ミニアルバム『嬉しい声をほんのちょっと』をリリースした、藤川千愛さん。1曲目の「愛の歌」はアニメ『マイホームヒーロー』のオープニングテーマで、シリアスな世界観をエモーショナルに歌い上げた。“痛み”や“死”といったキーワードがちりばめられた歌詞も印象的だ。「もともと原作の漫画を夢中で読んでいたので主題歌に関われて嬉しかったですね。自分の一番大切なものを失ってしまいそうになることへの恐怖や怒りをリアルに書きたくて、それは自然と〈愛してるって何だろうね〉と考えることに繋がりました」今作には「愛の歌」のようなロックな曲もあれば、スイートな雰囲気のポップ・ナンバー「君の匂いは鎮静剤」も。この曲の歌詞は、彼女にまつわる「ある現象」がモチーフ。「私は何かの匂いを嗅ぐと記憶や感情が蘇ることがあって、プルースト現象といわれるものらしいんですけど。例えば高校時代の通学路や、田舎で暮らしていた景色を、何かの匂いで急に思い出したり。そんな香りにまつわる曲を書こうと、甘い匂いがしてくるような歌詞にしました」他にも「ちゃんとした人不適合者」や「面倒な女」など、自身を曝け出しながら聴き手も含めて全力で肯定してくれるような刺激的な楽曲が聴きどころ。そしてラストの「なにも忘れるわけじゃない」では、もう会えない人への愛情を真摯に歌った。「私が音楽を始めるきっかけになったおじいちゃんは演歌歌手をしながらカラオケ喫茶を経営していたんですけど、一昨年に亡くなって。ずっと受け入れられなかったんですが、私はおじいちゃんのことを忘れないから、私の中で生き続けるんだという想いを込めてこの曲を書きました。なので歌詞も自然と岡山弁になりましたね。私は歌うから、おじいちゃん見ててねっていう気持ちです」音声学も勉強して歌と向き合い、海外公演のために英語も始めたという。そんな藤川さん、休日には古着屋を巡るのが好きなのだとか。「’60年代から’80年代くらいの古着が好きで、家具もヴィンテージが好き。普段はベルボトムのデニムに、ちょっとダサいスウェットやジャージを合わせるスタイルが多いです。ライブではアドレナリンが出まくって、なかなか眠れなくなっちゃうほどなので、普段はめちゃくちゃリラックスしています(笑)」Mini Album『嬉しい声をほんのちょっと』。ロックなサウンドと独自の世界観を放つ歌詞が刺激的。「リゲル」など含む全7曲。【初回限定盤(CD+BD)】¥5,000【通常盤(CD)】¥2,000(日本コロムビア)ふじかわ・ちあい1995年6月6日生まれ、岡山県出身。2018年11月に開催されたライブでデビュー。千鳥・ノブさんとのコラボやBUCK-TICKトリビュートアルバムへの参加など幅広く活躍中のシンガー。※『anan』2023年4月19日号より。写真・小笠原真紀取材、文・上野三樹(by anan編集部)
2023年04月17日株式会社インフィオラータ・アソシエイツは、コロナ禍で海外での活動が止まっていた花絵師 藤川靖彦の海外活動再始動にあたり、「花絵師 藤川靖彦 花絵巡礼記/ベルギー・スペイン2022」を、12月3日(土)~14日(水)まで、東京都中央区の「Saf Gallery(GINZA SIX 5階)」にて開催します。Brussels Flower Carpet 2022世界的な花絵師として、2012年から20ヶ国地域で作品を創作してきた藤川靖彦。しかし世界中に感染拡大したコロナ禍で、2020年から海外での活動が休止、東京で開催を予定していたフラワーカーペットの世界大会「ワールドフラワーカーペット」も中止となりました。そんな中、今年8月にベルギーの「ブリュッセルフラワーカーペット」が、4年ぶりにグランプラスで開催、約1,800m2にも及ぶ巨大なフラワーカーペットの制作には、世界6ヶ国から花絵師達が招かれ、アジアからは藤川が代表として参加、海外活動のリスタートとなりました。また9月にはスペインのサロー(カタルーニャ州)で、フラワーカーペットの国際大会が開催され、イタリア・スペイン・メキシコ等14ヶ国地域が参加、アジアからは藤川が代表として参加しました。