債券ETFとは、債券で構成されたETF(上場投資信託)です。ETFは証券取引所に上場しているので、株式のようにリアルタイムで取引できます。この記事では、債券ETFの特徴やメリット・デメリットについて解説します。債券とはS&Pグローバル・レーティング日本の場合、戦争や天変地異が起こらない限り破綻することは考えられませんが、外国ではデフォルト(債務不履行)リスクが高い国の債券もあります。とくに有名なのはアルゼンチンです。アルゼンチンは、2020年5月に2014年以来のデフォルトを行いました。建国以来、9回もデフォルトしています。また、社債(企業が発行する債券)の場合は、発行した企業が倒産するリスクもあります。ですから、格付け機関の評価をチェックし、格付けの高い企業の社債を選ぶようにしましょう。A格ならデフォルトリスクは低くなります。ただし、格付けが高いほど利率は低くなります。債券の種類(国債・社債・外債など)債券にはさまざまな種類があります。代表的な債券を見ていきましょう。日本国債私たちに最も身近な債券は「日本国債」です。国債とは、日本政府が発行する債券のことです。元本を国が保証しているので安全性は高いですが、利率は一般事業会社が発行する債券に比べて低くなっています。ただ、個人投資家が買える「個人向け国債」では満期が3年、5年、10年の3種類が発行されていますが、どれも最低0.05%(年率)の金利は保証されています。社債社債とは、トヨタやソニーなどの企業が発行する債券です。満期までの期間はさまざまなので、設定される利率は発行時点の金利をもとに、発行体の信用度(格付け)に応じて決められます。外債(外国債券)通貨、発行者、発行場所のどれかが外国に属する債券です。外債の金利は通貨を発行している国の水準にもとづくので、国内の債券よりも金利が高い傾向にあります。ETF(上場投資信託)とはETFは、日経平均株価やTOPIXなど特定の指数に連動する運用成果を目指して運用される投資信託です。通常の投資信託の特徴に加え、東京証券取引所(東証)に上場しているので、株式と同じようにリアルタイムで取引できます。いわば、株式と投資信託のいいとこどりの商品といえるでしょう。ETFは株式や債券などを組み合わせてパッケージした金融商品です。ETFの投資対象となる指数はさまざまな銘柄で構成されているので、ETFを1つ選んで投資するだけで簡単に分散投資できるのです。また、ETFの対象となる金融商品には、株式だけでなく債券や不動産、通貨などもあります。そして、東京証券取引所に上場している「国内ETF」と海外の市場に上場している「海外ETF」に分類できます。[adsense_middle]国内ETFとは債券を対象にした国内ETFは、すべて日本円で取引可能で、債券の利子を原資とした分配金が支払われます。国内債券のETFが誕生したのは2017年。それまでは外国債を対象にした債券ETFのみでした。ですから、国内の債券ETFでも外国債を対象とした銘柄が多くなっています。ただ、国内債券ETFの登場で、ETFだけで国際分散投資のポートフォリオができるようになりました。国内債券ETFには、一定の組み入れ基準にもとづいて国内発行の公社債に投資する「NOMURA-BPI総合」に連動するものがあります。NOMURA-BPI総合は、国内の公募債券流通市場全体の動向を表すために開発された投資収益指数です。一定の組み入れ基準にもとづいて構成されたポートフォリオ(銘柄の組み合わせ)のパフォーマンスをもとに計算されます。また、国内ETFで外国債券に投資することも可能です。外国債券のETFでは、米国債に加え、新興国債券指数やグローバルに投資するものもあります。海外(米国)ETF海外ETFとは、米国や中国、インドなど海外の代表的な指数との連動を目指した、海外の証券取引所に上場しているETFです。海外ETFも証券市場に上場しているので、株式のようにリアルタイムで取引できます。代表的なのは米国市場に上場している米国ETFです。比較的少額から世界中のさまざまな債券に分散投資が可能で、商品の種類が豊富という特徴があります。ただし、外国証券取引口座を別途開設する必要があります。債券ETFの分配金と利回り債券ETFでは、分配金による利回りを受け取れます。決算日は複数回あり、毎月分配金をもらえる銘柄もあります。また、国内債券よりも外国債の利回りが高い傾向にあるので、「高い利回りの分配金を複数回もらいたい」という投資家は、外国債の債券ETFを購入するといいでしょう。債券ETFのメリットそれでは、債券ETFのメリットについて確認していきましょう。