男女の友情は存在する? 個人的に男女の間で純粋な友情は存在しないと考えています。誰だって興味がなければ、特定の異性と二人きりでご飯を食べに行こうとはしません。だからこそきっと彼も同じ気持ちでいてくれはず…! だけど、もし万が一下手に動いて関係が壊れたら? そう思うほど二人の関係は余計にこじれていきます。 そこで今回は、彼に女を意識させる! 男女の友情を恋に進展させたい時におすすめの勝負ファッションとモテ行動についてご紹介します。イラスト、文・角侑子【スタイリストのファッション恋愛術】vol. 52髪型は彼でもわかるイメチェンを互いに異性である以上、友人といえど、お互いを意識することはあります。ほんの少しのキッカケで男女の関係に進むはずなのに、それをしないのは互いにその関係を壊したくないからですよね。そうして、友だちを続けることで、二人の間に恋愛を生みだす機会がどんどんなくなっていく…。それを打破するためにはまず、どちらかが大きな変化をみせること。外見を変えるというのは、そういう意味で大きな心情の変化を生み出します。そこでオススメなのが思い切って髪型を変えてみることです。ロングヘアならバッサリとショートにする。ショートの場合はいつもよりもヘアアレンジに凝ってみて、メイクも変えてみる。いつものアナタから彼の知らないアナタを意図的に作りましょう。思い切り、振り幅のある変化を見せることで、彼に「いったい何があったのだろう?」と気にしてもらう環境をつくるのです。もしかすると、それがキッカケで急に気になる存在へと昇格する可能性があるかも!勝負ファッション “女っぽアイテム” は欠かせない男友だちに女を意識してもらうには、やはり女を感じさせるアイテムを取り入れるのは必要不可欠! これまでも女っぽい服装をしていたという方は、ちょっとマニッシュなアイテムを取り入れると良いですが、それでも全身男っぽいコーデはNG! メンズライクなチェスターコートの中は、女っぽいタイトスカートを履いて勝負する……など、テイストは変えても女らしさを忘れないことを意識して取り入れてみましょう。男性は特にオシャレに興味がある人以外は、女性のファッションに疎い部分があります。なので、ちょっとつまらなくても定番のシンプルなハイヒールや、モテカラーのスカート、キラキラと光るビジューアクセを一点投入しておくこともお忘れなく。艶っぽく遠回しな「好き」を伝える男友だちと変な空気になるのがこわくて、恋愛の話を持ち込めなかったり、好きという言葉を言えなかったりすることはありませんか? しかし、恋心を相手に感じさせないといつまでも彼に「女性」として見てもらえません。二人の間にある空気は、あえて壊していく勇気を持ちましょう。そこでオススメなのが手はじめに、相手に「好き」を伝えることです。好きといっても、その種類はさまざまです。恋心の好き、友情の好き、人として好きがあるので、単純に好きと伝えたからといってアナタの恋心の全てが彼にバレるワケではありません。大事なのは面とむかって、上品に「〇〇くんのそういうところが好き」と伝えることです。いつもと違う女らしさに思わずドキドキしてしまうかも……♡ここが最大に難しい部分ではありますが、勇気を出すことで彼の中で “何か大きな変化” が出てくることは確実ですよ。いつまでも、そのままではいられない男友だちは、ぬるま湯につかるような居心地の良い間柄です。恋心がバレなければ、一緒にいつづけられます。しかし、ぬるま湯はぬるま湯…。いずれ、彼にとって特別な存在ができた時、アナタはその女性の存在に絶えられますか?あの時、言っておけば良かった…。と後悔する前に、悔いのない行動をしておきましょう。
2017年11月03日10月24日、日韓文化交流企画の舞台『ペール・ギュント』の制作発表会が都内で開かれ、浦井健治ら日韓の俳優6名と上演台本・演出を担当するヤン ジョンウンが登壇、作品の見所などを語った。公演には日本から15名、韓国から5名の俳優が出演する。原作はイプセンによって150年前に書かれたもの。夢見がちな青年ペール・ギュント(浦井健治)は母オーセ(マルシア)の心配をよそに、ある日、「遠回りをしろ」という闇からの声に導かれるように恋人ソールヴェイ(趣里)をひとり残し旅に出る。海を渡り世界を股にかけ、謎めいた緑衣の女(ユン ダギョン)らと愛を交わし、財産を築いては無一文になるのを繰り返す。妖精の一種トロールやその王様、猿までもが飛び出す、様々な出会いと別れに彩られた破天荒で壮大な“自分探し”の物語だ。「ペール・ギュント」チケット情報平昌冬季オリンピック開・閉会式の総合演出も務める演出家ヤン ジョンウンは、言葉によるイメージと美術や照明といった目の前のビジュアルとがない交ぜになるような幻想世界を体感して欲しいと話す。「私はこのプロジェクトで人生という物語の中で生きること、そして死ぬことに対する問いかけを提示したい。観客にとって自分の人生をオーバーラップさせられる出合いの場になれば」。また、舞台上では常に演奏家による生音楽が流れるといい、祝祭感溢れるステージとなりそうだ。浦井も東京公演はクリスマス、兵庫公演は大みそかに重なることもあり、「お酒でもひっかけつつ、観に来て頂ければ」と冗談混じりに笑う。稽古は始まって1週間程度だというこの日。「1週間が一か月にも感じる」「みんな古くからの友人みたい」と語る出演者らの口ぶりから、1日8時間という稽古の充実ぶりが伝わってくる。会見でも終始笑いが絶えず、チームワークはすでに万全な様子だ。「毎日筋肉痛になるぐらい想像を超えた世界です」(マルシア)、「お客さんもこのワクワク感を共に作り上げる物語の一員になるはず」(趣里)、「稽古開始1週間にしてもう自分が客席で観たい!と思える公演はあまりない」(浅野雅博)、「先日、稽古終わりに韓国の男優たちと松屋へ行きました。心から肉を欲するほど毎日ヘトヘトです(笑)」(キム デジン)、「互いの人生を祝福し、みんなが“今のままの自分でいい”と思える公演になることを心から願っています」(ユン ダギョン)。最後に浦井が言う。「宗教、政治、国境、男女の差、あらゆるボーダーを越えて、イプセンが描いた人間とは何か、人生における一番大切なものは何かなど、様々なテーマが浮かび上がってくる作品です。観る人それぞれに違ったメッセージが届き十人十色の気持ちを持ち帰って頂ける、もしくは10年後にそういうことだったのかと思い返して頂けるような作品になると思います」東京公演は2017年12月6日(水)から24日(日)まで東京・世田谷パブリックシアター、兵庫公演は12月30日(土)・31日(日)に兵庫県立芸術文化センターにて上演。チケット発売中。取材・文:石橋法子撮影:宮川舞子
2017年10月25日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第21回】『イ・ヨンエ』ーーさらに楽しめる究極ガイド『イ・ヨンエの晩餐』 連載の第3回でも紹介した、イ・ヨンエの新作『師任堂、色の日記』放送前に、制作されたテレビ番組『イ・ヨンエの晩餐』だが、今回、その番組を基にした本の日本語翻訳版の発売が決定したので、連載の最後に紹介しておきたい。 本書は、’14年2月2日と9日の2回にわたって放送された、SBS旧正月スペシャル番組の書籍化で、制作期間は6カ月の長期に及び、海外ロケまで敢行したドキュメンタリーの特別番組ではもちろん、女優がメインキャラクターを務める番組としても最近では例がないスケールである。 内容は番組同様の二部構成で、第一部は韓国料理のルーツを辿るのがメインストーリーだが、それと並行してイ・ヨンエ本人の日常生活も食事風景を中心に描かれる。100坪以上の豪邸の披露も初めてなら、夫と双子の子どもの素顔の公開も今回初で、普通では考えられないこのプライバシー公開の意図はよくわからない。現在の韓国料理の在り方の一環として自身の家庭での食事風景を紹介しただけかもしれないが、それにしても通常のドキュメンタリーではあり得ないほどの過剰サービスと考えたのは筆者だけだろうか。 第二部は、イタリア・フィレンツェへの海外取材で、グッチと共同主催した韓国伝統料理晩餐会の一部始終が収録されているが、韓国料理レストランが一軒もないイタリアの1000年都市フィレンツェで、2000年続いた韓国料理の神髄(薬食同源)を再発見するのは、料理研究書としても非凡な視点だ。異国で自国のアイデンティティを確認するテーマとして「料理」を取り上げているのは、この本を貫く基調低音ともいえる。さらに「料理」を「絵画」に替えれば、実は13年ぶりの復帰作『師任堂、色の日記』のストーリー展開とも相通じるところがあるのではないか。 テレビ番組やドキュメンタリーを書籍化する際には、事前に視聴していることを前提で編集されるものが多いが、今回の『イ・ヨンエの晩餐』はその番組を見ていなくても、一冊の本として、韓国料理のルーツを探るという観点でも読むことが可能な内容となっている(著者クレジットは、イ・ヨンエと番組の放送作家との共著)。『師任堂、色の日記』観賞の際の一番のガイドブックは実はこの本かもしれない(連載・了)。
