メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が、17SSメンズコレクション「Party With Maison Kitsune」を発表した。同コレクションは、映画監督で俳優のジャック・タチ(Jacques Tati)による風刺喜劇の世界からインスピレーションを得て製作されたもの。1950年代の精神が吹き込まれた、ノンシャランでミニマルなシルエットを提案する。ウィメンズと同様、カラーはジャック・タチ監督の映画『Mon Oncle(邦題:ぼくの伯父さん)』に登場する伝説的な邸宅“ヴィラ・アルペル(Villa Arpel)”を彷彿させる、ヴィヴィッドな原色によって引き立てられたニュートラルなブラックやネイビー、グレー、ベージュなどをベースに使用。ヴィラ・アルペル邸にある魚の噴水彫刻はラメ糸を使用した総柄ジャガードへ落とし込まれ、主人公であるムッシュ・ユロ(Monsieur Hulot)はメゾン キツネの象徴的なキツネの姿にその面影を見ることができる。その他、ジャック・タチによる別の作品『Playtime』のグラフィックも登場。これらのグラフィックやストライプ、チェック、水玉、カモフラージュなどのモチーフがルックを引き立てている。また、ナチュラルな素材はモダンでテクニカルな素材と贅沢にミックスされ、ユニークなコントラストを生み出した。
2016年07月14日ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(GIVENCHY BY RICCARDO TISCI)は、ジャンゾン・ドゥ・サイイ高校を会場に6月24日、17SSメンズコレクションのショーを開催した。前シーズンでも見られた眼のモチーフを多用し、心を映すものの象徴としてミラー使いをすることでミステリアスな世界観を演出。今シーズンは特にフォーマルなルックは少なく、よりスポーティーで活動的な男性像を描いていた。お札の意匠をコラージュし、迷彩のようなテイストを出したモチーフは、ナイロンなどのテクニカル素材にプリントされ、ジャケットやフロックコートの脱着可能ポケットとして彩りを添える。ハニカム状にカットしたファブリックをボンディングしたキャンバス地のコートには、目と蛾をあしらったトライアングルのワッペンを飾り、モノクロのダミエには、アクリル製のミラースパンコールを刺繍して、強さと華やかさを演出。半貴石製スパンコールを刺繍したTシャツも見られ、ティッシらしいアイデアの豊富さとクチュールメゾンの高い技術力を感じさせた。今シーズンもメンズコレクションの発表直後にオートクチュールコレクションを披露。レースとプリーツを多用した、極限まで技巧を凝らしたマスキュリン・フェミニンな13体を発表した。
2016年07月13日6月26日、パリのパレ・ド・トーキョーにて17SSメンズコレクションのショーを開催したランバン(LANVIN)。アーティスティック・ディレクターのルカ・オッセンドライバー(Lucas Ossendrijver)は、ファッションを取り巻く厳しい局面にあって、フリーダム(自由)が重要とし、より一層クリエイティブな表現を試みた。様々なファブリックのミックス、そしてクラフツマンシップ重視の方向で生まれたものは、表情豊かでランバンらしい美しいシルエットとセンシュアリティーを感じさせるアイテムだった。グラデーションのタイダイ地を縫い合わせたマルチカラーシャツには、あえてスリーブにシワ加工を施したコートをコーディネート。パンツにはタックを入れてリラックス感を出している。今シーズンのキーワードの1つに、フリーダムにリンクするものとして「セダクション(誘惑)」が挙げられ、セクシーな女性のイメージやキューピッドの矢の意匠を取り入れている。女性のポートレートはシャツのプリントやブルゾンのワッペン、キューピッドの矢はベルトやブローチ、シャツの刺繍としてアクセントとなっていた。またリフレクターも目を引いたディテールで、ドロップショルダーのシャツやコートに、そして内側にリフレクターの側章を付いたジャカードのパンツなどで見られた。ディフェクト加工や手かがりのステッチなど、完璧ではない美しさをあえて見せるアイテムが多く見られたのも今シーズンの特徴。改めてランバンのクリエイティビティーの高さと先進性を示したコレクションとなった。
