26日(現地時間)に行われた第89回アカデミー賞に出席したスカーレット・ヨハンソンが、レッド・カーペットでサミュエル・L・ジャクソンに叱られたことを明かした。『アベンジャーズ』シリーズで共演している2人はレッド・カーペットで偶然一緒になった。「サミュエル・ジャクソンに会えてうれしかったのに、いきなり怒られたの」とスカーレットは「E! News」の取材で語った。理由は「私が子どもの写真をあまり送らないから」。スカーレットには、先日破局した2番目の夫、ロマン・ドーリアックとの間に2歳になる娘・ローズがいる。スカーレットは「ここでそれを聞く?と思ったけど、彼は『写真はどこだ?』って」と笑いながら話した。仲の良さをうかがわせる微笑ましいエピソードだが、実はスカーレットは娘の誕生祝いにサミュエルが何を贈ってくれたのか、その記憶もあやふやな様子。記者に水を向けられると、「彼、何をくれたんだっけ?聞かないで。もし思い出せないと、また怒られちゃう。サムは敵に回したくないでしょ!」と慌てていた。(text:Yuki Tominaga)
2017年03月01日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀監督賞には、若手監督、アニメーション監督等様々なジャンルの監督が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞監督賞で最優秀賞をとると思う監督は?1位 新海誠(『君の名は。』) 1,041名2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』) 448名3位 李相日(『怒り』) 109名4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』) 104名5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 54名○日本のアニメの技術力を再発見■1位新海誠(『君の名は。』)・「話題になったから。外国でも話題になるのはすごいと思う」(39歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「改めて日本のアニメ技術の高さを感じさせられたから」(38歳男性/人材派遣・人材紹介/事務・企画・経営関連)・「作品賞にノミネートされていないのが不思議なくらい、去年の日本映画でいちばんよい作品」(54歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)・「話題性と観客動員数に加えて、ストーリーの総合演出力があると感じたから」(39歳男性/官公庁/公共サービス関連)・「興行収入がすごかったのと、作品からものすごく色々な主張が込められていて、誰もが認める良い作品だと思うから」(24歳男性/食品/その他・専業主婦等)・「アニメーションの綺麗さ、入れ替わるというあり得ないことがきちんと進みそして涙」(51歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 庵野秀明/樋口真嗣(『シン・ゴジラ』)・「ただ、とって欲しいと願うだけです」(53歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)・「『ゴジラ』の歴史に対し、位負けすることがない、細部まで手を抜いていない力作」(64歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「怪獣映画にもかかわらず、緻密なリサーチによる演出でリアリティを感じさせることに成功したから」(46歳男性/フードビジネス/販売・サービス関連)・「庵野さん好きだし、これにノッてくれればエヴァもすぐにやってくれるかもしれない」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「長く愛されている作品のキャラクターで新しいものを作るというのは相当大変だと思う」(29歳女性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)■3位 李相日(『怒り』)・「俳優の微妙な表情まで、うまくとらえていたから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)・「役者の新しい面を引き出していたように感じたから」(37歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「客観視して作られる日本に見つめ直せる撮り方だったから」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「映画としての深みや感動に、監督の決断や取捨選択が大きくかかわっているのではないかと思ったから」(28歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「この原作を映像化するのは無理だと思っていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)■4位 瀬々敬久(『64-ロクヨン-前編』)・「警察内部の部分を取り扱っているのと、主役の警察官の気持ちをよく表している様に思う」(69歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「テレビでも放映されていた作品を映画にする苦労があったと思うから」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「原作の小説を、よりリアルなものとして映画を完成させていらっしゃると想います」(55歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「作品への想像力がすごいと思うから」(30歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「深層心理に働きかける映像や描写がうまい」(49歳男性/食品/営業関連)■5位 中野量太(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「人気原作の映画化が一般的になりつつある中、自ら書き下ろした脚本で監督をやり最高の作品を作った中野量太さんを推したい。伏線を上手く張った内容で且つそれが感動に繋がっていた。最後のアイデアも素晴らしいと思う」(47歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)・「そろそろ賞をとる感じがするから」(43歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「日本代表する若手監督だから」(48歳男性/設計/メカトロ関連技術職)・「家族愛、感情の表現がとても上手な作品だったから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「俳優の選出が適任だから」(23歳女性/輸送用機器/事務・企画・経営関連)○総評予想1位となったのは、大ヒット中のアニメーション映画『君の名は。』の新海誠監督。2016年8月の公開から半年経った今も公開され続けており、現在興行収入は現在244億円を突破した。公開直後から話題となっただけでなく、アジア・北米でも好評なことから「日本の底力」「アニメ表現のすごさを示した」と多くの読者より支持を受けた。2位の庵野秀明&樋口真嗣監督は、『シン・ゴジラ』が大ヒット。ゴジラの恐ろしさだけではなく、ゴジラに立ち向かい尽力する人々を客観的に見せたことで、ありきたりなヒューマン・ストーリーではない映画を作り上げた手腕が大きく評価された。『怒り』の李相日監督は、撮り方や役者への指導も含めて話題となった。『64-ロクヨン-前編』の瀬々敬久監督は、重厚な作品づくりが、『湯を沸かすほどの熱い愛』中野量太監督は若手監督としての期待がそれぞれ支持を得た。話題作に恵まれた2016年の映画界にふさわしく、様々な監督にスポットライトがあたる結果となった。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年03月01日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表される。優秀主演女優賞には、10代~50代まで、いずれも実力派の華やかな女優5名が集まった。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞女優賞で最優秀賞をとると思う女優は?1位 広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』) 506名2位 大竹しのぶ(『後妻業の女』) 478名3位 宮崎あおい(『怒り』) 331名4位 宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』) 325名5位 黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』) 119名○みずみずしい演技が支持■1位 広瀬すず(『ちはやふる-上の句-』)・「若さと透明感、みずみずしさあふれる演技が魅力的なので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「これは、学園ムービーの金字塔を作った。千早にあいたい」(34歳男性/官公庁/事務・企画・経営関連)・「キャストが発表された時には原作のイメージとかけ離れていて不満に思ったが、いざ映像化されたものを見たらはまっていたから」(38歳女性/物流・倉庫/事務・企画・経営関連)・「畳の上の格闘技とも言われる競技かるたに向けた真剣さ、純粋さと、きれいな容姿がマッチしているから」(33歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「漫画の実写化というのは難しいものがあるが、原作のイメージを壊すことなく、むしろ更に発展させたと思うから。