仕事や遊びを楽しんできたけれど、年齢的にもそろそろ結婚したい。でも、結婚したいと思うような男性がなかなか現れない…。そんな悩みについて、脳科学者の黒川伊保子さんに回答いただきました。(c)samurai39 - Fotolia.com【質問】新卒で今の会社に入って7年。大手企業なのですが、重役秘書ということもあり周りはおじさんばかりで、社内恋愛はムリ。積極的に飲み会に行ったり、街コンにも参加しているのですが、なかなかいい出会いに恵まれません。じつは、彼氏いない歴も5年に突入。でも、そろそろ歳だし子供も欲しいので結婚したい。もしこのまま結婚できなくてひとりで生きていく事になったらどうしよう、と思うと不安で仕方ありません。(35歳・秘書)【回答】「出会いはあるのにいい人がいない」ということですが、「いい人」=「ときめく人」と思っているならば、いないのは当然のこと。それは脳の生殖戦略によって30歳半ばになると、ときめく能力が鈍くなっているからなのです。なぜなら、20代のうちはできるだけいい遺伝子の相手と結婚したいから、異性を取捨選択します。女子は何千人分の一人で厳選して発情しているので、出会った瞬間にときめいて、「この人しかいない」感があるのです。だから20代の恋は確信が強い。でも、32歳を過ぎても妊娠していないということは、このまま妊娠しない可能性が高いので、脳が戦略を変えて感度を鈍くしているのです。鈍いということは、捨てる男の数が少ないし、おじさんが近づいてきただけで「気持ち悪い!」みたいな事にはならないので選択肢は広がります。ただ、激しいときめきがないだけ。本当だったら、友達に反対されても経済的に厳しくても、「この人が好き」と思ったら、失敗してもいいから20代のうちに結婚すべきなのです。それで、ダメだったらやり直せばいいだけ。もし、30代半ばを過ぎても結婚して子供が欲しいなら、恋なんて言ってないでさっさとお見合いをしましょう。それで、手を握って気持ち悪くなくて、お互いにイヤじゃなければ、その相手に決めてください。■自分の行動圏外で出会いを探してそれから、合コンに行っても婚活しても穏やかに過ごせそうな相手さえ見つからないのは、そこに来るような男子にはあなたの遺伝子に合う相手がいないということ。だとしたら、全く違う場所に行かなくてはいけません。田舎の農園や漁師町、とんでもなくマニアックなナントカ工業の学会や農業実習、工場見学に行ってみるとか。普段インドア派なら、自転車競技やカヌー、登山に挑戦するのもいいし、活動的な人であれば俳句の会などもおすすめです。ポイントは、発想をすごく変えて思いもよらない場所を選ぶことが重要です。とはいえ、結婚して子供を産むことが女子の人生にとって全てではないことも覚えておいてください。もし、ひとりで生きて行くという選択をするとしたら、何か社会的に自分ができることを習得しておきましょう。定年退職後も、趣味でもボランティアでもいいから仲間の中で何か活躍出来てステップアップできるものを身につけておくと安心です。結婚に囚われない趣味仲間などの人間関係をきちんと築いておけば、そのうち「ああ、なんか別々に帰るの寂しいね」と思えるような相手が見つかることもあります。40歳を過ぎると、脳が生殖のための戦略をあきらめてきますから、かえって、小学生の時のようなプラトニックラブも出来るようになってきます。ひょんなことから一世一代の恋をするかも。大事なのは、知と戦略。女は35すぎたら、ときめく相手を探しに、いつもと違う場所に出向くこと。38になっても出逢えず、この人生で「子どもが欲しい」と思うのなら、恋だのときめきだの言わずに、「いい家族になれる人」を冷静に手に入れる。それも気持ちに合わないのなら、女の人生は子供を産む事がマストという価値観を捨てて、別の生きる価値を創生すること。自分を磨いて待っているだけじゃ、大人の恋は始まらないのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年08月15日流行やトレンドは誰がどのように決めているのか、不思議に思ったことはないでしょうか。実は、それは誰かが作ったのではなく、私たちの脳が自ら作り出しているものだということを脳科学者の黒川伊保子さんが解明しました。人の脳は“一定の刺激に対し7年で飽きる”というブレインサイクルがあります。たとえばどんなに愛し合った恋人も、残念だけど7年で飽きる。それは、他の異性と生殖行為をして、なるべく多くの遺伝子を残すためでもあるのです。ただ、それを知っていればこの時期を乗り越えられるから大丈夫なのですが(微笑)。さて、7という数字には根拠があり、7つの記号はヒトが容易に短期記憶できる最大数といわれているのです。正確には8つの人もいれば、6つの人もいるのですが、7つである人が人類の大部分を占めます。このため、ヒトは、とっさに何かの世界観をつかもうとするとき、7つの情報が取り揃うと完全性を感じます。ラッキーセブン、七福神、七不思議、七つ道具、七つの海、世界七大○○、聖書の「知恵の七柱」「七つの大罪」などなど、7を使ったことばは世界中に多く存在します。虹が七色に見えるのも、音階が七音(ドレミファソラシ)であらわされるのも、脳科学上の深い意味があります。7日に一巡した感じがあるのも、単なる習慣だけではないようです。キリスト教の神様も、イスラム教の神様も1週間で暮らせと言っているし、仏教でも初七日、二七日…と、49日(7週間)で故人をあきらめていきますものね。また、7日は太陽暦の一週間の単位でもあるし、4倍すれば月の公転周期にも近い。女性の月経の周期の目安でもあり、7日×4の周期が私たちの脳と身体を刻む単位であることは間違いありません。人が求める完成にはハード期とソフト期があり、これも7年×4ブロックの変化を経て、28年周期でやってきます。ソフト期は自然体が心地よく、共感が好きで、ふっくらとした丸いラインなど女性的な要素が反映される時代です。人々は物よりも用途を重んじるようになり、生活に関わる身近なものに関心が集まります。ちょうど2012年までの28年間はソフト期で、人間と人間の関係性が成熟してくるので、SNSが流行ったり、インターネットが配備されたりしました。また、意識が「癒し」に向いて、自然体の飾らないアイドルや女優達が人気を博し、自然の最もたるもの=宇宙とつながりたい欲求が高まるのでスピリチュアルブームが起こります。反対に、ハード期には冒険やサバイバル気分に駆り立てられ、皆が競争しゴールを目指す時期。合理化が進む時代でもあり、視覚的にもモノトーンや直線的なデザインが心地よく、分かりやすく必然性のある展開が好まれます。去年からこのハード期に入り、目に見えて合理的でカッコいいことが重要視される時代になりました。例えば車だったら、家に車をはめたらすごく綺麗な造形のデザインになり、そのままトランクを開けて冷蔵庫に食品をしまえるなど、思いも寄らない展開に住空間も変わっていきます。また、ロボットも疑似人間型だけではなく家そのものが人工知能的に機能し、日の光を入れるために勝手にシャッターを開けてくれるとか、あらゆる形で進化していきます。インターネットは会員制になり、常に情報を垂れ流すのではなく、吟味して評価された記事のみ掲載されたり、雑誌や新聞のように、評価される空間に変わって行くようになります。しかも、素人がブログのように書くのではなく、しっかりした評価機関によって客観的に書かれるようになるでしょう。このように、ブレインサイクルでトレンドを捉えることで、仕事も生き方も時代の波に乗る事ができるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月25日女性と違って「座標原点」をつくりたがるのが男性。