誰もが孤独を感じることがありますが、そんな心に光を与えてくれるもののひとつといえば映画。そこで、今回ご紹介するオススメの話題作は、フランスを舞台に描かれる唯一無二の青春映画です。『GAGARINE/ガガーリン』【映画、ときどき私】 vol. 459パリ郊外にある赤レンガの大規模公営住宅“ガガーリン”で育ったのは、宇宙飛行士になることを夢見る16歳の青年ユーリ。ところが、老朽化と2024年のパリ五輪のために、団地の解体計画が持ち上がり、住民たちは次々と退去していった。そんななか、恋人のもとへと去った母との思い出が詰まった大切な場所を守るため、ユーリは親友のフサームと恋心を抱いていたディアナとともに、取り壊しを阻止しようと動き出す。団地の解体が迫るなか、立てこもったユーリは無人になった住宅を大好きな宇宙船に改造して守ろうとするのだが……。第73回カンヌ国際映画祭でオフィシャルセレクションに選出され、高い評価を得た本作。そこで、鮮烈な長編デビューを飾ったこちらの方々にお話をうかがってきました。ファニー・リアタール監督 & ジェレミー・トルイユ監督「カンヌに彗星のごとく現れた2つの若き才能」と注目を集めているのは、フランスを中心に活動をしているリアタール監督(写真・左)とトルイユ監督(右)のユニット。今後さらなる活躍が期待されるおふたりに、初長編作品へ込めた思いや撮影秘話などについて語っていただきました。―まずは、本作が誕生したいきさつから教えてください。トルイユ監督きっかけは2015年に建築士である友人からガガーリン団地のドキュメンタリーを撮ってほしいと頼まれたことですが、宇宙船のような建物を見たときにフィクションの物語が作れると感じました。そこで、5日後に締め切りが迫っていた短編のシナリオコンテストにガガーリン団地を舞台にした作品を書き上げて提出。そのコンペで勝った僕たちは15分の短編を完成させましたが、それを長編にするまでには6年もの時間がかかりました。―おふたりで創作活動をする際、それぞれに役割があるのでしょうか。リアタール監督すべてを一緒に行っているので、特に役割分担というのはありません。私たちは政治学の勉強をしていたときに出会い、共同で短編を作ることになったわけですが、2人が同じ意見を持って作品づくりに臨めるように、準備にたくさんの時間を割いています。準備を重ねたからこそ、2人の思いは完全に一緒―ということは、今回の制作過程でも、意見が分かれたりすることもなかったと。トルイユ監督そういうことはなかったですね。なぜなら、何年にもわたって準備を重ねてきたので、撮影に入ったときはすべてにおいて2人が完全に同じ思いでしたから。スタッフに正確なヴィジョンを効率的に伝えるためにも準備段階で意見の相違をなくすようにしています。―素晴らしい関係性ですね。そのうえで、この2人だからできたことをあげるとすれば?リアタール監督1人だと最後までやり遂げる力が出ないような気がするので、集団で作業をしているというのはモチベーションのひとつになっているのかなと。それは私たちだけでなく、以前から一緒に仕事をしているスタッフたちがいてくれることも含めて、非常に重要だと感じています。―今回苦労した点や特にこだわった部分などがあれば、教えてください。トルイユ監督映像的な見せ方についてはかなり考えましたが、各成長段階におけるユーリの視点を映像で表したいというのが僕たちの意図です。ユーリの夢や空想が随所に差し込まれているシーンではカメラを円のように回したり、動きを遅くしたりすることで、いままで見てきたSFのような映像を意識しています。そういったことすべてが、僕たちにとっては技術的な挑戦でした。団地で出会った人から多くのインスピレーションを受けた―また、移民や親子の問題など、ガガーリン団地での出来事はフランスや世界の縮図のようにも感じました。実際に取材されてみて、いかがでしたか?リアタール監督団地で出会った人たちの話や彼らの持っている美しさから、私たちは多くのインスピレーションを受けました。そのなかでも映画に取り入れたいと思ったのは、団地の近くにあるスラム街に暮らすロマたち。そこからディアナという登場人物を思いつきました。ユーリとディアナの母国語は違いますが、それでもコミュニケーションが取れる姿を描きたいなと。そして、共に生きることを“最後の希望”として出したいと思いました。―団地では何度も住民たちとワークショップをしたそうですが、ユーリのモデルになったような人もいたのでしょうか。トルイユ監督さすがに宇宙飛行士を夢見ているような若者には出会いませんでしたが、それと同じくらいクレイジーで独創的な夢を持っている住人はたくさんいましたよ。なので、そういう彼らから刺激をもらいながら、ユーリのイメージを作っていった部分はありました。