地下鉄有楽町線辰巳駅から徒歩1分の場所にある「Cafe LaLaLa」。カフェオーナーの中澤照子さん(77)は、昨年12月23日に定年を迎えるまで、20年もの間、保護司として活動してきた。関わった少年少女は実に120人以上!彼らと真正面から向き合い、更生させ、社会復帰させた。昨年11月14日には、保護司としての長年の功労が認められ、天皇陛下から、藍綬褒章が授与された。保護司は法務省の非常勤の国家公務員。無給のボランティアだ。各地域の保護観察所の監察官から、「この保護対象者を受け持っていただけますか?」と、連絡が入り、受け持った対象者と月2回、その親とも月1回、面談し、月1で報告書を書いて提出する。中澤さんは20年間、監察官からの依頼を断ったことがない。対象者に「会いたい」と言われれば、早朝でも深夜でも、必ず会った。「必要とされるなら、私は時間も心も割きます。『あとで』とか『メールで』は、絶対にしません。足を運ぶというのは、思いを届けることですから。それで、相手の目を見て、話します」通常、面談は月に2~3度だが、月に50回以上、会った子もいる。ユカリさん(仮名・当時16)だ。「自傷行為があり、体じゅうにカミソリの痕がありました。それも50カ所や60カ所じゃないんです。夜、電話が多かったのは、やはり寂しかったんでしょうね」電話を受けると、中澤さんは早朝でも飛び出して、夏なら近くの公園で話を聞いた。一時は自立に向けて歩き始めたように見えた。ところが、水商売で彼氏ができると、連絡が途絶え、以後、現在まで行方不明のままだ。「心配ですよ、女の子は。別の子ですが、男の人で変えられて、薬物問題を起こす子もいましたから」最近、中澤さんの携帯に深夜、非通知電話が入るようになった。高齢になって、中澤さんは現在、夜中は携帯を切っている。「電話をかけてくるのは、私が携帯を切ることを知らない子。ユカリちゃんじゃないかと思うんです」そんななか、中澤さんの後継者として、保護司になった元対象者が出た。プロレスラーの十嶋くにおさん(36)だ。中澤さんの1期生の1人で、16歳のとき、集団危険行為で鑑別所に入り、中澤さんの担当になった。十嶋さんは言う。「親はもちろん、大人は信用していませんでした。それが、中澤さんとの面談では、ダルくはあったけど、イヤではなかった。それまで大人はいつも頭ごなしに『おまえが悪い』だった。でも、中澤さんは、とにかく褒めてくれるんです」荷卸しのバイトを始めた十嶋さんを、「たいしたもんだ!」、「あら、いい顔つきになったね」と中澤さんは褒めまくった。毎朝8時17分、中澤さんが住む団地の前を通ってバイトに行く十嶋さんに、中澤さんは10階の部屋のベランダから、「ヤッホー!行ってらっしゃい。今日も頑張れよ~っ」と大きく手を振った。毎朝毎夕、十嶋さんが団地を通るたびに、中澤さんの「ヤッホー」が聞こえてくる。「そうしたら、頑張んなきゃって、気持ちになるじゃないですか」面談でも、中澤さんから、「オヤジさん、泣いてたわよ」と、聞かされると心が動いた。「直接、目の前でオヤジに泣かれるより、響くんですよね」保護観察期間が終了後も、十嶋さんは、新たに中澤さんの対象者になった仲間に付き添って、会いに行った。地域の雪かきや清掃作業に駆り出されると、十嶋さん自ら仲間を集めるようになっていた。「断ることもできたのにね。『手伝って』と言われて、親だと、こっ恥ずかしくてできないけど、『保護司の中澤さんを手伝ってやる』という体を続けているうちに、本当の親とも少しずつ話ができるようになっていたって感じですかね」バイトで20万円をため、十嶋さんは18歳で、プロレスの本場、プエルトリコまで修業に行った。「たいしたもんだ!」と、褒めつつも、中澤さんは鉛筆のように痩せていた十嶋さんが心配でたまらなかった。3カ月後、帰国した十嶋さんは真っ先に、中澤さんを訪ねて来て、鍛えた筋肉を見せてくれた。「『体が大きくなったら、道路を歩くと邪魔になるみたいで、俺、道を譲るようになりましたよ』なんて言うんですよ。あの肩で風切っていた子が(笑)。やっぱり夢や目標を見つけると、人は強いです」十嶋さんは’02年、19歳で、プロデビュー。’06年に結婚し、長男にも恵まれた。その後、離婚しているが、父子家庭になっても、1人で立派に長男を育てている。十嶋さんを筆頭に、“子どもたち”の成長を目の当たりにした中澤さんは、こう考えるようになっていた。「自分の経験を、保護司として生かしてくれる子が出てこないかな」そこで白羽の矢を立てたのが、十嶋さんだったのだ。