スマートフォンで写真を撮影するだけライオン株式会社は2月8日、瞳の状態をスコア化して目薬選びをサポートする『スマイル角膜チェッカー』のサービスを開始すると発表した。同社には目薬ブランド『スマイル』があり、『スマイル角膜チェッカー』では、スマートフォンで写真を撮影すれば、わずか10秒で瞳の健康がチェックできるというWEBコンテンツである。このサービスは3月15日(金)10時より公開される予定となっている。おすすめの『スマイル』がわかる目薬検索もパソコンやスマートフォンなど、便利なツールが増える一方で、現代人の目は酷使され続けることになった。目薬ブランド『スマイル』では、目の疲れやかすみなど、様々な症状に悩む人のために『スマイル40 プレミアム ザ・ワン』シリーズなどの角膜を修復するビタミンAを配合した製品を発売している。同社は東京電機大学工学部情報通信工学科画像処理研究室の長谷川誠教授の研究を要素技術とした産学連携の共同開発を実施。『スマイル角膜チェッカー』では、AI画像解析技術による瞳のAIチェックが可能である。スマートフォンで顔を撮影すれば、AIが瞳を自動検知、角膜と涙の状態をスコア化して表示する。また、症状や清涼感の好み、コンタクトの有無などをチェックすれば、おすすめの『スマイル』ブランドの目薬がわかる目薬検索も行うことができる。(出典元の情報/画像より一部抜粋)(最新情報や詳細は公式サイトをご確認ください)※出典:プレスリリース
2024年02月16日起きている間中、働き続ける「目」。とくにPCやスマホが欠かせないアイテムとなった現代において、目にかかる負担は増え続けている。そんな現代人の目、とりわけ角膜について実態調査を行なったのが、現代人の角膜ケア研究室。角膜に傷がつくリスクに警鐘を鳴らすべくメディア向けのセミナーが9月28日(水)に開催された。目を酷使する時間が増加し、現代人は角膜の危機に!始めに、現代の生活スタイルの変化による角膜への影響について解説したのは、杏林大学医学部 眼科学 教授・日本角膜学会 理事長 山田昌和医師。1990年以降、使い捨てコンタクトレンズやPC・スマホの普及が加速。利用時間が増大したことにより、人々はそれまで以上に目を酷使するようになったことを説明。その影響でドライアイや角膜上皮障害(角膜の傷)への影響が大きくなったことを示した。また、オンライン授業やタブレットの使用など、生活スタイルの変化によって大人だけでなく「子どものドライアイにも危機感を抱いている」と話す、山田医師。「以前は、子どもはドライアイの対象ではなかったが、近年は子どものドライアイも増加傾向にある」ことを伝えた。厚さわずか0.5mm!薄くて傷付きやすい角膜の重要性目に頼る生活が定着し、ドライアイなどの角膜危機に注意が必要な今。「大切な目を守るためには、角膜がいかに傷付きやすいかを知っておくことが大事」だと語る、山田医師。そもそも角膜とは、目の表面にある厚さ0.5mmの透明な膜のことを指す。これほど薄いにもかかわらず5層になっており、最も外側にある角膜上皮層の厚さはわずか0.05mmほど。生きた細胞が剥き出しの状態のため傷付きやすいという特性をもっているという。そんな繊細な角膜を健康に保つために欠かせないのが、涙だ。通常は涙液の層が外側に膜をつくって生きた細胞を保護しており、まばたきによって角膜の表面に涙の膜をつくる。しかし、涙液層が不安定になると角膜がむき出しになり異物や、まばたきをするだけで傷が付いてしまうことも……。通常は自己修復機能によって少々のダメージは回復するが、PCやスマホの利用拡大を始め、傷付ける要因が多いと修復が追い付かず、傷が残る場合があるという。早め&習慣化がポイント!アイケアの重要性角膜に傷が付くと、目の乾きや疲れ、かすみ目やゴロゴロ感などの症状が出る。さらに、視力にも影響を与え、近視のリスクが高まる可能性も。山田医師いわく、「症状が悪化しないよう、またこのような症状を防ぐためには早めのケアが必要」とのこと。「アイケアは、毎日の目の疲れをリセットし、角膜の傷を予防する発想が大切であり、疲れたときだけではなく、日頃から習慣化することが重要。大人も子どもも角膜を守るアイケア=アイケアリテラシーが重要だ」と話した。また、同じく登壇した伊藤医院眼科副院長 有田玲子医師からは、「今日からできる角膜ケア」として、以下の3つの方法とポイントを紹介した。