たった数分のなかで、自分をアピールしなければいけない就職面接。圧迫面接やフレンドリーな面接など、さまざまな面接がありますが、そこで出会う面接官によって会社の印象も変わるもの。そこで今回はマイナビニュース会員1,000人に、就職・転職活動で出会った忘れられない面接官とのエピソードを聞いてみました。調査期間: 2012/6/12~2012/6/15アンケート対象:マイナビニュース会員有効回答数:1,000件Q. 就職活動、転職活動をしたことがありますか?はい75.6%(756人)いいえ24.4%(244人)「はい」と答えた方に、印象に残っている面接官について聞いてみました。・のび太にとってドラえもんは善か悪か?という質問をしてきた早口な面接官(27歳/女性)深い質問ですね。直接仕事に関係してくるのかナゾですが、意外とこの質問でその人がどんな人間なのかわかるのかも。・犬を連れて面接に現れた女社長を見たことがあります。お互いに縁はなかったようですが…(37歳/男性)合否を判断するのは、まさか犬?!入社の必須条件は、犬好きな人……でしょうね。・感動した話をした時に、聞いていて私と一緒に泣きそうになっていた人事の不動産業界の女性(27歳/女性)涙もろいのか、感受性が強いのか。でも、悪い人ではなさそうですね。・ドイツ語をしゃべらされたが、「何を言っているかサッパリ分からないけどね」と返された(43歳/男性)それなら、それっぽく違う国の言語をしゃべっても感心されたかもしれませんね。・面接でどこがダメだったかを言ってくれた。また、これからの心構えを教えてもらえた(23歳/男性)言われた瞬間はショックでも、アドバイスしてくれる面接は自分のためにもなりますよね。不採用という通知だけ送られるよりいいかも。・女性の面接官にもっと化粧を濃くしろと言われた。確かにその人の化粧は濃かった(31歳/女性)面接はナチュラルメイクでとよく言われますが、社員のメイクの好みまで把握するのは無理ですもんね。・自分よりたどたどしい面接官(29歳/男性)自分も緊張しているのに、それ以上に緊張されたら…逆に自分がしっかりしなきゃって気持ちになっていいのかも。・「キリンを英語で言うとなんという?」という全く関係ない質問をしてきた人がいた(30歳/女性)英語力を試しているにしては、簡単な質問ですね。それか、とっさに聞かれて答えられるかどうか瞬発力を試しているのかもしれませんよ。・動物占いをしてきた(22歳/女性)ペガサスなら合格で、黒ヒョウなら不合格とかでしょうか。もし合否が占いで決まっていたら、自己アピールって一体…。・話し方や雰囲気がドSで「うちは厳しいよ?やってみる?」と言われた(29歳/男性)・ずっと窓を見ていた面接官がいた(24歳/男性)面接の最中も気まずいですが、入社した後のことを考えても不安になりますね。威圧的なのも嫌だし、無関心なのも困る。一緒に働く者として、こちらもしっかりと見極める目を持たないといけませんね。(文/こうのゆみこ)
2012年06月23日金城武が天才捜査官に扮したミステリー映画『捜査官X』が21日(土)から日本公開される前に、ピーター・チャン監督が来日し、インタビューに応じた。その他の写真『捜査官X』は、現場で得た数々の証拠と、医学や武術の知識を高速で処理し、脳内で事件当時の様子を再構築する“脳内捜査”を得意とする捜査官シュウ(金城)が、田舎の村で起こった不可解な事件に挑むアクション・ミステリー。『ラブソング』や『ウィンター・ソング』など数々のヒット作を手がけたチャン監督の新作は、デジタル技術を駆使した最新の映像表現と、伝統的な武侠活劇の要素が融合した作品だ。「企画の段階から、科学や医学、力学の要素を作品の“原動力”にしたいと思っていました。中国・香港の伝統的な映画はすでにたくさんありますから、私が撮る以上は何か斬新な表現がなければならないと思いました」。その一方で、本作ではアクションや武侠の要素も存分に描かれている。当代きってのアクション俳優ドニー・イェンが華麗なアクションを披露すれば、『片腕ドラゴン』シリーズのジミー・ウォング、『レディークンフー激闘拳』のクララ・ウェイら往年の名優たちも顔を揃える。「現在、アメリカで全盛期と同様のウェスタン映画を撮るのは無理でしょう。ジャンルとして終焉を迎えてしまったからです。しかし、中国・香港映画は様々なジャンルの映画が作られながらも、その根底にはいつも“アクション”と“武侠”の要素があり、伝統が受け継がれてきました。だからこそ、このような表現が可能になったのです」。さらにチャン監督は、作品に大きな謎を込めたようだ。「映画の中でシュウと(ドニー・イェン演じる)ジンシーが橋の上で語りあうシーンがあります。