すべての登場人物に自分たちが反映されている―ちなみに、監督たち自身を投影しているようなキャラクターもいますか?リアタール監督そうですね。いつも私たちの一部がすべての登場人物に反映されていると言ってもいいのではないでしょうか。今回でいうと、特にユーリとディアナがそれにあたりますが、特殊な世界観を持っている2人は私たちがなりたいと思う人物でもあります。ユーリのように子どもの時代からの夢を大人になっても持っているようなところは素晴らしいですし、本当に大好きなキャラクターです。―キャスティングが決まったあと、ユーリ役のアルセニさんのお父さんが実はガガーリン団地に住んでいたことが発覚するという不思議な偶然もあったようですね。ほかにも撮影中の印象的な出来事があれば教えてください。トルイユ監督アルセニの父親がセネガルからパリに出て、最初に住んでいたのがガガーリン団地であると気がついたときは感動しましたね。あと、団地にとっても僕たちの映画にとっても重要な人物として忘れたくないのは、イベット・テナールという女性との出会い。彼女は団地に暮らす人々の言葉を集め、それを演劇として表現するということを何十年にもわたって続けていた人でした。住民の女性たちのなかでも中心的な存在だったので、劇中でも団地の周りで走ったり、踊ったりしている女性たちのシーンに出演してもらっています。残念ながら完成した映画を観ることなく亡くなってしまいましたが、彼女の名前はみなさんにもぜひ伝えたいです。それくらい大切な人でした。映画を作る理由は、観客たちと対話をするため―そういった方々の思いも込められているのですね。それでは、まもなく公開を迎える日本に対してどのようなイメージをお持ちかを教えてください。リアタール監督日本には行ってみたいと思いつつまだ行ったことがないので、あまり詳しくはないのですが、私たちは是枝裕和監督の大ファン。『誰も知らない』や『万引き家族』といった是枝作品を通して日本社会について知っているように感じています。あと、興味があるのは日本の幽霊について。日本の幽霊にまつわる本を読んだことがあるのですが、日本の幽霊には美しさがあるように感じています。見えないものとの関係に興味があるので、もっと知りたいですね。―それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。トルイユ監督コロナ禍で難しいなか、50か国以上に配給され、多くの観客たちと作品をわかち合うことができたのはとても幸運だと思っています。ただ、日本のみなさんと直接お話ができないことはとても残念です。というのも、僕たちが映画を作っている理由のひとつは、観客の方々と対話をしたいからなので。日本の素晴らしさも自分の目で発見したかったですね。とはいえ、映画を通してでも交流できると思うので、ぜひ本作をよろしくお願いします。リアタール監督実は以前ペルーに住んでいたときに日本人とルームシェアしていた経験があるので、個人的にはこの映画を日本のみなさんが気に入ってくれたらとてもうれしいなと思っています。もし映画を観て気に入ったら、私たちに手紙を書いてくださいね(笑)。終わりは新たな人生の始まりでもある!若手キャストたちの瑞々しい演技と、独創的な美しい映像で観る者を引き込んでいく本作。きらめくような青春と切実な現実との狭間で葛藤しながら成長していく若者たちの姿に、心を奪われるエモーショナルな1本です。取材、文・志村昌美感情を揺さぶる予告編はこちら!作品情報『GAGARINE/ガガーリン』2月25日(金)新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国ロードショー!配給:ツイン©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2022年02月23日第73回カンヌ国際映画祭、第47回セザール賞に加え、第93回米アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考を突破した『GAGARINE/ガガーリン』。圧倒的な映像美と世界観を持つ、フランス・パリ郊外を舞台にしたエモーショナルな青春映画から、男女2人組の監督ユニット、ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユのインタビューが到着した。ジェレミーは、本作を製作するに至った経緯について「建築家の友人が、ガガーリン団地の解体プロジェクトに携わっていて、興味が沸いたんだ」と言い、ファニーも「パリには色んな場所があるように、世界には、様々な街がある。その中には評判がかなり悪い地域も存在する。