① 目を温める温罨法(おんあんぽう)・目を温めることで、角膜を覆い、涙の蒸発を防いでいる油が溶けやすくなる。・あずきで温めるアイマスクやビニール袋に入れた蒸しタオルなどで1日2回・5分以上温めると良い。② 点眼薬・角膜修復機能を持つビタミンA入りのものを選ぶことが重要。・角膜にやさしい防腐剤無添加のものもおすすめ。・1滴で十分効果的であるため、1度に何滴もささない。また、1日の上限回数を守る。(1日3〜6回)③ まばたきエクササイズの実践・まばたきが不完全だったり、回数が少なかったりすると、涙の水分の蒸発を防ぐ油が分泌されない。・まばたきエクササイズで目周りの筋肉(眼輪筋)を鍛えることでまばたきを正しくできるように。こうしたアイケアを行う重要性について、有田医師は、「加齢によって角膜の傷の修復機能が低下し、不快症状が長引くこともあるので、継続してアイケアを行うことが大切」と話し、角膜の傷を放置することのリスクとアイケアの重要性を改めて訴えた。【参考】※現代人の角膜ケア研究室
2022年10月11日この度、現代人の角膜ケア研究室ではここ数年の新しい生活様式の定着を受け、角膜に傷がつくリスクに警鐘を鳴らすべくメディア向けのセミナーを2022年9月28日(水)に開催いたしました。現代人の目の酷使環境や目の角膜ケアの重要性について杏林大学医学部 眼科学 教授 山田昌和先生からご講演いただき、伊藤医院眼科副院長 有田玲子先生より、親子の目の酷使実態の調査結果と考察についてお話しいただきました。セミナーの最後にはお二人の先生から今すぐ実践できる“おすすめのアイケア”について解説・実演いただきました。山田昌和先生と有田玲子先生<本セミナーのポイント>・VDT機器※の利用が増えるなど生活が変化し、現代人の環境は大人も子どもも角膜の傷リスクが非常に高いといえる。・親子に向けて目の酷使実態を調査した結果、大人も子どもも4人に1人は角膜の傷リスクを抱えていることが明らかに。さらに、疲れ目の不快症状やドライアイの可能性があるにもかかわらずアイケアが不十分な実態が明らかになり、角膜の傷リスクは国民的な問題といえる。・傷つきやすい角膜を守り、適切なアイケアを習慣的に行うことが大切。※VDT機器:Visual Display Terminalsの略で、パソコンやスマートフォンなどの情報機器。■デジタル社会の進展で増大する角膜の傷リスク~目の酷使による角膜の傷への影響とその対処法~杏林大学医学部 眼科学 教授 山田昌和先生デジタル社会の進展で増大する角膜の傷リスク~目の酷使による角膜の傷への影響とその対処法~(山田先生)セミナーの冒頭では、現代人の角膜ケア研究室の山田先生が現代の生活スタイルの変化による角膜への影響について解説しました。近年のVDT機器※利用時間は増加傾向にあり、大人も子どもも目を酷使する環境にあるとして、全世代で、目の酷使による角膜へのダメージ蓄積が進行していると懸念を示しました。「目の表面にある角膜では生きた細胞がむき出しになっていて、非常に繊細です。そのため外部環境の影響を受け、傷つきやすいといわれています。さらに角膜の傷を放置すると様々な不快症状につながり、視力にも影響が出ることがあります」(山田昌和先生)。山田先生は現代人の生活スタイルによって、角膜の傷リスクが高まっていると警鐘を鳴らしました。■大人も子どもも4人に1人が抱えている!現代人に知ってほしい角膜の傷リスク伊藤医院眼科副院長 有田玲子先生大人も子どもも4人に1人が抱えている!現代人に知ってほしい角膜の傷リスク(有田玲子)全世代でVDT機器※利用による目の負担が大きくなり、角膜の傷リスクが高まっている現代。その実態把握のために、眼科医の有田玲子先生監修のもと、小学校5・6年の子どもを持つ親500人を対象にその子どもも含め、「親子の目の酷使・実態調査」を実施し、その結果を考察していただきました。調査より、大人も子どもも、約25%がドライアイの可能性があり、さらに、大人の7割/子どもの4割が目の疲れを感じているという結果に。全世代でドライアイによる角膜の傷リスクが高まっている実態に注意喚起しました。「大人も子どもも4人に1人がドライアイの可能性があり、非常に多くの方が角膜の傷リスクを抱えていることが明らかになりました」(有田玲子先生)。さらに、アイケアの実態について、親がアイケアをしていない家庭ではその子どもの96.1%がアイケアをできていないという結果から、親子のアイケア実施に相関関係があることを示しました。