してきたが、「大手労働組合である『連合』傘下の組合の平均賃上げ率は5.25%と、前年を1.49ポイントも上回りました。これは1991年以来、33年ぶりの5%超えです。しかし、これは大手企業がけん引している数字です。中小企業には賃上げが見えていない会社も多い。また、年金生活者の年金額が増えるわけでもありません。岸田首相は『物価上昇を上回る所得を必ず実現する』と語っていますが、“賃上げ”が期待できない家庭にとっては、物価上昇を放置しているといってもいい状況でしょう」(大手紙記者)今回発表された消費者物価指数で気がかりなのが、物価の伸び率が今年1月より0.8ポイント高くなり、4カ月ぶりに拡大したことだ。ファイナンシャルプランナーで消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが語る。「2021年後半から始まっている物価上昇は、原材料価格の高騰や円安による輸入コストの増加が大きな要因でした。しかし、今後はそこに“賃上げ”も加わるでしょう。すべての商品、サービスにおいて、値上がりの新たなフェーズが到来していると感じています」■円安や原材料費の高騰に、人件費もはたして、今後どのようなものが値上がりしそうなのか。すでに、食品や日用品などは大きく上がっているが、現在、美容院やエステなどを含む理美容サービスの費用や、習い事などの月謝、映画や演劇のチケット料金など、“人件費”に関わるものの価格がじわじわと上がっている。みずほリサーチ&テクノロジーズ主席エコノミストの酒井才介さんが解説する。「人件費のコストを価格に上乗せする動きが見られます。2023年にも賃上げが行われましたが、サービス関連全体の値上げには広がりませんでした。今年は昨年を上回る賃上げが予想され、増加した人件費がサービス関連の価格に転嫁されていくとみられます。現在のサービス分野の物価の伸び率は2%前半ですが、今後は3%程度まで上昇する可能性が。宿泊や外食はもちろん、映画や演劇のチケット料金、美容院やマッサージの料金、学校や塾の授業料など、人が関わる身近なサービスの値段が軒並み上がっていくことが予想されます」この4月からトラックドライバーの時間外労働の規制が強化される。それに伴いトラック運転手が人手不足になる、いわゆる「2024年問題」も家計に与える影響は大きいと、丸山さんが語る。「すでにヤマト運輸や佐川急便が運賃の値上げを発表していますが、物流はすべての分野に関わってきます。人手不足による物流費のコスト増は、商品に転嫁せざるをえない状況です。ティッシュやトイレットペーパーなどのさらなる値上げはもちろん、あまり値上げのなかった衣料品や化粧品などにも値上げの動きが出てくるでしょう」■マイナス金利解除も円安傾向は変わらないこれまでの値上げの要因のひとつである円安も続いていく可能性が高いと、酒井さんは指摘する。「日銀がマイナス金利政策の解除を決めても、円安が続いています。日米の金利差が解消するのはまだ先だと市場はみており、円安傾向は続きそうです。円安は食料品などの幅広い品目に波及します」さらに一部品目では、原材料価格そのものが上がることも。「原材料価格の上昇率は緩やかになっていますが、たとえば西アフリカの天候不順で、カカオ豆が不足してチョコレートの値段が急騰したり、トマトやオレンジの価格が上がることでケチャップやジュースが値上げされるなど局所的な高騰もあるでしょう」(酒井さん)負担軽減措置によって抑えられていた光熱費も値上げが迫る。「政府は、物価高騰対策として家庭や企業に行ってきた電気料金とガス料金の負担軽減措置を5月使用分で約半分に縮小し、それ以降はいったん終了する方向で調整しています。補助金がなくなると、光熱費が家計を圧迫するだけでなく、企業は電気料金が上がった分を価格転嫁するので、とりわけ冷凍食品や加工食品、菓子などの加工度合いが高い商品の値上げを招く可能性があります」(丸山さん)そもそも電気料金は、今年5月から再生可能エネルギー促進賦課金が上乗せされる。すでに年間1万円ほどの負担増になることが決まっているのだ。さらに“値上げのラスボス”である家賃の値上げの可能性も。「家賃は長らく大きな変動はありませんでした。そんな家賃が前年同月よりも0.2%上昇しています。これは24年ぶりのことなんです」(酒井さん)実は家賃は明確な要因で上がるというよりも、モノの価格が上がっているという“空気感”によって、引き上げられるのだという。「家賃の値上げは、すべての物価が上がるのが当たり前の世界に入ったことを意味するシグナルでもあるのです」(酒井さん)今後の値上げは、家計にどのような影響を与えるのだろうか?「賃上げの影響、物流コストの増加、円安の長期化などを考えると2024年度の1世帯当たりの支出負担増はプラス10万円以上になると見込んでいます。物価高が人々の暮らしの重しになっていくことでしょう」(酒井さん)最後に丸山さんがこう語る。「価格が比較的安定しているお米を中心に旬の野菜、まだ価格が抑えられている納豆、豆腐、厚揚げなど、栄養バランスを最優先に考えて、お財布と相談しながら自衛策を講じていくことです」年金生活者や零細企業の社員とその家族……。賃上げの恩恵の届かない家庭にとっては厳しい新年度となりそうだ。
2024年04月08日総務省は3月7日、郵便料金の引き上げを承認しました。これを受け、日本郵便は10月から、封書とはがきの料金を値上げします。特に封書は、消費税増税と関係のない値上げは30年ぶり。はがきは7年ぶりの値上げです。具体的には、25g以下の定形封書は84円から110円に約31%アップ、50g以下の定形封書は94円から約17%アップで110円と、定形封書の料金を統一します。また、はがきは63円から約35%上げて85円に。定形外の郵便物も、約3割値上げするようです。値上げの原因は、人件費や輸送費などコストの上昇に加え、郵便物数の減少が大きいです。郵便物数のピークは2001年度の262億通でしたが、2022年度には144億通と45%もの減少。2022年度の営業損益は、民営化後初めて211億円の赤字となりました。そもそも日本の郵便価格は、諸外国より安く設定されています。封書の料金はフランスだと184円、イギリスは140円、ドイツは135円(’23年)。110円に値上げしても、日本はまだ割安です。一般の企業なら赤字になる前に値上げをするでしょうし、配達距離に応じた料金の導入や、利用者数の少ない支店を統合して支店数を減らすなどのコスト削減に向かうでしょう。ですが、郵便事業は全国一律の安い料金で行う「ユニバーサルサービス」。どんなに遠い離島にも封書なら84円で届けねばなりませんし、全国に約2万4千局ある郵便局を経営合理化のために閉鎖することもできません。■値上げで2025年度に黒字化しても2026年度以降は赤字にこれは民間企業として考えると、おかしな話です。ただ郵便事業を行う日本郵便は、ゆうちょ銀行やかんぽ生命と違って株式が一般に売り出されない日本郵政の完全小会社。親会社である日本郵政の株式30%以上を財務省が保有する“半官半民”だから、日本郵便はユニバーサルサービスという縛りを受けているのです。仮に日本郵便が郵政民営化前の国営企業のままなら、赤字が出ても国費で補てんして郵便事業を続ける手がありました。ですが、民営化した以上、国の助けを借りず経営努力が求められます。そこで、値上げに踏み切ろうとしているのですが、総務省によると、郵便物数は2028年度に115億通となり、2022年度よりさらに約20%減ると予測。今秋の値上げで2025年度に黒字化しても、2026年度以降はまた赤字に転落する見込みで、“焼け石に水”ともいえるひどい状況なのです。最近は物価高が続き、実質賃金が22カ月連続でマイナスと厳しい状況です(2024年1月分、厚生労働省)。手書きの郵便物は風情があっていいものですが、家計が苦しい方は、メールやLINEなど無料で使えるSNSを活用するといいでしょう。となると、郵便物数はさらに減り、日本郵便は苦難の道が続くでしょう。今後どう転換を図るのか、行く末を見守りたいと思います。
2024年03月29日生活に欠かせないものが、何もかも値上り続けている今日この頃。お財布が寒くて寒くて仕方がないmochiko.です。■日々、欲望と戦っている私食卓に欠かせないい卵が300円オーバーで陳列されていたときは、さすがに売り場で「ヒエェ…」とうろたえてしまいました。わが家は買い物デーを週に1回とし、一度の買い物の上限金額を決めて、そこからはみ出ないように細心の注意を払っています。節約を意識しながら、生活の質を落としすぎないように心がけているのです。また、光熱費もすごく上がっているため、考えられるさまざまな手段で節約し、安く済ませられるところは安く! と毎日必死になっています。極端に言うと「余計なものは買わない、持たない」ようにしています。とはいえ、人間誰しも心は揺らぐもの。私も日々、欲望と戦っています。特に「限定」と書かれている商品は、買う予定がなくても、チェックしてしまいます。「店舗限定」「本日限定」「季節限定」「限定価格」…ああ、なんと心揺さぶられるのでしょう…!「限定」と見ただけで、「どのくらいお得なの?」「ここでしかこの値段で買えない?」と思い、ついつい手が伸びそうになってしまいます。右を見ても「限定」、左を見ても「限定」、なんということでしょう。お店に長居すると買い物かごに入れてしまいそうになるため、必要なものだけ買ったら早急に撤退すると決めています。スーパーは非常に魅力的な場所で、行くたび財布の紐が緩みそうになってしまうのです。そのため、毎回しっかりと計画を立てたうえで、確固たる意志を持って、買い物に行かねばなりません。そんな財布の紐を引きちぎらんばかりに締める生活を送っていた結果、ついにどんちゃんに変化が起きました。 ■限定という文字を覚えたどんちゃんなにやら、お店のポスターの字を「わかる」と言います。なんと、どんちゃんは「限定」という字を覚えていました…!知的障がいがあるどんちゃん。5歳も後半戦なのですが、文字はまだ読むことができないはずです。母がもっとも警戒している「限定」の文字は、どんちゃんの意識に深く刻まれてしまっていたようです。英才教育が過ぎたかもしれない…とちょっと思っている母です。