2016年07月13日メゾン キツネ(MAISON KITSUNE)が、映画監督で俳優のジャック・タチ(Jacques Tati)による風刺喜劇の世界からインスピレーションを得た17SSウィメンズプレコレクション「Party With Maison Kitsune」を発表した。1950年代のシックな要素にヒントを得たフレンチな女性らしさが印象的な同コレクション。都会の夏や海でのヴァカンスにぴったりなアイテムの数々が展開される。ベースカラーには、ジャック・タチ監督の映画『Mon Oncle(邦題:ぼくの伯父さん)』に登場する伝説的な邸宅“ヴィラ・アルペル(Villa Arpel)”を彷彿させる、ヴィヴィッドな原色によって引き立てられたニュートラルなブラックやネイビー、グレー、ベージュなどを採用。軽やかでナチュラルな素材とモダンでテクニカルな素材をミックスすることで、ユニークなコントラストを生み出した。ヴィラ・アルペル邸にある魚の噴水彫刻はラメ糸を使用した総柄ジャガードへ落とし込まれ、主人公であるムッシュ・ユロ(Monsieur Hulot)はメゾン キツネの象徴的なキツネの姿にその面影を見ることができる。その他、別のジャック・タチ作品である『Playtime』のグラフィックも登場。街の看板やシンボルなど都市を描いたイラストが、コレクションにリズムを与えている。また、グラフィックにはストライプやチェック、ポルカドットが使用されており、ブラウスやドレスに施されたトロンプ・ルイユ(騙し絵)のディテールはポケットやヨーク、小襟の錯覚を作り出している。
2016年07月13日コム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARCONS SHIRT)がパリのショールームを会場に17SSコレクションを発表した。アップリケとパッチワークを駆使した、手の込んだアイテムで構成。ストライプと迷彩のパッチワークシャツや、ベルトをつけてジャケット風にしたシャツには、ポケットやエポレットなど、ミリタリーのディテールを使用している。続いて奇怪なイラストプリントのシャツが登場。これはNYを拠点に活動するアーティスト、ノア・リヨン(Noah Lyon)とのコラボレーション。彼は今年ドーバー ストリート マーケット限定のTシャツも手がけている。ベルトもアクセントの1つとして多用され、ミリタリー風にあしらったものや、拘束衣を思わせるものも。ストライプやチェックなど、様々なファブリックを組み合わせたパッチワークシャツのシリーズも、パッチワーク部分はローエッジのままで処理をしていない。ジオメトリックなモチーフをアップリケしたシャツは、技巧の高さを感じさせるアイテム。終盤に登場した、ビスチェのようなアイテムは、どことなく可愛らしささえ感じさせた。
2016年07月11日オリヴィエ・ルスタン(Olivier Rousteing)によるバルマン オム(BALMAIN HOMME)は、旧ポトキ伯爵邸、現パリ商工会議所を会場に6月25日、17SSコレクションのショーを開催。会場にはリッキー・マーティン(Ricky Martin)をはじめ、多くのセレブリティーが最前列を埋めた。今シーズンは、70年代のアメリカは西海岸にイメージを求め、時空を超えてインカ帝国やマヤ文明の要素も加えるというハイブリッドなコレクションとなった。レースアップシャツを合わせた、リラックスした雰囲気のシンプルなデニムシリーズでスタート。それも束の間、チェーンを刺繍したデニムブルゾンや、南米柄に刺繍したGジャンなど、バルマン(BALMAIN)らしいゴージャスなアイテムが矢継ぎ早に登場。バックスキンのバイカージャケットには、同色系のバックスキンの細身のパンツを、同じくバックスキンのコートにはゆったりしたキモノ身頃のオールインワンをコーディネート。全面ラインストーンのブルゾンにはサルエル風パンツを、バックスキンのキモノスリーブコートには、ピッタリしたジャージーのライダースパンツを合わせてコントラストを出す。色はオレンジ、パープル、ターコイズ、イエロー、レッド、ブルーと、70年代の色濃いモードを思わせると同時に、南米の鮮やかなカラーパレットも想起させ、絶妙なリンクを見せる。マルチカラーのレザーコードを編みこんだジャケットや、コード刺繍を施したミリタリー風のジャケット、マラカイトとターコイズを刺繍した全面刺繍のポンチョ風チュニックトップスなど、クチュールメゾンらしいアイテムは健在で、改めてその技巧の高さを強く印象付けた。