有田先生は、目を酷使する時間が長く、角膜の傷の影響を受けやすい大人から、アイケアを積極的に行うよう呼びかけました。■アイケアの重要性と考え方 杏林大学医学部 眼科学 教授 山田昌和先生アイケアの重要性と考え方(山田先生)アイケアは、毎日の目の疲れをリセットし、角膜の傷を予防する発想が大切であり、疲れたときだけではなく、日頃から習慣化することが重要だと呼びかけました。目の疲れを感じていても、角膜に傷がついていると自覚していない人が多く、放置してしまう可能性を危惧し、参加者に向けて角膜の傷の可能性を確認する簡単なチェック方法を紹介。「寝ても疲れ目が解消しない」「常に目が乾いてショボショボする」「まぶしさを感じやすい」といった症状を感じる人は、角膜に傷がついている可能性があり、注意を促しました。■アイケア~実践エクササイズを紹介~ 伊藤医院眼科副院長 有田玲子先生まばたきエクササイズまばたきエクササイズ(有田先生)セミナーの最後には有田玲子先生より、具体的なアイケアを実践しながらご紹介いただきました。「加齢によって角膜の傷の修復機能が低下し不快症状が長引くこともあるので、継続してアイケアを行うことが大切です」(有田玲子先生)。角膜の傷を放置することのリスクを危惧し、アイケアの重要性を改めて訴えました。【今日からできるアイケア】(1) 目を温める温罨法(おんあんぽう)・目を温めることで、角膜を覆い、涙の蒸発を防いでいる油が溶けやすくなる。・あずきで温めるアイマスクやビニール袋に入れた蒸しタオルなどで1日2回・5分以上温めると良い。(2) 点眼薬・角膜修復機能を持つビタミンA入りのものを選ぶことが重要。・角膜にやさしい防腐剤無添加のものもおすすめ。・1滴で十分効果的であるため、一度に何滴もささない。また、1日の上限回数を守る。(1日3~6回)(3) まばたきエクササイズの実践・まばたきが不完全だったり、回数が少なかったりすると、涙の水分の蒸発を防ぐ油が分泌されない。・まばたきエクササイズで目周りの筋肉(眼輪筋)を鍛えることでまばたきを正しくできるように。■登壇者プロフィール山田昌和先生杏林大学医学部 眼科学 教授 日本角膜学会 理事長日本コンタクトレンズ学会 理事 山田昌和先生(やまだ・まさかず)ドライアイなどの角膜疾患を対象にして涙液や角膜試料の生化学的分析を行い、疾患や病態のバイオマーカーの探索を行っている。1986年慶應義塾大学医学部眼科研修医、専修医。93年米国Duke大学アイセンター研究員。95年慶應義塾大学眼科助手。97年慶應義塾大学眼科専任講師。2003年国立病院機構東京医療センター感覚器センター部長。13年杏林大学医学部眼科学教授。現職に至る。有田玲子先生伊藤医院眼科副院長 日本角膜学会 評議員 有田玲子先生(ありた・れいこ)ドライアイ、またドライアイの中でも特に『涙のあぶらの専門家』として、TV・雑誌・講演会・ワークショップ等を通じて精力的に活動する。油不足ドライアイ関連の英論文は70本以上発表し、世界一となる。「多くのかたへドライアイの正しい知識を身につけてほしい」と、2021年にYouTubeチャンネル『眼科医 有田玲子先生のドライアイ診察室』をスタートし、難しいことをわかりやすく明るく解説することをモットーに、ためになる情報を配信中。■参考情報「現代人の角膜ケア研究室」とは「現代人の角膜ケア研究室」は、近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態 等)」から現代人の目を守るため、角膜の専門家によって構成された啓発団体です。正しい角膜のセルフケアの方法や、角膜上皮障害の可能性が分かるチェックリストなど、角膜に関する情報を分かりやすく紹介しています。コンテンツの提供も可能ですので、ご希望の方はお問い合わせいただけますと幸いです。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月29日現代人の角膜(黒目部分)の傷リスクとアイケアについて啓発を行う「現代人の角膜ケア研究室」は、角膜の傷につながる目の酷使の実態を把握するために、伊藤医院眼科副院長・日本角膜学会 評議員の有田 玲子先生監修のもと、小学校高学年(5~6年生)の子どもをもつ30~50代の親(500人)を対象に、その子どもも含め「親子の目の酷使・実態調査」(2022年7月実施)を行いました。