黒澤明監督の『生きる』(1952年)が、『Living』(原題)としてイギリスでリメイクされることになった。「The Hollywood Reporter」などが伝えた。監督は、2011年に『Beauty』(原題)でカンヌ国際映画祭のクィア・パルムを受賞したオリヴァー・ハーマナス、脚本は日系イギリス人小説家で、ブッカー賞とノーベル文学賞の受賞者カズオ・イシグロ(「わたしを離さないで」)に決定。イシグロ氏は「私たちの多くは毎日長い時間、机やパソコンの画面の前に固定される生活を強いられています。新型コロナウイルスが発生してからはなおさらです。そんななか、全体像を見ようとすると、自分のがんばりがどれだけ役に立っているか可視化できず、悩んでいる人もいます。そういった人たちの心に響く物語になると信じています」と語っている。『キャロル』のプロデューサーコンビのスティーヴン・ウーリー&エリザベス・カールセンが製作を行い、「黒澤プロダクション」も関わる。主演は『ラブ・アクチュアリー』で英国アカデミー助演男優賞、『ナターシャの歌に』でゴールデングローブ主演男優賞(ミニシリーズ・テレビ映画部門)を受賞したビル・ナイが務める。共演者にはNetflixの「セックス・エデュケーション」でエイミー役を演じているエイミー・ルー・ウッドが決まっているという。『Living』の舞台は1952年のロンドンで、主人公は第二次世界大戦後に公務員として働くウィリアム。机の上に山積みになっている書類仕事を目の前にしながら、彼は病により余命わずかだと悟る。死を目前としたウィリアムは、単調な人生に意味を見出だす冒険を始めるのだった。『Living』は来春、イギリスで撮影開始予定。(Hiromi Kaku)
2020年10月16日黒澤明監督作、映画『羅生門』の公開70周年を記念した展覧会が、国立映画アーカイブ 展示室にて、2020年9月12日(土)から12日6日(日)まで開催される。その後、2021年2月6日(土)から3月14日(日)までは、京都府京都文化博物館 総合展示室を会場に実施予定だ。日本映画界の巨匠、黒澤明の代表作『羅生門』1950年に劇場公開された映画『羅生門』は、今でこそ、黒澤明の代表作として知られるが、当時国内では、大ヒットにはならなかった。しかし、黒澤明の芸術的な野心が認められ、 1951年9月には、ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞、1952年3月には、米国アカデミー賞名誉賞を受け、国際的な評価を確立。黒澤の、ひいては日本映画の水準の高さを世界に知らしめ、戦後復興の象徴とも言える作品となった。『羅生門』を“徹底解剖”、名優たちにも注目『羅生門』の凄さは、黒澤の卓越した演出力はもちろん、それまでの日本映画の作り方を革新した数々のスタッフワークにある。さらに、出演キャラクターの人物像をくっきりと創造した三船敏郎・京マチ子・森雅之・志村喬といった名優たちの存在もまた、『羅生門』を“代表作”にした所以だ。本展では、世界初展示の品も含め、名スタッフの功績をデジタル展示も用いて紹介するほか、名優にも注目する。さらに、ヴェネチアでの受賞をめぐる当時の資料や、この映画が世界に与えた影響についても触れる。第1章:企画と脚本『羅生門』は、名脚本家・橋本忍が、デビュー前に書いたシナリオをもとにした作品であり、完成までには多くの変転があったという。第1章では、芥川龍之介作品への着目から始まったアイディアが映画の企画となり、ひとつの映画シナリオへと結実するまでを紹介し、橋本忍の脚本術を紐解く。第2章:美術第2章で焦点を当てるのは、製作時から話題となっていた映画美術。一見安上がりな企画だった『羅生門』が、撮影準備中、黒澤のイメージが膨らむことで、通常の予算を上回る巨大なものとなった、その背景に迫る。第3章:撮影と録音太陽に向けられたカメラや近隣の水道を止まらせるほど大量の水を使った雨のシーンなど、『羅生門』の撮影は、唯一無二のエピソードをもつ。第3章では、撮影の宮川一夫、スクリプターの野上照代の撮影台本を使った新しいデジタル展示の試みや、関係者のインタビューを交えながら、撮影の秘密を明かす。第4章:音楽『羅生門』前後の黒澤作品の音楽を手掛けた早坂文雄は、優れた作曲家というだけではなく、黒澤の創作活動にも影響を与えた。有名なボレロ形式のテーマの楽譜スケッチなど、貴重な資料を通じて、第4章では、映画の構成を活かした早坂独自の創作術をかいまみる。第5章:演技第5章では、限られた登場人物と複雑な構成を持つ『羅生門』を成功させた、俳優たちの多大な貢献に着目。時代を超えた名俳優たちが、本作にどのように向き合ったかを三船敏郎と志村喬の撮影台本や、京マチ子旧蔵写真アルバムなどで紹介する。第6章:宣伝と公開第6章では、初公開からヴェネチア国際映画祭受賞後の凱旋上映やリバイバル公開など、国内上映の軌跡を追う。特に、劇場公開オリジナルポスターや公開直前に開催された特別試写会など、金獅子賞受賞前の『羅生門』を伝える貴重な資料を揃える。第7章:評価と世界への影響1951年のヴェネチア国際映画祭金獅子賞受賞は、世界が日本映画を“発見”したと同時に、日本映画界が世界に通用する自らの実力に気づくきっかけとなった。最終の第7章では、ヴェネチア映画祭出品の経緯とともに、受賞後の反響と影響を多角的に紹介する。三船敏郎の生誕100年記念展では『羅生門』上映も関連企画として「生誕100年 映画俳優 三船敏郎」も2020年10月2日(金)から10月22日(木)まで同館の長瀬記念ホール OZUで開催。戦後日本映画を代表するスターとして活躍しながら、監督、プロデューサーとしても活動し、世界中に多大な影響を与えた三船敏郎の軌跡を追う。同企画では、『羅生門』の上映も実施される。【詳細】公開70周年記念 映画『羅生門』展(Rashomon at the 70th Anniversary)会期:2020年9月12日(土)~12月6日(日)会場:国立映画アーカイブ 展示室(7階)住所:東京都中央区京橋3-7-6休室日:月曜日開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)料金:一般 250円、大学生 130円※シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む※学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズはそれぞれ入室の際、証明できるものを提示※国立映画アーカイブの上映観覧券(観覧後の半券可)提示で1回に限り一般200円、大学生60円※2020年11月3日(火・祝)は料金無料■巡回展 京都会場会期:2021年2月6日(土)~3月14日(日)会場:京都府京都文化博物館 総合展示室住所:京都府京都市中京区東片町623-1※展示内容は一部変更になる場合あり【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2020年08月22日アンダーカバー(UNDERCOVER)の2020年秋冬ウィメンズコレクションは、同シーズンのメンズコレクションのイメージソースにもなった黒澤明の傑作とも言われる『蜘蛛巣城』がインスピレーションとなった。ウィメンズコレクションでは、主人公・鷲津武時に寄り添い、彼を翻弄した妻・浅茅を表現している。主人公・武時を翻弄し続けた妻・浅茅とは『蜘蛛巣城』は、合戦で手柄をあげた主人公・武時が、森で出会った老婆の予言を発端に欲望と狂気に溺れていく物語。武時が精神崩壊したその裏には、妻である浅茅の存在があった。浅茅は、その中で夫である武時の野望の裏で、自身の野望も満たそうと企み、彼を翻弄していく。映画の世界を再現する“和”のディテール物語の舞台は戦国時代。その世界観を顕著に表すのは和服のディテールで、それは、肩衣のようなフリルの装飾、着物のような重なりのガウンコート、袖丈が長く振りのあるアウター、袴のようなシルエットのワイドパンツといった具合に表現されている。コートやワンピースには、帯のような腰ひもが取り付けられ、バックスタイルには“結び”が存在する。浅茅といえば、怜悧で美しい妻である一方、どこまでも不気味であり、それが『蜘蛛巣城』をより印象深い作品にした要因でもある。今回のコレクションでは、アンダーカバーの真骨頂であるグラフィックの掛け合いによって、そんな彼女の魅力が引き出されている。特にゴシック的なエッセンスが強く、着物のようなシルエットのガウンは、ダブルフェイスのストライプ柄。オーバーサイズのムートンジャケットは、ダークなレースプリントをあしらった。シルエットも同じく中世ヨーロッパを想わせ、特に象徴的なのが取り外し式の袖だ。リボンを結び取り付ける片袖は、パフスリーブなど大胆なシルエット。チェック柄の中綿コートはバックロングの余韻たっぷりで、まるでトレーンを引くドレスのような雰囲気を纏う。パニエとチュールで膨らんだドレスルックは、裾にかけては大胆なグラフィックを纏いながらも、トップにはフェザーを無数にあしらうことで、まるで不穏な霧に包まれる風景すら浮かびあがらせた。
