「結婚したい俳優ランキング」2位のイケメン人気俳優・西島秀俊さんの結婚が巷の女性たちの話題をさらいました。女性たちの悲鳴にも似た興奮が醒めないうちに、今度は同ランキング1位の向井理さんが結婚という報道がなされ、世の女性たちの落胆ぶりは「西島・向井ショック」とまで称されたのは既報の通りです。○結婚報道が話題になったのはなぜ?しかし、なぜ世の女性たちはイケメン二人の結婚報道にあれほど反応したのか? と疑問に思います。「結婚したい俳優ランキング」では人気を二分する西島さんと向井さんですが、両者に対する世間の女性たちの反応が違ったようにも感じられます。西島さんのお相手は一般女性。向井さんのお相手は女優・国仲涼子さん。結婚相手が一般女性なのか、女優なのかで世の女性たちの「諦め」の度合いが違ったのでしょうか?世の女性たちは、イケメン人気俳優の結婚相手が女優なら許せて、諦めもつく。しかし、結婚相手が一般女性となると、許せず、諦めきれない、そんな感じさえしました。まさか、世の独身女性たちは、自分がイケメン人気俳優と結婚できるとまでは思っていないでしょうが、なぜこれほどまでに騒がれ、話題となったのでしょうか?○「白馬に乗った王子様」が現れると思っている?私たちの結婚相談所では、以前に独身女性を対象にこんなアンケートを行いました。「白馬に乗った王子様が現れるかもしれないと考えていますか?」というアンケートです(2014年9~11月、結婚相談所「ブライダルジャパン」利用女性134名対象)。実際に王子様との結婚や出会いを望んでいるかを調べた訳ではなく、「(自分から相手を探すのではなく)理想の相手が現れるのを待っているか?」という意味でのアンケートです。その結果は、次の通り。「はい」が39%、「いいえ」が27%、「どちらでもない・無回答」が34%となりました。無記名でのアンケートであったので、実勢値に近い数値となったかと思います。この結果を見ると、実に約40%の独身女性が「白馬に乗った王子様」との結婚を望んでいることになります。「まさか?」と思っていましたが、このアンケートが独身女性たちの拙い恋愛観の真実を語っているような気がします。――おとぎ話「シンデレラ」。王子様のお城で行われた舞踏会には着飾った美しい女性たちがあふれんばかり。しかし、それらの女性たちの中でもひときわ輝いて見えたシンデレラが、最後には王子様のお相手として選ばれることとなります。なぜ、シンデレラが選ばれたのでしょう? それは、シンデレラの身上を憐れんだ魔女が魔法をかけて誰よりも美しく変身させてくれたから。そう、王子様にお妃として選んでもらうには魔法の力を借りなくてはならないのです。ただし、「シンデレラ」はグリム兄弟が作った童話に過ぎません。現代の世の中には、魔女も魔法も、もちろん存在しません。魔女による魔法にも匹敵するような「女子力アップ」のために相応の努力をしないと、いつまで経っても「白馬の王子様」、いや、「理想の相手」とは結婚できないのです。※写真と本文は関係ありません○執筆者プロフィール : 坂田 陽子(さかた ようこ)福岡県生まれ。20代の半ばから恋愛・夫婦問題に関するカウンセリングを開始する。その相談件数は年間1万件以上。多くの案件を解決した経験から独自の恋愛論を展開し、各メディアで人気に。現在では、経験を活かし、結婚相談所「ブライダルジャパン」と社会人サークル「東京アクティビティ」を主宰している。これまでに、多数の出逢いと成婚を手がけ、30代女性の成婚率においては90%以上を誇る業界屈指の恋愛カウンセラーである。坂田陽子の結婚相談所「ブライダルジャパン」→