その結果、大人も子どもも約4人に1人が、角膜の傷リスクを抱えており、さらにはアイケアも十分になされていない実態が明らかになりました。現代は、大人も子どもも目を酷使しやすい環境にあり、涙に守られているだけの角膜は、傷つきやすい状況です。また、傷がつくことによって目の疲れなどの不快症状や疾患につながるリスクをはらむことから注意が必要です。調査結果をご報告するとともに、監修頂いた有田先生より、角膜の傷リスクの解説、アイケアの重要性のほか、簡単に実践できるアイケアをご紹介いたします。1. 調査結果サマリー(1) 大人も子どもも約4人に1人は目が乾きやすく、角膜が傷つきやすい状態になっている(2) VDT機器※1の平均利用時間(平日)は、大人が5時間、子どもが2.5時間という結果に(3) 大人の約7割、子どもの約4割が週に1日以上「目に疲れを感じる」と回答(4) 角膜の傷リスクを抱えている大人の47.4%、子どもの67.2%がアイケアできていない(5) 親がアイケアを行っていない家庭では、その子どもの約9割がアイケアを行っていない【調査概要】親子の目の酷使・実態調査・調査主体 :現代人の角膜ケア研究室・期間 :2022年7月22日(金)~24日(日)・方法 :インターネット調査・本調査対象者:500人小学校高学年(5~6年生)の子どもを持つ30代~50代の親(一都三県在住)で眼科に通院している・病院の処方薬を使っている人、ただし眼科に通院している・病院の処方薬を使っている子どもの親は除く・監修 :有田 玲子先生 伊藤医院眼科副院長医学博士 慶應義塾大学眼科非常勤講師東京大学眼科臨床研究員2. 監修者からのコメント現代人の目は、VDT機器※1の利用やエアコンの風などで酷使されやすい環境にあり、目の“角膜”は傷つきやすくなっています。目の疲れなどの不快症状は、角膜の傷や目が乾いている状態が原因の場合があります。調査では、角膜の傷リスクが高いにも関わらず、アイケアを十分に行っていない人が多くいることが分かりました。正しいアイケアを学び、アイケアリテラシーを高めていくことが、いま目の健康のために求められています。大人の場合、子どもと比べると、加齢と共に角膜の傷リスクも高くなっていくので、率先してアイケアを実践していくことをおすすめします。※1:VDT機器…Visual Display Terminalsの略で、パソコンやスマートフォンなどの情報機器。有田 玲子先生伊藤医院副院長日本角膜学会 評議員有田 玲子先生3. 調査結果詳細(1) 大人も子どもも約4人に1人は目が乾きやすく、角膜が傷つきやすい状態になっている角膜は涙によって守られているため、涙が蒸発しやすくなっている人は角膜を傷つけるリスクが高くなっています。本調査では、大人500名と子ども500名それぞれに「まばたきテスト」※2を実施してもらい、その結果をアンケートに記入してもらいました。このテストでは、まばたきをせず目を開けていられる秒数を計測し、10秒以下で目を閉じた人はドライアイの可能性が高く、角膜に傷がつくリスクも高くなります。結果は、大人も子どもも約4人に1人は目が乾きやすく、どちらの世代でも角膜に傷がつくリスクが高いことが分かりました。※2:まばたきテスト…目を開けた状態から時間を計測し、次にまばたきするまでの時間を確認するテスト。10秒以下で目を閉じた場合、涙が蒸発しやすくドライアイの可能性が疑われる。大人も子どもも約4人に1人は目が乾きやすく、角膜が傷つきやすい状態になっている(2) VDT機器※1の平均利用時間(平日)は、大人が5時間、子どもが2.5時間という結果に4人に1人が角膜の傷リスクを抱えている背景を探るため、VDT機器※1の平日の利用時間を、大人と子どもそれぞれに聞いたところ、大人の場合は5時間、子どもの場合は2.5時間であることが分かりました。大人の利用時間は、子どもの2倍になっており、仕事などで使用機会が多いことから、さらに目を酷使している実態がうかがえます。VDT機器※1の平均利用時間(平日)は、大人が5時間、子どもが2.5時間という結果に子どもの場合、学校や学校以外の学習でのPC・タブレットの使用状況については、約8割(82.0%)の子どもが、週に1回以上学習にPCやタブレットを使用していることが判明しました。