いつでも購入できる通常の債券を購入するときは、発行者が指定した期間に公募を行い、その期間に購入手続きを行う必要があります。ですから、購入したいときにいつでも債券を購入できるわけではありません。しかし、債券ETFなら市場を通していつでも購入できます。また、売却もいつでも可能です。売買タイミングを自由に決められるというのは、債券ETFの大きなメリットでしょう。満期や解約手数料がない通常の債券は満期が決まっていて、基本的に償還日(満期)まで保有することが原則です。途中換金も可能ですが、解約手数料がかかる場合もあります。しかし債券ETFなら満期の設定もありませんし、解約手数料もかかりません。ただし、売買手数料はかかるので注意が必要です。売買手数料の安いネット証券で取引することをオススメします。債券ETFのデメリット債券ETFのデメリットは、次の2つです。為替リスクがある国内の債券利回りは低いので、債券ETFは外国債券を投資対象としたものがメインです。そのため為替リスクがありますが、国内債券ETFでは、為替変動リスクをヘッジする「為替ヘッジあり」のETFもあります。「為替ヘッジあり」のETFの場合、為替変動リスクを抑えられます。ただし、為替ヘッジ手数料がかかるので注意が必要です。一方、「為替ヘッジなし」のETFの場合、ETFの基準価額は為替変動を加えたものになります。通常、ETFを購入したときよりも現地通貨(米ドルなど)に対して円安になれば基準価額は上昇しますが、円高になれば基準価額は下落します。コストがかかるETFには保有コストである「信託報酬」がかかります。信託報酬とは、ETFを管理・運用するための経費として保有している間、投資家が支払い続ける費用です。銘柄によって異なりますが、年率0.1~0.5%程度です。債券には保有コストがかからないので、信託報酬はETFのデメリットになります。債券ETFの銘柄比較債券ETFの代表的な銘柄を紹介します。[adsense_middle]国内ETF2510国内債券ETF終値:998円(2020年7月2日)取引単位:10口分配金:年2回分配金利回り:0.69%管理会社:野村アセットマネジメント信託報酬:0.077%(税込)わが国の公社債を主要投資対象とし、「NOMURA-BPI総合」に連動する投資成果を目指すETF。「NOMURA-BPI総合」は、国内で発行された公募利付債券の市場全体の動向を表す投資収益指数です。2511外国債券(為替ヘッジなし)ETF終値:995円(2020年7月2日)取引単位:10口分配金:年2回分配金利回り:1.62%管理会社:野村アセットマネジメント信託報酬:0.132%(税込)外国の公社債を主要投資対象としたETFで、「FTSE世界国債インデックス(円ベース)」に連動する投資成果を目指します。「FTSE世界国債インデックス」は、全世界主要国の国債(日本を除く)の総合投資収益を、各市場の時価総額で加重平均した債券インデックスです。1486上場インデックスファンド米国債券(為替ヘッジなし)終値:22,520円(2020年7月2日)取引単位:1口分配金:年2回分配金利回り:2.25%管理会社:日興アセットマネジメント信託報酬:0.176%(税込)償還残存期間7年以上10年未満の米国債への投資を通じて、「S&P米国債7-10年指数(円建て)」との連動を目指すETF。S&P米国債7-10年指数は、償還残存期間7年以上10年未満の米国債のパフォーマンスを測定するように設計された指数で、日本円で計算されています。1497iシェアーズ米ドル建てハイイールド社債ETF(為替ヘッジあり)終値:2,235円(2020年7月2日)取引単位:1口分配金:年4回分配金利回り:4.74%管理会社:ブラックロック・ジャパン信託報酬:0.638%(税込)米ドル建てのハイイールド社債に投資し、「Markit iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数(TTM円ヘッジ付き)」との連動を目指すETF。国内で組成したETFなので、株式と同じように東京証券取引所で取引できます。「Markit iBoxx 米ドル建てリキッド・ハイイールド指数」は、米ドル建てで流動性の高いハイイールド債を幅広くカバーすることを目的としており、構成銘柄と組入比率は毎月月末に見直しています。海外ETFiシェアーズ・バークレイズ 米国国債 7-10年ETF(IEF)基準価額:121.59ドル(2020年7月2日)配当頻度:毎月分配金利回り:1.67%経費率:0.15%取引通貨:米ドル管理会社:ブラックロック「iシェアーズ・バークレイズ 米国国債 7-10年ETF」は、残存期間が7年超10年以下の米国財務省証券で構成される指数と同じ水準の投資成果を目指すETF。