昨年9月、保護司会会長や家庭裁判所など5つの関係各所の承諾を得て、十嶋さんは保護司になった。かつての保護対象者が、篤志家というイメージも強い保護司に選ばれるのは、従来では考えられない快挙だった。当初、十嶋さんは戸惑った。「俺、高校は2回も中退したし、まさか書類が通るとは思わなかったから。仲間たちの反響ですか。『え、マジか!?』ですよ(笑)。でも、仲間から『中澤さんが、あんなに期待してるんだからな』と、言われると、やっぱり少し誇らしかった。ちょっとずつ覚悟ができてきて、やっと最近、思うんです。一度、道を逸れた人間のほうがわかることもあるのかなって」照れくさそうな十嶋さんを、中澤さんも誇らしげに見つめていた。中澤さんが「Cafe LaLaLa」を始めたのは、昨年3月。保護司時代に縁のできた人たちが、いつでも気軽に立ち寄れる場所として、オープンさせた。「こないだも15年前に面談した男の子から、久しぶりに電話があって。ずっと連絡がなかった子でしたから、その名前を携帯の画面で見て、鳥肌が立ちましたよ」中澤さんがテレビで紹介されたのを見て、連絡をくれたという。「うれしかったですね。そんなことがあるから、どの子の電話番号も消せないんですよ。ユカリちゃん(前出)も、いつか『会いたい』と、来てくれるかもしれないし……」カフェに来るのは、中澤さんの“子どもたち”や関係者だけではない。最近では、ネットなどでカフェの存在を知り、保護司になりたいという若い女性が訪ねてきたり、息子を少年院に送り出したばかりという父親がやってきたり……。「父子家庭で、何とか息子を立ち直らせたいって言ってね。かなり長い間、お話しされていきましたよ。私も答えなんか出せないんです。でも、そうやって話しているうちに、ふと道が開けるヒントが浮び上がったりするのね。ですから、ここも珈琲処じゃなくて相談処になりました(笑)」保護司の肩書など、あってもなくても関係ない。自分のためより人のため。ぐるっとまるごと“人間保護司”の中澤さんこそ「たいしたもんだ!」。
2019年02月14日フジテレビの生野陽子アナウンサーが16日、東京・台場の同局本社屋・周辺エリアで開幕した夏イベント「お台場みんなの夢大陸2016」(8月31日まで)のオープニングセレモニーに登場。夫・中村光宏アナの太鼓パフォーマンスに「特にカッコ良かったですね」とノロケてみせた。このセレモニーでは、同局男性アナで結成した「オマツリ男アナ9人衆」が、太鼓の演奏を披露。約3分間の熱演を終え、みな息も絶え絶えの状況で、谷岡慎一アナは「死ぬほど練習しました」と苦労を振り返った。そんな姿を見て、司会の佐野瑞樹アナから「誰が一番カッコよかったですか?」と振られた生野アナは「みんなカッコよかったです」と一旦交わしたものの、「そんな回答ありますか?」と追求され、「特に中村アナがカッコ良かったですね」と恥ずかしながら返答。会場は大歓声となったが、佐野アナに「朝からイチャイチャしております」と、まとめられてしまった。同セレモニーには、生野アナとともに「みんなの夢大陸PR隊」に就任した山崎夕貴、三田友梨佳、永島優美アナも登場。山崎アナは真夏に雪が楽しめる「アクアスノーガーデン」、三田アナは巨大デジタルアートが体感できる「DMM.プラネッツ Art by teamLab」、永島アナは「居酒屋えぐざいるPARK」をそれぞれアピールした。なお、男性アナたちによる太鼓パフォーマンスは、今後も週1回のペースで、同イベントで披露される。
2016年07月16日●治療者不足で症状が悪化し、死に至ってしまうケースも摂食障害に苦しむ人やその家族をサポートすることなどを目的とした「日本摂食障害協会」の設立発表会がこのほど、東京都内で開催された。同発表会では、同協会の理事長である生野照子さんら有識者が登壇し、日本の摂食障害患者を取り巻く現状などについて講演した。○国内の摂食障害患者は20万人を超えている可能性摂食障害には、体重が異常に減る「拒食症」、いくら食べても満腹感が得られずに暴飲暴食や嘔吐(おうと)、下剤の乱用などを繰り返す「過食症」、そのほか中高年の男性に多い「過食性障害」の3種類があり、全世界で7,000万人に影響を及ぼしているとされている。日本での認知度も広まりつつあるが、正しい知識と理解の普及にはいたっていない。