昔と比べ、日常的にVDT機器※1への接触機会が増加しており、子どもも目を酷使している実態がうかがえます。約8割(82.0%)の子どもが、週に1回以上学習にPCやタブレットを使用していることが判明(3) 大人の約7割、子どもの約4割が週に1日以上「目に疲れを感じる」と回答大人と子どものVDT使用実態の結果を受け、大人と子どものそれぞれが目の不快症状を感じる頻度について聞いたところ、週に1日以上「目の疲れ」を感じている大人は約7割(74.8%)、また、週に1日以上「目の疲れ」を感じる子どもは約4割(36.4%)いることが分かりました。大人の場合、仕事でVDT機器※1などを使用する人が多く、目を酷使する機会も多いことから、目の疲れを引き起こしやすいことが考えられます。大人の約7割、子どもの約4割が週に1日以上「目に疲れを感じる」と回答(4) 角膜の傷リスクを抱えている大人の47.4%、子どもの67.2%がアイケアできていない大人も子どもも多くの人が角膜の傷リスクを抱える中、ケアの実態についても調査を行いました。アイケアの実施状況を調査したところ、全体でみると大人の場合は約半数(46.2%)、子どもの場合は約7割(66.6%)がアイケアを行っていないことが分かりました。さらに、本来積極的にケアを行うべき、角膜の傷リスクを抱えている人でみてみると、大人は47.4%、子どもは67.2%がケアを行っていないということが分かりました。大人も子どもも、角膜の傷リスクを抱えているにもかかわらずケアが十分にできていない方が多くいると推察されます。角膜の傷リスクを抱えている大人の47.4%、子どもの67.2%がアイケアできていない(5) 親がアイケアを行っていない家庭では、その子どもの約9割がアイケアを行っていない調査によると、親がアイケアを行っていない場合、その子どものほとんどがアイケアを行っていないということが分かりました。こうした相関関係から、親が積極的にアイケアを行うことで、子どもも含めアイケアリテラシーの向上に繋がると思われます。親がアイケアを行っていない家庭では、その子どもの約9割がアイケアを行っていない本調査の結果、大人も子どもも約4人に1人が「角膜の傷」リスクを抱えていることが分かりました。さらに、アイケアも十分になされていない実態からも、角膜の傷による影響も懸念されます。そのため、角膜の傷リスクを正しく理解し、大人から積極的にアイケアに取り組むことで、国民全体のアイケアリテラシーを上げていく必要があります。そこで今回、有田先生に子どもにも実践できるアイケアをうかがいました。4. 監修者コメント目を酷使する時代のアイケアとの向き合い方 ~自覚なき「角膜の傷リスク」~今回の調査で、VDT機器※1の利用が大人だけでなく子どもにも日常に広がっており、多くの人が「角膜の傷リスク」を抱えているということが分かりました。現代において、目を取り巻く環境は深刻です。エアコンやコンタクトレンズの使用、長時間のVDT機器※1の利用など、目を酷使する機会が増えています。これらは、目の涙を蒸発させ目を乾きやすくするだけではなく、角膜に傷がつくことで目の不快症状を引き起こします。多くの人が感じる「目の疲れ」も、単純に目の酷使によるものだけでなく、角膜の傷である可能性があります。傷を修復(ターンオーバー)できるよう、アイケアを習慣づけて行く必要があります。特に、大人の場合は加齢とともに修復(ターンオーバー)がだんだん遅くなるので、子ども以上にアイケアを意識して行う必要があります。例えば、仕事の休憩時間に遠くを見て目を休める、修復(ターンオーバー)を促す点眼薬を差すなど、決まったタイミングでアイケアを行い習慣化するのがおすすめです。お風呂上りに、ホットアイマスクで目を温めるのもよいでしょう。角膜の傷による影響が深刻な状況になる前に、アイケアを習慣にしましょう。【目の酷使から“角膜”を守る!正しいアイケア】(1) 目を温める「温罨法(おんあんぽう)」目を乾きにくくするためには、涙の質をよくすることが大切です。目を温めることで、涙の蒸発を防ぐ油を分泌するマイボーム腺の詰まった油を溶かしたり、ポリ袋などで包んだホットタオルやあずきで温めるアイマスクを当てるのもおすすめです。1日2回、1回につき5分ほど行うのが効果的です。(2) 正しい点眼薬の差し方点眼薬は、目の角膜の修復(ターンオーバー)を促すビタミンA入りのものがおすすめです。