2024年02月26日いつも人気のスタバが、ここ最近、特に注目を集めています。その理由は値上げに加えて、新作の美味しさと金粉パウダー欠品情報にあり!?元スタバ店員のまゆみさんが、密かに爆売れ中のドリンクと共に、最新情報をお伝えします。値上げ、“金粉”が欠品… 騒動の裏で実は爆売れ中なんです! 元スタバ店員が教える「今しかない新作ドリンク」金粉パウダー欠品の衝撃から数日後に値上げのニュースも報じられて、何やらスタバ界隈がざわついています。これらを受けてバレンタインシーズンの新作の売れ行きはどうなっているのでしょうか。元スタバ店員のまゆみさんが、なかなかわかりにくい“金粉”欠品情報を改めてお伝えするほか、その裏で実はめちゃめちゃ売れているドリンクをご紹介します。まゆみさん金粉パウダー欠品について。これは2024年1月31日発売の新作、ルージュオペラとルージュホワイトオペラのトッピングである金粉パウダーが欠品する店舗が一部発生するというもの。原材料が品切れにつきソールドアウトというのは、期間限定の新商品においてはスタバあるあるだったりしますが、なぜわざわざ欠品情報をスタバが大々的にお知らせしたのか。それは、なんと発売前に欠品することが判明したからです。一部の報道によると金粉パウダーは、ルージュオペラに先立って1月17日から発売中のオペラフラペとホワイトオペラにも使用されていて、今回の欠品の原因はこれらが予測を上回るほど好評だからとか。とはいえ、発売前の欠品という事態は、知人スタッフも大変驚いています。ただそこはさすがのスタバ、対応策を打ち出し、それがまた評判を呼んでいるのです。それは、金粉パウダーが欠品している店舗のみ、ルージュオペラフラペとルージュホワイトオペラに、通常55円 (店内価格)の有料カスタマイズアイテムを無料でつけられるというものです。但し、知人スタッフよれば、店頭メニューには「ソールドアウト」と表示しているとのこと。ですが、レジにて購入希望を伝えれば、先述したカスタマイズ対応をしてくれるのだそうです。また、あくまでも金粉パウダーの「代わり」なのでカスタマイズは1アイテムに限ります。それでも、タダでできるというのはお得でしかありません!「ルージュオペラフラペ目当てで来たのに、よりによって金粉パウダー欠品店舗だ…」と悲観するのではなく、逆に「自分だけのオリジナルルージュオペラフラペをお得に試せて超ラッキー!」と捉えるべきでしょう。せっかくですから、訪れた先が該当店舗でしたら、この機会にトライしてみてください。また、とんだ騒動に巻き込まれた感のある!?ルージュオペラフラペとルージュホワイトオペラフラペについてもご紹介します。そして、密かに爆売れ中のドリンクとは…。ルージュ オペラ フラペチーノ®¥790まずはこちらから。ダークチョコレートパウダーとチョコレートチップ、アーモンドミルクをブレンドした層に、ホイップクリームがたんまりと乗るオペラフラペに、甘酸っぱいレッドベリーグラサージュソースをかけた艶やかなレッドが印象的な一杯です。話題のトッピング、金粉パウダーがキラキラと輝き、リッチな映えを演出しています。ほんのり苦味の効いたチョコと、甘酸っぱいベリーの組み合わせは、最高という言葉に勝るものはありません。艶やかな見た目と共に上質な美味しさを堪能してください。カスタマイズは、「チョコレートシロップを追加」がおすすめです。チョコ感が強まり、ベリーとの黄金コンビがいっそう輝いて、“大人のいちごチョコ”をたっぷりと味わえます。金粉パウダー欠品の煽りを受けて、全国的に早々に販売終了する可能性もあるそうなので、まだのかたはお早めに!おすすめカスタマイズチョコレートシロップ追加(無料)<商品情報>ルージュ オペラ フラペチーノ®Tallのみ¥790ルージュ ホワイト オペラ フラペチーノ®¥790先述したルージュオペラのダークチョコレートとチョコレートチップが、ホワイトチョコレートパウダーとホワイトチョコレートチップに変わったフラペです。一方で、ミルクは変わらずアーモンドミルクを使用、上にも同じくレッドベリーグラサージュソースと金粉パウダーがかかっています。ホワイトチョコならではの優しい甘みと、ベリーソースの甘酸っぱさが、ダークチョコとの組み合わせとはまた異なる美味しさを生み出しています。おすすめカスタマイズは、「エスプレッソショットを追加」がいいでしょう。甘みが抑えられて、よりコクのある味わいに仕上がります。おすすめカスタマイズエスプレッソショット追加(¥55)<商品情報>ルージュ ホワイト オペラ フラペチーノ®Tallのみ¥790ジャンドゥーヤ チョコレート モカ¥561〜最後は、こっそり売れまくっているドリンクについて。その正体は、オペラフラペと同日1月17日に発売されたジャンドゥーヤ チョコレート モカです!知人スタッフ曰く、オペラフラペの存在にかき消されがちではありますが、実は発売初日から多くのオーダーを受けているとのこと。エスプレッソとミルクを合わせたラテに、ジャンドゥーヤチョコレート風味のソースが合わせられています。ジャンドゥーヤとは、砕いたヘーゼルナッツを混ぜたチョコレートのこと。それだけに、ローストされたヘーゼルナッツの芳ばしい香りが最大の特徴です。スイーツ感がありながら、甘すぎないというのも人気の要因と言えるでしょう。カスタマイズはミルクを「アーモンドミルクに変更」、エスプレッソを「ブロンドエスプレッソに変更」をぜひ。アーモンドミルクでナッツの香ばしさがプラスされ、ブロンドエスプレッソにすることでよりまろやかな味になります。おすすめカスタマイズアーモンドミルク変更(¥55)ブロンドエスプレッソ変更(無料)<商品情報>ジャンドゥーヤ チョコレート モカホットのみShort ¥561Tall ¥600Grande ¥645Venti® ¥690以上、値上げ、“金粉”が欠品… 騒動の裏で実は爆売れ中なんです! 元スタバ店員が教える「今しかない新作ドリンク」でした。バレンタイン直前のスタバはチョコづくし。とろけるような甘い幸せを感じましょう。来週も乞うご期待。まゆみさんスタバが好きすぎるあまり、数年間スタバ店舗でのパートナー(店員)経験あり。離れてもなお、現役パートナーへのリサーチは怠らず、新作は必ずチェック。新たなカスタマイズも日々模索中。好きなスタバドリンクは、キャラメル系の甘いもの。座右の銘は「No スタバ, No Life」。<筆者情報>田中亜子年間100種類以上のスタバドリンク&フードを購入し、日々絶品カスタマイズをリサーチ、トライ中のスタバマニア。好きなスタバドリンクは王道のスタバラテ。飲むときの最高のシチュエーションは、「車も人もない休日の早朝散歩。澄み切った空気とスタバラテがカラダに染み渡ります」。※売れ行きや傾向は店舗によります。※公式HPの店内税込み価格を記載しています。※販売期間は予定であり店舗により異なる場合があります。※期間限定商品は販売予定期間内でも店舗により品切れとなる場合がありますが、販売期間内であれば材料入荷次第で販売を再開することもあります。文・田中亜子
2024年02月03日接客業は、いろいろなお客さんと出会い、コミュニケーションをとるお仕事。grapeでは漫画家の天霧さんによる、接客業実録漫画『天霧、ただいま接客中です!』を連載!店員同士のやり取りや、お客さんとのいろいろなエピソードをお届けします!第37回『値上げタイミング』記録的な円安や、それによるコストアップの影響もあり、2024年を迎えても続く『値上げラッシュ』。きっと企業側も、売り上げに響きかねない値上げはしたくないはず。企業と消費者の両方が、このラッシュに悲鳴を上げていることでしょう。…悲鳴を上げているのは、その間で販売を行う店員も同じ。貴重な年末年始を返上する勢いで、ラッシュの渦に身を投じなくてはならないのです…!値上げが発表されるたびに、ネット上では多くの人から落胆する声が上がります。そんな中、誰よりも頭を抱えているのは『消費者兼店員』の人かもしれません…。天霧漫画家。アニメ『ラブライブ!』シリーズやエッセイ漫画を中心に創作活動を行い、『ラブライブ!サンシャイン!! コミックアンソロジー3』にも参加。⇒ 天霧X(Twitter)[文・構成/grape編集部]
2024年01月30日1月11日、スポーツ映像のストリーミングサービス「DAZN」が値上げを発表した。2月14日以降、「DAZN Standard」プランが月額3700円から4200円に。さらに年間プランの一括払いが3万円から3万2000円となり、年間プランの月々払いが年3万6000円から年3万8400円に値上げするという。値上げのタイミングで、プロ野球の全コンテンツ(一部試合を除く)を楽しめる新プラン「DAZN BASEBALL」の提供も開始するDAZN。しかし、今回で3年連続の値上げとなるため、ユーザーからは悲鳴も。そこで「東スポweb」は同日アップした記事で、「値上げがエグい」「もう限界」など解約を検討するひとたちの声を紹介した。ところが、そんな悲鳴に物申した人物がーー。それは実業家のホリエモンこと堀江貴文氏(51)だ。12日、堀江氏は「東スポweb」の記事を引用し、Xにこう綴った。《たった月500円の値上げで限界とか笑。携帯代とか見直せよ笑》さらに自身がプロデュースする格安SIMサービス「HORIE MOBILE」の公式サイトも、ぬかりなく紹介している。「DAZNはユーザーが納得できるような値上げの理由を明かしていない」というリプライに対し、《利益出てないから値上げするに決まってんだろ笑。当たり前のことをわざわざいう必要あんのか?ぼけ》といい、「ホリエモバイルを500円か1000円下げてほしい」という声に《もともと安いんだよ笑》と返答している堀江氏。Xは、さながら独擅場となっている。
2024年01月12日2023年はさまざまな物の値上げが続き、主婦の私を悩ませました。食料品や生活雑貨、電気やガス代と生活に必要不可欠な物ばかり。テレビで値上げ情報を聞くたびに眉間にシワが寄り、しかめっ面になってしまいます。実際に買い物をすれば、予想以上の合計金額にため息。値上げの嵐に顔の表情が険しくなりシワが増えていないか心配になるとともに、心にはもんもんとストレスがたまっていきました。値上げラッシュで、顔も心もモヤッ2023年は値上げラッシュが続き、何げなく買い物をした合計金額が思った以上に高くて、思わずため息をつくことの連続でした。2,000円ぐらいかと思えば、3,000円。5,000円で収まるかと思えば軽く6,000円を超えることもしばしば。お会計をするたびにズーンと気持ちが落ち込んでしまいます。私はもともと買い物が好きで、食品なら「何を作ろうかな。何食べようかな」と考えたり、洋服や生活雑貨なら「おしゃれはやっぱり楽しいな! あ、新商品が出ている!」と物色したりしながら、買い物を楽しんでいました。買い物は私の生活に彩りや刺激を与えてくれていたのです。しかし最近は、「こんなに買ってしまった」という後悔や、「これしか買っていないのに、この金額?」という不満など、マイナスな感情が生まれるように。そんなときの自分の表情をふと鏡で見たら、眉間にシワが寄り、口もへの字で、ほうれい線の目立つ老け顔になっていました。自分のそんな老け込み方に驚いた私は、もうこれ以上マイナスの感情になったり老けた表情になったりするのも嫌で、買い物に行く頻度をグーンと減らしました。生活のためにまずは食料品の節約値上げがあっても、生活はしていかないといけません。そこで、できるだけ節電や節約をしようと考えました。最初に実践したのは、本当に必要な物だけを購入することです。もともと買い物自体の回数が以前よりも随分減っていたのですが、それに加えて、献立もお店でお買い得な商品をチェックしてから考えるようにしました。例えば大根がお買い得なら、おでんやマーボー大根炒め、大根のポトフ、大根のカレーとざっくり1週間分の献立をサッと考えてから大根の購入を決定します。