2014年11月27日俳優の西島秀俊が主演を務めるTBS×WOWOW共同制作ドラマ『MOZU』の劇場版が、2015年に公開されることが14日、明らかになった。『MOZU』は、映像化不可能と言われ続けてきた逢坂剛のハードボイルド小説『百舌』シリーズを連続ドラマ化した作品。『MOZU Season1~百舌の叫ぶ夜~』を、TBS系列で2014年4月10日~6月12日に放送し、続編『MOZU Season2~幻の翼~』をWOWOWにて6月22日から7月20日、TBS系列にて10月16日~11月13日に放送した。映画『海猿』シリーズなどを手掛けた羽住英一郎監督による革新的な映像世界と、西島秀俊・香川照之・真木よう子をはじめとするキャスト陣の演技、本格アクションが反響を呼んだ本作は、ギャラクシー賞テレビ部門月間賞や、東京ドラマアウォード作品賞などを受賞。多くのファンに指示され、このたび映画化の運びとなった。主演の西島秀俊は「『MOZU』の映画化、身の引き締まる思いです」とコメント。「これは何より、テレビドラマとしては表現や枠組みなど、あまりに異例で特別な作品を、応援し支えてくださった視聴者の皆さまのおかげだと思っています」と感謝し、「クランクインの日、羽住監督はじめスタッフは、観客の皆さまのご期待に添えるよう、技術的にも精神的にもより高みを目指して撮影現場に向かうと思います。自分はその中で最大限の貢献をできるよう、全力を尽くしたいと思います」と意気込みを示した。ドラマに続きメガホンをとる羽住英一郎監督も、「スタッフ・キャストと共に全力で作りあげて来た『MOZU』シリーズ。さらにスケールアップさせてスクリーンで届けるために、総ての限界を超えて挑みたいと思います!!」と気合十分だ。
2014年11月14日西島秀俊を主演に迎え、TBS×WOWOW共同で制作されたドラマ「MOZU」。「Season1」をTBSで、その続編となる「Season2」がWOWOWで放送された本作がこの度、劇場版として2015年に公開することが明らかになった。“映像化不可能”と言われ続けてきたハードボイルド小説「百舌」シリーズの連続ドラマ化。映画『海猿』シリーズなどを手がけてきた羽住英一郎監督が務め、本格派アクション、複雑に絡み合った陰謀とその中で蠢く人間たちの重厚なドラマを描いていく。公安のエース・倉木を演じる西島さんを始め、捜査一課の叩き上げの刑事・大杉役に香川照之、女性公安警察官の美希役に真木よう子など、「Season1」「Season2」共に豪華俳優陣が集結している。業界内の評価も高く、ギャラクシー賞テレビ部門月間賞や、東京ドラマアウォード作品賞を受賞するなど、多くのファンに支持され続けている。主演の西島さんは、今回の映画化決定について「『MOZU』の映画化、身の引き締まる思いです」と真摯な姿勢を見せる。「これは何より、テレビドラマとしては表現や枠組みなど、あまりに異例で特別な作品を、応援し支えて下さった視聴者の皆様のおかげだと思っています。クランクインの日、羽住監督始めスタッフは、観客の皆様のご期待に沿えるよう、技術的にも精神的にも より高みを目指して撮影現場に向かうと思います」とコメント。それを受け、羽住監督は「スタッフ・キャストと共に全力で作りあげて来た『MOZU』シリーズ。更にスケールアップさせてスクリーンで届けるために、総ての限界を超えて挑みたいと思います」と意気込みを語った。劇場版『MOZU』は、2015年公開。(text:cinemacafe.net)
2014年11月14日TBSの木曜ドラマ劇場「MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~」に出演中の俳優・西島秀俊さん。「ダブルフェイス」「ストロベリーナイト」「八重の桜」など、作品ごとに違った表情を見せる彼の演技に夢中となっている女性も多いのではないでしょうか。若くてピチピチというわけではなく、顔にはほうれい線も目立つ年齢ではありますが、逆に「そこが男の哀愁漂っていてステキ! 」と魅力に感じる女性も少なくありません。今回は、女性を虜にしてしまう西島秀俊さんの魅力について、徹底解剖してみました。○細身なのに筋肉質な上半身を持つギャップ大河ドラマ「八重の桜」で筋肉ムキムキな上半身を披露した彼にくぎ付けとなった女性も多いかと思います。