私はここが物語の核心だと思っています。私は世の中のすべての出来事は互いに関連しており、ある事件が起こったとき、そこにいた傍観者は実は事件の“共謀者”だったということがあると思っています。この世には善人と悪人がいるわけじゃない。すべては影響しあっているのです。“善”とは、そして“悪”とは一体、何なのでしょうか?」。謎解き、豪快なアクション、そして哲学的な問いかけが描かれる『捜査官X』。本作の上映時間は115分だが、上映後もじっくりと“脳内”で考え、想いをめぐらせることのできる作品に仕上がっているようだ。『捜査官X』4月21日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年04月18日金城武が天才捜査官に扮したミステリー映画『捜査官X』の公開記念イベントが12日に都内で行なわれ、ますだおかだの岡田圭右が登場した。その他の写真本作は、現場で得た数々の証拠と、医学や武術の知識を高速で処理し、脳内で事件当時の様子を再構築する“脳内捜査”を得意とする捜査官シュウ(金城)が、田舎の村で起こった不可解な事件に挑むアクション・ミステリー。劇中で金城が着用した衣装を借り、捜査官になりきって登場した岡田は「この服は襟元に金城って書いてあるんだよ」とうれしそう。さらに「金田一春彦じゃなくて、古く言えば金田一耕助のような謎を解くミステリーで、現代風にアレンジした最新テクノロジーを駆使した表現方法で謎を解く。風貌とはひと味違う天才ぶりで新しい」と言い、さらに事件現場にいた穏やかな職人を演じたドニー・イェンを「片田舎というシチュエーションで、ドニーちゃんの物語る表情は光り輝くものがある。素晴らしい名優」と語った。その後は「そもそも私には縄が絡まっている。“お笑い界の団子結び”と言われている」と暴走トークを展開。最後にヒット祈願として“X”を使ったギャグ「捜査官Xならぬ、僕はお笑い捜査官ダメェ~」を披露し、「開演ガラガラ」と持ちネタでしめくくった。『捜査官X』4月21日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年04月12日金城武が独創的な捜査手法を駆使する捜査官に扮した奇想天外なミステリー『捜査官X』が21日(土)から日本公開される。本作には金城だけでなく、アジアのアクション映画ファンにはたまらない“伝説の名優”たちが顔をそろえている。その他の画像『捜査官X』は、現場で得た数々の証拠と、医学や武術の知識を高速で処理し、脳内で事件当時の様子を再構築する“脳内捜査”を得意とする捜査官シュウ(金城)が、田舎の村で起こった不可解な事件に挑むアクション・ミステリー。本作は金城扮する捜査官と、事件の容疑者である穏やかな職人ジンシー(ドニー・イェン)の息つまる駆け引きと、ふたりのドラマが大きな見どころだが、アジア映画ファンにとってたまらないポイントになっているのが、名優ジミー・ウォングの出演だ。ウォングは『片腕ドラゴン』、『片腕ドラゴン対空飛ぶギロチン』や『吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー』『新座頭市 破れ!唐人剣』など多くの作品に出演し人気を集めるも、近年は実業家として活動していた。本作はウォング13年ぶりの銀幕復帰作となる。ウォングのほかにも、『レディークンフー激闘拳』のクララ・ウェイも出演。ふたりとも劇中でドニー・イェンと華麗なバトルシーンを披露しており、本作は謎の深まるミステリー劇だけでなく、伝説の名優のアクションも堪能できる作品に仕上がっている。『捜査官X』4月21日(土) 新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年04月11日前回好評だった「教習所で教官にイラッ! 免許のためには我慢するしかない?」で寄せられた教習官との思い出。今回はマイナビニュース読者が教官に言われてショックを受けた一言を見ていきます!調査期間:2012/1/4~2012/1/9アンケート対象:マイナビニュース会員 女性のみ有効回答数 498件(ウェブログイン式)●免許が取れたことを報告したら「絶対取れないと思ってた!」それでも先生か!(福岡県/女性/25歳)教えながらそんなこと思われていたなんて!でもせっかく取ったのですから、おめでとうぐらいは言ってほしいものです。●坂道発進で苦戦している時に「こんなこともできないなんてどうしようもない」と言われたこと。(東京都/女性/22歳)坂道発進はマニュアル車で難しいと言われるポイントの一つ。もっとあたたかいまなざしで見てほしいですね。●真剣に運転している時に、頭で考えるクイズを出す教官。