大阪メンタルヘルス総合センターのセンター長も務める心療内科医の生野医師は「現在、日本国内には摂食障害を患っている人は2万人以上と言われてますが、実際には治療を受けていない、あるいは、治療を希望しても治療者不足で受けられない『潜在患者』を含めたら、約10倍の20万人を超えると言われています」と現状を説明する。日本の若い女性は「やせ願望」が非常に強く、摂食障害の有病率は、摂食障害治療の先進国のアメリカやイギリスと並ぶ高さである。それにも関わらず、治療・支援体制の整備は欧米と比較して著しく遅れているという。「日本は深刻な治療者不足で、数少ない病院や医師の元に全国から患者が殺到している状況です。現在も膨大な数の当事者とそのご家族が適切な治療を受けられないまま、症状が悪化し続け、最悪、死に至ってしまうケースもあります」とさしせまった状況を訴えた。摂食障害は重度の栄養失調が原因で、患者の7~10%が死に至る病気であり、精神疾患の中では最も高い致死率である。また、発育停止や骨粗しょう症、無月経、歯の損失、抑うつなどの症状をもたらし、学業や社会活動、対人関係が著しく阻害され、社会の中で孤立してゆくという。親子関係も悪化し、当事者の家族も悩み苦しむなか、周囲の理解とサポートが切実に求められている。○摂食障害には環境面と遺伝面の要因過度のダイエットが摂食障害のきっかけと思われがちだが、実際はそうでない。ミュゼプラチナムが1,000人の20~30代の女性を対象に摂食障害について実施したアンケート調査の結果をもとに、東京女子医科大学病院 附属女性生涯健康センターに所属する臨床心理士・小原千郷さんは次のように語った。「摂食障害の原因が、ダイエットや家族(母親)であると思いこんでいる人が20%近くいましたが、これらはきっかけの一つであり原因ではありません。実際には、生まれ持った遺伝的要因と、生まれ育った環境的要因の両方が大きく関与しています」。「自分の育て方が原因」と自責の念に駆られる母親も非常に多いものの、治療において家族は患者のなによりのサポーターとなりうる。摂食障害はストレスをはじめ、生物学的要因が影響しているため、本人の意志だけで治すのは難しい。それでも、早期発見、早期介入・治療による完治が可能となるだけに「独りで悩まずに一日も早く受診してほしい」と、摂食障害に苦しむ人たちに向けて呼びかけた。●世界的な肥満率増加に逆行してやせていく20~40代の日本人女性次に政策研究大学院大学教授で内科医の鈴木眞理医師が登壇し、「食に関わる、現代の日本が抱える健康問題」について解説した。鈴木医師は、1987年から2007年までの20年間にわたる「やせと肥満の比率」の推移について、20代から70代までを対象に調査した結果、ある事実が判明したと解説した。「世界的には、経済発展が進んで栄養が豊かになるつれて肥満率が高くなっています。その中で、なぜか日本人の20代から40代の女性だけ『やせ』が増加しています」。「やせ」の母親の増加に伴い、その子どもも「やせ」となる傾向にあるという。鈴木医師は、特に小学生といった低年齢での「やせ願望」を問題視しており、中高生の時期に拒食症になる女子が非常に多いことが、学校ベースの調査報告からわかっているとした。日本の13歳~18歳女子の摂食障害の有病率は、摂食障害治療の先進国・イギリスとほぼ同じ数値だ。それにも関わらず、日本では学校の保健教育などでの摂食障害に対する知識の普及や、治療を促す啓発活動も著しく遅れているという。○女性アスリートが陥る無月経健康という観点から考えると、拒食症が骨に与える影響も深刻。拒食症患者の腰の骨のカルシウム量の数値を調査したところ、若い女性でも80歳の老人と同じ数値だったという報告もある。特に問題が根深いのがスポーツ界で、若い女性アスリートが「体重が増えると記録が下がるのでは」という不安で食べられなくなるのは決して珍しいことではない。そんな状態でも記録を出すために過酷な練習や食事・体重制限に励んだ結果、摂取エネルギーよりも消費エネルギーが上回る「エネルギー不足」が主な要因で無月経になっているケースが多いという。「無月経が続くと骨を強くする女性ホルモンが減り、疲労骨折や卵巣機能が低下するなど、不妊のリスクも高まります。女性アスリート自身が『無月経のほうが楽でいい』と深刻に受け止めない現状もあり、選手の健康よりも記録優先のスポーツ界の意識を変えていかなければ」と訴えた。○今の日本に求められる支援体制とは翻って、他国はどのように摂食障害という難題に立ち向かっているのだろうか。白梅学園大学教授で精神科医の西園マーハ文医師は、イギリスの段階的治療システムや支援体制について紹介した。