ネット上でも大きな話題となりました。しかし、単に細マッチョなことだけが彼の魅力というわけではありません。西島さんといえば、「MOZU」を始め、普段はスーツを着ていることが多く、細身の男性といった印象があります。しかし実は、脱ぐと筋肉質で細マッチョな体型の持ち主。そのギャップこそが、世の女性を魅了する大きな魅力の1つなのです。○すべてが謎に包まれたミステリアスさ爽やかさと男らしさを兼ね備えたルックスで、女性だけでなく、男性からの支持も高い西島さん。しかし、そのプライベートはというと謎に包まれています。私生活がまったく見えない彼の行動は、ますます、ファンの妄想をかき立てます。「一体、普段どのような生活をしているのか」といったそのミステリアスさも、ある意味、魅力の1つとなっているのではないでしょうか。○たまに見せる笑顔や素の表情どんな役柄でも器用にこなしてしまう確かな演技力を持つ西島さんは、クールな役どころが多い分、真面目で冷静といった印象を強く持たれます。そんな彼がたまに見せる屈託のない笑顔や素の表情は、女性であれば、思わずときめいてしまうはず! 普段クールな印象が強い分、少年のように笑う彼の笑顔は、見ている人を癒やす力があるのです。一言では語れないほど、たくさんの魅力を持つ西島秀俊さん。俳優としても、1人の大人の男性としても、ますます目が離せない存在です。今後も西島さんの魅力とともに、「MOZU」の展開にも期待していきたいですね。画像は本文と関係ありません。
2014年05月21日人気刑事ドラマの劇場版『ストロベリーナイト』で、警視庁捜査一課の刑事として姫川班を率いる主人公・姫川玲子を演じた竹内結子と、その部下・菊田和男を演じた西島秀俊が、ファン待望の劇場版を迎えた心境を明かすとともに、“孤独”な姫川の魅力について語った。その他の写真誉田哲也の原作「インビジブルレイン」をベースにした今作では、姫川班の管轄で発生する連続殺人事件を追う。捜査に乗り出す姫川だが、上層部は関係者との接触を禁じる不可解な命令を出す。これに納得しない姫川は単独捜査を決意するが、今作はコピーにあるように“姫川班、最後の事件”。衝撃の展開と結末にファンの注目が集まっており、竹内自身も、「3年近く過ごした時間が終わってしまうことは寂しかったので今回、劇場版として延長時間をいただけたようでうれしかったです」と語った。“姫川班、最後の事件”を描く一方、事件に関係するヤクザ・牧田勲(大沢たかお)が新たに登場する今作は姫川と菊田、牧田のトライアングルで物語が進み、揺れ動く男女の感情も映し出す。「今回、姫川が女性として男性を見ます」(竹内)、「今回、菊田は牧田の挑発を徹底的に受けます。佐藤(祐市)監督とも相談しましたが、気持ちがコントロールできないシーンも多々あって。牧田との対決シーンは見ものです」(西島)と恋愛ドラマとしての側面も少なくないという。しかし、それは一般的な恋愛ではなく、「彼女の“傷”に塗り重ねるような痛みを伴いますよね。“「玲子」と「恋愛」ってタブーなのかなあ”って、改めて孤独な人だと思いました」(竹内)。姫川の心の“傷”や“闇”にまで迫るシリアスな恋愛描写は、ふたりの恋愛ストーリーを熱望していたファンにとっては見逃せない展開と言えそうだ。そして今回、姫川班、捜査一課全体が最大の“試練”に直面することも劇場版の特色だろう。「上司の暴走で姫川班、捜査一課全体が岐路に立ちますが(笑)、この先も皆が前を向いて歩いて行ければいいなと願っています」(竹内)、「姫川の心の“闇”そのものが今回のヤマに関係しているので、“姫川班、最後の事件”としてはこれしかないかなと思いますね」(西島)と一抹の寂しさを感じながらも、姫川の過去や性格に照らして考えれば、劇場版は自然な帰結と受け止めているふたり。「3年分の集大成」(竹内)を映画館で堪能したい。『ストロベリーナイト』公開中取材・文・写真:鴇田 崇