これは主演の影響がかなり大きいと思います」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)■2位 大竹しのぶ(『後妻業の女』) 478名・「兎に角面白い。小説家仲間が刺激を受けた」(36歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「大竹しのぶさんの演技の凄さ。あらためて素晴らしい女優さんだと思いました。面白いながらも現代のリアルな真実、ホラー性のある内容を人間誰しもがある後ろめたい本性を見事に演じていると思いました」(49歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)・「大竹さんはすごい女優さんだと思う。何でも役になり切れる」(31歳男性/教育/その他・専業主婦等)・「昔から演技派の女優さんで、今回の映画では役をしっかりと演じ切っていた。役になり切っていたおかげで、とても映画に入り込み感情移入しながら楽しむことができた」(44歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「意外なキャスティングだったが、女優さんの魅力があふれてた」(28歳女性/インターネット関連/営業関連)■3位 宮崎あおい(『怒り』) 331名・「実力派男優陣にも負けない演技力だったから」(48歳男性/専門店/販売・サービス関連)・「凄いとしか言いようがない。実力もそうだが、まるで憑依している姿は圧巻」(50歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「人の想いというものをスクリーンを通して伝えられる稀有な存在だと思う」(49歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「演技の為に、体重を増加させて、挑んでいる姿が頑張っていたので」(40歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「女優としてもともと注目を集めているだけではなく、『怒り』の世界観にマッチした演技をしていたと思うから」(22歳女性/その他/その他・専業主婦等)■4位 宮沢りえ(『湯を沸かすほどの熱い愛』)・「いまや演技派として成熟してきていると思うから」(57歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)・「素敵な役だし、存在感のある女優さんだから」(34歳女性/サービス/その他・専業主婦等)・「美人だし年齢を重ねるごとに素敵になっていくからです」(31歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「余命のまもないお母ちゃんとその子供を愛する母の愛情と強さを熱演していたから」(42歳男性/医療・福祉・介護サービス/営業関連)・「余命宣告をうけながらも精一杯生き抜いた女性の生き方が迫力があった」(5歳女性/その他/その他・専業主婦等)■5位 黒木華(『リップヴァンウィンクルの花嫁』)・「華やかな人でないけど魅力ある女性なので」(45歳男性/旅行・観光/販売・サービス関連)・「他の女性にはない独特の雰囲気を醸す演技が良いから」(21歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「派手ではないけど、気になる演技をする人なので受賞してほしいと思います」(27歳女性/ソフトウェア・情報処理/営業関連)・「あの世界観にぴったりとはまっていたので」(33歳女性/流通・チェーンストア/事務・企画・経営関連)・「美人だし、大人の魅力を感じさせるから」(44歳男性/鉱業・金属製品・鉄鋼/技能工・運輸・設備関連)○総評得票数で最多となったのは、映画『ちはやふる-上の句-』で好演した広瀬すず。昨年行われた第39回日本アカデミー賞では新人俳優賞を受賞しており、1年で優秀主演女優賞に輝く活躍に。また今回は、映画『怒り』で優秀助演女優賞にも選出されており、読者の期待もかなり高くなっている。2位となったのは、すでに何度も同賞を受賞している女優・大竹しのぶ。2016年の年末には、紅白歌合戦に初出場したこともあり、演技力だけでなく話題性にも関心が高まっていた。また、3位の宮崎あおいは『怒り』で体重を増加させて役に挑んだ点、感情を露わにする芝居などが高い支持を得た。母としての姿を演じ、評価を受けた宮沢りえは、歳を重ねるごとに磨かれる演技が話題に。また黒木華は第38回、第39回と続けて最優秀助演女優賞を受賞しており、満を持しての主演女優賞、最優秀賞獲得に期待が持たれるところだ。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年02月28日アカデミー賞の投票を管理し、プレゼンターたちに結果が記されたカードが入った封筒渡す役割を担っている監査法人プライスウォーターハウスクーパーズ(PwC)が、26日に行われた第89回アカデミー賞の授賞式で作品賞発表を取り間違えた出来事について謝罪した。PwCは、作品賞発表の際に誤ってウォーレン・ベイティとフェイ・ダナウェイに本当の受賞作品『ムーンライト』と記された封筒ではなく、『ラ・ラ・ランド』で主演女優賞を獲得したエマ・ストーンの結果が記された封筒を渡してしまった責任が自分たちにあると認めた。声明文を発表し、その中でハプニングの詳細を説明、謝罪した上で、なぜこのような事態が起きたのか現在調査中だとしている。式の直後、主演女優賞に輝いたエマは作品賞のプレゼンターに渡されたとされている主演女優賞の受賞者として自身の名前が書かれたカードは授賞式の最中ずっと手元に持っていたとし、「この出来事にとやかく言うつもりはないけれど、私はそのカードを持っていたの。だから何が起きたのかよくわからないわ。とりあえずみんなには先に言っておきたかったの」とコメントしていたが、PwC側は警備の関係上、授賞式の舞台袖には全ての結果のセットが入ったスーツケースが2つ用意されていると説明していた。このハプニングにはがっかりさせられたエマだったが、『ムーンライト』は大好きな作品であるため作品賞に輝いた事をうれしく思うと話していた。(C)BANG Media International
2017年02月28日果たして『ラ・ラ・ランド』は何部門受賞するか?第89回アカデミー賞を前に、持ち上がる話題といえばこの1点だけだった。それだけに同作が作品賞を逃す波乱の結果(というより、前代未聞のハプニング)は映画ファンや業界関係者を大いに驚かせた。ただ、まず言わなければならないのは、大逆転を果たした『ムーンライト』が作品賞の栄冠に値する完成度を誇っているという点。貧困エリアで育った黒人少年の成長を描いた本作は、「自分とは何者なのか?」とアイデンティティを模索する姿が美しい映像と繊細な心理描写で描かれており、テーマそのものが文化や宗教を超えて非常に普遍的。観客によって、感情移入するキャラクターの視点も変わるため、不思議な余韻を味わえる一作だ。6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』、3冠達成の『ムーンライト』に続き、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が主演男優賞&脚本賞、『ハクソー・リッジ』が編集賞&録音賞でそれぞれ2部門に輝いた。一方、『Fences』(原題)は助演女優賞を獲得するも、大本命と目されていた主演男優賞を逃したデンゼル・ワシントンが、目を真っ赤にし、悔しがる表情が印象に残る。応援していた『メッセージ』は音響編集賞のみの受賞で、少々残念である。後出しジャンケンのようで心苦しいが、冷静に受賞者リストを見返すと、非常にバランスが取れており、大混戦だった昨年以上に今年のノミネーションが多様性に富んでいたとわかる。『ラ・ラ・ランド』の独走を止めたのも、この多様性にほかならず、アカデミー会員が個々の作品の芸術性と革新性に、真摯に向き合った結果なのではないだろうか。さまざまな批判に対し、安易な決着をせず、オスカーなりの“本気”を見せる姿勢に、好感を抱く。司会のジミー・キンメルによる絶妙なトランプいじりのおかげで、セレモニー全体は当初の予想に反して、政治色は弱めだ。授賞式の幕開けは、ジャスティン・ティンバーレイクによる華やかなライブパフォーマンス。さまざまな人種のダンサー、ミュージシャンが客席を一体化させた熱狂は、いまのアメリカの目指すべき方向を示している。ツアー客へのどっきりや、俳優本人に悪口ツイッターを読ませるなど、基本的には楽しい演出が多かった。もちろん、明確な反トランプ発言もあった。例えば、アニメ賞のプレゼンターを務めたメキシコ出身の俳優ガエル・ガルシア・ベルナルは、「メキシコ人として、移民労働者として、そして人間として、国境の壁に反対です」と明言。その直後に、アメリカの長きにわたる繁栄を支える多様性を描いた『ズートピア』が「長編アニメーション映画賞」に輝くと、共同メガホンをとったリッチ・ムーア監督は、「寛容さは、他者への恐怖より力強い」とスピーチした。また、トランプ大統領が署名した7か国の市民入国を一時的に禁止する大統領令に抗議し、外国語映画賞候補になったイラン映画『セールスマン』のアスガル・ファルハーディー監督、主演のタラネ・アリシュスティは授賞式出席を辞退。ファルハーディー監督は『別離』に続き、見事2度目の外国語映画賞に輝いたが、代理として米在住のイラン人女性がオスカー像を受け取り、「偏見を壊すのが映画の役目」と監督からのメッセージを代読した。(text:Ryo Uchida)