また、点眼薬に入っている防腐剤は、角膜の傷を悪化させる恐れがあるため、防腐剤無添加のものを選ぶと良いでしょう。1滴で十分効果があるので一度に何度も差さないようにしましょう。また、1日の上限数を守って使用することも重要です。(1日3~6回)(3) まばたきエクササイズ角膜を守る涙は99%の水分と1%の油でできています。目のマイボーム腺から油が出るように、まぶた付近の筋肉「眼輪筋」を鍛えて、しっかりまばたきができるようにすることが大切です。まばたきエクササイズ【監修者プロフィール】有田 玲子先生伊藤医院眼科副院長 医学博士 慶應義塾大学眼科元非常勤講師 東京大学眼科臨床研究員2012年、眼科医、一般のかた、患者さんに涙のあぶら・マイボーム腺の重要性を啓発するべくLid and Meibomian Gland Working Group(LIME研究会)を立ち上げ、涙のあぶらの重要性をより多くの方々に発信していくことを目的に講演会・講習会・ハンズオンワークショップ・患者さん向けパンフレットの作成などActiveに活動している。国際的には涙のあぶらに関する英文論文を70報以上Publishしており、涙のあぶらに関する論文数では世界一となっている。最近では一般の方へドライアイの正しい知識啓発のためYouTubeチャンネルを配信している。 有田 玲子先生 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年09月28日角膜(黒目部分)の傷リスクとケア方法について啓発を行う「現代人の角膜ケア研究室」は、角膜の傷につながる可能性のある「マスクドライアイ」の可視化実験を行い、その様子をまとめた動画を2月18日(金)WEBサイト内にて( )公開しました。1. 「マスクドライアイ」と角膜の傷「マスクドライアイ」とは、マスク着用時に上部から呼気が漏れ、目にかかることで涙が蒸発し、目の乾燥につながることを言います。ウィズコロナの時代において、マスクが手放せない今、私たちは断続的にドライアイになりやすい状態にあります。また、ドライアイの状態では、涙が不足し、角膜がむき出しになり、傷がついてしまう可能性があります。角膜に傷がつくと、疲れや乾き感、ゴロゴロするなど、様々な不快症状につながるため注意が必要です。2. 堀 裕一先生監修「マスクドライアイ」可視化実験を実施長期化するマスク生活によりドライアイ症状がでる、または悪化するといった事例が日本国内ならびに海外でも報告されています。国内でも「マスクドライアイ」の研究が進められており、先日行われた角膜カンファランス2022(22年2月)において、この研究の第一人者である東邦大学医療センター 大森病院眼科の堀 裕一先生のグループから報告がありました。このようにマスクとドライアイの関係が注目されている状況を受け、当研究室では堀 裕一先生監修のもと実験を行いました。その結果、呼吸に伴ってマスク上部から呼気が漏れ、それが目にかかっている様子が確認できました。このことから、マスク生活が当たり前となっている今、ドライアイのリスクが高まっていると示唆され、私たちは今まで以上に角膜を意識したアイケアをしていく必要があると言えます。3. 公開動画「マスクでドライアイになりやすい?『マスクドライアイ』可視化実験」 マスク着用時:マスクのすき間から呼気が漏れ出て目にかかる様子微粒子可視化システムにて、一般的な不織布マスクを着用し、呼気の流れを可視化。マスク未着用時は呼気が口からそのまま流れ出ていきます。マスクを着用すると上部のすき間から呼気が漏れ、肌を伝って目にかかることが確認できました。※当実験はマスクの性能を調査した実験ではありません。あくまで「マスクドライアイ」の実態を調査したものです。微粒子可視化システムマスク未着用時の呼気の流れ堀 裕一先生コメント4. ドライアイが角膜にもたらす影響とケア方法について<監修者:堀 裕一先生コメント>実験動画から、マスクと鼻のすき間から呼気が目の表面に当たっていることがわかります。私たちが行った「マスク装用が眼表面に与える影響についての検討」に関する研究では、マスク着用時は未着用時に比べて涙液層破壊時間(BUT)[※1]が短くなることが分かっています。[※2]つまり、マスク着用時に漏れ出る呼気が目にかかると、涙が乾きやすくなるということです。マスク生活が定着した現代は、ドライアイのリスクが高まっていると言えます。