2020年05月09日協和株式会社(大阪府高槻市、代表取締役野澤重晴)は、家庭用水耕栽培キット「ホームハイポニカ」シリーズに、2種の「ホームハイポニカMASUCO(マスコ)」と「ホームハイポニカPLAABO(プラーボ)」を新たに加え、オンラインショップ()での発売を開始いたしました。生活観やライフスタイルがさらに多様化している現在、緑ある暮らしを楽しむにもそれらの変化に応じたさまざまな形が求められています。今回ホームハイポニカシリーズのラインナップ充実を図ることで、さまざまな場面で水耕栽培ライフをお楽しみいただけるよう、新機種の発売に至りました。ホームハイポニカMASUCO・PLAABO■商品概要・「ホームハイポニカMASUCO(マスコ)」「ホームハイポニカMASUCO(マスコ)」は葉菜と果菜が栽培できる水耕栽培キットです。2種類の専用マルチパネル果菜用(1株穴)/葉菜用(5株穴)が付属しているので、トマトやレタスなどさまざまな野菜や植物を水耕栽培でお楽しみいただけます。マス型の白を基調としたデザインなので、利用場所に合わせたコーディネートでもお楽しみいただけます。ホームハイポニカMASUCO本体MASUCO栽培例製品名:ホームハイポニカMASUCO(マスコ)カラー:ホワイト価格:17,000円(税別)本体サイズ・重量:幅40×奥行36.9×高さ26.3cm重量:約5.3kg消費電力:ポンプ:50/60Hz、6W製品ページ・「ホームハイポニカPLAABO(プラーボ)」「ホームハイポニカPLAABO(プラーボ)」は葉菜専用の水耕栽培キットです。2段スタンド式で上段には栽培槽を、下段に液肥槽を配した構造です。草丈が30cm程度の葉もの野菜や観葉植物の栽培に適しており、最大25株の苗を植えられます。レタスやハーブ類といったさまざまな植物の同時栽培もお楽しみいただけます。ホームハイポニカPLAABO本体PLAABO栽培例製品名:ホームハイポニカPLAABO(プラーボ)カラー:ホワイト価格:9,800円(税別)本体サイズ・重量:幅80×奥行24×高さ53cm、約3kg消費電力:ポンプ:50/60Hz、6W製品ページプレスリリース■ホームハイポニカとはホームハイポニカとは協和独自の水耕栽培技術「ハイポニカ」を取り入れた家庭用水耕栽培キットです。ハイポニカの代名詞である『1株の巨木トマト』の栽培技術を応用して、さまざまなご家庭の場面でお楽しみいただけるように開発したのがホームハイポニカシリーズです。ホームハイポニカは、土を使わずに液体肥料の入った水を循環させて根に与える構造になっており、土栽培よりも手軽に植物を育てられます。また、土などの抵抗が無い分、根をたくさん育てられるので養分の吸収も活発になり、植物をより大きく育てることが可能です。日光が充分にあたる環境であれば、ご自宅の庭やベランダなどで、ホームハイポニカによる水耕栽培ライフをお楽しみいただけます。■会社概要【会社名】協和株式会社【所在地】大阪府高槻市下田部町1丁目1番5号【代表者】野澤重晴【設立】1953年7月【資本金】9,600万円(グループ合計23億7,000万円)【事業内容】プラスチック成型金型設計および製造・販売、水耕栽培ハイポニカの設計・製造・販売■本リリースに関するお問い合わせ協和株式会社ハイポニカ事業本部TEL:072-685-1155(受付時間9:00~17:00※土日祝除く)Email:hyponica@kyowajpn.co.jpWEBサイト企業プレスリリース詳細へ TIMESトップへ
2020年04月14日加藤シゲアキ主演、横溝正史によるミステリーの金字塔「金田一耕助」シリーズから名作と名高い1作をスペシャルドラマ化する「悪魔の手毬唄~金田一耕助、ふたたび~」が12月21日(土)今夜、フジテレビ系で放送となる。昭和、平成と時代を超え何度も映画、ドラマ化され世代を超えて愛されてきた、ミステリー&ホラー小説界の巨匠・横溝正史による探偵推理小説・金田一耕助シリーズ。映画では高倉健、石坂浩二、豊川悦司らが、ドラマでは古谷一行、愛川欽也ら日本を代表する名だたる名優が演じてきた。フジテレビのスペシャルドラマ版では片岡鶴太郎、稲垣吾郎がこれまで演じてきた金田一を昨年放送の「犬神家の一族」から加藤さんが受け継ぎ、本作でも続投する。岡山と兵庫の県境にある鬼首村(おにこうべむら)。この村では由良家(ゆらけ)と仁礼家(にれけ)という2つの名家が対立していた。岡山県警の警部・磯川常次郎の依頼を受け、金田一耕助は村にある亀の湯という温泉宿を訪れる。そこの女主人である青池リカは20年前に起きた悲惨な事件によって夫の源治郎を亡くしていた。そしてその犯人、恩田幾三はいまだに行方不明だという。ある日、鬼首村出身の人気歌手、大空ゆかりが帰郷するということで村中が活気に湧くなか、リカの息子、青池歌名雄の婚約者である由良泰子が滝つぼで死んでいるのが発見される…という物語。金田一役の加藤さんを取り巻く登場人物として、磯川常次郎役には連続ドラマ(1977~1978年)やスペシャルドラマ(1983~2005年)で長きにわたり金田一を演じてきた古谷一行。鬼首村にある温泉旅館「亀の湯」の女主人・青池リカには『のみとり侍』や大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」などで知られる寺島しのぶ。リカの息子の青池歌名雄には『プリンシパル~恋する私はヒロインですか?~』「白衣の戦士!」などの「ジャニーズWEST」小瀧望。惨劇の幕を開くキーとなる鬼首村出身の国民的人気歌手・大空ゆかりには『雪の華』などの映画や「白衣の戦士!」で小瀧さんと共演経験もある中条あやみ。そのほか大野いと、大友花恋ら注目の若手女優陣から木南晴夏、岡田義徳、有森也実、国生さゆり、渡辺大、古田新太、斉藤由貴、泉谷しげる、中尾ミエ、石橋蓮司ら日本を代表する名優まで、重厚かつ豪華な布陣で歴史的名作を改めて映像化する。土曜プレミアム「悪魔の手毬唄~金田一耕助、ふたたび~」は12月21日(土)21時15分~フジテレビ系にて放送。(笠緒)
2019年12月21日日本唯一のミステリー専門チャンネルAXNミステリーでは、11月に放送する特集「8人の金田一耕助」を記念して、「あなたの好きな金田一耕助作品」を募集。日本全国の金田一ファンの投票によりランキングが発表され、併せて「金田一耕助を演じてほしい俳優」ランキングに人気俳優たちが選ばれた。これは9月11日~10月15日までインターネット投票によって行われたもので、応募総数は5,000件以上、10代~90代の男女が回答した。※「好きな作品」は複数投票可(3件まで)。「あなたの好きな金田一耕助作品」TOP3には、一連の作品の中で映像化回数が最も多い3作品が出揃うことに。第1位は3度の映画化、5度のドラマ化を誇る「犬神家の一族」。1976年に公開された市川崑監督、石坂浩二主演の映画は「日本映画の金字塔」と称されることも多く、犬神佐清(スケキヨ)の白塗りマスクや池から飛び出した2本の足など、その映像は強烈なインパクトを放った。第2位は「八つ墓村」(映画3本・ドラマ6本)。「祟りじゃ!」というセリフが流行語にもなった本作。映画をはじめ、古谷一行、片岡鶴太郎、稲垣吾郎が主演を務めテレビドラマ版の映像化も多い。第3位は「獄門島」(映画2本・ドラマ5本)。瀬戸内海に浮かぶ獄門島で巻き起こる連続殺人事件に金田一耕助が挑む。長谷川博己が演じた2016年版は、型破りでエキセントリックな金田一耕助像が話題となった。第4位以降には、「悪魔が来たりて笛を吹く」「悪魔の手鞠歌」「本陣殺人事件」などが入った。また、「金田一耕助を演じてほしい俳優」ランキングでは、小栗旬が第1位にランクイン。実写版「名探偵コナン」で主人公の高校生探偵・工藤新一を演じたこともあり、長髪にパーマをかけたヘアスタイルのイメージが強いことからも、金田一耕助を演じる姿を想像しやすかったのかも。さらに第2位には大泉洋、第3位は菅田将暉と高橋一生が同数でランクインした。AXNミステリーでは特集「8人の金田一耕助」として、ブームの火付け役となった石坂浩二版をはじめ、古谷一行、鹿賀丈史、小野寺昭、中井貴一、片岡鶴太郎、池松壮亮、長谷川博己の8人が演じた金田一耕助作品を一挙に放送する。特集「8人の金田一耕助」は11月10日(土)13時よりCS・AXNミステリーにて放送。12月22日(土)まで、毎週土曜日は金田一耕助作品を一挙放送。(text:cinemacafe.net)
2018年10月29日仕事人間の市民課長・渡辺勘治が、胃がんを患ったことを機に、自らの人生を見つめ直していく黒澤明監督の傑作『生きる』。その初ミュージカル化が決定し、市原隼人が渡辺の息子・光男役でミュージカル初出演を果たす。【チケット情報はこちら】20代前半、ブロードウェイでミュージカルに興味をもちつつも、自らにはむかないとこれまでオファーを断ってきたという市原。今回そんな彼の背中を押したのが…。「30歳を超えたころ、自分が守りに入ったなと感じる瞬間があったんです。その時、すごく悔しくて、寂しくて、自分は何をやっているんだろうと。そこからもっと何かを掴みにいきたいという欲が出てきて。ただ実を言うと、これも1度はお断りしているんです。でも“俺また守りに入った!”と気づいて、追いかけるようにやることを決めました」その初ミュージカル作品が『生きる』であったことは、「素直に嬉しい」と市原は顔をほころばせる。「内容とは反するかもしれませんが、僕は見ていてとても興奮するんですよね。すべての人物が生き生きとしていて、映る世界がすべて楽しそうで、どの場面を見ても生活感や人間味が溢れんばかり。さらに一生懸命愛情を込めて息子を育て、その幸せを大切にし続けた父の想いが、胸の奥まで突き刺さってきて…。さらに今回はミュージカルということで、メロディという表現方法がより人の感情を動かすのだと、事前のワークショップを通して学びました」光男の父・勘治をWキャストで演じるのは、市村正親と鹿賀丈史のふたり。「それぞれ違う生き方をしてこられた方々だというのはすぐに感じられましたし、きっと出来上がる舞台もまったく違うものになると思います。ただ根本にあるものはおふたりとも同じで、ずっと何かを大事にし続ける、守り続けるものがあって、しかもその守り方がとても優しい。あと市村さんはとにかく楽しい方です。気がついたら市村ワールドに引き込まれていて、ずっと居たくなるほど(笑)。鹿賀さんは言葉は少ないですが、現場のすべてを見られている、とても真摯な方という印象です」市原にとってターニングポイントになりそうな舞台だが、観る者にとっても忘れられない感動の1作となりそうだ。「老若男女問わず、気軽に楽しめる舞台だと思います。それでありながら、生きることがより楽しく、より深くなる舞台。この機会を逃すのは本当にもったいないと思いますので、ぜひ劇場に遊びにいらしてください」ミュージカル「生きる」は10月8日(月・祝) から28(日)まで、東京・TBS赤坂ACTシアターにて。チケットの一般発売は6月9日(土)午前10時より。なお、現在、プリセールを実施中。受付は6月8日(金)午後11時59分まで。取材・文:野上瑠美子