2017年02月28日女優のメリル・ストリープ(67)が、アカデミー賞を台無しにしたとしてシャネルのデザイナー、カール・ラガーフェルドを批判した。26日に開催されたアカデミー賞授賞式で記念すべき20回目のノミネートを果たしていたメリルは、その大事な日に着るドレスのデザインを最初はカールに依頼していたものの、他からギャラ付で衣装を着てもらうようオファーされたためにカールへのデザイン依頼を途中でキャンセルしたとカールから非難されていた。カールは先日「すでにスケッチは作ったし、ドレスも作り始めていたんだ。(でも、その数日後、彼女の関係者から電話がかかってきて)『ドレスの制作をこれ以上続けないで。私たちにお金を支払ってくれる人を見つけたから』って言われたんだ。10万ユーロ(約1,200万円)もするドレスを我々はメリルにプレゼントしたのに、さらに(彼女に着てもらうために)お金を支払わないといけないってことがわかったんだ。彼らにドレスをプレゼントし、ドレスを作るけど、僕らがお金を払うことはないよ」と話していた。メリルはこの件に対しUsウィークリー誌に声明を出し、その中で「有名デザイナーのカール・ラガーフェルドが重要な業界出版物で私自身、私のスタイリスト、私が着ることに決めたドレスの有名デザイナーの名誉を傷つけました。その結果、この話が世界中で話題になり、さらに広がって、私の記録破りの20ノミネートの場であったアカデミー賞への私の登場を台無しにし、メディアや私の仕事仲間、観客の目からこの名誉を覆い隠したのです」と非難した。このメリルの声明が出される前には、カールはウィメンズ・ウェア・デイリー誌に「誤解があった」と謝罪しており、「シャネルはストリープ氏のリクエストにより、彼女の着るアカデミー賞用ドレスをデザインすることについてストリープ氏のスタイリストと話をしました」「非公式の会話の中で、私はストリープ氏が報酬のために他のデザイナーを選んだと誤解してしまいましたが、ストリープ氏のチームはそれが事実ではないとしています。この論争を遺憾に思い、ストリープ氏の20回目のアカデミー賞ノミネートにお祝い申し上げます」と話していたが、メリルにはこの謝罪の意も届かなかったようだ。メリルは声明の中で「ラガーフェルド氏の一般的な論争における遺憾の意と声明は謝罪ではありませんでした」と続けている。(C)BANG Media International
2017年02月28日2月27日(日本時間)に発表された第89回アカデミー賞にて、同賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭「ショートショート フィルムフェスティバル & アジア(SSFF&ASIA)2016」のグランプリ作品『合唱』(Sing)が、見事、短編実写映画部門で受賞。「SSFF&ASIA」のグランプリ作品がオスカーを獲得するのは初めてとなり、早くも3月1日(水)よりブリリア ショートショート シアターにて上映されることになった。おとなしい10歳の少女ジョフィーは転校したばかり。最初は慣れなかったが、すぐに校内の合唱団に入ることを決め、人気者のクラスメイト・リザと仲良くなる。ほどなく、彼女たちは一致団結して、合唱団の指揮者である先生に立ち向かうことに。彼女は見た目と違い、本当は意地悪な人物だった――。ハンガリー発の本作は、1990年代のブダペストを舞台にした、クリストフ・デアーク監督の友人の実話をもとにした物語。転校先で強豪の合唱団に入部した10歳の少女が、名声の裏にある醜い秘密を知ってしまい、子どもたちが一致団結して世の中の不公平に立ち向かう姿が胸を打つ作品となっている。また、「SSFF&ASIA」は俳優の別所哲也が代表を務める米国アカデミー賞公認・アジア最大級の国際短編映画祭として知られ、今年6月には19回目の開催を控える。今回アカデミー賞短編部門で初受賞を果たした『合唱』は、加藤雅也、黒木瞳、クローデット・ゴッドフリー、佐藤信介、テリー伊藤の5名のオフィシャルコンペティション審査員によって選出された2016年のグランプリ作品だ。クリストフ・デアーク監督は、「SSFF&ASIA 2016」アワードセレモニーの際、「映画祭で日本を訪れ、観客からの素晴らしい反応に感動しました。自分の作品がこんなにも遠くの国で皆さんの心と共鳴するなんて夢のまた夢でした。中には自分が子ども時代に悩んだ経験を重ね合わせて話をしてくださった方もあり、この作品の社会的な面が多くの人に伝わっているという実感ができたことをとても嬉しく思いました。日本でご覧いただいた皆さんの心を打つことができて本当に光栄です」と語っていた。「SSFF&ASIA」代表の別所さんは今回の受賞に際し、「『合唱』(Sing)のオスカー受賞を心からお祝いします。クリストフ監督の努力が最高の形で実を結び、とてもうれしく思います。私たちは映画監督たちが世界で輝く一歩となればと思い、この19年間、映画祭を続けてきました。今後も若い映画制作者たちが才能を発揮できるよう、応援をしていきます」と、お祝いのコメントを寄せている。『合唱』は3月1日(水)~3月31日(金)まで横浜みなとみらい・ブリリア ショートショート シアターにて「アカデミー賞ショートフィルムプログラム(全3作品)」として上映。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日アカデミー賞で披露されたパフォーマンスをご紹介!まずはジャスティン・ティンバーレイクが『Trolls』(原題)の「Can’t Stop the Feeling」を歌いながら会場入り。実はその直前に弟を同伴したエマ・ストーンがレッドカーペットでインタビューを受けているところに“フォトボム”を仕掛ける余裕っぷりを見せていたジャスティン。歌って踊るノリノリなジャスティンに合わせ、会場の招待客も総立ちではしゃぎ、盛大な幕開けとなった。リン=マヌエル・ミランダは、『モアナと伝説の海』の「How Far I’ll Go 」の前奏でアカデミー賞仕様のラップを披露。その後、モアナを演じたアウリイ・クラヴァーリョが16歳とは思えない堂々とした歌声で会場を沸かせた。途中、波に見立てた大きな布が彼女の頭にぶつかってしまうというハプニングもあったが、アウリイは気にせず笑顔で歌い切った。スティングは、ISISに殺害されたジャーナリストのジェームズ・フォーリーを描いたドキュメンタリー『Jim: The James Foley Story』(原題)から「The Empty Chair」を1人で歌った。本来はピアノ伴奏のバラードだが、今回はアコースティックギターでしっとりと歌い上げ、ジェームズを偲んだ。『ラ・ラ・ランド』から「City of Stars」と「Audition」の2曲がノミネートされ、同映画のエマ・ストーンとライアン・ゴズリングから紹介を受けて登場したジョン・レジェンドは、2曲をピアノで弾き語り。映画の世界がそのまま表現されたセットでジョンの歌声は会場に心地よく響き、コンサート並みのクオリティで圧倒。見事、「City of Stars」が歌曲賞を受賞した。まさにどの曲が歌曲賞を受賞してもおかしくない、大物アーティストたちが圧巻のパフォーマンスを見せた。(Hiromi Kaku)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.モアナと伝説の海 2017年3月10日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月27日授賞式最後の作品賞発表で、まさかの封筒渡し間違いという前代未聞の事態が起きて騒然となった第89回アカデミー賞授賞式。歴史に残る授賞式を彩った女優たちの装いをふり返ってみよう。主演女優賞を受賞したエマ・ストーン(『ラ・ラ・ランド』)は「ジバンシイ(GIVENCHY)」のオートクチュール。トップはビーズの刺繍、裾はフリンジのレイヤーというゴージャスなゴールドのドレスは、オスカー像を思わせるシルエットだった。きれいなダウンスタイルの髪に、「ティファニー(TIFFANY)」のダイアモンドのイヤリングというシックなスタイルだ。プレゼンターを務めたダコタ・ジョンソンも、クラシックな女優を思わせる「グッチ(GUCCI)」のゴールドのドレス。ハイネックに「カルティエ(Cartier)」のヴィンテージのネックレスを合わせた。今年のトレンドの1つはハイネックにロングスリーブのドレス。主演女優賞候補のイザベル・ユペール(『Elle』原題)の「アルマーニ・プリヴェ(ARMANI PRIVR)」、同賞候補のルース・ネッガ(『ラビング愛という名前のふたり』)の「ヴァレンティノ(Valentino)」などがこのスタイル。今年の賞シーズン中、レッドカーペット・ファッションでも注目されたルースはレースをあしらった鮮やかなレッドのドレスの胸元に青いリボンをつけていたが、これは「アメリカ自由人権協会(ACLU)」支援を表明するもの。長いケープが印象的な「ステラ・マッカートニー(Stella McCartney)」の白のドレスを着たスーパーモデルのカーリー・クロス、作品賞や脚色賞を受賞した『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督をはじめ、リボンをつけた出席者の姿があった。デコルテを見せないのと対照的に、ストラップレスやオフショルダーのスタイルも。主演男優賞のプレゼンターを務めたブリー・ラーソンは「オスカー・デ・ラ・レンタ(Oscar de la Renta)」の黒のストラップレス。ベルベットでVカットの胸元と大きなひだを作った裾が印象的。同じく黒のストラップレスのキルステン・ダンストは「ディオール(Dior)」のオートクチュール。『ムーンライト』で助演女優賞候補だったナオミ・ハリスは、ラフ・シモンズがデザインする「カルバンクライン by アポイントメント(Calvin Klein By Appointment)」。白のストラップレスでアンダーバスト下を少しだけ肌を見せるデザイン。前面は膝丈だが、後ろは長めのトレーンという斬新なデザイン。アリシア・ヴィキャンデルは、広告キャンペーンに出演している「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のドレス。