「イギリスでは精神科医をはじめ、看護師、栄養士、カウンセラー、ソーシャルワーカーなどのさまざまな職種が連携しあい、外来診察、相談、情報や資料の公開・提供、デイケア、家庭訪問治療、社会復帰支援などに対応し、より多くの当事者が地域生活の中でよい状態を保てるよう支援する体制になっています」。入院治療の専門医療機関とは別に、摂食障害支援センターやレジデンシャルホーム、地域ケースにデイケアケース、入院ケースと幅広く対応する「摂食障害ユニット」などの中間施設があるという。このユニットは、イギリスでは多いところでは人口100万人に対して1つ、少ないところでも200万に1つある。仮に東京ならば、人口からして5~6個は欲しいという。治療者不足という深刻な危機に直面している日本では、一つの専門機関に患者が殺到し、その間に多数の「待機患者」が早期治療を受けられないまま症状が悪化していくという負のスパイラルに陥っている。これでは患者が増える一方で、病院側も対応しきれずに互いに"パンク"する恐れがある。そんな現状を打破するため、マーハ文医師は「イギリスのように一般のかかりつけ医、家庭医が摂食障害治療のトレーニングを受けて、重症ではない患者を各地域で対応できるような役割分担、段階的治療システムが日本にも求められています」と結んだ。
2016年06月14日生野陽子らフジテレビのアナウンサー陣が、東京・台場の同局本社屋周辺エリアで行われる夏イベント「お台場みんなの夢大陸2016」(7月16日~8月31日)のPR隊を務めることが24日、明らかになった。今年の同局夏イベントは「『みんな』×『夏祭り』」をテーマに、世界からの来場者を"みんな"でお迎えし、"みんな"で楽しめるものを目指して開催。昨年は男性アナウンサーによる「オマツリ男アナ9人衆」が、体を張ったパフォーマンスでPRしたが、今年は「みんなの夢大陸PR隊」として女子アナも参加することになった。女子アナメンバーは生野アナに加え、山崎夕貴、三田友梨佳、永島優美アナの4人が浴衣姿で写真撮影。お祭り姿の男性アナは、渡辺和洋、倉田大誠、中村光宏、榎並大二郎、谷岡慎一、生田竜生、酒主義久、大村晟、内野泰輔アナが参加し、昨年に引き続き、和太鼓の披露も予定している。団長を務める矢延隆生プロデューサーは「各エリアとも昨年以上にパワーアップしています」と予告。ウォーターエリアに雪が降る"アクアスノーガーデン"が登場するほか、『痛快TVスカッとジャパン』などの人気番組とコラボレーションしたブースが登場する。
2016年05月25日女性MEDI活(メディかつ)実行委員会は12月14日、女性疾病への理解を促す「MUSEE Happy Project」活動第一弾として、「20代からの女性MEDI活セミナー」をイイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区)にて開催する。同セミナーは美容脱毛専門サロン「ミュゼプラチナム」を運営するジンコーポレーションが後援するもの。ミュゼプラチナムでは、ピンクリボン活動など女性の健康を考えた啓発活動を行ってきた。今後はこれらの取り組みをさらに強化し、多くの女性の「幸せ」を生みだすために「MUSEE Happy Project」と題して、医師や専門家の協力を得ながらより大きな活動へ発展させていくとのこと。この活動の第一弾となる同セミナーは、女性MEDI活実行委員会が主催するイベント。「MEDI活」とは、健やかな毎日を送るための自発的な勉強や取り組みを「MEDICAL(メディカル)活動」として表現したものだという。同セミナーは、若年世代に多く見られる摂食障害や子宮頸(けい)がんなどの疾病をメインに、女性の健康づくりに役立つ健康管理法や注意すべき病気のケア方法などについて解説する。2つの講演を用意し、社会医療法人 なにわ生野病院 生野照子心療内科部長は「摂食障害の現状について」を、公益財団法人未来工学研究所 伊藤真理特別研究員は「女性として美しく幸せに生きるための基礎知識」をレクチャーする。また、生野心療内科部長、伊藤特別研究員とともに、ジンコーポレーションの高橋仁社長も登壇するパネルディスカッションを実施。司会進行は子宮頸がんの闘病経験を持つシンガーソングライターの松田陽子さんが務める。会場はイイノホール&カンファレンスセンター(東京都千代田区)。時間は14時~16時半。定員は100名(予約制)で、応募者多数の場合は抽選となる。参加費は無料。
2015年11月30日