2017年09月11日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第20回】『師任堂、色の日記』ーーイ・ヨンエの新作、その価値と出来について 13年ぶりのイ・ヨンエの主演作『師任堂、色の日記』は、最近になって地上波BS放送とレンタルで、やっと一般的に視聴できるようになった。事前の情報通り、現在と歴史上の役柄がパラレルになった凝った設定になっているが、家庭を持っている主婦の、単なる美術講師から教授になるまでのサクセスストーリー的な内容であれば、おそらくイ・ヨンエがこの役を受ける可能性はなかっただろう。これまで積み上げてきたキャリアに付け加わるものは何もないからだ。 実際、イ・ヨンエに限らず、40代半ばの女優を主役にするのにふさわしい設定は現代劇ではなかなかあるものではない。かといって、いまさら単なる長編時代劇では、何のために、『チャングムの誓い』の続編の出演を拒んできたのかわからない。 だからなのか、このドラマはそんな期待に十分応えたもので、基本ストーリーの一部に『ある日どこかで』(’80年の米映画、原作はリチャード・マシスン)をヒントにしているのは間違いなく、500年の時空を超えたSF的な設定での過去と現在の交差は、従来のTVドラマではあり得ないような独自の内容構成になっている。そこに本人なりの価値観を見出したから出演に至ったのではないか。 「歌を忘れた金糸雀は〜」の倣い通り、もう一度歌を歌ってもらうにはそれなりの舞台を用意しなければならない。この作品はイタリア海外ロケから始まり、大学の研究室や海外の学会というアカデミズムの現場を通して、500年前の時代劇の世界にも移行する広大なスケールの構成を持つ。そして、アカデミズムの生態、SFファンタジー、時代劇という三種類の要素を溶かし込んだ、およそ韓国ドラマで考えつくだけの贅の限りを尽くしたものといえる。 まさしく、イ・ヨンエ出演のために、そのすべての期待と条件を満足させるために準備されたものだが、これが意外にも佳作に仕上がっているのは、やはり脚本を始めとしたスタッフの努力の賜物だろう。過去の遺跡、暗号等のヒントから、現在の謎を解くパターンは『ダ・ヴィンチ・コード』等でもよく見られる設定だが、そのキーワードを国宝級の絵画にしたところが非凡であり、イ・ヨンエはこの大役に見事に応えている。少なくとも13年ぶりの復帰作として、その名誉は守られたというべきだろう。
2017年09月04日世田谷パブリックシアターが開場20周年を記念して、日韓文化交流企画となる舞台、イプセン作『ペール・ギュント』を12月に上演する。舞台『ペール・ギュント』チケット情報本作は、平昌オリンピック開・閉会式の総合演出を手掛ける韓国演劇界のトップクリエイター、ヤン・ジョンウンが芸術監督を務める劇団旅行者(ヨヘンジャ)にて上演を重ねてきた代表作のひとつ。日本では第20回BeSeTo演劇祭(13年)の招聘公演として新国立劇場にて上演され、際立つ身体性と言語表現によって色鮮やかに劇場空間を埋め尽くす、ヤン独自の世界観が大きな反響を呼んだ。今回は主人公ペール・ギュント役を浦井健治が担い、ワークショップで選ばれた日本人キャスト、ヤンの信頼厚い韓国人キャスト、そしてヤンの希望によりすべて日本人スタッフで固めた布陣で新演出版を誕生させる。海を越えた注目のタッグ、浦井とヤンに話を聞いた。「異なる文化で育った者同士が良いところを持ち寄り、一緒に冒険ができることはとても贅沢で幸せなこと。僕は参加できなかったのですが、今回共演する趣里ちゃんやほかの役者仲間から、すごい熱量でワークショップの報告が来たんですよ(笑)。『面白かった!ここまで自分をさらけ出すことができるのかと思った』と。そこまで思えるのは素敵ですよね」(浦井)「サイモン・マクバーニーが日本の俳優と作った『春琴』を世田谷パブリックシアターで観て、この空間にとても演劇的魅力を感じ、いつかこんな交流の舞台をやれたらと夢見ていました。浦井さんとの出会い、スタッフとのやり取りなど、すべての過程が今楽しくて仕方ありません。韓国人俳優に比べて日本人俳優はひかえめだという話をよく耳にしますが、ワークショップで出会った日本の俳優たちは全然違いましたね(笑)。すごく自由で、エネルギッシュで、挑戦を楽しんでいた。僕のほうがインスピレーションをもらいました」(ヤン)ワークショップについて浦井が「参加できず残念だったけど、僕は臆病なので」と冗談めかして言うと、ヤンはひときわ大きな笑い声をあげた。「先ほど浦井さんが口にした“冒険”という言葉が胸に刺さり、今また“臆病”という言葉にさらに深く揺さぶられました。私は、ペールも完璧な臆病者だと考えています。なぜなら、彼を信じる母親と恋人を故郷に残して自分探しの旅に出るペールは、あらゆる選択の局面でいつも無意識的に逃げ出すからです。すべての人間の怖れ、不安を集約したものがペール・ギュントで、浦井さんはそれを直感的に探り出したスマートな俳優だなと。期待が高まります」(ヤン)趣里、マルシアなど日本人15名と韓国人5名、総勢20名の出演陣で立ち上げる壮大な冒険譚。両国の情緒の差異を楽しみ、共感を探る、刺激的な旅路の始まりだ。「本当に大切にしたいものは身近にあることを伝えてくれる物語です。この作品を経験することで、僕も人生が豊かになるんじゃないかなと予感しています」(浦井)東京・世田谷パブリックシアターにて12月6日(水)に開幕。9月24日(日) より一般発売。取材・文:上野紀子
2017年09月01日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第19回】『ラスト・チャンス!〜愛と勝利のアッセンブリー〜』ーー国会議員の理想像を演じる俳優の適性とは 最近、韓国のみならず、日本でも国会議員の不祥事が話題になっている。その際にいつも問題になるのは、国会議員の適性及び品格だが、今回はその理想像を、演じる俳優を例に考えてみたい。 『ラスト・チャンス!~愛と勝利のアッセンブリー~』(’15年・KBS)は映画専門俳優だったチョン・ジョヨンが、デビュ?20年目にして初めてのドラマ出演で話題になった作品だ。この俳優の持ち味は、どこにでもいそうな市井の人物を演じることで、それ以外では戦争映画の命令に忠実な軍人等がはまり役だった(『シルミド』’03年、『トンマッコルへようこそ』’05年)。この作品でも、ストライキを起こした溶接作業員が仲間の汚名をそそぐために、政界に打って出るという人間味あふれる、一種純粋な性格の主人公の役を敢えてぎこちなく演じている。フィクションでありながら、ある種の国会議員の理想像ともいえる。 一般的な政治ドラマでは、無骨で朴訥、そして実直で前時代的なキャラクターは脇役ではあっても、主役には当てないのが普通である。だが、この作品はシナリオライターが直々に指名したチョン・ジェヨンのキャラクターを元に書き上げたとのことで、限りなく政治の素人である一般人を、魑魅魍魎な政治の世界に放り込むことによって起こる波紋をドラマの主題としている。これは何よりもまず、この俳優の風貌が醸し出す独特の雰囲気を抜きには考えられない。周辺には、それを利用しようとする人物と守る立場の側に、個性的な俳優を配置すればいいわけで、韓国ドラマの舞台として、裁判、病院に次ぐ第三の場ともいえる政治の世界ほど、こういった図式がふさわしい世界はない。 無学ゆえにストレートに感情を出してしまう主人公は持ち前の粘り腰で、従来とは違う、想像もつかない手法で次々と政治の難局を突破する。傍にはいつも優秀な秘書官(ソン・ユナ)がいるのだが、何故か彼女とは最後まで恋愛関係にはならない。主人公が離婚している設定もあって、恋愛感情を希薄にしているようにも感じるが、それがかえって主人公の純真さを伝える好効果にもなっている。このドラマが従来の、情欲と権謀策略が渦巻く政治ドラマとは全く違う印象を与えるのは、やはり俳優チョン・ジェヨンによるところが大だと思う。
2017年08月28日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第18回】『記憶~愛する人へ~』――イ・ソンミンにみる主演俳優の配役変化について 地味な印象の俳優の方が、逆に新しいキャラクターを演じるのにふさわしいと考える傾向があるのか、そういう例が最近増加している。人気俳優が派手な風体で派手なキャラクターを演じるのは当たり前すぎるし、悪相の俳優が凶悪な役を演じるのも却ってつまらない、面白くないという事なのだろうか。その意味も含めて、今回の『記憶~愛する人へ~』(’16年・tvN)はこれからの韓国ドラマのある方向性を示すと思われる作品である。 主役を演じるイ・ソンミンは今までは地味な脇役を長く続けてきた俳優の一人で、主役を演じたのは『ゴールデンタイム』(’12年)からだが、その時点で43歳という遅咲きだ。その一見地味でどこにでもいそうと思われていた俳優のキャリアは『ミセン』(’14年)で急転する。猛烈商社マンの人間臭い面を見せたこの作品は、イ・ソンミンという俳優をさらに印象付けることになり、この『記憶』でその評価は決定的になった。 『記憶』はテレビドラマとしてはかなり複雑な構造を持った作品である。むしろ、映画的といってもいい濃密さだ。主人公の敏腕弁護士はあまりにも強引な手法で弁護士の枠を超えて違法すれすれの事までこなすようになっている。だが、その裏には、子どもを不慮の事故で亡くして離婚、そして再婚して、仕事に忙殺されながらも、何とか幸せな家庭を築こうとする主人公なりの努力も垣間見えるという具合だ。そんな時、本人の体に異変が起こり(初期アルツハイマー病の宣告)、同時に一見平穏だった家庭にも、弁護士としての業務にも亀裂が入るようになる。ここで上司(イ・ソンミン)の言動に幻滅して辞表を出そうとしていた部下としてジュノ(2PM)が登場し、主人公と最後まで行動を共にするドラマ内の重要な人物となる。今や定番ともいえるK-POPメンバーの単独ドラマ進出については賛否両論あるが、この作品でも全体のマイナスにはなっていない。 前妻とのトラウマも並行して描かれるこのドラマの中で、主人公は、記憶が完全になくなる前に、何のために、何をすべきなのかを考えるようになる。症状が進んでいく残された時間の中で、主人公は最後の行動に出るが、これは誰にでも起こりうる人生の転機、岐路についての根源的な問いかけである。シナリオは、傑作『復活』『魔王』を手掛けたキム・ジウの最新作で、韓国ドラマの水準をまた一つ上げた。期待通りの秀作だ。