総レースでコルセットにティアードスカートというゴシック・スタイルの黒のドレスがブロンズ色の肌に映えていた。トップがプランジネックの黒、スカート部分はゴールドというメリハリの効いたスタイルのミシェル・ウィリアムズも「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」のカスタムメイド。スカーレット・ヨハンソンは「アライア(ALAIA)」のピンクのプリントドレスをベルトでウエストマークした。一方、50歳にして裾がフリンジの「ヴェルサーチ(VERSACE)」のワンショルダーを着こなしたのはハル・ベリー。ダイナミックなヘアスタイルも大迫力。ドレスの裾にスリットの入ったデザインも人気で、シャーリーズ・セロンは「ディオール(Dior)」のメタリック調のドレス。Vネックの深いえり、スリットからきれいな長い脚がのぞいていた。タラジ・P・ヘンソンは「アルベルタ・フェレッティ(Alberta Ferretti)」のカスタム。ベルベットのオフショルダーに、ゴージャスな「ニラヴ・モディ(NIRAV MODI)」のダイヤモンドのネックレスを合わせた。大人世代の女優たちに人気だったのが「アルマーニ プリヴェ(ARMANI PRIVE)」。助演女優賞を受賞したヴィオラ・デイヴィス(『フェンス』)とニコール・キッドマンは共にホルターネックをチョイス。ヴィオラの赤いドレスはオフショルダーのスリーブとトレーンがアクセント。ニコールはヌードカラーに繊細な刺繍をほどこした豪華な一着だった。(text:Yuki Tominaga)
2017年02月27日第89回アカデミー賞は前代未聞、空前絶後(笑)のハプニングで幕を閉じた。作品に輝いたのは大本命『ラ・ラ・ランド』ではなく、対抗馬の『ムーンライト』。夢を追う尊さを描いた『ラ・ラ・ランド』にとって、受賞の喜びはまさに“夢の瞬間”でしかなかった。まずは本年度のアカデミー賞をけん引した両雄の受賞結果をまとめておこう。『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門で栄冠。一方、史上最多タイとなる13部門14ノミネートに挙がっていた『ラ・ラ・ランド』は、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)、撮影賞、美術賞、作曲賞、歌曲賞の合計6部門に輝き、本年度の最多部門受賞を果たした。■ブラッド・ピットの制作会社がまた作品賞!受賞発表後、早速話題になっているのが本作を製作した「プランBエンターテインメント」の快挙だ。映画ファンにはおなじみだが、あのブラッド・ピットが所有する映画制作会社で、過去に『ディパーテッド』(マーティン・スコセッシ監督)、『それでも夜は明ける』(スティーヴ・マックイーン監督)がアカデミー賞作品賞に輝く実績を誇っているのだ。「脚本がとんでもなく素晴らしく、構成は特筆すべきエレガントさとシンプルさがあった」と語るのは、共同社長でプロデューサーを務めるジェレミー・クライナー。決して派手な要素はないが、バリー・ジェンキンス監督の独特なビジュアル感覚と、手がけた脚本の繊細な心理描写を見抜き、映画化を実現させた功績は非常に大きい。■“白すぎるオスカー”への反省は?アカデミー賞といえば近年、白人俳優ばかりがノミネートされる“白すぎるオスカー”と批判されており、本年度はその対策にも注目が集まった。結果として、演技賞候補20人のうち、アフリカ系の俳優が6人名前を連ねることになった。そんな流れのなかで、ジェンキンス監督がアフリカ系監督で初の監督賞を受賞し、作品賞は『ラ・ラ・ランド』に…という予想を立てていたが、結果はその逆。先述した『それでも夜は明ける』も作品賞、助演女優賞、脚色賞の3部門と似た受賞結果になっている点を見ると、批判への配慮というよりは、純粋に作品が評価されたと捉えるべきだろう。■若き才能にチャンス与えるハリウッド『ムーンライト』のメガホンをとったジェンキンス監督は現在37歳で、本作は長編2作目。また、史上最年少で監督賞に輝いたチャゼル監督は現在32歳で『ラ・ラ・ランド』が長編3作目である。両監督に共通するのは野心と革新性、そして実験精神だ。彼らの躍進はハリウッドの人材の豊富さに加えて、その才能にチャンスを与える業界の懐の深さを象徴している。一方、本年度はオスカーの常連であるクリント・イーストウッド監督の『ハドソン川の奇跡』、マーティン・スコセッシ監督の『沈黙-サイレンス-』がともに技術系の部門での1ノミネートに留まっており(受賞はせず)、ベテランに厳しい結果になっている。(text:Ryo Uchida)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ラ・ラ・ランド』が最多6部門を受賞。作品賞は『ムーンライト』が獲得した。作品賞の発表では、前代未聞のハプニングが発生。主演女優賞の封筒を作品賞で渡してしまい、最初『ラ・ラ・ランド』と発表されキャスト・スタッフが壇上に上がりスピーチするも、その途中で『ムーンライト』だと訂正発表された。『ムーンライト』は作品賞、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)の3部門を獲得した。『タイタニック』(97)と並ぶ、史上最多14ノミネートだった『ラ・ラ・ランド』は、下馬評通り、監督賞(デイミアン・チャゼル)、主演女優賞(エマ・ストーン)などを含む最多6部門を受賞。32歳での監督賞受賞は最年少となった。主演男優賞は『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが初受賞。また昨年は"白人チョイスアワード"と揶揄されたが、今年は助演男優賞を『ムーンライト』のマハーシャラ・アリ、助演女優賞を『フェンス』ヴィオラ・デイヴィスが受賞し10年ぶりの黒人俳優W受賞となった。長編アニメ映画賞では、ディズニー5連覇となる『ズートピア』が受賞。スタジオジブリとして初めて海外と共同製作した『レッドタートル ある島の物語』は惜しくも受賞を逃した。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。第89回アカデミー賞 受賞結果一覧作品賞:『ムーンライト』監督賞:デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』主演男優賞:ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』主演女優賞:エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』助演男優賞:マハーシャラ・アリ『ムーンライト』助演女優賞:ヴィオラ・デイヴィス『フェンス』脚本賞:『マンチェスター・バイ・ザ・シー』脚色賞:『ムーンライト』撮影賞:『ラ・ラ・ランド』編集賞:『ハクソー・リッジ』美術賞:『ラ・ラ・ランド』衣装デザイン賞:『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』メイク・ヘアスタイリング賞:『スーサイド・スクワッド』作曲賞:『ラ・ラ・ランド』歌曲賞:「City of Stars」『ラ・ラ・ランド』録音賞:『ハクソー・リッジ』音響編集賞:『メッセージ』視覚効果賞:『ジャングル・ブック』外国語映画賞:『セールスマン』製作国:イラン長編アニメ映画賞:『ズートピア』短編アニメ映画賞:『ひな鳥の冒険』短編実写映画賞:『合唱』短編ドキュメンタリー賞:『ホワイト・ヘルメット‐シリアの民間防衛隊‐』長編ドキュメンタリー:『O・J:メイド・イン・アメリカ(原題)』(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved. Photo credit: EW0001: Sebastian (Ryan Gosling) and Mia (Emma Stone) in LA LA LAND. Photo courtesy of Lionsgate.
2017年02月27日壇上で封筒の中身を見比べるPhil McCarten /(C)A.M.P.A.S. 第89回アカデミー賞授賞式がロサンゼルス・ドルビーシアターで行われた。 史上最多となる14部門にノミネートされた『ラ・ラ・ランド』が、監督賞、主演女優賞を含む6部門を受賞。そしてクライマックス「作品賞」の発表の瞬間を迎えた。 プレゼンテーターを務めたのは往年の名優、ウォーレン・ベイティ(79)とフェイ・ダナウェイ(76)。『俺たちに明日はない』の公開50周年を記念した人選だった。 ダナウェイは「今日の最後の賞を発表するのはとても光栄です。ノミネートされた素晴らしい作品は私たちに希望や喜びを与えてくれます」と笑顔で語り、ベイティも「政治においても、芸術においても、真実を明かにすることが大切。作品賞にノミネートされた作品は、社会の中で多様性が増していることを示しています。世界中で多様性と自由が大切だということを教えてくれているのです」と、昨今の右傾化する情勢を風刺する挨拶を述べた。 ノミネーション作品のダイジェストが流れ、ドラムロールが響き、ついにその時が訪れた。「オスカーは……」と言いながら封筒を開けたベイティは、受賞作が書かれた紙片を見て少し怪訝な表情を見せ、封筒の中を検めるような仕草をしている。「アカデミー賞を受賞するのは……」と言い直し、ダナウェイが「『ラ・ラ・ランド』!」と発表。 その瞬間大歓声が上がり、デイミアン・チャゼル監督、ライアン・ゴズリング、エマ・ストーン、そしてスタッフたちがステージに大挙して押し寄せた。プロデューサーのジョーダン・ホロウィッツが「本当にありがとう。アカデミーに、ライオンズゲートに、すばらしいキャストたちに感謝します」と、スピーチを行う後ろで、ヘッドセットを着けた受賞式のスタッフが慌ただしく壇上を行き来している。 不穏な空気が流れる中、プロデューサーのフレッド・バーガーがマイクの前に進み出て「愛しい妻……」と口を開いた瞬間、後ろからスタッフが何ごとかを耳打ち。