米ドル建てでの取引となります。iシェアーズ・バークレイズ 米国クレジットETF(CFT)基準価額:60.27ドル(2020年7月2日)配当頻度:毎月分配金利回り:3.4%経費率:0.06%取引通貨:米ドル管理会社:ブラックロック米ドル建て投資適格社債で構成されている指数と同じ水準の投資成果を目指すETF。業種別の資産構成は以下のとおりです(2020年7月2日時点)。銀行業:20.26%非景気循環消費:15.22%通信:8.25%エネルギー:7.59%テクノロジー:7.55%iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債ETF(HYG)基準価額:81.68ドル(2020年7月2日)配当頻度:毎月分配金利回り:5.73%経費率:0.49%取引通貨:米ドル管理会社:ブラックロック米ドル建ての高利回り社債で構成される指数と同じ水準の投資成果を目指すETF。分配金利回りが5.73%と高いのが魅力です。ただしハイイールド債なので、基準価額が大きく動くこともあるため注意が必要です。業種別の資産構成は、以下のとおりです。通信:21.85%景気循環消費:18.17%非景気循環消費:17.32%エネルギー:10.26%資本財:8.62%債券ETFに関するまとめ債券ETFは、国内外の債券に投資するETFのことです。国内では低金利が続いているので外国の債券(外債)がメインになります。債券ETFには、東京証券取引所で売買できる「国内ETF」と、海外の証券取引所に上場している「海外ETF」の2種類があります。外国債券に投資する場合は為替リスクがありますが、それでも3~5%程度の高い利回りが狙えるのは魅力です。リスク分散の1つとして債券ETFを利用し、国際分散投資を行うようにしましょう。
2020年07月17日投資家に人気の米国ETFですが、「なんだか複雑そう」という印象をお持ちの方がいらっしゃるかもしれません。しかし、実は投資初心者にこそおすすめしたい商品でもあるんです。そこで今回は、米国株ETFについてご紹介していきます。米国ETFとは米国ETFとは、『アメリカの証券取引所に「上場」している「投資信託」』のこと。S&P500に代表されるさまざまな指数をベンチマークに運用しています。かなりざっくり言うと、「(S&P500をベンチマークにしている商品の場合)S&P500と同じくらい上がったり下がったりする商品」です。「上場」していますので、株式と同様に投資家は取引時間中に売買をすることができ、また「投資信託」でもありますので、運用はすべて資産運用のプロが行ってくれるという特徴を持ちます。米国ETFには、NYダウやS&P500といった代表的な株式指数との連動を目指すものや、債券の指数に連動するもの、再生可能エネルギーなど特定のテーマの指数に連動するものなど、さまざまな種類があります。ベンチマーク:運用の目安にしている基準のこと。例えば、NYダウをベンチマークにしているETFは、NYダウと値動きが連動することを目指して運用されています。米国ETFの4つの魅力米国ETFは、プロに運用をお任せできるので、個別銘柄に比べて投資初心者でも始めやすいのではないでしょうか。ここでは、そんな米国ETFならではの魅力を4つ紹介していきます。アメリカ株の指数に投資ができる米国ETFの中には、NYダウやS&P500といったアメリカの代表的な指数との連動を目指したETFや、配当利回りが高く財務状態が健全な銘柄で構成されている指数との連動を目指したETFなどがあり、さまざまな切り口から米国株に投資をすることが可能です。上記画像(著者作)のように米国株の代表的な指数であるNYダウは、これまで持続的な経済成長に併せて、株価を順調に伸ばしてきました。2100年まで続くと言われる人口増や圧倒的な技術力を誇る新興企業に勃興などにより、今後も値上がりが期待できるさまざまなアメリカ株で構成される指数に投資をすることができるのは、米国株ETFの魅力です。分散投資でリスク分散でき、初心者におすすめ専門的な知識がなくても米国ETFを1銘柄購入するだけで、分散投資+リスク分散をすることが可能です。ETFは各指数と連動するように作られています。つまり、例えばS&P500との連動を目指した「バンガード・S&P500ETF」を1銘柄購入するだけで、米国株500株に分散投資をすることと同じ効果を発揮することになります。このようにETFを購入するだけで、分散投資を行い、結果としてリスク分散をすることができるのです。S&P500:ニューヨーク証券取引所、NASDAQに上場している代表的な500の銘柄を指数化したもの。