2017年08月21日9月24日(日)神奈川・横浜アリーナで開催されるK-POPライブイベント「10th Anniversary KMF2017」に日韓友情出演枠として、日本人アーティストの出演が決定した。【チケット情報はこちら】出演が決まったのは、PINK CRES.、アップアップガールズ(仮)、チャオベッラチンクエッティの3組。チケットの一般発売に先がけて、先行先着プリセールを8月21日(月)23:59まで受付中。■日韓GFSC Charity Campaign10th Anniversary KMF2017(10th Korean Music Festival)日時: 9月24日(日) 横浜アリーナ(神奈川県)【1部】開場 13:00 / 開演 14:00【2部】開場 18:00 / 開演 19:00出演:[日韓友情枠]PINK CRES. / アップアップガールズ(仮) / チャオベッラチンクエッティ/ CLC[その他出演]VIXX / NCT 127 / NCT DREAM / PENTAGON / TOPSECRET
2017年08月16日「男女の友情はアリかナシか」という意見の食い違いによって別れてしまうカップルは意外と多いようです。今回は、男女の友情が壊れる瞬間について考えてみましょう。境界線は『異性としての魅力』あるアンケートによると、女性は57.9%、男性は44.6%の人が「男女の友情は成立する」と答えています。(リクルート ブライダル総研調べ)成立しない理由の中には「どうしても下心が生まれてしまう」「一時的に友情でも、最終的には愛情になる」というものも。つまり、ずっと友達でいられる男女というのは、お互いに異性として見ることが難しい、いわゆる“圏外”の場合に限られるのかもしれません。逆に言えば、とくに意識しなくても異性が寄ってくる“モテ男”や“モテ女”は、「男女の友情は成立しない」と言う人が多いのではないでしょうか。さらに、モテる人は無意識に異性として意識させてしまうような仕草をしてしまいがち。そんな姿を目の当たりにし続けてきたのが“いつもモテるタイプと付き合っていた人”です。こういう人たちもまた「男女の友情は成立しない」と思っている可能性は高いと考えられます。男女の友情が壊れる瞬間男女の友情が成立している間は、お互いが“異性”として意識していないことが絶対条件です。つまり、お互いもしくはどちらかが “相手を異性として意識し始めた瞬間” こそ “男女の友情が壊れた瞬間” だと言えるでしょう。例えば、・女として扱ってくれた・彼氏の愚痴をこぼしていたら「俺だったらそんなことしない」と言われた・肌が触れた・キスするところを妄想してしまった・急に頻繁に連絡を取るようになった・イメチェンしてかっこよくなった・他の女の子にヤキモチを妬いた・もしかして私のこと好き...?と感じたこんな単純なことでも、異性として意識し始めてしまうことは十分にあり得ます。特に“異性に対する免疫がない女性”は、ちょっとしたことですぐキュン♡としてしまうので危険です。気付いたら泥沼...なんてことにならないためにも、男友達との距離感に気をつけてくださいね。
2017年08月10日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第17回】『町の弁護士チョ・ドゥルホ』ーパク・シニャンの成熟度について ’16年の『町の弁護士チョ・ドゥルホ』(KBS)は好評のうちに終了したのち、早々と続編制作が決定した。その主役が今いちばん韓国で演技力に定評がある俳優の1人である、パク・シニャンだ。 医師、弁護士といった職業がまさに嵌まり役で、熱血とコミカルな部分がないまぜになったオーバーな感情過多の部分さえ特徴の1つと思い当たる、他に類型を探すのが難しいタイプだ。静かな闘志を秘めて、およそ考えつくあらゆる人間の英知と感情をフルに使って、弁護に猪突猛進する。そういう役柄にピッタリな俳優はいそうでなかなかいない。もう少し庶民的な俳優のソン・ヒョンジュと対極的な位置にあるともいえる。 パク・シニャンは現在、48歳、映画もだが、ドラマは特に主演作品は少なく、作品を選ぶ俳優ともいわれている。’04年の『パリの恋人』が大ヒットしたためか、そのイメージが強かったが(『銭の戦争』はほとんど韓国版ナニワ金融道だが)、俳優としての本質は明らかに、その後の『サイン』、この『町の弁護士チョ・ドゥルホ』にある。 特にこの作品(『町の弁護士〜』)で、俳優としての評価は決定的になった。世界的に有名な俳優学校の1つであるアメリカのアクターズ・スタジオ出身かと錯覚するような部分もあり、アメリカの良心と称されたヘンリー・フォンダと言うより、韓国ではアン・ソンギ、イ・ソンミン、カン・シニルの系譜につながる、演劇的な俳優の1人だ。 今まで夥しい量の裁判、弁護士物が製作されてきたが、パク・シニャンの作品だけ違う手触りを感じるのは、一つにはこの俳優の人間的な、関西テイストをも彷彿させるキャラクターによるものだろう。様々な局面での意表を突く解決策は、シナリオの妙によるところが大であっても、俳優によってその印象がずいぶん違ってくる。そのくらい、タイトル通り庶民の味方となった“町の弁護士”としての活躍はまさに全開で、手垢の付いた正義の味方的な神話も一瞬信じたくなる錯覚を覚えるほどだ。 脇役の金貸し業パク・ウォンサンと、事務長ファン・ソクチョンとのコンビは傑作で、スパイ大作戦的な要素も加わって、視聴率の好調と続編制作決定の背景には、現在の韓国における汚職、収賄の忌避という民意の反映が大きいと思われる。
2017年08月07日女性は友情よりも愛情をとる、とよく言われています。そのため、「女の友情はもろい」「彼氏ができると急に音沙汰がなくなる」「結婚したら遊んでくれなくなった」……そんな話もよく聞きますよね。実際、彼氏ができた途端に付き合いが悪くなる女性を私も何人か見てきました。別にそれが悪いことだとは全く思いませんが、恋人や旦那さんができてもずっと変わらぬ付き合いを続けていきたいなと思える友達がそうなってしまった場合、やはり寂しいものがあります。女同士でしかわかり合えないような話やノリって、やっぱりありますからね……。女性限定完全匿名コミュニティ『GIRL’S TALK』では、旦那(彼氏)がいれば良い!友達いらない!という女性が多いことに疑問を持つ方が立てたトピックスが盛り上がりを見せています。●旦那がいれば友達はいらない? いる?トピ主さんは、旦那や彼氏がいても友達にいてほしい派だといいます。良いお友達に恵まれてきたようで、友達には感謝をしているそうです。しかし、世の中的には旦那(彼氏)がいれば良い!友達いらない!という女性が多いように感じられることから、友達が必要だと思う人はどれくらいいるのか、友達はいらないと思う人はなぜそう思うのかと質問しています。この質問に対し、「友達は必要」派からは、『友達は必要だよね。女友達と話してると楽しいよね。愚痴や悩み事も聞いて貰えるし』『友達と旦那は別物だなあ。友達大事だよ。女同士じゃないとわからないこともあるし』『老後はダンナではなく、友達とたくさん旅行とか行きたい』『友達いりますよ!愚痴とか悩みとか、男じゃわからないような感情とかそういうのは同性の人じゃないとわからないと思います!』『私は必要。歳を重ねれば重ねるほど同性の友達のありがたみが増してきてます』など、女同士ならではの楽しみや付き合い方があるとするコメントが寄せられていました。女性は“共感”を大切にするとよく言われていますが、やはり自分の思ったことや感じたことに対して一喜一憂してくれる友達の存在は大きな心の支えとなっているのでしょう。一方、「友達はいらない」派からは、『友達いらない。遊ぶのも家族と行くし、愚痴言い合うのはネットで足りる。必要性がない』『結婚して旦那と子どもがいる今は、遊びも食事も全部家族だけで楽しめるから、友人は必要ないんですよね』『友達と遊ぶより旦那と遊んだ方が楽だし楽しい!』『旦那は1番の友達でもあるから、足りてると言えば足りてる』など、旦那や子どもがいればそれだけで十分楽しいし満足、友達と一緒にいるより気楽、というコメントが寄せられていました。●旦那と友達は別。どちらも大切にしておくのが将来のためにもなる「必要派」「不要派」それぞれの意見を見てきましたが、「必要派」のほうが圧倒的に多いようでした。しかし、「友達は必要ない」という方たちのコメントを見ていて気になったのが、旦那も友達と変わらないから旦那だけいればいい、という考え方の人が多いこと。夫婦仲、家族仲が良いからこそのコメントと言えそうですが、あまりに夫に依存しすぎていると、万が一離婚や死別などがあった場合、相当な孤独に襲われそうです……。女性のほうが男性よりも寿命が長いのですから、「友達は必要ない」と言って友達を邪険にしていると、夫がいなくなった老後にひとりぼっち、なんて状況にもなりかねません。ベタベタした付き合いをする必要はありませんが、友達からの誘いにも適度に応じて大切にしていくことは必要だと思います。夫と友達はそれぞれ別のものとして、どちらも大切に末永く良い関係を築いていけたらいいですね。●文/パピマミ編集部●モデル/ゆみ、SAYA