UN MAR DE FLORS A LA COSTA CATALANA 2022今回の展覧会では、花絵師 藤川靖彦の海外活動リスタートとなる、ベルギーとスペインでの創作ドキュメントを写真や映像等で紹介していきます。また会場には、藤川が2018年にブリュッセルで創作した、グランプラス世界遺産20周年記念作品「東大寺南大門金剛力士像」の花絵も展示します。さらに期間中はゲストを招いてのギャラリートークも開催、展覧会を通じて、多くの方々に花絵の魅力を伝えていきます。東大寺南大門金剛力士像原画デザイン<開催概要>■開催名称 :花絵師 藤川靖彦 花絵巡礼記/ベルギー・スペイン2022■開催期間 :2022年12月3日(土)~12月14日(水) 10:30~20:30※12月3日(土)は、17:00オープンとなります。■開催会場 :Saf Gallery(東京都中央区銀座 GINZA SIX 5階)■展示内容 :2022年8月と9月、花絵師 藤川靖彦がベルギーとスペインで創作した、フラワーカーペットの創作ドキュメントを写真と映像で紹介。また2018年にベルギーで創作した花絵作品「東大寺南大門金剛力士像」も展示します。■入場費用 :無料■主催 :株式会社インフィオラータ・アソシエイツ■協力 :一般財団法人Synchro Art Foundation/株式会社アース■協賛 :一般社団法人ONE福島※文化庁「ARTS for the future! 2」補助対象事業<ギャラリートーク>現在、藤川靖彦が番組DJを務めるinterfm897レギュラー番組「Flower’s YELL」の公開ライブトークを行います。ゲストには藤川がスペインで創作した作品の原画をデザインした画家の桂川桃子さんと、TOKYO LIGHTS大会総合プロデューサーの石多未知行さんをお迎えします。●12月4日(日) 14:00~ ゲスト:桂川桃子(画家)●12月11日(日) 14:00~ ゲスト:石多未知行(クリエイティブディレクター)桂川桃子石多未知行<藤川靖彦プロフィール>藤川靖彦花絵師/フラワースケープ・アーティスト一般社団法人花絵文化協会 代表理事株式会社インフィオラータ・アソシエイツ 代表取締役社長藤川靖彦1961年東京生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。限りある命=Ephemeral をテーマに、国内外において花やキャンドル等を使ったエフェメラル・アートを創作。大地をキャンバスに花びらで描く花絵「インフィオラータ」の日本の第一人者で、現在まで21年間に国内外約400ヵ所で1500を超える作品を創作・プロデュースした。海外では歌舞伎絵を花で再現する「花歌舞伎」は、世界20ヶ国地域で創作されている。2015年6月、スペインでの創作を、毎日放送「情熱大陸」が密着取材を行い大反響を呼んだ。これを機にテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等に数多く出演中。また現在在京FM局interfm897にて番組DJも行う。(毎週土曜日16:43~16:58放送「Flower’s YELL」)エンジン01文化戦略会議会員/エフェメラル・アート国際連盟理事/一般財団法人Synchro Art Foundation所属 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年12月01日株式会社インフィオラータ・アソシエイツは、藤川靖彦の活動20周年を記念し、「花絵師 藤川靖彦×インフィオラータ 20年の軌跡展」を、11月6日(土)~14日(日)まで、芝浦のSOW CO.Galleryで開催します。公式ホームページ: キービジュアル世界的な花絵師として国内外で活動する藤川靖彦が、2001年10月、イタリア発祥のフラワーアート「インフィオラータ(花の絨毯)」を日本で初めて開催し今年20周年を迎えました。従来のスタイルにとらわれず、“伝統と革新”をテーマに新しいスタイルの作品を発表し続け、2012年には日本代表として世界大会に出場、その後アジア圏初の国際連盟理事となり、世界を舞台に活動が始まりました。