『スター・ウォーズ』シリーズで注目を集め、日本でも人気の高い俳優デイジー・リドリー。そこで今回は、演技力が再評価されただけでなく、初挑戦したプロデューサーとしての手腕も光る主演最新作をご紹介します。『時々、私は考える』【映画、ときどき私】 vol. 651オレゴン州アストリアの閑散とした港町に暮らすフラン。人付き合いが苦手で不器用な彼女は、会社と自宅を往復するだけの静かで平凡な日々を送っている。友達も恋人もおらず、唯一の楽しみといえば、ちょっと変わった幻想的な“死”の空想にふけることだった。そんな彼女の前に現れたのは、フレンドリーな新しい同僚ロバート。彼とのささやかな交流をきっかけに、フランの日常はゆっくりときらめき始める。ふたりは順調にデートを重ねていたが、フランは心の足かせを簡単には外せずにいた…。難しい役どころを繊細に演じ、「新たな一面が発見された」と絶賛されているデイジー。そこで、彼女の魅力についてこちらの方にお話をうかがってきました。レイチェル・ランバート監督2023年インディワイヤー誌が発表した「注目の女性監督28人」に選出され、今後の活躍が期待されているランバート監督。長編映画3本目となる本作が、日本で公開を迎える初めての作品となります。物語の魅力やデイジーとの現場の様子、そして観客に伝えたい思いなどについて語っていただきました。―まずはこの脚本を映画にしたいと思われた決め手について、お聞かせください。監督プロデューサーから勧められた脚本を初めて読んだのは、2020年11月のこと。すごく自分に響く内容だなというのが第一印象でした。描かれているのは、自分には何かが足りないと感じている人物が日常生活における小さな行動に意味を見い出そうとしている物語。自分の気持ちを表現し、他人と繋がることができるようになっていく姿がコロナ禍を経験した自分と近いと思って、心を動かされました。―キャスティングの際、いつもなら複数名を候補に挙げるところ、今回はフラン役にデイジーさんの名前しかプロデューサーに伝えなかったそうですが、そう思った理由は?監督脚本を読み終わったあと、「絶対にデイジーがハマる」と思いました。なぜかというと、この物語は説明的ではなく、非常に知的なタッチなので、文学的な素養を持ち合わせているデイジーなら合うだろうと思ったからです。そこで、私たちのほうから彼女に企画を持っていくことにしました。それに彼女は鋭いユーモアの持ち主でもあるので、面白いキャラクターであるフランの魅力を理解してくれるはずだと感じたのです。あとは、ありのままでいることに対してひるんでいないフランと、役者として恐れ知らずの部分があるデイジーには通じるところがあるのではないかなと。そういったフランのさまざまな側面も、彼女には響くと思いましたし、作品自体も意義深いので、そこに興味を持ってもらえるだろうという気持ちでお願いしました。現場に現れたデイジーは、キャラクターそのものだった―劇中ではフランの表情やしぐさなど、細かいこだわりを感じさせましたが、演出面で意識されたことはありましたか?監督それは私の力ではなく、すべてデイジーのおかげです。もちろん私が必要なときはそばにいるようにしていましたが、もともと私は俳優たちがしたいことを優先するタイプの監督。話し合いをするなかでどういう演技にするかについては一緒に考えるものの、役作りのプロセスは彼らのものなので、基本的には任せています。―そのなかでも、現場で印象に残っていることはありますか?監督撮影初日のことですが、部屋に入ってきたのはデイジーではなく、フランそのものだったことに驚かされました。身体の動きや声、歩き方だけでなく、イギリス出身の彼女がアメリカのアクセントになっていたので、それらすべてを習得したのは彼女の力量ですよね。技術的な素晴らしさはもちろんですが、他人の心や感情にアクセスする方法の両方を持ち合わせているのがデイジー。おそらくみなさんは、彼女が持っている“本当の才能”をまだ少ししか見れていないのだと思いますよ。日本の映画からは、忍耐強さと思慮深さを感じる―フランが抱く死に対する興味というのは、誰にとっても生きるうえで永遠のテーマのようにも思いますが、監督自身も彼女に共感したり、同じ経験をしたりしたことがありますか?監督もちろんあります。おそらく、フランに共感しない人よりも、共感する人のほうが多いんじゃないでしょうか。だからこそ、死に対する妄想は決して批判されるべきではないということも伝えたいと思いました。なぜなら、それは自分を罰したり傷つけたりしたいと思ってしているわけではなく、あくまでも私たちの一部であると考えているからです。そういったこともあり、彼女が見る妄想は誘惑されるような映像にすることが今回はとても重要でした。フランが惹かれるようなイメージにすることによって、彼女が求めているいくつかの感情を見せたいなと。フランには逃避や平穏に対する強烈な思いがありますが、それと現実世界の日常がうまく組み合わせられないだけなので、頭のなかにある豊かな世界によって彼女は自身のフラストレーションを癒しているのだと思います。―監督の作品が日本で公開されるのは初めてですが、日本に対しての印象について教えてください。監督私が持っている日本に対する知識というのは、すべて映画を通して得たものであって、まだ行ったこともないので日本について話すのはちょっと怖いなと感じています。というのも、私たちアメリカ人というのは、知らないことを間違ったまま言ってしまいがちですからね(笑)。ただ、日本の映画を観ていると、忍耐強さや思慮深さがあるだけでなく、観客が思考することを許容しているような部分がある気がしています。私自身もそういう映画作りが好きなので、日本映画のストーリーテリングには惹かれることが多いです。あとは、やっぱり日本食が好きでよく食べるので、私はこのふたつの文化を通して日本に触れています。いまだに女性の価値が見い出されていないのは問題―本作のフランというキャラクターは日本人が共感しやすい人物のように感じましたが、影響を受けている部分もあるのでしょうか。監督そうですね。たとえば、黒澤明監督はひとつのシーンに複数のキャラクターを入れ、ときにはカメラを動かさないままそのなかでいろんなことが起きていく様子を撮ることがありますが、私も映画を作るうえでの好みは似たようなところがあります。そういったシーンの見せ方に関しては、影響を受けている部分があるのかもしれませんね。―それでは最後に、フランのように恋愛や人生に悩んでいるananwebの女性読者に向けて、メッセージをお願いします。監督女性でいることにつらさを感じる場合もあると思いますが、それはどこで暮らしている方でも共通していることです。女性の価値がしっかりと見い出されていないことは、人類にとって何世紀にもわたる問題だと言えるかもしれません。でも、だからこそ相手の痛みや葛藤がわかるのは女性同士なので、お互いに癒しながら一緒にがんばっていきましょう。不器用な大人のためのおとぎ話孤独を感じたり、他人に対してつい臆病になってしまったりする姿に共感を覚える本作。周りから見たら小さな1歩でも、勇気を持って踏み出すだけで“愛おしい世界”がきっと待ち受けているのだと感じさせてくれるはずです。取材、文・志村昌美目が離せない予告編はこちら!作品情報『時々、私は考える』7月26日(金)より新宿シネマカリテほか全国順次公開配給:樂舎(c) 2023 HTBH, LLC ALL RIGHTS RESERVED.
2024年07月25日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はヨーロッパのファッションウィークで見かけた、おしゃれな人たちの魅力的な色使いコーデをスナップしてみました。色の選びかたがユニークでとっても参考になります!1. パープルとピンクのコンビパープルとピンクはどちらも鮮やかで目を引く色ですが、異なるトーンやシェードを選ぶことで絶妙なバランスを作り出し、全体のコーディネートにアクセントを加えてくれます。アイボリーのトップスを選ぶことで、よりパープルとの組み合わせが鮮やかに、バランスよく見えます。また、ボトムスに濃い色をもってくることで、引き締まって見えています。2. レッドとブラック!レッドの個性的なボトムスは、ユニークな半分ブラックカラー。またトップスにもブラックが入っているので、全体のバランスも見事に決まってます。色は素材や柄次第で、より面白い組合せに変身するので、ぜひ素材選びにもこだわってみて!3. オレンジジャケットが映えるこちらは鮮やかで珍しいオレンジカラーのオーバーサイズジャケットが魅力的なコーディネート。オレンジを起用するファッションは意外と珍しい印象ですが、相性の良いグリーンを小物で起用している点がポイント。さらに、色が異なるグリーンを選んでいるところが魅力的!特に蛍光グリーンのパンプスは、オレンジに負けじと目に映える鮮やかさ!4. ピンク系を上手に起用こちらはピンクやパープルといった、愛らしい色を上手に使いながら、全体的にはブラックをメインに持ってきた落ち着いた大人のカラーコーデ。サングラスとバッグ、パンプスとトップスといった組合せに同色をもってきた、見せかたが上手な組合せです。5. 珍しいカラー!相性の良い色の組合せはよく見かけますが、こちらは組合せとしてもってくるイメージが浮かばないほど、合わせにくそうな色を上手にコーディネートしています。レッドとグリーンがかったイエローは、全く異なる色であるにもかかわらず、こうしてみると魅力的なコーデに仕上がってますね!色の組合せで、見た目の鮮やかさや印象が大きく異なります。ファッションを楽しむ上で欠かせない色のコーデ、今後の参考になれば幸いです。写真・文 平野秀美
2024年07月21日気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第16回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・エッセイストのかわむらあみりがお届けします。Netflixシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン1~3:独占配信中【テレビっ子の窓】vol.16もうすぐ夏休みになるかたも多いかもしれませんね。外出するのもいいけれど、涼しい部屋の中でじっくりドラマを観たり、映画館で映画鑑賞したりするのも有意義なもの。そこで今回は、続々とラインナップされる多彩な韓国作品の中で、ハラハラさせるサスペンスからホラーまで、最新の韓国ドラマ&映画をご紹介します!幸せな生活が一変するミステリー映画『スリープ』『スリープ』シネマート新宿ほか全国公開中。 © 2023 SOLAIRE PARTNERS LLC & LOTTE ENTERTAINMENT & LEWIS PICTURES ALL Rights Reserved.配給:クロックワークス出産を控え、幸せな結婚生活を送るヒョンス(イ・ソンギュン)とスジン(チョン・ユミ)。ある夜、隣で眠る夫ヒョンスが突然起き上がり「誰か入ってきた」と呟くと、呼応するように家を覆い尽くす不穏な気配が…。翌朝、下の階に越してきた住人から「騒音が我慢できない」と相談をされるもまったく身に覚えがなく、少しの違和感を抱きながらも夜を迎えたその日から、眠りにつく度にヒョンスは人が変わってしまったかのように奇行を繰り返して…。『スリープ』シネマート新宿ほか全国公開中。 © 2023 SOLAIRE PARTNERS LLC & LOTTE ENTERTAINMENT & LEWIS PICTURES ALL Rights Reserved.配給:クロックワークス現在、日本でも絶賛公開中の韓国映画『スリープ』は、巨匠ポン・ジュノ監督も太鼓判を押す、第76回カンヌ国際映画祭批評家週間に選出された新鋭ユ・ジェソン監督の長編監督デビュー作。実力派俳優イ・ソンギュンの遺作のひとつでもある今作は、ヒョンスの異常行動や、得体の知れない“それ”に恐怖を感じて怯えるスジンの変化など、恐怖の中にユーモアもあるストーリーには息をのむばかりです!!人類と怪物が戦うサバイバルスリラー『Sweet Home -俺と世界の絶望-』Netflixシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン1~3:独占配信中家族を失い、引きこもりとなった高校生のチャ・ヒョンス(ソン・ガン)は、独りで古びた高層住宅に引っ越しをしました。生きる気力を持てないヒョンスは、住人たちが謎の感染により次々とモンスターに変身し、生死をかけた戦いに否応なく巻き込まれることに。怪物と人間のはざまで揺れる世界で、過酷な選択をせまられて欲望がぶつかり合うなか、最後の死闘が始まって…。Netflixシリーズ『Sweet Home -俺と世界の絶望-』シーズン1~3:独占配信中ソン・ガン主演によるサバイバルスリラー『Sweet Home -俺と世界の絶望-』のシーズン1と2が反響を呼び、完結編となるシーズン3が7月19日から配信中。超人的な力を発揮する特殊感染者となり、ついに怪物に支配されたヒョンス役のソン・ガン、同時期に半怪物と化した人間としてイ・ジヌク、オ・ジョンセらのほか、現在入隊中の人気上昇中の俳優イ・ドヒョンらの死闘に注目です。暗闇で生きる男たちを描く韓国ノワール『このろくでもない世界で』『このろくでもない世界で』7月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。 2023 PLUS M ENTERTAINMENT, SANAI PICTURES, HiSTORY ALL RIGHTS RESERVED.配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ継父のDVに怯える18歳のヨンギュ(ホン・サビン)は、義理の妹ハヤン(キム・ヒョンソ)を守るために暴力沙汰を起こして高校を停学になった上、示談金を求められることに。行き止まりの現実に苦しむ彼は、いつの日か、貧困差が無く平等だといわれるオランダに移住することが夢。しかし、その願いもむなしくバイト先をクビになったヨンギュは、地元の犯罪組織のリーダー、チゴン(ソン・ジュンギ)の門戸を叩くことに…。『このろくでもない世界で』7月26日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開。 2023 PLUS M ENTERTAINMENT, SANAI PICTURES, HiSTORY ALL RIGHTS RESERVED.