2013年01月29日阪神・淡路大震災後の日本をテーマに、フランス人女性記者と2人の男性との不思議な出会いを描いたフランス映画『メモリーズ・コーナー』。西島秀俊と阿部寛がフランス語と英語のセリフで出演しており、早くも注目を集めている本作が来年2月、日本でも公開されることが明らかとなった。フランス人女性ジャーナリスト、アダ(デボラ・フランソワ)は、1995年に起きた阪神・淡路の震災を回顧する式典を取材するために神戸を訪れる。街は復興し、誰もがかつての悲劇と決別し、豊かな暮らしを楽しんでいるかのように見える。通訳の岡部(西島さん)を伴い、かつての被災者の家を訪ね歩くアダの前に、いまでも後遺症に悩まされている石田(阿部さん)が現れる。かたくなな態度をとる彼の心を開かせようとする彼女に、岡部は彼が現世の男ではないと忠告するのだが…。今作が初監督作となる、フランス気鋭新人監督オドレイ・フーシェが、日仏スタッフの共同製作によりさまざまな“愛”の形を描き出す本作。西島さんはフランス語の通訳者を演じ、阿部さんは神戸の震災以降に家族を亡くし、孤独死をしながらも愛を探し求めている謎のゴーストを演じている。2人の男性に想いを寄せるフランス人記者・アダには『ある子供』で鮮烈デビューを果たし、『譜めくりの女』などでセザール新人女優賞を2年連続受賞した、注目の新人女優デボラ・フランソワが扮する。さらに、國村隼、塩見三省、倍賞美津子ら日本を代表する演技派俳優陣が本作にさらなる深みを与えている。西島さんは「海外の俳優さんと並んで演技してみたいという気持ちはいつもありますが、デボラさんのようなヨーロッパの女優さんと同じフレームに入ったら、どう見えるんだろうか?というのは常にありました」とフランス映画での主演を楽しんだよう。一方の阿部さんは「初監督作品で、日本人キャストとスタッフ、日本を舞台にしようと思うフーシェ監督の強い想いが深く伝わってきました。すごくこだわりを持っている監督でした」と撮影をふり返る。そんなフーシェ監督は「被災者の方々は、家や故郷を失い、そして愛する人々がいない人生を歩むことになります。私はこの作品によって、被災者の絶望的な孤独感を知っていただき、少しでも社会のひずみを軽減する手助けになればと祈っております」と作品に込めた強い思いを明かす。豪華キャストで贈る日本を舞台にしたフランス映画『メモリーズ・コーナー』。フランス人女性監督が描く希望へのレクイエムは、私たち日本人の心にどのように響くのだろうか?『メモリーズ・コーナー』は2013年2月23日(土)よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:メモリーズ・コーナー 2013年2月23日(土)よりシネマート六本木ほか全国にて順次公開(C) NOODLES PRODUCTION, FILM ZINGARO 2 INC,FRANCE 3 CINEMA,2011
2012年12月21日部屋に入ってくるなり、明るくハキハキと挨拶する西島隆弘。パフォーマンスグループ「AAA」の一員として活躍する一方、園子温、蜷川幸雄といった錚々たる面々を惹きつける魅力を持った俳優である。人懐こい笑顔は『シグナル~月曜日のルカ~』で演じる心優しい青年・宮瀬恵介と同じ表情で、演じる役を自分に引き寄せていくタイプかと一瞬思うが、話を聞いていると、その第一印象は良い意味で裏切られていく。柔らかさの中にしっかりとした芯があるのだ。「僕の中に甘さとか弱さが無いんですよね、たぶん」西島さんが演じる恵介は夏休みに東京から帰省し、地元の古い映画館「銀映館」でアルバイトする大学生。そこで彼は映写技師のルカと出会う。ある事件をきっかけに3年間一歩も外に出ていない彼女と謎の男・レイジの存在によって、秘められた過去の全容が次第に明らかになる青春恋愛ミステリーを手がけたのは『時をかける少女』の谷口正晃監督だ。監督は西島さんの映画デビュー作、園子温監督の『愛のむきだし』を観て「恵介がいると思った」と語ったそうだが、本人は恵介と自分は似ていないという。「僕の中に甘さとか弱さが無いんですよね、たぶん」。