2012年の世界大会で発表した、藤川のオリジナル作品「花歌舞伎(浮世絵の役者絵を花で描いた作品)」は、大きな話題を呼び、その後国内外の様々なメディアで紹介されています。今回の展覧会では、これまでの20年間の歴史を写真や原画、作品等で紹介していくとともに、花絵師 藤川靖彦の代表作である「花歌舞伎」や、水谷千恵子、谷口亮、白井貴子等、様々なアーティストとのコラボレーション作品も展示します。また、特別展を11月11日(木)~14日(日)まで、東京ミッドタウン日比谷1階アトリウムで開催します。2015年にスペインのガリシア州に招かれ創作し、「情熱大陸」でも紹介された歌川国貞作“今様押繪鑑 白拍子櫻子”を、10,000本の生花を使い巨大な花絵で再現します。さらに期間中はゲストを招いてのトークイベントやワークショップも開催、展覧会を通じて、多くの方々に花絵の魅力を伝えていきます。■開催概要<メイン会場>●開催会場 SOW CO.Gallery(東京都港区芝浦2-17-9)●開催日時 11月6日(土)~14日(日) 11:00~19:00 ※日曜日は17:00閉館●観覧費用 1,000円(税込) ※会場でも購入いただけます<特別展会場>●開催会場 東京ミッドタウン日比谷1階アトリウム(東京都千代田区有楽町1-1-2)●開催日時 11月11日(木)~14日(日)●観覧費用 無料<共通>●公式ホームページ ●主催 株式会社インフィオラータ・アソシエイツ●共催 一般社団法人花絵文化協会●後援 Coordinadora Internacional de Entidades de Alfombristas de Arte Efimero/InterFM897●会場協力 東京ミッドタウン日比谷●協賛 株式会社ポピー/株式会社アース※文化庁「ARTS for the future!」補助対象事業■みどころ<メイン会場>20年の軌跡を10のゾーンで紹介。●フラワードレス水谷千恵子さんがデザインしたドレスを、フラワードレスにして再現。フラワードレス●花衣雪だるま谷口亮さんがデザインした“ヌヌコ”のサンタクロースを、花の雪だるまで制作。背景にはペイントアーティスト さとうたけしさんが、フィンランドのクリスマスをペインティング。●花歌舞伎花絵師 藤川靖彦が海外で創作した「花歌舞伎」4作品をアーティフィシャルフラワーで創作。花歌舞伎●Flower's YELL東日本大震災の被災地に向け、白井貴子さんがデザインしたFlower's YELL作品「Try Try Again」を、アーティフィシャルフラワーで創作。●花mal藤川靖彦がアフリカのサバンナで撮影した野生の動物たちの写真と、街や旅先で撮った花の写真をコラージュさせた新作作品「花mal」。人間国宝の和紙職人 岩野市兵衛さんとコラボレーションした5枚の作品を展示。花mal●サンドアート平安時代から室町時代にかけて熱狂的に流行った“能楽”の一源流である「田楽」をモチーフに、花舞台で舞う田楽法師たちが、世界の平和を祈念した壮大なデザインを、130時間かけて創作したサンドアート。<特別展会場>2015年に「情熱大陸」で紹介された歌川国貞作“今様押繪鑑 白拍子櫻子”を、10,000本の生花で、30m2の巨大な花絵として創作。■ギャラリートークイベント現在、花絵師 藤川靖彦が番組DJを務めるInterFM897レギュラー番組「Flower's YELL」の公開ライブトークを、多彩なゲストを招いて行います。<メイン会場>●11月7日(日) 14:00~ ゲスト:ジェームス小野田(米米CLUB) ※ライブ演奏あり●11月13日(土) 17:00~ ゲスト:白井貴子(シンガーソングライター)●11月14日(日) 13:00~ ゲスト:杉野宣雄(押し花作家) ※作品公開制作あり<特別展会場>●11月11日(木) 17:00~ ゲスト:真戸原直人(アンダーグラフ)●11月13日(土) 13:00~ ゲスト:白井貴子(シンガーソングライター) ※ライブ演奏あり■ワークショップ期間中、メイン会場では、アーティフィシャルフラワーの小さなフラワービーズを並べて、箱の中に1枚の花絵を完成させるテーブルインフィオラータ「花の箱庭」のワークショップを随時開催します。