2017年08月06日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第15回】『偉大なる糟糠の妻』ーー最強にして無敵なクイーンの登場! 今日本で見ることができる韓国ドラマで、最強にして無敵なキャラクターが遂に現れた。その女優はキム・ジヨン。本来は『偉大なる糟糠の妻』(’15年)の主人公の1人のはずが、キム・ジヨンの演技は適役どころではなく、その傍若無人な態度、傲岸不遜ともいえる言動、厚顔無恥の度合い、さらに容姿と学歴のコンプレックスが高じて無神経の塊りとなるに至っては、まるで何かが憑依しているかのようだ。どう考えても、この作品の真の主人公はこのキム・ジヨンであり、これはキム・ジヨンのためのドラマである。 善人か悪人か、という二元論ではとても割り切れない、常に相手を屈服させるシャウトボーカル口調、髪を上でまとめた年代を無視したヘアスタイル、わざと目立つことを目的としたかのようなヤンキーファッション。時代も世間も完全に超越して、人に文句を言うことで一日の大半の時間を使うことを生き甲斐としているような、わが道を行く自分中心のわがまま主婦キム・ジヨンは登場するだけであらゆる画面に波紋を呼び起こす。その言動は舞台を変えればほとんど、先頃、離党届を出した、“絶叫ピンクモンスター豊田真由子”のようだ。 このドラマは、同じマンションで偶然再会した3人の女子高の同級生たちの過去に関わった殺人事件と現在の彼女たちの夫婦生活や離婚、さらに復讐劇を描いたものだが、作品内の人間関係がすべて誰かとの血縁、姻戚関係等で完結するようにがんじがらめに設定されていて、少し作為が過剰過ぎるのが難点となっている。この点だけ目をつむれば、このキム・ジヨンの存在とキャラクターを全開にさせる、絶好の環境である人間関係が用意されているともいえる。とにかく、成金上がりの亭主の妻となった、学歴コンプレックスのキム・ジヨンの決まり文句「金と贅肉はたっぷりあるから」は近年の傑作で、その亭主の浮気がいつもささいな理由ですぐ露見してしまうところも大笑いである。 後半は、主人公の主婦たちのそれぞれの亭主への三人三様の報復劇になり、タイトル通りになるにしても、実はこの3人の関係は同級生同士ではあるものの、どこまで心を許した親友なのかは最後までわからない。お互いが必要な時には喧嘩状態で、喧嘩していない時は余計で傍迷惑な相談事を持ち込み、また3人の仲が悪くなるという寸法で、韓国ドラマにおけるシナリオの構成テクニックには今更ながら感服させられる。
2017年07月24日「男女の友情は成立するのか?」。する・しないで意見が分かれ、いつも結論が出ないこの話……そろそろ決着つけませんか?どうせ、そういう話をするときって、気に入った誰かが近くにいて、異性を意識しながら話してるんでしょ?というわけで今回は、男子たちがガチでどう思っているのか?屈託ない意見を聞いてきました!文・塚田牧夫成立するだろ!男A「成立するだろ。女友達いるよ、普通に」男B「そいつのこと、異性として意識してないの?」男A「してないしてない。ただの友達」男C「ムラっとするときとかないの?」男A「溜まってるとあるかな」男B「あるある。それはある」男C「男だからな」男B「それって友達と言えるのかね?」男A「言えるだろ。彼女じゃないんだから」男B「エッチな雰囲気になったらどうするの?」男A「しちゃえばいーじゃん」男C「友達じゃなくね(笑)?」男A「エッチしたって友達だろ!」男B「まぁ、一回エッチしたけど、なんか違うな……ってくらいの子のほうが、確かに完全に友達にはなるね」男A「だろ? 間違っちゃうときってあるよね」男C「それ言ったら、元カノとかも友達じゃん」男A「俺は元カノには連絡とらない主義」男B「元カノは友達になるだろ」エッチなしの友達にはなれる?男C「エッチも絶対しない。そういう女友達っている?」男A「いるだろ、普通に。したくない女」男B「まぁ、さすがにできない……ってヤツはいる」男C「彼女の友達とかもそうだよね」男A「友達の彼女とかな」男B「友達にしかならないポジションの子っているよね」男A「やっぱどう考えても、男女の友情は成立するよ。ある」男B「友達のフリして近づくことはあるけどね」男A「というか、最初は友達だよね? そっから仲良くなるわけでしょ?」男C「だから関係が進むと、“男女の友情はない”と言われちゃうんじゃないの?」男A「元カノとか、エッチしちゃったとか、さらに関係が進んで、親友的な友情になることもあるじゃん」男B「“私たち、友達に戻りましょう”って女が振るときのセリフもあるよね」男A「だから、やっぱ男女の友情はあるよ。“ない”って決めつけている人はいるかもしれなくて、できない人もいるだろうけど、それはその人の個性だからさ。基本的にはあるでしょ」男C「だな」男B「でもさ、相手に彼氏ができて離れちゃうとかない? それって友情と言わなくない?」男A「そんなの男友達だってあるじゃん。彼女できて疎遠になるやつ。でも、なんだかんだ、落ち着いたらまた友達。そんなもんだろ」男B「だな」男性3人が「男女の友情は成立するか?」についてガチで語りましたが、いかがでしたか。「ある」とは言っても、「エッチする」こともあるようで……。なんとも納得いかない女子もいるかもしれませんが、これが男子のホンネのようです!(C) SFIO CRACHO / Shutterstock(C) Dari Ya / Shutterstock
2017年07月16日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第14回】『隣人の妻』――同年代女性が共感した意外な痛快シーン ドラマの本筋とは一見関係のないような、さりげないシーンがいつまでも心に残るのが、名作の証拠と筆者は以前より考えているが、これは韓国ドラマでも例外ではない。そんなシーンが満載の作品を今回は紹介してみよう。 本欄では期せずしてケーブル局制作のドラマを紹介することが多くなっているが、それだけ、今のケーブル局ドラマは韓国の現在をストレートに投影しているともいえる。従来の多様な世代が見ることを前提にした家族ドラマ以外の、特定の層の「家族ドラマ」を現在見るにはケーブル局しかないといっていい。要するに自分の希望する番組を見たいのであれば、その選択は当然有料に直結するわけで、この方式を最良の形で実践しているのが韓国のケーブル局だ。 その中でも、’13年の『隣人の妻』(JTBC)はその典型的な作品例といっていい。おそらく、家族ドラマでありながら、親子の日常と同じ比重で、夫婦の性生活が扱われたのは、韓国ドラマの中でこの作品が初めてである。 医師と広告代理店勤務の共働き夫婦には中学生、高校生の2人の子どもがいる。夫婦の性生活にトラブルがあった夜の翌日、朝食は母親が適当に作るが、食事中、子どもたちはそのよそよそしい態度から、親たちの事情にある程度感づいている。これは見方によっては、少し危ない設定である。地上波放送では絶対ありえない設定とドラマ展開ともいえる。 メインストーリーはもう1組の夫婦と、会社、家庭共々、不倫も含めて密接な関係になっていく過程が中心の一種の不倫ドラマだが、2組の夫婦それぞれが親密な間柄になる設定はそんなに珍しくない。この作品はシリアスとコメディがないまぜになっている展開が新鮮で、なかでも見どころは、広告代理店勤務の母親(ヨム・ジョンア)と会社の同僚でもある、40代の独身遊び人OLとの奇妙な友人関係だ。ある時、話があるといって、その友人を夜中に呼び出し、2人でドライブして愚痴を言いながら朝まで飲み明かすシーンは痛快の一言に尽きる。 何とその回の半分近い時間を占めていて、本筋には意味のないこんなシーンが効果的に効いていたためか、ドラマの視聴者は敏感で、平均3%で同局の最高記録となった(因みにケーブルの視聴率を3~4倍すると地上波と同等になるという)。同年代の女性は、例えば、こういったシーンに最も共感したのに違いないと思うのだが、どうだろうか。
2017年07月16日男女間の話をすると、たまに出てくるのが男女間での友情は成立するのかどうかというテーマです。これは男と女でも違うでしょうし、人によっても意見は様々だと思います。実際のところ「ある」か「ない」かの明確な答えは出ていません。今回はそんな男女の友情をテーマに、男性はどう思っているのか本音や心情を明かします。1.友情関係よりも恋愛対象結論から言ってしまうと、男性は女性に対して友情よりも純粋に「恋愛対象」として見ているということが圧倒的に多いです。たとえ最初は友人関係が成立していても、その関係性が永遠である保証はない、むしろそこから恋愛対象に発展することの方が多いと言う見方もあります。友情と恋愛の境目も人それぞれ違うので、一概に「ここからここまで」と明言するのも難しいですが、あくまで友情か恋愛かと問われると、恋愛対象として捉えている男性は多いのでしょう。2.友人関係でも肉体関係に抵抗はないでは、恋愛対象とは別に、互いに友人関係にあると考えている男女が肉体関係に至った場合、それに対して抵抗があるのかどうか。男性は「ない」と言う声が多いです。例えば、同性の友達と2人で会う場合、遊ぶとか飲むとかその程度のことまでしか考えませんが、しかしこれが異性になると、遊ぶとか飲むの先に、肉体関係を期待する下心が出てしまうのです。たとえ互いに友人関係を結んでいても、友情と肉体関係は別腹と考える男性がいるということです。3.同性のように女性を友達と見る男性もただ、男性の中には「恋愛対象とは別」「純粋な友達」と答える方もいます。せっかく友情を育むことができたのに、恋愛関係という複雑なものに発展したくない、男女間の友情を大切にしたい、尊重したいと考える男性もいます。こういう男性は恋愛と友情の境界線を自分なりに制限し規制できるタイプで、軽率な行動を取らない真面目な男性に多いです。まとめて見ると、男性側にかなりの確率で下心を持って接することがあるのがわかります。女性側からしたら、男性との友情関係は成立するのか否か、一度じっくり考えてみると面白いですよ。