それは今年1月に出演した舞台「下谷万年町物語」の演出家・蜷川幸雄にも指摘された。「蜷川さんに44公演中の中日辺りで『お前、芝居は完璧なんだけどさ、甘さが無いよね』って言われたんですよ。グサッと刺さりました。『男の甘さが無いと色気は無いよな』と(笑)。悔しくて、うち(AAA)のメンバーと飲んだときに聞いたんです。『俺、甘さ無いかな?』って。そしたら『無いっていうか、厳しいよね』と言われた。自分にも人にも厳しいって。僕の中ではそれが甘えなんです。自分が苦労してるとき、相手に同じ気持ち、僕のつらさを味わってほしい」と、むしろ高良健吾が演じたレイジのようなことを言い出す。「甘えですよね、完全に。人を許すキャパをもっと大きく持たなきゃ駄目ってこと。恵介にはそれがあるんでしょうね。自分の意見や感情よりも先に、ルカを尊重して許す。自分のエゴは相手に伝えない子です。そこが僕と違う」。谷口監督からはシンプルな芝居を求められ、そこに苦労したという。「『愛のむきだし』でも見受けられたと思うんですけど、僕、お芝居を始めたのは舞台からなので、演技が“濃い”というか。だから、シンプルってどういうことだろう?と。自分の中では壁というか、挑戦でした」。キャラクターとして強すぎない、フワッとした輪郭の恵介像を形にしていくために、東京の街を歩き回った。「カフェとか行って、学生服着てる子たちの会話を隣で聞いたりとか(笑)、その程度ですけど(笑)。勝手に自分で『あ、この人かな』とか思いながら観察してました」と笑う。既存の作品で誰かが演じた自然さではなく、現実の世界にあるリアルさを探した。「谷口さんもそこを求めていたので。変装ってわけじゃないですけど、目しか出てないみたいな格好で歩いていたので、何回か警察の人に職務質問されました」と苦笑する。撮影現場での「西島先生」の顔ヒロインのルカを演じた三根梓はこれがデビュー作。演技をするのも初めてという、正真正銘の新人だ。彼女は撮影現場で「西島先生」と呼んで、彼を頼りにしていた。「いや、芝居に関しては何も言ってないです、質問されない限りは。ただ、仕事をすること自体が初めてだったらしいので、現場での居方ですね。挨拶とか、スタッフに感謝することとか。自分のためにメイクしてくれて、衣裳を用意して、カメラを回してくれる。その人たちと1か月一緒にいるなら『おはようございます』、『ありがとうございました』、『お疲れさまでした』を言うのは人として当たり前のこと。それをまず学ぶべきものだと思うんです。彼女の根本にある優しさや、初々しさを失わないでほしいなと思ったので」。全く演技経験のない相手との共演は舞台で経験があり、「抵抗はなかったです」と言う。「ただ、映画は舞台と違って稽古がない。撮影前に谷口さんとリハーサルはしていたそうですが、現場に入ったらそれはまた違う話なので。本人もすごく苦戦してました。そこで多少のアドバイスというか、導くことはしてました」。撮影は去年の夏。AAAとして音楽フェスティバルへの出演もあり、新潟や長野の撮影現場とフェス会場を1日2往復する強行スケジュールの日もあったという。そんな多忙の中でも後輩を引っ張ってあげようと考えたのは『愛のむきだし』の現場が「戦場のようだったので(笑)」。誰の助けもなく、「もう我が道を行くしかなかった。逆にそれは僕の中でプラスになったんで、めちゃめちゃ楽しかったんです。でも、三根さんは女性だし、彼女にとって現場が楽しいものであることが作品の良さにつながるんじゃないかと思って、いろいろちょっかい出したりとか(笑)、なるべくコミュニケーションをとってあげました」。それでもやはり、慣れないうちは台詞を言うにも力んだり、あらぬ方向を見たりしていたという。「梓なのかルカなのかの違いだけであって、普段の会話とお芝居も変わらないんだよって話をして。彼女と恵介が成長していく姿を描くんだから、自分の中で思う純粋な動きをすればいいだけなんだよって話はしました」。完璧なアドバイス。