第41回日本アカデミー賞の授賞式が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、俳優の菅田将暉が最優秀主演男優賞に輝いた。『あゝ、荒野前編』での演技が評価を受けた菅田は、壇上に立ってもしばらく言葉が出てこない様子。「本当にありがとうございます。こんな信じられないことはあんまりないと言いますか……」と驚きを見せた。役者だけでなく、アーティストやラジオのパーソナリティとしても活躍する菅田は「2017年、いろいろ他にも賞もいただいたりしました。だんだん自分がどこにいるのか、そして今人格的に何なのか、何を大事にしているのか、ということを実感する機会を自分で作らないと、ない」と語る。しかし「今日はなんかちゃんと菅田将暉として、すごく嬉しいです。そして月並みですが、『ああ、荒野』に関わった皆様、そして映画が大好きな皆様、本当にありがとうございました」と頭を下げた。ここ数カ月で第42回報知映画賞、第30回日刊スポーツ映画大賞、第91回キネマ旬報ベスト・テン、第72回毎日映画コンクール、おおさかシネマフェスティバル2018と数多くの賞に輝いた菅田将暉。日本アカデミー賞でも栄光をつかんだ。
2018年03月02日菅田将暉が『あゝ、荒野 前編』で、第41回日本アカデミー賞の最優秀主演男優賞を受賞した。『探偵はBARにいる3』の大泉洋、『関ヶ原』の岡田准一、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の佐藤健、『22年目の告白―私が殺人犯です―』の藤原竜也と、脂ののった俳優陣に囲まれる中、第72回毎日映画コンクール男優主演賞のほか、数々の主演男優賞を席巻している菅田さんが、清々しい受賞となった。寺山修司の同名小説を、岸善幸監督が舞台を近未来に変え蘇らせた『あゝ、荒野 前編』で、自分を捨てた母を憎み、もがきながらプロボクサーを目指して都会の片隅で生きる新宿新次を、「いまどきのイケメン俳優」像を振り払い、全力で演じた菅田さん。プロボクサーの役作りのため、チアノーゼを起こすまでハードなトレーニングを重ね、劇中でも圧巻の試合シーンを披露した。狂気と孤独の間で変わりゆく表情と鍛え上げた菅田さんの肉体は、運命の相手となった共演ヤン・イクチュンとの息の合った芝居も相まってさらに覚醒した。イベントの場などでも、幾度となくヤンさんへの愛を語ったり、仲睦まじい様子を披露していた菅田さんは、コンビネーションについて聞かれると、「ヤンさんは『息もできない』(※ヤンさんの監督・主演作)のイメージだったんです。でも、全然狂気的なイメージとは逆と言いますか。子猫のようなすごくかわいい方で、本当に毎日“菅田さんアイシテル”って、あんなかわいい人いるのかな」と、愛情たっぷりに語った。受賞スピーチのため檀上に上がった菅田さんは、「本当にありがとうございます。普通にこんな信じられないことはあまりないと言いますか。その…」と、何かを思ったのか、少し沈黙。「2017年、いろいろほかにも賞をいただいたりしましたし、段々自分がどこにいるのか、そしていま、人格的に何なのか、何を大事にしているのかを実感する機会は、自分で作らないとないんです。今日は、ちゃんと菅田将暉としてすごくうれしいです」と、かみしめるように語った。「月並みですが『あゝ、荒野』に関わった皆さま、映画が大好きな皆さま、本当にありがとうございました」と、深く一礼した。(cinamacafe.net)■関連作品:あゝ、荒野前篇 2017年10月7日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズあゝ、荒野後篇 2017年10月21日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ
2018年03月02日第41回日本アカデミー賞において、蒼井優が『彼女がその名を知らない鳥たち』で最優秀主演女優賞に輝いた。自分の名を呼ばれ呆然としていた様子の蒼井さんだったが、立ち上がってメガホンを取った白石和彌監督と抱き合い、涙で喜びを分かち合った。優秀主演女優賞には『ミックス。』の新垣結衣、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の土屋太鳳、『散歩する侵略者』の長澤まさみ、『ユリゴコロ』の吉高由里子と、全員20~30代前半という平均年齢28.4歳のフレッシュな顔ぶれが並んだ。女優陣が熱い火花を散らしたが、最低な女像を演じることで人間の本質に迫り、強い印象を残した蒼井さんが受賞となった。『彼女がその名を知らない鳥たち』は、『日本で一番悪い奴ら』、『凶悪』などで知られる白石監督が沼田まほかるの同名原作を映画化。わずかな給料を貢ぐ下品な男と同棲しながら、日々を怠惰に暮らし、若い男と情事を繰り返す十和子を、だらしなささえ魅力的に映る圧巻の演技力で体現した蒼井さん。撮影中をふり返って、蒼井さんは「もう不安で、不安で。本当に行動何もかもが最低な女性(笑)。なので、お客さまにどこまで我慢して最後まで見ていただけるかを計算してやらなければいけなかった。監督の元でできて、よかったです」と苦労を語った。最優秀受賞で名前を呼ばれ檀上に上がった蒼井さんは、しばらく頭の端を抑え、マイクの前で黙った。そして、涙を浮かべながら「ありがとうございます。…はは、何でしょう?びっくりしています、本当に」と、美しい泣き笑い。「この映画を撮っているときに、本当に映画の現場に入れて、映画界に入れてよかったなと思ったんです。こんな大きな賞をいただいてしまって恐縮しています」と、心の内を吐き出した。そして、最後には「これから新学期が始まりますけど、もし学校がつらい方とか、新しい生活をどうしようという方、ぜひ映画界にきていただきたい!映画界って、よくないですか?私、本当に好きなんです!これからも皆で一緒に映画を盛り上げていけたらな、と思います。白石監督、ありがとうございました!」と蒼井さんらしく、映画界の愛を叫んだ。(cinamacafe.net)
2018年03月02日女優の蒼井優が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第41回日本アカデミー賞の授賞式に出席し、白石和彌監督の『彼女がその名を知らない鳥たち』で最優秀主演女優賞を受賞した。第30回では『フラガール』で最優秀助演女優賞を受けた蒼井。戸惑いの表情を浮かべながらマイクの前に立つと、涙ながらに「ありがとうございます。ビックリしています」と感謝の言葉を伝えた。そして、「この映画を撮っている時に『私、本当に映画界に入れて良かった』と思ったんです。それなのにこんなに大きな賞をいただいてしまって、恐縮しています」と打ち明け、「これから新学期が始まりますけど、もし学校がつらい方や新しい生活に『どうしよう』と思っている方がいたら、ぜひ映画界に来ていただきたいなと思います」と現実に行き詰まっている人々にメッセージ。「本当に映画界って良くないですか?」と問いかけ、「私、本当に好きなんです」「優秀賞をとられた方、尊敬しています。みんなで一緒に映画を盛り上げていけたらなと思います。本当に白石監督、ありがとうございました。みなさん、ありがとうございました」と笑顔で締めくくった。発表前、司会を務める西田敏行から「なぜこんないろんな要素が出てくるんだろう」と称賛され、「私に何かがあるわけではなくて」と返した蒼井。「いろいろな先輩方が大切な言葉をいただいて、どうにかそれを1つ1つクリアしていって。先輩たちがご覧になっている景色を自分も見られたらなと思いながらやっているだけなので、私が何かということでは本当にないです」と最後まで謙遜していた。
2018年03月02日第41回日本アカデミー賞の授賞式が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、俳優の竹内涼真が新人賞を受賞した。2017年はドラマや映画に大躍進した竹内だが、今回は演技『帝一の國』で演じた大鷹弾の演技が評価された。マイクの上の部分が取れるハプニングもあったものの、「いやあ、みんな素晴らしいですね、コメントが。竹内涼真です」と爽やかに話し始めた竹内。「この光景は気持ちいいですね。素晴らしい方々が僕を見ているので、すごく気持ちいいなと思って」と大物ぶりを見せた。さらに竹内は「新人賞という賞をいただいてすごく嬉しいですし、この仕事やるからには、かっこいいトロフィーをいつか僕もいただきたいという気持ちになりました」と希望を見せ、宮沢りえも「清々しさが伝わってきて嬉しくなりますね」と笑顔に。竹内は『帝一の國』で共演した菅田将暉に「菅田くん、もらいました」と報告した。竹内は「同世代の皆さんと一緒にやらせていただいて、小学校からやってる方もいるので、早く僕も入りたかったんです。僕らの同世代に素晴らしい方たくさんいrので、一線に立って自分も存在感を出したくて、素敵な賞をいただけて嬉しいです」と喜びを表した。菅田も「すごい嬉しいです。こうやって見てると、やっぱ(背が)おっきいなあ、なんて」と感想を述べる。「爽やかすぎ、かっこよすぎて笑えるという役だったんですよ。今回、まんまだなと思って、最高です」と賛辞を贈った。また、2017年のヒットドラマ『陸王』で共演した役所広司は「新人のくせにお芝居上手ですし、本当に困りますよね」と苦笑。「みなさん、ずっと日本映画を背負っていきたいなと思います。竹内くん、本当におめでとう」と称えた。