1つの材料で、さまざまな種類の料理を作るように工夫をしました。さらに、ドレッシングも市販品を購入するのをやめ、自分で砂糖、酢、油を配合し、だしを和風にするか中華にするかによってアレンジを加えて手作りするようにしました。たまに梅や青じそなども混ぜれば、さらに変化が楽しめます。手作りドレッシングは、基本的な調味料でその日使う分だけを作れるので、とても便利で節約になります。また、家族から「おいしい!」と評判だったことが何よりうれしい誤算でした。今までは市販のドレッシングやタレに頼りっぱなしでしたが、手作りすることにしてかえってよかったです。そんなふうに少しずつ工夫して日々購入品を減らすよう心掛けた結果、1カ月の支出を数千円減らすことができました。節電が家族の時間と空間を増やす節電も兼ねて、テレビをつけない時間を設けました。テレビをつけるのは、家族が勢ぞろいする朝と夜。子どもたちにも21時には就寝するよう促し、だらだらとテレビを見ないようにさせました。以前は当たり前のようにテレビがついていたわが家。特に誰が見ているわけでもないのにテレビがつけっぱなしになっていることがよくありましたが、その習慣をなくしました。さらにリビング以外の部屋ではテレビを見ないことにすると、家族がリビングに自然と集まり、ともに過ごす時間が増え、以前よりも会話が弾むようになりました。家族同士がお互いの行動を目にする機会が増えたのもよかったのか、家事の手伝いを何げなく子どもたちがしてくれるようにもなりました。洗濯機が止まったら洗濯かごに入れて運んでくれたり、ハンガーの用意をしてくれたり、手軽なタオルやバスタオルを干したり、乾いたら畳んだりしてくれることもありました。節電目的でテレビを消すだけで、こんなに家族の行動が変わるのだと驚きました。値上げラッシュの現状は変わりませんが、少し行動を変えるだけで家族が協力してくれることが増え、家族団らんの時間や空間が増えたことはうれしいです。私の表情や心にもゆとりが戻り、眉間にシワを寄せることも少なくなりました。まとめ値上げラッシュは、私にとって表情も心も老けこませるものですが、少し考え方ややり方を変えるだけで楽しみを見出せることもあるのだと知りました。無駄な買い物を控えたり、市販のものを手作りに変えてみたり、同じ食材をさまざまな料理に使用したり、工夫次第で出費が抑えられることを楽しく感じられるようにもなってきました。また、節電が家族の協力が得られることにつながり、家族の団結力が増したこともよかったです。まだまだ値上げの波は止まらないかもしれませんが、少しでも楽しみを見つけながらその波を乗り切っていきたいです。※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。イラスト/sawawa著者/izuみん(41歳)小学生の子ども2人を育てる母です。40歳を過ぎても美しい女性でありたいと強く願う私。外見はもちろん内面に関しても楽しいこと&うれしいことをして日々笑顔で過ごしていきたいです。
2024年01月06日12月20日、赤城乳業(埼玉県深谷市)は、2024年3月1日の出荷分から、「ガリガリ君シリーズ」など氷菓やアイスクリームの値上げを実施することを発表した。ガリガリ君1本入りの値上げは8年ぶりで、希望小売価格は現行の税抜き70円から80円になることに。背景には、原材料や容器包装、物流費、人件費などのコスト増があるという。ガリガリ君は年間4億本超の販売本数を誇るヒット商品。赤城乳業にとって、ガリガリ君の値上げは苦渋の決断だった。81年の発売開始当初から、「遊びに夢中の子供が片手で食べられる」というコンセプトを貫いてきたためだ。16年4月には、25年間据え置いてきた60円の価格を70円に値上げしているが、このときも社内では大きな議論を呼んだという。同社のマーケティング担当者は、当時の雑誌インタビューに次のようにコメントしている。「10円値上げするために、2年以上も議論した。こんな会社は他にないだろう」(日経ビジネス21年12月20日号)この値上げに際し、同社は「おわび広告」を展開した。すると、消費者からは不満どころか、「むしろ、よくこれまで頑張ってくれた」という声が寄せられたそうだ。あらゆる商品の値上げ傾向がなかなか収束しないなか、食料品やサービスの価格改定にはどうしても消費者からの批判の声があがるもの。ところが、「ガリガリ君」の値上げには今回もネット上で“応援”のコメントが散見されるのだ。《これはもうしょうがない。むしろ今までありがとうという気持ち》《でも80円ならまだまだ良心的な価格だと思うのでOK!》《もう少しあげていいからw》すでにお菓子や酒類の2024年中の値上げが発表されているほか、秋には郵便料金も改定の見通し。ガリガリ君でも抗えなかった値上げラッシュの猛威は、当面収まりそうもない。
2023年12月20日各地で、水道代の値上げが相次いでいます。たとえば岡山市は’24年度から平均20.6%の値上げを予定しています。3~4人家庭の平均的な使用量とされる40立方メートルの場合、2カ月分の料金が5千126円から6千181円に、1千55円上がります。年間では6千330円です。また静岡県御前崎市では、’23年度から上水道が11.4%、下水道が8.2%上がっています。しかもこれは第1段階で、’29年度までに何度かに分けて引き上げ、最終的には’21年度比で上水道を45.6%、下水道は70.5%上げる方針といいます。ほかにも愛媛県松山市は’23年度から約14%、長野県飯田市は’24年から平均18%の値上げが決定。神奈川県は’24年秋以降の値上げを検討中など、水道代の上昇は全国に広まっていきそうです。そもそも水道は、市町村などが独立採算制で運営していて、地域差が大きいものです。使用量20立方メートルで比較すると、もっとも安い兵庫県赤穂市は月853円ですが、もっとも高い北海道夕張市は月6千841円(’21年・キュービック)。8倍超、約6千円の差があります。というのも、水道料金はかかる費用を利用者が負担する仕組みです。水道管の敷設範囲が広く、人口が少ない地域ほど、料金が高い傾向があるのです。また人口が減ると収支が悪化し赤字に陥ることも。水道事業が赤字の市町村などは、給水人口30万人以上だと1%程度ですが、給水人口1万人未満は23%に及びます。■大分県佐伯市は50年後に7倍になるという予想も加えて施設の老朽化も大問題です。神奈川県営水道は今後30年間の改修費を約1兆円と試算。高度成長期に普及した水道管は法定耐用年数の40年が迫るなか、改修が進みません。水道料金は、人口減と改修費のダブルパンチで、青森県十和田市などを含む地域では30年後に現在の3倍、大分県佐伯市などを含む地域では50年後に7倍になるという恐ろしい予想も。いっぽう、電気・ガスやガソリン高騰への国の補助金は9月末で終了することが検討されています。一層の値上がりが避けられないなか、水道代もとなると家計はより厳しさを増します。私たちができることは節水しかありません。東京都水道局によると、家庭で使う水の40%は風呂で使われます。特にシャワーは1分間に12リットルもの水が流れます。流しっぱなしはNG!そして、節水シャワーヘッドに交換しましょう。また、風呂の残り湯は180リットルほどあるそう。その半分を洗濯や掃除、水やりなどに毎日利用すると、月650円の節約ができます。ほかにも、トイレでは大と小のレバーを使い分け、二度流しをやめること。食洗機やトイレ、洗濯機などを買い替える際は、節水機能が進んだものを上手に選んで。水が安く“湯水のごとく”使えたのは昔のこと。これからはお金と同じくらいの意識を持って、水のムダ遣いをなくしましょう。
2023年08月25日映画鑑賞料の値上げが相次ぎ、ついに“2千円時代”に突入しました。先陣を切ったTOHOシネマズはすでに6月から一般料金が2千円。ほか、MOVIXなどを運営する松竹マルチプレックスシアターズは6月30日から、109シネマズなどの東急レクリエーションは7月7日から、ユナイテッド・シネマでは7月14日から、一般料金が2千円になります。帝国データバンクによると、国内大手映画館50社のうち6割超の32社が’22年以降に映画鑑賞料を値上げ。また4割超の21社が6月以降2千円に値上げするといいます(’23年6月22日)。昨年来さまざまなものが値上がりしていますが、いよいよサービス料金にも波及してきたのでしょう。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは8月から、東京ディズニーリゾートは10月から、1日料金の最高値が1万円を超えることなども、その一端といえます。映画は少しでも安く見たいもの。割引方法をご紹介します。■少しでもお得に鑑賞しよう【1】サービスデーを利用毎月1日は「ファーストデー」などとして、1100~1300円で鑑賞できる映画館があります。また、12月1日の「映画の日」は1千円で見られる映画館も。イオンシネマなら毎週月曜、TOHOシネマズやユナイテッド・シネマは毎週水曜日など、映画館ごとに割引になる曜日が決まっているのでチェックして。【2】年齢割引を利用60歳以上は「シニア割引」が使え、いつでも1300円というのが一般的ですが、イオンシネマだと55歳以上は毎日1100円。また、夫婦どちらかが50歳以上だと夫婦2人で2200円なども。【3】会員割引を利用TOHOシネマズの「シネマイレージ」、イオンシネマの「ワタシアター」、ユナイテッド・シネマの「CLUB-SPICE」など各映画館の会員に登録すると、特定曜日に会員割引が適用されます。また、6回見ると7回目は無料で鑑賞できるなどの特典も魅力的。ただし、入会金や更新料が年400~1千円かかるものもあるのでご注意を。その映画館で何回映画を見るか、会員優待曜日に見られるかなど、お得度を計算して。【4】クレジットカード優待「SAISON Gold Premium」ならTOHOシネマズが月3回まで1千円、「イオンカード(ミニオンズ)」ならイオンシネマが年30回まで1円のほか、エポスカードなどにも割引あり。【5】ムビチケネットやコンビニの端末から前売り券を購入できるサービスです。座席も予約できるので便利で、そのうえ料金100円ごとに1ポイントたまり、ポイントを集めて映画鑑賞料に使えます。物価高は今後も続きます。「せこい」などと恥ずかしがらず、お得な制度は使い倒すのが◎。夏は涼しい映画時間をお得に楽しみましょう。
