文部科学省が「GIGAスクール構想」として、全国の小中学生1人に1台のタブレットやPCと、高速インターネットの整備を目指しています。実際に、どれほど導入は進んでいるのでしょうか。今回はアンケートをもとに、教育現場へのタブレットやPC導入の現状について調べてみました。■「導入済み」はわずか18.2%今年3月の文部科学省の発表によると、昨年度末までには97.6%の自治体で、ICT環境の納品が完了し、4月から全国のほとんどの義務教育段階の学校において、児童生徒の「1人1台端末」での学びが本格的にスタートすると言われていました。今年2月から3月の間に実施したアンケートで、学校で1人1台のタブレットやPCの導入が進んでいるかどうかたずねたところ、「まだ導入されていない」と答えた人が34.4%となりもっとも多い結果になりました。また、「状況がわからない」が23.3%、「導入を進めている」が22.6%と続き、「導入済み」と答えた人はわずか18.2%でした。Q.学校の1人1台タブレット・PC、進んでる?まだ導入されていない 34.4%状況がわからない 23.3%導入を進めている 22.6%導入済み 18.2%その他 1.5%(アンケート募集期間:2021年2月17日〜3月3日)■「全く話が進んでいない…」導入が進まない学校3月時点でのアンケート結果では、「まだ導入されていない」という回答が最も多くなりました。また、「状況がわからない」という回答も多く寄せられていました。「導入するという話はあるみたいですが、実際に行き渡るまでには時間がかかりそうです。そもそもネット環境が整っていない家庭が多いらしいです」(千葉県 30代女性)「家にWi-Fiがあるかなどのアンケートがあったが、それ以来話が進んでいない」(東京都 30代女性)「早く整えてほしいのですが、小学校ではまだのようです。個人的に通信教育講座を受けているため、それで安心しているところはあります。教育格差が心配なので自分から動き出すしかありません」(長野県 40代女性)「まだ導入されていません。学校はとりかかりが遅いため期待はせず、自分で通信教育を受講しています。お金はかかりますが不安だ不安だ言っても現状なにも変わりません。動いた者勝ちです」(東京都 40代女性)「タブレットは既に学校に到着していますが、まだ使用にまでは至っていません。ただ、使えるようになったとしても、学校でのみ使用との事。私立の小学校のように、持ち帰ってそのタブレットで宿題や日々の連絡事項を共有とまではできないようです。持ち帰れなければ意味がない気がするのですが…」(神奈川県 40代女性)「一時はすぐに導入されるかのような勢いでしたが、全くどのような状態になっているのかもわかりません。喉元を過ぎれば熱さを忘れる、ということなのでしょうか」(大阪府 50代女性)全く導入のめども立っていない学校や、端末はあるものの使用に至っていない学校など、その状況はさまざまなようです。また、学校には期待できないから、自分で習い事や通信教育など、ICT教育の環境を整備しているという声も寄せられていました。筆者の子どもが通う公立小学校からは、前年度に家庭でのWi-Fi環境やタブレット、PCの所持についてのアンケートが届きました。今年5月になってから、ようやく試験的にオンラインの出席確認が行われましたが、いまだにタブレットなどの機器は配布されていません。インターネット上で情報を集めたところ、市内の小学校全てでiPadの導入が決まり、昨年度末には納品されていることがわかり、驚いています。実際に子どもたちが授業で使い始める日も、そう遠くないのかもしれません。■ICT教育は順調に進んでる?それでは、実際に「導入が進んでいる」もしくは「導入済み」と答えた人のコメントから、どのようなICT教育が進められているのか、みていきたいと思います。「公立小、感染症対策で導入が前倒しになり、12月には全小中学生に配布されました。まだ学校からの持ち出しはしていませんが、今後の長期休みや休校などあれば持って帰るそうです」(茨城県 40代女性)「公立ですが、小中学校ともに導入済みです。4年生ですが、プレゼンテーションの作り方などを授業で習っています」(三重県 40代女性)「1年生息子が『授業でタブレットを使ったー』と言っていました。4年生はタブレットに加えパソコンの授業があり、タイピングを習っているようです」(神奈川県 30代女性)「うちの小学校では、結構な頻度で調べ物をしたりワークをしたりと使用しているみたいです。宿題もネット上のワークが出ています。