2017年07月14日(写真:THE FACT JAPAN) 再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第13回】『私たち、恋してる』ーー多様な家族像のなかで描かれるさりげない場面 ケーブルテレビ局JTBC制作の、アラフォーの男女3組それぞれの家庭の事情を描いた’14年の話題作『私たち、恋してる』だが、以前もこのコラムで述べたように、近年、ケーブル局制作の作品にはアメリカTVドラマの感覚に近い作品が多く、この作品もそうしたテイストを何らかの形で内包していると言えるだろう。内容的にも見所は盛り沢山だが、今回はこの作品を少し違った角度で見てみたい。 映画プロデューサー、キム・ソンス(以下、同様に俳優名)はかつての恋人(チェ・ジョンユン)に再会した時に初めて、別れた後に生まれた娘のことを知る。しかも、元恋人がその娘を子どものいない弟夫婦に託し、新たに結婚して新しい家庭を築いている経緯も知らないままだった。その事実を突きとめたキム・ソンスは、ようやくその娘と親子の対面を果たすが、2人は何ともいえないぎこちない感覚のまま、気まずい時間を過ごす。これは間違いなく韓国ドラマの“情感”の一つといえるものだ。だが、娘も高校生というそんなに子どもでもない年齢で、お互い親子として会うにはふさわしい時期だ。2人の他人行儀な食事が済んだ後、父親は何か欲しいものはないかと娘に問うと、叔父夫婦の家族の中で質素ながら、実子同様の愛情で育てられた娘は欲しい本があるので買ってほしいと言う。快諾した父親は本を買った後、他に欲しいものはないか、服でもどうだと言うと、制服のままの娘は本だけで十分と父親に感謝する。 “小さな喜び”ともいえそうな、どうということのないシーンのように見えるかもしれない。しかし、人生とは毎日の小さな出来事の積み重ねから構築されているもので、こういった細部の描写が韓国ドラマの質を支えているという筆者の持論は今も変わらない。もちろん、韓国ドラマのすべてが傑作なわけではない。だが、ヒットした作品には必ずといっていいほどこういったシーンが含まれていることも確かだ。いや、こういう描写が少なからず入っているところに、韓国ドラマの永遠の未来があると言い換えた方がいいかもしれない。 ドラマの設定以外の、一見本筋とは外れたような、前述のさりげない些細な描写にこそ、韓国ドラマの真実がある。このドラマもその観点から見るとまた違った側面を発見するはずだ。
2017年07月10日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第12回】家族ドラマの王道を継承する『家族を守れ』ーー女性ヒロインの健気 韓国ドラマの定番ともいえる家族ドラマも見るべき作品が少なくなったといわれて久しいが、その王道の継承ともいえるのが『家族を守れ』(’15年)だ。今回新しいテーマとして選ばれたのは、本当の家族より、疑似家族の方が家族本来の大切さを気付かせてくれるという逆説的なものだが、これが予想以上の効果を上げた(最高視聴率28%強)。 家族ドラマ作りにおいて、その条件を踏み外すことなく新味を入れるのは常に課題としてあるが、今回も、経済環境の格差から想定された設定は登場人物に見事に振り分けられている。つまり、金持ちの娘はわがままで意地の悪い性格、一方、庶民の娘は心優しく、気配りができ、料理上手で、少し人が良すぎるが、親はもちろん男を立て、兄弟及び家族の幸福を誰よりも願っているという対照的な役柄だ。主人公ヘスはその理想的な存在として、自身の不幸な家族関係を恨みもせず、血のつながらない子どもたちと助け合って毎日を生きている。その点では、紛れもない正統韓国ドラマの系譜で、伝統回帰というか、先祖返りの意味も持っているわけだ。 深刻な話の展開の中でも、笑いを誘うところは随所にある。例えば、主人公の医者の父親が、金がないことを妻になじられると「天国に貯金してあるから大丈夫」だというフレーズは傑作で、楽天的なようだが、韓国のラテン系アジア人ともいえる心性をよく表している。また、間抜けな叔父夫婦もコメディ・リリーフとして、ストーリー展開の中の息抜きになり飽きさせない。 さらに、常に主人公と対立する敵役も度を越した手段で最後まで執拗に邪魔をするが、実は悪役のほうが演じるのが難しいといわれていて、この作品も例外ではない。結末はある程度、勧善懲悪と予定調和に終わるが、そうであっても、このドラマを成り立たせているのはやはり主人公ヘスの健気さに尽きる。 かつての『男はつらいよ』の妹・さくらを演じた倍賞千恵子のような女優はこれからの日本の映画、ドラマの中では絶対出てこないだろうが、その残像をこの作品に見ることも可能だ。演じたカン・ビョルは今までは地味な脇役が多かったが、今回の抜擢で、韓国ドラマはまたしても新しい女優ーーヒロインを得た。韓国ドラマ世界の鉱脈はまだ掘り尽くせないようで、その充実ぶりはこの作品でも明らかだ。
2017年07月03日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第10回】『トロットの恋人』。K-POP出身者にみる俳優の層の厚さについて 最近の韓国ドラマの傾向の一つに、K-POPグループメンバーのドラマ出演がある。主役ではないが、重要な脇役として、配役されることが多く、話題作には必ずその存在がある。ミュージシャンだけでなく、俳優としてもデビューさせるための方法の一つでもあるが、これが必ずしもミスキャストでないのが韓国ドラマの奥深いところだ。今回はまず女優から、有望な新人として、その存在が無視できない例を取り上げてみたい。 まずは何といっても、チョン・ウンジである。A pinkのメンバーの一人でもあるが、『トロットの恋人』(‘14年)を見れば、本当にこれが歌手の演技なのかと疑ったのは筆者だけではないだろう。とにかく、どう考えてもこれは断じて素人芝居ではない。元々女優ではなかったのかと錯覚するほどその演技はこなれていて、庶民的な風貌、人懐っこい雰囲気は日本でいう関西在住の芸人のような味もある。これは実際に見て確認してもらうしかないが、それほど突出した出来といっていい。 これが主役の4人の中の1人で、さらに、もう1人の主役もK-POP出身の男優(チ・ヒョヌ)なのだから、題材がトロット(韓国の演歌のことだが、伝統歌謡ともいわれている)で、舞台が音楽業界という点を差し引いても(実際、この作品はK-POP全盛時代にもかかわらず、「トロット再評価」にもつながったという)、やはり韓国ドラマの俳優陣の層の厚さは驚異的だ。 さらに、歌手に対してこういうのも変な話だが、歌のほうも最初、アイドルシンガー程度と思っていたのだが、ドラマの中で歌うトロットの名曲『人生』(リュ・ゲヨン、’03年)のカバーはあまりのうまさに舌を巻いてしまった。これは一聴すれば誰にでもわかることで、「一芸に秀でる者は多芸に通ず」の典型的な例がここにある。 チョン・ウンジの女優としての評価は、『応答せよ1997』(’12年)で既に証明されていたが、ラブコメ演技満開のこの作品の方が本人生来のキャラクターに合っているように思う。コメディ女優は、他にも、コン・ヒョジン、キム・ソナ、ハン・イェスルと枚挙にいとまがないが、その中でもチョン・ウンジは20代では断トツ、しかも圧倒的な存在で、その意味でも、この『トロットの恋人』は必見だ。
2017年06月19日仲良しの男友達に対して、いつの間にか恋心を持ってしまう。こんな恋愛を経験する人も多いですね。友情と愛情の違いって何なのでしょうか。今回はどんな友達関係だと友情が愛情に変わりやすいのかについてご紹介します。いつも側にいてくれる楽しいときだけでなく、悲しいときや悩みがあるときも側にいてくれる。気がつけば頼りにしている自分に気がついたときに、友情が恋心に変わることがあります。何も用事がなくても会話をしていられるような安心感は、誰からも得られるものではないですよね。一緒にいることが当たり前、という関係は異性ではなかなか得られないものです。長い時間を一緒に過ごしている友情は愛情と違い、すぐには芽生えません。長い時間を一緒に過ごす中で、少しずつ育っていく信頼です。自分の性格や好みなどをよく知ってくれているのは、それだけ同じ時間を長く過ごしてきたから。一緒にいても違和感がないという感覚は、恋愛に発展しやすい大きな要素ですですね。2人で何かをするのが楽しいご飯を食べに行ったり映画を見に行ったり。2人で買い物に行っても楽しい。楽しいという感情は、誰といても生まれるものではありません。彼だからこそ、2人で何かをするとテンションが上がるのは、あなたの中で彼の存在が特別だからです。また相手からも、「一緒にいるならコイツだな」と思われているようなときは、ささいなきっかけで友情が愛情に変わることがあります。同性と違い、異性の友人というのは貴重な存在ですね。友達と恋人はまったく関係の中身が違いますが、普段から仲が良いということは、それだけ距離が近いので上手くいきやすいともいえます。普段隣にいてくれる彼が、将来の彼氏になるなんてことも十分ありえますよ!