2016年07月11日渡辺淳弥によるコム デ ギャルソン・ジュンヤ ワタナベ マン(COMME des GARCONS JUNYA WATANABE MAN)の17SSコレクションショーは、パリのファッション&デザイン学園都市レ・ドックを会場に開催された。テーマはずばり“チンピラ”。ドナウ河岸に暮らすジプシーを描いた、エミール・クストリッツァ(Emir Kusturica)監督による1998年の映画「黒猫・白猫」の登場人物がイメージソースとなっている。フローラルプリントのハーフスリーブシャツとクロップドパンツのセットアップでスタート。モデルの顔と腕と足にはタトゥーが施され、いかにもワルそうな雰囲気を演出。本コレクションが映画からインスパイアされたことから、映画つながりで古い映画のポスターをプリントしたジャケットやTシャツも見られた。ワルい人々に欠かせないレザーアイテムも充実で、ハーフコートやブルゾンなどの他に、スリーブにレザーをあしらったテーラードジャケットや、リーバイス(LEVI'S)とのコラボレーションジャケットなども登場。ワークウェアやユニフォームの要素を持たせながらショーは進み、最後はスリーブに小花柄を配したシャツとバミューダのセットアップでハッピーに終了した。
2016年07月08日川久保玲によるコム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARCONS HOMME PLUS)の17SSコレクションショーは、元リヨン銀行の複合オフィスビル、ル・サントリアルの地下スペースで開催された。テーマは裸の王様。物や情報が溢れている中で自分を見失ってしまうのではないか、という危機感から服作りをスタートさせ、そんな状況を揶揄するために、透ける服を作ることを思いついたという。あがめ続けられて裸であることに気付かない王様のようになるな、というメッセージを突きつけられているかのよう。様々な種類の半透明のポリウレタンを用いたコートや、PVC素材を用いたジャケットなど、透ける要素を持たせたアイテムで構成。これまではシャツとジャケットのそれぞれを組み合わせてひとつのルックを完成させてきたが、今シーズンは「素肌にテーラード」という提案をしている。ジャケットには芯地を用いずにソフトな風合いを持たせ、ライニングに敢えて表地を使用しているのも特徴。イタリアの画家、ピエロ・フォルナセッティ(Piero Fornasetti)の作品をプリントしたスーツも目を引いたシリーズ。プリントの表地をライニングに用いたジャケット、裏地を付けていないローエッジのジャケットには、グリーンやレッドなど、ハンドペイントされたレースアップシューズが合わせられた。フィナーレでは、ボクサーショーツとシリコンゴム製のジレ、そしてPVCのコートやスカートをまとったモデルたちが登場。会場は大きな拍手に包まれた。
2016年07月08日6月24日、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)によるメゾン マルジェラ(Maison Margiela)は、パリ医大のホールを会場に17SSメンズコレクションショーを開催した。男性性を強調しなければ生き辛かった1950年代と、男性の中に宿る女性性や繊細さを表出することを許されつつある現代を重ね、ふたつの時代の融合を目指した今シーズンのコレクション。ジャケットの製作過程を示すしつけ糸は刺繍として位置付けられ、フラジャイルでロマンティック、メランコリックでフェミニンなものの象徴としてはかなさを表現。「今こそ女性らしさを表に出すべき」とする、メゾンのメッセージが込められている。トレンチをとっても、ダブルブレストにすることでドレープを出す、つまりはフェミニンなムードを出す工夫がなされている。もうひとつキーワードとなったのが、世捨て人を意味する“Limbo”。世の慣習に縛られず、自由に服を組み合わせる姿勢がコーディネートに生かされた。メゾンは、ゆったりしたシルエットを「ルーサー・ロマンティック・シルエット」、アシメトリーを「ロマンティック・フルイード」と表現。服を表現する言葉をとってしても徹底的にこだわる姿勢を貫き、そうして新しい男性像を果敢に描いて見せていた。