エジプトのピラミッドに眠っている王様の名前を当てるのに「フグの濁点とって逆から読むと?」と言われて、頭がグチャグチャになったことがある。答えはクフ王です(兵庫県/女性/24歳)このクイズに何の意味が!!?と思いつつ、必死に運転しつつむげにもできない状況。教官の趣味でしょうか……。ただ、想像すると少し和んでしまいます。すみません。●初日に、特に何も説明されずに、初めてハンドルを握った私に対して「そんな(ハンドルの)持ち方をしていたら、指が吹っ飛ぶぞ」と言われた。意味がわからない。(愛知県/女性/29歳)どのような状況下で指が吹っ飛ぶのか、詳しく聞いてみたい気もしてしまうこのハードボイルドさ。車に乗るからには常に最悪の状況を想定しろ!ということでしょうか……●前に障害物があるから避けるのはわかってるのに、やたらと「そこ避けて」と言われて、避けて通った後に「ほら僕のおかげでちゃんと走れたでしょ」「君1人だったらちゃんと運転できたかどうか」と言われてイラっとした。(愛知県/女性/31歳)きっと自分の存在意義みたいなものを再確認してほしかったのですね。●独り言みたいに「あ~違うよな~」とか言ってくる。神経ピリピリした!!(埼玉県/女性/27歳)ぐ、具体的に指示が欲しい!雰囲気で伝えようとするの、やめてください……。●「君、僕のこと嫌いだろう?僕も君のこと嫌いだよ」と言われました。こんな人に教わらないといけないとは!!(東京都/女性/35歳)これは車内が気まずい雰囲気でいたたまれない!もっとさらっとビジネスライクにいきたいものですね。●サイドミラーをわざと隠して「何かおかしくない?」と聞いてきたのがうざかった。(熊本県/女性/28歳)●「だからだめなんだよ!!」だからってなんだよ!!って思いました(笑)(神奈川県/女性/23歳)●「みんなに笑われてるよ」と言われた。(北海道/女性/26歳)もはやいじめの域ですよ、教官!!いかがでしたか?あんまり気にしすぎない方がいいかも、と思いつつ、やっぱり一生懸命やっている時に言われたらへこんでしまうかもしれません。皆さんにはこんな体験、ありますか?(マイナビニュース編集部)
2012年03月22日アジアのみならず、ハリウッドでもその活躍の場を広げる台湾出身のスター、金城武のファン待望の最新作『捜査官X』がこの春、日本で公開されることが決定した。ウォン・カーウァイの『恋する惑星』(’94)で一躍脚光を浴びて以来、記録的な大ヒットを遂げたジョン・ウー監督の超大作『レッドクリフ』では諸葛孔明を演じるなど、日本でも圧倒的な人気を集めるアジアスターの一人である金城武。2009年に日本公開された『ウォーロード/男たちの誓い』以来約3年ぶりの待望の日本公開作となる本作は、中国の山村を舞台に、2人の無法者が不可解な死を遂げた強盗事件の真相に迫っていくミステリー。金城さんは、タイトルロールの“捜査官X”こと主人公・シュウ(Xu)を演じる。男前なルックスを封印するような、丸ぶちのメガネと帽子を着用したユニークな風貌が目を引くが、飄々とした装いと振る舞いは日本の名探偵・金田一耕助を彷彿とさせる?また、風貌とは裏腹にずば抜けた彼の脳内推理も見どころで、現場に残されたわずかな物証をも見逃さない眼力の鋭さ、人体構造から武術まで、あらゆる分野に精通した博識ぶりを披露する。そんな金城さんと演技合戦を交わすのは、アジアを代表するアクションスター、ドニー・イェン。シュウの前に巨大な謎として立ちはだかり、クライマックスではカンフー映画ファンも興奮する荒技&神業を惜しげもなく連発している。さらに、ドニー扮するリウの妻役には、『ラスト、コーション』での大胆な演技で脚光を浴びたタン・ウェイなど、アジア屈指のスターが揃っているのも見逃せない。キャストをまとめ舵を取るのは、『ラヴソング』(’97)、『ウィンター・ソング』(’05)のピーター・チャン監督。『ウォーロード/男たちの誓い』に続き、再び金城武とタッグを組み、ミステリー&アクションという対極的なジャンルの融合に挑戦し、ダイナミックなエンターテインメントを完成させた。これまでの役とはまた一味違う“天才捜査官”という役柄で、聡明で知的な魅力を放つ金城さんがどんな推理を見せてくれるのか?本作で見せる新たな一面に注目したい。『捜査官X』は4月21日(土)より新宿ピカデリーにて、G.W.、全国にて公開。■関連作品:捜査官X 2012年4月21日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2011 We Pictures Ltd. Stellar Mega Films Co., Ltd. All Rights Reserved.