その地域に住む住民はその印象に苦しんでいる人が多く、特に若者たちは苦しんでいる。我々はそこに住む若者の新たなストーリーを作りたいと思っていたし、その場所で夢を抱いているヒーローを生み出したいと思っていた」と語る。そして「ガガーリン団地に行ったとき、このやがて消えゆく団地と、我々が考えていたアイディアを結びつける美しいストーリーが描けると思った」と、特定の地域に住む子供たちのステレオタイプな描かれ方について疑問を抱いたことが撮影のきっかけだと述べる。パリ郊外を描いた映画は、フランス語で郊外を意味する“バンリュー映画”というジャンルで一括りにされることもあるが、「それは違うと思っている」とジェレミー。「そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が立ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」と言う。「団地に住む子供たちの中には、外界と交流をしたがらない子もいるが、本作の主人公のユーリにとって“団地は宇宙船”で“宇宙船から外に出れば自由になれる、息が出来る”と思ってい る、ただ団地は彼の母のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と、『はちどり』(20)や『mid90s ミッドナインティーズ』(20)など、様々な国で描かれてきたテーマと同様に、普遍的な体験ともいえる“思春期からの脱出とアイデンティティの葛藤の物語”であるともいう。また、本作の制作にあたって参考にしたクリエイティブに関して「デヴィッド・ボウイの曲『スペイス・オディティ』にも影響を受けた」「ユーリが宇宙服を着て赤いライトに照らされているシーンは、曲を聴きなが ら、彼が宇宙飛行士である事をどれほど誇りに思っているかを見せられるように作った」と語り、「ほかにも、『2001年宇宙の旅』、『ブレードランナー』、『惑星ソラリス』を参考にしている。もちろん本作はSF映画ではないし、リアリティに基づいた映画だが、ユーリのようにヒーローに憧れ、信じ続ければ宇宙に行けるのだという事を伝えたいと思った」「同時に、団地を宇宙船ぽく見せたいと思い、そのように見えるシーンを作ったん」と、ジェレミーが明かしている。監督たちが語るように、住居でありながら壮大な宇宙船を思わせる解体前の“ガガーリン団地”で実際に撮影された本作。観客の心を震わす、みずみずしいエモーションと独創的なイマジネーションに満ちた映像世界が広がった作品となっている。『GAGARINE/ガガーリン』は2月25日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GAGARINE/ガガーリン 2022年2月25日より新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国にて公開©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2022年02月23日フランス・パリ郊外に実在する、宇宙飛行士に由来する名前を持つ<ガガーリン>公営住宅を舞台に描く、エモーショナルな青春映画『GAGARINE/ガガーリン』より、本編映像が解禁された。本作は、第47回セザール賞「新人作品賞」ノミネート、ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男女2人組の新人監督による鮮烈なデビュー作。主演は、本作で見出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えない程の高い演技力で、主人公ユーリの揺れる心情を体現し、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか各国の映画祭にて主演男優賞を受賞した期待の新星だ。『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン 別冊』などで注目の若手女優リナ・クードリが主人公が思いを寄せるヒロイン、ディアナを演じ 、さらにレオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンも特別出演している。この度公開されたのは、主人公ユーリが作り上げた<宇宙空間>に彼が想いを寄せるディアナを招待する、現実と魔法が入り混じったような幻想的な本編映像。映像は、ユーリが作り上げた自分だけの秘密基地に、ディアナを案内するシーンから始まる。