2018年03月02日第41回日本アカデミー賞で、中条あやみ、浜辺美波、北村匠海、竹内涼真が新人俳優賞を受賞し、3月2日(金)に行われた授賞式に臨んだ。受賞コメントにて、竹内さんは、「この(壇上に立って見ている)光景は、素晴らしい方が僕を見ているので、すごく気持ちいいですね!この仕事をして、初めて新人賞をいただいてうれしいです。やるからには、役所さんや広瀬さんみたいに、格好いいトロフィーをいただきたい気持ちになりました!」と清々しく抱負に代えた。■『帝一の國』竹内涼真「すごく気持ちいい」2013年、女性ファッション誌「mina」初の男性専属モデルオーディションでグランプリを獲得し、翌年「仮面ライダードライブ」で主演を務めた竹内さんは、その後、『青空エール』、『ラストコップ THE MOVIE』など映画に出演。2017年は連続テレビ小説「ひよっこ」、「過保護のカホコ」、「陸王」と立て続けにTVドラマに登場し、老若男女問わず、広くお茶の間の人気者となった。このたびは、波乱爆笑の学園コメディ『帝一の國』において、正義の男・大鷹弾を好演し印象を残しての受賞となった。同作で主演を務めた菅田将暉は、「すごいうれしいです。こうやって見ていると、やっぱり大きいなって思って(笑)。あと、(竹内さんの)役柄が、爽やかすぎて格好よすぎて笑える役だったんです。まんまだな、っていま。最高です」と温かいメッセージを送ると、竹内さんも破顔。さらに「陸王」で共演した役所広司にも「褒めてもらいたい」と冗談半分、本気半分の様子の竹内さんに、役所さんは「竹内くん、新人のくせにお芝居上手でね(笑)、本当に困りますね」と愛情たっぷりに語った。■『君の膵臓をたべたい』浜辺美波&北村匠海「夢のよう」浜辺さんと北村さんは『君の膵臓をたべたい』でそろって受賞。浜辺さんは重い膵臓の病を患う女子高生・山内桜良を、北村さんは桜良とともに死に向き合う男子高校生「僕」役を熱演。懸命に生きようとする桜良の姿、ならびに気持ちの揺れ動きを繊細に表現した僕のふたりの演技は、見る者の涙を誘った。北村さんは、「小学校3年生の頃に芸能界で芝居を始めて、ずっと親からも“小さい役は10~20年後につながる”と言われて、12年たってやっと立たせていただいて、夢のようです。ありがとうございます」と話し、浜辺さんも「この仕事は私の生きがいです」と感謝を寄せていた。■『チア☆ダン』中条あやみ「熱い気持ちと汗と涙で作り上げた作品」また、『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』で受賞した中条さんは、本作で、美貌・知性・ダンスの技術など、すべてを兼ね備える優等生・彩乃を凛と演じ、見事なチアダンスの技も劇中で披露。可憐に微笑んだ中条さんは「『チア☆ダン』の皆でとった賞だと思っているので、すごくうれしいです。本当に皆で熱い気持ちと汗と涙で作り上げた作品なので、携われたことは一生の宝物。幸せな時間でした」と共演した広瀬すずに目線を送ると、広瀬さんも大きな笑顔で拍手を送っていた。(cinamacafe.net)
2018年03月02日第41回日本アカデミー賞の授賞式が2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪にて行われ、音楽ユニット・DISH//のボーカルで俳優の北村匠海が、新人賞を受賞した。映画『君の膵臓をたべたい』が興行収入30億を超える大ヒットを記録し、一躍注目を受けることとなった北村。「小学校3年生の頃に芸能界というものに所属してお芝居を始めて、ずっと親から『小さい役かもしれないけど10年後、20年後につながる』と言われて12年が経ちました」と振り返る。「ここに立たせていただけるのが夢のようです。ありがとうございます」と真摯に語った。今回演じたのは「一人、殻に閉じこもってる少年」だったが、北村自身も「中学時代そんな少年だったので昔の自分を思い出す感覚で自然に演じることができました」という。オーディションでも中学時代の話をしたと明かし、「今では笑い話みたいなものなんですけど、『合うな』と思っていただいたみたいで」と笑顔を見せ、「感謝申し上げたいなと思います」と美しい敬語で謝意を示した。共演した浜辺は「現場ではあんまりお話しすることができなかったので、今この作品を振り返ってお話ししたいですね」と意外な一言。北村が「本当に話してなくてですね……。楽しかったですね」と語りかけると、浜辺は「はい、はい!」と頷いていた。
2018年03月02日『三度目の殺人』の役所広司が、第41回日本アカデミー賞の最優秀助演男優賞を受賞。これまで幾多もの最優秀賞を受賞してきた役所さんだが、助演男優賞における最優秀受賞は初となった。役所さんは、「もしかしたら…っていう気持ちはあったんですけど。本当に感謝しなければいけない。是枝監督、ありがとうございました」と微笑みをたやさず、檀上から是枝裕和監督に語りかけた。助演男優賞には、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』より西田敏行、『家族はつらいよ2』の西村雅彦、『探偵はBARにいる3』の松田龍平、『武曲 MUKOKU』の村上虹郎、そして、『三度目の殺人』と『関ヶ原』の2作品より役所さんが選出・受賞され、その中から『三度目の殺人』での受賞となった。役所さん自身、初めての是枝組参戦となった『三度目の殺人』では、殺人の前科があり、解雇された工場の社長を殺害したとされる容疑者・三隈を演じた。7回にわたる接見室でのシーンでは、供述を二転三転させ、事件の闇深さを体感させた。初の是枝組について、役所さんは「本当にずっと作品のファンで、どうやって撮影しているのか、現場を1回見てみたい、出てみたいと思っていました。だから、やっと叶った。監督の粘り強さはすごかったですね」と述懐。是枝監督も、「今回は僕も念願叶ってご一緒できて。本当に目の前で役所さんが演じているのを見ながら、“演出って何だろう”と考えさせられてしまうくらい、僕が脚本に書いたもの以上を提示されているので、見逃さないでいるので精いっぱいでした。本当に勉強になりました」と名優に言葉を尽くした。受賞スピーチにおいて、役所さんは「映画の仕事をさせてもらってから随分たちますけど、アカデミー賞の会場に来ると、素晴らしい監督やスタッフの人たち、日本映画を支えてきた人たちに会うのが楽しみで。影響を受けたり、教えられたり、真似をして日本映画の中でずっと働かせてもらっています」と、自身の道のりとともに映画業界への愛情を表現。「今回は、本当に素晴らしい賞をいただきまして、ありがとうございました。今度の映画では、福山さんとの芝居が多くて、本当にふたりで作り上げました、感謝したいと思います。年を取ってきましたけど…(笑)、この賞をきっかけに、これからも、もうしばらく頑張っていこうと思います」と、変わらず俳優として歩んでくれることを約束した。(cinamacafe.net)■関連作品:三度目の殺人 2017年9月9日より全国にて公開© 2017フジテレビジョンアミューズギャガ
2018年03月02日「第41回日本アカデミー賞」授賞式が3月2日(金)に開催され、最優秀助演女優賞部門で『三度目の殺人』の広瀬すずが受賞。19歳にして、3年連続の優秀助演女優賞を受賞していた広瀬さんは、「三度目」にして最優秀助演女優賞に輝き、うれしさをグッと噛み締めながら感激のスピーチを行った。優秀助演女優賞には広瀬さんのほか、『ナミヤ雑貨店の奇蹟』の尾野真千子、『探偵はBARにいる3』の北川景子、『家族はつらいよ2』の夏川結衣、『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の薬師丸ひろ子と、新旧実力派女優陣がそろい踏みとなる中、最年少の広瀬さんが受賞の快挙を成し遂げた。『三度目の殺人』は『そして父になる』『海街dairy』などで家族を描き、日本アカデミー賞を始め、国内外の賞を受賞してきた是枝裕和監督が、舞台を法廷に移して挑んだ心理サスペンス。広瀬さんは是枝監督と2度目のタッグを組み、劇中、被害者の娘で事件のカギを握る、脚の不自由な高校生役を強く演じた。『海街dairy』をふり返って、広瀬さんは「前回、台本をいただかないでやったので、今回はいただきながらの撮影なので、ちょっと恥ずかしい気持ちになりました。今日やるシーンを知っている自分が恥ずかしかったです」と気恥ずかしそうに語った。是枝監督は「この間に、すごくいろいろな監督たちといい仕事をして、キャリアを積んで戻ってきた。一緒に仕事ができて、すごく肝が据わったというか、大きく育っているなと。ついていくのに精いっぱいでした」と、絶大なる信頼を寄せ、広瀬さんを讃えた。受賞の発表があった後、一瞬きょとんとした表情を見せた広瀬さんは壇上に上がると、プレゼンターの妻夫木聡からブロンズ像を受け取ると、ようやく笑みを見せた。「本当にありがとうございます。何をしゃべればいいか、わからないんですけど…」と言葉をつまらせるも、「やっぱり一番こみあがってくるのはうれしい、です。(是枝)監督には、いつも見たことのない景色をたくさん見せていただくので、これからも少しずつでも恩返しができるように」ときっぱりと言い切った。そして、「自分が参加させていただいた作品に、少しでも力になるような役者さんになれるように、これからも頑張ります」と真摯に語った。(cinamacafe.net)■関連作品:三度目の殺人 2017年9月9日より全国にて公開© 2017フジテレビジョンアミューズギャガ
2018年03月02日女優の広瀬すずが2日、東京・品川のグランドプリンスホテル新高輪で開催された第41回日本アカデミー賞の授賞式に出席し、是枝裕和監督作『三度目の殺人』で最優秀賞助演女優賞を受賞した。最優秀賞助演女優賞を受賞した広瀬すず撮影:宮川朋久第39回で新人俳優賞(『海街diary』)、第40回では優秀主演女優賞(『ちはやふる-上の句-』)と優秀助演女優賞(『怒り』)をダブル受賞した広瀬。マイクの前に立つと、「本当にありがとうございます。何をしゃべればいいのか分からないですけど」と驚きをあらわにしながら、「監督はいつも見たことない景色を見せてくださるので、これから少しずつでも恩返しできるように、自分が参加させていただいた作品に少しでも力になる役者さんになれるようにこれからも頑張ります。本当にありがとうございます」と受賞の喜びを語った。是枝監督とのタッグは『海街diary』以来。発表前の司会とのやりとりでは、「前回は台本をいただかなかったので、今回は台本をいただきながらの撮影だったのでちょっと恥ずかしい気持ちになりました」「『海街diary』の時は現場に行くまで何も知らないので、ある意味何も力が入らずでした。今回は"今日やるシーンを知っている自分"が恥ずかしかったです」と撮影当時を思い返した。そんな広瀬についてのコメントを求められた是枝監督は、「いろんな監督さんたちとすごく良い仕事をされたと思います。キャリアを積んで戻って来てまた一緒に仕事ができて、すごく肝が据わったというか。本当に大きく育った。ついていくのに精一杯でした」と絶賛。「かわいい」とメロメロの司会・西田敏行からの「監督、すずちゃん好きでしょ?」に「そうですね、大好きです」と返し、西田からライバル視されて会場の笑いを誘った。一方、『三度目の殺人』で共演した役所広司は、「ほとんど絡みはなかったんですけど、唯一絡んだところは監督が編集でカットしてしまった」とボヤきつつ、印象に残ったシーンとして「雪合戦ですね」と回顧。「広瀬さんはすごく足腰がしっかりしているんですよ。サッカーもバスケットもうまいしね。本当、スポーツウーマンですね」と褒めていた。