配給・宣伝:ハピネットファントム・スタジオ自らも生活苦を味わった下積み時代にオリジナル脚本を執筆したという、キム・チャンフン監督による長編デビュー作『このろくでもない世界で』。第76回カンヌ国際映画祭に正式出品され、ハヤン役のキム・ヒョンソは百想芸術大賞の映画部門新人演技賞に輝くなど話題に。脚本に惚れ込んでノーギャラで出演したソン・ジュンギの凄みのある演技や、絶望の果てにふたりが選んだ結末を見届けませんか。交通犯罪を追うアクションコメディ『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』 ディズニープラス スターにて全話独占配信中。 © 2024 Astory Co., Ltd. & KT Studiogenie Co., Ltd. All Rights reserved.ナムガン警察署では、殺人事件よりさらに多くの被害者を出している交通犯罪を取り締まる部署、通称「TCI(Traffic Crime Investigation)」と呼ばれる交通犯罪捜査チームを新設するも、その地味さからほかのチームにまったく相手にされていない始末。しかし、そんなチームに超エリートでルックスはいいのに社会性ゼロで運転もできない、変わり者の捜査官チャ・ヨンホ(イ・ミンギ)が加わり、彼らの運命は変わり始めて…。『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』 ディズニープラス スターにて全話独占配信中。 © 2024 Astory Co., Ltd. & KT Studiogenie Co., Ltd. All Rights reserved.『私の解放日誌』(2022年)のイ・ミンギ主演による、韓国で初めて交通犯罪に着目した痛快アクションコメディ『クラッシュ 交通犯罪捜査チーム』(2024年)。悪役が多い『イカゲーム』(2021年)のホ・ソンテがチーム長のチョン・チェマン役を演じ、クセが強いけれど冷静で頭脳明晰なヨンホが、暗い過去を背負いながらもTCIのメンバーたちと無法者たちを検挙していくことで、次第に変化していく様子も見どころです。今回は、ミステリー作から痛快アクションコメディまで、最新の韓国ドラマと映画をご紹介しました。時に映画館でゆったりと、時におうちでじっくりと、注目の作品を楽しんでくださいね。文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2024年07月21日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏に着たい涼しそうでかわいいワンピースコーデをスナップしてみました。1. 鮮やかふんわりワンピース複数の色がミックスされたかわいらしい色が魅力的なワンピース。シルエットもふんわりとしていて着やすそう!風通しも良さそうなデザインなので、暑い夏にはピッタリ!2. チェック柄のマキシワンピ長めのマキシワンピースは2024年も大注目!チェック柄がユニークでおしゃれに見えるこちらのワンピースは、胸元がぱっくりと開いた、ちょっぴりセクシーでもあるデザイン。このかたのように、シューズには紐サンダルなどを選ぶと雰囲気があってコーディネート全体が決まってきますよ。3. ミルキーカラーが愛らしい珍しいミルキー系のワンピース。淡い色は優しい雰囲気を醸し出してくれるので、ふんわりとしたデザインでも、タイトなデザインでも柔らかな印象は変わりません。全体的に薄い色で統一するとバランスよく見えます。4. シックで上品なワンピースシンプルながらも上品できれいに見えるこちらのワンピースは、体のラインがスタイルよく見えるウエスト調整できるデザイン。袖部分やポイントでおしゃれなデザインが入っているので、シンプルながらも飽きのない長く使えるワンピースです。5. デザインにこだわったワンピースボリューミーなデザインのこちらのワンピースは、風通しもよく夏にもってこい!短めのデザインなので、足元はブーツやインパクトあるシューズを選ぶと良いかもしれません。また、ベルト次第で雰囲気も変わるのがポイント。同じワンピースでも、小物使いで全く違ったインパクトを見せてくれます。いかがでしたでしょうか?夏にピッタリなワンピースをピックアップしてみましたが、まだまだワンピースはデザインが種類多くて選びきれません。この夏は今までと違ったデザインを選んでみてもいいかもしれません。ぜひおしゃれして夏を楽しんでくださいね!写真・文 平野秀美
2024年07月20日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第177回は、一途にひとりの男性を思い続けるのはけなげだけれど、度を越すと思わぬ結果になったというお話をお届けします。1.ひたすら遠くから見守る女性【結婚引き寄せ隊】vol. 177ひとりの男性をずっと想い続けるのは乙女心がなせるワザともいえますが、どれぐらいの距離感なら好感を持たれるのか、嫌がられるのか。個人によって受け取り方もばらばらとはいえ、こういうケースもあるよという、一途な女性の恋心の行方をご紹介します。30代前半のAさんは、同じ職場の違う部署で働く年上の先輩のことが好きでした。Aさんが困っていたときにいろいろとアドバイスをしてくれたとかで、その日から先輩のことが気になってしまい、気づけば目で追うように…。職場のどこかでいつすれ違ってもいいように、会社に着ていく服装もメイクも気合が入るそうです。そこまで気になっている人ならば、同僚などに相談して、先輩との距離を縮めるようにアプローチしたらいいのにと思うのですが、なにぶん恋愛には奥手なAさん。「見ているだけで幸せだから」と、ひたすら先輩を目で追う毎日。いわゆる職場の推しのような存在なのでしょうか。思い切って手を伸ばしたら届きそうに思いますが…。そんな状況を聞いてから1年以上経ったときに、そういえばとAさんにその後の恋愛事情をたずねると、悲しげな表情に。話を聞くと、先輩のことをひたすら見続けて半年後、見られていることに気づいた先輩に避けられるようになってしまい、さらには職場に彼女ができてしまって見るとツライのだとか…。確かに、見られているほうはギョッとしてしまうかもしれず、なんなら最初に恋心を抱いた段階でアプローチしていたら、違う展開になっていた可能性もあったのかなと少し残念に思ったのでした。2.とにかく近くでアプローチする女性30代後半のBさんは、明るくて、ちょっとの失敗も「ガハハ」と笑い飛ばしてしまうような豪快な女性。友達も多く快活な印象のBさんは、恋愛においても「私は追いたいタイプ」と自ら言うほどハンター気質のようでした。あるとき、出会いを探している男女が集まる飲み会に参加したときに、Aさんの好みのタイプの男性も参加していて、その男性を見つけるやいなや瞳が輝き始めたAさん。幸いにもほかの女性がライバルになる様子もなく、何杯かビールを一気飲みしたAさんは、勢いづいたのか堂々とその男性の隣へと席を移動しました。するとAさんは、「一緒に飲みましょう!」から始まり、とにかく近くでその男性へとアプローチをし始めました。初対面だというのに、まわりの目を気にせずどんどん好意を表していく姿は清々しいものがありましたが、男性のほうはどんどん無口になっていって気まずそうな状況に…。最後に全員で連絡先を交換したものの、その男性はAさんに連絡先を教えてくれなかったそうです。残念ですが、心の温度が高まるまでもう少し待つことも大事なのかなと思ったのでした。3.友達経由でどうにかしようとする女性交友関係が広く、異性の友達も多い20代後半のCさんは、あるとき友達が連れてきた同世代の男性に惹かれました。そもそも友達がきっかけで知り合った男性ということもあって、Cさんは自分で連絡を取るのではなく、友達経由でどうにかしようと奮闘。まずは友達に彼のことが気になっていると話して、友達を含めて4人で飲みに行ったそうですが、当の男性は「いまは仕事が忙しくて…」と恋愛モードではないことをアピールしてきたそうです。それでもめげずに、友達経由でその男性を遊びに誘ったりしていたCさんでしたが、あるとき、「なんで自分で連絡してこないの?」と言われてしまったのだとか。友達経由のほうが応援してもらえるし、友達ぐるみで仲良くなるほうがいいと考えていたCさんでしたが、彼は真逆の考えで、好意をすぐに人に話すことや自分で動かずに友達になんとかしてもらおうとするCさんを敬遠してしまったそうです。せっかくがんばったCさんでしたが、相手の男性の性格を見極めてから動いても遅くはなかったのかなあと思ったのでした。気になる人ができても必ずうまくいくとは限りませんが、恋がうまくいくようがんばる女性は、いつかきっと成功するはず!みなさんの恋や結婚もうまくいきますように!文・かわむらあみり©oka/Adobe Stock文・かわむらあみり
2024年07月19日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第176回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その62をお届けします。1.貯金額を聞く男【結婚引き寄せ隊】vol. 176それは30代から40代の男女が集まる飲み会に参加したときのこと。なかには恋人がいる人もいたものの、基本的には出会いを探しているシングルの男女が多く参加し、さまざまな仕事の人たちで盛り上がっていました。最初に同じテーブルで飲んでいた人たちは30代が多く、男女ともに婚活をしていて、出会いを探しているがなかなか相手が見つからなくてとみんなでグチを言い合うようなムード。それぞれの好みのタイプを言いながら、恋愛観について語るような感じでした。席替えになり、その次に同じテーブルになった人たちは30代後半から40代の男女が中心。ちょっとお酒もすすんでいたこともあり、恋愛観をすっとばして結婚観や、家庭を築くためにどのくらいお金があればいいかといった現実的な話題になりました。そこでふと、「コツコツ貯金してる」と自慢げに話すサラリーマンの男性が、「それで?みんないくら貯金してるの?」としつこく聞いてきます。正直に金額を言う人もいれば、お金のことを聞いてくるなんて…と怪訝な表情の女性も。私は「貯金はほとんどない!」ときっぱり言うと、「それは悲惨!」と切り返され、「一生独身だったら貯金しか頼れないんだから」と貯金の大切さを説かれました…。いや、本当の貯金額を初対面の相手に言うわけないだろうよと心の中でつぶやきながらも、貯金は確かに大事だけど、初対面で絡んでくるタイプの男性は厳しいなあ…とほとほと困惑したのでした。2.グイグイきすぎる男それは30代がメインとなる婚活パーティに参加したときのこと。いつものように自己紹介タイムから始まって、短い時間ながら、どの男性も女性もさわやかな印象。このパーティならよさそうな人がいる雰囲気もしていました。その後、フリータイムとなった際、はきはきと話していた好青年タイプの男性とうまくふたりきりのシチュエーションとなり、あらためて自己紹介をしようとすると…さほど眼中になかった別の男性が「ちょっと入れてー!」と、ふたりの間に入ってきました。え!と驚いたものの、とりあえず気を取り直して話そうとすると、「じゃあまず、俺から」と、後から来たわりに遠慮がなく、しかもやたら長めに自分語りを始めました。婚活パーティといえば短時間で勝負しなくてはいけない場。もうひとりの男性にアピールしたいのに、後から来たどうでもいい男性の語りをいつまで聞けばいいのかな…とぼんやり思っていたら、なんとフリータイムが終わってしまったのです。愕然。結局、仲良くなりたかった男性は別の輪の中に入ってしまい、もう十分だというのに私は俺さま気質の男性につかまってしまったのでした。これでほとんどのフリータイムを消化してしまったため、最後のマッチングもしないまま、来たときと同じようにトボトボとひとりで帰るハメになったのでした。3.再々婚相手を探す男それはプチお見合いとでもいうような少人数の婚活パーティに参加したときのこと。大勢の参加者がいるパーティよりも、じっくりと話せるメリットがあるプチお見合いには、結婚相手を探そうとする本気度の高い男女が集まっていました。どの男性も誠実そうで、ひとりずつ話してみると、すぐに「結婚したらこんな家庭にしたくて…」と、将来の家庭像を共有できる相手を真剣に探している様子が伝わります。そんななかで、交換したプロフィールカードに「2度結婚に失敗」と書かれた男性がやってきました。とくに相手が初婚でなければとは思っていなかったものの、仕事の内容や将来像を聞く前に、これまでの結婚事情をまず聞いてみようかなと思ったら、その男性のほうから「気になりますよね?」とその話題をふってくれました。話を聞くと、いずれもその男性いわく「つい魔がさして」浮気した結果、離婚につながったとかで…。「隠してもどうせバレちゃうんで」と正直に話す姿勢は潔いものの、2回とも離婚理由が浮気だなんて。経済力のある男性だったのでモテるのかもしれないなと思いながらも、なかなか自分にはハードルが高いなあと、その話を聞きながら、「絶対ない」と確信したのでした。出会いを探していると、思いがけないタイプの男性に出会うこともあります。みなさんの未来が素晴らしいものでありますように!文・かわむらあみり©maroke/Adobe Stock文・かわむらあみり
2024年07月16日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はこの夏イチ押しの大人スタイル、ショートパンツの着こなしをスナップしてみました。1. 長めショートパンツこちらのショートパンツは、一般的なショートパンツよりも丈が長いため、露出度が抑えられ、よりエレガントで大人っぽい印象を与えます。そのため、カジュアルなシーンはもちろん、ちょっとした外出やリゾート地でのコーディネートにも適しています。2. 素材で楽しむショートパンツショートパンツは、デザインとしてはシンプルでベーシックなアイテムですが、素材の選びかたによって全く異なる印象を与えることができます。こちらは高級感も感じられ、カジュアルにも上品スタイルにもピッタリ。3. シルキー素材で着やすさ抜群シルキー素材のショートパンツの魅力のひとつは、上品な光沢感と滑らかな質感によって、エレガントで洗練されたスタイルを演出してくれる点。シルキー素材は光を受けて美しく輝き、普通のカジュアルなショートパンツに高級感をプラスします。また、着やすさも抜群ですし、夏には涼しく着こなせるのも特徴的。4. 定番デニムのショートパンツタフさを兼ね備えたカジュアルなスタイルが人気のデニム素材は、耐久性が高く、頻繁に着用しても形崩れしにくいため、長く愛用できるアイテムとして人気。また、デニム特有の色落ちや風合いが、時間とともに個性的な味わいを増していくのも大きな魅力ですよね。どんなファッションにも合わせやすいので、ひとつあればこれからの季節、どんどん使いこなせそう!5. スーツスタイルのショートパンツフォーマルな印象をもちながらも、軽快でモダンな雰囲気を演出してくれる、スーツスタイルのショートパンツ。なかなか見かけないスタイルではありませんが、このように着こなせるなんて、ハイセンスですよね!通常のショートパンツよりもきちんとした印象を与えるため、オフィスカジュアルやスマートカジュアルなシーンに適しています。涼しさと快適さを提供しながらもスタイリッシュに見えるショートパンツは、特に暑い季節にピッタリ!通気性が良く、動きやすいため、アクティブな活動にも最適なので、これからの季節にぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか!?写真、文・平野秀美