2023年07月07日今回のお話「また値上げ!?電気代が高騰しているこの夏を乗り切るには?」6月1日から、大手電力7社の家庭向け電気料金が値上げされたと聞きました。この冬ですら電気代が上がって大変だったのに、さらに上がるなんて……。冬は着込めばなんとかなりましたが、夏はどうしたら良いでしょうか?電気代を抑える方法を教えてください。(20代後半/医療系専門職)■電気代が値上げしているのはなぜ?現在の日本では火力発電がメインです。その火力発電のもととなる原油とLNG(液化天然ガス)の調達コストがさまざまな要因で値上がりし、発電コストが上がっていることが電気代値上げの主な原因です。他の要因として、円安・輸送コストの値上がり・ロシアウクライナ情勢など、さまざまな背景があります。電気代は使えば使うほど段階的に1kWhあたりの料金が上がりますが、多くの電力会社の料金は基本料金+3段階料金になっています。例えば東京電力の場合は基本料金をベースに、契約しているアンペア数によって値段が変わります。アンペア数が高いほど、料金も高くなります。その上、使用した電量量に応じて3段階で1kWh(キロワットアワー)あたりの、電気料金が高くなります。さらに、再生可能エネルギー発電促進部課金と託送料金がかかってくる……という仕組みです。とはいえ、今年の1〜9月利用分までの電気代には、政府からの補助が入っています。1kWh(キロワットアワー)あたり7円、都市ガスの場合は1m3(立方メートル)あたり30円の補助が入っているので、この間の電気代はお得になっているのです。■家電別・夏の節電テクニック!では、無駄遣いせず、効果的に家電を活用して夏の暑さを乗り切るにはどうすればいいのでしょうか?エアコンや冷蔵庫、その他の家電も見ていきましょう。◇エアコン夏のエアコンの電気使用量は全体の約34%を占めています。節電するには、温度・湿度・窓の3つがポイントです。暑いからといってエアコンの設定温度を下げると、その分、電気代が上がってしまいます。27〜28度に上げることで、約10%の節電効果があるといわれています。それでも暑い場合は扇風機を併用しましょう。冷たい空気は床のほうにたまりやすいので、扇風機の風で循環させます。消費電力量が少ない、DCモーターを搭載した扇風機がおすすめです。帰宅したら、部屋の熱を逃すためにまずは換気をしましょう。部屋にこもった熱を逃がしてからエアコンをつけると、冷えるのが早くなり、その分節電にも繋がります。また、設定温度を下げる前にエアコンの風量を「強」にすると、節電しながら涼しくすることができます。また、湿度が高くなると体感温度も上がります。エアコンの冷房運転をすると同時に除湿されるので、夏場は「除湿モード」を使わずに冷房運転にしましょう。さらに、窓に遮熱シートを貼ったり、遮熱・遮光性能の高いカーテンをかけたりして日陰を作ると、外からの熱が入りにくくなります。◇冷蔵庫冷蔵庫の電気使用量は全体の約17%です。冷蔵庫は側面から放熱をするため、陽の当たらない場所に、壁から少し隙間を開けて置きましょう。また、暑いと冷蔵庫を開けたり閉めたりしがちですが、開閉回数や時間を減らすのも効果的です。部屋の中でも、保冷効果のある水筒を持ち歩くのがおすすめです。冷蔵室の中はできるだけ隙間をつくり、逆に冷凍庫にはパンパンに入れるようにしましょう。冷蔵室がパンパンだと、すべての食材を冷やそうと余計なエネルギーを使ってしまいます。その反面、冷凍庫をパンパンにすると、食材などそれぞれが保冷剤のような役割をするため、開けたときに熱気が入って急激に庫内温度が上がるのを防いでくれます。冷凍庫にパンパンになるまで入れるものが無いというお宅は、ペットボトルに8割ほどのお水を入れて冷凍しておくのがおすすめです。食材を守るだけでなく、暑くて寝苦しい夜にタオルに包んで枕元に置いておくだけで快適に眠れますし、災害時には保冷剤や飲料水にもなります。◇その他の家電照明は、季節を問わずLEDがおすすめです。使用していない部屋の電気はこまめに消すようにしましょう。また、炊飯器の「保温」もつけっぱなしだともったいないので、お米をまとめて炊いて小分けにして冷凍し、すぐに消しましょう。意外と見逃しがちなのが、トイレの便座。冬から「保温」のままになっている人も多いのではないでしょうか。夏場は電源を切りましょう。冷たいのが気になるなら、100円ショップで便座シートを購入すると、ワンシーズンで1,000円ほど節約できますよ。また、一人暮らしであれば保温ポットやウォーターサーバーは必要ありません。電気ケトルだけで十分なので、無駄な買い物をしないようにしましょう。■電気会社の見直しは有効なのか?電力会社によって、値上げする会社や据え置きの会社などさまざま。たとえば、九州電力・関西電力・中部電力は、6月の値上げはないと発表しています。また、電力自由化によって新しく電気の小売事業を始めた「新電力」も、電気料金が安いところが多いです。しかし、契約する前に「約款(やっかん)」を必ず読むようにしましょう。ペナルティや請求書発行などにかかるもろもろの手数料をチェックし、それでもお得だと判断できるなら、電気会社の見直しを検討するのは大いにアリです。最近はガス料金とセットにすると安くなる電気会社もあるので、あわせて検討するといいでしょう。令和のマネーハック77エアコンや冷蔵庫など、家電の使い方を見直すだけで、節電効果は期待できます。無駄のない節電で、夏の暑さを乗り切りましょう!(監修:丸山晴美、取材・文:高橋千里、イラスト:itabamoe)
2023年06月26日この夏も、食品をはじめ、物価の高騰が続く。6月1日からは一部の映画館で一般の鑑賞料金が2千円となるなど、値上げの波はレジャーのシーンにも及ぶ。「50代では、子育ても一段落して自分の時間ができ、アクティブに過ごしたいけれど、老後資金を貯めなくちゃ、と考える人も多いです。あるいは夫が役職定年を迎えるにあたり収入減が予想され、できるだけ出費を抑えたいというケースも増えてくるころ。映画や鉄道、旅行などのレジャーでは50代が利用できる『シニア割』がありますから、積極的に利用を検討することをお勧めします」そうアドバイスするのは、ファイナンシャルプランナーの小塚歩さん。「シニア向け割引」と聞くと、60歳の還暦を過ぎてから、あるいは65歳で定年退職を迎えた年代からが対象、というイメージを抱くかもしれないが、じつは50代から利用できるサービスが多くある。シニアという響きに抵抗があるかもしれないが、出費を抑えられるのなら活用しない手はない!小塚さんが注目するのは、映画の割引。イオンシネマは一般の鑑賞料金が1人通常1千800円のところ、55歳以上の人は1千100円で鑑賞できる「ハッピー55(G.G)」などのサービスがある。「昨年来、光熱費や食品などさまざまな物価が上がって、一生懸命に節約を続けている人もいると思いますが、楽しみも必要です。毎月1日には1千100円で映画を見ることができる施設は多いですが、混雑することもあるため、いつでも割引きされた料金で利用できるのはお得です」(小塚さん、以下同)さらに、夫婦のどちらかが50歳以上であれば、2人で2千200円で鑑賞できる「夫婦50割引」もある。夫とは映画の趣味が合わず、やはり友達と出かけたいという人は、MOVIX、T・ジョイなどが運営する映画館ならペアのどちらかが50歳以上で割引を受けられる。ほかにも、カラオケ、JRや旅行サイトなどが50歳以上でサービスを実施している。買い物で使えるシニア割も。玩具量販店の「トイザらス」「ベビーザらス」は、50歳以上でポイントカード会員になると、毎月15日に対象商品が10%引きになる「まご割」が使える。対象の店舗で買い物をするたびに割引やポイント付与が受けられる電子マネーは、スーパーやコンビニごとに発行されているが、イオングループの電子マネー「WAON」には、55歳以上が対象のカード「G.G WAON」がある。このカードで毎月15日に買い物をすると、自動的に5%引きとなる。「帝国データバンクの調べによれば、昨年値上げが実施された品目の平均値上げ率は14%。買い物の代金を10%抑えられるのは家計の大きな助けになります」お得なシニア割だが、利用にあたっては注意点も。「交通機関やレジャー施設ではシニア向けに割安な回数券を販売していることがありますが、これらを購入したものの、有効期限までに使いきれずにムダが出てしまった、という声も聞きます。割引サービスは1回あたりの金額が安いからとすぐに飛びつかずに、トータルでメリットがあるのか考えてから購入しましょう」また、店舗やチケットを販売する窓口などで割引を受ける際には、年齢確認ができる身分証明書の提示を求められることがある。対象年齢やサービスの内容は変更されることもあるので、これらをホームページなどで事前にチェックしておくと安心だ。お得な割引をフル活用して、家計負担増の波を乗り越えよう。
2023年06月05日「食料品の値上げラッシュが止まらないなか、6月からは電気料金が値上がりします。食品メーカーや飲食業、レジャー産業などは、コスト上昇を背景にさらなる値上げに踏み切ることも予想されます。家計への負担増は避けられないでしょう」(全国紙経済部記者)5月16日、大手電力7社(北海道、東北、東京、北陸、中国、四国、沖縄)が経済産業省に申請していた家庭向けなどの規制料金の改定が了承され、6月1日からの値上げが正式に決まった。値上げ幅は各社異なるが、東京電力の場合、標準的な家庭(従量電灯B、30A、月間260 kWh使用)で、月額6千809円だった電気代が7千690円(881円増)となる。ただし、この金額は、現在政府が行っている「激変緩和措置」という電気料金の補助金分を差し引いたもの。秋以降、政府による補助金がなくなったと仮定すると、月額9千510円になる計算だ。「電気料金の値上げでもっとも心配なのが、夏本番を迎える7〜8月です。エアコンの使用で消費電力量が増大するこの時期の値上げは、家計を直撃する可能性が大いにあります」こう語るのは、節約アドバイザーでファイナンシャルプランナーの丸山晴美さん。気象庁の予報(6〜8月)によると、「今年の夏の気温は平年並みか高い」との予想。だが、近年は猛暑が毎年続いているだけに、エアコンがフル稼働する家庭も多いだろう。「電気料金を抑えるためにも、この夏の節電対策はとても重要です。たとえば“クールシェア”といって、家族ができるだけ1つの部屋でエアコン、テレビ、照明などを共有して過ごす時間を長く作る。各部屋でエアコンを使用するとそれだけ消費電力量がかさむため、その時間を極力減らすことが節電につながります」(丸山さん、以下同)さらに丸山さんは、今回の電気料金の値上げは、省エネ家電に切り替えるタイミングだとも話す。「省エネ家電を購入するための費用はかかりますが、今後さらに電気料金が値上がりする可能性もあります。消費電力量が増える夏前に買い替えるのも、長期的な節電対策になると思います」夏の家計を脅かす値上げの連鎖は、食料品や電気料金だけではない。今年に入って以降、すでに日用品や娯楽費、交通費、運送費なども軒並み価格が上昇している。少しでも家計負担を減らすために、私たちにできることを丸山さんに聞いた。「まず、やるべきことは毎月の出費を見直すことから。その1つが、“サブスクリプションサービスの見直し”です。コロナ禍で、おうち時間が増えたことにより、動画配信サービスに加入する人や、通販サイトの定期購入を始めるといった人が増えました。ところが、アフターコロナで、外に出る時間も大幅に増えるなど、生活習慣も変わりつつあります。費用対効果を考えて、サブスクを見直し、必要でないものは解約すべきでしょう。毎月の固定費をカットすることは、値上げ対策の大きなポイントになります」コロナ禍前のにぎわいが戻ってきた遊園地、水族館、動物園、また映画館といったレジャー施設にも値上げの波が押し寄せている。「各施設のホームページや割引情報などを紹介しているサイトには、入場料が安くなるお得な情報が載っている場合があります。事前にチェックしてみましょう」できる対策を怠らず、値上げの夏を乗り切ろう。