2012年01月26日映画『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』が現在、全国の劇場で公開中だが、本作で善なる金属生命体“オートボット”を率いている司令官オプティマス・プライムがこのほどインタビューに応じ、映画が世界的なヒットを記録した理由や、日本のファンの印象について語ってくれた。その他の写真謎の金属生命体“トランスフォーマー”を率いて、人類と新たな故郷・地球のために死闘を繰り広げてきたオプティマス司令官。日本では公式Twitterを通じて、日本のファンたちと交流。さらには大阪と東京を自動車の状態(ビークルモード)でパトロールし、多くのファンを喜ばせた。世界興収が10億ドルを突破し、日本でも興行収入ランキングで上位をキープ。先ごろ、国内の興収が40億円を超え、シリーズ最高のヒットとなった本作。オプティマス司令官は成功の理由を「宇宙規模で展開される物語のスケール感が高い評価に結びついた要因のひとつと言えるだろう。また本作を観て気がついた者も多いだろうが、この映画は80年代のアニメと共に育った長年のファンの、ファンによる、ファンのための映画でもある」と分析。「長く愛され続けている原作を最大限に尊重したスタッフの情熱が多くの仲間に届いた結果がこの成功につながったと私は見ているよ」。Twitterを通じた活動は先月末でいったん休止された(よって、本インタビューは8月末に実施された)が、更新中はフォロワーがひと夏で1万を突破。毎日、熱狂的な書き込みが司令官のもとに寄せられた。「Twitterで多くの仲間と直接話すことができたことは、我々オートボットにとっても大きな収穫だった。いったん、Twitterから離れる決心をしたわけだが、いざ離脱してみると、日本の仲間と交流出来ないことがこれほどさみしい気持ちになるものとは、私自身も驚いているところだよ。数えきれないほど多くのメッセージをもらったが、女性からのメッセージに過激なものが多かったようだ。我々の仲間は男性が多いと思っていたので、女性ファンがたくさん集まってきたのはかなり意外だったな」。マイケル・ベイ監督が手がけた高密度な展開と、完成度にこだわり抜いた3D映像はフォロワーからも好評で、中には繰り返し劇場に足を運んだ観客もいたようだ。ちなみに、オプティマス司令官は2回目に本作を観賞する際のポイントについて「我々オートボットの表情を見てくれ。激しい展開の中で見落とされがちだが、我々も悩み、傷つき、答えを探しだそうとする姿が収められているはずだ。ただの金属やロボットではない“感情をもった金属生命体”として受け止めてもらえれば幸いだ。随所に仕込まれたオマージュネタも探してみるといい」と述べ「まだ映画を観賞していない方々は、この戦いを見逃さないでほしい。我々には君たちの加勢が必要なのだ!」とメッセージをおくった。『トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン』公開中
2011年09月12日仙台の裁判員裁判2000年8月に、宮城県亘理町で自衛官の高橋光成さん(当時45歳)が殺害された事件で、実行犯の1人である山田純也被告に判決が言い渡された。今回の審理は裁判員裁判として仙台地裁で行われ、10月1日に判決公判。川本清厳裁判長が13年6月の懲役とした。事件は妻が首謀事件は2000年8月6日、高橋さんの妻(50)と3人が共謀し、酒を飲んで就寝中の高橋さんを抱え、家電の上部にかけたロープの輪に首を入れ、自殺に見せかけて窒息死させたというもの。高橋さんの妻には保険金が1億数千万円支払われ、共謀した4人にも数百万円が支払われたという。事件は極めて悪質と判断されるものだが、毎日新聞によると川本裁判長は、「犯行は計画的で被害者が恐怖を感じるような残酷な態様」と認定。ただし山田被告は、主犯格の男らから別の殺人事件の遺体などを見せられ、恐怖から意思に逆らって従属したと弁護側が主張。加えて積極的な謝罪の姿勢も見られるとして、検察による15年の求刑は減刑された。自宅で眠っている時に、複数の人間から首つりに見せかけて殺されるという衝撃的な事件であるだけに、再発防止に向けた取り組みも注目される。