2024年07月14日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はもう既にかなり暑い日本の夏におすすめの、ヘソだしルックの海外スナップをお届けいたします。1. キレイめジャケットで決めるカジュアルさとエレガンスの絶妙なバランスが素敵なこちらの着こなし。洗練されたスタイルを演出しながら、カジュアルなヘソだしルックに磨きをかけています。ヘソだしで肌を見せることで大胆さと自信を表現する一方、キレイめジャケットで全体のコーディネートにきちんとした印象とエレガントさをプラスしてくれるので、ちょうどバランスが取れた印象になります。2. 『グッチ』のトップスでチラ見せこちらは短めの『グッチ』のトップスを着用したヘソだしルック。全体的にブラックで統一したスタイリッシュな雰囲気のなか、ピンクの『グッチ』のトップスがかわいらしさと魅惑のセクシーさを表現してくれています。真っ赤なリップもまた全体の雰囲気にピッタリ。3. デニムスタイルにピッタリこちらはプラハのファッションウィークでのストリートスナップ。デニムに合わせてカジュアルにヘソだしルックを楽しんでいる若い女性たちが多かったのが、とっても印象的でした。決して特別なアイテムを使用しているわけではないのですが、スラリとした長身でスッキリとした無駄のないファッションが品よく見せてくれます。4. モデルもヘソだし!ミラノファッションウィークでは、モデルさん達もよくヘソだしルックを見せてくれます。比較的スッキリとしたスタイルで楽しんでいる印象です。また、セクシーに寄りすぎないことってとっても重要ですよね。5. 夏のスーツスタイルにも!とっても参考になる着こなしかたがこちら。ヘソだしと言えばカジュアルな印象のスタイルですが、このかたのように、スーツスタイルや上下セットのセットアップに合わせるのもいいかも!またヘソだしだと、脚の長さが強調されるので、ハイウエストのズボンなどにもピッタリ!今回は、今まさに暑い日本にピッタリなスタイルをご紹介いたしました。まだまだ暑さは続きますが、余裕があれば、ぜひ夏のおしゃれもぜひ楽しんでくださいね。写真、文・平野秀美
2024年07月13日夫婦としてのあり方に一石を投じ、「妻に読ませたくない」「夫に読ませたい」とさまざまな反響を巻き起こした渡辺ペコさんの漫画「1122」。実写化されたドラマ『1122 いいふうふ』がPrime Videoで配信され、大きな話題となっています。そこで、こちらの方にお話をうかがってきました。岡田将生さん【映画、ときどき私】 vol. 650本作で高畑充希さんと夫婦役を演じ、ダブル主演を務めている岡田将生さん。劇中では妻の一子(いちこ)との夫婦仲を円満に保つために「婚外恋愛許可制」を選んだ夫の二也(おとや)を演じています。今回は、役を通して感じたことや理想の夫婦像、そしてご自身がパートナーと向き合ううえで大事にしていることなどについて語っていただきました。―演じられた二也については、ネットでリサーチした際に「クズだ」といった声を多数目にされたそうですが、岡田さんはどのような人物としてとらえましたか?岡田さんまずは、原作ファンの方々からどういうふうに見られているのかが気になって調べました。もちろん、僕も二也がしている行為については共感できません。でも、世間とは違う“夫婦のルール”にそってしていることなので、「夫婦のあり方としてこれはこれでありなのかな?」という気もしています。「クズ」と2文字だけで言うのはどうなのかなと…。本当にクズの人はおそらく自分では気が付かないと思うので、自分をクズだと思う人は意外とクズではないのではないかなと。―劇中で「俺ってクズなのでは?」と二也が言う場面があり、チャーミングさを持って演じていらっしゃるように見えましたが、意識されていたこともあったのでしょうか。岡田さんまさにそのバランスについては、考えていました。というのも、演じ方によってはただのクズになってしまう可能性があったので…。でも、ここでは「コイツだったらちょっと許せちゃうかな」というギリギリのラインを狙ったキャラ作りをしたかったので、本読みの段階でその路線で行こうというのは自分で決めていました。撮影が楽しかったのは、ケンカのシーン―二也はいろいろと言われていますが、優しい部分も多いですよね?岡田さんただ、夫婦というのは、優しさだけではやっていけないということですよね…。そこはすごく考えさせられました。おそらく二也は人一倍優しいと思うんですけど、優しいからこそ人を傷つけてしまうところもあるのかなと。一子ちゃんのことは本当に好きなのに、それと体の関係性が違うというのも面白いポイントだと感じました。―「二也があんなに涙もろいキャラクターになったのは、岡田さんが本番で自然と泣いてしまったから」と監督がコメントされていますが、そのあたりも計算されていたのですか?岡田さん共感性を求めたいというのも少しあったので、二也の生理的な現象に関しては欠かせないと考えていました。どれだけ二也がしている行為が悪だったとしても、お芝居をしていて僕自身が傷つくこともあったくらいで。現場では監督にも「泣くなと言われても泣いちゃうかもしれない。ごめんなさい」という話はしていました。―お気に入りのシーンなどがあれば、教えてください。岡田さん僕がけっこう好きだったのは、ケンカをしているシーン。お互い生身になって、相手を傷つけるとかつけないとかを考える間もなく言葉が出てしまう感じがいいなと。撮影していてもすごく楽しかったですね。2人の言い分がわかるからこそ、夫婦で観てもらえたら「自分たちはどうなんだろう?」と客観的に考えられる気がするので、みなさんがどういうふうにとらえるのかなとワクワクしています。高畑さんと事前に話すことで腑に落ちる感覚があった―高畑充希さんとは初共演でありながら、結婚7年目の雰囲気がよく出ているように感じました。事前に共通の知人を介して会われたこともあったそうですが、いつもそのようにされるのか、この作品に関してはそれが必要だと思われたのですか?岡田さんこの役を演じるうえで必要だと思いました。一子と二也の空気感を現場ですぐに出すためには、事前に会って話をする機会を持ちたいなと思ったんです。長く仕事をしているので、知っている方は多いほうですが、高畑さんは一度もお会いしたことがありませんでした。撮影の前に作品の話を中心にいろいろと話せたことが、プラスに働いたように感じています。―事前に会われたときは、どのような感じでしたか?岡田さん監督の今泉(力哉)さんと3人でご飯に行ったんですけど、おそらく3時間くらいは今泉さんが一人でずっと話してくださっていて(笑)。だから、高畑さんとは全然話せなかったんですよ!なので、会が終ったあとに、「申し訳ないですが、高畑さんと話せなかったのでもう一度お時間作ってもらえますか?」とお願いしたほどです。高畑さんも同じことを考えていたようなので、それは僕たちにとっての笑い話になりましたが、その感じも一子と二也っぽさに繋がったのではないかなと。自分のなかでは、すごく腑に落ちる感覚でした。今泉さんの人間性も知ることができて、高畑さんと2人で「ついていこう!」とはなりましたが、正直に言うと「今泉さんがしゃべる時間はもう少し短い時間でもよかったかな」と思っています(笑)。理想の夫婦像は、老夫婦になっても手を繋いで歩くこと―この作品では新しい夫婦の形を経験されましたが、ご自身が思い描く理想の夫婦像とは?岡田さん以前は、「知らなくてもいいことは知らなくてもいい」と思っていたんですけど、いらない情報も含めて相手を理解する大切さについて深く考えるようになりました。僕は「老夫婦になっても手を繋いで歩きたい」と昔から思っていて、それもなかなか難しいということを今回の作品を通して痛感しました。でも、だからこそ人間同士って面白いんでしょうね。現場でも結局、「いい夫婦ってなんだかわからないよね」となって。おそらく100組夫婦がいたら夫婦の形は100通りあるので、それを話し合いによって見つけていくことが大事なんだと思います。二也の行動は理解できないですが、目の前にいるパートナーを大切にしているからこそすべて話すというのもあるのかなと。でも、この問題については難しいので、言葉をちゃんと選んで言わないと怖いですよね(笑)。―確かに、そうですね。ちなみに、ご自身がパートナーと向き合ううえで意識されていることなどがあれば、教えてください。岡田さんやっぱり「寄り添う」というのは、大事だなと思います。そこは気を付けているつもりですが、それはあくまでも自分のなかでのことなので、相手がどう感じているかはわからないですよね。だからこそ、いいパートナーでいるということは、つまり“いい人間”であるということでもあるのかなと。そこは自分と向き合って生きていくしかなんだろうなと考えるようになりました。夫婦でお互いを理解し合える姿には憧れる―職業柄、さまざまなカップルを疑似体験してきたと思いますが、それがご自身の恋愛観に影響を与えることもありますか?岡田さんそれはまったくないんですよね。ただ、観てくださる方々には楽しんでもらいたいなというのはあります。僕自身で言うと、恋愛ものからしばらく離れていたこともあって、久しぶりにこんなに向き合うことになったので、夫婦のあり方については勉強になりました。―本作で衝撃的なシーンのひとつに局部を剣山で刺される場面がありますが、男性からするとトラウマになるのではないかなと。岡田さんあれは一種の“呪いの行為”ですよね。でも、二也の言い方がダメなので、「刺されて当然」とうなずいているスタッフさんが何人もいたほどです(笑)。二也が変わっていくポイントにもなるので、大事なシーンだと思っています。撮影では僕よりも、剣山を刺す西野(七瀬)さんのほうがドキドキしていたのではないかなと。事前にみんなでいろいろと話し合いながら、西野さんには思いっきりやってくださいと話していました。―今回は実生活でご夫婦である今泉監督と脚本の今泉かおりさんとご一緒されましたが、おふたりを見てどう思われましたか?岡田さんご夫婦でこの作品を描かれてケンカにならないか心配になりましたが、いろんな話し合いを重ねてくださったからこそ面白くなったんだろうなと思いました。一度だけ、現場でおふたりが話している様子を目にしましたが、真摯に向き合っている姿がすごく素敵でカッコよかったです。同じ業界にいて、お互いを理解し合えるというのは憧れますよね。おふたりが一緒にブラッシュアップしてくださったおかげで、今回はドラマとして強度が高い作品になったと思います。悩むことは大切なことだと伝えたい―夫婦でも好きなものが似ているカップルと、真逆だから惹かれ合うカップルとさまざまですが、岡田さん自身の理想に近いのは?岡田さん僕は共感し合えたり、同じ趣味を楽しめたりするほうがいいですね。たとえば、映画を観終わったら、感想を言い合うとか。それぞれ視点や捉え方が違うので、そういう話をしながら相手のことをもっと知りたいです。あと、僕は料理をするのがすごく好きなので、一緒に作ったり、家で晩酌したりとかできるといいなとは思います。―それでは最後に、悩みを抱えるananweb読者に向けてメッセージをお願いします。岡田さん取材でよくアドバイスとかを求められることがあるんですけど、基本的に僕は悩んでいる側の人間なんです(笑)。だから、「悩んでいるのはあなただけではなくて、隣にいる知らない人も同じように悩んでいるから大丈夫」というのは言いたいですね。それに悩むことはすごく大切だとも思っています。僕の場合は、友達に「聞いて!」みたいな感じで周りに話して発散するタイプですが、自分のなかに負のエネルギーを溜め込むのはよくないので、みなさんも循環してもらうといいかなと思います。インタビューを終えてみて…。読者へのひと言を求めた際には、頭を抱えながら一生懸命考えてくれた真面目で優しい岡田さん。そんな岡田さんだからこそ、本作では二也が愛すべきキャラクターとなったのもうなずけます。高畑さんとの絶妙なやりとりや岡田さんがこだわったシーンなどにも、ぜひ注目してください。繊細で赤裸々な夫婦の姿に揺さぶられる!パートナーとの向き合い方や自分にとっての幸せとは何かについて、誰もが考えさせられる本作。男女それぞれが抱くリアルな感情に触れることで、あなたも心の奥にしまいこんでいた想いが溢れ出してしまうかも。スタイリスト・大石裕介ヘアメイク・小林麗子写真・園山友基(岡田将生)取材、文・志村昌美ストーリーウェブデザイナーの相原一子と文具メーカー勤務の相原二也は、友達のように何でも話せる仲の良い夫婦。セックスレスで子供がいなくても、ふたりの仲は問題なかったが、そこには“秘密”がある。それは、毎月第3木曜日の夜、夫が恋人と過ごすことだった。そして結婚7年目の2人が選択したのは、「婚外恋愛許可制」。一子も公認の“恋人”が二也にいることは、夫婦仲を円満に保つためにしたはずだったが…。続きが気になる予告編はこちら!作品情報『1122 いいふうふ』Prime Videoにて世界独占配信中!*全7話順次配信! 6/14:1~3話、6/21:4~5話、6/28:6~7話*写真・園山友基(岡田将生)