2016年07月07日阿部千登勢によるサカイ(sacai)の17SSメンズコレクションショーは、リュクサンブール公園内のオランジュリー(柑橘系樹木用温室)を会場に開催された。ベートーヴェン作曲の交響曲第9番、第2楽章をアレンジしたBGMが流れる中登場したのは、同曲を使用したスタンリー・キューブリック監督の1971年の映画『時計じかけのオレンジ』に登場する主人公、アレックスを思わせるダービーハットを被ったモデル。しかし映画で見られたような毒々しさはなく、着用しているのはカンバッジを飾ったピンクのオールインワンだった。ピンクのシリーズは続き、全てのルックにフィッシュネットロングスリーブTシャツがコーディネートされている。南米風のポンチョ風ブルゾンのヘムにはフリンジが飾られ、カジュアルな中にデコラティブな要素を加える。赤のチェックはイギリス風で、細かなモチーフがプリントされたブルゾンはメキシコ風。ストライプのシリーズではワークウェア風のコートやブルゾンが見られ、素材と色とアイテムのバリエーションは豊か。様々なエレメントがミックスされて1つの世界観を描いていく、sacaiならではのコレクションとなっていた。
2016年07月07日高橋悠介によるイッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)は6月23日、パリ大学の中庭を会場に17SSコレクションのショーを開催した。日本のバンド、幾何学模様が奏でるサイケデリックな楽曲をバックに、ゆったりリラックスしたシルエットのアイテムを発表。今シーズンは、インドのバラナシを旅している間に目にした、生活に寄り添うミニマルなスタイルから着想を得たという。冒頭は白と黒のリンクル素材で構成。凹凸を出すために塩縮したり、糸のよりや複雑なジャカードによってニュアンスを出したファブリック、あるいは竜巻絞りを応用したハンドクラフトプリーツで作られた服はアイロンをかける必要が無く、ストレッチ性に優れるという特徴を持つ。ホーリー祭からインスパイアされたカラフルなモチーフは、様々な素材にプリントされ、シャツやスーツとなって登場。5から10種類の版を用いて熟練の職人によって手捺染され、高い技術を必要とする工芸品ともいえるものである。終盤のルックは、工場と毛芯から共同開発したファブリックによるスーツ。最小限の構造で立体感を出せるもので、シワになりにくいという。スタンドカラーや比翼仕立てのジャケットにはネクタイを必要とせず、新しいビジネスマンスタイルの提案となっていた。
2016年07月06日フィリップ・リムによる3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)は、マレ地区のギャラリー、ニッキー・ディアナ・マルカールを会場に、展示会形式で17SSメンズコレクションを発表。16-17AWシーズンから見られるシンプルさを追求したノームコアの流れとは一線を画し、挑戦し続ける姿勢を示した。洗練と野心、リラックスとチャレンジといった相対するキーワードを掲げながら、着る人自らレイヤーリングのスタイルを見つけられるようなコレクション構成にし、その中で各アイテムをいかにラクジュアリーにするかを追求したという。今シーズンはストリートテイストの中にフィリップ・リムが好むバッドボーイの要素を注入しながら、パンツをアンクル丈にするなど、50年代の雰囲気も持たせている。ジャケット類はドロップショルダーで流れるようなシルエットが特徴。フローラルプリントの柔道着風ジャケットがあるかと思えば、レオパードモチーフのフリーサイズパンツやブルゾンといった攻めのアイテムを登場させ、そのコントラストが心地よい。純粋にファッションを楽しみたいとするフィリップ・リムのフィーリングが大きく反映されたコレクションとなっていた。
2016年07月06日阿部潤一によるカラー(kolor)は6月23日、パリ医大のホールを会場に17SSコレクションのショーを開催した。収縮させてニュアンスを出したチェック、フォークロリックな光沢プリントなど、様々なテクニカル素材を用いながら、ゆったりしたシルエットのアイテムで構成し、コレクション全体に渡ってリラックしたムードを演出。ジャケットやシャツはそれぞれドロップショルダー・オーバーサイズで、サルエルタイプやワンタックの空気をはらむようなサイズのパンツを合わせている。サイドのベルトでアシメトリーなフォルムを描くコートや、同じシステムで開閉する着物身頃のカーディガンなども目を引いたアイテム。グラフィカルな織りのニットジレや、フォークロアテープを織り込んだかのような所々シースルーになっているニットプル、肩にギャザーを寄せてボリュームを出したボンバース、クロコレザーのようなモチーフのジャカード素材のコートなど、個性が際立つアイテムが多いのも今シーズンの特徴だ。襟にネオンカラーを配したり、ヘムにゴールドスパンコールをあしらう、あるいはショーツの裾にチュール素材を飾るなど、カラーらしい遊びも健在ではあるものの、さりげなく見せるという絶妙なバランス加減を見せていた。