帰る場所があることで、安心して仕事もできるし、日々を過ごすことができる。そして、その原点に自分がなってしまえば、右に出るものはいないほど相手にとって大事な存在になると、脳科学者の黒川伊保子さんが教えてくれました。空間認識でものを見ている男性にとって、その始点である座標原点はとても大事です。たとえばその原点が苦労した思い出だったら、たまにその時の記憶に戻り、「あそこから自分はここまできたな~」と今を確認したり、それが妻だったら、毎日帰ってきて「ああ、家に帰ったな」と安心したりする。お祭りが楽しみな人だったら、「お祭りまであと何カ月」と数えることで、それまでの距離感を測っているのです。男性って、美容院とか行きつけの居酒屋とか、1度決めたらよほどのことがないかぎり変えないですよね。それは、その場所を定点にしているから。思念空間に原点といくつかの定点を置いて、それらを使って距離感を探りながら世界を広げていくのが男性脳なのです。私の舅は「お昼は蕎麦」と決めているのですが、そこを原点にして一日の距離感を測っています。また、入院していても女房がいない寂しさで、ムリを言って帰って来てしまう人もいます。普段は無口でそっけない夫でも、妻がいるところにどこからでも戻ってきたがるのは、そこが定点だから。座標原点になってしまったら、勝ったも同然です。それには、わざわざ居心地のいい女性になる必要もありません。むしろ、ガミガミ言っても大丈夫。終始うるさく当たっていたとしても、8割くらいは脳がフィルターとしてとりこぼしていくので自然体でOKなのですよ(微笑)。■彼の定番になるための秘訣とは?結婚していて働いている女性や、同棲している女性へのアドバイスは、必ず週に1度は家にいて夕飯をつくる日を決めること。必ずいると決めた曜日にご飯が作れなかったら、きちんと謝ってください。定番になることで一番ダメなのが、定点がブレること。つまり、この日はいるものだということをお互いに忘れないようにすることが重要です。付き合っている男女の場合も一緒で、どんなことでもいいから定番をつくりましょう。得意料理でもいいし、会ってから30分は決してネガティブな話題をしないという習慣でもいい。女子は会った瞬間に、「ねえあのときのことだけど、なんであんなこと言ったわけ?」とつっかかることが多いのですが、あるときは機嫌がよくて、あるときは機嫌が悪いなど、常に変化しているのは最悪です。だから、20年たっても「お帰りなさい」と、どんなときも笑顔で迎えてくれる小料理屋のおかみやクラブのママが定番になるのです。結婚していなくても、仕事や出張から彼が返ってきたら「お帰りなさい」と言うのもいいですね。「君の“お帰り”が聞きたいから一緒に暮らそう」なんて展開になるかも…!。ひとつ、注意したいのはグチを言わないこと。女性のグチは男性の免疫力も落とすし、熟年の夫婦で「腰が痛い」と奥さんが言い続けているとだんなさんがうつ病になるというデータもあります。もしグチを言いたいなら、友達に電話して聞いてもらいましょうね。ちなみに、排卵日になるとホルモンの影響でイライラすることがあると思います。女性ホルモンのエストロゲンの分泌が高まっているこの時期は、とくに自分が発情している相手には絡まずにはいられなくなるのです。ただ、このときは、どうぞ思いっきり絡んでください。男性脳は、定番に安心しながら、ギャップで発情するという癖がありますから。いつも安定した情緒の彼女が、たま~にキレるのもいい刺激。なので、自然体で大丈夫です。素敵な愛情ライフを手にしてくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月11日恋も仕事も人間関係も、20代の頃は目の前の出来事に悩んできて、30代に入ればラクになるかと思えば、また別の方向から悩むようになる。しかし、辛いのも「今だけ」と脳科学者の黒川伊保子さん。人はその年代によって、脳の役割があり、それを乗り越えると将来がグンと楽になるとか。私たちの脳神経回路は天文学的な数の回路がありますが、常に活性化していると、「物」の判断ができないしくみになっています。たとえば、目の前を猫が横切ったとしたら、それを「猫」を認知する回路だけが立ち上がらないといけません。同時に、象と豚の回路も立ち上がると、それが何か分からなくなってしまいますよね。ヒトは、脳神経細胞数が人生最多の状態で生まれてきます。ありとあらゆることを感知できるので、逆に、目の前の者が何かをとっさに判断することができません。日々の暮らしを重ねることで、生まれてきた環境に不必要な細胞を捨て、残された細胞の関係性を作ることで、家族を認知したり、言葉を認知したりできるようになるのです。こうして、脳は、経験によって知識を増やしながら、一方では、経験によって回路に優先順位をつけて絞り込むことで、とっさの判断を間違わない、より洗練された状態を手にしていきます。その観点で人生を見ると、28歳までは、知識を増やす入力系に偏っています。経験によって、さまざまな知識や方法論を手にするときなのです。脳は、いわば「がむしゃらな入力装置」。恋をしても勉強しても、遊びにもがむしゃらになれ、そこから、大事な「生きる知恵の基礎」(どうすればモテるのか、どうすれば儲かるのかetc.)を手に入れていきます。だから、28歳までは、がむしゃらに生きてくださいね。好奇心を感じたこと、あるいは先輩に「こうしなさい」と言われたことに、「自分に合っているのかしら、何になるのかしら」なんて四の五の言わずに、飛び込んでください。そして、誰もが28歳を超えると、がむしゃらさを失っていきます。脳が単純記憶力のピークを過ぎ、次の段階へ入ったから。30歳のお誕生日頃には、ここまでの「入力」のおかげで、その人が生きる環境においての世の中のしくみ、裏も表も、上も下も右も左もわかるようになっています。そんなわけで、世の中を見切ったような気分になるのが、30歳前後の脳の特徴。人生で最も傲慢なときかもしれません。でも、その傲慢さも、次の「人生の冒険」へ飛び込んでいく大事な起爆剤。どうぞ、思う存分、傲慢になってくださいね。30代の10年間、脳は、人生で最も苦しい時期を迎えます。世の中のすべてを見通せる脳になったのに、回路の優先順位がしっかりついていないので、迷うからです。30代の脳は、「誰になんと言われようとそれしかない、ずんと腹に落ちる、自分だけの選択」というのがまだしにくいのです。当然、評判や偏差値など、他人の評価を気にします。そのため、いくつもの選択肢が浮かび、選ぶのに迷うし、選んだ後もまだ惑う。人に何か言われる度に、気分も乱高下します。しかも、脳は、失敗事例を早めに経験して、失敗に使われた回路を整理してしまいたいので、苦しんだあげくの選択が間違っている可能性も高いのです。なんて苦しい脳かしら。はるか昔に越えてきた道だけど、私は30代に常に深い同情があります。でもね、30代の脳の使命は、苦しい選択をして失敗し、脳の「失敗回路」を早く消すこと。なので、思う存分、痛い思いをして泣いてください。けれど、それは、脳の豊かな感性のための大事なエクササイズ。痛い思いをする度に、脳はエクセレントになっていきます。絶対です。その際に、ぜひ気をつけてほしいことがあります。痛い思いをしたとき、それを他人のせいにしたら、せっかくの失敗回路消去がうまくいきません。それじゃ、何のために泣いたのか、意味がない。なので、辛い思いをしたときは、必ず自分の責任にしましょう。たとえ、誰かに裏切られても、「ひどい」と恨まずに「裏切らせたことが悲しい」と思うくらいの覚悟で。その苦しみも、40歳になる頃には楽になります。