2024年07月11日劇作家・脚本家・演出家・映画監督など幅広く活動しているペヤンヌマキさんが自身の主宰する演劇ユニットで2015年に発表し、注目を集めた舞台「お母さんが一緒」。オリジナルドラマシリーズ化された本作が新たに再編集され、長編映画としてまもなく公開となります。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。橋口亮輔監督 & 青山フォール勝ちさん【映画、ときどき私】 vol. 649本作の監督と脚色を手掛けたのは、『ハッシュ!』や『ぐるりのこと。』など数々の話題作を生み出し、国内外で高い評価を得てきた橋口亮輔監督。今回は、母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹が繰り広げる悲喜こもごもの家族ドラマに挑んでいます。劇中で、三女の彼氏タカヒロ役に抜擢されたのは、お笑いトリオ「ネルソンズ」のメンバーとしてバラエティ番組で大活躍中の青山フォール勝ちさん。監督たっての願いで実現したキャスティングの経緯や撮影の裏側などについて、おふたりに語っていただきました。―監督にとっては9年ぶりの新作となりましたが、なぜこの作品を撮ることになったのでしょうか。監督もともと「死ぬまでにこれを撮りたい」という企画が3本あって、それを進めていたのですが、何かが足りないような気がしていて、踏ん切りがつかずにいました。そんなときに、プロデューサーからドラマとして話をもらい、「ちょっと考えます」と言っているうちにキャストがバーッと決まり、いつの間にか「映画にしましょう」と。僕がなかなか撮らないので、プロデューサーにはめられたんだと思います(笑)。―青山さんは、オファーをもらったときはいかがでしたか?青山さん最初はマネージャーさんから「ドラマのオファーきてますけど、どうします?」みたいな感じで、中身をよくわかっていない状態のまま受けました。でも、台本を受け取ってキャストや監督の名前を見たから、これは軽く受けるやつじゃないなと。最初の稽古に行ったときに、「とんでもないところに足を踏み入れてしまった…」というのが正直な感想でした。青山くんはさすがプロだなと感心した―このお仕事が決まったとき、ネルソンズの和田まんじゅうさんと岸健之助さんはどのような反応でしたか?青山さんふたりは何も知らなかったので、おそらく「また青山が俳優業やりたがってんな」くらいの感じだったと思います。監督ちなみに、楽屋でこれ見よがしにセリフの練習をしていて、「大変なんだよ!」と言っていたという噂を聞いたけど、それは本当?青山さんそうですね(笑)。ただ、これには理由があるんですよ。僕としては「1回目の稽古に行ったあとから台本読めばいいかな」くらいの気持ちで参加したら、ほかの方はもうセリフも入っていて、仕上がっている状態。そこからは空き時間もひたすら台本を読み、監督から送られてきた長崎弁の録音を聞いていたので、周りから何を言われようが、楽屋のど真ん中でもやるしかなかったんです。監督なるほど(笑)。でも、お笑いの方は本当に忙しいので、大変ですよね。特に今回はみなさんがすでにセリフも入っていたので、びっくりしたと思いますよ。青山さんいや、マジでビビりましたよ(笑)。監督さらに、僕も前作『恋人たち』のDVDを渡して嫌なプレッシャーをかけましたしね。青山さん家に帰ってすぐ観ましたけど、「これは俺には無理だ」と思いました。監督そのあと、青山くんの生涯ナンバーワン映画が『アベンジャーズ』だと知り、反省して謝りましたよ(笑)。それでも本番には方言もセリフもしっかりしていて、噛んだりすることも一回もなかったので、さすがプロだなと感心しました。いい意味でみなさんの出す空気に飲まれていた―そんな青山さんに対して、天性のものがあると思われたとか。監督セリフの言い方だけに限らず、テンポや間が素晴らしい。たとえば、お風呂のなかからザバッと顔を出したり、折り鶴をグシャッと踏んだり、車のカギをリモコンでピピッと閉めたり、一見何でもないようなところを全部いい具合に1発で決めるんですよ。―簡単そうに見えて、そういうところが難しいんですね。監督特に演技経験の少ない人たちは、なかなかうまくいかないことが多いです。でも、芸人さんは舞台での修羅場を乗り越えてきているので、普通の俳優とは鍛えられ方が違うなと思いました。もともとレスリングをしていてスポーツ出身のはずなのにびっくりするくらいできるので、「DNAのなかに組み込まれているのかな?」と感じたほどです。―確かに絶妙なタイミングは見事でしたが、ご自身でも意識されていましたか?青山さん特に何も考えていなくて、ただ周りに合わせておけばいいくらいの感覚でした。江口(のりこ)さんはじめ、みなさんお上手なので。でも、褒めていただいてうれしいです。―最後に長ゼリフのシーンがありましたが、江口さんは自然に涙がでるほど心を動かされたそうです。青山さん正直言って、自分では全然わからないです(笑)。僕はいい意味で、みなさんの出す空気に飲まれていました。「本当にいいヤツなんだろうな」と思った―ちなみに、演じ方もコントのときとはかなり変えていらっしゃいますか?青山さん大きく違うのは、まずめちゃくちゃ声を小さくして、ゆっくり話すようにしたことです。僕の場合、劇場では声を張れば張るほど受ける“張り芸”ですから(笑)。あとは、変に体を動かさないことですね。―撮影期間中に、お笑い芸人としての活動に影響出てしまったこともあったのでは?青山さんこれは、俳優業をしたことがある芸人のあるあるだと思いますが、撮影が始まると声が小さくなったり、間をすごく取ったりすることがあるんです。以前、相方の岸が舞台に出たときにそうなってボロクソに言ったことがありました(笑)。なので、自分は言われないようにかなり気を付けたつもりです。―今回青山さんをキャスティングしたのは、監督がコロナ禍にお笑いの YouTube を見ていたのがきっかけだったとか。監督中川家さんのYouTubeに出ていたネルソンズさんを見て、スベッていてもただ笑っている姿に「本当にいいヤツなんだろうな」と思ったんです。その後、タカヒロを誰にするかとなったときに、青山くんのことを思い出しました。この役は本人が持つ人柄の良さがそのまま投影されるような難しいキャラクターなので、青山くんのように屈託のないまっすぐな感じがいいなと。ダメ元で吉本さんに連絡をして、偉い方にお会いしたのですが、「和田じゃないんですか?」「いや、青山さんで!」というやりとりを5回しました(笑)。先輩の真剣なアドバイスにちゃんとしようと感じた―青山さんは、以前から俳優業に興味があったそうですね。青山さん僕はネプチューンの原田泰造さんが好きなんですが、芸人として面白いうえに俳優としてもきちんとされているのがいいなと思っていました。あとはいつも自分でネタを書いているので、たまには与えられた役を演じたいというのもあるのかもしれません。―俳優をされている芸人さんも多いですが、相談された方もいましたか?青山さん相談ではないんですが、とろサーモンの久保田(かずのぶ)さんにこの話をしたとき、「お前は芸人なんだから演技なんかいいんだよ」と返されるかと思ったら、「セリフだけは絶対に入れておけよ!」と言われて驚いたことはありました。聞いてみると、以前ご自身がドラマに出たときに、セリフを入れずに行ってとんでもないことになったことがあったそうです(笑)。あの久保田さんがお笑い以外のことで、ここまで真剣にアドバイスしてくれることはなかったので、ちゃんとしようと思いました。あえて新人とベテランを同じフレームで演じさせている―いつもとはまた違う現場だったと思いますが、キャストのみなさんとはどのようにして過ごされていましたか?青山さん最初はけっこう緊張して話せなかったんですけど、古川(琴音)さんとは恋人役なので、目を見て話せるようにしたほうがいいなと思って、距離を縮めるためにいろいろと話をするようにしました。監督最終的には足の指でジャンケンするほど仲良しになっていて、古川さんも「私たち親友ですから」って言っていましたよね(笑)。―監督は青山さんの俳優としての才能を見い出したわけですが、今後青山さんに期待していることはありますか?監督この作品を観た方は、「青山くんよかったですね」とみなさんおっしゃるので、絶対に俳優の仕事来ますよ。あんまり言うと、どんどん調子に乗ってしまうかもしれませんが(笑)。でも、肉体派で二枚目も三枚目もできる人というのは意外といないので、需要はありますよ。僕が新人の方をキャスティングするときに必ずするのは、キャリアのある人と同じフレームのなかで演技をさせること。ベテランの方としっかりと共演させることで、「新人でもお芝居ができる人だから大丈夫」という保証になりますからね。青山くんもコントだけじゃなくて、芝居もできるというのがこの作品でわかっていただけると思います。青山さん今後も限定せずに、幅広くやってみたいです。大切なことはお日様が出てから考えたほうがいい―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。青山さん劇中でタカヒロが「夜に考えたことはたいてい間違っている。大切なことはお日様が出てから考えたほうがいい」というセリフを言いますが、まさにその通りだなと思いました。もし悩んでいたら、とりあえず寝た方がいいですよ。抜けているようで、タカヒロは意外といいことを言いますし、前向きな言葉も散りばめられているので、ぜひそういうのを見てほしいです。監督自分が子どもの頃、僕の両親もケンカばかりしていましたが、いま振り返ると親に守られていたんだなと感じます。この作品ではそういう記憶がふと重なったり、不思議な感情になったりするので、みなさんにもそれを味わっていただけたらいいかなと。ちょっと痛かったり、苦しかったりする部分もあるかもしれませんが、決して重い作品ではないので、笑いながら楽しんで観ていただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて…。俳優としての素質を絶賛する橋口監督と、照れつつも喜びをかみしめている青山さん。衣装の色味が偶然同じになってしまうほど息ピッタリのおふたりが醸し出す雰囲気も素敵でしたが、やりとりも絶妙で笑いの絶えない取材となりました。監督が驚かされたという青山さんの演技にも、ぜひ注目してみてください。家族ならではのブラックユーモアに笑って泣く誰よりもわずらわしいのに、誰よりも愛おしくて離れられないのが家族。とことんぶつかり合った先に見つけた“答え”に、チクリと痛んだ心がじんわりと温かくなるのを感じるはずです。写真・鳥羽田幹太(橋口亮輔、青山フォール勝ち)取材、文・志村昌美ストーリー親孝行しようと母親を温泉旅行に連れてきた三姉妹。長女の弥生は美人姉妹といわれる妹たちにコンプレックスを抱き、次女の愛美は優等生の長女と比べられてきたことを心の底で恨んでいる。三女の清美は、そんな二人を冷めた目で観察していたが、三姉妹に共通していたのは「母親みたいな人生を送りたくない」ということだった。母親の誕生日をお祝いするために、三姉妹は夕食の席で花やケーキを準備。プレゼントとして、弥生は高価なストール、愛美は得意の歌を用意していた。そして、清美は姉たちにも内緒にしていた彼氏のタカヒロと結婚することをサプライズで発表しようとするのだが…。釘付けになる予告編はこちら!作品情報『お母さんが一緒』7月12日(金)新宿ピカデリーほか全国公開配給:クロックワークス(C)2024松竹ブロードキャスティング写真・鳥羽田幹太(橋口亮輔、青山フォール勝ち)
2024年07月10日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はイタリアで見つけたおしゃれに着飾ったイケメンのファッションをご紹介いたします。1. モノトーンが決まってる!モダンでスタイリッシュ、モノトーンのクールカラーが決まってるこちらのイケメン。ヘアスタイルからサングラス、クラッチバッグまで、すべてがおしゃれですよね!色を統一することで、洗練されたシンプルさとタイムレスなエレガンスを感じさせてくれます。白と黒、あるいはその中間のグレーを基調としたコーディネートは、色の制約が少ないため、スタイリングが容易で、非常にスタイリッシュに見えますよ!2. 豹柄ズボンがワイルド!野性味と大胆さを取り入れたスタイルで強烈な個性を表現できる豹柄やアニマル柄。豹柄は目を引くインパクトのあるデザインで、エッジの効いた雰囲気をプラスしてくれます。シンプルなトップスやアクセサリーと組み合わせるだけで、全体のファッションに動きと生命力をもたらすことができます。3. ハーフパンツが爽やか快適さとカジュアルなスタイルを両立できるハーフパンツは、脚を露出させることで通気性が良く、特に暑い季節は涼しく快適に過ごすことができます。男性にも女性にもおすすめしたい夏のスタイルです!また、ハーフパンツはリラックスした雰囲気をもっており、休日のカジュアルな装いにぴったりです。4. オールインワンで決める!シンプルで洗練された一体感と利便性を兼ね備えているオールインワン。特に女性に人気ですが、男性にもおすすめしたい今年の夏のスタイル。トップスとボトムスが一体化しているため、コーディネートに悩む必要がなく、忙しい朝でもさっとスタイリッシュな装いが完成します。5. ハットでさらにカッコよくクラシックでありながらも現代的なエッジをもつスタイルを作り出してくれるハットとジャケットの組み合わせスタイル。帽子は顔周りの印象を変え、ジャケットは全体のシルエットを整えるため、簡単に全体のバランスを取りつつファッションに奥行きをもたせることができます。6. スカジャンは今もなお人気独特なデザインと文化的なバックグラウンドが融合した個性的なスタイルが楽しめるスカジャン。鮮やかな刺繍や大胆な柄が特徴で、普通のジャケットとは一線を画すビジュアルインパクトがあります。これにより、着るだけでコーディネートにアクセントを加え、個性やスタイルを強調することができます。いかがでしたでしょうか?イタリアで発見したイケメン達は自分のスタイルを十分に把握しているようでした。今後もヨーロッパのイケメンスタイルをご紹介していきたいと思います。写真、文・平野秀美