さらに目や涙が乾燥するだけでなく、角膜の傷にもつながる可能性があるため、注意が必要です。このように長時間のマスク着用により慢性的にドライアイのリスクが高まっている今、私たちは目を守るためにより一層アイケアが重要となっています。さらに、PCやスマートフォンを見る時間の増加により目を酷使していることや、自律神経の乱れから涙の量と質が低下していることなど、コロナ禍において私たちの目は日々危険な状態に晒されていると言えるでしょう。そこでドライアイ予防策として、おすすめしたいセルフケアの方法をご紹介します。[※1]涙液層破壊時間(BUT):ドライアイ診断をする際の指標の一つ。目を開けたまま瞬きをしない状態で、涙の層が壊れるまでに要する時間のことを指す。[※2]出典:「マスク装用が眼表面に与える影響についての検討」糸川 貴之、岡島 行伸、岩下 紘子、鈴木 崇、堀 裕一より、角膜カンファランス2022にて発表。<おすすめのアイケア方法>(1)意識的にまばたきを増やすパソコン作業などに集中すると、通常自然に行っているまばたきの回数が減ってしまいがちです。意識的にまばたきをすることで涙の蒸発を防ぎましょう。(2)パソコンで作業するときは少し視線を下げる上を向くとまぶたが開いて、より目が乾きやすくなってしまうため、モニターは少し見下ろす位置に置きましょう。(3)作業の合間に目をしっかり休める1時間の作業につき5~15分程度の休憩が望ましいです。少し遠くを見ることや、可能ならば目を温めるのも効果的です。(4)点眼薬で目を潤す目をいたわり、角膜のケアをするためにも用法用量を守って適切に使うことが大切です。点眼薬を差し過ぎると、逆に涙の膜が壊れ、質が低下し、角膜が傷つきやすくなってしまうため、1日5回~6回前後を限度とすることがおすすめです。<監修者プロフィール>堀 裕一先生 東邦大学医療センター 大森病院眼科 教授 診療部長角膜疾患やドライアイ、角膜移植、オキュラーサーフェス(角結膜上皮と涙液)を専門に研究を行う。1995年大阪大学医学部卒業、大阪大学医学部眼科学教室入局。2001年米国ハーバード大スケペンス眼研究所研究員。06年大阪大学医学部眼科助手(助教)、09年東邦大学医療センター佐倉病院眼科講師、11年東邦大学医療センター佐倉病院眼科准教授、14年東邦大学医療センター大森病院眼科教授。現在に至る。堀 裕一先生写真<実験概要>■実施日 :2022年1月18日(火)■実施場所:新日本空調株式会社 東京本社 クリーンルーム■実施概要:マスク着用時に漏れ出る呼気の流れを可視化。※一般的な不織布マスクを着用■被験者 :20代女性1名、20代男性1名、30代男性1名 計3名■実施主体:現代人の角膜ケア研究室■実験協力:新日本空調株式会社(微粒子可視化システムを使用)■実験監修:東邦大学医療センター 大森病院眼科 教授 診療部長/堀 裕一先生「現代人の角膜ケア研究室」(URL: )では、近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態 等)」から現代人の目を守るため、専門家による正しい角膜のセルフケア方法など、角膜に関する情報を分かりやすく、紹介しています。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年02月18日近年増加していると言われている「角膜上皮障害(角膜に傷がついた状態等)」。角膜の専門家によって構成された啓発団体「現代人の角膜ケア研究室」は、コロナ禍で目を酷使する環境が続くことで角膜の傷リスクが高まっているいま、メディアを対象にしたオンラインセミナーを開催した。新型コロナウイルスの感染拡大で角膜は危機的状況に東邦大学医療センター 大森病院眼科 教授 診療部長の堀裕一先生は、コロナ禍で深刻化する様々な角膜の傷リスクについて解説。長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響で、テレワークやオンライン授業などパソコンやスマートフォン、タブレットなどのデバイスを介して目に頼る生活が定着しつつある。こうした状況がドライアイ等を招き、角膜の危機的状況を進展させているという。角膜とは目の表面にある厚さ0.5mmの膜であり、眼球に光を取り入れたり、情報を正確に取り入れるというレンズの機能を持つ。