2023年05月25日「10月2日より、三菱UFJ銀行が振込手数料を値上げすることが発表されました。たとえば店頭窓口から他行口座に振り込む場合、現在は3万円未満で594円、3万円以上で770円の手数料ですが、一律990円になる予定です。またATMから他行口座に現金で振り込む場合、現在は3万円未満で374円、3万円以上で550円の手数料なのが、一律880円になる予定。さらに同行は、今年度中にもATMの24時間稼働を廃止する方針です。そもそも金融機関のATMの台数は、1999年の11万8000台から、2021年には9万3000台と、20%以上減りました。財務総合政策研究所の調査によると、大手銀行の店舗数も2001年から2021年までに全体の26%にあたる845店が統廃合されました。いずれもコストカットが理由ですが、今後もこの傾向は続くでしょう」(全国紙経済担当記者)振込手数料だけではなく、消費税の増税のたびにメガバンクの出金手数料も値上げされてきた。口座を持っている銀行のATMでも、無料でお金を引き出せる時間は1日のうちの限られた時間だ。支店の統廃合などで、近隣から銀行ATMがなくなった場合、お金を下ろすたびに手数料がかかることになる。「今後、ますますメガバンクは使いづらくなる」と指摘するのは、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんだ。「たとえばみずほ銀行は70歳未満の人が新規口座を開設した場合、紙の通帳が1冊につき1千100円もかかるようになるなど、これまで以上に維持費がかかります。一方、100万円を貯金していても、年間の利息はわずか10円、20円。貯金が減っていく一方です」そこで注目したいのが、商業施設と連携した銀行や、インターネット専業銀行などの“新たな形態の銀行”だという。「従来どおりに店舗窓口で口座開設したり、郵送による申請や、パソコンやスマホによる操作で口座を開設できる銀行もあります。ネット主体の銀行は、人件費を抑えられることから手数料が安いのが特徴。商業施設と連携している銀行は、買い物するたびにポイントが加算されたりするメリットがあります」ファイナンシャルプランナーの氏家祥美さんも、次のように語る。「メガバンク、地銀、ゆうちょ銀行などをメインバンクとして給与の振り込み、光熱費などの引き落としをしていて、また紙の通帳へのこだわりが強い人は、なかなか銀行を乗り換えられないことも多いはず。そういう人は“サブバンク”に、新たな形態の銀行を検討してみてはどうでしょうか」
2023年05月18日TOHOシネマズが、6月1日(木)より映画鑑賞料金の改定を発表。現行料金から100円ずつ値上げされる。キャッシュレス決済の推進やモバイルチケットの導入等による運営の効率化を図るとともに、映画をより多くの観客に届けるため、新規出店や鑑賞環境の改善に努めてきたというTOHOシネマズ。今回発表された書面では、「しかしながら、エネルギー価格の高騰や円安による仕入れコストの上昇、アルバイト人件費を中心とした運営コスト増や各種設備投資における負担増等により、企業努力だけではこれらの吸収は極めて困難であると判断し、鑑賞料金の改定を行うことといたしました」とコメント。一般料金は、1,900円→2,000円へ。シニア料金、およびファーストデイ、シネマイレージデイ、TOHOウェンズデイは1,200円から1,300円に。レイトショーは1,400円から1,500円に改定。ただし、大学・高校・中学・小学生、幼児の鑑賞料金改定はなく、障がい者割引は現行料金1,000円どおり。12月1日「映画の日」も現行どおり1,000円となる(各料金は内税の総額表示)。改定は、6月1日(木)上映分より。TOHOシネマズ名の全国71拠点(5月1日時点)にて実施される。(text:cinemacafe.net)
2023年05月01日物価や光熱費の値上げが続き、節約を意識している方も多いのではないでしょうか?なかには、電気代を抑えるために工夫している方もいるようで……。そこで今回は、実際に寄せられた「電気代の節約術」を3つご紹介します。監修者:黒田悠介税理士法人Bridge代表税理士金融機関・IPO企業・富裕層コンサルティング会社を経て、税理士法人Bridge東京・静岡事務所を創設。「お客様に幸せの架け橋を」というビジョンを掲げ、多角的な税務サービスを行っている。エアコンを買い替える電気代の大半を占めると言っても過言ではないエアコン。とはいえ、夏や冬はエアコンをつけないわけにもいかず、電気代が高くついていました。そこで少しでも節電するために、電源をつけたり消したりするのをやめ、基本的につけっぱなしにするように。さらに、思い切って省エネのエアコンに買い替えることで、電気代がかなり抑えられました。前年と比べても4,000円ほど下がったので、買い替えも長い目で見ればお得のように感じます。(32歳/会社員)こたつを活用して節約暖房器具を極力使わないようにしました。寒さ対策のために、こたつの下にアルミシートと毛布敷いて、こたつの毛布を5枚重ねに。それでも寒いときは、湯たんぽをこたつの中に入れ、とにかく厚着。さらに、生姜湯などを飲んで体を温めて、電気代を節約しました。(39歳/専業主婦)外出時はコンセントを抜く今まではコンセントを挿しっぱなしにして過ごしていましたが、電気代の高騰により外出時に毎回コンセントを抜くようにしたところ節約になりました。また、トイレは電気をつけずに入り、使用していない部屋の電気を消すことを徹底し、節約に励んでいます。(30歳/専業主婦)小さな心がけで節約に……読者の方が実践して効果があった「電気代の節約術」を3つご紹介しました。皆さんは、電気代を抑えるためにどのような工夫をしていますか?監修者:黒田悠介(税理士法人Bridge代表税理士)※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年04月27日光熱費の値上げによって、節約を意識し始めた方も多いのではないでしょうか?なかには、ガス代を抑えるためにひと工夫している方もいるようで……。そこで今回は、読者の方から寄せられた「ガス代の節約術」を2つご紹介します。追い焚きを活用して節約家族全員お風呂に入る時間がバラバラにもかかわらず、夕方6時くらいにお風呂を沸かしてから夜9時過ぎまで保温し続けていた我が家。あるときテレビで追い焚きの方がガス代が抑えられると知り、それからは家族が入るタイミングで追い焚きにするようにしたところ、ガス代が安くなりました。(50歳/パート)圧力鍋を活用する圧力鍋を使って煮物や煮込み料理を作ることで、ガス代が抑えられます。煮込むときに鍋の蓋をすることで、早く温度が上がるのでガス代の節約になるだけでなく、時短にもなりました。(40歳/パート)少しの工夫が節約に……読者の方が実践して効果があった「ガス代の節約術」を2つご紹介しました。ガス代を節約するために、皆さんが工夫していることはありますか?※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年04月19日物価や光熱費の相次ぐ値上げラッシュ。家計のやりくりに頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、読者の方から寄せられた「ガス代の節約術」を2つご紹介します。ストーブの設定温度を変更広めのリビングでガスストーブを使っていたのですが、ガス代が高騰してきたため設定温度を少し下げました。寒い場合は、着込むことで調整しています。また、狭くなるのが嫌だからと開けっ放しにしていたリビングの仕切り扉ですが、少人数のときは扉を閉めるように。閉めることで暖房効率が上がるので、節約になりました。(35歳/看護師)浴室乾燥から室内干しに我が家は共働きのため、洗濯物を外干ししていると、急な雨に対応できません。そのため、洗濯物を浴室乾燥で乾かしていました。しかし、知人から「浴室乾燥をやめるだけでも光熱費を抑えられる」と教わり、サーキュレーターで空気を循環しながら室内干しすることに。その結果、ガス代が減ってだいぶ助かりました。(39歳/パート)少しの意識が節約に……ガスストーブの設定温度を下げたり、浴室乾燥の使用を控えたりすることでガス代が抑えられたようですね。ガス代を節約するために、皆さんはどのようなことに取り組んでいますか?※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年03月31日生活に欠かせないライフラインですが、光熱費の値上げが続き、頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?なかには、ガス代を節約するために工夫している方もいるようで……。そこで今回は、実際に募集した「ガス代の節約術」を2つご紹介します。給湯器をチェンジお風呂の湯沸かしのときにガスの使用量が増えるため、電熱式の給湯器に替えました。おかげでガス代が4分の1ほど削減できて、ビックリしています。電気代を考えても、明らかに得になりました。オール電化への切り替えも検討したのですが、以前、台風のときに停電になり2週間ほど電気が止まったことが……。プロパンガスだったからこそ料理だけは何とかできたということで、冗長化のためにガスも併用することに決めました。(42歳/会社員)追い焚き禁止これまではやかんでお茶を沸かしていたのですが、思い切ってお茶を作るのをやめ、1本35円のペットボトルの水を買うことで節約に。お風呂も夫婦で別々の時間に入っていたため、1日に何度も追い焚きをしている状態でした。しかし、ガス代を節約するために、お風呂が沸いたらすぐ入浴!夫婦で一緒の時間帯に入るようにしただけで、ガス代が去年よりも1,000円安くなりました。工夫してガス代を節約……皆さんそれぞれ工夫をして、ガス代を節約しているようですね。ガス代を節約するために、皆さんはどんなことを意識していますか?※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年03月15日どうも、お金の管理が苦手マンです!主婦歴12年になりますが、算数が苦手すぎてお金の管理が全然できません助けて。そんな私でもいよいよしっかり財布の紐を絞めなきゃいけないくらいに値上げの嵐で涙目です。皆さん、生活費の爆上がりをどう生き抜いていますか…?私はいつもレジで失神しそうになってます…。 結局節約した分使っちゃうんだなぁ、お金の管理が苦手マンだから…。でも娘の笑顔、プライスレス!