2018年06月08日映画監督・黒澤明の没後20年を記念し、彼の代表作のひとつである『生きる』が、珠玉のキャスト、スタッフによりミュージカル化される。今秋の開幕を前に、都内で製作発表が開かれ、Wキャストで主人公の渡辺勘治を演じる市村正親、鹿賀丈史らが登壇した。会見冒頭にはキャストが劇中ナンバー4曲を生披露。まずは小説家役であり、ストーリーテラーの役割も担う新納慎也が、オープニングナンバーの「運命の曲がり角」を歌う。『生きる』をどうミュージカル化するのか、というのは恐らく多くの人が抱く疑問だろう。しかしこの1曲を聴くだけで、ミュージカルとしての『生きる』の道筋がくっきりと浮かび上がってくるよう。その繊細ながらも力強いナンバーは、これから始まる物語への期待感を大いに高めてくれる。続いてヒロイン・小田切とよ役のMay’n、唯月ふうか(Wキャスト)が歌うのは、アップテンポなナンバー『ワクワクを探して』。さらに新納とのWキャストで小説家を演じる小西遼生が、渡辺にとって大きな転機となるナンバー『人生の主人になれ』を熱唱する。そして最後に市村と鹿賀のふたりが登場。あの名シーンを彷彿とさせるブランコをバックに、本作を象徴する昭和の名曲『ゴンドラの唄』を哀愁たっぷりに歌い上げる。そんなふたりの歌声に、一般公募で招待された150名のオーディエンスも聴き入っていた。その後は作曲・編曲のジェイソン・ホーランド、演出の宮本亜門、歌唱披露した6名に加え、渡辺の息子・光男役の市原隼人、渡辺の上司である助役役の山西惇が一堂に会し、それぞれ作品にかける思いを語った。演出の宮本は、「これは悲しい作品ではありますが、“生きる”という喜びを心から味わえる作品。古いどころか、むしろ今の人々の心に一段と訴えるものが出来ると思います」と意欲を見せる。市村はかつて自分が演じる渡辺と同じく胃がんを患っていたことを挙げ、「こういう役がきたのも、芝居の神様の采配かな」と感慨深げ。鹿賀も「いい年齢の時に、本当にいい作品に巡り合えた。ぜひ自分のものにしたい」と意気込む。また市原は、体調が優れない自分の父親から教わったという「動けるうちにいろんな世界を見た方がいい」との言葉に背中を押され、これまで避けてきたミュージカルへの出演を決めたという。世界進出も視野に、ミュージカルとなって新たに生まれ変わる名作『生きる』。黒澤ファンならずとも必見の舞台になりそうだ。取材・文:野上瑠美子
2018年04月11日展覧会「国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより」が、旧・東京国立近代美術館フィルムセンターの国立映画アーカイブにて、2018年4月17日(火)から9月23日(日)まで開催される。「旅する黒澤明」展では、世界的な映画史上の巨匠・黒澤明監督作品のポスターを、黒澤明研究家である槙田寿文の所蔵品より84点紹介。西欧諸国やアメリカをはじめ、東欧、アジア、ラテンアメリカ、中近東など世界30か国のポスターを一度に見られる貴重な展示となる。また、黒澤明監督と海外との関わりを示す資料など61点も展示し、その卓越した国際性にフォーカスを当てる。展覧会最大の目玉は、日本初展示となる、1962年の作品『七人の侍』の8枚組ポスター。西ドイツの名デザイナー、ハンス・ヒルマンによる、238×332cmにも及ぶ大作だ。また、黒澤作品として実現しなかった外国との合作映画『トラ・トラ・トラ!』のスタッフ用ジャンパーから、同じく映画化に至らなかった『黒き死の仮面』の英語脚本、各国の映画宣伝ツールであるプレスシートやロビーカードまで、レアな品々を一挙に公開。世界の視点から、黒澤明監督作品の魅力を体感することができる。【開催概要】国立映画アーカイブ開館記念 没後20年 旅する黒澤明 槙田寿文ポスター・コレクションより会期:2018年4月17日(火)~9月23日(日)休室日:月曜日、8月7日(火)~12日(日)、9月4日(火)~7日(金)開室時間:11:00~18:30(入室は18:00まで)会場:国立映画アーカイブ ※旧・東京国立近代美術館フィルムセンター 展示室(7階)※2018年4月1日(日)より「東京国立近代美術館フィルムセンター」から「国立映画アーカイブ」に名称を変更。住所:東京都中央区京橋3-7-6料金:一般 250円(200円)/大学生 130円(60円)/シニア・高校生以下及び18歳未満、障害者(付添者は原則1名まで)、MOMAT パスポート所持者、東京国立近代美術館及び国立映画アーカイブのキャンパスメンバーズは無料※料金は常設の「日本映画の歴史」の入場料を含む。 ※()内は20名以上の団体料金。※学生、シニア(65歳以上)、障害者、キャンパスメンバーズはそれぞれ入室の際に、証明できるものを提示。※国立映画アーカイブの上映企画を観覧した当日に限り、半券の提示により団体料金を適用。※2018年5月18日(金)は、「国際博物館の日」(毎年5月18日)を記念して展示を無料閲覧できる。■トークイベント ・マンハッタンの KUROSAWA―アメリカの黒澤明事情開催日:7月21日(土) 講師:平野共余子(映画史家、元ジャパン・ソサエティ映画部門ディレクター)・展示品解説―映画ポスター史の視点から開催日:8月25日(土) 講師:岡田秀則(当館主任研究員)・クロサワはどのように世界で発見されたのか?-展示資料の読み解き方開催日:9月8日(土) 講師:槙田寿文(黒澤明研究家、本展出品者)■『生きものの記録』ダイレクトプリント上映上映日時:第1回 4月17日(火) 19:00/第2回 4月21日(土) 13:00【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2018年04月05日今、自宅で土を使わずに、水だけで植物を育てる栽培方法「水耕栽培」が話題です。雑貨屋などでは、1〜2万円程度で、LED照明と温度管理機能がついた栽培キットも購入でき、野菜を育てた場合は収穫までできる本格的なものもあります。とはいえ、そんな本格的なものはちょっと始めづらい…。そこで、身近にあるもので、インテリア代わりに植物を育てる方法を紹介します。水耕栽培の始め方水耕栽培に必要なものは、育てる植物と、容器と水だけ。容器は根の生育状況を確認しやすいように、透明なものにするのが見た目にもよくオススメです。既に土で育てていた植物なら、泥をよく落として、容器に固定するだけでOK。植物の種類にもよりますが、枝や茎を切り落としたものを、そのまま水につけて、根が出てきたら成功です!お世話をするための注意点水耕栽培で気をつけなければいけないのは、水をこまめに替えること。夏場であれば最低でも1日1回、冬場でも2〜3日に1回は取り替えないと、水が腐って嫌なニオイがしたり、藻が発生して容器全体が緑色になってしまうことも…。日当たりのよい場所に設置すれば、肥料は基本的に必要ないようです。とはいえ、水だけだとどうしても成長が遅いので、早く成長させたい場合には液体肥料を使用しましょう。ただし、肥料を入れて勿体ないからと、水替えをしないのは藻やコケの発生原因になるので注意が必要です。根が出てきたら、根のすべてを水につけないのもポイント。植物は根からも呼吸をしているため、根が全部水につかっていると窒息して、腐ってしまうんだそうです。水耕栽培で育てやすい植物たいていの植物は水耕栽培で育てることができますが、難易度は植物によって異なります。育てやすい植物としては、ポトスやアイビーなどが代表的。どちらも春から夏頃に茎を切って、水差しするだけ。時々根がヌルヌルしてきたら洗ってあげるのがポイントのようです。ミントやバジルなど、ハーブ系も生命力が強く、収穫して楽しむこともできるのでオススメ。バジルは根が出てきたら、根が水につからないようにスポンジなどで根の周りを囲んであげましょう。手軽にスタートできる植物の水耕栽培。見慣れてしまった部屋の風景も緑があると、一気に華やいで見えるので、ぜひ試してみてください。慣れてくると、調理で余った野菜くずやアボカドの種も水耕栽培できたりするので、身近ないろいろなものが観葉植物になっちゃうかも?(文・姉崎マリオ)