そして彼は「負けだったみたいだ」とニッコリ笑って踵を返した。そして最初にスピーチをしたジョーダン・ホロウィッツが「間違いがありました。作品賞は『ムーンライト』です。冗談ではありませんよ。本当に、読み間違えたみたいなんです」と言いながら、『ムーンライト』と書かれた紙を客席に向かって提示した。 司会者のジミー・キンメルは「大変残念なことが起きました。個人的にはスティーブ・ハーヴェイが悪いと思っていますが」と、2015年のミス・ユニバースで、視界のスティーブ・ハーヴェイが優勝者の名前を間違えて発表した事件を引き合いに出しながら事態の収拾に腐心。ホロウィッツは一度受け取ったオスカー像を、「これはぜひ私から『ムーンライト』の皆さんに渡したい」と言って大歓声をもらっていた。 『ムーンライト』のスタッフが壇上に到着するのを待つ間に、ベイティがマイクの前に歩み出て「何があったか説明させてください」と切り出した。「私が封筒を開けると、そこには『エマ・ストーン/ララ・ランド』と書いてありました。だから、私はずっと見ていたんです。これはジョークでやったんじゃないんですよ。作品賞は『ムーンライト』です」。 どうやら、直前に発表された主演女優賞の封筒が、何らかの手違いでベイティに手渡されてしまったようだ。確かに、封筒を開けたときのベイティは戸惑いながら何度も中身を確かめている。 予定外のアクシデントに見舞われてしまった『ムーンライト』のバリー・ジェンキンス監督は「夢じゃないかと思っていたけど、もう違う、これが現実だ!何てことだ!」と喜びを爆発させた。 アカデミー賞の長い歴史の中でも、大トリの作品賞で呼び間違うなど前代未聞。ケチがついてしまった感もあるが、今年の作品賞は『ムーンライト』に贈られた。日本では4月28日に公開される。
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、最高賞である作品賞に『ムーンライト』(4月28日日本公開)が輝いた。『ムーンライト』は、脚色賞(バリー・ジェンキンス、タレル・アルビン・マクレイニー)、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)も受賞し、3部門を獲得した。本作は、エグゼクティブプロデューサーにブラッド・ピットを迎え、自身が創設したプランBエンターテインメントで製作した作品。自分の居場所を探し求める主人公の姿を、色彩豊かで革新的な映像美と情緒的な音楽と共に3つの時代でつづった。作品賞の発表の場面では、はじめに最多14ノミネートを果たしていた『ラ・ラ・ランド』と発表され、ステージ上にキャストやスタッフが集結してスピーチが行われている最中に間違えが発覚。正しくは『ムーンライト』だと訂正されるという前代未聞のハプニングに会場は混乱したが、『ラ・ラ・ランド』陣も切り替えて祝福した。作品賞は、『ムーンライト』のほか、『メッセージ』、『フェンス』、『ハックソー・リッジ』、『最後の追跡』、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』、『ラ・ラ・ランド』、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 A24 Distribution, LLC
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが主演女優賞を獲得した。『ラ・ラ・ランド』は、ロサンゼルスを舞台にしたミュージカル映画。カフェで働きながら女優を目指しているミア(エマ・ストーン)と、いつか自分の店を持ちジャズを思う存分演奏したいと夢見るジャズピアニストのセバスチャン(ライアン・ゴズリング)の恋を描いた。エマ・ストーンは、同部門にノミネートされた女優たちの名前を挙げ、「本当にすばらしかった。みなさんを尊敬しています。みなさんと並ぶことができただけで光栄です」と感謝。そして、デミアン・チャゼル監督や共に主演を務めたライアン・ゴズリングをはじめとする作品を関わった人、家族や友人への感謝の思いを伝え、「光栄です。本当にありがとうございます」と語った。主演女優賞には、エマ・ストーンのほか、『エル(原題)』のイザベル・ユペール、『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガ、『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン、『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のメリル・ストリープがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催。ステージ上では、一度プレゼンターが『ラ・ラ・ランド』の名前を呼び上げるも、実はバックステージで封筒手渡しのミスが発生。正しくは、黒人少年の成長と葛藤を描いた『ムーンライト』が「作品賞」を受賞!大本命と目されたミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』が同賞を逃す大波乱が巻き起こった。本年度のアカデミー賞で作品賞をはじめ、監督賞(バリー・ジェンキンス)、脚色賞、助演男優賞(マハーシャラ・アリ)、助演女優賞(ナオミ・ハリス)、撮影賞、編集賞、作曲賞の8部門にノミネートされ、合計3部門を受賞。もともと、全米の主要メディアが「本年度のベスト級」と評し、オスカー前哨戦でも『ラ・ラ・ランド』と肩を並べる高い評価を受けていた本作がそのポテンシャルを発揮し、近年まれに見る“大逆転”を披露した。麻薬中毒の母親をもつ黒人少年のシャロンが、いじめや貧困といった過酷な環境を生き抜くなかで、自らのアイデンティティに葛藤しながら、成長を遂げる姿を描いた本作。淡くピュアな初恋や、大人になっても心に残る後悔の念、思わぬ再会がもたらす“光”といった普遍的なテーマが色彩豊かな映像美でつづられる。『ラ・ラ・ランド』プロデューサーが受賞のコメントをし、役者やスタッフが喜びの涙を浮かべる中、今回の封筒手渡しのミスが発覚。プロデューサーは既に手渡されたオスカー像を「僕たちから『ムーンライト』のみなさんに渡したい」と話し、両作品が互いを称え合った。ジェンキンス監督はパプニングを受けて「これが現実だ、なんてことでしょう」と語り、「本当に長年一緒にやってきたみなさんに感謝です」「この映画は不可能だと思っていました。でもここにいる人たちが『大丈夫』だといってくれた」と話した。『ムーンライト』は4月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが主演男優賞を獲得した。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語。マット・デイモンがプロデュースを務めた。ケイシー・アフレックは「私にとって大きな意味を持つものです。ありがとうございます」「圧倒されています」と感無量の様子。「私がここにいるのは、多くの方たちの才能があるからです。そして何よりも、ケネス・ロナーガン監督のおかげです」と話し、プロデューサーのマット・デイモンにも感謝した。主演男優賞には、ケイシー・アフレックのほか、『ハックソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールド、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『フェンス』のデンゼル・ワシントンがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、現在5部門受賞中の『ラ・ラ・ランド』(デイミアン・チャゼル監督)で見事な歌声を披露したエマ・ストーンが「主演女優賞」に輝いた。本作は、世界に興奮と熱狂を叩きつけた『セッション』のデイミアン・チャゼル監督の最新作であり、本年度アカデミー賞大本命といわれた極上ミュージカル・エンターテインメント。共演のライアン・ゴズリングとエマが、歌、ダンス、ピアノの猛特訓を経て全編吹き替えなしで挑んだことでも、注目を集めている。エマはヴェネツィア国際映画祭女優賞受賞、第74回ゴールデングローブ賞主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)を受賞している。アカデミー賞では2014年に『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』で助演女優賞にノミネートされていた。今回2度目のノミネートでオスカー像獲得となった。スピーチでは、ほかのノミニーに向け「本当に素晴らしかった。皆さんを尊敬しているし、皆さんと並ぶことができるだけで感激です」とコメント。そして「こういう瞬間は幸運と機会に恵まれているから起こる。だからこういう機会に感謝致します。デイミアン監督にも感謝を…」「この映画に出演することができて、信じてくれて、忍耐強くいてくれて、ありがとう」と大きな感謝を述べた。また、共演したライアンには「いつも笑わせてくれてありがとう。素敵なパートナーでした」と伝え、「ひとりひとりに感謝したい」と締めくくった。『ラ・ラ・ランド』はTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが「主演男優賞」を受賞。マット・デイモンがプロデューサーを務める本作。ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに、帰ることはないと思っていた故郷の“マンチェスター・バイ・ザ・シー”へと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語だ。監督・脚本は、自ら脚本を手がけた監督デビュー作『ユー・キャン・カウント・オン・ミー』(未)でアカデミー賞脚本賞にノミネートされ、『ギャング・オブ・ニューヨーク』の脚本でもアカデミー賞、ゴールデン・グローブ賞にノミネートされたケネス・ロナーガンが務める。