投資信託よりも保有コストが安い米国ETFの保有時にかかるコストである経費率(信託報酬とほぼ同じ意味)は、一般的な海外に投資をするETF以外の投資信託の信託報酬よりも低く設定されています。つまり、米国ETFは投資信託に比べてコストを抑えて保有することができるのです。経費率や信託報酬の額は商品によって異なるのですが、米国ETFのほうが保有コストを80%以上抑えられるケースもあります。信託報酬:投資信託を管理・運用してもらう際に発生する経費のこと。投資信託保有中はずっと投資家が払い続けなければならない「コスト」となる。分配金利回りのよいETFも多数ある米国ETFの中には、分配金利回りのよい商品が多数あります。長期投資で安定的な分配金を得たい人にはうれしいのではないでしょうか。例えば、大型株を中心に構成された指数をベンチマークとしている「バンガード米国高配当株式ETF」の分配金利回りは、記事執筆時は3.32%でした。分配金利回りが高い高配当なETFはまだまだたくさんあります。詳しくは【高配当編】米国ETF銘柄ランキング5選で紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。分配金:ETFの運用で溜まった収益を投資家へ分配されるもの。株式投資における配当金のイメージ。米国ETFの3つの注意点ここでは米国ETFの注意点を3つ解説していきます。確かに米国ETFは魅力的ではありますが、注意点やリスクを把握した上で投資をするようにしましょう。[adsense_middle]手数料は米国ETF>国内ETF・国内株米国ETFを購入する際の手数料は、国内ETFや国内株の手数料よりも高いです。例えば、ネット証券最大手のSBI証券の米国ETFの手数料は、約定代金の税込み0.495%です。100万円分購入した場合、手数料は5千円弱掛かります。一方で、SBI証券で国内ETFもしくは国内株を同じ100万円分購入した際の手数料は535円で済みます。米国ETFの魅力は値上がりにありますが、手数料だけを見ると、国内ETFや国内株に比べてどうしても高くなってしまいます。為替リスクがある米国ETFは日本円を米ドルに両替をして売買をするため、為替リスクは避けられません。もし買ったときよりも為替が円高に振れていると、その分だけ資産は目減りしてしまいます。ただし、為替が円安に振れた際には、その分だけ資産は増えます。また特に株式指数を対象にしているETFに関しては、為替の振れ幅よりも価格の振れ幅のほうが大きいケースがほとんど。そのため、個人的には為替の上下を気にして購入のタイミングを逸するくらいであれば、ETFの価格を注視し、取引をしたほうがよいのではないかと思います。値動きは米国市場が開いているときにしか見られない米国の証券取引所に上場している米国ETFの値動きは、米国市場が開いている間にしか見ることができません。米国市場は日本時間23:30~翌6:00(サマータイム時は22:30~翌5:00)ですので、夜遅くにしか値動きを見て取引することができないのです。もしずっと値動きなんて見ていられないという方は、自分の希望の価格を注文することができる指値注文を活用してみてはいかがでしょうか。人気の米国ETF銘柄ランキングそれでは、ここから具体的に人気の米国ETFを紹介していきます。なお、記事内にある「ベンチマーク」は、「その銘柄が連動することを目指している指数」というご理解で読み進めてください。また、銘柄名の後ろについている3文字のアルファベット(バンガードS&P500ETFの場合は「VOO」)はティッカーコードと言って、銘柄を分かりやすく識別するためのコードとなっています。それでは、米国ETFの中でもおすすめの銘柄を5つ見ていきましょう。1位:バンガード・S&P500ETF(VOO)世界的に人気の高いETFです。2020年3月に楽天証券で2番目に買われた米国株(ETF)でした。純資産総額も記事執筆時は1,390億ドル(約15兆円)と、米国ETFの中でも屈指の大きさです。VOOはS&P500と連動する投資成果を目指して運用がされています。つまり、VOOを買えばS&P500銘柄に投資をしたときと同じ分散効果を得ることが可能です。組み入れ銘柄はマイクロソフトやアップル、アマゾンやビザなど米国を代表する銘柄の比重がとても大きく、成長性と安定性がバランスよく組み合わさった銘柄と言えるでしょう。2位:バンガード トータル・ストック・マーケットETF(VTI)「CRSPUSトータル・マーケット・インデックス」をベンチマークとし、米国株式市場の銘柄をほぼ100%カバーしており、投資対象銘柄は約3,500にのぼります。