2018年01月29日現在製作中のウェス・アンダーソン監督の最新作『Isle of Dogs』(原題)。日本を舞台にしたストップモーション・アニメーションとなる本作のアイデアには、黒澤明監督の名作と伝説のストップモーション・アニメーションが影響を与えているという。このたび、日本のファンに向け、アンダーソン監督本人からその件にまつわるコメントがシネマカフェに到着した。全世界で大ヒットし、アカデミー賞最多9部門ノミネート、最多4部門受賞の『グランド・ブダペスト・ホテル』(’14)の製作陣が再結集する本作は、2018年に全世界公開予定。全編にわたり日本を舞台とし、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険を、『ファンタスティック Mr. Fox』(’09)と同じくストップモーション・アニメーションで描き出す。声優陣には、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートン、ハーヴェイ・カイテル、ティルダ・スィントンほかアンダーソン監督作品常連の豪華俳優たちに加え、新たにスカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、リーヴ・シュレイバー、コーユー・ランキン、オノ・ヨーコら多彩な才能が集結する本作は、ただいま絶賛製作中だ。先日、海外ニュースサイト「IndieWire」でのインタビューにおいて、最新作『Isle of Dogs』のアイデアの源泉について語ったアンダーソン監督。アンダーソン監督がまず挙げているのが、60~70年代にTVアニメ(ストップモーション・アニメーション)として一世を風靡した「ランキン・バス クリスマス スペシャル」。日本では「ルドルフ赤鼻のトナカイ」でもお馴染みだ。アーサー・ランキン・Jr.とジュールズ・バスによる「ランキン・バス・プロダクション」のもと、日本の人形アニメの第一人者・持永只仁(MOMプロダクション)が人形製作を手がけた。アンダーソン監督は、この作品を子どものころに夢中で見ていたそうで、「いつか自分でもあんな作品(人形アニメーション)を作って見たかったんだよ」と語っている。そして、もう1つアイデアの源泉として挙げているのが、黒澤明監督。本作を制作にするにあたり、黒澤監督への熱烈なる敬愛を余すことなく表明しているアンダーソン監督は、「新作『Isle of Dogs』は黒澤作品からの影響のほうが(ストップモーション・アニメーションより)大きいかもしれないね」と断言。そこで、今回特別に日本のファンに向け、アンダーソン監督本人にお気に入りの黒澤作品を聞いてみると、「もちろんお答えするよ!挙げるとすれば、『天国と地獄』『悪い奴ほどよく眠る』『酔いどれ天使』かな」と、意外にも混沌とした社会を見つめた人間ドラマやサスペンスが並ぶ。また、1つめに挙げた「ランキン・バス・プロダクション」は、日米合作作品も多く残しており、のちに関連会社が宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』の制作母体となったことでも知られている。黒澤監督同様、宮崎監督作品にも深い敬意を持っていると常々明かしているアンダーソン監督の日本文化への愛が伝わってくるコメントだ。日本を舞台というだけでなく、日本のエンターテインメントの源流にまで視野に入れた最新作で、どのような世界が展開されるのか期待が膨らむ。『Isle of Dogs』(原題)は2018年、公開予定。(text:cinemacafe.net)
2017年03月23日黒澤明監督が手掛けた1985年公開の映画『乱』が、この度デジタル修復を行い、『乱 4K』として4月1日(土)より公開されることが決定。これにあわせて、初出しビジュアルと予告編も到着した。戦国時代。猛将・一文字秀虎は七十歳を迎え、家督を3人の息子に譲ろうとする。乱世にも関わらず息子たちを信じて老後の安楽を求める父に異を唱える三男の三郎を、秀虎は追放してしまう。だが一の城と二の城の城主となった太郎と次郎は、三郎の案じた通り、秀虎に反逆し、血で血を洗う争いが始まる。その陰には、実の父と兄を秀虎に殺された太郎の正室・楓の方の策謀があった…。『乱』は、構想10年、製作費26億円をかけて挑んだ黒澤監督の晩年の最高傑作。キャストには仲代達矢、寺尾聰、根津甚八、原田美枝子、宮崎美子ら日本映画を代表する俳優たちが登場し、アカデミー賞ほか国内外の映画賞を多数受賞するなど大ヒットを記録した。そして今回、2015年に最先端技術でデジタル修復を行い、本作の圧倒的なスペクタクルと映像美を、4Kクオリティの素晴らしい画と音で楽しむことができるようになっているという。そしてこのほど公開されたビジュアルと予告編は、今回の上映のために新たにデザイン・編集した初出しの完全オリジナル。ポスタ-ビジュアルは、激しく壮大な騎馬合戦を背景に、鬼気迫る表情でたたずむ仲代さんの姿が目を引くインパクトのある作りに。また予告編では、寺尾さん、根津さん、原田さん、ピーターなど豪華キャスト陣も加わり、ダイナミックで色彩豊かな映像や、愛憎にまみれた家族同士の争いを展開する名シーンの数々が盛り込まれている。世界を代表する巨匠が自ら、「ライフワーク」だと宣言した究極の反戦ドラマ。迫力たっぷりの4Kで体験できるこの機会を、ぜひ見逃さないでいて。『乱 4K』は4月1日(土)よりYEBISU GARDEN CINEMAほか順次公開。(cinemacafe.net)
2017年02月09日デザイナーの津村耕祐は10月29日、神田で行われる「TRANS ARTS TOKYO 2016」でオリジナル山車と巫女衣装を発表する。津村は昨年、「ビルを着る」というコンセプトで参加した。同イベントは2012年より行われているアートイベントで今年が5回目。今年は10月15日から30日まで東京都心北東部の谷根千、湯島、本郷、上野、神保町、秋葉原、神田など半径2キロで様々な会場で、多数のアーティストが参加して行われている。今回、津村耕祐が参加するのは五十一八クリエイティブ・プロジェクト【アーティスト山車】で、神田錦町の五十通り周辺で行われる。自らがデザインしたオリジナル山車「夢夢(ゆめゆめ)神社」とオリジナル巫女衣装に、神主役として津村本人も参加する。お賽銭は同プロジェクトを通じて被災地に寄付される。同イベントには他に若林拓哉&つばめ舎建築設計が参加する。夢夢神社の四方に下がっている新旧取り混ぜた鈴を鳴らして未来に夢を送る。山車に乗って移動する現代のノマド通信装置が、土曜日の夕方、神田錦町の五十通り周辺を巡る。津村耕佑は三宅一生の下、主にパリコレクションに関わり、1994年「究極の家は服である」という考えを具体化した都市型サバイバルウエアーFINAL HOMEを考案。1982年装苑賞受賞、1992年現代日本美術展準大賞受賞、1994年毎日ファッション大賞新人賞を受賞している。【イベント情報】「TRANS ART TOKYO 2016」五十一八クリエイティブ・プロジェクト【アーティスト山車】会場:東京都千代田区神田錦町五十通り周辺会期:10月29日時間:16:00~18:00(予定)※荒天中止、雨天決行入場無料
2016年10月27日佳境を迎えた大河ドラマ「真田丸」とともに、先週9月22日(木・祝)より全国公開され、話題を集める『真田十勇士』。本作で印象的な衣装の数々を手がけた、黒澤明監督の長女である黒澤和子によるデザイン画の数々が、いち早くシネマカフェに到着した。本作は、“天下一の名将・真田幸村の伝説は、実は猿飛佐助に仕組まれたものだった!”という大胆な発想をもとに、壮大な世界観とアクション、濃密な人間ドラマを描ききる新たな時代劇エンターテインメント。関ヶ原の戦いから14年。天下統一を目前にした徳川家康と、復権を狙う豊臣家の対立を背景に、“天下に並ぶ者なし”の名将・真田幸村の実像(?)と猿飛佐助や霧隠才蔵ら“十勇士”の活躍を描き出す。総勢500名以上のエキストラが参加した広大な土地での大規模ロケや、大阪城、出城・真田丸の巨大なセット。そして、役者が体当たりで挑んだアクションは、ハリウッド大作も負けず劣らずの臨場感で早くも話題を呼んでいる。そんな本作で、縦横無尽に動き回る猿飛佐助役の中村勘九郎ら超豪華キャスト陣を華やかに彩るのが、黒澤和子が手掛けた色鮮やかな衣装たち。黒澤さんは、1988年から“黒澤組”の衣装を担当するようになり、90年『夢』で衣装手伝い、『八月の狂詩曲』(’91)、『まあだだよ』(’93)、さらに山田洋次監督『たそがれ清兵衛』(’02)、フランソワ・ジラール監督『シルク』(’07)、北野武監督『アウトレイジビヨンド』(’12)、三谷幸喜監督『清須会議』(’13)、是枝裕和監督『そして父になる』(’13)などの衣装を手がけ、世界的にも高い評価を集めてきた。最近では、大人気連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の衣装監修も担当している。本作では、真田の家紋としてお馴染み「六文銭」が入った佐助の真っ赤な甲冑をはじめ、くノ一の火垂(大島優子)が身に着けている青い衣装や、淀殿(大竹しのぶ)の絢爛豪華な着物など、彼女の手掛けた衣装の数々は、身にまとった個性的なキャラクターたちをより魅力あるものにしている。目にも楽しい衣装の数々にもぜひ注目してみて。『真田十勇士』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年09月26日『七人の侍』と『荒野の七人』を原案に、いま新たに7人のアウトローたちを描く『マグニフィセント・セブン』。このほど、『七人の侍』を監督した世界の巨匠・黒澤明監督の命日となる本日9月6日(火)に、本作の予告編とポスタービジュアルがついに解禁!さらに主演のデンゼル・ワシントンとクリス・プラットから、コメント映像も到着した。西部開拓時代。ローズ・クリークの町の人々は、バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で絶望的な日々を送っていた。エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心に、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、スナイパーなど7人のアウトローを雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が、金のためだけではなくなっていることに気づく――。世界の名だたる巨匠が師と仰ぐ黒澤明監督の代表作『七人の侍』(’54)と、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移してリメイクした名作ウェスタン『荒野の七人』(‘60)が、いま改めて個性豊かな豪華キャスト陣で現代に蘇る本作。メガホンをとったのは、デンゼルの主演作『トレーニング デイ』『イコライザー』や、ジェイク・ギレンホール主演の『サウスポー』で、男たちの重厚なドラマを描いてきたアントワーン・フークア監督。今回、『七人の侍』『荒野の七人』、どちらのDNAも受け継ぎながら、初のリメイク作品を手掛けている。ついに解禁された日本版予告編では、無慈悲にも街を荒らされ、嘆く女性エマのセリフから始まる。主演を務めるデンゼルが演じるサムは、「復讐を望む?」と問いかけるが、彼女は「正義を復讐は手段よ」と決意の眼差しを向けている。続く映像では、サムの華麗な銃さばきが目を惹くが、そこで「もう閉店なのか?」と話す男ジョシュを演じるのが、『ジュラシック・ワールド』など話題作に引っ張りだこのクリス。彼が演じるジョシュは、愛嬌たっぷりでコミカルではありながら、おとこ気も感じさせる愛すべきキャラクターだ。そして、「Heavy Young Heathens」の「House of the Rising Sun」がクールに流れる中、イーサン・ホークやイ・ビョンホンらが演じる最強のワルたちが次々に暴れまわる! 「ド派手にやろうぜ」のセリフ通り、銃撃戦、爆発、ナイフさばきなど、怒濤のアクションシーンが連発。賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士。個性豊かな7人のアウトローたちが、彼らの流儀で悪を裁いていくさまをスタイリッシュに映し出していく。デンゼルとイーサン、そしてフークワ監督といえば、『トレーニング デイ』以来、実に15年ぶりとなるタッグ。デンゼルにとって初めてのアカデミー賞主演男優賞をもたらした監督でもあり、本作ではどのようなコンビネーションを見せてくれるのかは要注目。ストーリーの詳細はいまだ謎に包まれているが、この予告編の迫力には期待が高まらずにはいられない。また、アカデミー賞の前哨戦として知られる第41回トロント国際映画祭でのオープニング上映、現在開催中の第73回ベネチア映画祭でのクロージング上映も決定しており、世界的にも大きな注目を集めている本作。デンゼルとクリスの息の合った様子も伺えるコメント映像から、まずは確かめてみて。『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月06日映画『マグニフィセント・セブン』が、2017年1月27日(金)に公開される。1954年に公開された黒澤明監督の映画『七人の侍』。そして、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移し、1960年にハリウッドリメイクされた名作ウェスタン『荒野の七人』。これら最高峰の作品たちを原案にリメイクしたのが本作である。監督は『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』など、重厚な男たちのドラマを描いてきたアントワーン・フークア。主演には『トレーニング デイ』『イコライザー』のデンゼル・ワシントン、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンなど、国際色豊かな豪華キャストが集結する。なお本作は、2016年のトロント映画祭ではオープニング作品、ヴェネツィア映画祭ではクロージング作品として評価を受け、アメリカ初公開では初登場第1位のヒットを記録している。全て本物の巨大セットで撮影し、可能な限り実際のスタントを演じたというリアル感あふれるアクション作品だ。■ストーリーバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で、ローズ・クリークの町の人々は絶望的な日々を送っていた。そんな中、エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心としたギャンブラー ジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを復讐のために雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が金だけではなくなっていることに気付く。【作品詳細】『マグニフィセント・セブン』(原題:The Magnificent Seven)公開日:2017年1月27日(金) 全国ロードショー監督:アントワーン・フークアキャスト:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2016年07月10日「YOUNG KING OURS」(少年画報社刊)にて連載されている平野耕太氏が描く『ドリフターズ』。既刊4巻で累計部数240万冊の人気コミックスのTVアニメ化が決定した。■『ドリフターズ』ストーリー概要関ヶ原の戦いの敗走の中、叔父である島津義弘の身柄を国へ返すため自らが盾となる"捨てがまり"作戦を決行した戦国武将、島津豊久。 敵将、井伊直政を負傷させるも満身創痍でさまよいたどり着いた先は眼鏡にスーツ姿の謎の男「紫」が待つ扉に囲まれた通路だった。有無を言わさず送り込まれた異世界で、豊久は時代の違う武将、織田信長と那須与一と遭遇する。オルテ帝国に支配され虐げられたエルフ族を救い、オルテに対抗するために信長らとともに「国奪り(くにとり)」を開始するのだった。そして、彼ら漂流者(ドリフターズ)とは別に、すべてを殲滅すべくこの世界に送り込まれた「黒王」率いる廃棄物(エンズ)も時を同じくして進軍を開始する。人類、亜人の共存する異世界で叡智を競う戦争が始まる!すでにアニメ化されることは明らかとなっていた本作だが、今回2016年にTV放送されることをあらためて発表。スタッフもすでに発表されていたとおり、監督は鈴木健一氏、シリーズ構成・脚本は倉田英之氏、脚本は黒田洋介氏、キャラクターデザイン・総作画監督は中森良治氏、アニメーション制作はHOODS DRIFTERS STUDIOが担当する。キャスト陣も島津豊久役を中村悠一、織田信長役を内田直哉、那須与一役を斎賀みつき 、安倍晴明役を櫻井孝宏、オルミーヌ役を古城門志帆、カフェト役を西田雅一、ジャンヌ・ダルク役を皆川純子、ジルドレ役を乃村健次、アナスタシア・ニコラエヴァ・ロマノヴァ役を北西純子、ラスプーチン役を田中正彦、土方歳三役を安元洋貴、紫役を宮本充がそれぞれ演じる。なお、コミックス最新巻となる第5巻の発売が2016年6月6日に決定。DVD付特装版も同時発売が決定しており、DVDには2016年のTV放送に先駆け1話・2話の特別編集版(36min.)が収録されるという。特装版の価格は税別1,600円(関ヶ原プライス)で、予約受注は3月28日より開始となる。そのほか詳細はアニメ公式サイトをチェックしてほしい。(C)KOUTA HIRANO/SHONENGAHOSHA/DRIFTERS 製作委員会
2016年03月26日台湾の電源・電子デバイスメーカーの大手・デルタ電子(デルタ)の日本法人が野菜を育てる"水耕栽培機"の受注生産を始めることで話題となっている。ODM生産が中心の企業がコンシューマ向け商品を手掛ける狙いはどこにあるのだろうか。「foop」の名でローンチされた製品は、幅498×奥行き320×高さ326mmの丸太のようなデザインで、中に種を撒いて照明などをコントロールしながら、室内で葉物野菜などを育てる電子プランターだ。デバイスメーカーであるデルタ電子が手掛けるだけあって、一般的な水耕栽培機に比べると、中は最新のテクノロジーが集結。Wi-FiやBluetooth Low Energyにより通信し、スマホやクラウドと連携するまさにIoT化ど真ん中のプロダクトでもある。同社では以前から植物工場の研究に向けた産業用水耕栽培機を手掛けている。しかし、本製品は完全コンシューマ向け。デルタ日本法人では子会社のアドトロンテクノロジーがモバイルプロジェクター「QUMI」などを展開する"Vivitek"というブランドがあるが、本製品は新たに"C’ESTEC"というブランドを立ち上げ、ビジネスをスタートする。○テクノロジーで野菜栽培をもっと楽しくプロジェクトの中心人物は、デルタ電子IoT事業開発部のゼネラルマネージャーのシェ・ユンホウ(Y.H. HSIEH)氏。「デルタのミッションはエネルギー効率の向上に寄与し、エネルギー消費を削減すること。そのミッションに沿ったIoT製品が当社の技術で実現できないかと考えた」と開発の経緯を説明する。そこで目を付けたのが"野菜栽培"。地球環境にも大きく関係する植物の1つである野菜。しかし、育てるには手間と時間がかかる。そこで「テクノロジーで効率化できればもっと楽しくなるのではないか」と水耕栽培のアイディアに辿り着いたのだという。foopの開発は2014年8月にスタート。設計にあたり、特にこだわったのはデザインだ。デザインは、コクヨの「カドケシ」などのデザインで知られる、プロダクトデザイナー/アートディレクターの神原秀夫氏が担当した。丸い筒状の本体は、外から中が見やすくするために選択された形状で、虫などが入らないよう密閉構造の透明アクリルカバーを側面に採用している。