ご購入いただいたキットを、会場内にて作品に作り上げることができます。●参加費用 3,000円(税込/花の箱庭キット購入費)■藤川靖彦 プロフィール藤川靖彦 YASU FUJIKAWA花絵師 / Flowerscape Artist株式会社インフィオラータ・アソシエイツ 代表取締役社長1961年東京生まれ。日本大学芸術学部演劇学科卒業。限りある命=Ephemeralをテーマに、国内外において花やキャンドル等を使ったエフェメラル・アートを創作。大地をキャンバスに花びらで描く花絵「インフィオラータ」の日本の第一人者で、現在まで国内外350ヵ所以上で作品を創作・プロデュースし年間150万人以上の集客をはかるアートイベントへと育て上げた。近年は海外で歌舞伎絵を花で再現する「花歌舞伎」の創作活動を積極的に行っており、世界各地から創作の依頼が殺到している。2015年6月スペインでの創作を、毎日放送「情熱大陸」が密着取材を行い、大反響を呼んだ。これを機にテレビ・ラジオ・新聞・雑誌・WEB等に数多く出演中。またローマ法王やベトナム共産党書記長等、VIPに捧げる作品も創作する。・一般社団法人花絵文化協会代表理事・エフェメラル・アート国際連盟理事・日本ディスプレイクリエイター協会 アンバサダー・エンジン01文化戦略会議会員 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年10月29日昨季22年の現役生活に幕を下ろし、今年から阪神タイガースのスペシャルアシスタントとなった藤川球児氏のYouTube公式チャンネル『藤川球児の真向勝負』に、元プロ野球選手の清原和博氏がゲスト出演した。動画冒頭、藤川は緊張気味に「野球選手生活からは切っても切り離せない恩師」と紹介し、清原を出迎える。自身の引退セレモニーへメッセージを依頼したほど特別な存在である清原を目の前に「こんな日を迎えられたことに感動している」と感慨深げな表情を浮かべた。清原は藤川が引退する際「魂と魂がぶつかった投手がいなくなるな」と寂しい気持ちになったというが、初めて認識したのは2005年4月21日の巨人対阪神戦。2対10で迎えた7回、2死満塁で打席に立った清原が、フォークで三振を奪った藤川に激昂した因縁の試合は、野球ファンの間で「東京ドーム事件」と呼ばれている。清原は「絶対ストレートで来る場面でフォークで来たから、何で首振ってストレート投げないのかなって。これだけ真っ直ぐに投げられるのに」と“勝負”してこなかったことを改めて振り返った。対して藤川は「組織に飲まれてた自分がいるんですよ。自分という野球選手を輝かせるためではなく、阪神タイガースの教育で『チームのためにやりなさい』っていう」と当時を回顧し、「でもこれをきっかけに『自分がどうあるべきか』を考えるようになり、矢野監督もそこから『ピッチャーをどう輝かせるか』を考えるようになって、チームに一気に火がついた」と、自分だけではなく、当時キャッチャーを務めていた矢野燿大監督やチームにも影響を与えたきっかけとなったことを語る。合わせて「僕はアメリカに行って、個の意識が弱すぎて飲まれてしまった。会社員っぽくなってた」とメジャーでの苦い思い出も吐露した。そのほか動画では、再戦となった2006年サンマリンスタジアム宮崎でのオールスター戦についてや、「藤川投手をすごく研究してて」という清原が「何で急に球速くなったの?」と質問し、「誰にも話してなかったんですけど」と藤川が初めてその理由を明らかにするなど、秘話が連発。後編は、6日19時に配信される。