つまりVTIを購入=米国経済そのものに投資をするということになります。米国経済の成長性や力強さを評価する方は、ポートフォリオに組み入れることをおすすめします。3位:ヘルスケア・セレクト・セクター SPDRファンド(XLV)ベンチマークは、S&P500指数を構成する企業の中からヘルスケアセクターの銘柄を選定した「S&P ヘルスケア・セレクト・セクター指数」です。組み入れ銘柄は、ジョンソン&ジョンソン、ファイザー、ユナイテッドヘルスグループ、メルクなど大型ヘルスケア銘柄が多いのが特徴。ヘルスケア銘柄はディフェンシブ銘柄といって、不況下でも相対的に下落幅が少ないという特徴があります。そのため、XLVは値上がりを期待しつつ、不況下にも対応できる銘柄となっています。4位:インベスコ QQQ トラスト シリーズ1 ETF(QQQ)ナスダック100指数に連動する投資成果を目指しているのがQQQです。これまで紹介してきた米国ETFの中でもかなり「攻め」の銘柄と言っていいでしょう。組み入れ銘柄はアップルやマイクロソフト、アマゾン、フェイスブック、インテルなどIT関連の比重が大きく、ほかのETFに比べて値動きは上下に大きい傾向にあるため、キャピタルゲイン(値上がり益)を狙うETFといえるでしょう。5位:バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)ベンチマークは、米国を含む先進国と新興国約47ヵ国の大型・中型・小型株約8,900銘柄で構成されている「FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス」です。VTは、マイクロソフトやアップルなど代表的な米国株だけでなく、ネスレ(スイス証券取引所上場企業)やトヨタなど世界中の銘柄から構成されています。組入銘柄数が非常に多いので、それぞれの銘柄の投資割合は低いですが、なるべく世界中の株式に分散して投資をしたい人におすすめのETFです。【高配当編】米国ETF銘柄ランキング続いて、高配当な米国ETFに絞って銘柄を5つ紹介していきます。なお、分配金利回りは2020年6月記事執筆当時のものとご認識いただけたらと思います。[adsense_middle]1位:バンガード 米国高配当株式ETF(VYM)【分配金利回り3.32%】2020年3月の楽天証券において、米国株(ETF含む)の中で3番目に買われたのがこの「バンガード米国高配当株式ETF」です。ベンチマークは「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」といって、配当利回りが高い大型株で構成されています。組入れ銘柄はジョンソン&ジョンソンやプロクター・アンド・ギャンブルなど、高配当かつ安定的な事業を持つ企業の比率が多いです。セクター別で見ても、ヘルスケアセクターに最も投資している点から、安定的に分配金を得たい人はまず検討するべき銘柄かと思います。2位:SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF(SPYD)【分配金利回り6.07%】2020年3月に楽天証券で一番買われた米国株(ETF含む)が、この「SPDRポートフォリオS&P500 高配当株式ETF」です。この銘柄はSBI証券でも昨年1年間で4番目に買われているなど、常に人気を博している銘柄と言ってよいでしょう。S&P500指数採用銘柄のうち、高配当銘柄を採用しているS&P500高配当指数をベンチマークとして、同指数と連動するように運用されています。組入銘柄を見てみると、世界的バイオ大手のギリアド・サイエンシズや無線通信タワーを所有する米国のREIT、大手食品会社のゼネラル・ミルズの比率が多く、バランスが取れた布陣となっています。一方で、セクター別で見てみると、不動産・金融・エネルギーセクターが多いため、景気後退期には相対的にやや下落幅が大きくなる可能性があることは把握しておきましょう。3位:iシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)【分配金利回り4.03%】HDVのベンチマークは、「バンガード米国高配当株式ETF」と同じ高配当大型株で構成されている「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」です。組入れ銘柄はエクソンモービルやAT&T、シェブロン、ジョンソン&ジョンソンなどエネルギーセクターやヘルスケアセクターが多いです。