失敗回路に信号が行きにくくなるからです。無駄な信号も起こりにくくなるので、物忘れが始まります。頭に浮かんだ女優さんの名前が出てこないのは、そんなこと思い出せなくても生きていけるから。物忘れは、老化ではなく進化なのです。恐れないで大丈夫。■50代の自分をイメージして30代の混迷、40代の物忘れを抜け、50代半ばに脳は完成します。失敗回路に信号が行きにくくなり、「自分だけの深い確信」で生きられるようになります。このため、ちゃんと自分の傷を自分でなめてきて来た人は、人生の達人として、あらゆる場所で見解を求められ、話を聞いてもらいたい人に囲まれます。成功した多くの人が、「自分が最も大切にされたと感じたのは50代」と言います。逆にいえば、ちやほやされてしまって、傷ついたら人のせいにしてテキトーに生きてきた人には、老いの寂しさだけがやってきます。だって、20代や30代と同じ口を利く50代なんて、うざいだけでしょう? しかも「でも、だって、どうせ、だめ」の達人にでもなっちゃった日には…。50代、エレガントでキュートなマダムになって、若い人に知恵をあげる自分を想像してみて。そのための今日の苦しみ。そう思えば、涙も宝物。どうか、人生の波に乗ってくださいね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年07月04日女子にとって、結婚相手との出会いはまさに「運命」。この人と会うために現世に生まれてきた、とまで思うほど確信に満ちているけれど、男子はその確信がほとんどないまま結婚を決めているのだとか! その理由について、脳科学者の黒川伊保子さんが説明してくれました。哺乳類のメスである女子は、自ら身ごもって命がけで出産し、授乳しなければ「一生殖」が終わりません。約2~3年の時間を割くことになり、命を脅かす確率も高い。一方、男性脳は数分で「一生殖」が終わり、ほとんどの場合は命に別条はありません。このように生殖リスクの高い女子は、相手をつぶさに観察して今まで出会ったすべての異性と比べ、最高の免疫セットを見つけ出し発情。それは、1万人の中のひとりを見つけ出しているんだから、恋をしたときの確信は深い。ひとりの男に照準を合わせた瞬間に、どんなイケメンが来てもどうでもよくなっちゃうよね。結婚式でも、花嫁は「こんなにいい男もらっちゃってゴメンネ」と内心は優越感に浸っているのですが、他の女子にとってはその新郎は生殖相性がいいわけではないので、なんとも思わない。ところが、男子はそこそこの免疫セットでも十分なため、100人のそれなりにカワイイ女子が迫ってくれたら、80人くらいは「アリ」なので、脳の確信がそれほど深くないのです。「え~っ! そんな~(涙)」と思うかもしれませんが、大丈夫。最初は確信がなくても、最後に勝つのだから。男子はずっと一緒にいて責務を果たし続けてきた相手に愛着が湧くようにできているのです。相手がしわくちゃになろうと、毒づく妻であろうとそれは変わらない。だから、奥さんが先に亡くなったりすると、寂しくて早死にしちゃったりするのです(高年齢夫婦の場合、妻の死後3年以内に亡くなるケースが多いと言われています)。■責務を与えると一生大切にされる愛を確信した女子は、理由もなく尽くしてあげることができるけれど、男子にはぼんやり「やさしくしてね」「ずっと好きでいてね」はムダ。身辺を定点で固め、遠くの目標を見定め到達することが快感な男性脳には、分かりやすい責務とゴールをあげて、それを遂行させることが重要です。たとえば、責務を果たし、「給料」「ボーナス」「昇進」がゴールの会社をおじさんたちは愛し続けますよね。ペットボトルを開けてもらったり電球を替えてもらったり、たとえば「私、週末はいつも寂しくなるから、土曜の夜は必ず電話してね」とかでもいいかもしれません。ポイントは、定番の責務で頼ること。そして、ゴール確認としてお礼を言ってあげることも忘れずに。洗い物をしてくれたら、「あなたが洗ってくれると汚れの落ちが違う」や、お風呂を洗ってくれたら「男の人じゃないとカビは無理ね」みたいに。それは手伝いをしてもらうだけの成果ではなく、それが生きがいになるし、外で素敵な若い女性と恋をしたとしても「オレがいなかったら、あいつはカビだらけの風呂で暮らすんだろうな」と、可哀想になって帰ってきたりするので一石三鳥なのです。もうひとつ大事なのが、一度決めた責務は、もし自分ができたとしても永遠にそれをやり続けてもらうこと。私の息子は私が米袋を持てないと思っていて、いつも代わりに運んでくれています。隣で、もっと重いビール瓶ケースを持っているのに(微笑)。ペットボトルの蓋は空けられないと言って、ジャムの瓶は平気で開けていても気づかないほど、責務が信号のように入っている男性脳はそれに対して迷いがないのです。そして、責務を果たしてきた相手に対して、結婚の後半には男性脳の確信のほうが深くなるのです。そんな妻という存在に、ぽっと出の愛人が勝てるわけがありませんから! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月20日大好きな彼と久々のデート。なのに、何を言っても上の空だったり、こっちはニコニコしているのにぼーっとしてる…、なんていうことがありませんか。その原因は、脳の構造の違いにあると脳科学者の黒川伊保子さんは言います。 男児を育てているととくに実感しますが、子供の頃から男子はぼーっとしていることが多いです。8歳を過ぎるとこの時間も短くなってくるけれど、大人になってもパジャマを着たまま新聞を開いているけれど読んでいない、テレビをつけたまま見ていないから消すと怒る、というのは日常茶飯事。女子から見たらイライラするかもしれないけれど、これは1秒たりとも無駄なことではなく、男性脳にとってはメンテナンスのためには必要な時間。ぼーっとしたまま空間認知の領域で情報の距離関係を見直したり、物事の構造を確かめたりしているのです。だから、一週間に一回、土曜の午前中くらいはぼーっとさせてあげましょう。これは男子だけでなく、デザインとか理系の領域で活躍する女子も、空間認知の領域を成熟させるためにぼーっとすることが多いはず。私も35歳のとき、小学校の同級生に再会して「あなた頭がハッキリしたわね、毎日毎日ぼーっとしてたじゃない」と言われました。聞くと、週に3日は学校が終わったことに気づかずぽかんと座っていて、学校が終わったことを知らせると、ランドセルを背負うのも忘れてぼーっと帰宅しようとしたとか…。さて、男子と同じく理系女子は空間の領域を日々使って物事を考えているので、人間関係も「あの人は親切にしてくれるから」という文脈の関係ではなくて、なんとなく意識の波動の近さみたいな間隔で脳の中のマップに置いたりしています。こういうタイプは文脈でものを考える文系タイプの人から見ると、失礼なときがあるのも事実。メールもまめに返さないし、連絡もあまりしない。でも、空間認識の領域ではちゃんと近くにプロットしてあって、10年に1度しか会わなくても大切に想っているのです。■男子に「まくしたて」は禁物!どんなに大事な話し合いでも、たとえ別れ話に発展しそうなケンカでも、黙ったままだったり何を考えているのか分からないときってありますよね。冗談みたいだけど、気づいたら寝ていたってことも…。女子にとったら信じられないし、「ちゃんと聞いてるの?」ってなりますよね。でも、それは聞いていないのではなくて、聞いているけど文脈の長い旅についていけなくて気が遠くなっているだけ。男性脳にとっては、女子がまくしたてている文脈はあまりにも膨大すぎて理解不可能なのです。もし言いたいことがあるのなら、「私はこういうふうに言われるのがイヤ」、「こうされるのがイヤ」、「これだけはやめて」と、要求だけを言うようにしましょう。