一番外側の角膜上皮細胞は厚さが0.05mmほどしかなく、生きた細胞が剥き出しになっているため傷つきやすい。通常はまばたきによって涙の層が作られ、それが表面にあることで角膜を保護しているが、ドライアイによって涙の層が崩れると角膜が剥き出しになり、まばたきそのものでも傷ついてしまうという。角膜上皮細胞には自己修復機能があるが、目を傷つける要因が多いと修復が追いつかず、文字がぼやける・かすむ・痛みが出る等の不快な症状が出る。これらはしばしば歳や疲れのせいと放置しがちなので、注意が必要だそうだ。コロナ禍の“角膜の傷リスク三重苦”とはまたコロナ禍において起こる角膜の傷リスク三重苦として、3つの要因が堀先生によって紹介された。1つ目は目の酷使。パソコンやスマートフォンを長時間見続けるVDT作業に集中するとまばたきの回数が通常の1/4程度まで減少。また自律神経の交感神経が優位になることで涙が出にくくなり、結果として乾燥が進んで涙の層が崩れ、角膜が傷ついてしまうそう。2つ目はマスクドライアイ。マスクから漏れ出る呼気によって涙が蒸発し、目が乾燥してしまうという。3つ目は精神疲労による涙の量と質の低下。コロナ禍での不安やストレスによって自律神経のバランスが崩れ、涙の量が減るとともに、涙の層を守る油層を形成する「マイボーム腺」の働きが低下し質も低下してしまうのだとか。こうした傷リスクを回避するためには早めのケアが必要で、VDT作業中は目線を下げる・エアコンの風を直接目に当てないなどの他、入浴やストレッチなどリラックスして涙が出やすいようにする、点眼薬を使うことなどが推奨された。点眼薬は正しく使い、選ぶことが重要角膜のセルフケア方法として点眼薬は手軽で有効だが、一方で誤った使い方や選び方をしてしまっている場合があると警鐘を鳴らすのは、杏林大学医学部 眼科学 教授・日本角膜学会 理事長の、山田昌和先生。点眼の回数は1日に5〜6回までが適正。さし過ぎると涙の層が破壊され、角膜を傷つける恐れがあるという。また目に優しいものを選ぶことも重要で、防腐剤は角膜の傷リスクが高い人が使用すると症状を悪化させる場合があるので注意が必要だという。山田先生の監修によって実施した「コロナ禍の点眼薬使用実態調査」によると、点眼回数の適正回数についての意識が低いこと、また傷リスクが高い人ほど点眼回数が多いこと、さらに防腐剤の有無についても意識している人が少ないことが判明。良かれと思ってしていた点眼薬が、かえって症状を悪化させている可能性があることが明らかになった。未だ収束の目処が立たないコロナ禍。ニューノーマル時代のアイケア習慣として上記のような知識を頭に入れ、正しいケアで目をいたわりつつ、症状が改善しない時は早めに眼科を受診することが何よりも大切だ。
2021年04月26日ユニバーサルビューは、このたび、角膜矯正用コンタクトレンズの開発を完了し、東レ「ブレスオーコレクト」として7月2日より眼科向けに販売を開始する。同時に、眼科向けの処方支援システム「フィッティングマスター」の提供も開始するという。同製品は、就寝中につけることで、角膜形状を矯正。起床時にはレンズを外して、裸眼で活動することができる。仕事やスポーツでメガネやコンタククトレンズを使いたくない人、角膜屈折矯正手術(レーシック)をためらっている人、あるいは花粉症や、アレルギー、ドライアイなどの悩みを抱える人に有効だという。矯正効果は起きて活動している時間は十分に継続する。日本人の角膜形状は欧米人と比較して、中心部に突出の少ない球形角膜形状が多いと言われ、日本人の角膜形状に適したデザインのレンズであることが求められてきた。そのため同製品は、レンズの内面カーブを調整し、球形角膜に処方しやすいように設計されている。レンズ素材には、東レが開発したしなやかで割れにくい「やわらか素材」を使用。高い酸素透過性と割れにくさを両立したハードコンタクトレンズであり、親水性が高く、レンズによごれが付着しにくいことも特長だ。なお、同製品は全国の眼科クリニック等で医師の処方に基づき提供される。さらに、眼科施設へのスムーズな導入のために、処方支援システム「フィッティングマスター」が開発された。このシステムは、簡単な操作で医師の処方を的確にサポートするソフトウエアを搭載したタブレット端末として使用することができる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月04日