2018年03月02日いよいよ本日、2日に行われる第41回日本アカデミー賞授賞式。2016年12月16日〜2017年12月15日に公開され、選考基準を満たした作品を対象に、映画界に3年以上関わっていることを条件とした日本アカデミー賞協会の投票によって決定する。現在各部門の優秀賞が発表されているが、授賞式では最優秀賞の栄光を手にする作品が明らかになる。優秀作品賞には、『君の膵臓をたべたい』『三度目の殺人』『関ヶ原』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』『花戦さ』といった作品がそろった。『三度目の殺人』以外の4作品が小説原作の映画となるが、一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員2,390名にアンケートをとった。Q.第41回日本アカデミー賞で最優秀作品賞をとると思う作品は?1位 『関ヶ原』 36.3%2位 『君の膵臓をたべたい』 30.3%3位 『ナミヤ雑貨店の奇蹟』 14.7%4位 『三度目の殺人』 14.0%5位 『花戦さ』 4.7%○■『関ヶ原』・「ありそうでなかった関ヶ原の戦いを描いた作品なので」(49歳男性/ビル管理・メンテナンス/技能工・運輸・設備関連)・「岡田君の演技が素晴らしく内容も深いものだったから」(38歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)・「歴史上の人物の人間像がおもしろかったので」(54歳男性/その他/その他)・「関ヶ原の合戦が壮大なスケールで表現されてたから」(41歳女性/その他/その他)・「今までにないスケールで、近年稀に見る本格的な合戦シーンを描いているから」(29歳女性/銀行/専門職関連)○■『君の膵臓をたべたい』・「単純に感動して泣ける映画だと思うので」(44歳女性/信託銀行/事務・企画・経営関連)・「原作の良さをきちんと映像化している」(50歳男性/建設・土木/技能工・運輸・設備関連)・「題名が衝撃的だが、内容は青春モノで、人間のあり方を考えさせられるよい作品になっている」(57歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「複雑な青春の心理描写が素敵です」(50歳男性/フードビジネス/事務・企画・経営関連)・「自分の周りで評価が高い」(41歳男性/その他/その他)○■『ナミヤ雑貨店の奇蹟』・「廃屋のような(旧)ナミヤ雑貨店を舞台に時間と空間が異なる人々が、悩み事相談の手紙の行き来を通じてつながる奇跡。この東野ミステリーが深い感動を残していきました。最も印象に残る作品です」(65歳男性/その他/その他)・「今も昔も人の悩みはあり、悩みは人とのつながりによって癒されてゆく心温まるストーリーだと思う」(37歳女性/その他/その他)・「ノスタルジックな感じもあって良いと思うので」(58歳女性/その他/その他)・「さっそく海外(中国)でリメイクされたりと話題性も高かったので」(55歳男性/その他/その他)○■『三度目の殺人』・「役所広司さんの演技力にグイグイ引き込まれていく所があり本当にこの人物は殺人を犯しているのかという弁護士役の福山雅治さんとの演技が見どころで面白いと思ったので」(59歳女性/医療用機器・医療関連/専門サービス関連)・「ストーリー展開のなかでの心理描写と,それにマッチしたキャスティング」(38歳男性/コンピューター機器/メカトロ関連技術職(電気・電子・半導体・機械他)・「部門賞最多受賞。国際映画祭での評価も高いので」(61歳男性/広告・出版・印刷/クリエイティブ関連)・「監督の演出やカットの取り方が細かい」(32歳女性/不動産/事務・企画・経営関連)○■『花戦さ』・「実際に映画館で観た作品で、映像から花の匂いや空気感が感じられて良い作品だと思った」(45歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)・「実力派俳優が揃っていて、惹き込まれる」(36歳女性/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)・「生け花の巨大なセットが圧巻だった。野村萬斎の演技がよかった」(31歳女性/医療・福祉・介護サービス/販売・サービス関連)・「迫力もあり優雅で華やかでよかったので」(38歳女性/その他メーカー/事務・企画・経営関連)○■総評読者予想を二分したのは、原田眞人監督&岡田准一主演の重厚な時代劇『関ヶ原』と、月川翔監督&浜辺美波&北村匠海による泣ける青春物語『君の膵臓をたべたい』。対照的な2作品となったが、それぞれヒットし「周りの評判が良い」という意見も多く寄せられた。東野圭吾原作のベストセラーを映画化した『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、複雑な構成ながら「心温まる」と評判に。優秀作品賞の中で唯一のオリジナル作となる『三度目の殺人』は、部門賞最多受賞という点にも注目が集まった。現在ダークホースとなっているのが野村萬斎主演の『花戦さ』。実は前回の日本アカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた『シン・ゴジラ』のモーションキャプチャを担当したのが野村だが、主演作(?)の連続受賞となるか。実際の結果は、日本テレビ系列『第41回日本アカデミー賞』(2日 21:00〜)にて放送される。調査時期:2017年2月21日〜2017年2月25日調査対象:マイナビニュース会員調査数:2,390名調査方法:インターネットログイン式アンケート
2018年03月02日『感染列島』『64-ロクヨン- 前編/後編』『友罪』などを手掛ける映画監督の瀬々敬久と女優・菊川怜が、WOWOWで放送される「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」のスタジオゲストに決定した。WOWOWでは、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて行われる映画界最高峰の映画の祭典「第90回アカデミー賞授賞式」を3月5日(日本時間)に生中継。今回日本のスタジオゲストに決定した瀬々監督と菊川さんは、案内役のジョン・カビラと高島彩と共に、授賞式の模様を伝える。さらに、レッドカーペット・レポーターを務めるすみれが、アカデミー賞授賞式の会場に向かうスターたちの様子や生の声を届ける。瀬々監督は、「ハリウッドの動向は世界やアメリカの政治や社会との緊張関係の中に、いつもあったと思います。とりわけアカデミー賞はまさにアメリカの現代史、そのものである気がします。今年も、何か象徴的な選択が行われるのではないか、いまから心躍っています」と期待。菊川さんは、「毎回数々のドラマが生まれるアカデミー賞授賞式にいまからワクワクが止まりません」と心境を明かし、「役者の方々の素晴らしい演技、そして制作スタッフのチームワーク全てが一体となり、それが観る者、ひとりひとりの“こころ”を震わす映画に繋がるのは本当に素晴らしいことだと思います。当日はテレビの前の皆さんも一緒に盛り上がりましょう!!」とメッセージを寄せている。「生中継!第90回アカデミー賞授賞式」は3月5日(月)8時30分~WOWOWプライムにて生中継(同時通訳)、同日21時~字幕放送。「第90回アカデミー賞 直前予想」は3月3日(土)13時45分~ほか随時放送。(cinemacafe.net)
2018年03月01日日本映画界でもっとも注目される日本アカデミー賞。映画界に3年以上関わっていることを条件とした「日本アカデミー賞協会」の投票によって決定する同賞だが、3月2日には第41回目の授賞式が行われる。現在各部門の優秀賞が発表されているが、授賞式では最優秀賞の栄光を手にする人や作品が明らかに。優秀主演男優賞には、大泉洋、岡田准一、佐藤健、菅田将暉、藤原竜也という、いずれも実力派の5人がそろった。マイナビニュースでは一足先に一般観客の予想を知るべく、マイナビニュース会員2,390名にアンケートをとった。Q.第41回日本アカデミー賞で最優秀主演男優賞をとると思う俳優は?1位 岡田准一(『関ヶ原』) 39.0%2位 藤原竜也(『22年目の告白-私が殺人犯です-』) 20.3%3位 大泉洋(『探偵はBARにいる3』) 16.7%4位 菅田将暉(『あゝ、荒野 前篇』) 13.6%5位 佐藤健(『8年越しの花嫁 奇跡の実話』) 10.4%○■岡田准一・「実際に映画館で観た作品で、司馬(遼太郎)の三成をよく演じていたと思う」(45歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)・「岡田さんの迫真の演技が素晴らしかったので、受賞して欲しいです」(46歳男性/システムインテグレータ/IT関連技術職)・「岡田さん、若いけど俳優としてとても魅力的です」(71歳男性/その他/その他)・「身体能力の高さを映画中でも発揮していたから」(24歳女性/その他/その他)・「嫌われものの石田三成を、嫌われる理由もわかるようにしつつ、かつ観客が共感できるように演じていたから。馬の扱いも素晴らしい」(29歳女性/銀行/専門職関連)○■藤原竜也・「観ている方が心の中まで見透かされる様な素晴らしい演技だった」(55歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)・「『藤原竜也』の悪人役というのがすごく印象的です。圧倒的に画面を支配します」(65歳男性/その他/その他)・「演じてるように思えないくらい役になりきっていた」(31歳女性/その他/その他)・「藤原竜也のキャラクターが無ければ成立しない作品だから」(42歳男性/その他/その他)・「藤原竜也のファンです。彼の演技が好きです」(54歳男性/ソフトウェア・情報処理/IT関連技術職)○■大泉洋・「大泉洋の演技は自然体で好感が持てるので」(44歳女性/信託銀行/事務・企画・経営関連)・「大泉洋さんのどんな役でもこなせる演技力が素晴らしいと思ったから」(50歳男性/その他/技能工・運輸・設備関連)・「大泉洋さん以外は全員イケメンだからです!」(44歳男性/その他/その他)・「これは映画館まで赴いて、久々に観たけど、エンターテイメントとしては密度の高い内容。大泉洋にあんな演技の才能があるとは思わなかった。いい意味で裏切られたと云っても過言ではない作品」(43歳男性/農林・水産/技能工・運輸・設備関連)○■菅田将暉・「菅田将暉さんの演技は鑑賞者を取り込む力があるから」(28歳女性/食品/販売・サービス関連)・「今年の顔。ワンランク上の人になってもらいたい」(31歳男性/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)・「色々な賞を総なめしている」(40歳女性/その他/その他)・「今飛ぶ鳥を落とす勢いのある菅田くんがとると思う。輝いている。演技も良。顔もかっこいい。