2017年06月14日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第9回】『パパはスーパースター!?』。韓国ドラマにおける子役の存在について 普通の配役以上に子役が輝くのは、子どもの設定のままでありながら、大人の役柄の特徴を出す時だ。通常、子役とは、主人公の小学生〜中学生前後の役柄が多いが、それとは別に、子役自体が重要な配役の一人になる場合がある。その典型的な最近の好例が『パパはスーパースター!?』(’15年)で、この作品を推奨するのは、単なる家族の中での子どもではなく、ドラマにおいて不可欠な構成要素としての子役だからだ。韓国ドラマの最良の部分がよく出た作品の一つだと思う。 病のため命に限りがあることに気付いたシングルマザーである女医(イ・ユリ)は、残された子どものために、その父親役にするためかつての恋人(イ・ドンゴン)とヨリを戻す決断をする。その事情を知らない元恋人はもちろん、一人娘もその再婚理由を訝しがる。 元恋人は将来を嘱望された野球選手だったが、全盛期を過ぎた今はリハビリコーチとして、何とかチーム内に留まっているものの解雇寸前の不安定な立場にいる。だが、主人公は娘の将来を考えて、自分が丈夫なうちに娘とこの元恋人が家族となるための舞台建てを用意しておこうとする。その行為のすべてがコミカルに、しかも悲しみを秘めて描かれていて、このドラマを貫くトーンの一つだが、10歳になった小生意気な小学生の娘はそう簡単に母親の言う通りにはならないし、初めて会う母の元恋人にもなかなか心を開かない(折に触れてドラマのポイントに出てくる、娘が飼っている愛犬の存在が見逃せない。必見!)。 この10歳という年齢設定は、もう子どもではないが、かといって思春期に至っているわけでもない、小学校後半の自我も芽生えてくる時期にあたる。疑似親子になるのを成立させるためには、おそらくこの年齢設定しかない。 シングルマザーである母親と相手の父親役が30代半ばという設定がここで初めて意味を持ってくる。娘は少し小憎らしい大人びた言動も取るし、いつまでも子どもだと思っているとそれなりに反抗もする。要するに親の言うことを素直に聞かなくなる寸前の年齢だが、実はこの年齢設定がこのドラマのコンセプトには絶対に必要だったわけで、日本ではなかなかいないと思われる娘役の子役(イ・レ)の存在が何といっても絶妙であり、この作品の一番の見どころである。
2017年06月12日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第8回】『パンチ〜余命6ヶ月の奇跡〜』。現実は創作をはたして模倣するのかーー 一般的に、現実の事件等をヒントにした創作が書かれることは珍しくないが、現実が創作を模倣した事件がないわけではない。例外はいつの時代にでもある。 韓国では、政府や企業間であっても、親族関連による不祥事が後を絶たないのは血縁による共同身内意識が強いことの表れでもあるといわれている。血縁による絆は良くも悪くも切っても切れないものであり、プラスに働くことより、マイナスの要素の方が多い。政治家の退任後に不正が露見しなかったことはほとんどないといっていい。 大企業はもちろん、中小企業もほとんど同族経営だからいうまでもないが、この意識の延長線上に政治もあるのだから、汚職のルーツは血縁に通じるというのにはかなりの説得力がある。その縁を強調してドラマの設定、ストーリーを考えていくとそのまま現実のある事件に似てくるのは無理もない、いや必然なのかもしれない。そう思わせるような作品は実は今までかなり作られている。 例えば、今回の朴槿恵にまつわる「崔順実ゲート」は、表面的にストーリーだけを捉えるなら、従来の韓国ドラマの一部との差はほとんどない。例えば、『パン〜余命6ヶ月の奇跡〜』(’15年)はその典型的な例の一つといえるだろう。 この作品は余命が限られている身でありながら、今までの自らの裏工作を後悔し、その贖罪にすべてを懸ける若き検事の最後の戦いを描いたものだ。離婚した妻の協力を得ながらも、かつての上司へのリベンジには困難が多く、誰が誰の味方か敵かわからないまま話は進行していく。 事件の当事者である、かつての上司??検察総長の暗躍、また、法務長官の身勝手な変節と保身と言い、その深謀の深さをストーリーにうまく織り込んであるだけに、視聴者は誰が首謀者かすぐに察することができるように作られていて、最後は予想を凌駕するような結末を迎える。 ネットユーザーたちによって実際に創作ドラマの結末が左右されるのは韓国の特徴の一つだが、それと同様に、今回国民とマスコミは現実の政治の結末まで動かした。 結果的にこのドラマの中における主人公の立場は、現実(崔順実ゲート)では国民とマスコミが見事に代弁したことになる。創作と現実はまさに紙一重である。
2017年06月05日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第7回】正統派韓国政治ドラマ『プレジデント』の二転三転の見ごたえ 今回の大統領選は予想通り、文在寅の圧倒的な勝利で終わった。9年ぶりの革新政権の誕生といることで国内外の関心も高く、当選に至るまでの選挙運動は、日本でもかなり詳細に報道されていたが、実際にはもっと生臭い戦いがあったであろうことは容易に想像がつく。大統領選挙はドラマとしてみるなら、「戦争」と同様に、これほど人生を凝縮してあらわす舞台と背景はないからだ。 だが、民主化以降の「大統領選挙」そのものを題材にした韓国ドラマは意外と少なく、大統領候補が主人公で大統領選がストーリー展開そのものになっている作品は、最近では、極論すると『レディ・プレジデント』と『プレジデント』だけと思われる(偶然なのか、2作とも’01年制作で、『レディ〜』はタイトル通り、女性大統領誕生の話で、恋愛ドラマ仕立てでありながら善戦した内容だったが、朴槿恵の退陣という現実があっただけに、今この作品に言及する意味は全くない)。 この大統領選を機に再見する意味があると思うのは、実はこの『プレジデント』である。日本の漫画『イーグル』(かわぐちかいじ作、’98〜’01年)を元にしたものだが、そんな点を全く感じさせないくらい、正統派な韓国政治ドラマの佳作に仕上がっている。アメリカ映画的といってもいい充実度だ。 ドラマは現実とは大きく違い、所属政党から、ある議員が大統領選を目指してそれを勝ち取るまでの道のりが、選挙運動の古典的なイロハを踏襲しながら、個人的な人物が脇を固める設定で描かれる。ナンパの達人でもある色男の作戦参謀、民主化運動で友人である主人公の兄を亡くした実直な選挙本部長(カン・シニルの名演が光る)、使命感に燃える“お局さま”のメディア担当とそれにまつわる微笑ましい恋愛など見所満載。また、特筆すべきは、主役であるチェ・スジョンが実生活でも夫婦であるハ・ヒラとドラマ内で夫婦役を演じたことだ。 さらに、この大統領選の展開に、主人公の隠し子と養女の存在が絡み、複雑なストーリー展開になっていくが、最後まで二転三転する選挙活動の盛衰、そして、意外な結末はちょっと予想できないだろう。筆者は原作漫画を読んでいたにも拘わらず、巧妙な作劇の中で、原作自体のエンディングの意外さを失念していたくらいだが、違う解釈の結末ながら、このドラマの方が主人公の非情さを示すためにも説得力があったのではないか。女性目線で見ても、満足度が高いドラマの一つとして、この作品を推薦しておきたい。
2017年05月29日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第6回】『私の人生の春の日』。限られた時間の中の幸福感について 韓国ドラマの特徴の一つは、鑑賞後に感じる幸福感だと筆者は常々思っているが、その典型的な例として挙げるのがこの作品『私の人生の春の日』だ。これもストーリーはとりたてて新しいものではなく、そんなに新しい要素が付け加えられているわけでもない。だが、何を語るというより、どう語るかも映像表現ーードラマの一側面であり、重要な要素だ。 テーマは、別に韓国でなくても多用されている「闘病もの」の一つで、心臓に持病を抱えていた若い女性が献体で生体移植が可能になり、一命をとりとめて平穏な人生を過ごしているところに、ずいぶん歳の違うある会社経営者と知り合う。 実はその女性に移植された心臓は、その男の事故死した妻からのものだった。さらにその女性の婚約者は男の実弟という密接な設定の中、当然、この男女の恋愛がメインストーリーになっていく。興味深いのは、その心臓移植により、どういうわけか女性の中に、男の前妻の感情も同時に移植されたのではと思わせるシーンが効果的に使用されていて、情感の中の既視感(デジャヴ)ともいえる、説明のつかない繊細な印象を見る者に与えたのは予想外の効果だっただろう。 例えば、その女性が男の子を見ると何か胸にこみ上げるものがあり、理由もなく泣いてしまうとか、子どもたちと離れると寂しく思うといった情感を抱くようになると、同時に女性は男に対するもう一つの特別な感情を意識し始める。そして、男も、妻の心臓が女性に移植されていることに気付き、恋愛感情が芽生えた瞬間、同時に女性の体調が悪化し、残された限りある日々を男の家族と共に過ごすことになる。 この静かな時間の流れは、映画はもちろん、韓国ドラマ独特の特異な点の一つだ。 最後は女性がめぐり合った男とその家族との時間に、さらに、自分の人生に感謝して短い生涯を終えることを暗示してこのドラマは終わる。タイトルはその「みじかくも美しく燃え」た日々のことを例えたもので、その時期が私の人生の春の日だったという意味が込められている(ちなみに、女性の役名はボミ、ハングルで「春」という意味である)。 視聴後に残るのは、間違いなく、切ないほどの幸福感だ。
2017年05月22日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第5回】『風船ガム』のきめ細かく密接な共感ドラマ空間 韓国ドラマにあって日本のドラマにない特徴の一つが30〜40代を主役にしたドラマだ。現在、日本で一応の結婚適齢期(?)とされている30歳前後を対象にした(主人公たちの年齢設定は30歳)前クールの『東京タラレバ娘』(日本テレビ系)はかなりの例外だが、韓国ドラマは違う。その世代だけに焦点を当てた作品は少なくなっていても、家族ドラマがある限り、年代別のドラマはこれからも制作されていくだろう。 ’15年に放送されたドラマで、視聴率的にはさほど振るわなかったにもかかわらず、30代を主人公にして確かな支持を得た作品がある。その作品『風船ガム』の主演は『私の名前はキム・サムスン』(’05年)にも出演したチョン・リョウォン。当時24歳だった彼女も、10年後のこの作品では34歳でドラマ内の設定年齢(33歳)とほとんど同じで、その年齢をうまく取り入れて発想されたドラマというべきだろう。制作局はtvNで、まさに加入制の有料ケーブル放送特有の視聴者層の特性に適合した内容となっている。 まず33〜34歳の女性が主人公の韓国ドラマでは恋愛はほとんど不倫と同義語になるが、その種の不倫と復讐ドラマはまだ日本では一般的な支持を得られていないし、かつての昼メロが制作されていない現在では、さらにその枠は狭められている。だがその疑似体験として、この作品には日本のアラサーにも共感できる要素(30歳を過ぎると恋愛に臆病になるなど)が少なからずあり、俳優陣も充実している。中でも脇役として、『ラスト・ゲーム』(’15年)とは正反対のキャラクターを演じるパク・ウォンサンの存在も見逃せない。 親の再婚できょうだいのように育った男女が、年月を経て、女が不倫で悩んでいる頃に再会し、ある種予定調和のハッピーエンドで終わる話だが、この男女の間はもちろん、登場人物すべての人生の“風船ガム”は破れてもまた膨らませればいいという意味がそのまま題名になっている。身近で親密な幼なじみの間柄にある男女が、お互いの感情に気付くようになるのは恋愛ドラマのイロハだが、そこに至るまでの男女の間の距離が近づく時間がかつてないほどきめ細かく、微妙な感情の襞まで感じ取れるところが出色だ。 遅咲きの恋の成就ほど充実感が大きいというが、この作品でも例外ではない。極めて日本的な情感を読み取れる部分も多く、音楽の選曲も絶妙で、レンタルで再見する価値は絶対にある。 ※『風船ガム』DVD-BOX1、DVD-BOX2発売中価格:各14,000円(本体)+税販売元:NBCユニバーサル・エンターテイメント©CJ E&M Corporation, all rights reserved.