主演は当初、マット自身が務めるはずだったが、親友ベン・アフレックの弟ケイシー・アフレックにその座を譲り、ケイシーはそれに応えるかのようにキャリアの中でも傑出した演技を披露。本役でゴールデングローブ賞をはじめ、放送映画批評家協会賞、全米映画批評家協会賞、ニューヨーク映画批評家協会賞ほか各賞レースで「主演男優賞」を受賞。そして今回のオスカー像獲得に至った。スピーチでは兄と抱き合い涙ぐむシーンも…。「最初に演技を教えてくれたのはデンゼルだ」とコメントを始めると「私がココに居るのは、多くの人たちの才能があるからです」と携わったスタッフや家族へ感謝をコメント。「もっと意義ある大きなことを言いたいのですが…」と動揺した表所を浮かべつつ「このコミュニティーであることを誇りに思います。本当に圧倒されているます…」。マット・デイモンにも、「こういうチャンスを与えてくれてありがろうございます」と感謝を伝え締めくくった。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は5月、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『ラ・ラ・ランド』を手がけたデイミアン・チャゼルが「監督賞」を受賞した。現在32歳。ノーマン・タウログ(第4回)と並び、史上最年少記録で同賞に輝いた。本年度のアカデミー賞で史上最多タイとなる13部門14ノミネートに挙がり、現時点で監督賞(デイミアン・チャゼル)、美術賞、撮影賞、作曲賞、歌曲賞、と合計5部門を受賞しており、作品賞を含めた“圧勝”に王手をかけている。チャゼル監督は1985年、米ロードアイランド州生まれの32歳。2014年に『セッション』がサンダンス映画祭でグランプリと観客賞をダブル受賞し、一躍注目される。初めて監督を務めたのは、ハーバード大学在学中に制作したミュージカル「Guy and Madeline on a Park Bench」(2009)で、LAウィークリーは「2010年のベストデビュー作」と評価。脚本家として『グランドピアノ ~狙われた黒鍵~』(2013)、『10 クローバーフィールド・レーン』(2016)を担当した。映画は夢追い人が集まるロサンゼルス(通称:ラ・ラ・ランド)を舞台に、ジャズピアニストを目指すセブと女優志望のミアが運命的な出会いを果たし、恋の花を咲かせながら、挫折と栄光を味わう新感覚のミュージカル・エンターテインメント。チャゼル監督が学生時代から構想を練っていた企画で、前作『セッション』(第87回アカデミー賞で助演男優賞、編集賞、録音賞受賞)の成功によって、念願の映画化が実現した。デイミアン監督はスピーチで「他のノミニーのみなさんに感謝です。本当に素晴らしい監督で毎日インスピレーションを受けています」と他の監督たちへコメント。そしてキャストやスタッフたちに感謝を述べ、17歳からの友人だというジャスティンには「諦めないでくれてありがとう」と伝えた。さらに家族や妹、自身の妻への感謝を込めつつ、「ボクの愛する妻です」「本作はラブストーリーです。貴方と恋に落ちることができて幸せです」と述べた。『ラ・ラ・ランド』は、全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、長編アニメ映画賞にディズニーの『ズートピア』が輝いた。スタジオジブリの『レッドタートル ある島の物語』は受賞を逃した。『ズートピア』は、ユニークな動物たちの楽園を舞台とするファンタジーアドベンチャー。もふもふの毛並みに大きな瞳が印象的な、新米警官として奮闘するウサギのジュディを主人公に、大都会"ズートピア"で起こる動物たちのさまざまな出来事を描いた。ステージ上には、バイロン・ハワード監督、リッチ・ムーア監督、クラーク・スペンサープロデューサーの3人が登壇。「大変な名誉です」「このストーリーを受け入れてくださってありがとうございます」などと喜びと感謝を語った。同部門には、スタジオジブリの作品が4年連続でノミネート。3年前の宮崎駿監督の『風立ちぬ』から、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』、米林宏昌監督の『思い出のマーニー』、そして今年はマイケル・デュドク・ドゥ・ビット監督の『レッドタートル ある島の物語』がノミネートされたが、受賞はならなかった。長編アニメ映画賞には、『ズートピア』、『レッドタートル ある島の物語』のほか、『モアナと伝説の海』、『クボ・アンド・ザ・トゥー・ストリングス(原題)』、『マイ・ライフ・アズ・ア・ズッキーニ(原題)』がノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、全世界興収10億ドルを突破した大ヒット作で、オスカー前哨戦も圧倒的な強さを見せていた大本命『ズートピア』が「長編アニメーション賞」を獲得した。一方、スタジオジブリが海外のスタジオと共同製作した『レッドタートル ある島の物語』は受賞を逃した。ジブリ作品は『風立ちぬ』『かぐや姫の物語』『思い出のマーニー』、そして本作と4年連続で「長編アニメーション賞」の候補に挙がったが、いずれも涙をのんでいる。動物たちが人間のように暮らすハイテク都市「ズートピア」を舞台に、ウサギの新米刑事・ジュディと、キツネの詐欺師・ニックがタッグを組んで、続発する動物失踪事件の謎を追いかける。2月には「アニメ界のアカデミー賞」と呼ばれる第44回アニー賞で、作品賞にあたるアニメーション映画賞をはじめ、主要6部門を制覇していた。ステージでは「世界中でのこの映画を観てくれた人たちに感謝します。この物語を受け入れてくれた“寛容”は、我々を分断しようとしているものよりも強いものだ」とコメント。さらにジョン・ラセターや両親たちへの感謝を思い思いに伝えた。個性あふれる動物たちが暮らすさまが“多様性”の象徴として描かれ、公開時には「アメリカの縮図」と評されたほど。トランプ政権の誕生によって、アメリカ社会の基盤でもある多様性の重要性が根幹から揺らぐ事態となった現在、本作が放つメッセージはより強力なインパクトを残す結果となっている。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞を受賞した。デンゼル・ワシントンが監督・主演を務め、作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化した同作で主人公の妻を演じたヴィオラ・デイヴィスは、「私はアーティストになりました。神に感謝しています。私たちだけが人生を生きること、祝うことができる職業だからです」と熱いスピーチで魅了。「この映画は人を描いた物語です。そして、言葉、人生、許しを描いたものです」と作品を紹介し、オーガストやデンゼル・ワシントンをはじめとする作品に関わった人たちや、両親や兄弟などへの感謝を述べた。助演女優賞には、ヴィオラ・デイヴィスのほか、『ムーンライト』のナオミ・ハリス、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』のニコール・キッドマン、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』のオクタヴィア・スペンサー、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『Fences』(原題)でデンゼル・ワシントン扮するトロイの妻役を演じたヴィオラ・デイヴィスが「助演女優賞」を受賞した。ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。本作では、気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラ。過去に『ダウト~あるカトリック学校で~』(’08)でアカデミー賞助演女優賞ノミネート、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』(’11)では主演女優賞ノミネートされていたが、今回3度目のノミネートで見事受賞となった。スピーチでは、「この映画は“人”を描いている。そして“赦し”を描いている」と話し、デンゼル・ワシントンや両親、兄弟への感謝を込めた。そして自身がアーティストという職業に就けたことへの喜びを述べ、「私たちアーティストは、人生の喜びを伝えることができる職業だ。神に感謝します」と、映画本編さながらの熱いメッセージを語った。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日3月3日に行われる、第40回日本アカデミー賞授賞式。すでに優秀賞は発表されており、授賞式では各賞の最優秀賞が発表されることで毎年熱い注目を受けている。映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する同賞だが、一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員1,759名にアンケートをとった。Q.日本アカデミー賞優秀主演男優賞俳優の中で、最優秀賞をとると思う人は?1位 岡田准一(『海賊とよばれた男』) 575名2位 佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』) 372名3位 長谷川博己(『シン・ゴジラ』) 327名4位 松山ケンイチ(『聖の青春』) 305名5位 綾野剛(『日本で一番悪い奴ら』) 180名○役の作り込みに注目集まる■1位 岡田准一(『海賊とよばれた男』)・「年齢幅がかなり広い役をやっていたので」(26歳女性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「役への入り込み方が伝わってくる演技で、素晴らしいと思った」(44歳男性/サービス/事務・企画・経営関連)・「1人で各年代の主人公を演じきったのは評価されるべき」(42歳男性/教育/公共サービス関連(公務員・団体職員他)・「あらゆる世代の役を映画の中でこなし、演技派俳優として光っていたから」(35歳男性/食品/営業関連)・「岡田くんの役の入り加減は絶妙で本当に惚れ惚れする」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「今や邦画に欠かせない俳優になった。