決してしてはいけないのは、話し合いに持ち込むこと。夫婦円満のコツは、話し合ってものを決めないことだとも言われているくらいです。「どうして、ちゃんと言ってくれないの? そもそも、あなたは、あのときだって…」なんていう“長い旅”には出ないでね。もし、どうしても伝えたいことがあるなら「さみしかった」とか「かなしかった」とか、「してくれたらうれしい」とか甘える形で言うのが上級者なのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年06月13日大企業の経営者をはじめ、著名人や芸術家、一流と呼ばれる人には、じつは無邪気な人が多いということをご存じですか? その秘密は、「他人思い」の思考をもっているから。話術や戦略以前に、それは成功に繋がる道であると人工知能(AI)研究の第一人者である黒川伊保子さんは言います。■「他人思い」は人を惹き付けるパワーに「この人に幸せになってもらいたい」「この人を知りたい」と他人のことを無邪気に思っているとき、右脳と左脳の連携が良い状態に。すると、まなざしが深くなり、「この人にまた会いたい」「この人の商品を買いたい」と相手に思わせる磁力になります。悲しいことに、野心があって勉強を重ねた人ほど、数字や損得勘定を司る左脳に加重がかかり、自分のことしか考えられなくなる傾向があります。すると、世の中が思い通りに行きにくくなるのです。イギリスのオーディション番組で、素人だったスーザン・ボイルが最後の勝負に臨んだときのことです。インタビュアーに「これに勝ったらあなたはプロの歌手としてデビューできます。緊張していますか?」と聞かれたとき、彼女は「何で緊張するの? みんな私の友達じゃない」と会場に腕を拡げてそう答えました。すると、会場は割れんばかりの拍手喝采に。これこそが、無邪気さなのです。つまり、ここにいる人たちをみんな味方だと信じきれること。その無邪気な信頼が、本当に会場を味方に付けてしまいました。たとえ、わずかに敵が混じっていても気にすることはありません。要は、自分が最大限の力が発揮できることに意味があるのだから。スーザン・ボイルは、最終バトルには負けたけれど、世界中が知る歌姫になりました。私も2,000人の講演でも全く緊張しません。それは、わざわざ時間とお金を使って来てくれる人を「みんな味方」だと思う感覚があるから。私の話を聞いてつまらないと思われても全くひるみません。それは、私の失敗ではなく、自分に合わない人の講演に来たその人の失敗だから。相手に悪意を持ったり、あとから「ああ言われる、こう言われる」と思わないことが、無邪気な脳にとってすごく重要なのです。子育てをしているとき、こんなことがありました。息子が朝、お腹が痛くて遅刻したとき、これから登校するとちょうど調理実習の時間。「今から行ったら試食だけで心苦しいから行かない」と言うのに対して「あなたの分の食材も用意されていているんだから行きなさい。それで、美味しく食べて、後片付けを人の二倍やること」と言いました。それで人にとやかく言われてもいい、言いたい人には言わせてあげる。そのうち息子は、「そっか、失敗をしたときは相手のリスクを最小限にして、とやかく言いたい気持ちを吐き出させてあげればいいんだね」と理解するようになりました。悪口を言われたらどうしよう、ではなく、「色々言って向こうはスッキリするんだからいいじゃない」、と無邪気に考えていくべきなのです。とやかく言われるのが嫌で、なんとかいい子をし続けているとストレスになるし、人が無邪気に失敗するとめちゃくちゃ腹が立ってしまいます。人は、「失敗してごめんなさい」と言って、とやかく言われるくらいのほうが結局愛されるんだから気にしないことです。相手に悪意があっても信じきったほうが勝ちですから。そのうち相手も裏切れなくなってくるし、周りに味方しかいなくなる。人を信じられるから、結果「他人思い」になれるのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月18日仕事でも友人関係でも、日常生活を送っているだけでイヤなことってたくさんありますよね。でも、そこでどんどんネガティブに考え、悪口を言うのは待って。ネガティブな行為によって結局自分の足を引っ張られてしまう、と脳科学者の黒川伊保子さんは言います。■ネガティブが損な理由とは?なぜ、人の悪口やマイナスなことを言ってはいけないのでしょうか。それは、人間の脳というのは自分の言動を忘れないから。人の発した言葉は大脳に来ますが、自分が発した言葉は小脳に響き、記憶に長く居座ります。「あの人、あんなこと言ってる。嫌よね」「あの人、いつもああなのよね」など、噂話をしていると、自分もいつか同じように言われると思うから、無邪気になれないのです。「いつか私も笑われる」「陰口を叩かれるかも」と、長く疑心暗鬼の種につながり、前に出られなくなってしまうのです。とくに、育児中や将来子供を産むつもりの女性は、自分の子供に人の悪口を言わないでほしいです。近所のおばさんや先生の悪口を母親がしょっちゅう言っていると、人を信じられない大人になってしまいます。昔、息子が先生に乱暴なことを言われたときに、私は「それは先生があなたに男として期待しているのね」と言いました。それは先生のためではなく、子供が将来社会に出たときに人を信じられるように言ったことなんです。信じたあげく痛い思いをしてもいいのです。「信じる」という無邪気さのほうが無敵だから。とはいえ、嫌なことだってありますよね。そうしたら、「嫌だな」は一回だけ言ってもいい。「かもしれない」とか「こう思っているに違いない」などの推測はだめ。そして、一緒に噂話に興じるのではなく、「あなた、他は潔いのにその件だけはだめよね、しっかりしなさいよ」と鼻で笑ってくれるクールビューティーな女友達に吐き出すのが理想です。悪口を増幅、ネガティブな想像の増幅をする女友達と仲良くするのは避けましょう。それから、言葉はもちろんですが、ネガティブな考えもやめましょう。同じ思考をするとその回路に電気信号が流れやすくなり、ネガティブのクセがつきます。そうすると、人のマイナス点ばかり目につくし、つい入ったお店がネガティブなお店だったりしてしまいます。「いい男がいない」といつも思っていたら、本当にいい男は周りに来ません。また、仕事のシーンやゴルフなどでミスをしたら、ずっとそのことばかり考えているのはダメ。それを思い出した瞬間に、失敗した回路に電気信号が上書きされ、流せば流すほどそこの回路が太くなり、そのミスにとらわれてしまいます。失敗したことの分析は一回だけにして、あとは成功イメージだけを思うのがポイントです。最初は、ポジティブに考えることが難しいかもしれないけれど、これもエクササイズ。嘘でもいいからそういう思考にすると、心にクセがつくから大丈夫。脳が悪い記憶を消すまで要する時間は49日。1週間でも効果を感じられますが、最低でも49日は試してみてください。すると、気持ちがピュアになるだけでなく、いい出会いやいいことが起こるようになるはずです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月11日様々なアイディアを生み出し、商品の売上にも直結する女性の「直感力」。企業の発展に欠かせない女性ならではの才能だけれど、伝え方によっては男性上司や取引先には理解されにくく、意見を聞き入れてもらえないことも。そこで、脳科学者の黒川伊保子さんが、そんな直感力を活かして、上手に伝えるテクニックを伝授してくれました。「直感力」とは、潜在意識の領域で感じた事を顕在意識で伝えてくる力。