各個人のページがあるため、先生の方で、どの位学習をしたか確認がとれるようです」(神奈川県 30代女性)タブレットやPCの導入は、プレゼンテーションの作り方やタイピング、調べ物にワークなど、子どもたちの学習の助けとなっているようですね。ただ一方で、保護者からは、不安の声も寄せられていました。「公立中学校で、4月から1人1台タブレットを使って授業するそうです。先生たちが使いこなせるように頑張っていると言っていました。年配の先生が大変らしいです」(神奈川県 50代女性)「この4月から小学校で1人1台タブレット授業になるそうですが、なぜか私が不安です。宿題もタブレットを持ち帰ってするようですが、スマホもろくに操作できない自分が、子どもたちに教えられるのかが不安です」(三重県 40代女性)「小中学ともタブレットが配布され、学校で使用したそうですが、クラスで半数以上がネット接続ができずにいったん回収されました。配布されても接続環境などの不具合ですぐに利用できるわけではないので、まだまだ時間がかかりそうですね」(奈良県 40代女性)「中学生がタブレットを受け取り、ケースにも入れず、そのままカバンに入れて持って帰ってきたので、取り扱いが心配です。また、冬休みの間だけ持ち帰ってきましたが、家で全く使っていなかったです。せっかく導入されたんだから、もっと活用するように学校もパソコンの課題を出してほしい」(千葉県 40代女性)実際に導入が始まった学校では、先生や親の知識不足やインターネット接続の不備、機器の取り扱いへの不安など、うまくいくことばかりではないようです。新たに始まったばかりの取り組みだからこそ、保護者が不安になるのは当たり前のように思います。■ICT教育によって変わること…親の本音は?ここまで、タブレットやPCの学校現場への導入の現場についてみてきました。同じ公立の小中高でも、現状は積極的に導入を進めている現場や、導入が遅れている現場など、千差万別なようです。そもそも政府が意欲的に進めている「GIGAスクール構想」について、保護者はどのように感じているのでしょうか。▼保護者のホンネ1、対面や紙媒体の良さも残してほしい「どのような使い方になるかはまだ未知の状況ですが、今の時代に合った方法を取り入れてもらいたいですね。ただ、紙媒体の教材を使ったり、直接読み書きをする方法も全くゼロにはしないでいただきたいです」(東京都 40代女性)「私の息子達も高校や大学で使用していますが、デジタル機器を加速化するのも良いですが、本を手にして読んだり、頭で考える事も忘れないでやってほしいです」(神奈川県 40代男性)▼保護者のホンネ2、視力低下やコミュニケーション不足への懸念「『ゲームで目が悪くなる!』と散々言ってきて、学校でまでタブレットを使い出すと、『子どもたちの視力は?』と不安になる」(鳥取県 40代女性)「パソコンは 目がわるくなりそうだし子どもたちのコミュニケーション不足が出てくると思います。 頭でっかちの子供ばかりが増えそうです あまりすきじゃないです」(静岡県 50代女性)▼保護者のホンネ3、時代に合わせた教育環境の整備を期待「公立校での1人1台タブレット導入は、まだ先になりそうですが、現在通わせている塾は、緊急事態宣言下の学習環境の対応がたいへん早かったです。ただ映像を流すだけの授業ではなく双方向のコミュニケーションも取れるため、緊張感をもって自宅で受けられました。時代に合わせ、緊急事態にいつでも対応できるよう学校でも指導方法を整えて今以上に良いものにしていってもらいたいですね」(京都府 40代女性)ここまで、学校へのICT教育の現状についてみてきました。導入が進む学校と、なかなか進まない学校、それぞれに異なる環境の中で、保護者と子どもたちは戸惑いを抱きつつ、新しい教育を受け入れ始めていることが伝わってきます。ただ先進国に比べてもオンライン教育への遅れが目立つ日本。今回の感染症の蔓延によって多くの国がいち早くオンライン教育に切り替えたのに比べて、1年経った現時点でも1人1台の導入が完了していないことに危機感も覚える保護者の方も多いことでしょう。また私立の学校が早くオンライン教育に切り替え「学びを止めない」としたことに比べて公立の遅れが顕著となり、私立中学への希望者が増えたともいわれています。親世代が子どもだったときに比べて大きく様変わりしてきた教育。今後ICT教育は加速していくと思われますが、重要なのはツールではなく生きていくために身につけるべき知識や力をどう子どもたちが学んでいくのかだと思います。またインターネットによって先進的な教育や専門の教育をより気軽に受講できるようになっていくようになるでしょう。今回の「学校の1人に1台のタブレット・PCを」という動きによってパパママも家庭でのタブレットやPCといったツールをどう活用すべきなのか、また正しい使い方をどう教えればいいのかといったことも今一度考えてみるとよいのかもしれません。そして子どもたちの夢への実現に向かって、変わっていく教育の状況にあわせてどんなサポートができるのか思いを馳せてみるチャンスといえるかもしれません。Q.学校の1人1台タブレット・PC、進んでる?アンケート回答数:3703件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ ■参考サイト文部科学省: GIGAスクール構想の実現に向けた調達等に関する状況について