2017年05月15日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第4回】『紳士の品格』の実は侮れないネオ韓国ドラマ感覚 『紳士の品格』は’12年の作品だが、この種のドラマがあまり作られることがないだろう点でも貴重な作品だ。今まで上流階級を舞台にしていたドラマであっても、その設定の背景には登場人物の生い立ちと上昇志向が必ず隠されていたし、その人物相関図の中に「貧困」は少なからず内包されていて、韓国ドラマでは不可欠な要素の一つだったが、この作品ではそうした背景は完全に排除されている。 定番ともいえる、街中の食堂や屋台等の庶民(?)の描写がまったく出てこないだけでも画期的だが、今までのセオリーからすると、その要素を抜きにした世界でドラマを構築することが逆にいかに難しいか、これは従来の韓国ドラマの逆説の発想ともいえる。一般的な庶民の、現実の生活環境、及びその感覚は全く違うからだ。 その点だけでもこの作品がいかに異色な手触りのものかがわかるだろう。背景のヒントの一つが米ドラマ『Sex and the City』(’98~’04年)だとしても、まず、登場人物すべてにある程度の生活水準が構築されていて、それなりの職業があり、しかもセレブに近い階級にいる。生活の不安がなく、家族のしがらみもないという、ドラマが一番発生しにくい設定でストーリーを作るとなると、当然、テーマは恋愛に終始することになる。 さらに主人公の男たちが41歳という年齢設定を考えると、これは韓国でも同様だと思うが、’10年代現在の40歳前後の恋愛を描くのは、映像はもちろん小説でも、実際かなり難しい。決して若くないとは言っても、年齢的にこの時期の恋愛は大体そのまま不倫等に直結する。「不倫」と「復讐」は韓国ドラマ世界では同義語だが、その要素抜きで、この年代の恋愛ドラマが果たして成立するのか。 ドラマは登場人物たちの恋愛がゆるやかに描かれていくが、それだけで全20話を保たせるシナリオを描くにはそれなりの才能が要求される。実はこういう話がなかなか書けない。出色なのは、4人の同級生たちが40歳過ぎても毎日つるんでいるところで、友情に近い腐れ縁のコンビネーションがうまくからんで、起承転結があるようでない恋愛話がなんとなく進んでいく。 主役のチャン・ドンゴン、キム・ハヌルもワン・オブ・ゼムにすぎず、恋愛さえ二の次と思わせるほどで、これは主役俳優目当てで見た視聴者も途中で気付いたのではないだろうか。こういう意外な見所があるから韓国ドラマは侮れない。
2017年05月07日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第3回】『チャングム』から12年。イ・ヨンエ復活が意味すること 『冬のソナタ』の後、韓流ブームを決定づけたのは、何といっても、’05年に日本で放送された『宮廷女官チャングムの誓い』(以下・チャングム)で、NHKでも放送という点でも同じだが、一つ決定的に違うのは、男女双方が観賞したことだ。『冬のソナタ』はまず女性だけといってもよかったが、『チャングム』は違う。韓国ドラマに触れた男性の視聴者はこの作品が最初というのがほとんどだったはずだ。さらに、年代層も意外に広く、それまで大体50代前後だったのが、この作品で40〜70代まで広がった。加えて、セル中心の『冬のソナタ』に比べて、『チャングム』は巻数が長いこともあり、圧倒的にレンタル主体だった。このレンタル率は日本最大レンタルチェーンにその記録があり、おそらく今後もまず破られることはない、日本最高記録といわれている。 だが、主役のイ・ヨンエは、’09年に結婚で女優業を“引退”してしまう。その後、’12年に『チャングム』の続編の企画もあったが、イ・ヨンエ自身が出演を承諾しないため、結局その企画自体、頓挫してしまった。では、ほかの作品ではどうかとのことで、カムバック作まで話を持っていくために、放送局(SBS)はその前哨戦(ゴマすり?)としてか、家族も出演する特番まで制作して何とか実現にこぎつけたのが、現在、日中韓で同時放送中(KNTV)の『師任堂(サイムダン)、色の日記』というわけだ。 この特番『イ・ヨンエの晩餐』(’14年)は韓国料理の歴史をたどる趣旨のドキュメンタリーで、後半はイ・ヨンエ自身の家族も登場し、見方によっては芸能番組的な要素もあり、意外にも双子の子供たちまでが堂々と素顔のまま登場している。ここまでプライバシーを公開する必要はないのではと思われるが、スター女優の心理は一般常識では計れないようだ。 そこには、女優の存在はもちろん、成功した実業家の夫と双子の子供たちとの家庭という究極のセレブとしての完成形を誇示したい意図も感じられる。そのくらいこの特番でのイ・ヨンエはその点について象徴的で、しかも極めて魅力的である。 12年ぶりのドラマ出演という復活の裏には単なる女優業への復帰だけではなく、’18年平昌オリンピックの広報大使ともなった、新しいセレブとしてのデビューと、その確認の意味のほうが大きかったと思われる。
2017年04月24日再ブームの予感がする韓国ドラマ。そんな“韓ドラ”の凄ワザを、『定年後の韓国ドラマ』(幻冬舎新書)の著書もある、韓国ドラマを15年間で500作品見た、作家・藤脇邦夫が読み解く! 【第2回】『冬ソナ』続編は、親世代のしがらみが子供たちの愛憎劇に! 実は筆者自身、『冬のソナタ』の続編が年内に制作されるという話を聞いた時、そんなに驚いたわけではない。何故なら、このドラマの最終回は、続編を予想させる余韻を持って終わっていたからだ。当初の企画書の段階では、ペ・ヨンジュンの病死で終わるはずだったのは有名な話だが、視聴者からの反響もあり、脚本家たちと監督で話し合い、失明はしても生存するように書き変えたという。ぺ・ヨンジュンの死で終わらないということは、チェ・ジウとの再会があり、結ばれて、続編では二人の間に子供がいる設定も可能にしていたということだ。つまり、書き変えた時点から、続編のために伏線を既に張っていたともいえる。 ペ・ヨンジュンが出演するかどうかが話題になっているが、実はこの続編は本人がいないほうが作りやすいというか、逆に既に亡くなっていることを前提にしないとこれから後の話がうまく展開しないと筆者は予想している。本人は回想の中で登場するだけにして、続編はあくまでも、正編の主人公たちの子供世代の話を中心に、両親たちの過去の恋愛のしがらみが絡んでいる設定で考えるのが普通の発想である。 さらに、この続編のためにはもう一つの条件があったと思われる。それは前回とすべて同じ俳優が出演することだ。だが、正編のドラマが終わった後、続編を構想中に予期しないことが起こる。重要な登場人物役のパク・ヨンハが実際に自殺してしまったことだ。他は同じ俳優が出演している以上、ふんだんに回想シーンで登場するこの人物を続編だけ他の俳優が演じるわけにはいかない。そこで、続編ドラマの中でも、病気、事故等で死亡したという設定にすれば、少なくとも前回の回想の中でのドラマ設定はそのまま現在に継続して、無理なく移し替えることができる。 以上から考えると、続編の冒頭シーンはサンヒョク(パク・ヨンハ)の葬儀となる可能性が高い。その場に前回の登場人物が再登場することで、これ以降のストーリーが無理なく展開するからだ。そして、その葬儀会場での、誰かのモノローグで続編が始まる。 その時点で、ドラマ内のかつての登場人物の夫婦(ぺ・ヨンジュン&チェ・ジウ/パク・ソルミ/パク・ヨンハ)の子供たちも大体16〜17歳になっていて、実際に前回のドラマから、16年経っていることにも意味が通じることにもなるが、どうだろうか。
2017年04月17日こんにちは!いつもガールズレスキューに沢山のご相談をありがとうございます。ライターの城山ちょこです。今回、私が回答させて頂くのはこちら・・・!“高校2年です今さらすぎて、友達に聞けないのですが、最近、彼氏が欲しい願望が強くて、ちょっと話しただけで「この人いいな」とか思ってしまい、自分が本当に好きな人がわかりません好きって何ですか?”改めて考えると、“好き”ってなんなのでしょう?LIKEとLOVEの違いがイマイチ分からないという人も、多いのではないでしょうか。果たして、友情と恋愛感情の違いとは・・・?一緒に考えていきましょう。■・独占したい?彼が他の女子と仲良くしてたらどう思いますか?女友達と同じように彼の交友関係を素直に受け入れることができますか?友情なら、彼が皆から愛されることを素直に嬉しく思えるはずです。もしも悲しくなったり、焦ったりと心がざわつくのであれば恋愛感情の可能性大!なんだかピンとこない?それでは彼に彼女ができたらどうでしょう?“よかったね!”と彼の幸せを祝福できますか?そこで気持ちが沈むのなら、きっとそれはあなたの心が「彼の恋人になりたい!」と叫んでいるサインですよ。■・しばらく会えなくても平気?久々に会った時、単純に嬉しい!と思えるならそれはLIKE。LOVEなら “やっと会えたぁ!”と涙が出そうになったり、“なんでこんなに会えなかったの?”とイラッとするはず。だって、想い人と離れている時間って辛くて辛くて仕方がないものだから・・・。また、会えない時に彼のことばかり考えて何も手が付かないというのも立派なLOVE。あなたは彼と離れているとき、どんな思いで何を考えていますか?■・ロマンチックな場所に一緒に行ける?彼とロマンチックな場所にいるところを想像してみてください。例えばお台場や、横浜の赤レンガやみなとみらいなど、定番デートスポットを一緒に歩けますか?