女性は右脳と左脳の連携力が強く、直感力に優れています。反対に、男性はその連携力が弱いため、空間認識力を使って物事の形を見抜く「直観力」は働きますが、直感力は弱い。女性の場合、会議室で商品開発をするときに、商品の将来の想定ユーザーの生活の様々なシーンを自分のカラダで起こったように想像できます。たとえば、シャンプーを商品棚でみたとき、濃いピンクが目に飛び込んで来たときのトキメキ、手に取ったときの丸み、匂い、無くなって買いに行くときにそのネーミングを脳で振り返った時にどんな感じか…、それを自分の身に起こったように思いつくのです。「このコンセプトはこれしかないよね」、というのが必ず降りてくる。ひとりの女性が心の底から強く思ったことに、ふたりの女性が「あるある、わかる」と同意したら、それは普遍の真理に近い。私は男性の最終決定権を持つ人には、「3人の女性が魂で感じたことは、300万人の女性に聞いても同じこと。女性プランナー3人が口を揃えて主張したらGOを出せ」と言っています。ところが男性は責務のもとに動いているときに、直感力の要である脳の横の電気信号がほとんど働かない。理論は理論だけで、体感したこと、触ったときの感じをありありと想像することが会議室ではムリなのです。彼らは複数の方向性の違う提案をもらって、それに対する位置関係で見てしかジャッジできない。そんな男性たちに意見を通したいなら、直感力だけでものを言わないことが大事です。A案ひとつだけだと、思いこみが激しいと思われるだけ。これしかないイチオシがあっても、バカみたいと思っても、見せ提案を3個以上つけるのがコツ。さらに、相対数値をつけて表にしたり、グラフにしたりすると、男性は安心して聞き入れてくれます。■男性へのお願いは、理詰めが効く!家庭で夫に家事を手伝ってもらうときも同じ。漠然と「私も働いてるんだから、半分やってよ」と言っても、そもそも「何が半分か」もわからない男性脳には愚痴にしか聞こえません。家事をリストにして、分担チェックを入れて渡すと、何をやってもらいたいか、それが全体のどこに位置するのかわかって、男性脳の使命感を喚起できます。例えば、ゴミ捨てひとつとっても、(1)ゴミ袋を切らさないようにキープする、(2)分別ごみ種類別に捨て場所を決めてそれぞれの容器を用意し、それを清潔に保つ、(3)ゴミ出しの日を把握し、ゴミだしのアクションを起こす、(4 )ゴミを集める、(5)ゴミ袋を閉じ、手持ちの場所を拭く、(6)ごみを捨てる、という6工程は最低あるわけです。それを見せて「あなたはこの最終工程をお願いね」とチェックを入れると、ゴミ出しの大変さ、自分のタスクの位置づけがわかり、「せめてこれだけはしっかりやってあげよう」と思ってくれたりします。また、直感力の強い女性が気をつけたいのが「イヤ」だと思ったことを顔に出さないこと。例えば、金曜日になって、男性上司に、土日の出勤を余儀なくされるような作業を依頼されたとします。「月曜日の10時までに、この報告書をまとめておいて」(今、金曜の5時だよぉ、少なくとも4時間はかかるのに)というようなケースですね。そんなとき、「なかなか会えないカレと、久々のデートなのに」「子供の運動会なのにひどい」、という気持ちが顔に出るのが、女性の弱点。でも、仕事のシーンでそれを出したら負け!顔色を変えずに、この仕事に土日に出る価値がどのくらいあるか、というのを、「これがどれだけ重要か教えていただけますか?」と説明してもらいます。その上で、「月曜日、早出をして正午までに仕上げます」と被害者顔せずさらりと伝えましょう。要は「伝え方」。男性脳を理解し、ちょっとしたテクニックを覚えておくだけで、心地よく仕事をすることができますよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年04月04日20代後半から30代。仕事も軌道に乗ってきて、ある程度自信もある。その分、責任が重くのしかかったり、イヤな上司にイライラし、要領のいい同僚に嫉妬もしたりして…、ストレスも半端なく溜まっている。そんな働く女性たちに対して、脳科学者の黒川伊保子先生が提案するのが「無邪気な脳」のススメ。「無邪気というのは、好奇心と素直さ。損得勘定なしに、他人の気持ちを自分の気持ちのように思えることです。それができると、右脳と左脳の連携が良くなり、まなざしが深くなる。すなわち相手にもそれが伝わり、会う人会う人を夢中にさせ、話術や戦略よりも強い力を持ちます。ただし、今の40代以下の女性は「本当の無邪気さ」を押し殺して生きている女性が多いのです。現代のように女性活躍が期待されている社会では、ことさら「女性ならでは」の発想や振る舞いを喜ばれる傾向にあります。別に自分が好きでもないのに「ふわふわピンク」を使わざるを得なくなったり、「女性に優しいサービス」を提案しなければならなかったりする。たとえば、車に化粧直しミラーなんかつけちゃったりすると、男性たちは「やっぱり女性目線じゃないと」と感心したりして、「女性活用」の初期モデルができあがってしまったからです。そのため、男性たちが期待する「女性ならでは」に応えざるを得ない立場に追い詰められている若い女性たちを、私は何百人も見てきました。彼女たちは、けっして幸せそうには見えません。でも、よかれと思って、好意で期待していることなので、男性側には罪の意識はいっさいありません。女性の側が、バカバカしい「女性ならでは」を脱ぎ捨てなければならないのに、若い女性には、その気づきもない。それはね、母親の期待に答えようとするクセがついているから。大人になっても、社会の期待通り「いい子ちゃん」になろうとしすぎていて、それが無邪気さの邪魔をしているのです。そして、自分の本当の気持ちさえも分からなくなり、それが、ストレスとして蓄積されている。危険なのは、ストレスが溜まると脳の使い慣れている回路だけを漫然と使うようになるので、思い込みが激しくなったり、過去の呪縛にとらわれやすくなること。すると、自分が知っている以前起きた事象でしか物事を判断することができないので、新しい視野で考えが浮かばなくなります。頭が良くて美人や、器用な人ほど抜け出せないのですが、まずは自分の中にある不快、嫌という違和感を自覚しましょう。「それ、違うと思います」とハッキリ言えることが無邪気さなのです。それから自尊心を立てるのも大切なこと。自尊心というのは、周りにどう言われようと、どう思われようと自分の信念を守ることです。世界中でミニスカートがブームになり始めたころ、ココ・シャネルは頑と「大人の女性は膝を見せないのがエレガント」と、膝下丈のスカートを提唱してきました。1959年、テレビのインタビューで彼女はこう答えています。「膝? あんなものを見せるなんて、気がしれない。大人の膝は汚いわ。誰もが19歳でいられるわけじゃない。けれど、本当のエレガンスは40過ぎてからわかるもの。私は、本当のエレガンスがわかる大人の女性のために闘い、守るの」と。時代遅れと言われようと、シャネルは生涯膝下丈を守り抜き、ノーカラージャケット&ひざ下丈タイトスカートのシャネルスーツは、その後世界中でブームになりました。1963年、ダラスのあの事件のとき、ケネディ大統領夫人ジャクリーヌさんが着ていたのも膝丈のシャネルスーツでした。シャネルにはゆるがぬ自尊心があったのですが、その自尊心は「これは不快、許せない」という明確なセンスがあったからこそ生まれました。自尊心を立てるには、自分が不快に思う事がきちんと見えていなければなりません。いい子ちゃん症候群を抜け出し、自分にしか出来ない仕事を確立するには、まずは「これは不快」を自覚すること。そこから始めてみてください。