2023年03月07日世は空前の値上げラッシュ。食品や電気代、各種サービスなどの必需品が高騰しており、生活費を切り詰めるのが大変ですよね。家族の人数が多ければなおさらのこと。3人兄妹を育てるhanemi (hanma_ma)さんも、家計のやりくりに悩むお母さんの1人です。「生活費で削れるものがもうない」と嘆くhanemiさんに、8歳の長男が声をかけてきて…。じつはジュースを水で薄めることによって、子供たちも節約に貢献させていたのでした。チリも積もればなんとやら、数百円のジュースもバカにできません。お母さんの涙ぐましい努力に頭が下がります。コメント欄には「うちもやるか!その方が体にもよさそう」という声もありました。ただ、この事実を知ってか知らずか、最近は「お父さんが入れるとおいしい」といわれているのだそう。さらには「もう少しで牛乳にまで手を出しそうになりました…」とも打ち明けるhanemiさん。さすがに牛乳は薄まったらバレてしまいそうですね。とはいえ、仮にバレたとしても、お母さんを気遣い「俺も何か削る?」という声がけをした長男くんなら、きっと許してくれるのではないでしょうか。家族で助け合って値上げの波を乗り越えたいですね。[文・構成/grape編集部]
2023年03月01日2023年2月21日、マルハニチロ株式会社は、サバ缶詰商品を同年4月1日より値上げすると発表しました。ウェブサイトによると、26品のサバ缶詰商品が対象となり、価格改定率は約11%~23%になるといいます。値上げの理由については、次のようにつづられていました。記録的なサバ不漁により原材料の調達価格が大幅に上昇しております。また、継続的な原油価格の高騰により、物流費、包装資材費、動燃料費も上昇しており、引き続き生産コスト高の状態が続いております。当社はこれまでも業務効率化や物流改善等合理化に取り組み、商品の安定供給とともに品質・価格の維持に努めてまいりましたが、自助努力によるコスト吸収も極めて困難な状況となりました。サバ缶詰商品価格改定のお知らせーより引用安価で栄養価が高く、保存期間の長いサバ缶詰は、人々の食卓にとって欠かせない食材の1つでもあるでしょう。近年は世界情勢による影響もあって、エネルギーや原材料の価格が高騰しており、食料品や日常生活用品をはじめあらゆるものが値上げの波にのまれ、家計を圧迫しています。そんな中で、今回の『サバ缶詰の値上げ』というニュースに、ネット上では衝撃を受ける人が相次ぎました。・毎日の献立に激震。仕方ないけれど、キツイわ~。・ツナ缶だけでなく、ついにサバ缶までも値上げなんて、何を食べたらいいのやら。・サバが不漁らしいし、なんか魚がどんどん食べられなくなってきているな。物価の上昇はいつまで続くのか、見通しが立たないため、消費者にとってはつらい状況が続いています。賃金の引上げや、国内の景気回復など、政治による抜本的な対策が取られることを多くの人が願っているでしょう。[文・構成/grape編集部]
2023年02月21日「この冬のガス・電気代の高騰で、これまでなんとか踏ん張ってコストを抑えていた各社も、これ以上は我慢できず、とうとう値上げに踏み切りました。今値上げをするのは、これまで工夫や企業努力によってコストを抑えて値上げをしてこなかったところでしょう」こう話すのは、食文化研究家のスギアカツキさん。昨年は円安や原油高が進んだ結果、原材料費が高騰。さらにこの冬は燃料費の高騰で、とうとう値上げせざるをえなくなったという食品メーカーが相次いでいる。今年1月5日付の帝国データバンクの情報によると、1月に値上げされた食品は580品目、今月は4000品目超にものぼる。今回の値上げは、価格を変えずに内容量を減らす「ステルス値上げ」のケースも多いようだ。今回値上げされる食品には、冷凍食品(2~25%アップ)、魚肉練り製品(5~20%アップ)、ケチャップなどの調味料(7~23%アップ)が挙がっている。ライフラインの値上げラッシュが続くなか、据え置きあるいは値下がりするものはあるのだろうか。「国内で生産し、輸送費、冷蔵費がそれほどかからない米や生鮮食品はコストを抑えられているケースが多いです」(スギさん・以下同)実際に、野菜、米、魚、肉・卵の昨年12月または今年1月の価格を見てみると、野菜、米などで価格が下がっているものも多く、上がっていても値上げ率が10%以下程度に抑えられているのが目立つ(画像リスト参照)。そんな「割安&価格据え置き食品」の選び方を、スギさんが教えてくれた。■安定しているのは米と野菜【1】米食に切り替える米は今年、安定した供給が見込まれているため、値上がりはしていない。「米は生産が安定していて、コロナ禍には取引価格が値下がりしています」【2】生鮮食品は近郊産のものを選ぶ「野菜も今年は平年以上に豊作のものがあるようです。近場で採れたものだとコストも抑えられますから、価格も安定しやすいといえるでしょう」肉・卵と魚については輸送費・光熱費がかかるので変動はあるものの、海外産の生鮮品が高騰するなか、地産地消できる地元の野菜や塩蔵の魚を探すことで上手にお買い得品を買うことができる。【3】原材料を輸入に依存している食品、加工および流通に費用が多くかかる食品は避ける「お買い得なものを探すコツは、値上げの原因を考えて、逆にあてはまらないものを探すことです。たとえば、原材料を海外産に頼っているものは値上げ率も高くなっています」確かに、大豆、油、小麦、チーズなど、輸入に頼っているものを原材料としているものは値上げ率が高い。「目立つ値上げ商品は、パン、食用油、カップ麺、ソース、カレールウ、スナック菓子、アイスクリーム、ペットボトル飲料、ワイン、焼酎、ビールなどです。これらはすべて加工を必要とする食品でもあり、原材料費(輸送費含む)+光熱費のコスト高となります」加工および流通に光熱費や輸送費が多くかかるものも値上げ率に影響する。「顕著な例が冷凍食品と、海外から輸入している食品です。冷凍食品は光熱費、輸入食品は輸送費がかさみますから」■価格据え置き商品を見分けるポイント【4】春、値上げがすでに予告されている品目はPBで選ぶ「値段が変わらない商品では、重量および個数を少なくしている、あるいは原材料の種類を少なくしている、パッケージを簡素化している、宣伝頻度を減らしている、などの工夫がされています。これらをまとめると、パッケージがシンプルでデザインに凝っていないもの、CMなどで見かけない商品は、コストセーブができます。代表的なのがプライベートブランド(PB)商品でしょう」とはいえ、昨年からの値上げラッシュのなか、価格据え置きで頑張っていたPBも、ここへきて値上げせざるをえなくなっているようだ。それでもナショナルブランドより安いので、PBには引き続き注目したいところ。「間に問屋がいないのでコストを削減でき、そのぶん価格を抑えられるのがPBのメリットです」たとえば、イトーヨーカ堂の新しいPBラインとして昨年9月に展開を開始した「セブン・ザ・プライス」は、イトーヨーカ堂のブランドのなかでも最安値のラインナップだ。そのほか、イオン、西友、オーケーなど、各社がPB商品を展開し、それぞれの特徴を打ち出している。’21年にデザインを刷新したドン・キホーテのPB「情熱価格」は、大容量にすることで、相当のお得感を演出している。スギさんが特に注目しているのが、パン、パスタ、乾麺、冷蔵・冷凍麺など、日常的に食べる主食にあたる商品だそう。「毎日食べるものをあえて頑張って安くすることで通ってもらえるようになると、ほかの商品も買ってもらえます。そうすることで自然と客の囲い込みができるようになるため、これらの商品をフックとしてお買い得価格を設定しているところも多いようです。いつも行かれているスーパーの『毎日食べる食品』の値段をチェックしてみてください」もはや値上げを回避することは不可能となっているが、そのなかでも少しでもお得に買い物ができるようになりたい。そんな読者のために、スギさんが推奨する新しい買い物の「3カ条」を紹介しよう。【新しい買い物の「3カ条」】〈1〉「広告の品」を優先して買う〈2〉個別パックや少量パックを買っていたものを、お得な大容量のものにする〈3〉買い物時に、たとえば10品カゴの中に入れていたとすれば、最後に見直して1品減らす「値上げは平均して10%程度ですが、3カ条を実践すると確実に1割は出費を抑えることができます」値上げはこれからも続くだろうが、そのたびに戸惑うよりも、買い物スタイルを変えることで、無駄を減らす機会と捉えてみるのもいいかもしれない。
2023年02月13日2022年から、飲食物を中心にさまざまな企業が値上げを発表しています。その背景にあるのは、記録的な円安。原材料などが高騰することによって、製造コストが上昇しているのです。そんな中、多くの家庭に身近な、あの企業が値上げを発表しました。クロネコヤマト、運賃の値上げを発表2023年2月6日、ヤマト運輸株式会社(通称:クロネコヤマト)は、宅急便などの届出運賃を改定することを明かしました。同年4月3日から、宅急便や宅急便コンパクト、EAZY、国際宅急便に対し、平均およそ10%の値上げをするといいます。クロネコヤマトは、今回の値上げについて、エネルギー価格や原材料価格に加え、労働力減少による賃金や時給単価の上昇によるものと発表。これまでもさまざまな取り組みを進めていたものの、物流に必要なコストを吸収することが極めて難しい状況なのだとか。同社は今後、年度ごとに運賃を見直すとし、「輸配送ネットワークの維持・強化と、お客さまによりよいサービスを提供し続ける環境構築に努めてまいります」と述べました。値上げの発表に、利用者から「いい判断だと思う」の声宅配便の配達員という仕事に対し、これまで「過酷な肉体労働であるにもかかわらず、労働環境が悪い」と指摘する声は多数上がっていました。問題視されてきたからこそ、労働環境の改善につながる値上げの発表に、多くの利用者から称賛する声が寄せられています。・利用者としては苦しいけど、配達員の運賃を上げるのは賛成。応援しています!・そもそも、これまでが安すぎた。労働環境の改善につながりますように。・ガソリン代も上がっているし、これは仕方がないと思う。同じく運送業を営む佐川急便株式会社も、燃料価格の高騰や、配達員の労働環境の改善のため、同年1月末に平均8%の運賃値上げを発表しています。物価や光熱費などが高騰し、生活を圧迫する中、多くの人から上がるのは「値上げをするなら、社会全体の賃上げを」という声。今回のクロネコヤマトの値上げは、配達員たちの労働環境改善につながることで、いずれは社会全体にいい影響をもたらすかもしれません。[文・構成/grape編集部]
2023年02月06日記録的な円安により原材料などが高騰し、さまざまな製造コストが上昇している昨今。2022年から、飲食物を中心に多くの企業が値上げの告知を行っており、世間では生活費の圧迫に頭を悩ませる人が続出しています。コンビニエンスストアやファストフード店といった身近な店で買い物をする際、会計時に値上がりを実感していることでしょう。ローソン、『価格据え置き・重量約47%増』を発表!値上げラッシュが続く2023年1月30日、株式会社ローソン(以下、ローソン)は新しい取り組みを発表。なんと、価格据え置きで重量が約47%増加した飲食物12点の発売が決定したのだとか!『盛りすぎ!チャレンジ』と題する今回の取り組みでは、あえてこのご時世で、通常商品を増量して発売することにしたといいます。約47%増量で発売される12点は、以下の通り。ラインナップは、主食からスイーツまでさまざまです。【2月6日発売】・盛りすぎ!生ガトーショコラ(税込235円)【2月7日発売】・盛りすぎ!和風シーチキンマヨネーズ(税込135円)・盛りすぎ!ナポリタン(税込559円)・盛りすぎ!焼きそばパン(税込171円)【2月13日発売】・盛りすぎ!プレミアムロールケーキ(税込167円)【2月14日発売】・盛りすぎ!炒飯&焼そば (税込497円)・盛りすぎ!チーズバーガー(税込235円)・盛りすぎ!てりやきハンバーガー(税込127円)【2月20日発売】・盛りすぎ!生カスタードシュークリーム(税込160円)【2月21日発売】・盛りすぎ!肉厚チーズバーガー(税込397円)・盛りすぎ!パリッとジューシーなホットドッグ(税込192円)・盛りすぎ!チョリソーソーセージパン(税込117円)上記のラインナップには『ナチュラルローソン』や『ローソンストア100』で販売されない品物もあるため、『ローソン』の利用をお勧めします。値上が続く中での『ローソン』の太っ腹な取り組みは、発表後、ネットでまたたく間に話題に。「値上げ続きでつらい日々が続いているから、めっちゃ助かる!」「本当にありがたい。買いに行きます!」といった声が続々と上がっています。今回の取り組みを通し、「お得で楽しい生活サポートを目指す」と思いを明らかにしている『ローソン』。あなたも、47%増量で豪華なビジュアルになった12品を手に取ってみてはいかがでしょうか![文・構成/grape編集部]