言うことないと思う」(61歳女性/その他/その他)○■佐藤健・「ノンフィクション映画での演技力は抜群にうまいから」(47歳男性/その他/その他)・「佐藤健さんが実際のご主人とイメージがかぶり、情の深い印象が良かった」(57歳男性/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)・「作品への情熱と愛がすごく溢れてる演技なので」(23歳女性/その他/その他)・「けなげな婚約者役を演じきっていたから」(56歳男性/海運・鉄道・空輸・陸運/その他)○■総評予想の1位となったのは、アイドルグループ・V6のメンバーとしても活動する岡田准一。第38回日本アカデミー賞では、最優秀主演男優賞、最優秀助演男優賞、話題賞 俳優部門を獲得し、第39回ではプレゼンターとしても活躍。第40回では優秀主演男優賞を受賞するなど、4年連続で授賞式に登場している。映画『関ヶ原』では石田三成を演じたが、演技力だけでなく身体能力の高さにも注目が集まり、20代女性から70代男性まで、幅広い層から支持を受けた。藤原竜也や第3位の大泉洋は、フルネームを含んだ熱い文章が多く、俳優としての個性が浸透していることが見て取れる。最年少の菅田将暉は、ここ数カ月で第42回報知映画賞、第30回日刊スポーツ映画大賞、第91回キネマ旬報ベスト・テン、第72回毎日映画コンクール、おおさかシネマフェスティバル2018と数多くの賞に輝き、その勢いは見逃せないところ。現在『8年越しの花嫁 奇跡の実話』がロングヒット中の佐藤健は、ヒロイン役の土屋太鳳と優秀賞をW受賞した形となり、こちらも注目が集まっている。実際の結果は、2日に日本テレビ系列で放送される『第41回日本アカデミー賞』(21:00~)にて明らかになる。調査時期:2017年2月21日~2017年2月25日調査対象:マイナビニュース会員調査数:2,390名調査方法:インターネットログイン式アンケート
2018年03月01日◼︎切なくも愛おしい、新たなるファンタジー・ロマンスの傑作本日ご紹介するのは、ベネチア国際映画祭で最高賞にあたる「金獅子賞」を受賞し、来たるアカデミー賞でも作品賞・監督賞・主演女優賞をはじめ、多数の賞にノミネートされている『シェイプ・オブ・ウォーター』です。内戦後のスペインに生きる少女を描いたダーク・ファンタジー『パンズ・ラビリンス』や、菊地凛子・芦田愛菜も出演したSF怪獣映画『パシフィック・リム』などで知られるギレルモ・デル・トロ監督が、清掃員として働く口のきけない中年女性と、半魚人のような姿をした不思議な生きものとのロマンスを描きます。種族を超えたラブストーリーはこれまでも、『シザーハンズ』やディズニー映画『リトル・マーメイド』『美女と野獣』などで描かれてきました。しかし、本作はこれまでの作品とはひと味違います。その理由は、恋に落ちるふたりがどちらも見た目麗しい美女や美男ではなく、社会からはみ出した者たちであること。60年代という時代設定ながらも、どこか新しさを感じる、おとぎ話の傑作の誕生です。◼︎『シェイプ・オブ・ウォーター』のストーリー1962年、アメリカとソ連の冷戦時代。1階が映画館という変わったアパートでひとり暮らしをしているイライザ(サリー・ホーキンス)は、幼い頃のトラウマから口がきけないが、そのことに特に不便も感じず、職場と家を往復するだけの日常を過ごしていた。アメリカ政府の機密機関「航空宇宙研究センター」で清掃員として働いているイライザ。彼女にとって、手話で会話することのできる同僚のゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と、アパートの隣の部屋に住む売れない画家のジャイルズ(リチャード・ジェンキンス)だけが、数少ない友人だった。そんなある日、新しくセンターに異動してきたホフステトラー博士(マイケル・スタールバーグ)率いる研究チームが、アマゾンの奥地で現地の人々から神として崇められていた生きものを運び込む。半魚人のような姿をしたその不思議な生きものは、威圧的なエリート軍人ストリックランド(マイケル・シャノン)によって監視されていた。その不思議な生きものに虐待を行い、逆襲され傷を負ったストリックランドから、血に染まった部屋の清掃を頼まれたイライザ。彼女は、掃除の合間にその生きものの姿を盗み見て、”彼”(ダグ・ジョーンズ)の奇妙だが神々しくもある姿に一目で心を奪わるのだった。次の日から密かにその不思議な生きものの元へと通い始めたイライザは、自分の大好物のゆで卵を差し出し、”彼”と心を通わせるようになる。だが、ストリックランドが”彼”を生体解剖する計画を進めていることを知り……。◼︎見どころは、仄暗い青と緑につつまれた映像美本作の冒頭から、観客はその映像の美しさに目を奪われ、すぐに『シェイプ・オブ・ウォーター』の世界に没頭してしまうことでしょう。本作の色合いは、全体的に彩度が低く、主人公イライザのアパートの部屋から、清掃員たちのユニフォームまで、青や緑、琥珀色など水を連想させるような色であふれています。全編を覆う仄暗い青や緑の色合いの中で、「血と愛の色としてのみ使っている」とデル・トロ監督が語る、差し色としての”赤”がとても効いています。また、物語を水のように変動させるために「すべてが動いている」という流動性ある映像や、水中に似せた水のしたたりを見せることができる「擬似水中撮影技術」によって、俳優たちが目を開けたまま水中のシーンを演じることができたというシーンにも注目です。アカデミー主演女優賞にノミネートされたイザベラ役のサリー・ホーキンスの演技はもちろんのこと、主人公イザベラの同僚で、何かとイザベラの世話を焼くゼルダ役で同助演女優賞にノミネートされたオクタヴィア・スペンサー(『ドリーム』『gifted/ギフテッド』)の熱演も必見です。3月4日(現地時間)に開催されるアカデミー賞の授賞式の前に、ぜひ本作をスクリーンで確認してみませんか?◼︎『シェイプ・オブ・ウォーター』公開情報『シェイプ・オブ・ウォーター』3月1日(木)全国ロードショー監督:ギレルモ・デル・トロ『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スツールバーグ、オクタヴィア・スペンサー配給:20世紀フォックス映画上映時間:124分公式サイト: 2017 Twentieth Century Fox Film Corporation
2018年02月28日映画界最大の祭典である第90回アカデミー賞が3月5日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。昨年は「作品賞の発表ミス」という前代未聞のハプニングがあったが、記念すべき第90回授賞式では、どんなドラマが生まれるか?GG賞、英アカデミー賞に続き、アカデミー賞でも「黒の抗議」となるか例年であれば、女優たちが最新トレンドのドレスに身を包み“美の競演”を繰り広げるレッドカーペットだが、今年は黒一色になる可能性が高い。その理由はもちろん、長年映画業界に横行したセクハラを含めた、女性への性暴力撲滅を訴える「#Me Too」及び「Time’s Up」キャンペーンへの賛同だ。すでに第75回ゴールデングローブ賞、第71回英アカデミー賞で同様の現象が起こっており、この流れはアカデミー賞にも引き継がれるはず。授賞式では、オスカーを手にした受賞者がスピーチの際に、セクハラ問題に対し自分なりの主張を述べるかもしれないし、昨年に続き、司会を務めるジミー・キンメルがこの件をいかに“料理”するかも注目だ。ガル・ガドット、プレゼンターとして授賞式に参加すでに、過去のセクハラ疑惑が表面化しているオスカー俳優のケイシー・アフレックが、今年のプレゼンターを辞退したばかり。アカデミー賞では伝統的に、前年の主演男優賞受賞者が、主演女優賞のプレゼンターを務めてきただけに、「今年は誰がオスカー像を手渡すのか?」と憶測が飛び交っている。そんななか、『ワンダーウーマン』の主演ガル・ガドットが、プレゼンターとして授賞式に登場することが発表された。現時点でどの部門かは不明だが、力強い女性賛歌を体現した彼女は、主演女優賞のプレゼンターに適任かも。ほかにも、2月21日(現地時間)アカデミー賞の公式Twitterにて、マーク・ハミル、アーミー・ハマー、オスカー・アイザック、リン=マニュエル・ミランダ、ジーナ・ロドリゲス、エヴァ・マリー・セイント、ウェス・ステュディ、ケリー・マリー・トラン、ゼンデイヤがプレゼンターとして参加を発表した。人種差別・DV・セクハラ…“ハリウッド事情”が波乱を起こすか今年は主要部門の受賞結果に、大きな波乱はないと予想する。作品賞は『スリー・ビルボード』で決まり(加えて主演女優賞、助演男優賞、オリジナル脚本賞も大本命)。監督賞は13部門にノミネートされた『シェイプ・オブ・ウォーター』のギレルモ・デル・トロが輝くはず。番狂わせがあるとすれば、主演男優賞か。現時点では『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』のゲイリー・オールドマンが本命だが、ここに来て元妻からのDV告発が…。影響は未知数だが、ぜひとも、同作でメイクアップ賞候補に挙がっている辻一弘氏とのダブル受賞を願いたい。本命が強すぎて、受賞には至らないかもしれないが、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール監督がアフリカ系アメリカ人として、史上初めて、作品賞、監督賞、オリジナル脚本賞の3部門に同時ノミネートされたことは、かつて「白すぎる」と批判されたアカデミー賞の歴史をふり返ると、非常に意味深い。メアリー・J・ブライジ、オクタヴィア・スペンサーが候補に挙がる助演女優賞は、主要部門で唯一の混戦だ。(text:Ryo Uchida)