え?想像できないって?そりゃあ、もうLIKEでしょ?笑っちゃう!そんなあなたも十中八九、友情確定です。ときめくシチュエーションであってもときめかないということはそれは彼が恋愛対象ではないということ。恋心がある相手なら妄想がどんどん膨らみニタァ~としてしまうはず。さ、あなたは彼との妄想デート、楽しめるのでしょうか?■・イチャイチャできる?彼とイチャコラできますか?手を繋いだり、チュウしたり、その先まで・・・。友達ならどんなに仲が良くても、「無理ー!!!」ですよ、無理。どんなに気が合ったり、仲良くても生理的に受け付けない人と恋仲になるのはかなり難しいですから。あ、いいかも、距離を縮めてみたいかも!と思うのなら彼を男性として見ている証拠。今後、恋に発展する可能性は十分にあります。しかししかし、先に身体を許してしまうとセカンド女になってしまう危険があるので、注意!間違っても、試そうとして順序を逆転させないようにね。■・彼のキザなセリフ聞きたい?“俺には君しか見えない!”“俺の女になれよ!”映画や少女アニメのようなキザなセリフに耐えられますか・・・?何言ってんの?ウケる~とおもしろがったり、きもっ!とドン引きするならLIKE。自分を想ってくれて、嬉しい!と受け入れられるならLOVE。正直自分の趣味ではないと思う、臭いフレーズでもキュンキュンくるならもう大好きの域なのかも・・・。甘―い!でお馴染のお笑いコンビが言うようなセリフを彼が発するところを想像してみましょう。■最後にいかがでしょう?気になっている彼へのキモチはLOVE?LIKE?うーん。やっぱりLIKEかも・・・。そう思ってもガッカリしないで!少しずつ距離を縮めていけば、彼の魅力に気付いてLIKEからLOVEに発展することも大いにありますから。今は色々な人を見て、ゆっくり仲を深めていってみてください。そのうち、ドキドキする恋に巡り合えると思いますよ!(城山ちょこ/ライター)(ライター/城山ちょこ)
2017年03月01日なんでも話せる異性の友達というのは、貴重な存在ですよね。しかし男女の友情を維持するのは、想像以上に難しいもの。友達だと思っていた男性から、突然告白されて戸惑ったことのある女性もいるのでは。<男女の友情は成立するのか?>という疑問は誰しも一度は考えたことのある永遠のテーマ。ソフレやキスフレなど男女の関係性がゆるくなりつつある時代だからこそ、ここでは女子たちに注意喚起の意味も込めて、「成立しない説」を唱えてみたいと思います。■「男女の友情は成り立つ」男:41%、女:55%とある調査によると、「男女の友情は成り立つと思うか」という質問に対して、20代女性の55.3%が「成立する」と回答しました。20代男性では「成立する」と回答したのは41.0%で、男女の友情が「成立する説」に賛成するのは、男性よりも女性が多いことが分かりますね。余談ですが、調査結果を世代別でみると、30代や40代に比べて、20代は「異性との友情が成立する」と考える人が多いそうです。あえて恋人を作らなくても、異性とのつながりを保てる状況が若い世代で恋愛離れを進行させているのかもしれません。■心理学的にも男のほうが勘違いしやすい?さらに心理学的には、女性に比べて男性のほうが、友情が恋心に変わりやすいと言われています。社会心理学者・ルビンは、「友情と恋愛感情の違い」について次のような尺度を設けて、男女別に調査を行いました。その結果、男性より女性のほうが、友情と恋愛感情をはっきり区別していることがわかったそうです。友情・相手のことを高く評価する。・相手を信頼し、尊敬している。・自分と似たところがあると思う。恋愛感情・相手と心理学的にも身体的にもつながっていたい。離れているとつらい。・相手のために何かしてあげたい。犠牲を払ってもかまわない。・相手を独占したい。2人きりになりたい。誰かれ構わずにボディタッチをしていたら、その気のない男友達からデートに誘われてしまった……という女子も少なくないはず。これは男女の感覚の違いで、男性は「触られる」「何度も目があう」などの行動が続くと、勝手に「脈ありサイン」だと勘違いしてしまうのです。巷で繰り広げられている「モテテク」は、そんな男性の心理を利用したものと思われます。勘違いをされたくないような男性には、安易にモテテクを使ってしまうと大変なことになってしまう可能性があるので注意が必要ですよ。■ソフレなんて成立しない!さらに、生物学的にみると、男性は「ばらまく性」。つまり、男性は本能的にはできるだけ多くの子孫を残したいと考えています。普段は理性で性欲をコントロールしていたとしても、夜遅い時間やお酒を飲んだ時などに女友達と二人きりになるとつい魔が差して、手を出してしまいたくなるのです。話題のソフレなんてものは、男性の本能の前では存在しないのかもしれませんね。しかし、一昔前の男性に比べると、価値観の多様化から「別にヤりたいと、あまり思わない」なんていう性欲の弱い若い男性が増えてきているのも事実。一緒のベッドで寝ても何もなかった……なんてこともザラにあるという人も多いのでは?そんな関係が続けば、安心して「友達」として付き合っていけると感じてしまうのは仕方がないのです。「彼は友達だから……」と恋愛相談をしたり、部屋に呼んだりしていると、痛い目に遭うかもしれません。男性の優しさや好意に、都合よく甘え過ぎることのないように注意したいですね。逆に、男友達を好きになっちゃった!という場合はこの心理をうまく利用できるかもしれません。「好き」というそぶりを見せたり、自分を女性として意識させることで、相手に恋愛対象として見てもらえるのではないでしょうか。
2016年08月04日“信頼できる男友だち”は、いますか?恋愛感情が伴わない「男女の友情」というものは、本当に存在するのでしょうか。婚活アプリ「マッチアラーム」が20代・30代の独身男女721人を対象に実施した「恋愛、婚活に関する調査」と、恋愛・婚活マッチングサービス「pairs」が全国の男女2,413人を対象に行った調査「付き合っていなくても手をつなぐ男性の心理とは?」を基に、考えてみましょう。■■男性側の意見は・・・・・・男性に「男女の友情は成り立つと思いますか?」(「マッチアラーム」調べ)と尋ねた結果、「成り立つ」は68.5%、「成り立たない」は31.5%。「成り立つ」派が多数ですが、「絶対に成り立たない」と思っている男性も3割は存在しているということですね。■■遊び仲間は友情である男女の友情が成り立つと思う理由としては、「実際に異性で友達がいるから」(男性/30代前半)、「楽しく遊ぶだけの付き合いでも友情と思えるから、そうゆう距離感もいいと思う」(男性/30代前半、「お互いがそうあることができれば成り立つと思います」(男性/30代半ば)、「別れた彼女とは仲良い友達になってるから」(男性/30代後半)などがあげられました。多くの男性が、恋人ではないけれど気軽に遊べる関係を男女の友情と考えている様子。仕事や恋愛での悩みを打ち明けたり、日々の人間関係やストレスを忘れて楽しく遊んだりできるのは、男女にかかわらず「友達」という関係なのでしょう。また、お互いのことを知り尽くしているけれども恋人ではない、「元カノ・元カレ」も、別れたことによってこういった友達関係にシフトしていくようです。■■ただし、恋愛感情に発展することも一方で、男女の友情が「成り立たない」と考えている男性の意見を見てみると、「男女である以上間違いが起きる可能性があるから」(男性/30代半ば)、「どちらか一方が恋心を持った時点で、破綻する為」(男性/30代前半)、「男が性欲を我慢できないから」(男性/20代半ば)など。お互いの関係が友情だと思っていたとしても、ふとしたきっかけで恋愛に発展してしまうことは大いにあり得る、との見方です。確かに、たとえ男女の友情が成立したとしても、その先も絶対に恋愛関係に発展しないとは言い切れないですよね。■■相手に「勘違い」させないために「男女の友情は成立する」という考えが多くとも、「恋愛に発展しないとは言い切れません。信頼している異性との友情を長続きさせるためには、誤解や勘違いを防ぐ工夫が必要です。・相手を独占しようとしない例えば、頻繁に連絡を取り合って相手の時間を独占すると、どうしても彼女のような立ち位置に。「私のお願いを優先してよ」ではなく、相手の幸せを応援する姿勢も必要です。・相手の気持ちを見極める相手の生活が自分中心になっていないか探ることも重要。朝、昼休み、夜と暇さえあればメッセージを送ってくるという場合は、相手の気持ちが友情を超えている可能性があります。「男女の友情っていいよね」と牽制するのもひとつの方法です。・恋愛感情はないことを伝えておく「こんなに何でも言える『友達』、◯◯くんしかいないな」は、“私はあなたを友達だと思っている”ことをさりげなく伝えるのにぴったりなセリフ。相手が「そうだね。俺も!」と返ってくるか「そうだね、もう友達を超えてるよね」と返ってくるかで、相手が自分のことをどう思っているのかを知ることもできます。■■最後に「楽しく遊んでいるだけのつもりが相手を真剣にさせてしまった!」という事態もあれば、恋心を抱いた相手が自分のことを友達だと思っているケースも。お互いに勘違いしないためには、立ち位置を確認し合うことが大切。信頼しているからといって相手の人生の中心にならない工夫や、相手の気持ちを確かめる工夫が必要ですね。(Nao Kiyota/ライター)参考: (ハウコレ編集部)
2016年07月22日