ガガーリン団地と外の世界を遮断するかのように降ろされたビニールシートをめくると、そこはトマトをはじめとした様々な植物や色とりどりの花が咲く温室。なんとバッタの姿まで見られる。その美しい空間に驚きを隠せないディアナに「水と土と空気が生命活動のための3大要素だ」「宇宙で大切なのは空気だ。ここでも同じ」と、ユーリは静かに答える。さらに奥の部屋には、<星空>を思わせる空間が隠されていた。ディアナは思わず息をのむほど、その美しさに魅いれられる…。ユーリの想い、そして親密で温かい関係を築いている2人の様子が映し出されている。まるで宇宙空間に迷い込んだような幻想的な一幕だ。『GAGARINE/ガガーリン』は2月25日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GAGARINE/ガガーリン 2022年2月25日より新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国にて公開©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2022年02月10日第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション選出の話題作、フランス・パリ郊外を舞台にした青春映画『GAGARINE/ガガーリン』より、シーン写真7点が解禁された。舞台はフランス・パリ郊外に実在する、「地球は青かった」の言葉で有名な宇宙飛行士ガガーリンに由来する名前を持つ<ガガーリン>公営住宅。そこで暮らす少年の恋と夢、青春の日々を描く。監督は、本作が長編デビューとなるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男女2人組。解体前のガガーリン団地で実際に撮影を行い、ノスタルジックで幻想的な映像美の中に、繊細な若者の心の機微を見事に映し出した。この度、解禁されたのは、本作に特別出演した、レオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンの貴重な姿を含め、ユーリとその仲間たちのかけがえのない青春の日々を捉えたエモーショナルなシーン写真7点。外の世界を隔てる存在でもあるその安全な場所<ガガーリン団地>から身を乗り出し“外の世界”を眺める様子や、夢と現実が入り乱れるかのように“内の世界”<団地の中>でまるで宇宙飛行士のように浮遊するシーンのほか、リナ・クードリ扮する美しく才気にあふれる少女ディアナとともに目的に向かって駆け出す瞬間など、主人公・ユーリの青春の日々を切り取ったものとなっている。『GAGARINE/ガガーリン』は2021年2月25日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GAGARINE/ガガーリン 2022年2月25日より新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国にて公開©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2021年12月17日第73回カンヌ国際映画祭の<オフィシャルセレクション>初監督作部門に選出、デビュー作にも関わらず第93回米アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考まで突破したエモーショナルな青春映画『GAGARINE/ガガーリン』より、日本版予告映像とポスターが解禁された。この度解禁された予告編は、パリ郊外にあるガガーリン団地での何気ない日常を捉えるシーンから始まる。広場で仲間達と踊ったり、皆既月食を楽しんだり、と青春を送るユーリ。ガガーリン団地には、彼にとっての青春が詰まっている。しかし時は経ち、建物の老朽化のためにガガーリン団地は解体が決定。同時にそれまでの幸せな日々に、少しずつ綻びが見え始める。そんな中、予告編では「アメリカに行きたい」「自由で自分らしく入れる国だから」と想いを語る友人ディアナに「夢はある?」と問われたユーリが、自分の<夢>を実現するため、彼なりの方法で団地解体の阻止に向けて動き出す姿を捉えている。またポスターは、宇宙飛行士を夢見るユーリが憧れの<月>を見上げる姿を描き出したもの。映画本編にも多用されている、朝と夜の間に一瞬だけ訪れるマジックアワーと呼ばれる幻想的な空の光を切り取ったようなグラデーションが美しいビジュアルになっている。