特にエネルギーセクターの割合は、2020年6月時点で3割弱ありますので、相対的に原油価格を代表するエネルギー価格の影響を受けやすいETFと言えます。4位:iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF(AGG)【分配金利回り2.70%】「iシェアーズ・コア米国総合債券市場ETF」は、ブルームバーグ・バークレイズ米国総合インデックスをベンチマークとしており、米国債券市場全体との連動を目標としています。ポートフォリオの約4割を米国財務省証券が占めており、そのほか格付けの高い民間企業(金融機関や公益事業機関)の債券も組み入れられています。株式指数をベンチマークとしているETFに比べて非常に安定した値動きをするのが特徴です。積立てながら、分配金を獲得していってもよいですね。5位:バンガード・米国トータル債券市場ETF(BND)【分配金利回り2.54%】「バンガード・米国トータル債券市場ETF」のベンチマークは「ブルームバーグ・バークレイズ米国総合浮動調整インデックス」で、米国債を中心に投資をしています。投資対象が債券のため、値動きは小さめ(リーマンショック時もNYダウに比べ値動きはごく小さめでした)にも関わらず、しっかり分配金もでるのがこの銘柄の魅力です。ポートフォリオの中で、安定的かつ持続的な利益を目指す商品として組み入れてもよいかもしれません。米国株ETFのおすすめランキングに関するまとめ今回は米国ETFについてその魅力や注意点、おすすめのETFを紹介していきました。ETFの魅力は1銘柄で何百という銘柄に投資をしたときと同じ効果を得られる点にあります。「どの銘柄に投資をすればよいのか分からない」という方は、ぜひ今回紹介したETFへの投資を検討してみてはいかがでしょうか。
2020年06月10日日本取引所グループは15日、楽天投信投資顧問が運用するETF「楽天ETF‐日経レバレッジ指数連動型」(銘柄コード:1458)、「楽天ETF‐日経ダブルインバース指数連動型」(銘柄コード:1459)が東京証券取引所(以下東証)に上場したと発表した。○個人投資家からも人気を集めているレバレッジ・インバースETF15日上場したETFは、日本最大級というインターネット・ショッピングモール「楽天市場」はじめ、ネットバンキングやオンライン証券などの幅広いインターネットサービスを提供している楽天グループに属する資産運用会社、楽天投信投資顧問が運用する初めてのETFとなるという。当該ETFは、日々の騰落率が日経平均株価の騰落率の2倍となるよう算出される「日経平均レバレッジ・インデックス」およびマイナス2倍となるよう算出される「日経平均ダブルインバース・インデックス」に連動することを目指す商品だという。レバレッジETFの場合、相場が上昇したとき、ダブルインバースETFの場合、相場が下落したときに日経平均株価に連動するETFよりも大きな収益を得ることが可能だという。こうしたレバレッジ・インバースETFは、個人投資家からも人気を集めているという。楽天投信投資顧問代表取締役社長の色川徹氏は、このたびのETF上場に際し、「このたびは、当社初のETFを東京証券取引所に上場できましたことを、大変喜ばしいとともに光栄に思っております。当社はレバレッジ型のブル・ベアファンドにおいて個人投資家の皆様より高い評価をいただいておりますが、今回は同様の分野でETFの運用を開始、低廉な信託報酬で効率的な投資のツールを提供いたします。今後さらに、様々なETFを開発し、投資家の皆様に資することを目指してまいります」と話している。東京証券取引所代表取締役社長の宮原幸一郎氏は、「このたびの『楽天ETF-日経レバレッジ指数連動型』、『楽天ETF-日経ダブルインバース指数連動型』の上場を心より歓迎します。また、私どものETF市場に新しく楽天投信投資顧問株式会社が参入されたことを大変嬉しく思います。高まるETFへの期待により一層応えるために、今後も当取引所はETF市場の発展に努めてまいります」と話している。