2016年07月05日デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)によるバレンシアガ(BALENCIAGA)は6月22日、99年の歴史における初めてのメンズランウェイショーを開催。私立中・高校サン・ルイ・ドゥ・ゴンザグを会場に、オートクチュールメゾンならではのテーラリングの美しさを強調した17SSメンズコレクションを見せた。大きな肩を特徴とするボックスシルエットと、タイトなシルエットでコントラストを付けながら、クリストバル・バレンシアガ(Cristobal Balanciaga)本人の時代から引き継ぐ造形の独自性と素材感の美しさでコレクションをまとめた。今シーズンのために特別に開発したという大きな肩パッドを入れたジャケットには、タイトなパンツを合わせてトップとボトムの違いを強調。一方で、極限にまで身体にフィットさせたジャケットは、肩パッドが内側に入るような構造で肩の狭さを前面に出している。それぞれが極端ではあるものの、新鮮なシルエットを見せていた。ビッグショルダーはMA-1やブルゾンにも展開し、ロングチェーンをアクセントにしたバギーパンツをコーディネート。終盤のフォーマルルックには、ヴァチカン市国の聖職者の袈裟に使われるパープル、レッド、ブラックの各素材を使用し、一種独特の世界観を演出。カマーバンドやショールも効果的なアクセントとなっていた。また、ショッピングバッグ風レザーバッグ「キャリー(CARRY)」も登場して注目の的となった。
2016年07月04日ウンベルト・レオン(Humberto Leon)とキャロル・リム(Carol Lim)によるケンゾー(KENZO)は6月25日、元市場のカロー・デュ・トンプルで17SSメンズコレクションと17年ウィメンズリゾートコレクションコレクションのショーを開催した。90年代のクラブカルチャーに思いを馳せ、その時代のクラブキッズ・ファッションをモダン&リュクスにリアレンジ。ウィメンズの17年リゾートコレクションも同時発表され、全91体の力作となった。80年代終わりより世界中のクラブを席巻したトッド・テリーによるハウス作品をBGMに登場したのは、踊りやすそうなカジュアルでスポーティなアイテム群。Tシャツにはトワイロやボディ&ソウルなど、当時のNYのクラブの名前と共にフライヤーのようなグラフィックがプリントされ、故スティーヴ・ストレンジ(Steve Strange)の80年代のプロジェクト「ヴィサージ」をイメージした目のイラストが踊る。ポストイット柄のフードつきジップアップブルゾンや、アイスクリームや鳩のカリカチュア風イラストがプリントされたアイテムの他、繊維をフリンジ状にカットしたフィルクーペ素材のアイテムが散見され、ゴージャスな側面も。音の波形をイメージさせるサウンドウェーブ・モチーフは、ニットに施されたプリントの他に、テーラードジャケットの襟に現れ、ポップな印象を与えた。またジャケットやショートパンツなどに使用されたアイレットも効果的なアクセントになっている。様々な要素が絡み合うバリエーション豊かなコレクションだが、クラブカルチャースタイルという切り口でしっかりとまとめ上げられていた。
2016年07月04日リック・オウエンス(Rick Owens)は6月23日、パリのパレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)を会場に17SSメンズコレクションのショーを開催した。コレクションタイトルは“Walrus(セイウチ)”で、ニール・ヤング(Neil Young)によるノスタルジックな『After the goldrush』をBGMにショーがスタート。タイトなトップスとルーズなボトム、透けるようなオーガンザとレザー、彫刻のようなドレーピングとシンプルでリーンなカッティング。シルエット、素材、ボリュームのそれぞれでコントラストを付けているのが特徴で、そこにレモン(イエロー)、スロート(ブラウン)、ティティ(ブリックレッド)、リンジ(グレー)といった新色でニュアンスを加えている。ドレープを寄せたオーガンザのトップスには、セイウチを思わせるバギーパンツを合わせ、メガ・ドレープと表現される幾重にも布を重ねてボリュームを出したコットンシルクのジャージーのトップスには、タフタのバギーパンツを合わせる。パンツは床に引きずるほど長く、袴のような印象を与えた。パンツ部分をバギーにした細身のジャンプスーツに合わせられたボンバースも目を引いたアイテム。これは高級素材を用いた「Hun」シリーズのモデルで、ライニングにセーヴルのファーをあしらっているウルトラリュクスな1点。リック・オウエンスは一時期高級ファーだけのコレクションを発表していたこともあり、今後の展開が気になるラインだ。