『GAGARINE/ガガーリン』は2022年2月25日(金)より新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GAGARINE/ガガーリン 2022年2月25日より新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国にて公開©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2021年12月01日映画『GAGARINE/ガガーリン』が、2022年2月25日(⾦)に公開される。“パリ郊外に実在する団地”が舞台の青春映画映画『GAGARINE/ガガーリン』は、フランス・パリ郊外に実在する<ガガーリン>公営住宅を舞台にしたエモーショナルな青春映画。「地球は⻘かった」の⾔葉で有名な宇宙⾶⾏⼠ガガーリンに由来する名前を持つこの団地で、16才のユーリは宇宙⾶⾏⼠を夢⾒みて、かつて⾃分を置いていった⺟の帰りを信じて待ち続けていた。そんな中、2024年パリ五輪開催のため、⽼朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは、母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友人のフサームや、恋心を寄せるディアナと共に立ち上がった。団地解体の刻が迫るなか、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造し、この場所を守る事を決意するのだが...。ファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの長編デビュー作映画『GAGARINE/ガガーリン』は、監督であるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男⼥2⼈組による⻑編デビュー作品。エモーショナルな物語と圧倒的な映像美で、73回カンヌ国際映画祭の<オフィシャルセレクション>初監督作部⾨に選出され、デビュー作にも関わらず第93回⽶アカデミー賞国際⻑編映画賞フランス代表の最終選考まで突破した。気鋭の若手俳優が出演主演は、映画『GAGARINE/ガガーリン』で才能を⾒出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えなぬ程の⾼い演技⼒で、主⼈公の揺れる⼼情を体現し、第17回セビリヤ・ヨーロッパ映画祭ほか、各国の映画祭にて主演男優賞を受賞した。他キャストは、ウェス・アンダーソン監督最新作『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊』にも出演する注⽬の若⼿⼥優リナ・クードリ。出演作の『パピチャ 未来へのランウェイ』がアカデミー賞外国語映画賞にノミネート、ディオール(DIOR)のアトリエを舞台にした『オートクチュール』でナタリー・バイとの共演も果たした注目の女優だ。レオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンも、特別出演している。若者の心の機微を繊細に描くノスタルジックで幻想的な映像と共に、若者たちの心の機微を繊細に描いた映画『GAGARINE/ガガーリン』。監督両名は、制作意図について「<ガガーリン>団地は貧しい⼈々が住む極地的なエリアだ。メディアはこの地域の治安の悪さばかりを取り上げる。フランスでは、本作のような映画を<Film du banilieue>(郊外の映画)と呼び、その映画に描かれているもの全てについて、ある種の新しいジャンルであるかのように⾔う。しかし、それは違うと思っている。そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が⽴ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」とコメント。さらに、「団地に住む⼦供たちの中には、外界と交流をしたがらない⼦もいるが、本作の主⼈公のユーリにとって、団地は宇宙船で、宇宙船から外に出れば⾃由になれる、息が出来ると思っている、ただ団地は彼の⺟のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と語っている。<映画『GAGARINE/ガガーリン』あらすじ>パリ東郊に位置する⾚レンガの⼤規模公営住宅“ガガーリン”。この場所で育った16歳のユーリは部屋の天体望遠鏡から空を観察し、宇宙⾶⾏⼠になることを夢⾒ていた。⽼朽化と24年パリ五輪の為に取り壊す計画が上がった団地では、次々と住⼈の退去が進むが、ユーリは帰らぬ⺟との⼤切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと⼀緒に取り壊しを阻⽌しようと動き出す―。