思わず、「西島先生って呼んでいいですか?」と尋ねると、「いやいや」と照れて、「僕もそこはマスターしてないので。今後ずっと芝居をやっていくうえでの課題です。三根さんだけじゃなく、自分にも言い聞かせているんです」と謙虚に語る。「切り替えるというより、その世界に入るっていう感じかな」ルカをめぐって対決するレイジを演じた高良健吾との共演も「楽しかったです」とふり返る。「高良くんも『愛のむきだし』を観てくれていて、『共演したいと思ってたときにこの作品が決まって、すごい良かったです』と言ってくれました」。あるシーンを撮った後、2人でアイスを食べながら、こんな会話をしたという。「『西島さん、ドライ、テスト、本番、全部芝居違いますね』『ごめん。やりづらかった?』『いや、僕もそういう芝居の仕方なんで、すげー面白いし、楽しいっす』って。打ち上げのときも『いつか2人でバッチバチに対決する芝居したいね』って話してました」。撮影とライヴを往き来する目まぐるしい環境でも「気持ちが途切れることはない」と言う。「作品を問わず、撮影中に抱えたものをそのままAAAの現場に持ち込んじゃう。でも、ライヴが始まると、そっちのモードに入るんですよ。切り替えるというより、その世界に入るっていう感じかな」。その言葉に仕事への真摯な姿勢がうかがえる。共に歩んできたメンバーが言うように、自分に厳しい人なのだ。その厳しさから強さが生まれ、気後れするような大物との仕事にも物怖じしない度胸になる。「でも最初は手が震えますね。怖いです、やっぱり。でも、これほどの人と並ばなきゃいけないんだ、と思うと、もう何とも思わなくなります。この人たちと並んで芝居しないとバカにされる、と思った瞬間に震えが止まりますね」。緊張を糧に成長する。その強靱さがまぶしく、清々しい。(photo:Naoki Kurozu/text:Yuki Tominaga)■関連作品:シグナル~月曜日のルカ~ 2012年6月9日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012「シグナル」製作委員会
2012年06月06日俳優の西島秀俊が12月17日(土)、イラン出身の名匠アミール・ナデリ監督がメガホンをとる主演作『CUT』の初日舞台挨拶を東京・シネマート新宿で行った。西島さんは本作で、借金返済のために“殴られ屋”になる映画監督を演じ「撮影が進むうちに、どんどんハードになっていき『今日も無事にいいシーンが撮れますように』と祈る毎日だった」とふり返る。一方、ナデリ監督は「西島さんの勇気と才能、ハートがあったから完成できた作品。きっとみなさんが知らない西島さんが見られるはずです。ちなみに、いまは西島さんのボディガードをやっています(笑)」と、西島さんがボディガードを演じる主演ドラマ「僕とスターの99日」(フジテレビ)を引き合いに、客席を笑いに包んだ。ヤクザの世界で生きる兄からの資金援助を受け、前衛的なインディペンデント映画を撮る秀二(西島さん)は、兄の死をきっかけに、莫大な借金を返そうとヤクザ事務所で“殴られ屋”を始めることに。殴られる痛みを映画への愛に変え、試練に耐える秀二をめぐるヒューマンドラマが重厚なタッチで描かれる。西島さんとナデリ監督の出会いは、2005年の「東京フィルメックス」だと言い、「一目で常人ではないと分かる、ものすごいエネルギーを放っていた。運命的なものを感じた」(西島さん)、「会った瞬間、長い時間待ち望んでいた出会いだと直感した。私を信頼してくれた西島さんに感謝したい」(ナデリ監督)。それでも当初は、西島さんも「あまりに前衛的な内容なので、映画にするのは難しいと感じた」のだとか。後押ししたのは「不可能を可能にするんだ」という監督の言葉だったそうで、「僕自身も挑戦したかった。こうして初日を迎えたこの瞬間は一生忘れない」と誇らしげな表情を浮かべていた。映画、ひいては芸術を守るために命を賭ける男のドラマ。本編には映画史を彩る名作へのオマージュが約100作分含まれており、「これを機会に、過去の名作に触れてほしい。