2016年07月03日キム・ジョーンズ(Kim Jones)によるルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)は6月23日、パレ・ロワイヤル内の中庭を会場に17SSメンズコレクションのショーを開催。80年代末のアシッドハウスをBGMに登場したのは、パンキッシュな要素も感じさせるアフリカの動物たちをモチーフにしたルックの数々。今シーズンはロンドンとアフリカにイメージを求めた。ムラ染め風のモヘアのニットは、アニマルモチーフをジャカード織りにしたもので、スプリングボックやインパラなどアフリカの動物から引用。オーストリッチのブルゾンや、型押しクロコのコート、レザーコードをアフリカ文様に織ったコートなど、ルイ・ヴィトンならではのゴージャスなアイテムも。モノグラムプリントのシャツやニットジレに見られた奇怪な顔つきの動物モチーフは、ターナー賞授賞歴のあるチャップマン・ブラザーズ(Jake and Dinos Chapman)の手によるもので、ルイ・ヴィトンとしては13-14AWシーズン以来のコラボレーションとなる。終盤のアイテムには、パンクロッカーをイメージさせる厚底のローファーが合わせられ、また様々なバリエーションのチェックも登場してロンドンの要素が増していく。アフリカのアニマルファーをそのまま貼ったボックス型バッグや、チャップマン・ブラザーズのイラストをプリントしたプレクシグラス製のトランスペアレントのボックス型バッグも登場して注目を集めた。
2016年07月02日パリ17SSメンズコレクション初日の6月22日、落合宏理によるファセッタズム(FACETASM)は、パリ11区にあるショールームを会場にショーを開催した。パリでの2シーズンに渡る展示会出展を経て、昨年ジョルジオ・アルマーニの支援によりミラノでヨーロッパデビューを果たしたが、パリでは初のショー発表となる。今年はLVMHプライズのファイナリストにも選出され、多くの関係者から注目されるショーとなった。異素材の身頃を組み合わせた微妙にアシメトリーのジャケット、ニットリブをショールのように巻きつけたかのようなホワイトコットンシャツ、背面にオーストリッチの羽を縫いつけたチェックのTシャツ、自体の異なる数字プリントをずらしながらパッチワークしたバスケットシャツ。それらにはタイ&ダイでモチーフを描いたデニムパンツや、ゆったりしたシルエットのパンツなどが合わせられる。その意外性が不思議と心地良い。カジュアルでスポーティーでありながら、アーティスティックな雰囲気も感じさせ、しかし仕上がりはポップな側面もあり、どの切り口をとっても新鮮に見えた。“FACETASM”は面を意味する“Facet”に由来する造語だが、そのブランド名のごとく、多面的な要素を組み合わせ、そのズレやブレを利用しながら違和感と統一感を行き来する作風は変わらず、ファセッタズムらしさを推し進めたコレクションとなった。
2016年06月30日ワイスリー(Y-3)が6月26日、17SSコレクションショーをパリで開催した。ショー終了後には、シリアルナンバー入りのコンセプトシューズ「NOCI 0003」が世界3,000足限定で発売された。シリアルナンバーが各足に付与された同シューズ。6月26日より順次Y-3.com、Y-3 ZOZOTOWNで展開し、27日にはワイスリー国内直営店にて販売が開始されている。なお、インラインモデルとして展開される「NOCI」は17年1月の発売を予定。「NOCI」は挑発的で自信を感じさせる大胆なデザインが特徴で、多くのマテリアルとフラグメントによって構築され、通常の半分の生産リードタイムで従来のスニーカーデザインを変遷している。
2016年06月28日ドルチェ&ガッバーナ(DOLCE&GABBANA)が6月18日、17SSメンズコレクションショーをミラノにて開催した。ジャズ、スウィング、ブルースなどのタイムレスな音楽によって揺り動かされる感情と、その思い出をテーマに製作された17SSメンズコレクション。ショーはまるでジャズクラブにいるかのように、バンド・The Hot Sardinesの生演奏をバックに開催された。95体のルックと、それに続く79体のフィナーレには、音楽にまつわるモチーフのプリントやスパンコールのジャケットなどが登場。また、フロントローのゲストにはInstagramで現在1,300万人以上のフォロワーを持つキャメロン・ダラス(Cameron Dallas)を始め、デジタルの世界を中心に今最も輝いているスター達14名を“ミレニアル ジェネレーション”として招いた。