2024年07月07日京都・嵐山にある福田美術館で、7月13日から企画展「福田どうぶつえん」がはじまります。円山応挙や速水御舟などが描いた“もふもふ”わんにゃんをはじめ、猛獣や爬虫類などさまざまな動物画が勢ぞろい。見どころや作品をご紹介します!嵐山にある人気の美術館!福田美術館外観【女子的アートナビ】vol. 339福田美術館は、京都の人気観光スポット嵐山にある美術館。館内のカフェからは渡月橋が一望できるという絶好のロケーションにあります。この夏、同館では所蔵コレクションのなかからセレクトした動物画を展示する企画展「福田どうぶつえん」が開かれます。日本では古くから、崇拝の対象や子孫繫栄などのおめでたいモチーフとして動物の絵が描かれてきました。例えば、雨を呼ぶ龍や風を起こすトラ、神の使いといわれるシカやサル、子だくさんのウサギなどが人気の画題で、著名な絵師たちの作品も多く残されています。本展では、円山応挙や木島櫻谷、速水御舟、加山又造など、江戸から平成までの日本画家たちが描いた動物画を78点も楽しむことができます。必見!大迫力のトラ大橋翠石《乳虎渡渓図》(部分)20世紀 前期展示福田美術館所蔵本展は3章構成。第1章「猛獣とはたらく動物」では、迫力あるトラの絵や、ウシやウマなど古くから人間の生活に欠かせない動物たちを描いた作品が展示されます。トラの絵が得意な⼤橋翠⽯の作品《乳虎渡渓図》は、毛並みや筋肉の付き方がリアルに描かれ迫力満点。江戸時代、与謝蕪村などが描いていたトラの絵は、ネコの瞳孔を参考に描いていたため瞳孔部分が三日月形になっているそうですが、⼤橋翠⽯が描く瞳孔は正確な丸い形に描かれ、生きたトラを観察していたことがわかります。動物園では本物のトラに近寄ることができないので、なかなか瞳孔まで観察できませんが、絵画作品ならじっくり近くで鑑賞できます。ぜひ、目の部分など細かいところもご覧になってみてください。森狙仙《親⼦猿図》18-19世紀(部分)前期展示福田美術館所蔵第2章「ツルツル、ニョロニョロ、ふわふわっ!」では、コウモリやヘビ、サルなどの動物画が登場。質感にこだわって描かれた爬虫類や甲殻類の作品を楽しめます。江戸時代後期の絵師、森狙仙(もりそせん)は円山応挙の影響を受けて写生的な画風を確立し、多くの動物画を残しています。特に、「猿書(さるがき)の名手」と呼ばれていたほどサルが得意。本展に出される《親⼦猿図》はふわふわとした毛の質感がとても魅力的で、必見作のひとつです。胸キュンわんにゃんが集結!速水御舟《洋犬》1919年 通期展示福田美術館所蔵第3章「もふもふ可愛いわんにゃんたち」では、多くの画家たちが描いたイヌとネコが集結。古くから愛玩動物として人気のあったイヌとネコは絵のモチーフとしても好まれ、本展でも円山応挙や長沢芦雪、川合玉堂、速水御舟など名だたる絵師たちの作品を見ることができます。円⼭応挙《⽵に狗⼦図》1779年(左幅部分)前期展示福田美術館所所蔵特に人気が高いのは、円山応挙《竹に狗子図》の子犬たち。とにかく愛らしく、つぶらな瞳にキュンキュンします。江戸時代中期の画家である応挙は、狩野派で学んだあと洋風画の遠近法や陰影法なども取り入れながら画風を確立。写生を重んじて写実的な作品を多く手がけ、子犬の毛も質感がリアルです。本展は、7月13日からスタート。夏の嵐山で、ぜひ楽しい動物画をご覧になってみてください。Information企画展名:福田どうぶつえん会 期:2024年7月13日(土)~10月1日(火)<前期>7月13日(土)~8月26日(月)<後期>8月28日(水)~10月1日(火)休館日:8月27日(火)展示替え、9月10日(火)設備点検開館時間:10:00~17:00(最終入館 16:30)会場:福田美術館観覧料:一般・大学生 ¥1,500、高校生 ¥900、小・中学生¥400
2024年07月07日職種・業種によって細かい規定が違うオフィスルック。とくにスーツスタイルが基本、オフィスカジュアルでも過度な装飾がNGな企業に務める方にとっては毎日のコーデに悩んでしまうものです。そこで今回は、お堅め企業に勤める方にもおすすめできる上品で洗練見えするオフィスカジュアルコーデをご紹介します。色柄を抑え、「シルエット」で見せる着こなしお堅め企業のオフィスコーデでは柄はもちろんですが、派手な色の服も避けた方が良いという場合もあります。すると白・黒・グレー・ベージュ・ネイビーの無地アイテムを組み合わせるスタイルが基本に。当然ですがこのままだと着こなしが無難にまとまってしまいかねません。そこで意識をおくべきポイントは、シルエットです。トップスとボトムスのシルエットに適度なメリハリがある。袖丈、着丈、パンツ・スカート丈身幅のゆとりが適切なサイズであると、シンプルな服装でも美しい装いに感じられます。スーツならやはりオーダー(もしくはセミオーダー)メイドをおすすめしますが、普段着ならアイテムの一つひとつのサイズ選びを吟味していかれると良いでしょう。地味色でも「配色の配分」でセンスを表現服装はベーシックな配色のみという制限があると、何をどう組み合わせても着こなしが「地味」になるのでは?と心配になるところ。確かに、着こなしの配色に限りがあると野暮ったさや、地味な印象になりやすいですが、その原因は配色の配分によるものが大きいです。例えば、グレーのトップスに黒のパンツ、靴も黒で髪の毛も黒…といった着こなしは、全体的に重苦しい印象を与えます。ですが、グレーのトップス、ダークグレーのパンツ、パンプスと時計は白にシルバーのピアス…など明るさのある配色配分にすると洗練見えします。配色の配分はいちばん暗い色を2割、中間色を5割、明るい色を3割といった配分でコーデを整えるのがおすすめです。海外の女性政治家コーデも参考の一つにかしこまった場でのルックとして個人的に参考としているのは海外の女性政治家のコーデです。もちろん、女性政治家のコーデは公的な場におけるイメージ戦略も兼ねているので、実際の仕事着には向かないような派手な配色や着こなしも多いので全てが参考になるというわけではありません。ですが、それを差し引いても配色バランスやコーデのシルエットバランスは着こなしのお手本になるものが多いです。着こなしを丸ごと真似することは難しくても、コーデの一参考資料としてぜひチェックしてみてくださいね!イラスト・文 角 佑宇子
2024年07月06日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はこの夏におすすめしたい、ホワイト系ファションの海外ストリートスナップをご紹介いたします。1. ホワイトパンツで決める清潔感とスタイリッシュな印象を簡単に演出できるホワイトパンツは、明るく爽やかな色合いが特徴で、どんなトップスとも相性が良く、コーディネートの幅が広がります。ヨーロッパは夏でも比較的肌寒い時が多いので、このかたのように長袖スタイルが多いですが、特に夏のシーズンには涼しげで軽やかな印象を与え、シンプルながらも洗練されたスタイルを作り出すことができますよ!2. 2人揃ってホワイト系で統一純粋さとエレガンスが魅力的なホワイトワンピース。清潔感があり、見る人に爽やかで清楚な印象を与えますよね。また今回は真っ赤なロングブーツとの組み合わせで、より印象深いスタイルに仕上がっています。ワンピースのデザインもシンプルで、1枚で上品なスタイルを完成させることができます。3. 男性にも人気のホワイトスーツ際立つ洗練さと強いインパクトを兼ね備えているホワイトスーツ。他の色のスーツに比べて非常に目立ち、着る人に自信とエレガンスを与えてくれます。白という色は純粋さと高貴さを象徴し、全身を白でまとめることで、クリアでクリーンな印象を強調することができ、男性にも女性にも人気のスーツの色でもあります。4. 洗練されたホワイトコートホワイトカラーのコートはどんな装いにも上品さをプラスし、全体のコーディネートを明るく引き立ててくれます。清楚でエレガントな印象を与えることができる点で、多くの女性に大人気。またこのかたのように、中のアイテムもホワイトやアイボリーで統一することで、全体の清潔感とエレガントさがよりアップ!シルバーのサンダルがさらに上品さを引き立ててくれます。5. 透け感がさらに涼しげに透け感あるマキシワンピースの魅力は、フェミニンでエレガントな雰囲気を演出できる点。肌をほんのりと見せることで、上品さとセクシーさを絶妙なバランスにしてくれます。普通のワンピースでは得られない繊細でロマンティックな印象を与えることができ、より夏らしい雰囲気を楽しめますよ!6. 夏以外でもホワイトは人気こちらはニットとアイボリー系の組み合わせ。夏には涼しげな雰囲気を演出してくれるホワイトは、夏以外の季節にも大人気。清潔感あふれる色ですし、どんな色との組み合わせも抜群なので、ファッショニスタの間では上下ホワイト系で統一するかたも多いかも!?いかがでしたでしょうか?今回はホワイトで統一されたスタイルをご紹介いたしました。これからの季節におすすめの色でもあるので、ぜひ参考にしてみてください。写真、文・平野秀美
2024年07月06日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションに磨きをかけてくれる、柄物を取り入れたスタイルのストリートスナップを紹介いたします。1. 上下の柄が異なっても大丈夫!上下の柄が異なるファッションが魅力的な理由のひとつは、視覚的な興味を引きつけ、個性を表現する手段となるから!同じ柄や色でまとめたコーディネートは統一感があって落ち着いた印象を与えますが、異なる柄を組み合わせることで視覚的なコントラストが生まれ、かえって見る人の注意を引きやすくなりますよ。2. 異なる太さのチェック柄視覚的なバランスとダイナミズムを生み出す、チェックの柄の組み合わせが魅力的な右側のかたのスタイル。太さも色も異なるチェック柄を組み合わせることで、柄の大きさと密度に変化が生まれ、視覚的に興味深い対比が生じます。このコントラストは、全体のコーディネートにリズムと動きをもたらし、単調になりがちなチェック柄をよりモダンで洗練された印象に替える効果があります。3. 大胆に大ぶりな花柄で華やかさと存在感で周囲の目を引き、強い印象を残す花柄デザイン。特に大ぶりな花柄は、視覚的にインパクトがあり、服を着る人の個性や自信を強調してくれます。4. 面白い落書き柄自由で創造的なスタイルを表現できる落書きのような柄。このようなデザインは通常のパターンやプリントにはない独自性と遊び心をもち、着る人の個性やアーティスティックなセンスを強調してくれます。他の人と差別化された独自のファッションを楽しむことができ、注目を集める柄となるんですね。さらに色もピンクと目立っています。人と違うファッションが好きなかたにおすすめのスタイル。5. 大人な落ち着いたイラスト風花柄エレガンスと独自のスタイルを兼ね備えた洗練された印象を与える、このかたの柄パンツ。落ち着いた色調と繊細なイラスト風の花柄は、派手すぎず上品な雰囲気を醸し出し、大人の女性や男性にぴったりのファッションアイテムとなります。フォーマルからカジュアルまで幅広いシーンで活躍しますよ!6. 個性が際立った柄と色こちらは色も柄も個性的すぎて、マネしようとしてもマネできないスタイル!またデザイン自体も個性的なので、ここまでくると好きなファッションをとことん取り入れたいかたにおすすめです。今回はパターン次第で、こんなにも印象が変わるという面白くも個性的な柄物ファッションをピックアップしてみました。おしゃれにも、アンティーク調にも、今時っぽい印象にもなりえます。柄物を組み合わせて、自分らしさにぜひ磨きをかけてください!写真、文・平野秀美
2024年06月30日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はファッションウィーク期間中に出会った、海外のおしゃれさんたちのなかで、今すぐマネしたいシックで大人なコーディネートをピックアップしてみました。1. デキる女のカジュアルルックこちらはポイントカラーをレッドで統一し、ネイビーとホワイトで落ち着いた雰囲気を感じさせてくれるカジュアルスタイル。肩出しのベストがユニークなデザインになっているけれども、くどすぎず上品で落ち着いた印象を感じさせてくれます。2. 落ち着いたなかにもお洒落をミックス今っぽい雰囲気を感じるこちらのコーディネイト、シューズは海外でもよく見かける『コンバース』。ワイドめのボトムに上品なシャツをトッピング。『ルイ・ヴィトン』のバッグで全体の色味を統一させちゃう大人カジュアルファッション。こういうスタイルの時は、ヘアスタイルもカジュアルめにすると、より遊び心があって素敵になります。ポイントで小物にブラック系の強いカラーのものをもってくると、より引き締められます。3. ホワイトで品格アップ!?海外でもホワイトを使用するファッションはよく見かけますが、どれも上品で一段とお高く見える印象です。こちらのかたも、サンダルからトップスまでホワイトで決めてますが、ホワイトとの相性が抜群なベージュやブラウン、ゴールドで、より色のトレンド感を楽しんでいます。おしゃれ度だけでなく、品格も格段とアップします。4. 上品ななかにセクシーが見え隠れ一瞬目のやりどころに困りそうですが、レースのブラがまたお洒落に見える着こなしかた。光沢がかったダークグリーンと相性の良い色たちでコーディネートされています。小物の使いかたがとても参考になるこのかた。特にブラがセクシーに見えすぎないように重ね付けされたネックレスは、嫌味に見えず上品なラインを作っています。5. 個性と上品のコラボ目に焼きつく淡いイエローが爽やかでキレイなスタイル。個性的なデザインのトップスが、よりファッション力を上げているように見えます。ワイドパンツや小物類はブラックで統一されていて、かっこいい力強い女性を演出してくれます。いかがでしたでしょうか?今回は私が気に入っている複数のファッションスタイルをご紹介いたしました。今すぐマネできるポイントが満載!夏に向けて、おしゃれに磨きかけていきたいかたに、ぜひ届いてほしいスタイルです。写真、文・平野秀美