いまは、特に若い世代がハリウッド大作に洗脳されている傾向にあるが、それだけが映画じゃないと知ってほしいのです」(ナデリ監督)。さらに「観客の感情を操り、お金もうけするのは簡単なこと。私はもっと誠実な映画作りをし、観客との体験の共有を目指しています。インディペンデント映画が存続するためには、みなさんの応援が必要なのです」と主人公さながらに、熱っぽく訴え。名作タイトルが描かれたクッキー100枚をプレゼントされ、子供のように大はしゃぎだった(クッキーは監督の大好物なのだとか)。西島さんも「もっと上映館が増えて、いつかシネコンでこの作品の舞台挨拶をするのが一番の夢」とアピール。より多くの人に、アート映画やインディペンデント作品を観てほしいというナデリ監督の思いを援護し、同じ映画人として“共闘”を誓っていた。『CUT』はシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:CUT 2011年12月17日、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて公開(C) CUT LLC2011
2011年12月19日イラン出身で米国在住のアミール・ナデリ監督が西島秀俊を主演に日本で撮りあげた新作『CUT』が17日(土)から公開される前に、西島がインタビューに応じた。その他の写真『CUT』は、兄から借金を続けて活動を続けるも成功しない映画監督の秀二が、死んだ兄の残した借金を返済するために“殴られ屋”を始め、自身のこれまでの人生と愛する映画のために全身全霊で立ち向かっていく姿を描いた作品。日本映画界で活躍する西島と、米国を拠点に新作を発表し続けるナデリ監督が出会ったのは、毎秋に開催されている映画祭「東京フィルメックス」の会場。人の紹介で出会ったというふたりは、すぐに意気投合したという。「出会ってすぐに監督とは心が通じ合って。好きな映画やシーンも合うんです。だから監督が日本に来た時には一緒に散歩して、最近観た映画の話とか、自分がどこで生まれ、どういう道のりを経てここにいるのかなんて話もしましたね」。そんなナデリ監督は、西島と出会って間もなくして本作の話をしていたそうだ。「監督は『お前は俺と映画を撮る運命にある』って言ってくれてました」。しかし、過去の作品を観賞すればわかるが、ナデリ映画の主人公は極限まで追いつめられる。もちろん、監督の作品を観ていた西島にとって、そのことは百も承知だ。「最初に監督からは『お前は確実に地獄を見る。俺のことを本当に嫌いになる。でも出来上がりを観たら俺のことを好きになる』って言われて。実際の撮影現場は僕だけじゃなくて、関わった人全員が“限界以上”を出さないと監督のOKが出ない。撮影中、監督からは『一切、喋るな』って言われました。俳優が役以外の話をするなんてとんでもないって。でも、世界の本気の監督たちはここまで要求するよな、って。そういう場が自分に与えられたことは本当に幸せでしたね」。ナデリ監督の現場がいかに過酷で、主演を務めた西島がどれだけ追いつめられたかは、完成した映画を観れば嫌というほど伝わるだろう。主人公の秀二は、ひたすら殴られ、傷を負い、血まみれになりながら、自身と愛する映画のために立ち続ける。その姿は、西島自身と重なる部分がある。「才能ある監督が自分の撮りたいものを撮りたいように撮るべきだと思うし、そういう映画をたくさん観たいというのが僕の願い。だから、微力ですけれどもできることは全部やろうと思っています。たまに『これから映画のために闘っていきたいですか?』って聞かれるんですけど『僕も映画に関わっている人もずっと闘っています』ってお答えしているんです。だからこの映画によって仲間が増えて、才能ある監督が自由に撮れる環境になるといいなと思います」。『CUT』12月17日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国順次公開
