ゴジゲン第17回公演『朱春(すばる)』が4月に上演される。松居大悟と目次立樹に話を聞いた。取材をしたのは2月上旬。約1年3カ月ぶりとなる新作公演について、作・演出を手がける松居は「どうしたらいいんだろうと思っています」と明かす。というのも、「幕が開く4月1日がどんな世の中になっているのかが読めないから。ようやく演劇観れるぜ!という状況なのか、なんとか勇気を出して劇場に行く、という状況なのかで違うなと思っていて、それを言い訳にしてまだ考えていないんですけど(笑)」。それに対し目次は「そうやって変化していく世の中の状況をはねのけるくらい、ゴジゲンたちはこれ!というものが僕は観たいかな。前作『ポポリンピック』は、オリンピックやパラリンピックを題材にしたけれど、今回はそういう時事ネタではなく、僕らのエッセンスを凝縮したようなものが観たい」。つまりまだ内容は未定なのだが、ゴジゲンの作品の特徴のひとつが、稽古場では全員でテーマについて話し、共有しながら芝居を立ち上げていくスタイル。そうやって生まれたものだからこその生々しさに、観客は胸を掴まれる。今、松居が今作のテーマにしようとしているのが「居場所」。「最近はゴジゲンのメンバーも各々の大切な居場所ができはじめて、前はずっとうだうだしていたのに『稽古が終わったら家に帰ります』という感じになってきました。僕はそれが寂しいから、それについてみんなで考えたいなと思っていて。答えは出なくてもいいんですけど」。タイトルを『朱春』にしたのも「『青春』の次は『朱夏(しゅか)』というのですが、僕らは青春は終わったけど『朱“夏”』まではいってない気がする。『朱“春”』くらいがちょうどいいと思いました」(松居)。全員30代だからこその変化。目次はどう感じているのか。「でも、ゴジゲンの稽古と公演の2か月間は、自分勝手でいられる時間なんです。他のメンバーも他の現場だと“仕事”って感じで、目の色も違うのですが、この中だと緊張もなにもないし、したらいけないこともほとんどない。結構わがままな時間なんだと思いますね」。だから公演を前にした今は「謎のワクワク感と安心感があります。脚本がなくても別に不安はないですし(笑)」と笑う。約4年ぶりの劇団メンバーのみでの上演となるため「コアで狭い話にしたい。あとくだらない話。外よりもきれいな桜が見せたいなと思います!」(松居)という『朱春』は、4月1日(木)から11日(日)まで東京のザ・スズナリにて上演。チケットぴあでは2月21日11時より先行先着販売がスタート。文:中川實穂
2021年02月19日こんにちは。エッセイストでソーシャルヘルス・コラムニストの鈴木かつよしです。筆者は以前『パピマミ』に、『おじいちゃんが豹変! 「急に怒りっぽくなった人」に潜む認知症リスク』というコラムを寄稿しました。そこで、成人でそれまでとは人が変わったように怒りっぽくなったような症状に遭遇したときには、念のために認知症を疑って早期の対処につなげることを筆者自身の体験から提唱いたしました。ところがこの『易怒性(いどせい) 』と呼ばれる急に怒りっぽくなる症状、その怒りっぽさの質や付随する周辺症状の有無によっては、認知症のみならず、さまざまな精神障害や脳神経外科的な予後のよくない病気に広くみられる症状 であることを、筆者はその後ある悲しい出来事を通して知ることになります。今回は認知症に限らず「いくらなんでも怒りっぽすぎはしないか」と感じたときに疑ってみるべき病気について、考えてみたいと思います。目次あんなに優しかったママがなぜ?急激に呈する易怒性には脳の器質的な障害の疑いが脳の器質的な障害が原因の“怒りっぽさ”には周囲のあたたかい見守りと寛容が不可欠●あんなに優しかったママがなぜ?同じ町内に、高学年の女の子を筆頭に3人のお子さんがいる30代後半のご夫婦がいらっしゃいました。お二人ともとても礼儀正しく感じのよいかたで、とくに奥さまは子どもたちに優しく、見ているこちらまでが幸せを感じてしまうほど素敵なママでした。その奥さまがいつのころからか、朝小学校へ登校する低学年の男の子のことを、人が変わってしまった かのようなきつい言葉と態度で叱りつけるようになってしまったのです。筆者はその横を通るたびに、「男の子だから厳しくしているのかもしれないけど、あそこまできつくあたることもないのになぁ」と思ったものです。