2010年10月04日宮藤官九郎が黒澤明を語る――。一見、意外なシチュエーションに見えるが、宮藤さんに言わせると黒澤作品は「ある意味、かなりパンク」であり、自身の手による舞台やドラマ作品において、多大なる影響を受けたという。特に、宮藤さんが愛してやまない作品が、黒澤監督が還暦を迎えた1970年に公開された、黒澤監督にとって初のカラー作品『どですかでん』。山本周五郎の「季節のない街」(新潮文庫刊)を原作に、とある町のはずれに暮らす人々の姿を、知的障害を持つ“六ちゃん”を中心に描き出す。日本映画専門チャンネルでは、「メモリーズ 我が心の黒澤明」と題して、生誕100周年を迎えた黒澤明について、ゲストがその思いを語る特別番組を放送中。7月は宮藤さんが先述の『どですかでん』をテーマに黒澤明の“凄まじさ”を語る。放送を前に、宮藤さんに話を聞いた。まずは単刀直入に、映画人・黒澤明の魅力とは?宮藤さんは「いびつでどこか壊れてる感じ」とまさに“パンク”な要素を挙げる。「『用心棒』から『椿三十郎』、比較的新しい作品で言うと『影武者』とか王道の娯楽映画を撮ってて、ああいうのはすごく“男子”の合戦願望とか、戦いたい欲望みたいなものを満たしてくれる部分があって、それはそれで好きです。でも、それとはまた違うタイプの作品、例えば『どん底』とか『羅生門』とか…すごく好きですね。どこか歪んでる…例えば『用心棒』の出だしの(居酒屋の親父役の)東野英治郎さんのセリフの聞き取れなさとか。説明してるセリフなのに聞き取れないってすごいなぁって。何となくは分かる。『この人、すごく怒ってる』ってことは分かるんだけど、とか。そういう部分での、『いいや、聞こえなくて』みたいな感じがすごく好きです。それは、黒澤さんの中でわりと最後まで一貫してそうだったのかな。『まあだだよ』もある意味、壊れてる映画ですからね。結局、猫が居なくなって、帰ってきたという話かって(笑)。そういうところもすごい好きですね。なんか、冷めてるのか、客観性がないのか、計り知れないんですよ」。続いて話題は黒澤映画の影響を受けた上での宮藤さんの創作について。黒澤作品に限らず、過去の様々な作品から多大なる影響を受けてきたという宮藤さん。これまで手がけてきた舞台、ドラマや映画においても“オマージュ”と見受けられる部分も多々あるが、宮藤さんは、他人の技術や手法をどのように自らの作品に取り込んでいくのか?「僕は結構、すぐやっちゃいます(笑)。見えるところ、見えないところ含めて。いま、自分が好きなもの、世の中でどうのっていう以前に、自分の中で勝手に気になっているものを入れることもあるし、それこそ『どですかでん』のようにずっと好きなものを入れちゃうときもあるし。正直、周囲が知ってるか知らないかも関係ない。少しでも周囲を気にすると、大抵は失敗するんです。演出のときも、『どですかでん』のあの感じでお願いします、っていうのはわりとすぐ言っちゃうんですよ。あと、多いのは『爆裂都市 BURST CITY』。そこで『ゴッドファーザー』みたいに、とか言えればいいんですけどね(苦笑)。最近、怖いのは自分で気づかずに自分の作品をマネしてることがあるとき。それ『マンハッタンラブストーリー』のあれだよね?とか、それって『キャッツアイ』のあれだねとか言われて『あぁ、それもうやってたね。どうりで面白いと思った』って(笑)」。