2021年02月02日●オープンソースとクラウドコンピュータの活用で解析業務の効率が向上する?ヴァイナスは10月14日および15日の2日間、大規模・最適設計・ワークフローマネジメントのための総合ソリューションカンファレンス「VINAS Users Conference 2015」を開催した。同カンファレンスでは、同社が取り扱う解析ソリューションなどの紹介が行われたほか、同社の代表取締役社長を務める藤川泰彦氏がCFD解析の現状などについて講演を行った。そんな講演直後の藤川氏に、同社の現状、そして未来の姿がどういったものになるのか、話を聞いた。○2015年はこれまで提唱してきた取り組みの終着点今回のカンファレンスのテーマについて藤川氏は「オープンソースとクラウドコンピュータをハイブリッド利用していくことで、CAE/CFD業務の大幅効率化を目指す」と語る。これまでは、さまざまなツールベンダがさまざまなソリューションを個別に提供し、ユーザーはそれぞれを個別に選別し、活用していくという姿が一般的であったが、技術が複雑化していく中で、扱うツールが多岐にわたり、それらを管理運用するには手間がかかるようになってきた。そこで同社では数年前から「解析ツールから、計算機をオンデマンド型で提供していくまでの解析にかかるすべてを総合サービスしていく」ということを掲げて準備を進めてきた。その根幹をなすのが自社サーバや複数のクラウドコンピュータにアクセスし、ジョブの実行管理やファイルを高速に転送できるゲートウェイ「CCNV(Cloud Computing NaVigation system)」の最新版となる「CCNV V2.1」だ。「我々のスローガンは、難しい知識を持たない小学生でもスパコンを使えるようにしよう。というものであり、そのためのGUIがCCNVである」(同)であり、その最新版となるCCNV V2.1では、オープンソースCFDであるOpenFOAM用解析環境である「HELYX」(engys製)の最適化チューニングなども終わり、「1社でクラウドを基盤としたオープンソースベースの解析ソリューションサービスを提供できるようになった」(同)とする。○オープンソースの波がシミュレーションの世界にも到来藤川氏が一貫してこだわりを見せるのが「オープンソース」がもたらすシミュレーション業界への影響だ。「安価なオープンソースのツールがユーザーの解析環境に取り入れられるようになると、ライセンスのロイヤリティを売り上げの柱とする従来ビジネスモデルが崩れてくる。その時、どうするか、新たなビジネスモデルを構築する必要があった」(同)。そうした業界の動きを察知したうえでのオープンソースへの対応であり、それはクラウド化による演算資産の柔軟な確保にもつながる。同社では2015年内にCCNVによりHELYXの実行環境を自動でセットアップしたり、AWSやIBM SoftLayerでのSaaS型短期利用を可能とする「Helyx on Cloud」のサービス提供を開始する計画としている。また、特定分野に特化したフルターンキー最適設計システム「CFD Automation」というコンセプトも掲げている。例えば、自動車のとある部品のみを対象とした専用ツールといった具合に、セグメントを狭めて、GUIなども特殊なコマンド入力などをする必要なく、その分野の人たちが日常使っているような専門用語を活用したシステムの実現を目指すというもので、「目的を専門化することで、運用コストの低減も図れるようになるし、システムや作業そのものも単純化できる。それをさまざまなセグメントごとに集めていきましょうという提案」だという。さらにクラウド化という意味では、何もHPCを用いて演算性能を向上させる、というだけにとどまらない。数値解析の結果だけでなく、パワーポイントやワード文書、PDF、アニメーション、音声データなどのコンテンツをタブレットやスマートフォン上で閲覧、共有を可能とするオンラインコンテンツビューワ「CC-Cabinet」の提供も2015年より開始した。クラウド時代のビューワということを意識し、例えば計算途中の様子をスマホ上にて収束グラフで見たりすることができるほか、クラウドサーバで行っている計算を停止して、その後やり直す場合でも、最初からやり直しではなく、その情報をそのまま保持し続けているため、数カ月後であっても計算途中から復帰することが可能だ。こうした機能を実現するために、ユーザーに見えないCC-Cabinetの背後で稼働するCAE用高セキュリティオンラインストレージ「CC-Drive」も2年かけて開発したという。「オンラインストレージのデータ保存場所を物理的に国内のストレージに限定することで信頼性を高めたほか、Googleドライブ以上の機能を活用してもらえる」と藤川氏はCC-Driveの特徴を説明するほか、「クラウドサーバにアクセスしてデータを操作することとなる。