最後に、「相手が自分の言う事を聞いてくれない」という多くの女性が感じるストレスについてアドバイスを。あるセミナーで、上司との関係に悩む女性がいました。「私は経理部に書類を持って行く担当なのですが、17日に提出しなければいけない書類を、部長は19日にしか持ってこない。私のことを軽んじています。こんな会社、辞めたいんです」それは、部長が経理部のデッドポイントが23日だと知っているからかもしれません。だから、遅く提出するのかもしれないけれど、彼女の事前のアラームについて彼はありがたがっているはずなのです。自分がないがしろにされていると思い込むのは女性の悪いクセ。本当は部長から「いつも事前に知らせてくれてありがとう」と言うべきですが、忙しい上司に感謝の言葉や言い訳を期待してもムダ。彼女は彼女の役割をきちんと果たしているのだから、それでいいんです。余計なストレスを貯めないためには、人に言うことを聞かせようとしたり、自分も人の思い通りに動くことをやめることなのです。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月28日大切な恋人の浮気に悩まされている人は多いかもしれません。どうして彼は浮気をするの? もしかすると私が悪いの? そんなことを考えてしまうこともありますね。でも、男女の脳の違いに詳しい脳科学者の黒川伊保子先生は、浮気というものに対する考え方そのものを変えたほうがいいと言います。どうすればいいのでしょうか? 男性と女性では、浮気という概念が違うから、浮気という言葉の使い方が違うんですね。いちいち細かいことを浮気と呼ばないほうがいいかもしれません。そもそも男性は、ひとりの女性に絞るようには脳ができていないんです。だから、ひとりに絞るためには、よほど付き合っているという強い意識か、結婚しているというぐらいの制約が必要です。食事をしたり、趣味が一緒で何度か会うくらいは、浮気と呼ばないほうが精神衛生上いいのかもしれないですね。もちろん、親しい女性なんて一人いれば十分という男性もたくさんいます。その場合、「面倒くさい」が一番多い理由(苦笑)。つまり、浮気されたくなかったら、面倒くさがりで、出会いの少ない理系男子を狙ったりするのが早いのかもしれません。さて、とはいえ、こまめで優しく出会いの機会の多い男子に惚れちゃうこともあるでしょう。その場合は、「基本、人の心なんて縛れない」ことを肝に銘じてください。おっとりと「戻りたくなる女」でい続けるしかありません。イソップ寓話の「北風と太陽」を思い出してください。上着を脱がせるためには、力で引きはがすより、温かくして不必要にしてしまえばいい。口うるさい北風になるよりは、太陽になっちゃう方が、結局はてっとり早いんです。つまり、彼にとって、「浮気相手が不要」と思わせるくらいの、「戻りたい女」になればいい。浮気してもしなくても、常に彼にとって必要な女性になっておけばいいのです。そのためには、「この人としか交わせない言葉がある」「この人にしかわかってもらえないことがある」ということを作っておくことです。例えば、自分にしかない世界観があるということ。この件については彼女に聞いたら、一番深い答えが返ってくると彼が思う得意分野を持っておくということは強いですね。いわゆる知識体系じゃなくていい、彼女なら必ずユーモアで返してくれる、彼女なら黙って傍にいてくれるという普遍性を持つのも手。あるいは、彼が持っている世界観に対して、深い理解があるというのも素敵です。付け焼刃じゃなく、時間をかけて理解を深めてください。他にも、彼の努力をずっと知っているだとか、今は成功しているけど、叩き上げのときからずっと見ていて、自分の人生を知っていてくれるというのもいいですね。この人としか話ができない、ということはいくつも作れます。彼氏が思い入れが深いものに対して一緒に思い入れが深いというのもそう。別に崇高なことじゃなくていいのです。でもそれはね、作ってもダメなのです。野球に興味ないけど、彼がタイガースファンだから頑張って私もファンになる、というのは頑張りきれない。その場合は、彼が草野球とかやるなら、アスリートのためのランチを任せてとか、そんな風にサポートすることもできるかもしれませんね。そういうことだったら、何かできるのでは? この人としか話せないことがあれば、必要とされる女性になれます。男性は、美人だから恋に落ちても、美人だからという理由で離れられないわけじゃない。恋をゲットしたら、次にするのは、エステよりも言葉のオシャレなのです。それから、面倒臭い女になってはいけません。男の人は、恋人にまだ情はあっても、面倒臭くなって捨てることがけっこうあります。例えば、説明できないことをいつまでも追求されるとか、女性が我を張るとか。男女では脳が違うのですから、こっちが正しいと思っていることと、相手が正しいと思っていることと、折り合いがつかないことが98パーセントなんです。女の人は自分が正しいと思い込んでいるから、相手の男性が嘘をついているとか、わけがわかんないふりをしているとか思うでしょう? でも、脳が違うんです。どっちも自分が正しいと思って言ってるわけですよね。折り合う場所や納得がいく場所がないのに、折り合いつけなきゃ先に進めないと執着する女性がいるでしょう? あれは結局、最後捨てられます。男性脳は、男女関係の面倒くさいことには耐えられないのです。生殖リスクが低い哺乳類のオスは、ばらまく性ですから、面倒くさい異性に関わっている時間がもったいないと思うように脳が作られているのです。さっさと次の異性に行った方が遺伝子が残せますからね。 それから、携帯のメールからわかるような細かいことは知らないことにしましょう。彼のFacebookも見ないほうがいいです、本当は。「あなたは、あの日あのとき何をしていたの?」「連絡しなかったじゃない」とか、とやかく追求すると、もし女性と食事にでも行っていたのだったら、言いづらいことを言わなきゃいけなくなるじゃない。言いづらいことを言いたくないがために、別れる男性だってすごく数が多いんです。生殖リスクが高い女性は、遺伝子を厳選して一人の男性に惚れるのですもの、そんなことで捨てられてしまったら、もったいないですよね。だったら、黙っておけばいい。そうすれば、別れなくてすむのですから。浮気に目くじらを立ててしまいがちですが、黙って帰って来るのを待つぐらいの度量が必要なのかもしれないですね。彼のことが好きなら、大切なのは彼と別れないことのはず。彼との大切な関係を守るためにどうすべきか、考えて行動したいものですね。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年03月07日前編 では、彼に優しくさせる作戦を実行しているうちに、彼がドンドン本当に優しくなるコツをお伝えしました。知らずにしているうちに、脳は入力と出力を勘違いしてしまうというのが、脳科学者の黒川伊保子先生のお話でしたね。後編では、いつの間にか彼が優しくしたくなるような、そんな女性になる方法を教えてもらいましょう。男性の脳は、視覚認識が強くはたらくので、美しい空間バランスを見せられると、その世界にぐっと惹きつけられます。それは例えば、フランス料理や懐石料理のように器に美しく盛られた料理のようなもの。それらは、器に対する料理の「空間占有率が低い」のです。このような料理には「魅せられて」向き合うことになります。女性も同じ。女性とふたりでバーで飲んでいるとき、男性脳は「バーという箱に収まった彼女」を確認します。これは、男性という生き物が三次元点型認識をしながら空間全体をサーチし、安全確認をする無意識の癖があるからで、砂漠やジャングルでも生き残るための大事な能力。