2021年06月05日転職先、結婚相手、住む場所…。人生を左右する選択に「総合評価法」を取り入れてみてはいかがでしょうか?今回は、この「総合評価法」について、選択のプロ・印南一路先生にお話をうかがいます。重要度の高い選択を決めるのに最適なのが、総合評価法。「例えば、仕事を選ぶ際に重視すべき項目には、給与や福利厚生、将来性など多くの条件が考えられます。ただ、ほとんどの場合、選択肢はどれも条件ごとに一長一短で、総合的な評価が下しづらい。総合評価法は、まず複数ある選択肢を条件ごとに評価して、点数をつける。さらにその点数に比重をつけることで、自分がどの条件をどれだけ重視しているかも反映できて、より自分の肌感覚に近い選択が可能になる選択方法なのです」(慶應義塾大学総合政策学部教授・印南一路先生)一見パッとしない選択肢の総合評価の高さが判明することも。「ただ、事前に丁寧で的確な情報収集が必要。熟慮が必要な選択に向いています」総合評価法の使い方。明らかに突出した選択肢がある場合には、それを選べば問題なし。ただ、どれも一長一短で決めかねている場合に、総合的に優れた候補を選び出すのに最適なのがこの選択方法です。この選択法を使う場合、時間と労力をかけて、選択肢をフラットに評価するための情報の収集と、それを分析する力、自分にとって重要なものは何かを慎重に見極めることがポイントに。STEP1:会社を比べるための条件を考える!仕事を選ぶ際に大事にしたい条件を思いつくだけ挙げていく。給与はもちろん長く勤めたいと思っているならば会社の安定性は必須だし、将来的に子供を持つことを考えるならば立地や、産休や育休制度などの福利厚生面、キャリアアップを求めるならば出世面など。基本的に、ここに何を挙げるかは自分が仕事に望むもの次第。ただ、評価基準として本当に適切か、他にはないか、何度も吟味しよう。STEP2:良いと思う会社をすべてピックアップ!選択肢に入れるのは、比較したい進路すべて。この場合、転職先候補の会社に加えて、転職が本当に正しいのかを判断するため今の会社にとどまることを選択肢のひとつにするのも手。いずれはフリーランスの道をと考えているならば、それも加える。総合評価法は、納得のゆく選択をするためのもの。最初から無理だと自分で判断せず、進路として考えられるもの全部を比較検討しておけば、後悔は少ないはず。STEP3:それぞれの会社に、自分なりに点数をつける!それぞれの選択肢に対して、各評価基準ごとに自分にとってどれだけ望ましいかを5点満点で評価していく。自分にとって文句なく望ましいと思える場合は5点、望ましくない場合は1点に。比較した時、ほぼ同等だけどわずかに上回っている場合は、0.5を加えるのもアリ。安定性や出世の見込みなどに関しては、できれば単なる印象のみで判断せず、事前に情報収集や分析を行っておこう。STEP4:大事な条件が優先されるよう、比重をつける!各評価基準に対して、自分のなかでの重要度を考えてみる。アン子の場合、仕事を選ぶうえで特に重視したいのは収入なので30%に。次に大事なのが福利厚生面の充実、立地、出世の見込みなので、それぞれ20%に設定。残りを10%に。このウェイトを、STEP3で付けた点数に、それぞれ10%の項目なら1倍、30%なら3倍、40%なら4倍……として掛け合わせ、合計点を算出する。STEP5:比重をいろいろ変えてみる!評価基準のウェイトを、例えば収入を40%、福利厚生を10%に変更するなど、比率を変えて何度か計算し直してみよう。そこで結果が変わらないようであれば、STEP4で出した選択への自信によりつながる。また、比重を変えるということは、自分が仕事に何をどれくらい重視しているかを繰り返し考えることでもある。結果的に自分の考えを整理することになり、より明確な選択が行えるようになるはず。いんなみ・いちろ慶應義塾大学総合政策学部教授。専門分野は意思決定論、交渉論、組織論と医療福祉政策で、著書に『人生が輝く選択力 意思決定入門』(中公新書ラクレ)、『意思決定トレーニング』(ちくま新書)などが。※『anan』2018年1月31日号より。イラスト・菜々子文・望月リサ(by anan編集部)