そうしたニーズに柔軟性をもって対応するためにはオープンソースのツールである必要があった」と、同社がオープンソースに注力する理由を述べる。●未来のCAEは、計算をする前に結果が分かる?○CAE×ビッグデータで生み出される未来の解析とは?こうしたさまざまなツールの展開、オープンソースへの注力などを図っていくヴァイナスの今後について藤川氏は「HELYXをターンキーで利用してもらうことが重要になる。社内のコンピュータ資産で処理しきれない規模の大規模計算を短い期間だけ活用していき、設計・開発力を高めていくという流れができあがる。その際にはコンサルティングなどの能力も含めた総合力が必要になる」とビジネスの方向性を示す。また藤川氏、「スパコンを小学生でも使える環境を提供することは、ひいては日本のエンジニアの力を底上げすることにつながる。この点については、直接利益が出るわけではないので、ボランティアだと思っている。しかし、日本の企業として、外資系企業にはできない社会貢献活動であると信じている」と、同社の取り組みが単なる営利活動にとどまらないことを強調する。最後に藤川氏は、「すでにCAEなどのツールを長く活用し、一線で活躍してきたエンジニアが退職する時代が到来している。そうしたエンジニアたちが有してきた長年のノウハウが失われれば、設計・開発力の低下は免れない。そうした意味では、CAEの言語を使わずに、それぞれのセグメントの言語を用いて設計できるシステムと、そうしたベテランたちのノウハウをそこに組み込みたいというニーズは必ずでてくる。一方で、クラウドを使って、もっと楽に計算したり情報共有したいというニーズも出てくる。こうしたニーズをオープンソースを用いることでコストを抑え提供していくことで、究極的にはユーザーの設計業務の効率化を果たす手助けをしたい」と将来に向けた抱負を語ってくれた。さらに、5年以上先の未来の話としながらも、「CAEは同じ計算を何度も行うものだが、ビッグデータの理念を使えば、未知の結果に対して、これまでの計算結果などから答えを自動で出せるようになるかもしれない。そうした未来を築くためには、自社でノウハウを有していることが重要になってくる。そうしたノウハウの蓄積と、オープンソースの活用により、これまでCAEが扱ってこなかったパラメータを取り入れたりすることも容易にできるようになるかもしれない」と、CAEがAI化する可能性などを示し、そうした未来を自ら切り開いていくべく、自社の技術力強化を進め、それを日本のものづくり産業の競争力の向上につなげていきたいと語ってくれた。
2015年10月21日1996年の創業以来、「CAE/CFDの業務効率化を推進」をテーマにソリューションを提供する株式会社ヴァイナス(VINAS)。同社主催によるユーザー会「VINAS Users Conference 2014」が、2014年10月9日(木)、10日(金)の両日、東京コンファレンスセンター・品川で開催される。ヴァイナスの創業以来開催されていたセミナーが、年々規模を拡大し、昨年の延べ参加者数は500人を超える、過去最高のものとなった。カンファレンス形式となって10回目となる今回は、メインテーマとして「大規模・最適設計・ワークフローマネジメントのための総合ソリューション」を掲げ、「ものづくりの価値づくり」を解説する基調講演、航空宇宙、重電重機、自動車、化学、電機電子、そして量子化学など、多彩な分野における事例の講演が予定されている。なお、サブテーマとして「クラウドコンピュータ・オープンソース・SDMの設計利用」と掲げられているように、今回のカンファレンスでは「CAE/CFDのクラウド化とオープンソース化」が一つの注目点となっている。そこで今回、同社の代表取締役社長である藤川泰彦氏に、クラウド化とオープンソース化によって変わる、CAE/CFDの未来について語っていただいた。○CAE/CFDの発展に立ちはだかる情報共有とライセンスの問題学術研究・航空・宇宙・医療などの専門分野から、自動車・家電・家具や調理器具などの身近なものまで、現在の社会ではさまざまな分野でCAE/CFDが利用されている。