⾃由で明るいディアナに恋⼼を抱き、彼⼥や親友フサームとのふれ合いの中で、不器⽤ながらも少しずつ成⻑していくユーリ。消えゆく世界に留まりたい、団地から抜け出して夢を追いかけたい気持ちとの間で揺れるユーリは、団地解体の刻が迫るなか、空っぽになった無人の住宅を大好きな宇宙船に改造して守る事を決意する。【詳細】映画『GAGARINE/ガガーリン』公開日:2022年2月25日(⾦)新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町他全国公開監督:ファニー・リアタール、ジェレミー・トルイユ出演:アルセニ・バティリ、リナ・クードリ、ジャミル・マクレイヴン、ドニ・ラヴァン2020|フランス|95分|カラー|シネスコ|5.1ch|フランス語|原題:Gagarine配給:ツイン
2021年11月21日第73回カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクションに選出され、アカデミー賞国際長編映画賞フランス代表の最終選考作品となった注目作『GAGARINE/ガガーリン』の日本公開が決定し、併せてシーン写真1点が解禁となった。舞台は「地球は青かった」の言葉で有名な宇宙飛行士ガガーリンに由来する名前を持つフランス・パリ郊外に実在する<ガガーリン>公営住宅。16才のユーリは、この赤レンガの大規模な団地の名前に導かれるかのように宇宙飛行士を夢見、そして、かつて自分を置いていった母の帰りを信じて待ち続けていた。そんな中2024年パリ五輪開催のため老朽化したガガーリン団地の解体計画が持ち上がる。ユーリは帰らぬ母との大切な思い出が詰まったこの場所を守るため、友だちのフサームとディアナと一緒に取り壊しを阻止するために動き出す。自由を愛する少女ディアナとの初恋、親友フサームとのかけがえのない友情により、少しずつ成長していくユーリ。しかし間もなく取り壊されるガガーリン団地と呼応するかのように、ユーリも自分の“世界”の喪失と再生に葛藤する。募るユーリの思いはどこへ向かうのか…。監督は、本作が長編デビューとなるファニー・リアタール&ジェレミー・トルイユの男女2人組。団地が建設された1960年代当時の時代背景やそのインパクトのある外観、ロシアの宇宙飛行士ユーリ・ガガーリンから名づけられていることに興味を持ったことが本作を製作するに至った経緯だと語る。「<ガガーリン>団地は貧しい人々が住む極地的なエリアだ。メディアはこの地域の治安の悪さばかりを取り上げる。フランスでは、本作のような映画を<Film du banilieue>(郊外の映画)と呼び、その映画に描かれているもの全てについて、ある種の新しいジャンルであるかのように言う。しかし、それは違うと思っている。そこには様々な語られるべきストーリーがある。たまたま貧しい古い建物が立ち並ぶエリアに住んでいるだけなのだ」。「団地に住む子供たちの中には、外界と交流をしたがらない子もいるが、本作の主人公のユーリにとって、団地は宇宙船で、宇宙船から外に出れば自由になれる、息が出来ると思っている、ただ団地は彼の母のお腹の中と同じ。なかなか外に出る勇気が持てない。(団地を)そういう存在として描いた」と言い、特定の地域に住む子どもたちについてステレオタイプな描かれ方について疑問を抱いた彼らは、解体前のガガーリン団地で実際に撮影を行い、ノスタルジックで幻想的な映像美の中に、繊細な若者の心の機微を見事に映し出すことに成功した。主演は、本作で見出されたアルセニ・バティリ。スクリーンデビューとは思えない程の高い演技力で主人公の揺れる心情を体現し、第17回セビリア・ヨーロッパ映画祭ほか各国の映画祭にて主演男優賞を受賞、ほかキャストに注目の若手女優リナ・クードリ(『フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン 別冊』)、さらにレオス・カラックス作品の常連ドニ・ラヴァンが特別出演している。解禁となったシーン写真は、ガガーリン団地の屋上の上で、夜空を見上げながらお互いの気持ちを明かす主人公ユーリと仲間との青春の1シーンを切り取ったもの。青春のエモーショナルなひと時を感じさせる1枚となっている。『GAGARINE/ガガーリン』は2022年2月25日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:GAGARINE/ガガーリン 2022年2月25日より新宿ピカデリー、HTC有楽町ほか全国にて公開©2020 Haut et Court – France 3 CINÉMA
2021年11月18日