2018年01月24日〜美しい女性は総合芸術→だから品が漂う!〜この世は楽しいことばかりのユートピア・桃源郷ではありません。仕事もプライベートも全て順調・平和で幸せだけの人生を願うのは自由ですが、そうはいきません。正負の法則がこの世の法則なのですから。大きく得れば大きく失うもの。逆に小さな“正”しか得られなければ、“負”もまた小さくて済みます。ですから「人生、何事もほどほどでけっこう。無病息災が一番」と思えるようになったら、焦らず落ち込まず人を羨ましがることもなく、精神衛生上は大変のんびりと良い状態で気持ちよく人生を送れます。結局、「まあまあ、これでいいや」と自分で満たされなければ、いつまでも「もっと、もっと」と大欲をかき、結果は正負の法則通りに大損をして落ちていくだけです。幸せ・不幸せとは、その人の心次第、心象風景が現れるもの。身心が満たされて、美しくなければ、何をどれだけ巨満の富を持っても空しく不幸なのです。これからの人生に是非お役立てください。
2017年08月24日~個人が「総合商社」になる時代で大切なことは…〜 世界が進化退化と激動の変化を遂げているこの頃、乱世を生き抜くためにこれからは「個人個人が何でも売っているデパートや総合商社になる」ことが大切です。以前は1つの道を究めることが美徳とされてきましたが、あらゆる分野がグローバル化された現在では、個人が専門店だけでは通用しなくなりました。しかし、重要なことは、「デパート」「総合商社」といえども、ただ何でも器用にこなすだけではなく、正統派の本物もありながら多様化、変化にも対応できる“実直な総合商社”であることです。専門だけでは通用しなくなったとは言え、自分が決めた道や得意分野はしっかり持ち磨き究めることは大いに自分自身の武器になります。ただし、それだけではダメ、柔軟に自分の武器も活かしながら変化にも対応でき、その他のこともこなせる努力と守備範囲の広さが要求されています。これは、会社で働くサラリーマンだけでなく、主婦でも学生でも人間誰しもが今後求められることなのです。つまり何でも屋さんです。
2016年09月12日野村総合研究所(NRI)は4月28日、資生堂が運営する総合美容Webサービス「ワタシプラス(watashi+)」において、アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)を利用したハイブリッド化によりシステム基盤を強化したと発表した。同サービスは2015年3月から既に本番稼働している。資生堂のワタシプラスは2012年にサービスを開始、会員数は2014年11月時点で200万人を超えるという。同社はこれまで同サービスを支える情報システムを自社設備で構築・運用していたが、ソーシャル・マーケティングの特徴である「プロモーション施策を打った際に、短時間に大量のアクセスが生じること」に対して、自社のシステム資源を弾力的に運用できず、販促業務の一部で制約を受けていたという。この課題に対して資生堂とNRIは、AWSを利用したハイブリッド(自社設備とクラウドの最適な組み合わせ)化によるシステム基盤の強化に取り組み、約3カ月で完了した。NRIは、ワタシプラスのシステム基盤の一部をAWSに移植する支援を通じて、従来想定の約10倍の大量アクセスに耐えうるシステム基盤を実現。これにより、関連するシステムの安定性を大幅に強化するとともに、ワタシプラスが今後進める戦略的なマーケティング強化にともなう、システム資源の拡張性および運用の弾力性を確保したとしている。NRIは、これまでのAWS導入経験や先端IT分野における研究開発の実績を生かし、性能低下の原因となるボトルネック部分だけをクラウド化するシステム基盤の企画・提案を行い、資生堂と共に検証とその実現を図ったという。これにより、「現状の運用は極力変えずに、必要な時に必要な分だけシステム資源を増やしたい」というビジネス課題を短期間で解決するとともに、ワタシプラスのユーザーに加え、資生堂のサイト管理者にとっても、自社設備とAWSを意識する必要の無い運用を実現した。今回のハイブリッド化では、NRIセキュアテクノロジーズが提供するクラウド対応型セキュリティ運用監視サービス「WAF管理サービスfor AWS」の採用を始め、業界標準のサービスやオープンソースを組み合わせ、セキュアで高い拡張性を持つというAWSの特長を生かすことで、ハイブリッド環境上でもセキュリティ水準の高いシステム基盤を実現した。
2015年04月30日