空間の中の女性としてみられているということは、「空間占有率の低さ」を意識しなければいけないということなのです。そうしないと、「魅せられて」大切に向き合ってもらうことができなくなってしまいます。ですから、空間占有率を下げるしゃべり方が必要。男性とふたりのときに、ガハハと大きな声をあげて笑ったり、大声でしゃべるのはやめましょう。空間占有率が上がってしまいます。空間占有率が小さいというのは、愛おしいということでもあるから、男性とふたりのときには、しゃべりすぎないで、空間占有率を下げることが大切です。また、空間占有率は時系列においても考えられるものなので、考えている以上に、沈黙の時間を長くするように心がけるのもポイント。沈黙の時間があると、手持ちぶさただわと言う女性もいるようですが、本当は、1時間のうち20分はふたりとも黙っていたほうが男女の関係になりやすいんですよ。その20分の間は、お店を眺めたり、ウェイターさんの仕事をする手元をじっと見てたり、花に気がついたりしていればいいんです。「あの瓶は何の瓶かな?」とぽつりと言ってみたり。彼に向き合いすぎないのがポイントですね。「休みの日は何をしてるの?」「何が好き?」「血液型は?」って、彼に対して質問するのではなく、質問の的を彼からはずしてみましょう。「ソチ五輪見てた?」とか。お店のあれこれを見て「あのグラスきれい」といったような会話が本当は重要なんです。自分のことをしゃべり続けるというのが、一番空間占有率が高いんですね。次に、相手について質問すること。自分についてえんえん語ること。それと恩着せがましいセリフ…「あなたのために、こうもした、ああもした」という話。女性は、プロセスを語りたい癖があるので、恩を着せるつもりがなくても、つい言っちゃうことも。気を付けてね。だから、沈黙の時間を持つことと、自分やあなたといった当事者ではなく、そこから的をはずしたところで会話をして、さらに言葉数もできれば少なくテンションをおさえた会話をするといいですね。さらに、声のトーンもそんなに高くなく、メゾソプラノからアルトぐらい、男性が邪魔に感じないということが感性上はとても大切です。■男性脳に響くポイントを味方につけましょう女性はついついアピールしがちですが、男性脳が自然と好む印象を演出することが大切なんですね。普段あまり意識することがない、空間占有率を味方につけて、彼にとびきり優しくしてもらいましょう。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月28日ステキな恋もしたいけど、仕事だってとても大切! やっぱり職場でも、きちんと認められたいものですよね。そのために大切なポイントを、エンジニアとしてバリバリ働いていた経験もお持ちの脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。まず姿勢! 背中が丸い日本女性はとても多いので、背筋をきちんと伸ばしただけで、この国では目立てます。空間認識に長けている男性脳は、姿勢を意外に見ています。偉い人の目に入りますよ。とても大切なことだから必ず覚えておきましょう。それから、論理的に話すということが大切。女性が、男性から論理的と見えるように話すには、「まず結論から言う」「ポイントは最初に数で言う」「一押し提案はせずに複数提案をする」この3つが大切です。この3つは男性脳から見て、頭がよく見えるというポイントなんです。活躍している女性が職場で使っているのは男性脳なので、相手が女性であってもバリバリ働く人と話すときは心がけるといいですね。優秀な女性脳は直感力が働くので、「これしかない一押し提案」が正しくしっかり降りてきます。このため、どうでもいい見せ提案をつけなくちゃならない「フェアな複数提案」はきっと虚しい気がするはず。けれど、会社にいる間の男性脳は直感力は働きにくく、方向性の違う複数提案を吟味することによって正しい選択をしたと思いたいのです。したがって、脳裏には「一押し」が浮かんでも、複数提案にして男性を安心させた後で、「ちなみに、私がぴんときた一押しはこれです」とクールにアシストするのです。センスのあるプロフェッショナルに見られます。職場で絶対に言ってはいけない言葉があります。それは、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のD音、4ワード。私はこのD音の言葉は、35歳までは言わないと決めていました。このDの音は停滞の音なので、例えばストレスが上がってきた人に「どうどう」と言ってあげるのはいいんです。「どうしたの?」とか「大丈夫?」なども。けれども、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」のような言葉は、職場で私的な気持ちをしゃべっているように聞こえます。全部自分を守るための言葉だから、客観性がありません。なので、会社や仕事のことより、自分のことを考えて行動しているように見えてしまうんです。私はエンジニアだったのですが、例えば「来週の火曜日までにこのテストを終えてください」と、できないことを言われたとしますよね。うっかりしてると、「ダメです」「できませんよ」「だって」と言ってしまうんですが、それでは完全にプロには見えないですよね。そういうときは、「来週の火曜日でしたら85パーセントまでのテストが可能です。すべて完成するには水曜日までいただきたいと思いますが、火曜日までにどうしてもということであれば当面不必要な15パーセントを選んで残りをやりますが、いかがでしょうか?」という具合に、全部提案に変えて言うんです。無理して引き受けてストレスを溜める人より、きちんと提案できる人の方が出世しやすいのではないでしょうか。Dの言葉は言わないと決める。そうすると前向きな言葉しか言わなくなりますから。そのときに一番大切なのは、あくまでも相手のために考えるという立場を貫くこと。無理をして質が下がれば、仲間やクライアントに迷惑がかかる。無理する自分がかわいそうだから抵抗するのではなく、仲間や顧客を守るために出てきた言葉であることが必要なのです。仕事で認められる女性になるためには、自分のことの前に、組織やクライアントを守りきる気持ちになれることが不可欠だと思います。「叱られて、落ち込む帰り道」なんて一人前の女性にはあり得ません。「仲間やクライアントを守りきれなくて指摘され、明日からどうしたらいいか検討する帰り道」はあっても。頭がいいとか資格をとるとか、英語がしゃべれるとか、そんなところに敬愛が寄せられるわけではないのです。職場では自己愛を捨てて、誰かを守る自尊心の人になりましょう。自己愛型の女性がついつい言ってしまいがちな、「でも」「だって」「どうせ」「ダメ」の4つの言葉。まずは自分の中から消してみてはいかがでしょうか? 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年02月14日付き合う男は、なぜかいつもダメ男、そういう女性はいませんか? 女にだらしなかったり、借金癖があったり、そんな男性なのに好きになってしまう。そういった女性が幸せになるにはどうしたらいいのか、男女の脳の違いに詳しい脳科学者、黒川伊保子先生に尋ねてみました。ダメ男を好きになる方は、ステキな女性なのよね。誠実で、お金も稼げ、母性があって、情が深い女性がダメ男を好きになる。それは遺伝子のなせる技なんです。自分とは違うタイプを好きになって、より多くの遺伝子のバリエーションを残すことによって、生物は生存する可能性をあげようとしています。偏った遺伝子しか残せなかったら、異常気象があったり、伝染病が流行ったりすると、種が絶えてしまうでしょう? 