ヴァーチャル解析を繰り返し、試作による実験の精度を高め、ものづくりの効率化とコスト削減を行うCAE/CFDは、今後さらに活躍の場を増やしていくことだろう。「これまでのCAE/CFDソフトウェアは、主に大学の研究室や企業の開発部門などに所属する、専門家が扱っていました。ですが、利用シーンが今以上に広がると、専門家だけではとても手が足りません。これからは現場の設計者を含め、より多くの人がCAE/CFDソフトウェアを活用できる環境が求められてくることでしょう」(藤川氏)現場にまでCAE/CFDの利用が広がれば、解析回数を増やして精度を高めたり、現場ならではの意見を反映したりと、製品の質の向上につながるはずだ。だが、そこには大きな2つの問題が立ちはだかる。1つは情報共有について。現在の製造現場は、日本国内のみならず世界各地に広がっている。それぞれの場所でCAE/CFDを活用するためには、必要な情報を共有できる環境が必要不可欠だ。もう1つはライセンスについてである。これまでのCAE/CFDソフトウェアは、CPU固定ライセンスであるケースが多かった。つまり、現場で利用するためには、その分、追加のライセンスが発生することになる。ライセンスごとにユーザー数が制限されている場合も多く、利用範囲を広げようとすると莫大なコストが掛かってしまう。「この2つの問題を解決するキーワード、それがクラウドとオープンソースなのです」(藤川氏)○クラウドとオープンソースがCAE/CFDの未来を変える場所や端末を問わずアクセスできるクラウドは、情報共有の手段として、まさに打ってつけだ。またオープンソースのソフトウェアであれば、CPUやユーザー数の追加によるコスト増も抑えることができる。「クラウドとオープンソース。現在のIT分野において、この2つの潮流を避けることはできません。これはCAE/CFD分野においても同様です」(藤川氏)クラウドやオープンソースに対する懸念として、特に多く挙げられるのがセキュリティ面だろう。だが、近年のクラウドサービスには、充分に強固なセキュリティ対策を実施しているものが多く、安全性は高い。バグや脆弱性が発見された場合でも、ソースコードが公開されているオープンソースであれば、素早い対応が可能だ。そういった点から、現状のクラウドやオープンソースのセキュリティレベルは、けっして低くないといえる。「それでもセキュティ面に不安を感じるのであれば、情報を仕分けして利用すればいいのです」(藤川氏)導入当初は、汎用性の高い問題をオープンソースのソフトウェアで解析する。それだけでも「利便性はかなり向上するはず」と藤川氏は主張する。「スマートフォンやタブレットは、今後さらに普及していきます。いずれはCAE/CFD分野でも、その対応を求められることは間違いありません。その場合、既存のシステムや考え方だけで対処するのは不可能です。CAE/CFDが発展するには、クラウドやオープンソースなどの新しい技術や仕組みを、恐れずに勇気を持って利用する。そのためのチェンジマインドが絶対に必要です。今回のカンファレンスでは、それを多くの方々に訴えていきたいと考えています」(藤川氏)○CAE/CFDの"今とこれから"を体感する「VINAS Users Conference 2014」毎年、多彩な催しが実施される「VINAS Users Conference 2014」。今回は2日間に渡り、「CFDプリ・ポストプロセス」「最適設計・ワークフロー・SDM」「ターボ機械最適設計とオープンCFDソルバ」「HPクラウドコンピューティングと高速計算技術」の4テーマについて、40を超える講演が行われる。航空・宇宙分野からはNASAとJAXAの日米両巨頭が登場。そのほかにも、自動車における空力や設計解析、スーパーコンピュータ「京」を利用した事例など、注目度が高いプログラムが目白押しとなっている。また特別講演としては、東京大学 生産技術研究所の加藤千幸教授による「大規模流体解析の産業応用」と慶應義塾大学大学院 システムデザイン・マネジメント研究科の白坂成功准教授による「いま世界でおきているシステム開発方法論の革新」。