2016年06月26日エルメス(HERMES)が6月26日3時(現地時間25日20時)よりパリで開催する17SSメンズコレクションショーのライブストリーミングを配信する。ショーに関する情報はSNSのハッシュタグ「#HERMESMANIFESTE 」でも見る事ができる。ストリーミング引用元: (エルメスオフィシャルサイト:
2016年06月25日ビズビム(visvim)が6月16日、伊フィレンツェのボーボリ公園で初のランウェイ形式による17SSコレクションを発表した。第90回ピッティ・イマージネ・ウオモ(PITTI IMMAGINE UOMO)のゲストデザイナーとして招待されたもので、メンズとともにウイメンズ(WMV)のコレクションも披露された。欧米のメンズバイヤーが東京でのショッピングで必ず立ち寄ると言っても良いほど海外でも高い知名度を誇るビズビムが、ピッティウオモで初のランウェイを発表したのは至極、自然。今回もその幅広い世界観と偏執的ともいえるクリエーティブへのこだわりに対して、大きな賛辞とともに迎えられた。一方で、イタリアンクラシコ、イタリアンモードをベースにエキシビションを拡大してきたピッティウオモに、アメリカンカルチャーをベースにもの作りをしてきたビズビムがフィレンツェの地に招かれた事実は、イタリアの若い世代がこの数年で変革しつつあるアメリカンカジュアルへの憧憬を、クラシコの聖地の住人たちも認めざるを得ない、という伊国内のメンズマーケットの大きな変化を感じさせる。それは、NYに住みながらデザイン活動を行う中村ヒロキという日本人のレイヤーがあってのことかもしれない。昨年よりメイド・イン・USAブランドを集積した新館ブースを新設したピッティ側からの、国内マーケットに対するヒントであったようにも見える。コレクションは刺し子、抜染、半纏といった日本の伝統を取り入れつつ、デニムやスウェット、などワークウエアを中心にアメリカンヴィンテージをトレンドとは一線を画しビズビムらしく表現。古き良きアメリカンシネマのように明るい気分を醸し出すイメージは、今のメンズシーンにおいて貴重な存在だ。Text: 野田達哉
2016年06月24日マルニ(MARNI)が6月18日、ミラノで17SSメンズコレクションを発表した。リラックス感のある端正なシルエットを採用した同コレクション。ボックスジャケットには幅広のアンクル丈のパンツが合わせられ、包み込むようなコートはボリュームが強調されている。また、ショルダーのつまみは幅広のシャツにしなやかさと柔らかさを与え、パーツ分けされたシャツは安易に開け閉めが可能なベルクロによってつなぎ留められている。その他、強調したディティールとサブカルチャーの影響をコレクション全体に表現。取り外し可能なストラップをスーツやダスターコートのショルダー、またはスラックスのウエスト部分に施すことで“はずし”も利かせている。プリントはリズミカルな格子柄、鮮明なストライプ、フォトグラフィカルなフラワー、ジオメトリックな渦巻き柄などを採用。素材は2重織のフレスコやポリエステル、ウォッシュ加工のビスコース、カーフスキンなど柔らかく肌なじみの良いものが使用された。セージ、カーキ、ディープブルー、ライトブルー、バーガンディーといったクラックなカラーをベースに、オレンジとレッドの差し色を加えたカラーパレットで展開される。アクセサリーには、グラフィックカルチャーからインスピレーションを得た2トーンのレースアップシューズやサンダルの他、トランクブリーフケース、ソフトカーフスキンのポーチ、プリントが施されたリュックサックなどがラインアップ。また、太目のグラフィックラインで目もとを強調するサングラスも登場する予定だ。
2016年06月23日ルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)は、17SSパリメンズファッションウィークにて行うランウェイショーをライブ配信する。ショーは6月23日17時半(現地時間10時半)より、パリのパレ・ロワイヤル、コレット広場を会場にスタート。今回インスタグラムのルイ・ヴィトン公式アカウントではメンズ スタイルディレクター、キム・ジョーンズがショーに先駆けインスピレーション源など様々な情報を投稿している。既にサングラスやバッグなど最新コレクションを公開している。また、SNSのハッシュタグは#LVMenSS17。ストリーミング引用元: (ルイ・ヴィトンオフィシャルサイト: www.louisvuitton.com)