寒さに強い遺伝子も、暑さに強い遺伝子も子孫に残した方がいい。このため、ヒトは自分とは異なる免疫抗体を作りだす遺伝子を求めるから、感性が真逆の相手の惚れがち。ダメ男ばかり好きになる女性はイイ女で、そういう男性の遺伝子セットに共通している特徴に惹かれている可能性が高いのです。でもね、モノは考えよう。ステキなあなたは、地球上のダメ男を助けるために生まれてきた天使。ある意味、覚悟を決めたほうがいい。本当に惚れた男と結婚したければね。ダメ男の種類ごとに手なづけ方は違います。それぞれにルールを決めて、自分を守ってください。お金にだらしがなければ、「暮らしは私がささえるけど、使い道のわからないお金は絶対に出さない」とか。あるいは月に最低10万円だけは家に入れてねとか。日常守ってほしいルール、絶対に許せない限度を決めて、それを守っている間は何も言わないという風にするとよいでしょう。男性は基本的にルール好きの上に、ダメ男は楽な方へ流れる質の持ち主。してしまったことを「どうして?」と問い詰めても面倒くさがって説明もしてくれないけれど、「こうしてね」は意外に守ります。逆らうより、言いなりになったほうが楽だからです(苦笑)。だからこそ、優しくて、几帳面な女性にとっては一緒にいて楽な一面があるのです。(そこに惚れちゃうんでしょ?)ダメじゃない男に会いたいと願っても、無駄な抵抗かも。遺伝子レベルの反応だから、いくら周りに誠実な男性がいても目に入らないし、アプローチされてもピンとこない。いい男に出逢えないのは、そこにいないからじゃないのです。もちろん、そこそこの友情を感じる男性と、穏やかな暮らしを営むことも結婚のかたちの一つ。齢を重ねてくれば、その選択もありますよ。自分の人生は、自分で作る。ダメ男を好きになってしまう人は、惚れてしまったら覚悟を決めて。そして、自分のことは自分で守るようにしましょう。そのためにも、ちゃんと職業を持ったほうがよいですよね。ステキな女性だからこそ、こういう遺伝子のミックスになるんだと自覚して、自分が悪いとか、相手を変えようとか思わなくていい。ただし、自分を守るルールは賢く決めてね、何度も言うけど。彼のことばや態度が、あなたを卑しめるのであれば、辛くても、その男は捨てなきゃいけない。それでも、どうしてもダメ男以外の男子と結ばれたいと言うのなら、自分がだらしない女になってみては? お金もないのにカードで買い物するとか、友達との約束を破ってみるとか、誰かに仕事を押し付けるとか、ちゃっかり奢らせるとか。でもね、だぶんできないと思う。人は、それぐらい変えられないものなんですよね。つまり、ダメ男も自分も変えられない。だから、自分を変えようとするのも、相手を変えようと思うのもやめて、覚悟を決めるしかないのです。「諦める」というとネガティブなように聞こえるかもしれないけれど、これは「覚悟を決めて、自立して、自分を守りながら、相手を受け入れる」ということで、知的な諦め。ただ、その生き方は、女を艶やかにしますよ。女の人生に、努力のし損というのはないのです。なににせよ、自分で選んで歩き出すこと。幸せになってね! 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2014年01月24日前編 では年齢と脳の戦略の関係について、黒川先生の理論を聞きました。では、合コンなど普段の出会いで、どうやって運命の人を探せばいいのでしょう? そのコツを聞いてみました。■相手のポイントを見つけよう合コンのときは、「好奇心のツボ」を見つけることですね。それは、相手の「好奇心の先」であり、自分自身が「好奇心を持てること」を見つけ出すこと。たとえば、鉄道の話になって、相手がローカル線の旅が好き、と言ったら、「あなたの一押しローカル線はどこ?」などと「それはなぜ?」と聞いて行けばいい。質問上手は、惚れさせ上手ですよ。趣味が難しければ、仕事の話でもいい。けれど、その場合も、「何やってるんですか」なんてつまらない質問はしないこと。たとえば、銀行員なら、「世界で一番いい銀行って、どこ? プロから見て」みたいな普段聞かれない質問をしてみて。「実は学生時代ラグビーやっていて」と言われたら、「ルールわからないんですよね」って。今度連れて行って、ルールを教えてやるかと思われるぐらいまで、無邪気に一生懸命になれればいいですよね。相手に合わせるのではなくて、自分の興味に従って。自分がその話を続けたければ、それもOKですし、知らなくて教えてもらいたかったら聞けばよいのです。興味がなかったら別のポイントをみつけましょう。正直に自分が興味を持てるところを探すんです。それを小賢しくマニュアルとしてやるのとは全く反対。合コンでは、集まった5人の男性のうち、誰なら自分が楽しめるかを探せばいいんですよ。誰が自分を気に入ってくれるかではありません。ゴルフなのか、ラーメンなのか、鉄道オタクなのか。私の息子だったらバイクかモトクロスのレース、パンクロックかな。その中に自分のきっかけを見つけられるかです。一通り聞いても興味が湧かなかったら、もうふた通り目聞いたらいいでしょう。自分が聞きたいことを引き出します。それを聞くとき、「日曜日何をしてますか」「趣味は何ですか」ではつまらないので、「去年一年で一番感動したことって何ですか」や「最近泣いた?」「笑いが止まらなかったことって何?」などを聞いてみて。「小学校のとき一番好きだった先生の名前を教えて」とか、何でもないことですよ。■自分ならではの考えをぶつけよう男性は異性の射程範囲が広いから、10人の若い女の子がいれば、8人くらいはいい子だなと思っちゃう。だから、「キレイで優しい」なんてことで競っても、特別なひとりにはなれません。「この人としか、話せないことがある」という“心のフック”を感じたら特別な人になれるし、「この人に、もう一度、話を聞いてもらいたい」と思ってメールをしてくれます。でもね、世の中の大半の人がいいと思う話題じゃ、フックにならない。逆に、「世の中の人と違うところ」がフックになるんですよ。たとえば、「私、ディズニーランドが好き」「定番すぎるけど、やっぱ、ミッキーってよくない?」じゃ、「あ、そう」って感じ。けど、「私、ディズニーランドが意外に苦手。イベントって、嫌いかも」「あ~、おれ、それわかる」とか「キャラクターでは、プルートだけが好き。だって、あの子だけかわいそうなんだもん。グーフィーは洋服着てるのに、なぜ、プルートは犬のままなの?」「あ、おれも、それ思った!」みたいなことなら、仲良くなれるでしょう? 自分だけの、小さな心の引っ掛かりは、会話のフックを創り出すいいネタになります。「小さな頃、大人に嘘つくなって言われて、大人は嘘ついてんじゃんって思わなかった? 」というような、そんな話題でもいいでしょう。自分の人生の中で心に引っかかってることを言っていけばいいのでは。惚れあう相手は感性の正反対の相手だけど、こういう些細な着目点が重なることはよくあります。着目点が似ていて、実際の行動は食い違うというのが、感性真逆の相性なんです。そして、それこそが恋の相手。共通の着目点を見つけて、「え、あなたはこうするの。なるほど」と違いを味わいましょう。それこそが、合コンの正しい使い方ですよ。ということは、「楽しいけど共感できずにムカつくことも多い」という人にアンテナを向けてみて。そういう人を見つけるには、まず自分の人生や生活に好奇心を持つことが大事ですね。人の言うことを鵜呑みにしないで、自分の感覚を大事にしておくこと。そうすれば、いつか同じように感じている人と出会えます。そうやって出会った人が運命の人かもしれないですよ。 特集:黒川伊保子が教える、幸せを呼ぶ脳のつかい方 毎週金曜更新
2013年12月20日