2018年02月25日『スリー・ビルボード』が英国アカデミー賞で5部門に輝いた。マーティン・マクドナーが監督を務めた同作は、 18日夜、同賞式典にて作品賞、脚本賞、英国作品賞、そしてフランシス・マクド―マンドが主演女優賞、サム・ロックウェルが助演男優賞をそれぞれ受賞した。マーティン・マクドナー(C)BANG Media International脚本も担当したマクドナー監督は、受賞スピーチの中で「タイムズ・アップ」運動についてこう触れている。「この映画は、たくさんの意味で、希望を持ったものであり、かつ怒りを持ったものでもあります。怒りが、人々に耳を傾けさせ、変えさせる唯一の手段になることがあるということを私たちは今年目の当たりにしています。このことを英国映画テレビ芸術アカデミーが認めてくれたことに興奮しています」と話した。昨年起きたハリウッドのセクハラ騒動に即して始まった「タイムズ・アップ」運動だが、マクドナー監督は今回、女性の強い部分を描くことに意欲的だったと明かしている。「それがこの映画でフランシス(マクド―マンド)と一緒に作り上げたものです。今年公開できたのは嬉しいです。『ミー・トゥー』運動や『タイムズ・アップ』運動にとっても素晴らしい出来事ですし、この運動の一部を担ったことを誇りに思っています」一方で、助演賞受賞のサムはマクド―マンドに敬意を表した。「これは、今まで出演した中で、最高のうちの1つだね。舞台で演じることに匹敵するよ。マーティンはこの役を俺のために創ってくれたんだ」他にも、『シェイプ・オブ・ウォーター』がギレルモ・デル・トロの監督賞を含む3部門で受賞。受賞スピーチの中で、ギレルモ監督はイギリスの文学史に輝く小説家メアリー・シェリーに敬意を表した。「私にとってイギリス史の中で最も重要な人物は、メアリー・シェリーという名のティーンエージャーです」「彼女は、私の人生にとって家族同様に大切な人物のままなのです。諦めそうになったり、私が夢見る映画は実現不可能だと言われる度に、彼女のことを何度も考えます」一方で、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』は、ロンドン出身のゲイリー・オールドマンが主演男優賞を含む2部門を受賞。ゲイリーは、受賞スピーチで「1940年の暗い時代に、チャーチルは祖国や世界のため尊厳や自由などといったものを貫いた。サー・ウィンストンに感謝しています」と自身が演じたウィンストン・チャーチルに敬意を表した。表彰式の最後には、映画監督巨匠のリドリー・スコットがフェローシップ賞をプレゼンターのジョアンナ・ラムレイから贈られ「この受賞の真の理由は、遅すぎる前に何かあげておいたほうがいいということだと思います」と冗談を飛ばしていた。(C)BANG Media International
2018年02月20日18日(現地時間)、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで英国アカデミー(BAFTA)賞授賞式が開催された。「People」誌などによれば、1月に行われたゴールデン・グローブ賞授賞式と同様、「Time’s Up」キャンペーンに賛同する出席者たちがこぞって黒のドレスを身につけ、レッドカーペットは“黒一色”に染まったという。そこに、タキシード姿のウィリアム王子とともに現れたのが「ジェニー・パッカム」のグリーンのドレスをまとったキャサリン妃。妊娠7か月のお腹の膨らみは、だいぶ大きくなっているようだ。首元にはドレスにマッチするエメラルドのジュエリー、足元は「プラダ」のスエードパンプスを合わせた。ジェニファー・ローレンス、シアーシャ・ローナン、ルピタ・ニョンゴら大多数のセレブが黒の装いだったにもかかわらず、グリーンのドレスを着てきたキャサリン妃に対して「残念だ」、「がっかりだ」という声がSNSで上がっている。しかし、一方で「王室は政治的な問題とは距離を取るものだから仕方ない」と擁護する人も。キャサリン妃は昨年BAFTA賞授賞式に出席した際は、皮肉にも「アレキサンダー・マックイーン」の黒のドレスを着用していた。(Hiromi Kaku)
2018年02月19日第71回英国アカデミー(BAFTA)賞が18日(現地時間)に発表され、マーティン・マクドナー監督の『スリー・ビルボード』が作品賞、フランシス・マクドーマンドが主演女優賞など5部門で最多受賞を果たした。『スリー・ビルボード』は英国映画賞、サム・ロックウェルが助演男優賞、監督であるマーティン・マクドナーが最優秀オリジナル脚本賞も受賞。マクドナー監督は受賞スピーチで「私たちの映画は多くの意味で希望に満ちたものですが、同時に怒りに満ちてもいます。そしてこの1年、我々が見てきた通り、時には怒りだけが、人々に耳を傾けさせ、何かを変えることができる方法なのです。BAFTAがそのことを評価してくれたのを非常にうれしく思います」と語った。オスカー前哨戦レースでも快進撃中の『スリー・ビルボード』はイギリスの製作会社「Film4」も出資しており、15日(現地時間)には昨年6月に多くの犠牲者が出たロンドン西部の高層住宅「グレンフェル・タワー」の火災について「71人死亡」「まだ誰も逮捕されない?」「なぜ?」と映画を模した看板が事故現場の前の通りに並べられ、ニュースになった。これは市民団体「Justice 4 Grenfell」が企画したものだ。同様に、アメリカでは14日(現地時間)にフロリダ州の高校で起きた銃乱射事件を受けて「学校で殺戮が起きた」「銃規制はまだ?」「どうしてなの、マルコ・ルビオ?」とルビオ上院議員に宛てた3枚の看板が17日(現地時間)にマイアミ市内に登場したのも伝えられている。最多12部門で候補になった『シェイプ・オブ・ウォーター』はギレルモ・デル・トロ監督が監督賞を受賞したほか、作曲賞、美術賞に輝き、同じく3部門を受賞。次いで2部門で受賞したのは『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』。ゲイリー・オールドマンが主演男優賞、メイクアップ&ヘア賞を受賞し、デヴィッド・マリノウスキーとイヴァナ・プリモラック、ルーシー・シビックとともに日本出身の辻一弘が受賞した。助演女優賞は『アイ,トーニャ史上最大のスキャンダル』のアリソン・ジャニーが受賞し、受賞者は主演も助演もすべて、ゴールデン・グローブ賞や映画俳優組合(SAG)賞、クリティックス・チョイス賞などオスカー前哨戦で影響力大の映画賞と同じ結果。3月4日(現地時間)の第90回アカデミー賞の俳優部門の結果がほぼ固まったと見る向きも多い。一般投票による、新人賞に当たる「EE ライジングスター」賞は『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤが受賞した。今年の授賞式は、「Time’s Up」運動に賛同した多くの出席者が黒を着用。特に女優たちのドレスはほぼ黒一色の中、BAFTA会長でもあるウィリアム王子と一緒に出席したキャサリン妃はダーク・グリーンをチョイス。イギリス王室の人々は、社会問題などについて特定の立場を表明しないのが決まりであり、キャサリン妃は胸元に黒いリボンを巻いていた。主な受賞結果は以下の通り。■最優秀作品賞『スリー・ビルボード』■英国映画賞『スリー・ビルボード』■最優秀男優賞ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)■最優秀女優賞フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)■助演男優賞サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)■助演女優賞アリソン・ジャネイ(『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』)■最優秀監督賞ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)■最優秀オリジナル脚本賞『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー■最優秀脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー■最優撮影賞『ブレードランナー2049』ロジャー・ディーキンス■最優秀外国語映画賞『お嬢さん』(韓国)■最優秀作曲賞『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ■最優秀アニメ映画賞『リメンバー・ミー』(text:Yuki Tominaga)
2018年02月19日アニメ界のアカデミー賞とされる第45回アニー賞が3日(現地時間)、ロサンゼルスで発表され、ディズニー/ピクサーの『リメンバー・ミー』が長編作品賞を始め、候補になった全部門を受賞した。日本から片渕須直監督の『この世界の片隅に』と神山健治監督の『ひるね姫~知らないワタシの物語~』が長編インディペンデント作品賞にノミネートされていたが、同賞は全9部門で候補になっていた『The Breadwinner』(原題)が受賞した。受賞スピーチには声の出演をしたアンジェリーナ・ジョリーも登壇し、監督や製作者、共演者と喜びを分かち合った。米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』は脚本賞とプロダクションデザイン賞2部門で候補になっていたが、残念ながら受賞はかなわなかった。最多11部門ノミネートで全部門を受賞した『リメンバー・ミー』。メキシコを舞台に、1年に1度だけ亡くなった家族と再会できるといわれる「死者の日」をテーマにした少年の物語で、3月4日(現地時間)発表の第90回アカデミー賞での長編アニメーション部門での受賞に向けて弾みがついた。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:この世界の片隅に 2016年11月12日より全国にて公開(C) こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会ひるね姫~知らないワタシの物語~ 2017年3月18日より全国にて公開(C) 2017 ひるね姫製作委員会メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
2018年02月04日セクハラ撲滅運動「Time’s Up」の支援表明として、ゴールデングローブ賞授賞式ではレッドカーペットに“黒一色”で集合したセレブたち。先日行われたグラミー賞では、“白いバラ”を身につけることが支援表明の証であった。この動きは2月18日(現地時間)にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われる英国アカデミー(BAFTA)賞でも取り入れられるようで、「WWD」によればノミネートを受けた女優たちや招待客が黒ずくめで参加するという。授賞式まで3週間を切っての決断だったこと、授賞式はロンドンファッションウィーク中に開催されることから、ファッションデザイナーやスタイリストは大きなプレッシャーを抱えることになりそうだ。BAFTAのスポークスマンは、ドレスコードを特に黒に設定しているわけではなく、出席者には自由に着たいものを着てほしいと語っている。今年のBAFTAはいままで12回も司会を務めてきたスティーヴン・フライに代わり、2001年ぶりとなる女性の司会者としてジョアンナ・ラムリーが選ばれたことですでに話題になっていた。BAFTA主演女優賞にはアネット・ベニング、フランシス・マクドーマンド、マーゴット・ロビー、サリー・ホーキンス、シアーシャ・ローナンがノミネートされている。(Hiromi Kaku)