両サイドには飛騨の無垢のスギの木の板が使われているなど材質にもこだわる。また、生活空間に溶け込むようにボタンなどは極力撤廃し、機能はスマートフォンに集約されている。栽培機を制御する仕組みとして、照度をはじめ、水位、温度湿度、CO2のセンサーを備えるが、いずれも非接触型のセンサーでコード類を一切排除し、見た目をスッキリさせるとともに、手入れもしやすいように配慮したという。シェ氏は「曲線的なデザインにするのが特に難しかった。LEDをそのまま付けることができず、通気性の面でも課題があった。デザインに木を使うのも非常に苦労した。テクノロジーとデザインを両立させるのが簡単ではなかった」と振り返る。foopはBluetooth経由でスマートフォンとつながり、Wi-Fiでサーバーにアクセスし、クラウドデータとも連携する。専用のアプリで生育状況を確認できるほか、栽培中の野菜を選択すると最適な環境を自動設定したり、収穫やお手入れ時期、温度調節などのアドバイスを行う。○開発にはFabCafeも協力開発は複数のスタートアップ企業などとの協業で行われている。その中心的存在を担うのが、Webやイベントなどのデザインまわり全般を手掛けるロフトワークが2012年3月に渋谷にデジタルものづくりカフェとしてオープンした「FabCafe」だ。2015年3月にFabCafe内で「Let’s meet foop」と題したイベントを開催。プロトタイプ機を施設内に設置し、興味のあるユーザー層などのマーケティングをFacebookと連動して行ったのに続いて、女性向けのワークショップなども開き、商品化に向けたニーズやデザイン、コンセプトなどのアイディア出しに協力し、パートナーの紹介も行ったという。その結果、foopに最も興味を示したのは25~40歳ぐらいの野菜に興味がある女性。しかし一方で「家庭用水耕栽培機はあまり市場が大きくない。そしてIoT・水耕栽培装置はまだ成功していない」とシェ氏。その理由は、技術面でもデザイン面でも参入が難しく競争相手が少ないからと分析し、「だからこそむしろイノベーションに繋げたい」と話す。FabCafeに集められた要望で製品化に活かされた例のひとつに"ネットワーキング"もある。栽培の様子をSNSでシェアして、遠方に住む家族や友人たちとのつながりのきっかけをつくるというものだ。製品名の「foop」も"food to people"が由来のひとつになっているとのことだ。foopは4月中旬から受注生産の予約をオンラインで開始する予定。まずは日本市場でのトライアルとなり、調達・製造も国内で行い、受注後3~4カ月で注文者に届ける。ターゲットはインタラクティブでプレミアムな製品が好きな女性層。今後はカメラとの連携機能や各foopが連携して、チャットや会話をしたり、インフォメーションを自ら発信するインタラクティブな機能も追加していく計画だ。最後にシェ氏は「技術的にはソフトウェアとハードウェアを融合するイノベーションの方向で展開したい。IoT製品としての実験的なもので売上はあまり重要視していないが、foopを核とするサービスは段階的に拡大していきたい」と今後の展望について明かした。
2016年03月09日オリンピア照明は11月4日、水耕栽培器「灯菜(アカリーナ)」シリーズから、壁掛けでも使用できる「Akarina15」を発表した。発売は11月中旬。直販価格は税別7,800円。Akarina15は、植物の成長に合わせてLEDライトの高さを調節できる水耕栽培器。壁に掛けて、インテリアとして飾ることも可能だ。照明の明るさは4段階で調節でき、LEDライトを毎日16時間、植物に照射するタイマー機能も持つ。本体サイズはW175×D120×H450mmで、満水時の重量は1.2kg。消費電力は6Wで、1日あたり16時間点灯した場合、1日にかかる電気代は2.6円(1kwhにつき27円で計算)。培地スポンジ10個(3回分に相当)、約20粒のサラダ菜の種、液体肥料50mlなどが付属する。
2015年11月05日第28回東京国際映画祭内にて、来る10月26日(月)、「歌舞伎座スペシャルナイト」として黒澤明監督作『虎の尾を踏む男達』のニュープリント上映と、歌舞伎俳優・片岡愛之助による歌舞伎舞踊が披露されることがこのほど決定した。今年も10月22日(木)~31日(土)に開催される東京国際映画祭。今回決定した「歌舞伎座スペシャルナイト」は、昨年より映画祭の新たな試みとして実施され好評を博し、今年も実施される運びとなった。2回目となる今年は、日本映画の巨匠・黒澤明監督が歌舞伎十八番の内「勧進帳」を題材に、第二次世界大戦前後に企画・撮影した『虎の尾を踏む男達』を、ニュープリント、英語字幕付きで上映。終戦の年1945年に完成された本作は、日本の検閲官により7年もの間封印されていたが、一部のGHQ担当官たちの政治を超えた芸術に対する理解によって、上映禁止を解除された経緯をもつ作品である。本作の上映前には、歌舞伎のみならずテレビや映画、舞台で幅広く活躍する片岡さんによる歌舞伎舞踊「雨の五郎」を上演。「雨の五郎」は、歌舞伎ならではの艶やかな口説きや、豪快な立ち廻りなどの見所満載の演目として、歌舞伎通からはじめて歌舞伎を観る人でも楽しむことができる。また、当日は江戸時代から歌舞伎鑑賞での楽しみの一つであるお弁当が、「歌舞伎座スペシャルナイト」特製のスペシャルメニューとして提供される。戦後70年の今年、国境を越えて愛された日本映画の名作と歌舞伎舞踏が堪能できる一夜をぜひチェックしてみて。「歌舞伎座スペシャルナイト」は10月26日(月)、第28回東京国際映画祭内にて開催。(text:cinemacafe.net)
2015年09月14日千葉工業大学は9月7日、金星の表層が極度に乾燥している理由について、天体衝突が初期金星の水分を取り除いたとする新説を発表した。同成果は同大学惑星探査研究センターの黒澤耕介 研究員によるもので、欧州科学雑誌「Earth and Planetary Science Letters」電子版に掲載された。金星は地球とほぼ同じ質量であり、太陽からの距離も近いため、形成期の金星表層には地球の海水と同程度の水が存在していたと考えられている。しかし、現在の金星表層には地球の海水量の10万分の1しか水分が存在していない。金星表層の水の行方は、地球と金星がいかにして作り分けられたか、表層に液体の水を持つハビタブルプラネットがどのように作られるのかといった問題に直結する課題の1つとされている。これまでの研究から、太陽に近い金星では海が蒸発し、水蒸気の大気が形成されていたとされる。この水蒸気は若い太陽からの強い紫外線で水素と酸素に分解され、軽い水素は宇宙空間に放出されたと考えられている。しかし、金星サイズの惑星から地球海洋相当量の水に含まれる酸素を宇宙空間に逃すことは難しいため、金星の表層水の行方は水蒸気の紫外線による分解と、水素の宇宙空間への散逸後に残された分厚い酸素大気をいかにして消費するかという問題に帰着するとされてきた。形成末期の金星は現在の1万倍の頻度で天体衝突が起きていたと考えられている。この時期は天体重爆撃期と呼ばれ、水蒸気大気の光化学分解が進行する時期と重なっている。同研究グループは、天体衝突が金星の地殻・マントルを粉砕・掘削して、岩石塵を高温の初期金星大気中に放出し、その結果岩石塵と高温の酸素大気が反応し、岩石が酸化されることで大気から酸素が取り除かれたとする説を提唱。初期金星への天体重爆撃の数値モデルを構築し、天体重爆撃によって粉砕・掘削される岩石の総量を計算した。その結果、大気に放出される岩石塵の総質量は現在の地球大気質量の1万倍におよび、原子金星においては主要な酸素消費源となり得ること、ならびに強い紫外線による宇宙空間への水素散逸効果と合わせると、金星表層から水分を消失させる可能性があることが示された。初期地球にも金星と同程度の天体重爆撃があったと推定されるが、地球は太陽からの距離が金星よりもわずかに遠いため、水蒸気大気が凝縮して海洋を作り、紫外線による光化学分解を免れたと考えられる。この場合は、天体衝突によって岩石塵が大気中に放出されても、酸化反応が効率良く進むことはない。このことから、表層水が液体だったか気体だったかという形態の違いによって、天体重爆撃に対する表層環境の応答に違いが生じ、地球と金星が作り分けられたと推定されるという。同研究グループは「今回の研究成果は形成末期の天体重爆撃が惑星の地殻・マントルと初期惑星大気を激しく混合させ得ることを示しています。莫大な量の岩石塵と惑星大気の間の化学反応は初期大気質量や組成を大きく変える可能性があります。金星の表層水の問題だけでなく、系外惑星の大気進化過程にも重要な役割を果たした可能性があることをも示唆する結果です。」とコメントしている。
2015年09月07日ファミリーマートはこのほど、「フリルレタスのハムたまごサンド」を、首都圏を中心としたファミリーマート店舗で発売した。○植物工場で水耕栽培された"フリルレタス"を使用したサンドイッチ同商品は、国内の植物工場で栽培された野菜を使用したサンドイッチ。植物工場野菜は、外気の影響を受けない室内環境で人口光・空調などを使い、植物にとって理想的な環境で水耕栽培した野菜。やわらかく、苦みが少ない、おいしい野菜で、栽培中には農薬を使用しない。クリーンな室内、密閉型の環境で栽培されている。今回は、植物工場で水耕栽培された"フリルレタス"を使用したサンドイッチとなる。耳付きの全粒粉入り食パンで、フリルレタス、ボンレスハム、たまごサラダをサンドした。価格は298円(税込)。