2023年01月30日最近、あらゆるものの値上げが続いて、節約をしたいと思っている人も多いですよね。ただ、節約生活ってなかなか続けられない、何をしたらいいのか分からないと思ったことはありませんか?美容や健康に関心が高い女性が集まるanan Beauty+ clubのメンバー約100人に、オススメの節約術についてリサーチしました!1度で効果絶大の節約といえば※anan Beauty+ club…美容・健康・エコ好きな女性たち約100名が集まるanan Beauty+の読者組織。みなさんがこれまでに実践してきた数ある節約術の中から、まずは、1回するだけで節約につながった経験を教えてもらいました。「スマホの見直し。ソフトバンクから楽天モバイルに変えたら月々の料金が5,000円ほど安くなった。年間で考えると大きい」 (38歳・専門職)「あまり家から出なくなったので、ほとんどWi-Fiのあるところで生活しています。なのでギガを使わない基本プランへ変更しました」(30歳・会社員)多くの人が通信費を見直した結果、大きな節約につながっているようです。格安スマホへの乗り換えや、契約プランの見直しをして、数千円単位の節約に。なかには、7,000円も安くなったというもケースも!固定費は1度見直すと、節約効果が続けて得られるのもいいですよね。私も、今年、格安スマホに変更したのですが、月5,000円ほどの節約になりました。コロナで外出する機会が減り、データ通信量をあまり必要としなくなったことが、乗り換えのきっかけでした。コツコツの積み重ねが効く!オススメの節約術続いて、オススメの節約方法、節税法を教えてもらいました。「夕方遅い時間にスーパーへ行く。雨だとさらに安いのでまとめ買いする」(38歳・専門職)「安いスーパーや八百屋に行って、お肉や野菜をたくさん買い冷凍しておく」(30歳・会社員)スーパーでの割引やまとめ買いは、1回の節約金額は小さくても、塵も積もれば山となるので侮れませんよね。私も、スーパーに行くと予定になかったものまで買ってしまいがちなので、できるだけまとめ買いをして、スーパーに行く回数を減らすことを意識しています。そして、食材の冷凍保存をしている人も多くいました。野菜やお肉など、意外に冷凍できる食材は多いですよね。最近、納豆が冷凍できることを知って、とても驚きました。まだ実際に冷凍したことはないのですが…。他には、こんな節約術を実践している人もいました。「PayPayのキャンペーンをやってる街にいく」(32歳・会社員)「大田区に住んでるので、大田区の商品券を使う。20%分のポイントが付いてくるので2万5,000円分買って3万円使える」(38歳・専門職)最近は自治体の支援も充実していて、地域ごとに独自のクーポン発行や割引施策がありますよね。自治体の商品券を購入するために長蛇の列ができているというニュースもよく目にしました。私は、エリア限定や期間限定のサービスと聞くと、お財布の紐が緩んで、逆に使いすぎてしまうタイプです。お得なポイント活用法次に、最近の節約術としてもおなじみになってきた、電子決済やポイ活等の活用法を聞いてみました。「ポイントは基本なんでも貯める」(32歳・会社員)「楽天payを使うとさらにポイントがたまるので、スーパーやコンビニで使っています。大きな買い物は普通に買って、少ない金額の時にポイントで支払います」(30歳・会社員)「ソフトバンクに長期加入しているとPayPayのポイントがもらえるので、少しでも節約できているはず」(34歳・会社員)小さな積み重ねですが、いつのまにか大量のポイントが貯まっていたという経験ありますよね。キャッシュレス化が進み、私は最近あまり小銭を持ち歩かないので、ちょっとした金額や端数を支払うときにポイントが便利だなと感じています。また、効率よく貯めるために、クレジットカードやスマホなどさまざまなものを楽天にして、1種類のポイントを集約しているという人もいました。節約に大貢献するオススメのクーポンポイントの他にも、クーポンで割引を狙う方法もあります。オススメのクーポンや、よく使うクーポンを教えてもらいました。「マクドナルドのクーポンはよく使う。メルカリなどで店舗指定のポイント還元があるときに買う」(38歳・専門職)「ファミレスやマクドナルドのクーポン。行く時は先に調べてからクーポンのあるメニューを選ぶ」(38歳・無職)マクドナルドのクーポンを活用している人が多くいました。確かに、多くのクーポンを発行している印象があります。さまざまな店舗のクーポンのほか、LINEやメルカリなどのアプリ内で発行されるクーポンを活用している人もいました。私も、SNSや検索サイトのクーポンは普段からチェックするようにしています。来年こそは始めたいお金のこと最近は、節税や投資の新しい制度など、お金にまつわるいろいろな話題がありますよね。そこで、2023年に始めてみたいお金に関わることを聞いてみました。「制度が変わったら、NISAとiDeCoを増額する」(34歳・会社員)「つみたてNISAは今やっているので、株式投資にも挑戦してみたいなと思っています」(30歳・会社員)投資初心者でも比較的始めやすいと言われている、つみたてNISAやiDeCoに関心を持っている人が多くいました。私は、投資や税金の勉強は難しそうと思ってなかなか挑戦できずにいたのですが、数年前に「老後2,000万円問題」が話題になったタイミングで、つみたてNISAを始めました。他にも、個別株の投資や、保険の見直しなどを考えているという声があり、お金に関していろいろ学んだり、取り組んだりしてみたいというみなさんの意欲を感じました。続かなかった節約法最後に、やってみたけど続かなかった節約方法も聞いてみました。「食品の購入を週1回にすること。余らせたり、週半ばで足りない物を買うついでに他のものを買ったり、結局節約にならなかった」(34歳・会社員)「家計簿アプリ。最初は楽しく入力していたのですが、1か月も続きませんでした」(30歳・会社員)家計簿アプリは、私も挑戦したことがあるのですが、続きませんでした。1度レシートをもらい忘れたことをきっかけに、記録を怠りがちになってしまい、いつのまにか入力しなくなりました。最近は、せめて食費だけでも管理してみようかなという気持ちはあるのですが、まだ再開できていません。コツコツ続けることが大事とは分かっていても、行動にするのは難しいですね。楽しく続けられる節約法を!節約術のリサーチ、いかがでしたでしょうか。いろいろな節約方法がありましたが、挫折しないように楽しめるというのも、続けられる節約のポイントかもしれませんね。みなさんのエピソードを参考に、ぜひ自分に合った方法を探してみてください。(C)Hispanolistic/Getty Images(C)d3sign/Getty Images文・高橋あやか
2023年01月05日‘22年に家計を直撃した値上げの猛威は、どうやら年が明けても収まることはなさそう。さらなる負担が続々とのしかかってくる現実を前に、いまから十分な心の準備をしておくことが大切だ――。“値上げ”という厄介なワードは、どうやら来年も、私たちの頭から離れてくれないようだ。帝国データバンクの調査によると、‘23年に値上げが発表された食品はすでに4,425品目にのぼる。「‘22年の1月から3月では値上げ品目が3,553と発表されていたので、すでに今年を上回る値上げ品目数といえるでしょう」(全国紙経済部記者)さらに同調査によると、‘22年の食品値上げ率平均が14%だったのに対し、発表されている‘23年の値上げ率平均は17%。さんざん値上がりした今年よりも3ポイント高い水準になっているのだ。ここ1~2年、値上げが発表されるたびに家計管理に神経をとがらせてきた私たちにとって「まだ続くの?」とうんざりな値上げ通達。市場の動向に詳しい経済評論家の加谷珪一さんが、止まらない値上げの構造をこう説明する。「この数年の値上げは、石油・天然ガスの高騰を端緒に、小麦などの原材料費、輸送費、人件費と、全方位での価格上昇が要因。さらに、ロシア・ウクライナ戦争や欧米各国のインフレの影響が拍車をかけたのです」そして’23年も「値上げは収束しそうもない」と加谷さんは言う。「製造コストの高騰の幅からすれば、メーカー側は本来2~3割の値上げをしたいはず。しかしいきなり20%値上げと発表すれば、消費者心理として“買い控え〟を招き、売り上げが減少してしまいます。そこで1回の値上げ率を10~15%程度にとどめ、来年以降などにもう一度値上げを発表する企業も出てきているのです」(加谷さん・以下同)では、来年の値上げによって、2人以上の世帯の家計負担はどれくらい増すのか加谷さんに、総務省の家計調査をもとに予測してもらった。「商品価格が上がれば、買うこと自体を控えるなどの消費者行動が現れます。家計調査はそういったものを含んだ消費結果を表す指標です。しかし、『食料』『水道・光熱』『住居』の3項目は値上げされても生活を維持するために一定分は消費せざるをえず、値上げ分の負担が家計に大きく影響します」「食料」「水道・光熱」「住居」は家計支出の大部分を占める3項目。まずは最も支出額が大きい食料の負担増額について解説してもらった。「来年も、菓子類、調味料、小麦製品など幅広い食品の値上げが発表されています。それでも全商品が値上げされているわけではないので、来年の値上げ食品が平均17%上がるとすれば、‘23年は食費全体にならすと6%ほどの値上げ率になると予想されます。すると、月額では4,813円の支出増となってしまうのです」そして水道・光熱費は、「ほかの品目よりも値上げしやすいジャンル」だと加谷さん。■水道・光熱費が値上げされやすい理由とは?「電気代やガス代は、原材料となる原油価格の上昇をそのまま反映しやすいもの。各電力会社の価格は値上げ幅の上限に達してしまっているため、さらなる値上げを経済産業省に申請中ですが、‘23年内に2~3割は上がると考えたほうがよさそうです」ただし、節電を心がける人も増えており、プロパンなど都市ガスほど上がっていないガスの利用者も一定数いることを考慮すると、「最終的な支出は20%程度増え、月額5,099円の支出増となることが予想されます」政府は電気代の支援政策を進めているが、これでは焼け石に水だ。最後に住居費に関して。ライフルホームズのデータによると、東京都の標準的な賃貸マンションの賃料が過去3年間で約2.23%上昇しているというが……。「不動産会社などが公表している賃料は、あくまで表面的な金額であり、参考程度のため正確な数値とは言い切れません。しかしここ数年、住居費が徐々に上昇し続けているのは事実です。それらを総合的に判断すると‘23年は、およそ10%程度の上昇幅が考えられ、月額1,937円の支出増となるでしょう」これらの主要3項目を合算するだけでも‘23年の2人以上の世帯の支出では「月額11,849円の負担増となる」と加谷さんは導き出した。年間では14万2,188円もの負担増になってしまうのだ。ほかにも日用品、レジャー費の値上がりが予想され、これ以上の負担も十分考えられるという。家計負担が拡大するなか、私たちができる対策とはいったい――。「食費は家計支出の多くを占めるとはいえ、これを削るのは心身ともに健康的とは言えません。従来の支出から削るなら、車や家電といった大きな出費でしょう」この冬、まさにライフラインとなる電気代も、「節約に縛られないほうがいい」と、加谷さんは次のアドバイスをくれた。「もし、10万円程度の初期費用を投じる余裕があるのなら、家の窓を二重窓にプチ改装するだけで、その後に暖房にかかる電気代が劇的に安くなります。私も自宅を二重窓にしたら、室内の上下の気温差も大きく改善されました」支出を“ケチる〟だけが節約ではないのだ。‘23年の値上げ負担を事前に把握し、できる対策を、いまから打っていきたいところだ――。