2018年02月01日3月4日(現地時間)に開催される第90回アカデミー賞のノミネートが22日(現地時間)に発表。『シェイプ・オブ・ウォーター』が最多13部門で候補に選出された。長編アニメーション部門には日本から5作が候補対象作になっていたが、残念ながら最終候補5作には残れなかった。また、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で主演のゲイリー・オールドマンの特殊メイクを担当した日本人アーティスト、辻一弘がメイクアップ部門で候補になった。授賞式は3月4日(現地時間)、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催される。主要部門候補は以下の通り作品賞『君の名前で僕を呼んで』『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』『ダンケルク』『ゲット・アウト』『レディ・バード』『ファントム・スレッド』『ペンタゴン・ペーパー /最高機密文書『シェイプ・オブ・ウォーター』『スリー・ビルボード』主演男優賞ティモシー・シャラメ(『君の名前で僕を呼んで』)ダニエル・デイ・ルイス(『ファントム・スレッド』)ダニエル・カルーヤ(『ゲット・アウト』)ゲイリー・オールドマン(『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』)デンゼル・ワシントン(『Roman J. Israel, Esq.』原題)主演女優賞サリー・ホーキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)フランシス・マクドーマンド(『スリー・ビルボード』)マーゴット・ロビー(『アイ, トーニャ史上最大のスキャンダル』)シアーシャ・ローナン(『レディ・バード』)メリル・ストリープ(『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』助演男優賞ウィレム・デフォー(『The Florida Project』原題)ウディ・ハレルソン(『スリー・ビルボード』)リチャード・ジェンキンス(『シェイプ・オブ・ウォーター』)クリストファー・プラマー(『All the Money in the World』原題)サム・ロックウェル(『スリー・ビルボード』)助演女優賞メアリー・J・ブライジ(『マッドバウンド哀しき友情』)アリソン・ジャネイ(『アイ, トーニャ史上最大のスキャンダル』)レスリー・マンヴィル(『ファントム・スレッド』)ローリー・メトカーフ(『レディ・バード』)オクタヴィア・スペンサー(『シェイプ・オブ・ウォーター』)監督賞クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』)グレタ・ガーウィグ(『レディ・バード』)ポール・トーマス・アンダーソン(『ファントム・スレッド』)ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)脚色賞『君の名前で僕を呼んで』ジェームズ・アイヴォリー『The Disaster Artist』(原題)スコット・ニュースタドター、マイケル・H・ウェバー『ローガン』スコット・フランク、ジェームズ・マンゴールド、マイケル・グリーン『モリーズ・ゲーム』アーロン・ソーキン『マッドバウンド哀しき友情』(原題)オリジナル脚本賞『ビッグ・シック』エミリー・V・ゴードン、クマイル・ナンジアーニ『ゲット・アウト』ジョーダン・ピール『レディ・バード』グレタ・ガーウィグ『シェイプ・オブ・ウォーター』ギレルモ・デル・トロ、ヴァネッサ・テイラー『スリー・ビルボード』マーティン・マクドナー撮影賞『ブレードランナー 2049』ロジャー・ディーキンス『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ブルーノ・デルボネル『ダンケルク』ホイテ・ヴァン・ホイテマ『マッドバウンド哀しき友情』レイチェル・モリソン『シェイプ・オブ・ウォーター』ダン・ラウス作曲賞『ダンケルク』ハンス・ジマー『ファントム・スレッド』ジョニー・グリーンウッド『シェイプ・オブ・ウォーター』アレクサンドル・デスプラ『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』ジョン・ウィリアムズ『スリー・ビルボード』カーター・バーウェル主題歌賞「Mighty River」(『マッド・バウンド哀しき友情』)「Mystery of Love」(『君の名前で僕を呼んで』)「Remember Me」(『リメンバー・ミー』)「Stand Up for Something」(『Marshall』原題)「This Is Me」(『グレイテスト・ショーマン』)長編アニメーション映画賞『ボス・ベイビー』『The Breadwinner』(原題)『リメンバー・ミー』『Ferdinand』(原題)『ゴッホ最期の手紙』外国語映画賞『ナチュラル・ウーマン』(チリ)『The Insult』(原題)(レバノン)『心と体と』(原題)(ハンガリー)『ザ・スクエア思いやりの聖域』(スウェーデン)『ラブレス』(ロシア)(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ダンケルク 2017年9月9日より全国にて公開(C) 2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
2018年01月23日1月23日22時頃(日本時間)、第90回アカデミー賞のノミネーションが発表。日本人からは、ゲイリー・オールドマンを伝説リーダーのウィンストン・チャーチルに見事“変身”させた特殊メイク担当の辻一弘氏が、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされた。驚異の“変身”で主演ゲイリー・オールドマンが、第75回ゴールデン・グローブ賞、第24回全米映画俳優組合賞(SAG)でも主演男優賞を受賞し、第90回アカデミー賞にも主演男優賞にノミネートされ、作品賞にもノミネートされた本作。予告編の解禁では、一般のユーザーから「本当にゲイリー・オールドマン?」「特殊メイク!?別人やん!」など、その特殊メイクに多くの注目が集まっていた。この度、見事その特殊メイクが高く評価され、『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』がアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞のノミネート3作品に選出が決定。主演ゲイリー・オールドマンの特殊メイクを担当したのは、日本人の辻一弘氏。ゲイリーは、「理解するだけでなく、肉体的にも彼(チャーチル)を感じることができなければいけない。空間を彼のように動き、自分が鏡を覗いた時にそこに彼を見つける、少なくとも彼の精神が自分を見つめ返してこないことには、この役をできない」と感じ、「辻一弘が、私をその境地へと連れていってくれる唯一の人物だと思いました。彼はピカソのような人物です」と直々にオファーしたという。また同作からは辻氏と共に、David MalinowskiとLucy Sibbickがノミネートに名を連ねている。授賞式は3月4日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:cinemacafe.net)
2018年01月23日1月23日22時頃(日本時間)、第90回アカデミー賞のノミネーションが発表され、長編アニメーション部門の候補対象作に選出されていた『この世界の片隅に』をはじめ、日本の作品5本はノミネーションから外れたことが分かった。昨年11月にアカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミー(AMPAS)は長編アニメーション部門の候補対象となる26作を選出。その中には片渕須直監督の『この世界の片隅に』(英題『In This Corner of the World』)、米林宏昌監督の『メアリと魔女の花』(英題『Mary and the Witch’s Flower』)、神山健治監督の『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』(英題『Napping Princess』)、山田尚子監督の『映画聲の形』(英題『A Silent Voice』)、伊藤智彦監督の『劇場版ソードアート・オンラインオーディナル・スケール』(英題『Sword Art Online: The Movie Ordinal Scale』)の5作品が対象作として挙げられていた。今回の発表ではユニバーサル・スタジオとドリームワークス・アニメーションがタッグを組む『ボス・ベイビー』(3月21日公開予定)、ピクサーの最新作『リメンバー・ミー』(3月16日公開予定)、アンジェリーナ・ジョリーがプロデュースした『The Breadwinner』(原題)、『Ferdinand』(原題)、『ゴッホ最期の手紙』が候補になった。授賞式は3月4日(現地時間)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターにて開催される。(text:cinemacafe.net)