2016年06月23日グッチ(GUCCI)が6月20日、17SSメンズコレクションショーをミラノで開催した。「旅は、発見を支える律儀で地味な作業であり、現実のかけら、さらには退けられ、禁じられ、除かれた可能性をも収集しうる知の過程」。同コレクションは、こうした“旅”を通じて様々なものと出会うストーリーが描かれた。ロマンティック、レトロ、マリン、オリエンタル、ストリートなどのミックステイスト、またディズニーキャラクターのドナルドダッグも随所に登場した。
2016年06月22日ヴァレンティノ(VALENTINO)が6月23日0時半(現地時間6月22日17時半)より、パリで開催する17SSメンズコレクションショーのライブストリーミングを配信する。ショーの様子はこちらから視聴が可能。ストリーミング動画URL: (
2016年06月22日ヴィヴィアン・ウエストウッド マン(Vivienne Westwood MAN)が6月19日、17SSメンズコレクションショーをCitylife Palace Piazzaで開催した。内部告発サイト「ウィキリークス」の創設者であるジャーナリスト、ジュリアン・アサンジに容疑がかけられ、その後2012年6月ロンドンのエクアドル大使館にて身を寄せ政治亡命を申請してから丸4年が経つ。今年2月に国連調査委員会は、英国とスウェーデンに同氏の解放を要求したが、5月にFBIが米連邦裁判所に対しジュリアン・アサンジとウィキリークスへの積極的な追及を続けると宣言した。この状況に対し、ヴィヴィアン・ウエストウッドも“彼の解放”を訴える一人である。今シーズンのショーは、内部告発者と自由を讃える国際的なイベントに参加することを伝えるビデオメッセージで始まった。ウエストウッドも参加するイベントは、このミラノを皮切りに「アサンジウィーク」と称され、パリのポンピドゥーセンター、ベルリンのフォルクスビューネ、ブリュッセルのボザール、マドリードのシルクロ・デ・ベリャス・アルテス、ベオグラード、ナポリ、サラエボなど世界の主要10都市でも同時開催された。イベントのスピーカー・パフォーマーには、パティ・スミス、ノーム・チョムスキー、ブライアン・イーノ、スラヴォイ・ジジェク、マイケル・ムーア、PJ ハーヴェイの他、多数の著名人が名を連ねる。
2016年06月22日イタリア・フィレンツェで6月14日に開幕した第90回ピッティ・イマージネ・ウオモの2日目に、ゴーシャ・ラブチンスキー(GOSHA RUBCHINSKIY)が17SSコレクションを発表した。今回のピッティウオモのメイン・ゲストデザイナーとして招かれたロシア人デザイナーのラブチンスキーは、2008年のブランドデビュー以来、モスクワのストリートカルチャーを代表するスケーターファッションをイメージソースとしてきたが、今回の17SSコレクションでは、彼が牽引してきた“ユースカルチャー”から離れ、スーツ、ジャケットスタイルを発表。ストリートファッションの継承として、日本でも80年代にブームを起こしたフィラ(FILA)、カッパ(KAPPA)、セルジオ・タッキーニ(Sergio Tacchini)といったイタリアのスポーツブランドのロゴをあしらったアイテムをルックの要に取り入れ、ウィットに富んだモスクワっ子らしい表現で、今のメンズのモード感を打ち出した。これまでのプレゼンテーションでは自身のジンを発表してきたが、今回はランウェイと共にショートムービーが公開され、彼のクリエーションのベースにあるフォトグラファー、映像作家としての活動も同時に表現された。Text: 野田達哉
2016年06月21日グッチ(GUCCI)がミラノで6月20日19時半(現地時間20日12時半)より、クリエイティブ・ディレクター、アレッサンドロ・ミケーレによる、17SSメンズコレクションのランウェイショーをライブ中継。公式サイト()のほか、当ページでも配信する。ストリーミング動画URL : (
2016年06月20日エトロ(ETRO)が6月20日21時(現地時間20日14時)よりミラノで開催する17SSメンズコレクションの模様を公式ホームページ(live.etro.com)からライブストリーミング配信する。ストリーミング動画URL: (
2016年06月18日