2015年07月16日このごろ「日本銀行(日銀)がETF(上場投資信託)を買っている」というニュースを目にすることがあります。日銀はETFを買うことによって、株式市場を活発化させようとしているのですが、ではいったいETFってなんなのでしょうか? 個人投資家はETFをどのように活用すればいいのでしょうか? 今回は、日興アセットマネジメント ETFセンター長の今井幸英氏にお聞きした話をもとにして、「ETF」の活用法について考えていきます。○「ETF」ってそもそも何?ETFは投資信託の一種で、日銀のような機関投資家だけでなく、私たち個人投資家も証券会社を通して全く同じ商品を売買することができます。今井さんによると、ETFを取引所で売買している金額で見ると、個人投資家が4割程度を占めているそうです。ETFの特徴は、値動きが"指数に連動する"運用をめざしていること。例えば、日本を代表する株価指数である「TOPIX(東証株価指数)」(東京証券取引所一部に上場している全銘柄の平均株価)に連動するETFは、TOPIXが2%値上がりすれば2%値上がりし、TOPIXが2%値下がりすれば2%値下がりするといった具合に、値動きがTOPIXと連動するように運用されています。ファンドマネージャーの力量によって高い運用の成果をめざすタイプの投資信託と異なり、ETFは「運用のよしあしによって運用の成果が大きく左右されるという商品ではありません」(今井さん)。○なぜ日銀は「ETF」を買っている!?日本の株に投資しようとするとき、個別の銘柄は3000以上あってどの銘柄を買うか選ばなくてはなりませんが、TOPIXに連動するETFなら、日本の株式市場全体を買うこととほぼ同じになるため、個別株式の銘柄選択をする必要がなく、市場の方向性を判断すればすみます。また、個別の銘柄は、その株を発行した会社が破たんすると、投資したお金が大きく減ったりゼロになったりしますが、ETFは数多くの銘柄に分散投資しているので、その中のどれかが破たんしても影響は少なく、価格がゼロになることもありません。コストが低いのもETFのメリットです。投資信託は運用にかかるコストが各商品(ファンド)の資産から差し引かれます。もしファンドが運用によって4%値上がりしたとしても、コストが1%かかったら、実質の成果は3%ということになります。ETFも投資信託なのでコストがかかりますが、「指数に組み入れられている銘柄をそっくりそのまま買って保有しているので、ファンドに組み入れる銘柄のリサーチなどに手間がかからず、その分コストは低くなっています」と今井さんは話します。コストが運用成果へ与える影響も少ないといえます。日銀が個別の株や一般の投資信託ではなくETFを買っているのは、もしかしたら、ETFを買うことで日本の株式市場全体を買うこととほぼ同じになることに理由があるのかもしれませんね。○日銀のETFの買い方は、個人投資家のお手本になる!?日銀のETFの買い方は、個人投資家にとっても参考になる部分もあります。ETFは短期で売買することもできますが、それによって利益を得るには、できるだけ安く買ってできるだけ高く売らなければならず、値動きをずっとウォッチしている必要があります。それでもタイミングを外して大きな損失をこうむる可能性は避けられません。正常な株式市場であれば、目先の上げ下げはあるものの、長期的には、個々の企業の成長に伴って、全体としては上昇していくはず。そうであれば、個人投資家が資産づくりのためにETFを利用するなら、値動きに左右されずに中長期で保有するのがよいのではないでしょうか。加えて、「まとめて買ったらそれが最も価格の高いときだった」といったことを避けるために、タイミングをずらして、何回かに分けて買うのが望ましいといえます。実はこれがまさに、日銀の買い方なのです。日銀は投資を目的としてETFを買っているのではないのですが、投資方法として見ると、たいへん参考になる点があります。今井さんによると、昨年8月から今年1月までの半年間に、日銀は40回以上に分けてETFを購入しているそうです。いつ、いくら分買ったかは公表されており、それを見てみると、おおむね価格が下がったところで買っているのがわかります。買付金額はだんだんに増えていますが、同じ金額を数回続けることがほとんどです。つまり、価格が下がったところで同じ金額でコツコツと買っているという形です。2010年からこうしたやり方でETFを購入してきた結果、現在の保有額は4兆円あまりに達し、含み益(売却すれば得られる利益)は推定で1兆4000億円にものぼります。まさに、コツコツ投資の効果が出ているわけです。機関投資家に比べると、個人投資家は購入時の手数料の負担が重いので、日銀ほどこまめに買うのは難しいかもしれませんが、1年のうちに何回か、価格が下がったところで買うというやり方をすれば、その後、価格が上がったときに資産の増え方が大きくなることが期待できます。○人が買わないときに買って値上がりを待つことが資産を着実に殖やすことに今井さんの説明を聞いて、個人投資家でもETFを上手に活用するアイディアが見えてきました。個人投資家は、人気が高まって価格が上がった株や投資信託を買って、それが値下がりすると怖くて売ってしまうという人が多いようなのですが、それではいつまでたっても利益は得られません。