2018年01月23日若くしてアカデミー主演女優賞を獲得した演技派女優のジェニファー・ローレンスが、アカデミー賞と対極にあるゴールデンラズベリー賞に初めてノミネートされた。『MOTHER!』の演技で最低主演女優賞の候補に挙がっている。通称“ラジー賞”と呼ばれるこの賞は、毎年アカデミー賞の前日に行われる授賞式で2017年の最低な作品、監督、俳優などを発表する。賞の意味合いからトロフィーを受け取りにくる受賞者はほぼ皆無だが、過去にはハル・ベリーやサンドラ・ブロックが授賞式に出席し、トロフィーを受け取った。主なノミネーションは以下の通り。最低作品賞『ベイウォッチ』『絵文字の国のジーン』『フィフティ・シェイズ・ダーカー』『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』『トランスフォーマー/最後の騎士王』最低監督賞ダーレン・アロノフスキー 『MOTHER!』(原題)マイケル・ベイ 『トランスフォーマー/最後の騎士王』ジェームズ・フォーリー 『フィフティ・シェイズ・ダーカー』アレックス・カーツマン 『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』トニー・レオンディス 『絵文字の国のジーン』最低主演男優賞トム・クルーズ 『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』ジョニー・デップ 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』ジェイミー・ドーナン 『フィフティ・シェイズ・ダーカー』ザック・エフロン 『ベイウォッチ』マーク・ウォールバーグ 『トランスフォーマー/最後の騎士王』『パパVS新しいパパ 2』最低助演男優賞ハビエル・バルデム 『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』『MOTHER!』(原題)ラッセル・クロウ 『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』ジョシュ・デュアメル 『トランスフォーマー/最後の騎士王』メル・ギブソン 『パパVS新しいパパ 2』(原題)アンソニー・ホプキンス 『アウトバーン』『トランスフォーマー/最後の騎士王』最低主演女優賞キャサリン・ハイグル 『アンフォゲッタブル』)ダコタ・ジョンソン 『フィフティ・シェイズ・ダーカー』ジェニファー・ローレンス 『MOTHER!』(原題)タイラー・ペリー 『Boo 2! A Madea Halloween』(原題)エマ・ワトソン 『ザ・サークル』最低助演女優賞キム・ベイシンガー 『フィフティ・シェイズ・ダーカー』ソフィア・ブテラ 『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』ローラ・ハドック 『トランスフォーマー/最後の騎士王』ゴールディ・ホーン 『クレイジー・バカンス ツイてない女たちの南国旅行』スーザン・サランドン 『バッド・ママのクリスマス』(Hiromi Kaku)
2018年01月23日今年のアカデミー賞主演女優賞レースは、ベテラン女優の間で接戦が繰り広げられている。現時点で主演女優賞ノミネーション必至と見られているのは『スリー・ビルボード』のフランシス・マクドーマンド。娘の殺人犯を見つけることができない地元警察を見限り、自ら3つのビルボードを駆使して地域社会とともに犯人探しを始めて悲喜劇を巻き起こす怒りに燃える母親を演じて絶賛されている。本作は2017年度トロント映画祭の最高賞に当たる観客賞を受賞しており、マクドーマンドのみならず劇中で人種差別警察官を演じた助演男優サム・ロックウェルも助演男優賞候補で有力視されている。フランシスほかシアーシャ・ローナン&マーゴット・ロビーもこのほか、主演女優カテゴリーで恐らくノミネートされるであろう女優として、青春映画『レディ・バード』で破天荒なティーンエイジャーを好演するシアーシャ・ローナンと、ギレルモ・デル・トロ監督の期待作『シェイプ・オブ・ウォーター』で悪者科学者に捕らえられて生体実験されつつある人魚男と恋に落ちてしまう口の不自由な女性を切なくも愛らしく演じて大評判のサリー・ホーキンスがあげられる。前出の3名はノミネーションが確実視されているが、残る2つのスポットにはいったい誰が収まるのだろう?今年は特にデッドヒートの主演女優レースと言われており、前回の特集記事でご紹介した『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』のメリル・ストリープが4つめのスポットを占めるのではといううわさが高い中で、5つめのスポットを巡ってのデッドヒートが繰り広げられている。『スーサイド・スクワッド』で悪魔的カワイさが印象的なハーレイ・クインを演じたマーゴット・ロビーが、一昔前にオリンピックでライバルの選手を故意に傷つけ大会棄権に追い込むという大事件を起こしたトーニャ・ハーディングの実話を基にした『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』で主人公を赤裸々に演じており、ノミネーションの呼び声が高い。だがそれを追い上げているのが、こちらも実在の堕ちたハリウッド女優を題材にしたドラマ作品『モリーズ・ゲーム』のジェシカ・チャステインも批評家たちの間で人気である。そのほかにも『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド/All the Money in the World』(原題)のミシェル・ウィリアムズ、『ワンダー・ウィール/Wonder Wheel』(原題)のケイト・ウィンスレットなどが待機しているが、主演女優カテゴリー5つめのスポットを目指して、マーゴット vs. ジェシカのバトルになる気配が濃厚。それにしても、今年も見事なまでに白人女優で固められたノミネーション予想図となっている。マイノリティ女優たちが良質の役柄を得ることがどれだけ難しいかという事実を証明しており、まだまだ白人そして男性優位のハリウッド映画業界がこのバランスの悪い状況に対してこれからどのような策を講じていくのか、その動向に注目が集まる。ジェームズ・フランコ『ザ・ディザスター・アーティスト』賞レースに話を戻そう。今年の主演男優賞レースには意外な新顔が参戦している。マリファナを吸わせる役をやったらこの人の右に出る者はいないと言われている(笑)、ジェームズ・フランコである。これまでシリアスな俳優として見られていなかった彼が、「ついに本領を発揮した!」と絶賛されているのが『ザ・ディザスター・アーティスト/The Disaster Artist』(原題)という実話を基にしたコメディ・ドラマ作品だ。ジェームズが製作・監督・脚本・主演を兼ね、“史上最低の最高カルト映画”こと、『The Room』の破茶滅茶なメイキングが物語の中心だ。ジェームズは、『The Room』を作ったエキセントリックな人物トミー・ウィソーを演じているのだが、ジェームズの役にはまり切った見事なパフォーマンスには感動すら覚える。共演でトミーの友人を演じる弟デイヴ・フランコとの息も絶妙で、ハリウッドの有名業界誌「バラエティ」、「ハリウッド・レポーター」などがこぞってジェームスの業績を絶賛しており、初のオスカー像も夢ではないとささやかれている。ゲイリー・オールドマン『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』だがそんなジェームズの前に立ちはだかるのが、今年こそは主演男優賞を受賞すると言われているアノ人。「え~?まだアカデミー賞とったことなかったっけ?」と、よく意外がられるその熟年俳優は、ゲイリー・オールドマンだ。日本では3月公開予定となっている『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でチャーチル元英国首相を演じている彼は、映画のオープニングでひと目見ただけではわからないほどで圧巻。首相に就任した当初は、自分の所属する党からも疎んじられるほどの異端児だったチャーチルは、厳格な面構えと歯に衣を着せぬ物の言い方で、周囲からは尊敬の念というよりは“コワい偏屈ジジイ”に近い目で見られていた。エリザベス二世の波乱万丈の若かりし日を描いて大人気のNetflixオリジナル・シリーズ「ザ・クラウン」では、チャーチルが首相として尊敬されエリザベス女王からも一目置かれている存在として描かれていたが、この映画では第二次大戦開戦直後のヒトラーが猛威を振るう怒涛の時期に首相となるチャーチルが描かれている。今年アカデミー作品賞にノミネートされるであろう映画『ダンケルク』をイギリス政界の内部から描いたのがこの作品というとわかりやすいかもしれない。英国議会がナチス・ドイツとの平和交渉を望む状況下で唯ひとり反旗を翻し四面楚歌だったチャーチルは、あくまでもヒトラーを信用せず、自分の直感と英国の民たちの声を代表すべく、議会からの平和交渉提案を却下し続けた。窮地に追い込まれつつも自信を持って正義を貫くチャーチルを演じるゲイリー・オールドマンの演技は素晴らしい。まさにオスカー像に値するパフォーマンスであり、アカデミー賞予想サイトで彼の主演男優賞受賞確率が最も高いことにも納得がいく。界隈の下馬評でトップ5のギリギリをさまよっている『ゲット・アウト』のダニエル・カルーヤが、大先輩トム・ハンクスかダニエル・デイ・ルイスを差し置いてノミネートされるというドンデン返しのシナリオも見てみたい気がするが、果たして今年のアカデミー賞ノミネーションの行方はいかに!?ノミネーション発表は、米国西海岸時間1月23日早朝、日本時間1月23日22時頃に行われる。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2018年01月22日先のゴールデン・グローブ賞で最多4部門を獲得し、アカデミー賞作品賞に“最も近い”とされるトロント国際映画祭・観客賞を受賞している『スリー・ビルボード』。2月1日(木)からの日本公開に先立ち、怒れる母を演じた主演フランシス・マクドーマンドや、脚本も手がけた鬼才監督マーティン・マクドナーらが本作について語る特別映像をシネマカフェが独占入手した。本年度賞レースの大本命との呼び声も高い本作。このたび到着したのは、マクドナー監督やキャスト陣が本編映像と共に本作について語った特別映像だ。娘を殺した犯人の逮捕を願い、孤高の闘いを決意する母ミルドレッドが「私の娘は7か月前 この道沿いで殺されました」とテレビカメラに語る姿から始まる本映像。演じたフランシスは、「彼女が求めてるのは復讐ではなく正義よ」と語り、本作が憎しみと悲しみが生み出した単なる復讐劇ではないことを暗示する。また、脚本・製作も務めたマクドナー監督は、26歳で劇作家としてデビュー以来、常に全世界の演劇界を震撼し続ける鬼才。母ミルドレッドについて「フランシスを当て書きした。感傷的にならずに演じてくれる。役に忠実なのに、コメディもできる」と明かす。すると、フランシスも「(私は)コメディアンではないけど笑いは生める。物語の中でユーモアが重要な場合はね。大事なのは忠実に演じること。人物を取り巻く環境が笑いを生むの」と、壮絶な物語ながら笑いが生まれるシーンもあることを語っている。彼女と対立する警察官ディクソンを演じたのは、『コンフェッション』『月に囚われた男』などで知られる演技派サム・ロックウェル。彼が「マーティンがいままで書いた中で、(ミルドレッドは)最高のキャラクターだよ」と断言するように、映像の最後は、彼女の「ビッチ!」というまさかの言葉で締めくくられている。最愛の娘を惨殺された母が3枚の巨大看板を買うという行動は、小さな田舎町にどんな影響をもたらすのか、ますます気にならずにいられない。『スリー・ビルボード』は2月1日(木)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年01月21日アカデミー賞3部門ノミネートし、NASAを支えた知られざるヒロインたちを実話に基づき描いた映画『ドリーム』が17日、動画配信サービス・ビデオマーケットで配信を開始した。舞台は1961年のアメリカ。当時のアメリカはソ連と熾烈な宇宙開発競争を繰り広げていた。NASAに所属する優秀な黒人女性グループのひとり、キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)は天才的な数学の知識を持っており、宇宙特別研究本部のメンバーに配属されるが、白人男性ばかりの職場で劣悪な環境だった。彼女と仲の良い同僚で、管理職への昇進を願うドロシー・ヴォ―ン(オクタヴィア・スペンサー)とエンジニアを目指すメアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)も、理不尽な障害にキャリアアップを阻まれていた。しかしそれでも仕事と家庭を両立させ夢を追い続けた3人は、「宇宙飛行士ジョン・グレンを宇宙空間に送り出し無事に帰還させる」という合衆国の威信をかけた一大事業に尽力し、NASAの頭脳として最も重要な役割を担いながらも近年までほとんど語られることのなかった感動の実話だ。北米では『ラ・ラ・ランド』の興行収入を上回り、映画情報サイト・シネマトゥデイが選んだ2017年映画ベスト20(2017年1月1日~12月31日に劇場、放送、ストリーミングなどで日本初公開された全ての映画が対象)でも、見事に1位に輝いている。また当初、邦題では『ドリーム 私たちのアポロ計画』を予定していたが、映画で中心的で描かれているのがマーキュリー計画であることもあり、SNS上を中心に批判が殺到。結果的に「私たちのアポロ計画」が削除され、『ドリーム』に変更された。