2023年01月04日記録的な円安が影響し、『ラッシュ』という言葉がぴったりなほど値上げの発表が相次いでいる2022年。中でも飲食物の値上げ発表はとどまることを知らず、ネットでは毎月のように値上げ発表に対する嘆きが上がっています。原材料などの高騰で、製造コストも上昇しています。企業側も、値上げをするにあたって苦渋の決断を下しているのでしょう。ファミリーマートの『値上げ時期』が思いやりを感じると話題に2022年12月9日、コンビニチェーン店『ファミリーマート』が一部商品の価格改定を発表。コスト高騰や円安の影響を受け、レジ前で取り扱うチキン類を中心に、値上げを実施することを明かしました。今回、価格が変更されるのは、人気商品の『ファミチキ』を含む以下の11品です。・ファミチキ198円→220円・クリスピーチキン(プレーン)160円→178円・クリスピーチキン(ハバネロホット)160円→178円・スパイシーチキン160円→185円・ジャンボフランク168円→190円・ハッシュドポテト108円→128円・アメリカンドッグ118円→138円・鶏つくね串140円→160円・炭火焼きとりももタレ108円→128円・炭火焼きとりかわタレ108円→128円・炭火とりかわ塩108円→128円『ファミチキ』は、さまざまなコンビニチキンの中でも人気の高いメニューの1つ。価格改定が発表されるやいなや、ネットではついに『ファミチキ』が200円代になることも含め、悲しむ声が上がりました。そんな中、注目が集まったのは価格改定の実施日。『ファミリーマート』によると、これらの値上げは同月26日に行われるといいます。12月26日…それは、一大イベントであるクリスマスの翌日。そして、クリスマスは多くの家庭がチキンを食べる日とされています。自らもコスト高騰で苦しむ中、『ファミリーマート』はこの価格改定を決めたのでしょう。気遣いが伝わってくる価格改定に、いろいろな声が上がりました。・クリスマスの翌日からにしてくれるところに、『ファミリーマート』の優しさを感じて泣いた…。・「せめて、クリスマスまでは同じ価格で…」という気遣いがすごい。・値上げは悲しいけど、決行の日付を見たら感謝しかない。泣ける。クリスマス当日は、多くの人が『ファミチキ』を笑顔で食べられる日になるでしょう![文・構成/grape編集部]
2022年12月10日電車、バス、タクシーなど“生活の足”に値上げラッシュが押し寄せている。「コロナ禍でテレワークが浸透し、移動需要に変化が出ています。最近人出が戻ってきたとはいえ、コロナ前の混雑には程遠い状況です」そう話すのは交通技術ライターの川辺謙一さんだ。すでに一部のバス会社や一部地域のタクシーでは値上げが始まっている。鉄道会社も、来春には続々と運賃が上がる予定だ。「鉄道会社にすれば乗客が減っても、運行は止められないので経費は変わらない。営業利益は大きく減ってしまったでしょう。とはいえ、利用客の減少、つまり売り上げの減少を理由に値上げしたいとは言いづらい。利用客の理解も得られにくいでしょう。そこで、ホームドアの整備などバリアフリー対策を進めるため、その費用の一部を利用客にも負担してもらうというのが、多くの鉄道会社が来春の値上げを行う大義名分です」(川辺さん・以下同)増税以外の理由で、JRが値上げするのは30年以上ぶりだ。「公共交通機関のなかでも、特に鉄道は安易に値上げできない仕組みがあります。国土交通省に値上げの申請をし、自動改札機の更新などに半年~1年ほどかかります」次の値上げリストにも、鉄道値上げは来年以降の予定がずらりと並ぶが、バスやタクシーは近々の予定が並んでいる。■電車・バス・タクシーの値上げ一覧【鉄道の値上げ】〈’23年3月〉東急電鉄:初乗り区間は約10円値上げ。平均改定率は12.9%。JR東日本:運賃は一律10円の値上げ、通勤定期は1カ月280円などを上乗せ。東北、上越新幹線などのグリーン料金を3割程度値上げ。東京メトロ:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月370円などを上乗せ。西武鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月600円などを上乗せ。東武鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月600円などを上乗せ。小田急電鉄:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月600円などを上乗せ。子どものICカード運賃は全線一律50円を据え置き。〈’23年春〉JR四国:初乗り区間は20円の値上げ、改定率は12.51%。定期の改定率は通勤が平均28.14%、通学が平均22.43%。一部の特急料金も改定予定。〈’23年4月〉静岡鉄道:運賃は一律20円値上げ、通勤定期は17.6%の値上げ。平均改定率は 12%。近畿日本鉄道:初乗り運賃は一律20円値上げ、平均改定率は17%。値上げは27年ぶり。JR西日本:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月300円などを上乗せ。阪神電気鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月380円などを上乗せ。阪急電鉄:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月380円などを上乗せ。大阪メトロ:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月380円などを上乗せ。京阪電気鉄道:運賃は一律10円値上げ、通勤定期は1カ月370円などを上乗せ。伊豆箱根鉄道駿豆線:初乗り運賃は20円の値上げ、平均改定率は14.5%。定期の改定率は通勤が24%、通学が10.1%。大雄山線は2024年春に値上げ予定。【バスの値上げ】〈’22年11月〉広島バス:広島市内均一運賃エリアを拡大し、均一運賃を190円→220円に。呉市生活バス:路線により10~40円の値上げ。〈’23年3月〉三重交通:初乗り区間は10円の値上げ、平均改定率は4.1%。通勤定期は6.8%の値上げ。〈’23年3月16日〉川崎鶴見臨港バス:大人210円→220円に値上げ。28年ぶりの改定。【タクシーの値上げ】〈’22年11月14日〉東京都23区と武蔵野市、三鷹市:初乗り料金の上限を420円→500円に。加算料金は、233メートルごとに80円→255メートルごとに100円に改定。〈’22年12月5日〉愛知県名古屋地区:初乗り料金を450円→500円に。加算料金は、231メートルごとに80円→232メートルごとに90円に。〈’23年以降(時期未定)〉岩手県:初乗り料金の上限を540円から60円以上値上げ。加算料金は、264~290メートルごとに100円を基準に検討する。「鉄道は沿線地域の交通を独占していると考えます。同じ経路を同業他社と競合するバスやタクシーとは、値上げの意味が違います」確かに、値上げが困るといっても、複数路線が使える地域以外は、私たちはいつもの電車を利用するしかない。値上げがわずか10円だとしてもキツいだろう。たとえば小田急電鉄では、乗車距離にかかわらず6カ月の通勤定期券が3240円の値上げ。夫婦2人だと6000円以上出費が増える。「JR東日本は’23年3月から新たな定期券を導入します。それに以前からお得なチケットなどもあります。これらをうまく利用すれば値上げに対抗できるでしょう」■運転免許返納もお得乗車につながる川辺さんに値上げに負けないお得な乗り方を教えてもらおう。【1】JR東日本「オフピーク定期券」「コロナ禍の3密回避や満員電車の緩和など、以前からピーク時間をずらした乗車にポイントがつくプログラムがありました。来年3月以降はそれを発展させて、平日朝のピーク時間帯以外に使える定期券を10%引きで発行します」ピーク時間帯は乗車駅によって決まっている。新宿など都心に近い駅は7時30分~9時などで、都心から離れるとピーク時間帯は早くなる。ピーク時間帯に乗車した場合は、定期としての利用はできず通常のICカード料金が必要だ。「早めの出勤など、ピーク時間をはずせる人におすすめです」【2】東京メトロ24時間券「1日に何度も乗り降りする場合は各社の1日乗り放題券がお得です。なかでも東京メトロの24時間券はさらにお得です」24時間券は大人600円で、使用開始から24時間乗り放題。使用開始が午後3時なら翌日の午後3時まで、初乗り170円区間を4回以上乗れば元が取れる。【3】特急券はネット申し込みで早割特急券を予約する場合はネット申し込みがお得。なかには20日前までの予約で半額になることも。【4】JR西日本「おとなび」おとなびは50歳から入会できる会員制サービス。ネット予約でJR西日本の新幹線や特急列車が何回でも3割引きになるなどお得チケットが満載だ。JR東日本なら「大人の休日倶楽部」など、各社の会員制サービスを探してみては。【5】運転経歴証明書でバス・タクシーが割引に運転免許証を返納したら「運転経歴証明書」の申請を。免許証と同様に身分証明書として使える。さらに運転経歴証明書の提示でバスが割引になったり、タクシーチケットがもらえる自治体もある。お得な方法を賢く使って、値上げ分を取り戻そう。
2022年11月24日今年最大の値上げ月となった10月。原材料の高騰などにより6500品目を超える食品が値上げされた。最も多いのが冷凍食品やレトルトなどの加工品で、食用油やたれなどの調味料や飲料が続く。「どんどん頼ってほしいのが、スーパーのオリジナルであるプライベートブランド(以下、PB)。各社力を入れているので、この物価高でもお買い得品が多いんです」そう教えてくれるのは、食文化研究家でスーパーマーケット専門家のスギアカツキさん。「流通コストがかからないPBは、ナショナルブランド(NB)より安いのが魅力。販売データや消費者アンケートをもとに商品開発されているため、下ごしらえ済みの冷凍野菜や健康志向食品など、消費者のニーズに合わせた商品が充実しています。柔軟性があり、NB商品にはないような珍しい商品も豊富。ある大型店舗では分析カメラを導入し、消費者行動にもとづき、品ぞろえを充実させています」(スギさん・以下同)食品のなかには、“おいしすぎる”と話題になるほどの商品も。「名店とのコラボ商品は、驚くほどクオリティが高い。大手メーカーとの共同開発も信頼があります」アレルギー対応や糖質カットのPB食品も、大ヒットしている。「『ライフ』では、専門店の半額程度で購入できる、ヴィーガンスプレッドがすごく売れています。全粒粉のパンやうどん、そうめん、雑穀入りレトルトご飯も人気です」■PB食品がいい7つの理由【1】続々値上げの「調味料」「加工品」が圧倒的に安い!卸売業者を通さないPBは、醬油や食パンなど定番品もお買い得。ほかにも大量生産やパッケージを簡単にするなど努力で価格を抑え、安さを実現。【2】「鍋の素」「カレー」など、ほかにはない「レトルト」が!他店にはない、独自の発想やこだわりの味のレトルトが充実。ご当地鍋つゆからイタリア・ナポリのパスタ料理まで、驚く種類の豊富さ。【3】“あったらいいな”の主婦の気持ちが商品に!スーパーの顧客データや主婦へのアンケート調査から、徹底した消費者目線で作られる。小分け包装や加工済みの魚など使いやすい商品が人気。【4】有名料理店などとの「絶品コラボ」商品がある!名店やキャラクターの“看板”を背負ったコラボ商品は、妥協のない商品作りでおいしさに外れなし。食のプロもうなる逸品ぞろい。【5】「冷凍おかず」はすぐおいしい&ボリューム満点!バリエーションが豊富な冷凍食品は、スーパーがいま最も力を入れているジャンル。使いやすくておいしくて、外食以上の満足感も!【6】“面倒なとこやっときました”な「下ごしらえ商品」が充実!新トレンドとして増えているのが、主婦にうれしい手間と時間を省いてくれるPB。裏ごし済みや骨を取ってカットされた魚まで!【7】健康志向のニーズに応えた商品が続々!ヴィーガンスプレッドまでPBで手に入る時代。健康志向やアレルギー対応食材のニーズが増えた昨今、しっかり商品化して対応。■地方スーパーのPBはお土産としても優秀最近では、量販店や高級スーパーのPBも見逃せないという。「面白い商品をそろえているのが『ドン・キホーテ』の“情熱価格”。メッセージを伝えやすいPBの特徴を生かし、すごく長い商品名や説明書きで作り手のこだわりを全面的に表しています。そして、今人気があるのが、岐阜県発祥の業務用スーパー『アミカ』。冷凍食品に強く、酢飯の“冷凍シャリ玉”など独自路線がすごいんです。郊外型スーパー『ヤオコー』は業界内人気が高く、ソーセージなど定番商品が安くておいしいと評判。高級スーパーの『成城石井』もこだわったPBをそろえています」いまスギさんが注目しているのが、全国のご当地スーパーだ。「地方のスーパーがPBを持つようになってきました。比較的小ロットでもメーカーが対応できるようになったため、地域の色を持つ商品がどんどん発売されています」たとえば、長野県・群馬県のツルヤ、山梨県・長野県のいちやまマート、山形県・宮城県のヤマザワ、兵庫県のヤマダストアー、沖縄県のジミーなど、地域に根ざしたスーパーで開発されたPBには、知られざる逸品が豊富。「地元ならではのPBは、“地元愛”にあふれ、その土地で親しまれている味を楽しめます。地元の人が愛用する、安くて確実においしいPBは、お土産にもぴったり。ジャムやお菓子、麺類、ソーセージなど加工品のコーナーをのぞいてみて」もはや価格だけじゃないPB。使い分けて、楽しみながら節約につなげることができるという。「たとえば、パスタは価格重視PB、ソースはプレミアムPBと組み合わせる。外食の代わりに高級スーパーのPBでプチぜいたく。満足感は高く、食費も浮きますよ」【PROFILE】スギアカツキスーパーマーケット専門家、食文化研究家。スーパーや食のトレンド情報をSNSやメディアで発信している
2022年11月02日