自分よりかなり年齢が上の設定であったが、見ごたえがあった」(57歳男性/生命保険・損害保険/事務・企画・経営関連)■2位 佐藤浩市(『64-ロクヨン-前編』)・「佐藤浩市は年を追う事にどんどん演技の幅が広がりとても良い役者だと思うので」(43歳男性/物流・倉庫/技能工・運輸・設備関連)・「重厚で分厚い演技は圧巻、存在感で映画の根幹となっているので」(37歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「渋さの中に優しさを秘めた演技が素晴らしいと思う」(31歳女性/銀行/事務・企画・経営関連)・「重みのある渋い演技で好演していたので」(41歳男性/専門店/販売・サービス関連)・「役も合っていたし泣きの芝居も熱演していた。この中だったらキャリアの面でも彼でしょう」(42歳女性/半導体・電子・電気機器/事務・企画・経営関連)・「大作だと思うし演技に間違いがないと思うので」(40歳女性/その他/その他・専業主婦等)■3位 長谷川博己(『シン・ゴジラ』)・「ゴジラ対策に悪戦苦闘しながらも責任感を持って、真剣に立ち向かう政府側の担当者を見事に演じきったから」(36歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「前から長谷川さんは好きな俳優さんだし、演技が素晴らしいと思うから」(29歳女性/専門店/販売・サービス関連)・「はまり役だと思った。表情の作り方が素晴らしかった」(30歳女性/半導体・電子・電気機器/営業関連)・「シンゴジラではとても長いセリフをものすごい早口で、映画の中でも一番多く話していたと思います。それで演技もこなすわけですから、本当にすごいと思いました」(55歳男性/生命保険・損害保険/営業関連)・「日本を守るために活動を行っていた長谷川博己がとてもかっこよかったから」(27歳女性/輸送用機器/営業関連)■4位 松山ケンイチ(『聖の青春』)・「彼に取ってほしい。この作品も良かったので」(46歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「村山聖九段という、将棋界にとって伝説の棋士役に備えて、体型を近づけるために太った(太らせた)という話を聞いた。プロ魂と感じるエピソードだと感じられ、松山さんの仕事に対する取り組み方に感銘を受けた」(47歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「村山聖になりきるため体重を増やし見事に演じ切っていた。羽生善治との対決シーンは非常に良かった」(47歳男性/レジャーサービス・アミューズメント・アート・芸能関連/営業関連)・「松山ケンイチが演じた棋士の姿に貫録を感じたから。」(39歳男性/ガラス・化学・石油/その他技術職)・「役作りも含め村山聖の姿を見事に表現したから」(31歳男性/通信関連/クリエイティブ関連)■5位 綾野剛(『日本で一番悪い奴ら』)・「かわいい顔からの変化の幅広さ」(60歳男性/その他/事務・企画・経営関連)・「綾野さんは真面目な役柄からとてもヤクザ風の役など多彩な演技力があるのと、個人的に好きなので、取って欲しいという願いも込めたから」(24歳男性/食品/その他・専業主婦等)・「昭和の時代背景での悪者達との戦いぶりや葛藤の演技が見事でした」(46歳男性/その他/その他・専業主婦等)・「綾野剛さんはどんな役柄を演じても、違和感がなく、二枚目の役、三枚目の役、悪役……全てこなせる俳優さんはそれほどいないと思います」(34歳女性/その他/その他・専業主婦等)・「複雑な立場の役を、変わっていく様子も含めて上手に演じていたから」(33歳女性/食品/事務・企画・経営関連)○総評いずれも日本を代表する俳優たちだが、読者予想1位となったのは、アイドルグループ・V6のメンバーとしても活躍する岡田准一。2014年度に行われた第38回日本アカデミー賞では、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、話題賞 俳優部門と3部門で受賞し、世間にその姿を刻みつけた。また、昨年の授賞式ではプレゼンターとしても活躍し「最多登壇」と話題に。今回は『海賊とよばれた男』で20代から90代までを演じきった演技力が読者からも支持を集めた。『64-ロクヨン-前編』の重厚な演技が話題を呼んだのは佐藤浩市。読者からも抜群の信頼で、作品の根幹を担っていたと高評価だった。大ブームを起こした『シン・ゴジラ』で内閣官房副長官・矢口蘭堂を演じた長谷川博己は、リアルな演技と絶妙な二次元感が「はまり役」と称賛されている。実在の棋士・村山聖を演じた松山ケンイチは、体重をコントロールし気迫の演技。また、綾野剛は事件を解決するために悪事にも手を染めていく警官役で、幅の広さを見せた。予想結果の全体として、1つの作品で様々な姿を見せたことや役作りにかける気迫が注目され、読者人気も高くなる傾向に。授賞式は3月3日となるが、一体誰が最優秀賞をとるのか、結果が待たれるところだ。調査時期: 2017年2月13日~2017年2月17日調査対象: マイナビニュース会員調査数: 1,759名調査方法: インターネットログイン式アンケート
2017年02月27日「第89回アカデミー賞」の授賞式が2月27日(日本時間)、ハリウッドのドルビー・シアターにて開幕。ブラッド・ピットの製作会社「プランB」が贈る『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが「助演男優賞」を受賞した。本年度の賞レースを席巻し、低予算作品ながら北米で大ヒットを記録している本作。マイアミを舞台に、自分の居場所とアイデンティティを探すある少年の成長を少年期から3つの時代構成で描き、ドラッグ、いじめ、貧困、LGBTなど多くのテーマをはらみながら映し出す。マハーシャラは、2001年テレビシリーズ「女検死医ジョーダン」で本格デビューを飾り、「4400 未知からの生還者」で知名度をあげると、『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』『プレデターズ』『ハンガー・ゲーム FINAL: レジスタンス』『ニュートン・ナイト/自由の旗をかかげた男』などにメジャー映画作品に次々と出演。本作では、第82回ニューヨーク映画批評家協会賞にて「助演男優賞」を受賞しており、遅咲きのブレイクを果たしている。マハーシャラは、本作で主人公・シャロン(アレックス・ヒバート)の近所に住む麻薬のディーラーの男ホアンを熱演し、自身初の「助演男優賞」を受賞した。スピーチでは目に涙を浮かべてキャストやスタッフ、10年共にしたマネージャーにも感謝を述べ、「アカデミーに感謝します。そして妻に感謝します」と明かし、自身が父になったことも明かした。『ムーンライト』は4月、TOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日第32回インディペンデント・スピリット賞授賞式が25日(現地時間)にロサンゼルスで開催され、『ムーンライト』が作品賞、監督賞など6部門を受賞した。製作費が2,000万ドル以下のインディペンデント系作品が対象で、26日(現地時間)発表の第89回アカデミー賞では8部門にノミネートされている『ムーンライト』は作品賞、監督賞のほかに脚本賞、撮影賞、編集賞など作品の監督とキャスティング・ディレクター、キャストたちに贈られるロバート・アルトマン賞と候補になった全6部門で受賞を果たした。ブラッド・ピットが製作総指揮を務める同作は、マイアミを舞台に、人種やセクシュアリティなど自らのアイデンティティと向き合う青年を描いたヒューマンドラマ。アカデミー賞では作品賞や監督賞などのほか、マハーシャラ・アリが助演男優賞に、ナオミ・ハリスが助演女優賞にノミネートされている。『ムーンライト』と同じく6部門で候補になっていたアンドレア・アーノルド監督の『American Honey』(原題)は惜しくも無冠に終わった。受賞結果は以下の通り。作品賞:『ムーンライト』監督賞:バリー・ジェンキンズ(『ムーンライト』)主演男優賞:ケイシー・アフレック(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)主演女優賞:イザベル・ユペール(『ELLE』原題)助演男優賞:ベン・フォスター(『最後の追跡』)助演女優賞:モリー・シャノン(『Other People』原題)脚本賞:バリー・ジェンキンズ、タレル・アルヴィン・マクレイニー(原作)(『ムーンライト』)長編映画デビュー作賞:『The Witch』脚本デビュー作賞:ロバート・エッガーズ(『The Witch』原題)撮影賞:ジェームズ・ラクストン(『ムーンライト』)編集賞:ジョイ・マクミロン、ナット・サンダーズ(『ムーンライト』)ドキュメンタリー賞:『O.J.: Made in America』(原題)国際映画賞:『ありがとう、トニ・エルドマン』(ドイツ、ルーマニア)ロバート・アルトマン賞:『ムーンライト』(text:Yuki Tominaga)