2018年01月18日前回の「入門編」では、作品賞候補の声が高い作品の中から、確実にノミネートされそうな選りすぐり5作品を分析してみたが、今回はノミネート必至の女優&男優にスポットを当ててみた。メリル・ストリープ『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』アカデミー賞候補の常連で、今年も主演女優賞ノミネートが確実視されているのがメリル・ストリープ。実話を基にしたサスペンス作品『ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書』で、米国政府のベトナム戦争関与をめぐる恐るべしうそと陰謀を公に知らしめたワシントン・ポスト紙の勇気ある女性発行人キャサリン・グラハムを演じているメリル。そのパフォーマンスは芸術の域にあり、観ているものを魅了する。またタイトルにもある最高機密文書を暴露した実在のポスト紙記者ベン・ブラッドリーをトム・ハンクスが熱演。ベテラン俳優ふたりの掛け合いを見るのは映画ファンにとっては極上の贅沢。十中八九、メリルとともにトム・ハンクスも主演男優賞候補としてノミネートされるだろう。しかしながらこのふたりが実際にオスカー像を受賞できるかというと、そこは微妙だ。とにかくこのふたりはアカデミー賞候補の常連であり受賞歴もあることからおそらくノミネートはされるものの、実際に受賞するのは別の俳優になりそうな予感がする。ティモシー・シャラメ『君の名前で僕を呼んで』受賞歴がない俳優で今年目立った存在なのがティモシー・シャラメ。『君の名前で僕を呼んで』という小粒の作品に出演している俳優なのだが、批評家たちの間で絶賛されており、オンラインの予想サイトでも主演男優賞候補予想のトップ3に入っているサイトが多い。この作品は最近のハリウッド映画には珍しい青春映画(死語!?)で、甘酸っぱい恋愛を描いた作品なのだが、男女のロマンスではなく、17才の少年が年上のイケメン知的男性(アーミー・ハマー)にひと夏の恋をするというストーリーで同性への愛に目覚めていくティーンを描いておりオーソドックスな青春映画とは大いに異なるいまどき青春映画。アカデミーが多様性を目標に掲げていることを考えると、ティモシー・シャラメの受賞も夢ではなく有力なダークホースといえる。ダニエル・デイ・ルイス『ファントム・スレッド』前出のメリル・ストリープ、トム・ハンクスと同様、アカデミー賞常連のダニエル・デイ・ルイスも、『ファントム・スレッド』で今年のアカデミー賞レースに名を連ねている。1950年代ロンドンを舞台に社交界の人気者で独身貴族だったドレスデザイナーを演じており、愛人でありデザインのインスピレーションでもある女性の出現で、頑なまでに守ってきた自分の人生に思わぬ変化が生じて戸惑う主人公を演じ上げている。ダニエル・デイ・ルイス俳優生活最後の作品と言われており、主演男優部門へのノミネーションはほぼ確実視されている。果たして彼が4度目の受賞で有終の美を飾るか?今年は、前出のティモシー・シャラメも含めてフレッシュな有力候補も名を連ねており、最有力視されているアノ男優のことも念頭に入れると、ダニエルの受賞確率は多少低めの予想だ。次回は、“フレッシュな有力候補”ならびに主演男優賞「最有力候補」と囁かれているアノ男優、そしてしのぎを削る主演女優賞レースの概要をご紹介する。(text:Akemi K. Tosto)(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2018年01月16日「第41回 日本アカデミー賞」において優秀賞が発表された。『君の膵臓をたべたい』『三度目の殺人』ほか、アニメーション作品からは『メアリと魔女の花』『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』などが優秀賞に選ばれ、新人俳優賞には中条あやみ、浜辺美波、北村匠海、竹内涼真が決定した。同賞は、2016年12月16日~2017年12月15日に公開され、選考基準を満たした作品を対象に選出。表彰式は3月2日(金)に行われ、「第40回日本アカデミー賞」において最優秀主演女優賞に輝いた宮沢りえと、日本アカデミー賞協会組織委員会副会長の西田敏行が司会を務める。今回優秀作品賞には5作品が決定。まず、浜辺美波と北村匠海W主演映画『君の膵臓をたべたい』。本作では、浜辺さんと北村さんが共に新人俳優賞に選ばれたほか、吉田智子が優秀脚本賞に選出。続いて『そして父になる』の是枝裕和監督と、福山雅治が2度目のタッグを組んだ『三度目の殺人』。是枝監督オリジナル脚本の法廷心理ドラマを描く本作は、是枝監督が優秀監督賞&脚本賞、優秀助演男優賞に役所広司、優秀助演女優賞に広瀬すず。さらに音楽賞、撮影賞、照明賞、録音賞、編集賞を受賞。「V6」岡田准一主演の『関ヶ原』では、原田眞人が優秀監督賞、岡田さんが優秀主演男優賞、『三度目の殺人』でも名が挙がった役所さんが同じく助演男優賞、そのほか、音楽賞、撮影賞、照明賞など。東野圭吾史上最も泣ける感動作を映画化した『ナミヤ雑貨店の奇蹟』では、西田敏行と尾野真千子が優秀助演男優賞&女優賞のほか、監督賞、脚本賞などを受賞。そして、野村萬斎、市川猿之助、中井貴一ら「狂言×歌舞伎×日本映画界」のトップが競演する『花戦さ』では、篠原哲雄が優秀監督賞、森下佳子が優秀脚本賞を受賞した。またアニメーション作品からは、広瀬すず、菅田将暉、宮野真守らが声の出演をし注目を集めた『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、高畑充希が主人公を演じた神山健治監督作『ひるね姫 ~知らないワタシの物語~』、杉咲花&神木隆之介出演『メアリと魔女の花』、シリーズ最高興収68.9億円を記録した『名探偵コナン から紅の恋歌』、森見登美彦のベストセラー小説を映画化した『夜は短し歩けよ乙女』と5作品が選ばれた。さらに、優秀外国作品賞には『ダンケルク』『ドリーム』『美女と野獣』『女神の見えざる手』『ラ・ラ・ランド』。このほかにも、優秀主演男優賞には大泉洋(『探偵はBARにいる3』)、佐藤健(『8年越しの花嫁 奇跡の実話』)、菅田将暉(『あゝ、荒野 前篇』)、藤原竜也(『22年目の告白-私が殺人犯です-』)。新人俳優賞には『チア☆ダン~女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話~』から中条あやみ、『帝一の國』から竹内涼真と、いま注目の俳優が決定した。各賞の最優秀賞発表&授賞式は、3月2日(金)グランドプリンスホテル新高輪にて開催。同日21時からは日本テレビ系にて「第41回日本アカデミー賞授賞式」を放送予定。(cinemacafe.net)■関連作品:ひるね姫~知らないワタシの物語~ 2017年3月18日より全国にて公開(C) 2017 ひるね姫製作委員会名探偵コナン から紅の恋歌 2017年4月15日より全国東宝系にて公開(C) 2017 青山剛昌/名探偵コナン製作委員会花戦さ 2017年6月3日より全国にて公開(C) 2017「花戦さ」製作委員会夜は短し歩けよ乙女 2017年4月7日より全国にて公開(C) 森見登美彦・KADOKAWA/ナカメの会君の膵臓をたべたい 2017年7月28日より全国東宝系にて公開(C) 2017「君の膵臓をたべたい」製作委員会メアリと魔女の花 2017年7月8日より全国東宝系にて公開(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか? 2017年8月18日より全国東宝系にてロードショー©; 2017「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」製作委員会
2018年01月15日全米監督協会賞(DGA)のノミネーションが発表された。1948年以来、DGAの長編映画監督賞とアカデミー賞の監督賞は7人を除いて一致していることから、DGAの結果は見逃せないものとなっている。昨年アカデミー賞で監督賞を獲得した『ラ・ラ・ランド』のデイミアン・チャゼルもDGA監督賞の受賞者であった。今年長編映画監督賞にノミネートされたのは、ギレルモ・デル・トロ(『シェイプ・オブ・ウォーター』)、グレタ・ガーウィグ(『レディ・バード』)、マーティン・マクドナー(『スリー・ビルボード』)、クリストファー・ノーラン(『ダンケルク』)、ジョーダン・ピール(『ゲット・アウト』)の5人。ノーラン監督がDGAにノミネートされるのは『メメント』、『ダークナイト』、『インセプション』以来4回目。また、5人の中で唯一の女性のガーウィグ監督は、DGA史上長編映画監督賞にノミネートされた8人目の女性監督だ。過去、DGAにノミネートされた監督たちの80パーセントはアカデミー賞でもノミネートされている。アカデミー賞のノミネーションは1月23日(現地時間)に発表、DGA授賞式は2月3日、そしてアカデミー賞授賞式は3月4日に開催される。(Hiromi Kaku)■関連作品:ダンケルク 2017年9月9日より全国にて公開(C) 2017 Warner Bros. All Rights Reserved.
2018年01月12日