余談だが、宮藤さんの脚本・演出による刑事ドラマ「うぬぼれ刑事」がまもなくスタートするが、これまで、いろんなメディアでビートたけし主演の刑事ドラマ「刑事ヨロシク」への愛を訴えてきた宮藤さん。もしかしたら随所にオマージュも…?オマージュという言葉が出てきたところでもう一問。監督としてであれ、脚本家としてであれ、もしも好きな黒澤作品を自身の解釈でもう一度作り直せるとしたら?「リメイクは相当、難しいですよね、そのまま作るにしろ、思い切り変えるにしろ。『隠し砦の三悪人』を『スター・ウォーズ』に変換したというのがすごいし(※『スター・ウォーズ』はこの作品を元に着想されており、アンドロイドのC-3POとR2-D2のコンビも本作の人物をモチーフにしている)、『用心棒』に自分の解釈を入れて西部劇にした(※セルジオ・レオーネ監督『荒野の用心棒』)っていうのが凄まじいことですよね。自分でやるなら、全く違うエピソードで『どですかでん』作ってみるのとかはいいかも。(オリジナル同様に)“どですかでん”って言ってる登場人物はいるけど、全く別の話とかね。やっぱり黒澤映画は好きな人が多いだけに難しい。僕にとってはせいぜい飲み屋の話題で“いま、『七人の侍』やるなら誰で作るか”とかで…(笑)」。1998年に黒澤監督が亡くなったとき、宮藤さんは「もう、芝居の仕事はしてましたね」という。さらに「亡くなられたってことも驚きましたが、88歳という年齢にもびっくりしたのを覚えています」とも。黒澤監督をはじめ、この世代の“巨匠”たちのバイタリティに改めて感服したようにこう続ける。「新藤兼人さんとかもすごいですよね。僕、新人監督として“新藤兼人賞”いただいて、授賞式でお会いしたんですが、そのときで90歳は超えてらして、挨拶で『映画の95%は脚本です!』っておっしゃってました。(一昨年、亡くなった)市川崑監督も、すごい量のタバコ吸ってて、でも九十幾つまで映画撮り続けて。すごいですよね」。映画の話が続くうちに、“監督”としての本性、映画を撮りたいという願望がどうにも隠せずにニョッキリと顔を出してきたようだが…。「いや、やりたいとは言ってるんですけどね。もちろん、それだけじゃやらしてもらえない。『じゃあ書いてください』と。当然ですね(笑)。まぁ多分、自分で書くんだと思いますが」。飄々というか、ノラリクラリと言うべきか…。とは言え、最近観たというある映画を引き合いにこんな言葉も。「韓国の『息もできない』っていう映画がすごい面白くて。元々、監督ではなく役者さんが、どうしてもやりたいっていうことで始めて、途中でお金がなくなって、家を売ったりして作ったと。そういう話は観た後に聞いたんですけど、やっぱり強い思いによって撮られた映画っていうのはそれだけすごいパワーがあるんだなと思った。だからって家は売らないですけど(笑)。そういう人がドーンってああいう傑作を作っちゃうわけで、僕みたいに『次どうする?』ってを考えてること自体が不純なのかな、とも思って。『あ、これ映画になるんじゃないか?』っていう感じが早く来ないかな、と思って待ってます。なかなかそれが来ないんですが(笑)」。(photo:Ryusuke Suzuki)「メモリーズ 我が心の黒澤明」は日本映画専門チャンネルにて放送。※初回放送は7月3日(土)15:40〜日本映画専門チャンネル公式サイト■関連作品:少年メリケンサック 2009年2月14日より全国にて公開© 2009「少年メリケンサック」製作委員会■関連記事:国内賞レースも本格化『ヴィヨンの妻』『沈まぬ太陽』など日本アカデミー賞最多受賞DVD発売記念クドカン&「少年メリケンサック」メンバーから特別メッセージ到着!ユースケ、宮崎あおいの「胸の感触が忘れられない」主役を差し置きまたも独壇場宮藤官九郎の衝動!「子供以下のおっさん見て、若い人がどう思うか興味ありますね」クドカン、宮崎あおいからのチョコにほのかな期待「もらえなかったら悲しい…」
2010年07月02日