2024年06月29日ベルリン国際映画祭で銀熊賞を5度受賞するなど、韓国映画界をけん引し続けている名匠ホン・サンス監督。長編第28作目となる最新作『WALK UP』は、国内外で高く評価されている注目作です。そこで、こちらの方にその魅力についてお話をうかがってきました。クォン・ヘヒョさん【映画、ときどき私】 vol. 648本作で主演を務めているのは、ドラマ『冬のソナタ』のキム次長役やNetflixドラマ『寄生獣 ―ザ・グレイ―』で知られるクォン・ヘヒョさん。映画監督と4人の女性たちが繰り広げる物語のなかで、主人公のビョンスを演じています。今回は、ホン・サンス監督ならではの演出方法や現場での様子、そして女性たちに伝えたいことなどについて語っていただきました。―事前に脚本を渡されることなく、「君は主人公の役」「主人公の仕事は映画監督だよ」という2つの情報だけ知らされていたそうですが、役作りの準備をできないことへの不安はなかったのでしょうか。クォンさんそれはまったくありませんでした。ただ、普通であれば、先に役を与えられ、物語のなかでどんな演技を見せたらいいのかというのを俳優は考えますよね。でも、ホン監督がそういう方法を取らないのには理由があるのを知っていますから。あえて俳優たちに準備をさせないようにしているのです。ホン監督の演出は日常を描くうえでは“最善の方法”―つまり、準備をさせないからこそ得られるものがあると。クォンさんそうですね。事前に情報がたくさんあると、俳優たちはこれまでの慣習を踏襲して、何らかのテクニックを使って演じようと思ってしまいます。でも、それを遮断することによって、私たちの日常や人生により近づけるようになるので、これが“最善の方法”と言えるのかもしれません。俳優というのは、前後の情報を切り取られた状態になると、いまこの瞬間に精神を捧げ、真心を込めて役を演じようという気持ちが強くなるものです。実際、誠意を込めてセリフを発し、相手の言葉により耳を傾けられるようになりますから。―なるほど。そういう部分がホン監督の演出によって引き出されるのですね。クォンさん撮影の30分から1時間ほど前に脚本をもらうのですが、そんな短い時間でも俳優というのは本能が働いて、どういうふうに演じようかと計画を立ててしまいがちです。ただ、そうするとホン監督から「いまのは偽物だね」とか「それだとありきたりだよ」とか「演技をしないでほしい」と言われてしまいます。撮影中の飲酒にはノウハウが必要―今回は17分にも及ぶ長回しのシーンで、A4用紙5枚分ほどあるセリフを1時間前に渡されたにもかかわらず、俳優陣はアドリブなしですべてやってのけたと聞いて驚きました。とはいえ、直前に脚本を渡されるのはかなり大変ではないでしょうか。クォンさん私はセリフ覚えが早いほうなのかもしれませんが、誰でも集中すれば覚えられるものなので、あまり個人差はないかなとも思っています。覚えていくなかで、その人物になっていくような感覚ですね。とはいえ、ほかの作品では撮影が終わったら「ビールでも飲みに行こうかな」となりますが、ホン監督の現場はみんな疲れきっていて、終わったあとはすぐ家に帰ります(笑)。集中力を使うというのは、それぐらいエネルギーが必要なんですよ。―ちなみに、劇中ではお酒を飲むシーンが多くあり、お水を飲む俳優も多いなか、ご自身は本物のお酒を飲んでいるとか。そのあたりの裏話があれば、お聞かせください。クォンさん演技をしているといつもよりは酔わないものですが、撮影が終わるとやっぱり酔いが回りますよね(笑)。ホン監督の場合は、ワンシーンが長いことも多く、何回も繰り返しながら俳優たちのアンサンブルを作っていくこともあるので、撮影中のお酒の飲み方についてはノウハウが必要になってきますよ。個人差はありますが、大事なのは量の調節。過去に、お酒が飲めないのにその状況に近づけようと飲みながら演じた俳優がいたのですが、倒れてしまって、それ以上撮影ができなくなったことがあったので…。誰かは言えませんが、作品は『あなた自身とあなたのこと』です(笑)。日本のみなさんが愛情を示してくれてうれしかった―そんなこともあったんですね…。東京には20年前に『冬のソナタ』関連で来たこともあるそうですが、当時の思い出といえばどんなことがありますか?クォンさん2004年に日本のテレビで放送されて以降、爆発的な反響を目の当たりにし、私もたくさんの取材を受けたり、本を出したり、トークショーをしたりと目まぐるしい時間を過ごしたのを覚えています。うれしかったのはもちろんですが、ひとつの作品がひとつの国にここまで受け入れてもらって文化となったこと、そして日本のみなさんが愛情を示してくださったことに驚きました。あれから20年が経ちますが、いまや日本の文化に韓国のドラマや音楽が自然と溶け込んでいますよね。そういうところにも繋がっているなと思いますし、この状況を見て時間の経過も感じています。成長する過程で影響を受けたのは日本映画―まさに韓国ドラマ人気の先駆けですよね。ご自身は日本に70回以上もいらっしゃっているそうですが、日本のカルチャーでお好きなものはありますか?クォンさん私たちの世代が大きな影響を受けているのは、日本映画です。映画を勉強する過程で欧米の作品も観ましたが、自分が成長するなかで観ていたのはやはり日本映画だと思います。日本には小津安二郎監督や黒澤明監督といった素晴らしい監督が1950年代頃からいますが、これはすごいことですよね。なので、いまだに日本映画に対する期待は高いです。最近も是枝裕和監督や濱口竜介監督をはじめ、安藤サクラさんのような若い世代の魅力的な俳優さんたちも出てきているので、韓国との違いを楽しみながらいつも刺激をもらっています。そのほかに好きなのは、日本の音楽。カシオペアやサザンオールスターズ、それから同い年の尾崎豊さんの曲を家でたまに聴いています。―幅広いですね。日本語も少しおわかりのようなので、日本の作品に出演されるという可能性もあるのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。クォンさん(日本語で)無理です!(韓国語で)言葉を操るというのもひとつの才能だと思っていますが、言語というのはただうまく話すだけでなく、その言葉が持っている情緒まで受け入れることになるので、本当に難しい作業ですよね。なので、はたして自分がそれをできるかどうか…。たとえば、日本に遊びに来た韓国人の役とかならできるかもしれないですね。(日本語で)「すみません、トイレはどちらですか?」とか「これは日本語で何と言いますか?」とか(笑)。男は中学3年生以上に成長しないものと思っていい―すぐにでも出られそうなので、期待しています。それでは、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。クォンさん実は、私は2002年から韓国の女性運動に長年携わっているので、普段から物事を考える際に、「女性だからこうあるべき」といったことで区別をすることはまったくありません。コード化された社会のなかで、それもひとつの圧迫だと感じています。競争社会というのはそもそも男性が作ったものなのに、そのなかで女性たちに「上に来い」というのは勝手な言い分ですから。そういうことに惑わされないでほしいです。あと、女性読者の方には、男性を見る際のお願いとして言いたいことがあります。それは、「中学3年生以上の男はいません!」です。男というのは、そのくらい成長しないものなんですよ(笑)。そう考えるだけで気持ちが楽になるのではないかなと思いますが、私も30年以上一緒にいる妻からいまだに中学生だと言われています。―はい、かなり気持ちが楽になりました(笑)。クォンさんほかにも、これがみなさんにとってなぐさめになるかわかりませんが、私自身もいまだに自分が好きなものや上手くできることがわかっていません。だから、いまでも悩んでいますし、これは一生続くものだと思っています。それだと自分が“不完全”だと感じるかもしれませんが、だからといって不安に思う必要はありません。韓国でも日本でも、夢や幸せについてよく話されていると思いますが、私はそういったものは実存しないと考えています。なので、あえて探さなくてもいいのではないかなと。それに自分の職業と好きなことが必ずしも一致するわけではありません。もし、一致している人がいるとすればそれは本当に幸運に恵まれた方です。だから「もし自分が好きなことを仕事にできていないと感じていても、それで悩むことはないですよ」というのは若い世代の方々に伝えたいです。インタビューを終えてみて…。渋くてクールな“大人の男性”というイメージを持っていましたが、撮影時からチャーミングな笑顔全開のクォン・ヘヒョさん。インタビューでも、冗談を交えながら笑わせてくださいましたが、映画について話されるときの真剣な表情とのギャップもステキでした。最後にいただいた名言の数々も、しっかりと心に刻みたいと思います。味わい深い感動が広がる現実とパラレルワールドを行ったり来たりするような世界観に、観る者の想像力をかき立てる本作。そして、俳優たちのリアルな演技と存在感にも引き込まれる珠玉の1本です。写真・園山友基(クォン・ヘヒョ)取材、文・志村昌美ストーリー映画監督として知られているビョンス。ある日、インテリア関係の仕事を志望する娘のジョンスを連れて、インテリアデザイナーとして活躍する旧友ヘオクの所有するアパートを訪れる。そのアパートは1階がレストラン、2階が料理教室、3階が賃貸住宅、4階が芸術家向けのアトリエ、地下がヘオクの作業場になっていた。和やかに語り合い、ワインを酌み交わす3人。そんななか、仕事の連絡が入りビョンスはその場を離れる。そして、ビョンスが戻ってくると、娘ジョンスの姿はなくなっていた…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『WALK UP』6月28日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿シネマカリテ、アップリンク吉祥寺、Strangerほか全国順次公開配給:ミモザフィルムズ(C) 2022 JEONWONSA FILM CO. ALL RIGHTS RESERVED.写真・園山友基(クォン・ヘヒョ)
2024年06月25日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回はフェミニンなスタイルを思いっきり楽しめるミニスカートコーデを特集します。海外の女性たちが着こなすミニスカートはどんな感じ?1. 巻きスカート風がどこか懐かしい巻きスカート風のデザインは、通常のミニスカートに比べて動きやすく、アクティブなシーンでも快適に過ごすことができそう。同時に、巻きスカート特有の重なりやドレープが、優雅さと柔らかさを演出してくれますよ。カジュアルなスタイルでもエレガントな印象をもたせることができる優秀デザイン!2. チェック柄で自分らしさ発揮チェック柄のミニスカートの魅力は、クラシックさとトレンド感の融合ではないでしょうか。チェック柄は伝統的でありながらも、常にファッションの最前線で人気を集める柄のひとつです。特にイギリスではよく見かける印象ですよね。クラシックな要素が若々しくモダンにアレンジされ、スタイリングに独特のアクセントを加えてくれます!3. カラーでインパクト大強い存在感と視覚的なインパクトがある派手めの色のスカート。鮮やかな色や大胆なカラーのミニスカートは、コーディネートの主役となり、着る人を引き立てる効果があります。ファッションに大胆さと個性を加えるアイテムとして、多くの人に愛されているアイテムです。4. 素材で楽しむ!ファッションアイテムは、素材によって、触感と視覚効果に多様な表現ができるのが魅力。独特の質感や光沢、動きがスタイルや雰囲気に大きな影響を与えてくれます。このかたのミニスカートは、エナメル系なのでモードで洗練された印象です。5. デザインにこだわったスカートユニークなデザインのミニスカートは、着る人の個性やスタイルを際立たせてくれます。このかたのスカートは、ツートーンのメインカラーでできており、全身の色のバランスをとりやすいデザインになってます。また、ミニスカートにピンヒールサンダルを合わせて、脚長効果も抜群!自信ある脚を存分に自慢できそう!いかがでしたでしょうか?スカートは1年中人気のアイテムではありますが、特にミニスカートは夏にもってこいのファッション。これからの季節に思いっきり楽しんでみてくださいね。写真・文 平野秀美
2024年06月23日二の腕の露出が気になる夏服。そこで役立つのが、ぽわん袖のトップス。袖のふくらみによって二の腕の太い部分がカバーされてスッキリした印象を与えます。…しかし、そんなぽわん袖トップスを着てみたら逆に上半身がたくましく見えてしまった!という失敗談もよく耳にします。今回は、自分に似合うぽわん袖の選び方を体型別にご紹介いたします。首が短い・太めさん首が短い・太いかたは、大きなフリルなどのデザインがあると顔が大きく見えてしまいやすい傾向にあります。そのため、ぽわん袖のボリュームが大きくなると、顔・上半身も大きく見えるのでボリュームが強過ぎないものを選びましょう。シルエットはちょうちんのように膨らんだものではなく、やや落ち感のあるランタンスリーブでできるだけ柔らかい素材のコットンブラウスタイプがおすすめ。襟元は、ボートネックタイプにすると首が長く、スッキリして見えます。バスト大きめさんバストが大きいかたがぽわん袖を着ると、バスト周辺にボリュームが出るので余計にバストが大きく見える傾向にあります。なので、二の腕の最も太い部分に膨らみが出るぽわん袖は避けましょう。ぽわん袖トップスの中には、二の腕よりもやや下に切り替えや膨らみが出るタイプがあるので、そうしたデザインを選ぶことで太見えを防ぐことができます。また、素材は立体的でハリのあるものがベスト。ポプリンシャツなどパリッとした素材もしくはスウェットライクなカットソーがおすすめです。襟元は浅めのVネックもしくはオフショルダーもOK。肩幅広めさん肩幅広めさんの天敵といえば、パフスリーブ・ぽわん袖ですが、昨今のぽわん袖は種類も豊富なので、肩幅が広いかたにも似合うぽわん袖というのはあります。どうか諦めずに探し続けましょう。選ぶポイントはゆるっとしたシルエットのぽわん袖トップスです。なので、シャツやブラウスよりもサマーニット、メッシュニットのぽわん袖を選ぶと良いですね。できれば袖丈も、長袖をクシュっと腕まくりして着こなして。肘に生地がたまるような落ち感のあるシルエットだと、同じぽわん袖でも上半身のたくましさをカバーできます。襟元は広く肩に引っかかるくらい広がったラウンドネックでリラクシーな雰囲気をもたせましょう。なで肩さんぽわん袖が得意とされる、なで肩さん。しかし、ぽわん袖のボリュームが過度に大きいと逆に服に着られているような違和感を与えてしまうので、なで肩さんとて、ぽわん袖の選び方には注意が必要です。なで肩さんはゆるっとしたシルエットや落ち感のあるぽわん袖よりも、コンパクトなシルエットで見せるほうが体にフィットします。ショルダートップからタックの入った立体的なシルエットのぽわん袖はとくに似合いやすいです。そして袖丈は肘がしっかり見える半袖タイプがおすすめ。首〜肩の肌見せ度合いがポイント今回は、ぽわん袖に合う・合わないが顕著に現れやすい4タイプの体型のかたに向けた、似合うぽわん袖トップスの選び方をご紹介しました。今回のタイプのどれにも該当しないけれど、それでもぽわん袖が似合わない…というかたは、首~肩にかけての肌見せが極端に少ないか、肌見せをし過ぎている可能性があります。どの部分が似合わないのか原因をじっくり検証した上で、カバーアップできるぽわん袖を選んでいきましょう。イラスト・文 角 佑宇子