2017年02月27日2月26日(現地時間)に開催されるアカデミー賞授賞式では、受賞者の発表はもちろん、アーティストたちによるパフォーマンスも期待されていることの1つだ。オスカー公式サイトの発表によると、授賞式当日はジャスティン・ティンバーレイク、スティング、リン=マヌエル・ミランダ、ジョン・レジェンドがそれぞれノミネートされている映画の主題歌を披露する。オスカーのプロデューサー・マイケル・デ・ルカとジェニファー・トッドが「世界レベルで活躍するこのようなアーティストたちをオスカーに迎えられ、とてもワクワクしています」というコメントを発表しているように、今年の主題歌賞に関わっているアーティストの顔触れは非常に豪華。ジャスティンは『Trolls』(原題)の「Can’t Stop the Feeling」を、スティングは『Jim: The James Foley Story 』(原題)より「The Empty Chair」を、ジョンは『ラ・ラ・ランド』からノミネートされている2曲「Audition(The Fools Who Dream)」と「City of Stars」を歌う。リンは、『モアナと伝説の海』の「How Far I’ll Go」を、同映画で主役のモアナを演じているアウリイ・クラヴァーリョとともに歌うとのことだ。(Hiromi Kaku)
2017年02月24日第87回アカデミー賞にて最多となる9部門ノミネート&4部門を受賞した『グランド・ブダペスト・ホテル』をはじめ、日本でも絶大な人気を誇るウェス・アンダーソン監督。このほど、その製作陣が再結集し、日本を舞台に贈るストップモーション・アニメ『Isle of Dogs』(原題)の製作開始が発表され、アンダーソン監督より日本のファンに向けた特別メッセージも到着した。本作『Isle of Dogs』は、全編にわたり日本を舞台とし、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険を、『ファンタスティック Mr. Fox』(’09)と同様、ストップモーション・アニメで描き出す。声優陣には、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スウィントン、F・マーレイ・エイブラハム、ボブ・バラバン、野村訓市といった、アンダーソン作品常連の豪華俳優陣がずらり。さらに新たに、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーヴ・シュレイバー、コーユー・ランキン、オノ・ヨーコといった多彩な才能が集結する。知的で型破りな脚本と、それを独特の手法で映像化する才能、そしてユニークな映画作家としてだけでなく、アート映画をビッグヒットに導くことのできる唯一無二の存在であり、全世代において最も才能あるフィルムメーカーの1人であるアンダーソン監督。配給元・FOXサーチライトの共同社長であるナンシー・アトレー氏、スティーヴ・ギルラ氏は「私たちは、ウェス・アンダーソン監督の独創的な創造力から生み出される最新作で、行動を共にすることに興奮を覚えます」とコメント。また今回、アンダーソン監督より日本のファンに向けた特別メッセージも到着している。「物語はどこが舞台でも起こり得るものですが、私たちは今回、とてもシンプルな理由で最新作の舞台として日本を選びました。それは、私が狂おしいほど、日本の映画、アート、食べ物、そして文化が大好きだからです!私たちは黒澤明監督、宮崎駿監督作品に対して深い敬意を持っているのと同様に、北斎や広重の絵画、そして今作に協力いただいている、現在活躍中の数多くの日本人俳優、アーティスト、ミュージシャンに敬意を感じています。願わくば、この作品を通して、外国人である私から日本のストーリーテリングに対する熱烈な関心、尊敬の念、そして賞賛を伝えられれば幸いです」。アンダーソン監督からみた日本とは、いったいどんなものなのか?彼の独創的なイマジネーションが生み出す“誰も見たことがない日本”は、“アニメーション”というカルチャーが台頭する日本において新たな扉を開けることになりそうだ。『Isle of Dogs』(原題)は2018年、公開予定。(text:cinemacafe.net)
2017年02月24日2015年の第65回ベルリン国際映画祭において銀熊賞(監督賞)を受賞、母国ポーランドのアカデミー賞「イーグル賞」では主要4部門(作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞)を受賞した『BODY』(原題)が、『君はひとりじゃない』の邦題で7月22日(土)より日本公開されることが決定した。病で母親を失ったオルガとその父。オルガは心身を病み、摂食障害となってしまう。父は喪失感を拭えず、検察官として事件現場に立つも、人の死に対して何も感じなくなっていった。オルガは父を、そして自らの体を嫌悪し、日々やせていく。父と娘の間には埋められない溝ができていた。そんな娘を見かねた父がセラピストのアナのもとに通わせる。だが、アナのセラピーは、普通では考えられない方法だった――。母を亡くした娘はふさぎ込み、摂食障害に。かたや、その父親は人の死に何も感じなくなっていく。最愛の人の死によって引き裂かれた人の絆は、元に戻るのか…?本作は、ポーランドの俊英女性監督マウゴルザタ・シュモウスカが、独創的な視点とユーモアで描く喪失と“再生”の物語。ベルリン国際映画祭、ポーランドのイーグル賞など数々の映画賞に輝き、アメリカでも辛口で知られるレビューサイト「Rotten Tomatoes」で88%Freshという高評価を得た。日本でも2015年の東京国際映画祭、そして2016年のポーランド映画祭で上映が行われ、その評価の高さから本公開が待望まれていた作品。娘役を務めたユスティナ・スワラは、監督がFacebookから見い出した新星で、本作が演技初挑戦にして映画デビューとなった。新たな形で紡がれる肉体と魂の再生とは?世界中が絶賛を贈るヒューマンドラマに注目していて。『君はひとりじゃない』は7月22日(土)よりシネマート新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月23日第89回アカデミー賞で長編アニメーション賞と主題歌賞にノミネートされ、『アナと雪の女王』に続くW受賞が期待されている『モアナと伝説の海』。これまでも数多くの名作、そして愛され続けるキャラクターたちを生みだしてきたディズニー・アニメーションだが、実は当初の設定とは真逆に変更され、大人気となったキャラクターたちがいる。『モアナと伝説の海』にも登場する、そんな特別なキャラクターに迫った。海に選ばれた少女モアナ――。海が大好きな彼女は、幼いころに海と“ある出会い”をしたことで、愛する人々を救うべく運命づけられる。それは、命の女神テ・フィティの盗まれた“心”を取り戻し、世界を闇から守ること。神秘の大海原へ飛び出した彼女は、伝説の英雄マウイと出会い、世界を救う冒険に挑む。立ちはだかる困難に悩み傷つきながらも、自分の進むべき道を見つけていくモアナだったが…。本作にモアナの冒険の仲間として登場し、すでにアメリカでは大人気となっているキャラクターが、“ニワトリのヘイヘイ”。『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』で“ドS系”愛されドロイドK-2SOを務めていたアラン・テュディックが声を担当している。原案では、頭がよく、うぬぼれ屋という設定だったが、実際には真逆に“キャラ変”されたという。実は、2014年、空前の社会現象を巻き起こした『アナと雪の女王』のエルサも、同様だった。彼女はもともと“嫉妬深い姉”という悪役の設定だったが、あの主題歌「Let It Go」ができあがり、“ありのままの自分でいい”というメッセージが込められたとき、「この曲は悪役が歌うべき歌ではない。悩み、傷ついているキャラクターのための歌だ」と、コンプレックスを持ちながらもそれを受け入れていくという現在の設定になったという。そして、周りと違う自分に悩み、傷つきながらも、“ありのまま”の自分自身を受け入れていく優しい姉エルサの姿は圧倒的な共感と支持を集め、大人気キャラクターとなった。さらに、楽しいキャラクターでおなじみ『アラジン』のランプの魔人ジーニーもまた、原案の時点では“緑色で普通のテンション”だったことをディズニー社内史料を担当するリックは話す。制作が進み、作品のコンセプトが固まり、声優がロビン・ウィリアムズに決定すると、彼の“大半がアドリブのマシンガントーク”という伝説的なアフレコ収録を受けてキャラが一変。現在も愛される大人気キャラクター“青色でハイテンション”のジーニーが誕生したのだ。『塔の上のラプンツェル』では、塔から出ることを許されていない主人公ラプンツェルの唯一の友達カメレオンのパスカルも、紫色の設定から緑色になるなど、ディズニー・アニメーションではストーリーを伝え、魅力的なキャラクターを生みだすために、日々、試行錯誤が繰り返されてきた。そして、『モアナと伝説の海』では独特な存在感を発揮するのが、ちょっぴりおとぼけなニワトリ、ヘイヘイだ。彼は原案の時点では、“とても頭が良いうぬぼれ屋”の性格だった。しかし、主人公モアナが島を救うため両親から禁じられた大海原へ出ることを決意し、自分の進むべき道を悩み、傷つきながらも前に進もうとするとき、隣にいる“相棒”ヘイヘイは“頭の良いうぬぼれ屋”よりも“うっかり冒険についてきてしまったおとぼけキャラ”であるほうが、モアナが自分自身で答えを探せる、と変更されたのだ。しかし、全く逆の役割になったヘイヘイができることといえば、前に進むことと、エサをついばむこと、叫ぶことだけ。目の前にあるものはなんでも飲み込んでしまう困ったクセがあり、騒動を巻き起こすこともしばしば。うっかり海に出たことに驚き過ぎて、船から海に飛び込んでしまったり、餌がない場所をひたすらついばんだりと観客を笑わせる癒し系のキャラクターとなり、アメリカではその大活躍(!?)が認められ、大人気となっている。そんな行動で主人公モアナをヤキモキさせるニワトリ、ヘイヘイは、しっかりモアナをサポートできるのか?ヘイヘイの大活躍にも注目してみてほしい。『モアナと伝説の海』は3月10日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:モアナと伝説の海 2017年3月10日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年02月23日