2015年05月15日ダスキンは4月6日より、土を使わず家庭で野菜を育てられる水耕栽培セットのレンタルサービス「水耕生活」を順次、全国で提供開始する。○簡単、新鮮、無農薬で安心同商品は、水耕栽培器本体をレンタル。栽培スポンジ、種、液体肥料からなる栽培キットを4週間ごとに届けるサービス。定期的に栽培キットが届くため、手軽に水耕栽培を楽しむことができる。生育できる野菜は、「サンチュ」や「サラダ菜」などの葉物野菜や、「スイートバジル」などのハーブ、全12種類。摘みたてで新鮮な無農薬野菜となるため、安心して食べることができる。また、子どもと一緒に育てた野菜を料理の食材として利用することで、"食育"としても活用することができる。野菜の生育方法は、間引きと液体肥料や水を補充するだけ。土耕栽培に比べて生育に手間がかからない。また、太陽光代わりの白色LEDをタイマーで制御しているほか、エアポンプで空気を循環させるため、根腐れの心配もないとのこと。4週間標準価格(税込)は、初年度が、本体使用料1,620円と、栽培キット1,058円で、2,678円。2年目以降は、栽培キットの1,058円のみとなる。なお、1年未満での解約する場合、解約違約金が発生する。
2015年03月25日エスキュービズム・エレクトリックは3月9日、自社の水耕栽培植物工場「オレンジファーム」のノウハウを活かした家庭用水耕栽培キット「ピッコラ」を発表した。屋内で野菜などを栽培できる。発売は3月上旬で、価格は12,800円(税別)。エスキュービズム・エレクトリックは、商用の植物工場をセミオーダーメイド化した「オレンジファーム」を展開しており、土地・空間の有効活用や、野菜の組み合わせ栽培などを提案している。同社がこのたび発売する家庭用水耕栽培キット「ピッコラ」は、このオレンジファームで培ったノウハウを家庭向けに活かした製品だ。ピッコラのトレーに備わる4本の足は着脱式になっており、LED光源と芽の距離を調整可能だ。特に、発芽から1週間ほどは芽をしっかり光に当てないと、茎だけがひょろひょろと伸びて根元から倒れてしまう"徒長"という現象に見舞われうるが、足の長さを調節することで徒長を防げる。また、光源には白色LEDに加えて赤色LEDを搭載。より太陽光に近い光源を再現し、植物の発育を促す。さらに、栽培する植物の大きさや成長段階、あるいは栽培密度に応じて、苗床の穴を開けたり塞いだりできる着脱式発泡スチロールを採用し、穴と穴の間隔を調整できる。発泡スチロールが水面に光が当たるのを防ぐので、藻の発生も抑えられる。トレーは2つに分割でき、それぞれで異なる植物を育てたり、収穫のタイミングをずらしたりといったことも可能だ。一方のトレーにのみ足を付けて高さを変えることで、発芽をずらすこともできる。本体サイズはW295×D200×H300mm。一般的な家庭用コンセントに接続して使用する。デザインは収穫や手入れがしやすいよう、前面開放型を採用。消費電力は1時間あたり約7.1wで、1日10時間の使用で1カ月の電気料金は約46.8円(全国平均の料金換算、同社調べ)となっている。お試し用種のルッコラの袋×1、ミニポット×12、苗床トレー×2、トレー高さ調節用足×8、専用液体肥料(15ml入り)2種類×各1、水耕プレート×2、苗床スポンジ×1(24個分)が付属。
2015年03月09日映画『蜩ノ記(ひぐらしのき)』が10月4日(土)に公開を迎え、主演の役所広司を始め、岡田准一、堀北真希、原田美枝子、小泉堯史監督が舞台挨拶に登壇した。黒澤明監督の下で長年、助監督を務めた小泉監督が葉室麟の直木賞受賞小説を映画化。ある事件の罪で10年後の切腹とその間に藩の歴史を綴った「家譜」の編纂を命じられた戸田秋谷の元に若き藩士・檀野庄三郎が訪れる。藩からの“見張り役”として送り込まれた庄三郎だったが、徐々に秋谷の人柄に心酔し、その家族とも打ち解けていき…。初日を迎え、晴れ晴れとした表情の役所さん。念願の小泉組への参加となったが「ツイていたと思います。小泉組もそうですがその作品で秋谷という役に出合えたことに縁(えにし)を感じます」と嬉しそうに語る。岡田さんは、劇中の庄三郎と秋谷の関係そのままに役所さんに憧れ、現場でもその立ち居振る舞いに心酔したよう。「主役としての立ち方、そして人としての現場での在り方。黒澤組のスタッフさんたちが、役所さんを見ながら僕に『あれがいい。ああいう人を支えたくなるんだ。お前もああいうふうになれ』と言ってくださいました。その人柄を直に見ることが出来て幸せでした」とふり返る。堀北さんも「いい経験をさせていただきました」と充実した表情。「所作に舞とクリアしないといけないことも多かったですが、いい緊張感の中で臨めたと思います。撮影に入る前に監督とお話をさせていただき(演じた)薫についてたくさん伺い、参考となる本も渡されたのですが、ここまで監督の中にイメージがおありなら、少しでもそこに近づけるように努力しようと思いました」と語る。原田さんは黒澤作品への出演経験もあるが、今回、小泉監督の下に、すでに引退したスタッフも含め、黒澤組を支えた人たちが集結したことについて「懐かしい面々であり、共に戦ってきた仲間です」と嬉しそう。「セットでボーっとした時間を過ごすのが好きなんですが、思いのほか撮影が早く終わってしまって、もう少し長くそこにいたかったというのが本音です」と少しだけ寂しそうに語った。小泉監督は「スタッフはみんな、黒澤監督の教えを受けており、支えてくれるのでやりやすかったです。キャストにも恵まれ、その日、現場に行けば秋国や庄三郎に会えるというのが楽しみでした。そうした雰囲気が『フィルムに出る』と黒澤監督もよく仰ってました」とうなずく。この日は、黒澤組で長くスクリプター(記録係)を務めた野上照代さんが客席で映画を鑑賞したが、コメントを求められると「黒澤さんの声が聞こえます。『小泉、うまくなったな。100点満点やろう』と」と語り、小泉監督は「涙が出てきそうです」と感激。野上さんは撮影現場にも足を運んだそうで、岡田さんはその時の様子について「『頑張れよ!』と言われて帰っていかれて(笑)、カッコいいんです。素敵でした」と目を輝かせていた。『蜩ノ記』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:蜩ノ記 2014年10月4日より全国にて公開(C) 2014「蜩ノ記」製作委員会
2014年10月05日サンワダイレクトは17日、室内で簡単に野菜を育てられる水耕栽培器「グリーンファーム CUBE UH-CB01GW」を発売した。直販サイト「サンワダイレクト」での限定販売で、価格は税込9,800円となっている。UH-CB01GWは、室内で野菜を育てられる、土いらずの水耕栽培器。UH-CB01GWが野菜の生育に最適な時間で点灯するよう、LED照明をコントロールする。ユーザーは種をまき、運転ボタンを押したら、時々注水するのみでよい。LED照明の発する熱を逃し、ケース内に新鮮な空気を送り込むファンも搭載。野菜は種まきから約30日で収穫できる。根の成長具合を観察できるように、苗床パネルは1カ所、苗ごと持ち上げられるようになっている。サイズはW225×D225×H285.5mm、養液(付属の液体肥料を使用)満水時の重量は約4kg。レタスや葉物野菜は4株、ベビーリーフやハーブ類なら9株を栽培可能だ。育てた野菜を収穫し終わったら、苗床パネルを洗浄・乾燥させ、繰り返し使える。スイートバジルの種子が付属。なお、種子キットは専用のもののみに対応する。
2014年09月24日ユーイングは、室内で野菜の水耕栽培が楽しめる家庭用水耕栽培器「Green Farm」の姉妹品として、「Green Farm Cube」と「Green Farm TRI-TOWER」の2機種を新発売する。○30日で新鮮野菜を収穫できる同商品は清潔な半密閉構造のケースに、育てたい種子と水・液体肥料・栽培スポンジをセットするだけで準備は完了。あとは運転ボタンを押すだけで、野菜の栽培がスタートする。日光の代わりとなる省電力の白色LED照明とケース内に新鮮な空気を取り入れるファンを搭載しているので、毎日水やりをしなくても野菜を約30日で育てられる。栽培できる野菜は、レタスやルッコラ、スイートバジル、ミニトマトなど、合計23種類(レタス・葉もの野菜系10種類、ベビーリーフ系7種類、ハーブ系5種類、ミニトマト1種類)。なおミニトマトはGreen Farm TRI-TOWER最上段での育成専用で、種まきから収穫まで、約3カ月かかるとのこと。○「私の小さな野菜畑」と「どっさり収穫できる三段畑」コンパクトモデルの「Green Farm Cube(グリーンファーム キューブ)」は、"私の小さな野菜畑"がテーマ。選べる3つのカラー(ホワイト、レッド、グリーン)で、インテリア感覚で野菜を楽しめるモデルとなっている。幅225×奥行225×高さ285.5mm。「Green Farm TRI-TOWER(グリーンファーム トライタワー)」は、どっさり収穫できる三段畑。自家栽培をとことん楽しめる、大容量&多品種育成モデル。カラーはブラック。いずれも価格はオープン。詳細は「Green Farm」Webサイトで案内している。