2024年06月23日この秋、東京・上野の国立西洋美術館で「モネ 睡蓮のとき」が開催されます。本展のアンバサダーと音声ガイドを務めるのは、俳優の石田ゆり子さん。展覧会の記者発表会に登壇された石田さんが、展覧会への想いを語りました。石田ゆり子さんがアンバサダー!石田ゆり子さん【女子的アートナビ】vol. 337「モネ 睡蓮のとき」では、印象派の巨匠クロード・モネ(1840-1926)が晩年に描いた作品にスポットをあてて紹介。世界最大級のモネ・コレクションを所蔵するパリのマルモッタン・モネ美術館から選ばれた作品約50点が来日し、日本国内にあるモネの名作も加わります。モネといえば睡蓮が有名ですが、本展では特に晩年の睡蓮作品を20点以上も紹介。しかも、2メートルを超える大画面の睡蓮作品が展示される予定で、リアルな絵画でモネの世界に没入することができそうです。そんな注目の本展でアンバサダーと音声ガイドを務めるのは、俳優の石田ゆり子さん。展覧会のテーマソング作詞と歌唱も担当された石田さんが、本展への想いを語りました。モネとの出合いは19歳の秋!――まず、アンバサダー就任を聞いてどのように感じられましたか。石田さん夢のようにうれしかったです。美術展のアンバサダーという役割にあこがれをもっていて、しかもそれがモネ。本当に私は心からモネが大好きで、こんなすばらしいご褒美のようなお仕事はほかにはないなと思いました。――石田さんとモネとの出合いはいつごろですか。石田さん19歳の秋です。はじめてパリに行き、とある美術スペシャル番組の撮影でオランジュリー美術館を訪れました。そこでふと見た空間がモネの「睡蓮の間」でした。そのときはモネのための撮影ではなかったのですが、思いがけずその空間を見ることができました。クロード・モネ《睡蓮》1916-1919年頃油彩/カンヴァスマルモッタン・モネ美術館、パリ© musée Marmottan Monet――当時、モネをご覧になりどう感じましたか?石田さん絵画というものに、こんなに心を奪われるという経験を当時したことがなくて、その空間にいるだけで本当に幸せな気持ちになり、あのときのことは忘れることができません。私にとって、モネはとても特別な存在です。テーマソングも制作!――石田さんは「lily」名でアーティスト活動もされています。本展テーマソングも石田さんが歌って作詞もされたのですよね。石田さん私は、本当にひっそりと歌をやっていまして、ほとんどの人が知らないと思いますし、知られていないままでいたかったというか、「誰なんだろう?」という程度でいいと思っていました(笑)。今回、テーマソングを歌ってほしいといわれて、どうしましょうと思ったのですが、大好きなモネですし、こんなチャンスは生きているうちに一回ぐらいしかないと思ったので、お受けいたしました。――曲のタイトルは『私のモネ』ですが、作詞やレコーディングで苦労された点はありますか。石田さん作曲とプロデュースを大橋トリオさんがやってくださり、詞は私が書きました。クロード・モネという偉大な画家に対して失礼があってはいけないと思い、たくさん文献を読み、映像も見ました。最初から曲がありましたので、すばらしいモネの世界を詞に落とし込んで、言葉を当てはめていきましたが、思ったよりも難しかったです。――ご自身のなかで、俳優と歌手との切り替えはありますか。石田さん表現をするという意味では歌うことも演じることも一緒なのですが、音楽は絶対的にリズムと音階があります。そこに自分の気持ちを乗せてオリジナルな表現をする、というのが全然新人なので……やはり、なるべくみなさんに知られたくなかったです(笑)絵画は感覚だけで見たいクロード・モネ《睡蓮の池》1918-1919年油彩/カンヴァスマルモッタン・モネ美術館、パリ© musée Marmottan Monet――石田さんは絵画を見るとき、何かこだわりはありますか。石田さんあまり前もって知識は入れずに、感覚だけで見たいという感じはあります。モネに関しても、いろいろな予備知識がないといけないと思っていらっしゃるかたがいるかもしれませんが、芸術はそれぞれの見方があっていいと思います。ひとりひとり心の中の受け入れ方も本当に千差万別なので、本展もまっさらな気持ちでただ浸っていただければいいのかなと思います。――本展は、どんな展覧会になると期待されていますか。石田さんたぶん日本に住むみなさんは、ほぼモネが好きだと思います。みなさんになじみがあるモネの展覧会のなかでも、晩年のモネに焦点をあてて、はじめて来日する作品もいくつかあるということで、私もとても楽しみです。きっとたくさんのかたが来てくださると思います。東京では10月5日から開催!石田さんは、コラボグッズのプロデュースもされていて、本展オリジナルのシルクスカーフが販売される予定です。デザインは、石田さんとも親交のあるShogo Sekineさんが担当。ほかにも、本展では多くのグッズが登場する予定です。本展は10月5日からスタート。東京のあと、京都と愛知に巡回予定です。Information会期:2024年10月5日(土)〜2025年2月11日(火・祝)会場:国立西洋美術館時間:9:30-17:30(金・土曜日は21:00まで)※入館は閉館の30分前まで休館日:月曜日、10月15日[火]、11月5日[火]、 12月28日[土]-2025年1月1日[水・祝]、1月14日[火](ただし 、10月14日[月・祝]、11月4日[月・休]、2025年1月13日[月・祝]、 2月10日[月]、2月11日[火・祝]は開館)観覧料:一般当日券 ¥2,300/ 前売券 ¥2,100大学生当日券 ¥1,400/ 前売券 ¥1,300高校生当日券 ¥1,000/ 前売券 ¥900
2024年06月23日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏スタイルにぴったりな、シャツのコーディネートをご紹介いたします。1. ストライプシャツで爽やかに最近海外でもやたらと見かけるのが、このタイプ。縦しまは細く見える効果もあり、またこちらのようにホワイトとブルーのシャツだと、夏にぴったりな爽やかイメージ。日本でも比較的人気のあるデザインなので、これからシャツをお求めのかたにはイチ押し!2. 襟が個性的なシャツ独特な襟のデザインは、他のシンプルなアイテムと組み合わせてもシャツ自体がアクセントとなり、コーディネート全体を引き立ててくれます!襟元は視線を集めるポイントとなり、顔周りを華やかに見せる効果があります。シンプルなボトムスやアクセサリーでも、個性的な襟のシャツを取り入れるだけでファッションに独自性と洗練された雰囲気をプラスできる点が魅力です。3. オーバーサイズのシャツリラックス感とスタイリッシュさが魅力的なオーバーサイズのシャツは、身体のラインを適度に隠しながらもゆったりとしたシルエットで着る人にリラックス感をもたらします。そして、トレンド感のあるルーズなフィットは、カジュアルでありながら洗練された印象を与えます。男性にも女性にも人気なのも特徴的です。4. 文字が書かれたシャツ文字やメッセージがプリントされたシャツは、着る人の個性や価値観を直接的に表現することができます。ユーモラスなフレーズなどをデザインとして取り入れることで、自分自身のスタイルや考えをさりげなくアピールすることができたりするので、海外では文字入りのシャツやTシャツをよく見かけます。5. タイダイの色を楽しむ同じパターンがふたつとない独特のデザインが生まれるタイダイ。一点ものの特別感があり、自分だけの個性的なスタイルを楽しむことができます。こちらは薄めの爽やかな色の組み合わせ。色鮮やかで大胆な模様は視覚的にインパクトがあり、シンプルなコーディネートでも存在感を放ちます。今回は海外で見かけたシャツスタイルを特集いたしました。夏になるとシャツで涼しげなファッションが人気を集めるので、ぜひ参考にしてみてください。写真・文 平野秀美
2024年06月22日ジメジメとした梅雨の時期から太陽がカンカンに照りつける真夏まで活躍する、夏のひんやりインナー。今のうちから新しいインナーを買い足すかたも多いのでは?しかし、どんなインナーを選べば間違いなく快適に過ごせるのか、皆さんはご存知でしょうか。今回は、接触冷感効果が高い&透けないインナー選びをご紹介します。綿混合・綿100 を選ぶ接触冷感効果を期待する上で重要なのは、何よりも素材です。ひんやりと涼しさを感じる素材は天然素材では綿、シルク。化学繊維ではナイロン、レーヨン、キュプラになります。低価格で機能性を求めるならば化学繊維の配合が多いインナーがおすすめですが、汗を大量にかく方は天然素材の配合が多いインナーをおすすめしています。化学繊維は速乾性に優れているので衣服に付着した汗を乾かす力はあります。しかし、夏場の高温多湿環境で大量に汗をかいてしまう場合、化学繊維だけでは吸水性を発揮できず汗が乾く間を与えない状態に...。そのため、かなりの汗っかきさんにとっては接触冷感が持続しない上に汗も吸わないといった事態になりやすいです。(もちろん、個人差があるので化学繊維の機能性インナーで問題ないという方もいます)汗をしっかり吸収してくれるのは綿・シルクなどの天然素材。そのため、化合繊維100%のインナーよりも綿混合または綿100%のインナーを選ぶことを基本的にはおすすめします。化合繊維100%のインナーを選ぶ場合にも、たとえば速乾性の機能を高めたような、素材メーカーとインナーウェアブランドが共同開発した機能性インナーを探してみてください。シルケット加工・メッシュ加工を選ぶ素材と同時に意識して選びたいのは、加工です。最近、よく聞くシルケット加工とはシルクのような滑らかで手触りの良い加工法で、直接肌に触れるインナーウェアで取り入れられます。綿素材にシルケット加工が施されたインナーは、まるで高級シルクのようにひんやりとした着心地と吸湿性を発揮します。また、メッシュ加工は通気性に優れていて、熱がこもりにくい性質を持っているのでメッシュ加工が施されたインナーも接触冷感として良い効果を発揮します。透け防止ならベージュ&バーガンディ機能面はもちろんですが、薄着の夏はインナーの透け問題にも気をつけたいところ。王道にして最強の透けない色はやはり、ベージュです。ベージュもご自身の肌の色よりもワントーン暗いものを選んでください。色みに悩む時は、モカブラウンやグレージュといった色合いを選ぶのも良いでしょう。また、ベージュの他に透けない色として知られているのは深い色みの赤。可愛いインナーが欲しいけれど、ベージュ色ではテンションが上がらない時は、バーガンディのインナーを探してみると良いですね。また、ピッタリとしたTシャツを着る場合はインナーにレースなどが施されていると服の上から模様が浮いてしまうので、シンプルなモールドブラや、シームレスインナーを選んでください。アウトドアブランドのインナーは優秀!インナーは毎日着るものだからこそ、手頃な価格で買えるものが良いと思われがち。しかし、インナーウェアこそ量より質です。とくに汗をかく量は個人差がありますので、人によっては接触冷感インナーを買っても効果が得られないと感じるケースも少なくありません。もし、ノーブランドやプチプラ価格で購入したインナーに効果が感じられないときは、確かな機能性と品質を売りにしているアウトドアブランドが提供しているインナーウェアを検討してみてくださいね。イラスト・文 角 佑宇子
2024年06月22日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。最近は、スーツスタイルは仕事着としてだけではない!? おしゃれな人は、プライベートでもスーツをバッチリ着こなしています。今回は、海外で発見した素敵なスーツスタイルを紹介いたします。1. 素材も色も自分次第海外では、普段からスーツをおしゃれ着として着用する人をよく見かけます。このかたたちもスーツスタイルがバッチリ決まっていますよね!それぞれ素材も色もデザインだって異なりますが、自分らしいインナーやシューズを選んでいるように見えます。堅苦しい印象に見えないのが特徴的!2. 個性的な柄で勝負!ここまで来ると、好き嫌いがはっきりとわかれると思いますが、スーツ以外の小物選びまで完璧に自分らしさを表現しているようで、圧巻です!特に、スーツの中にデニム色のシャツをピックアップするなんて、なかなか想像できませんでした。おしゃれな人は、とことん自分の好きなものを選ぶんですね。3. デザインも柄もモダンで素敵最近人気の足首あたりを絞ったパンツスーツ。とってもスタイリッシュで特に夏によく海外で見かけるようになりました。サンダルとの相性も抜群で、スーツっぽく見えないのが特徴!色や柄も落ち着いていて、おしゃれなスーツを探しているかたには、こういうタイプがおすすめ!4. オーバーサイズで今時っぽくスーツだってオーバーサイズがあるんですね。タイトなスタイルは、仕事やきっちりとした場所ではぴったりですが、遊び心のあるスタイルをお探しの場合は、オーバーサイズを選ぶと、手っ取り早くトレンディースタイルを取り入れられます。ただし、せっかくのスーツでも、あまりにオーバーサイズすぎると、だらしなく見えてしまうので、気をつけて!5. スーツスタイルに見えるファッションスーツといえば、無地またはチェックという印象ですが、世界には柄物のスーツだってたくさん!こちらは、上下同じ柄のセットアップという感じではありますが、柄物を上手に取り入れても面白いですね。パーティーやプライベートで、上手にジャケット&パンツスタイルを起用してみて!いかがでしたでしょうか?今回はジャケット&パンツスタイルのスーツをピックアップしてみました。皆さまおしゃれに着こなしていて尊敬!日本ではまだまだ仕事着という印象かもしれませんが、今後はプライベートでも着用してみてはいかがでしょうか。写真・文 平野秀美