人が買わないときに買ってじっくり値上がりを待つことが資産を着実に殖やすことにつながります。ETFは1万円~2万円で買えるというのも、個人投資家にとってうれしい点。株の個別の銘柄だと最低でも数万円、価格の高い銘柄だと100万円以上必要です。資産運用に慣れていない人が最初から大きなお金を投資するのは心配でしょうし、投資に回せる資金を1つの銘柄に集中してしまうのはリスクが高いといえます。そこで、最初はETFを少しだけ買ってみてはどうでしょうか。もちろんどのETFも毎日価格が変動しますが、多くの銘柄に分散投資しているので、個別の株に比べると値動きがゆるやかです。ETFで値動きに慣れたら、より値動きの大きいものにも投資対象を広げていってもいいでしょう。○日本の株価指数に連動するETFは投資初心者にもハードルが低い日本の株価指数にはTOPIXのほかに日経平均株価(東証一部に上場しているおもな225銘柄の平均株価)や、JPX400インデックス(東証一部に上場している銘柄のうち資本を効率的に活用しグローバルな投資基準を満たしている400社の平均株価)などがあります。日銀が買い入れ対象としているのも、日本の株価指数に連動するETFです。「資産運用を始めたいけど何からスタートしていいかわからない」「NISA口座を作ったけどまだ何も買っていない」という人は日本の株価指数に連動するETFを買ってみてはどうでしょうか。ETFには日本の株価指数だけでなく、先進国の株価指数、新興国の株価指数、先進国の債券指数、日本の不動産の指数、海外の不動産の指数などに連動するタイプがあります。日本株のETFに、こうした異なる資産に投資するETFを組み合わせることで、より幅広く分散投資ができます。以上、ETFについてご紹介しましたが、興味を持っていただけたでしょうか。ETFについてもっと知りたいという方は、3月13、14日に東京国際フォーラムで開催される個人投資家向けのイベント「東証IRフェスタ2015」にお出かけください。ETFの運用会社が出展するETFコーナもあります。今回お話を聞いた、日興アセットマネジメントのETFセンターもブース出展するそうです。ETFの仕組みや活用の仕方について専門家のより詳しい説明が聞けますよ。○東証IRフェスタ2015とは「東証IRフェスタ2015」は、個人投資家と上場企業との価値あるコミュニケーション機会を提供するイベントです。日本取引所グループ/東京証券取引所が主催。出展社数は80社4団体で、入場料は無料です。詳細は以下のURLを参照してください。○日興アセットマネジメントは会場で講演を実施日興アセットマネジメントは、国内のETF管理会社で唯一のETF専担部署をもち、高いクオリティを誇るETFを提供しています。日興アセットマネジメントは「上場インデックスファンド」というETFのブランド名で、投資家の皆さまに日本から世界に広がる投資機会をご提供しています。日興アセットマネジメントのブースセミナースケジュールは以下のURLからご覧になってください。申し込みが必要なセミナーは以下の通りです。最下部のURLからお申込みください。■会社説明会:3月13日(金)16:55~17:25 ETFスクエア■会社説明会:3月14日(土)10:15~10:45 ETFスクエア■タイトル:賢い人は始めてる?「ETF投資」の基本
2015年02月19日お金のデザインはこのほど、ETF(Exchange Traded Funds:上場投資信託)特化型投資一任運用の新サービス「ETFラップ」の会員登録を開始した。同サービスは、世界中の取引所から高品質で安心なETFに投資することを実現したという新しい運用商品。オンライン上で、顧客一人ひとりのライフサイクルに合わせてプロファイリングを行い、それぞれのニーズに最適なポートフォリオを提案する。プロファイリングには、資産運用研究の第一人者である加藤康之教授(京都大学大学院経営管理研究部教授)が監修した運用手法を採用。これにより、株式、債券、不動産、金や原油などの商品をはじめとした多種多様なETFの中から、顧客の投資目的に合ったカスタマイズを行うという。500万円から始めることが可能で、年間の投資一任運用報酬は1.00%以下。利用の際は会員登録をするだけで、約5,000種に及ぶ世界中のETFにアクセスできるようになり、自分に合った投資が行える。また、国内だけでなく、海外のETFにも投資することで、投資リスクを分散することができる。販売手数料は0.00%、ETF報酬率平均は0.25%。同社は、より多くの投資家が資産運用の選択肢の一つとして、ETF特化型投資一任運用の活用を検討することを期待しているとしている。
2014年11月12日