それから半年ほど経ったころでしょうか、奥さまの訃報が飛び込んできたのは。奥さまは脳にできた腫瘍 が原因で、あまりにも短い生涯に幕を閉じられたのです。●急激に呈する易怒性には脳の器質的な障害の疑いが都内で心療内科・精神科のクリニックを開業するA先生(50代女性)は、下記のようにおっしゃっています。『易怒性そのものはさまざまな体調不良、とくに精神科領域の障害ではほとんど全てにおいてみられるものです。ただし、あまりにも急激に呈する易怒性には認知症の他にも腫瘍や脳血管障害など脳の器質的な障害が潜んでいる疑いがあり、怒りっぽさの質も他とはやや違う ところがありますので、頭部のMRI検査を行うなどの注意が必要でしょう』A先生によると、易怒性を呈する一般的な原因には次のようなものがあるとのことです。●内科的原因発熱、痛み、インフルエンザ、甲状腺機能亢進症、糖尿病、中耳炎、歯痛、水分不足など。●婦人科的原因閉経、更年期障害、月経前症候群、多嚢胞性(たのうほうせい)卵巣症候群など。●精神科的原因統合失調症、双極性障害(躁うつ病)、強迫性パーソナリティ障害、アルコール依存症など。●神経内科・脳外科的原因認知症、脳血管障害、脳腫瘍など。----------この中で、最後の「神経内科・脳外科的原因」によって起きている易怒性こそが、それ以外のものとは『質的にやや違う』と、前出のA先生は指摘されているのです。●脳の器質的な障害が原因の“怒りっぽさ”には周囲のあたたかい見守りと寛容が不可欠千葉県市川市で包括的な地域医療とプライマリーケアを行う『仁和医院』を開業する医師の竹川敦先生は、かつて総合病院の精神科の勤務医だったころ、その易怒性のあまりの激しさから精神科病棟でしか対応できないとの判断で転院してきた、当時50代の“易怒性を主症状とした内科の患者さん”の思い出を、ご自身のホームページに記されています。医師や看護師に対しても、「何だ貴様は!」と容赦なく怒鳴りつけるその男性について竹川先生は最初、認知症の初期か躁うつ病の躁状態を疑ったとのことですが、脳外科での診断の結果、答えは悪性度の高い脳腫瘍 だったそうです。そのお話の中で竹川先生は、余命が持って半年くらいという男性の奥さまの“夫婦愛”を称賛されています。現代の最先端の医療技術をもってしても治せない病気は、まだまだたくさんあります。今回お話したような“激しすぎる易怒性”を呈するような脳の器質的な病気は、認知症にしても悪性度の高い脳腫瘍にしても、現時点では“医療技術で治せない病気”のうちに入るのだろうと思います。身近な人、愛する人がもしそのような病気にかかってしまったとき、わたしたちにできることは“生き方の工夫をして、生ききる手伝いをする”ことではないでしょうか。晩年その思いやりに満ちた人格を認知症のせいですっかり失ってしまった筆者の父親も、あんなにやさしい“理想のママ”だったのに脳にできた腫瘍のせいで人柄を変えられてしまった同じ町内の奥さまも、愛する家族のあたたかい見守りと寛容によって生ききり、旅立って行ったのです。今回のコラムは「あまりにも激しい易怒性を呈する病気の予後はあまりよくない」的な趣旨のお話になってしまったかのようにみえるかもしれません。しかし、「最近ちょっと怒りっぽすぎないかな」と周囲が感じた段階で早期に手を打つことによって、少しでもよりよく治療が奏功すればとの願いが筆者の本意ですので、ご参考になさっていただければ幸いです。【参考リンク】・仁和医院()●ライター/鈴木かつよし(エッセイスト)
2016年09月27日Amazonは12日、iOS用アプリ「Kindle for iOS バージョン4.7」を発表した。提供は無料。Kindle for iOS最新版では、新たに目次機能に対応。雑誌の中のコンテンツ間を自由に移動できるようになった。ページめくりのパフォーマンスも向上しており、めくる速度が速く滑らかになっている。データのダウンロード速度も高速化。以前のバージョンと比較して約40%短縮されている。文字がくっきり読みやすく表示されるなどコミック画質の向上も図られており、モアレ除去機能やイラストの流れを防止する機能も強化。ピンチイン / アウトによる拡大 / 縮小も滑らかになっている。
2015年02月12日