2014年02月28日デザイナー津村耕佑によるセミナー「モードとテキスタイルファッションとは逸脱の美学である」が11月20日、東京国際フォーラムで開催された。「JFWジャパンクリエーション2014(JFW JAPAN CREATION 2014)」の「JFW-JC FORUM」で行われたもの。「テキスタイルは服の素材であると共に、空間を構成するマテリアルである」という考えの下、ファッションとテキスタイルについて、検証した。セミナーで津村は、ファッションの過去と現在について、モッズコート、アランセーター、ダッフルコート、トレンチコート、ミリタリールックなどを例に「ファッションはもともと貴族のものだった。しかし、若い人がファッションをリードするようになり、塹壕(ざんごう)に入るためのトレンチがファッションになるなど、本来の機能や意味とは別の文脈を持つものになった。最近ではコスプレとコレクションの境界線がなくなっている。スマートフォンなどのITツールを使ったコミュニケーションやゲームがファッションが持っていたつまらない日常を楽しくするという役割を果たし、着飾ることよりも楽しい時代になっている。また、パンクファッションは特別なスキルはいらない、誰でも表現できることを示したが、ここ数年、アートでもアーティストが構図を決め、自分の内面を表現するというやり方ではない自動変換のようなものもあるし、3Dプリンターによって誰でも服を作ることができるような時代も、そう遠くないだろう」と分析する。「ファッションデザイナーも環境とファッションの関係性を考えるべきだ。ファイナルホームを作った翌年の阪神淡路大震災や東日本大震災などをきっかけに、服の機能だけでなく、ファッションは人を元気にするものであり、たとえ非常時でも華やかな服、心の支えになるようなものが必要であると感じた。服を着たいというのは気分や暖かさ、情報を着たいということでもある。着ていないような軽い服だけではなく、着ることで身体を鍛える重い服があってもいい」など独自の考えを紹介した。また、「おむつのデザインを依頼され、高齢者用に内部構造が「おむつ」のようになっているボクサートランクスを作ったが、その時には若い人達用に紙のタンクトップとTシャツを作成した。若い頃から紙を着てもらうという長期的な取り組みによって、紙のパンツを穿くことに抵抗がなくなれば良いと思っている」という話や、プチプチ(R)でできたパズルパーツを使ったワークショップ、10月にウズベキスタンのタシケントで開催されたショーの様子などを交えて、同ブランドの活動を紹介。その上で、「プロダクトデザインは問題を解決するものであり、流通も含めて、完成されていなければいけない。だが、ファッションは芸術でもあり、完成していないことも魅力になる。テキスタイルを服の素材だけと捉える必要はない。場面を変えることで生き返ることもできるし、時代やプレゼンテーションによって10倍、100倍価値のあるものに変化する。固定観念にとらわれないようにする訓練も必要だ」などと話した。
2013年11月25日宮藤官九郎が黒澤明を語る――。一見、意外なシチュエーションに見えるが、宮藤さんに言わせると黒澤作品は「ある意味、かなりパンク」であり、自身の手による舞台やドラマ作品において、多大なる影響を受けたという。特に、宮藤さんが愛してやまない作品が、黒澤監督が還暦を迎えた1970年に公開された、黒澤監督にとって初のカラー作品『どですかでん』。山本周五郎の「季節のない街」(新潮文庫刊)を原作に、とある町のはずれに暮らす人々の姿を、知的障害を持つ“六ちゃん”を中心に描き出す。日本映画専門チャンネルでは、「メモリーズ 我が心の黒澤明」と題して、生誕100周年を迎えた黒澤明について、ゲストがその思いを語る特別番組を放送中。7月は宮藤さんが先述の『どですかでん』をテーマに黒澤明の“凄まじさ”を語る。放送を前に、宮藤さんに話を聞いた。まずは単刀直入に、映画人・黒澤明の魅力とは?宮藤さんは「いびつでどこか壊れてる感じ」とまさに“パンク”な要素を挙げる。「『用心棒』から『椿三十郎』、比較的新しい作品で言うと『影武者』とか王道の娯楽映画を撮ってて、ああいうのはすごく“男子”の合戦願望とか、戦いたい欲望みたいなものを満たしてくれる部分があって、それはそれで好きです。でも、それとはまた違うタイプの作品、例えば『どん底』とか『羅生門』とか…すごく好きですね。どこか歪んでる…例えば『用心棒』の出だしの(居酒屋の親父役の)東野英治郎さんのセリフの聞き取れなさとか。説明してるセリフなのに聞き取れないってすごいなぁって。何となくは分かる。『この人、すごく怒ってる』ってことは分かるんだけど、とか。そういう部分での、『いいや、聞こえなくて』みたいな感じがすごく好きです。それは、黒澤さんの中でわりと最後まで一貫してそうだったのかな。『まあだだよ』もある意味、壊れてる映画ですからね。結局、猫が居なくなって、帰ってきたという話かって(笑)。そういうところもすごい好きですね。なんか、冷めてるのか、客観性がないのか、計り知れないんですよ」。続いて話題は黒澤映画の影響を受けた上での宮藤さんの創作について。黒澤作品に限らず、過去の様々な作品から多大なる影響を受けてきたという宮藤さん。これまで手がけてきた舞台、ドラマや映画においても“オマージュ”と見受けられる部分も多々あるが、宮藤さんは、他人の技術や手法をどのように自らの作品に取り込んでいくのか?「僕は結構、すぐやっちゃいます(笑)。見えるところ、見えないところ含めて。いま、自分が好きなもの、世の中でどうのっていう以前に、自分の中で勝手に気になっているものを入れることもあるし、それこそ『どですかでん』のようにずっと好きなものを入れちゃうときもあるし。正直、周囲が知ってるか知らないかも関係ない。少しでも周囲を気にすると、大抵は失敗するんです。演出のときも、『どですかでん』のあの感じでお願いします、っていうのはわりとすぐ言っちゃうんですよ。あと、多いのは『爆裂都市 BURST CITY』。そこで『ゴッドファーザー』みたいに、とか言えればいいんですけどね(苦笑)。最近、怖いのは自分で気づかずに自分の作品をマネしてることがあるとき。それ『マンハッタンラブストーリー』のあれだよね?とか、それって『キャッツアイ』のあれだねとか言われて『あぁ、それもうやってたね。どうりで面白いと思った』って(笑)」。余談だが、宮藤さんの脚本・演出による刑事ドラマ「うぬぼれ刑事」がまもなくスタートするが、これまで、いろんなメディアでビートたけし主演の刑事ドラマ「刑事ヨロシク」への愛を訴えてきた宮藤さん。もしかしたら随所にオマージュも…?オマージュという言葉が出てきたところでもう一問。監督としてであれ、脚本家としてであれ、もしも好きな黒澤作品を自身の解釈でもう一度作り直せるとしたら?「リメイクは相当、難しいですよね、そのまま作るにしろ、思い切り変えるにしろ。『隠し砦の三悪人』を『スター・ウォーズ』に変換したというのがすごいし(※『スター・ウォーズ』はこの作品を元に着想されており、アンドロイドのC-3POとR2-D2のコンビも本作の人物をモチーフにしている)、『用心棒』に自分の解釈を入れて西部劇にした(※セルジオ・レオーネ監督『荒野の用心棒』)っていうのが凄まじいことですよね。自分でやるなら、全く違うエピソードで『どですかでん』作ってみるのとかはいいかも。(オリジナル同様に)“どですかでん”って言ってる登場人物はいるけど、全く別の話とかね。やっぱり黒澤映画は好きな人が多いだけに難しい。僕にとってはせいぜい飲み屋の話題で“いま、『七人の侍』やるなら誰で作るか”とかで…(笑)」。1998年に黒澤監督が亡くなったとき、宮藤さんは「もう、芝居の仕事はしてましたね」という。さらに「亡くなられたってことも驚きましたが、88歳という年齢にもびっくりしたのを覚えています」とも。黒澤監督をはじめ、この世代の“巨匠”たちのバイタリティに改めて感服したようにこう続ける。「新藤兼人さんとかもすごいですよね。僕、新人監督として“新藤兼人賞”いただいて、授賞式でお会いしたんですが、そのときで90歳は超えてらして、挨拶で『映画の95%は脚本です!』っておっしゃってました。(一昨年、亡くなった)市川崑監督も、すごい量のタバコ吸ってて、でも九十幾つまで映画撮り続けて。すごいですよね」。映画の話が続くうちに、“監督”としての本性、映画を撮りたいという願望がどうにも隠せずにニョッキリと顔を出してきたようだが…。「いや、やりたいとは言ってるんですけどね。もちろん、それだけじゃやらしてもらえない。『じゃあ書いてください』と。当然ですね(笑)。まぁ多分、自分で書くんだと思いますが」。飄々というか、ノラリクラリと言うべきか…。とは言え、最近観たというある映画を引き合いにこんな言葉も。「韓国の『息もできない』っていう映画がすごい面白くて。元々、監督ではなく役者さんが、どうしてもやりたいっていうことで始めて、途中でお金がなくなって、家を売ったりして作ったと。そういう話は観た後に聞いたんですけど、やっぱり強い思いによって撮られた映画っていうのはそれだけすごいパワーがあるんだなと思った。だからって家は売らないですけど(笑)。そういう人がドーンってああいう傑作を作っちゃうわけで、僕みたいに『次どうする?』ってを考えてること自体が不純なのかな、とも思って。『あ、これ映画になるんじゃないか?』っていう感じが早く来ないかな、と思って待ってます。なかなかそれが来ないんですが(笑)」。(photo:Ryusuke Suzuki)「メモリーズ 我が心の黒澤明」は日本映画専門チャンネルにて放送。※初回放送は7月3日(土)15:40〜日本映画専門チャンネル公式サイト■関連作品:少年メリケンサック 2009年2月14日より全国にて公開© 2009「少年メリケンサック」製作委員会■関連記事:国内賞レースも本格化『ヴィヨンの妻』『沈まぬ太陽』など日本アカデミー賞最多受賞DVD発売記念クドカン&「少年メリケンサック」メンバーから特別メッセージ到着!ユースケ、宮崎あおいの「胸の感触が忘れられない」主役を差し置きまたも独壇場宮藤官九郎の衝動!「子供以下のおっさん見て、若い人がどう思うか興味ありますね」クドカン、宮崎あおいからのチョコにほのかな期待「もらえなかったら悲しい…」
2010年07月02日