基調講演には、一橋大学 イノベーション研究センター センター長 延岡健太郎教授による「製造業におけるものづくりと価値づくりのマネジメント」が実施される。通常、特別講演や基調講演などは、カンファレンスの冒頭を飾るケースが多い。だが今回のユーザーカンファレンスでは、初日プログラムの最後に行われることになっている。「ユーザーカンファレンスと銘打っていますが、特別講演と基調講演は私たちの製品とは関係なく、CAE/CFDの現在を総括し、将来を見据えるものとして位置づけています。間違いなく面白い話になるので、できるだけ多くの方に聴いていただきたい。そこで、この時間帯に設定しました。やっぱり、午前中よりも夕方のほうが参加しやすいでしょうから(笑)」(藤川氏)なお、当日には、テーマにあるクラウドとタブレットエンジニアリングを実際に体験できる催しも実施される予定。「もしiPhoneやiPadをお持ちでしたら、ぜひお持ちいただき、タブレットエンジニアリングを体感してください」と藤川氏。詳しいプログラム内容や申し込み方法は、「VINAS Users Conference 2014公式ページ」を参照してもらいたい。新たな技術を体感する場として、業界内の情報交換の場として、これからの「日本のものづくり」を担う多くの人々に、同カンファレンスを大いに有効活用していただきたい。○イベント概要【開催概要はこちら】
2014年10月01日"Best Partner for Best Solution"を掲げる株式会社ヴァイナスは東京都品川区において、10月9日、10日の2日間にわたり「VINAS Users Conference 2014」を開催する。1996年に設立され、最先端の数値解析技術を駆使した製造業の研究・開発・設計業務効率化を支援してきた同社は、「Best Partner for Best Solution」を社是として掲げ、コンピュータ エイディド エンジニアリング(CAE)ユーザーに最高のソリューションを提供すべく業務を展開。航空宇宙や自動車から電機・電子、医療と広範な分野で解析や設計のソリューションを行っている。10月9日、10日の2日間にわたり開催される「VINAS Users Conference 2014」では、メインテーマに「大規模・最適設計・ワークフローマネージメントのための総合ソリューション」、サブテーマに「クラウドコンピュータ・オープンソース・SDMの設計利用」を設定している。初日は、ホールAの「CFDプリ・ポストプロセス」とホールBの「最適設計・ワークフロー・SDM」、二日目は、「ターボ機械最適設計とオープンCFDソルバ」(ホールA)、「HPCクラウドコンピューティングと高速計算技術」(ホールB)と各テーマごとにセッションが進む。オープニングには、同社代表取締役 藤川泰彦氏による「クラウドサービスを活用した新しい設計スタイル」、基調講演には一橋大学イノベーション研究センター長 延岡健太郎教授による「製造業におけるものづくりと価値づくりのマネジメント」、その他"クラウド"と"ものづくり"に関わる講演が予定されている。また、NASA 先端航空科学CFDブランチ 航空宇宙工学エンジニア Mr. Darby J.Vicker氏による「宇宙打ち上げ脱出システムの空力解析への挑戦」、JAXA 宇宙輸送系システム技術研究開発センター主任開発員 大坊俊彰氏による「Phoenix Suiteによるロケット飛行経路評価とシステム設計への取組み」といった宇宙を舞台にした最先端のシミュレーションやシステム設計という興味深いセッションも用意されている。○開催概要会期: <DAY 1>2014年10月9日(木) 9:30~18:30、懇親会18:30~20:30(受付開始 9:00)/ <DAY 2>2014年10月10日(金) 9:30~17:10(受付開始 9:00)会場:東京コンファレンスセンター・品川 5F大ホール 402会議室対象: エンドユーザー(販売ソフトウェアとサービスをご利用のユーザー・ご検討中のユーザー)。参加費:無料参加登録申込:Webサイトより主催:ヴァイナス
2014年09月30日