2011年12月14日西島秀俊主演でイランの名匠アミール・ナデリがメガホンを取った『CUT』のジャパン・プレミアが第12回東京フィルメックスにおいて11月23日(水・祝)に開催。ナデリ監督に西島さん、ヒロインを演じた常盤貴子が舞台挨拶と上映後のQ&Aに出席した。共に2005年のフィルメックスの審査員を務めた関係で知り合い、意気投合したナデリ監督と西島さんが念願かなって作り上げた本作。自分のために借金を重ねて命を落とした兄の残した借金を返すために、やくざを相手に殴られ屋を始めた映画監督の男の姿を描く。監督は「6年かけてこの場に至りました」と感慨深げ。「西島さんに常盤さん、菅田俊さんに笹野高史さん、でんでんさんら多くの素晴らしいキャスト、クルーと一緒に仕事をすることができました」と感謝の思いを伝えた。さらに「西島さんや常盤さんのこれまでの演技を一切忘れて、新しい目、新しい心で彼らの演技を見てほしい」と訴えた。西島さんは「2006年に監督と『一緒に作ろう』と話をしてからこの日、この時をずっと待ってました」と晴れ晴れとした表情。客席を見渡し「この700人のみなさんに観ていただくことで何か大きな流れが生まれること、『我こそは秀二(※西島さんが演じた主人公)だ!』という方が現れることを願っています」と呼びかけた。常盤さんは「いろんな挑戦が詰まっている作品です。ナデリ監督だからこそできた、新しい挑戦でした。ある意味、映画界に殴り込みをかけるような作品です」と期待を口にした。上映後、西島さんらは改めて大きな拍手で迎えられニッコリ。映画では、数々の過去の名作に対するオマージュに加え、行き過ぎた商業主義に対する厳しい批判が展開されるが、ナデリ監督は「映画の中でも言ってますが、かつて娯楽映画と芸術映画は一致していました。その中でインディペンデント映画を作る余裕が必要なんですが、いまでは高い技術が金儲けの道具になっている。シネコンの席巻で優秀な監督たちの作品を上映する機会がなくなってしまうというのは恥ずべき状況だと思います」と改めて訴えた。最後に「これだけは観ておくべきと思う映画は?」という質問を投げられると、一同「難しいですね」と思案顔。西島さんは、本作『CUT』が、ナデリ監督が敬愛する名監督ジョン・カサヴェテスについて描いた作品であるということを踏まえ、「僕が映画ファンとして観て、生まれ変わるような体験をしたのがジョン・カサヴェテスの作品なんです。だから釜山映画祭で監督から『この映画はカサヴェテスについての映画だ』と告白されたときは人生最大の衝撃を受けました。自分の人生を変えた人物を知らずに演じていたわけですから」と述懐した。常盤さんは「私は古い日本映画が好きで、特に女優さんが大好き。高峰秀子さんも好きだし岡田茉莉子さんも好きだし…でもその一方でコン・リーも大好きなんです(笑)。ここにいらしている方はおそらく多くの日本映画を観てらっしゃるかと思いますが、中国映画も素晴らしいです。その中でも『紅夢』(チャン・イーモウ監督/コン・リー主演)は素晴らしい作品」と語った。監督は「良い映画こそ良薬」と語り、映画を愛する人々で埋まった客席は温かい拍手で包まれた。『CUT』は12月17日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開。■関連作品:CUT 2011年、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国にて順次公開© CUT LLC2011■関連記事:ヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!常盤貴子&筒井道隆が急接近!?「圭史くんに言いつける」とベテラン女優が釘をさす?西島秀俊、主演作『CUT』監督との出会いの場で「本性見せろと言われた(笑)」西島秀俊、イランの巨匠作品主演!共演の常盤貴子は13年ぶりショートヘア
2011年11月24日