都営浅草線の西の終点、西馬込に「ýohak(ヨハク)」がオープンしたのは、2016年12月。中心地のにぎわいから離れた場所にもかかわらず、丁寧に作られた料理とスィーツを目当てに、早くからオープン待ちをする方がいる話題のカフェです。もとは文房具屋さんだったという建物は天井が高く開放感があり、タイルの床も当時のものをいかし、マットなグレーと白の壁が清潔感もあり、しゃれています。カフェのイメージは、イギリスに住むおばあさんが日本の喫茶店に影響を受けてイギリスでカフェを開いたら、どんな空間になるだろう…と店主の稲葉 秀樹さんの架空の設定から生まれました。日本の喫茶店のように壁際にコーヒーカップが並べられ、レジカウンターの木製のライトや椅子も日本製だそうですが、ヨーロッパ的なモダンな空間に仕上がっています。メニューは、サンドイッチやサラダ、スィーツ、ドリンクなどの単品のほかに、フードセットやデザートセットなどもあります。 この日は、“塩さばと季節野菜のサラダ+サンドイッチ+ドリンク”のセットにしました。サラダは小さな歓声をあげてしまうほど、色とりどりの野菜がたっぷりの美しいひと皿。すぐにフォークに手を伸ばさずに、上から横からお皿を眺めます。脂がのった塩さばと、自家製ドレッシングをまとった野菜ひとつひとつの味を確かめながら味わう楽しさ。カリっと焼かれたカンパーニュの中身は“ハムと胡瓜”、サラダもサンドイッチも笑みがこぼれる完璧なおいしさです。棚に並べられたコーヒーカップは、稲葉さんが旅先で見つけた輸出用に作られた日本製。ちょっと垢抜けないコーヒーカップに惹かれて、あちこちで集めたのだそうです。 広島県しまなみレモンをたっぷり使った甘酸っぱいレモンケーキ。福岡県の「珈琲花坂」の豆で淹れたコクのあるブレンドコーヒーと、よく合います。 カフェの居心地の良さは場所や建物、内装や料理などさまざまな要素の調和で作られるもの。大きな窓から差し込む陽光、照明のやさしい光、空間を包む音楽、それらがバランスよく「ヨハク」には備わっていました。昼食時をあえて外して、読書やおしゃべりをしたくなる場所。稲葉さんご夫妻のやわらかな話し方、丁寧な接客も魅力のひとつです。ýohak東京都大田区西馬込2-7-2 03-6316-0145 11:00~18:00日・水曜定休URL: instagram: Facebook:
2017年10月27日