2024年06月16日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【ママライフばんざい!】連載第53回は、ときどき遭遇する“困ったママ”のうんざりエピソードをお届けします。1. 道を占領するママたち【ママライフばんざい!】vol.53日頃から家事や育児で忙しく、人によっては仕事も大変なママたち。気をつけているつもりでも、実はまわりに迷惑をかけていることもありそうです。実際にママたちが遭遇した“困ったママ”をご紹介。同じようなことをして、まわりに迷惑をかけないよう、気をつけましょう。都内の幼稚園にお子さんを通わせているAさんは、専業主婦として家庭のことをテキパキとこなしているママです。ご近所で同じくらいの年齢のお子さんがいるご家庭も、同じ幼稚園に通っていることが多く、親子で顔を合わせることもしばしばあったそうです。お子さんが幼稚園にも慣れてきた頃、親のほうも通園に慣れて、だんだんと送り迎えの際に井戸端会議をしだすママたちが増加。最初の頃は、声をかけられるとAさんもその輪の中に入っておしゃべりすることがあったものの、基本的に人のうわさ話などに興味がなく、徐々にあいさつだけしてサッと帰宅するようにしていたのだとか。ただ、Aさんのようなママばかりではなく、ひたすら公共の道を占領して話を続けているママたちは、他の人のことはおかまいなし。幼稚園の送り迎えをしている他の保護者の方や、その道を使いたい地域の人たちからは、井戸端会議をして通行人の邪魔になるママたちは白い目で見られていました。ずっとお子さんを家でお世話していて、ちょっと手が離れた解放感もあってついおしゃべりでストレス発散してしまうのかもしれません。ただ、できればお店などに場所を移して会話をするなど、場所だけでも適切な場所に変えられるといいですよね。2.習い事先で騒ぐママたちワーキングマザーのBさんは、お子さんが小学生になり、いくつかの習い事にお子さんを通わせるようになっていました。仕事が終わり、Bさんはお子さんを連れて習い事の場所まで送り、レッスンが終わるまで、保護者の休憩室で持参したパソコンや資料などを見ながら仕事の続きをすることも多かったようです。あるとき、あまり見覚えのないママさん2人組と幼児が3人、休憩室に入ってきました。「このお菓子食べる?」と大きな声で談笑しているママさん2人組の親子たち。いつもは静かな休憩室が、すっかり賑やかになったものの、そういうこともあるかとその日はやり過ごしていたBさんでしたが…。翌週、習い事に行くと、またそのママさん2人組と幼児3人が休憩室にいたそうです。「今日はおにぎりも作ってきたの、フフフ」とピクニックにでも行くかのような食べ物の用意をしているママと、幼児たちは「このお菓子食べようと持ってきた」と、Bさん以外にも仕事をしていたり、読書をしていたりする保護者がいるなかで、まるで休憩室が自分の部屋かのようにくつろいでいます。うるさくて仕事に集中できず、その場から離れる父母がいるなか、そのママさんたちはどこ吹く風で盛り上がっています。休憩室はみんなの休憩の場だということがわからず、マイペースすぎるママにはウンザリするのも納得。Bさんがあとで教室に確認すると、新しく入会した2人がいるとかで、そのママさんのところのお子さんと兄弟だと確認できたそうですが、トラブルを避けるためには直接注意しないほうがいいかもしれません。自分から嫌な場所を離れるか、教室の人からやんわり指摘してもらうとよさそう。いずれにしても、気の合うママがいて楽しくなってしまうのはわからなくはありませんが、周りへの配慮は忘れないでほしいものです。3.子どもから目を離すママたち新しい街に家族で引っ越したCさんは、家から近い場所に小さい公園があることを発見し、小さいお子さんを連れて出かけたそうです。ブランコや砂場など、ちょっとした遊具があるスペースがちょうどよく、時間があったら公園へ親子で行くことがありました。あるとき、ちょうど幼稚園が終わるぐらいの午後の時間に公園へ行くと、幼稚園終わりであろうママさん軍団とそのお子さんたちで小さな公園は満員に…。今日は遊ばせるのはムリそうだな、と帰ろうとすると、ふと目の前の砂場でけんかのようになっている子どもたちがいて、Cさんはやさしく止めに入りました。「お母さんたちは何をしてるの?」と思ってふとママさん軍団のほうを見ると、子どもたちには目もくれず、おしゃべりに夢中。とくに小さい子どもは、なんてことない場所でも思いもよらない動きをしてけがをすることもあります。おしゃべりが楽しいのはわかりますが、できればお子さんがいるときは、なるべく目を離さないでいてほしいものですよね。いろいろなタイプのママがいますし、家庭の事情も人それぞれ。なので、せめて公共の場所だけでも、家庭ごとにまわりに迷惑をかけない心掛けだけでも持っていられるといいですね。すべてのママさんがすこやかでいられますように!文・かわむらあみり©maru54/Adobe Stock文・かわむらあみり
2024年06月16日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は海外でも大人気のピンクのアイテムを取り入れたストリートスナップを紹介します。1. 鮮やかなピンクワンピース色がもつ優しさと華やかさが、見る人や着る人に対して安心感や幸福感を与えるのがピンクの魅力。また、華やかさがありながらも過度に派手すぎず、上品さを保ちながら女性らしさを引き立てることができます。特に春や夏の季節にぴったりで、さまざまなシーンで活躍するカラーとして人気!2. ポイントカラーで目立つ!ピンクのパンツをポイントカラーとして使用する魅力のひとつは、コーディネート全体に個性と鮮やかさをプラスできる点。ピンクは注目を集める色であり、シンプルなトップスや落ち着いた色のアイテムと組み合わせることで、全体のコーディネートが一気に華やかになります。また、ピンクのパンツを取り入れることで、ファッションに対するセンスや遊び心を表現でき、個性を引き立てる効果もあって魅力満載!3. こだわり抜かれたピンクコーデこちらは、計算されたように、ピンクとホワイトを上手に組み合わせたコーデ。「清潔感と女性らしさの両立」を感じられます。ホワイトはクリーンでシンプルな印象を与え、ピンクは優しさや華やかさをプラス。この組み合わせは、どちらの色もお互いを引き立て合い、バランスの取れたスタイリッシュな印象を作り出してくれます。また、ピンクとホワイトの組み合わせは、季節を問わず爽やかで明るい雰囲気を演出できるため、多くのシーンで好感を持たれるスタイルだと思います。4. かわいいが詰まったデザインと色こちらは、軽やかさとフェミニンさを演出しているスカートが特徴的な着こなし!透け感のある素材は動くたびに軽やかに揺れ、柔らかな印象を与えます。ピンクのもつかわいらしさや優しさがさらに引き立ち、女性らしい雰囲気を自然に演出できますよ。透け感のあるピンクのスカートは、特別な日のコーディネートにも普段使いにも適したアイテムと言えます。5. 淡いピンクで優しさ全開淡いピンクのコートの魅力のひとつは、「上品さと柔らかさを兼ね備えた印象を与える」こと。淡いピンクは派手すぎず、落ち着いた色合いでありながらも華やかさがあり、さらに優しい雰囲気を出してくれます。このため、コートという大きな面積のアイテムでも、自然で優雅な雰囲気を醸し出すことができます。また、エレガントさと柔らかさを同時に表現できるため、日常使いから特別なシーンまで幅広く活躍するアイテムです。いかがでしたでしょうか?今回は日本でも人気のピンクカラーを取り入れたファッションをピックアップしてみました。ピンクと言っても、かなり色にも違いがあるので、その時々にあった色を選んでお洒落を楽しんでくださいね!写真・文 平野秀美
2024年06月15日婚活で約1000人の男性と出会い、年下夫を射止めたライター・かわむらあみりがお届けするコラム【結婚引き寄せ隊】連載第174回は、婚活していると出会う“男性”についてのエピソードです。なかでも、いまでも印象に残っている「婚活男性3選」その61をお届けします。1.ため息ばかりの男【結婚引き寄せ隊】vol. 174それは30代の男女がメインの婚活パーティを探していたときのこと。だいたいは同じ会社が主催している多種類の婚活パーティに行っていたものの、カテゴリが似た条件のパーティでも、開催している会社が違うと集まる人たちの雰囲気も異なることもあって、あまり行ったことのない婚活パーティへ足を運びました。会場に着くと、30代がメインのはずが、どう見ても40代以上なのでは…? と思える男性も。反対に、女性は30代前半ぐらいから後半まで、バランスよく集まっているように見えました。そうして参加者を確認していると、ほどなく自己紹介タイムがスタート。まじめそうなサラリーマンの方と何人か挨拶をしたあと、目の前には、年配に見える男性がやってきました。「こんにちは」と挨拶をしたのもつかの間、すぐに「はぁ〜っ」と長いため息をつく男性。あれ? 聞き間違いかな…とすぐ相手を見ると、うつむきながらまた「はぁ〜」と、ため息。今度は目の前で見たので、やっぱりその男性がもらした息だとあっけにとられました。「こういう場所って、疲れますよね?」とその男性が話しかけてくるので、「はい」と返事すると、「早く帰りたくなりますよね?」とまたグチなのか、なぜか同意を求めるような質問をしてくるし、それともこちらを気に入らないからネガティブなことを言ってくるのか。まだパーティは始まったばかりなのになんだろうととまどっていたら、すぐ次の人の順番になってしまいました。テンションが下がったものの、他の男性はそんな失礼な態度の人はいなくて、あっという間に時間が過ぎていきました。フリータイムになって、ふと強烈な印象だったあのため息ばかりの男性ってどうなったんだろうと振り返ると、独り壁にもたれて静かに窓の外の景色を見つめていました…。本当に来たくなかったのに誰かに無理やり参加させられたのかも、と思いながらも、あれだけつまらなそうにしてたら女性も男性も寄りつかないはずだよ、と思ったのでした。時間を大切にしたいものです。2.すぐに価値を聞く男それは20代後半から40代前半までの男女が集まる飲み会に参加したときのこと。年齢層も職業もバラバラの人たちが集まっていたため最初はさほど盛り上がっていなかったものの、まったく知らない職種の人の話はなかなか興味深く、だんだんと和やかな雰囲気になっていました。ちょっと打ち解けてきたところで席替えとなり、男性たちは隣のテーブルへと移動。やってきたのは、ネクタイにスーツ姿でビシッとキメている男性と、素朴な印象のポロシャツ姿の男性でした。はじめは乾杯しながら、普通に飲み会を楽しんでいたのですが、同じテーブルの女性がスーツの男性がしていた腕時計を見て「わっ高そう!」と言った言葉にニヤリとしたその男性。「どれぐらいの価値があると思う?」と他のメンバーにドヤ顔で質問してきました。ちょっと引いてしまい、疲れるなあと思ってテキトーに会話していましたが、もうひとりの女性はピュアなのかそういった男性が好みなのか、「えっと何十万もするよね」と値段当てにノリノリ。その後もその男性は「そうそうこのスーツもの」とか、誰も聞いていないのにブランド名を自ら言い出したり、ブランドものだとまるわかりのロゴが入った財布をなぜかテーブルの上に出してきたり…。きっとまわりからの「すごい」という言葉を待っているのだろうか、と思ったものの、ハイブランドにまったく興味がないため、ひたすらお酒を飲んでやりすごし…。飲み会では、ざっくばらんに同じような価値観の男女が惹かれ合うので、わかりやすいなあと思ったのでした。3.自分語りが独特な男それは婚活サイトで出会いを探していたときのこと。そこでは相手の年齢や趣味など、ある程度希望する条件で絞っていき、お互いにマッチングした場合はまずメールでやりとりできるようになっていました。さっそく、希望する条件に合った男性を見つけることができて、相手からも好感触を得られたため、やりとりすることに…。「なんでも気になることがあったらメールしてください」とメッセージをもらったこともあり、とりあえずはプロフィールにあった趣味のことなどから質問しようかとメールしてみたのですが、返信の文面はまるで詩を綴っているような独特なものが届きました。とりあえず、気にせずやりとりをしていたら、今度もまた詩のような文面と、長々と続く自分についての語りがあって…。条件としても理想的でいい感じだと思っていたけれど、会おうとする前にその独特な返事を見て、きっとこの人とは仲良くなれそうにないな、と判断。そこからはやりとりを中断したのでした。もしかすると直接会ったら、それほど変わった人ではないかもしれないけれど、メールなどのテンポや感覚がズレすぎていても、なかなか距離を縮めたいと思いづらいものです。とはいえ、さまざまな出会い方があるので、そのうち自分に合った出会いが待っています。みなさんの恋や結婚も、素晴らしい未来が待っていますように!文・かわむらあみり©Paylessimages/Adobe Stock文・かわむらあみり
2024年06月14日5月に北米で公開され、興行収入ランキングで初登場1位に輝いた話題作『ブルー きみは大丈夫』がついに日本でも公開。スティーヴ・カレルやブラッドリー・クーパー、マット・デイモン、ジョージ・クルーニーなど、超豪華なボイスキャストが集まるなか、主演を務めたこちらの方にお話を聞いてきました。ケイリー・フレミングさん【映画、ときどき私】 vol. 647母親を亡くして孤独を抱える12歳の少女が、「イフ」と呼ばれる子どもにしか見えない空想の友達と冒険に乗り出していく姿を描いた本作。『ウォーキング・デッド』や『スター・ウォーズ』などでも活躍しているケイリーさんは、主人公の少女ビーを演じています。そこで、共演者である人気俳優のライアン・レイノルズさんや脚本と監督を務めた俳優のジョン・クラシンスキーさんとの裏話をはじめ、日本に対する思いや元気の秘訣などについて語っていただきました。―今回が初来日ということで、ラーメンを食べるなど日本を楽しんでいるようですが、日本はいかがですか?ケイリーさん日本には以前から行きたいと思っていたので、こうして日本に来ることができて、まるで夢のなかにいるような気持ちです。お花はキレイだし、緑も豊かだし、食べ物もおいしいし、会う方もみんな素敵な方ばかりなので、こういう機会に恵まれて自分は本当にラッキーだなと思っています。―なぜ日本に興味があったのでしょうか。ケイリーさんまずは、写真を見たときにとても美しいなという印象があったからです。あと、旅行で外国を訪れた人はだいたいその場所についていいことと悪いことの両方を言うものですが、日本に関してはいいことしか聞いたことがありませんでした。それってすごいことですよね!―そう言っていただけてうれしいです。ケイリーさん今回は滞在が短いので、今度またゆっくり来たいと思っています。脚本を読んだ瞬間に、自分とつながりを感じた―お待ちしております。では、作品についておうかがいしますが、監督のジョン・クラシンスキーさんによると、初めてケイリーさんに会ったときに「彼女がビーだ」と誰もが確信したそうですね。役作りではどのようなことを意識されましたか?ケイリーさん通常であれば、キャラクターに入るためにどうするかを考えるものですが、今回は特別でした。なぜなら、脚本を読んだ瞬間に自分とのつながりを感じたからです。なので、本作では役を演じたというよりも、全部私自身だったと言えるかもしれません。だから、この作品は自分にとって特別な1本になったのだと思っています。私としては、ジョンが“妖精の粉”をたくさん振りかけてくれたような感覚ですが、そのくらいマジカルな体験となりました。―なるほど。とはいえ、CGキャラクターを相手にした演技は大変だったのでは?ケイリーさん私にとっては初めてのことで心配もありましたし、難しい挑戦でもありましたが、それよりも楽しかったです。というのも、実際に役者さんがいてくれたり、段ボールで作ったキャラクターを置いてくれたり、ぬいぐるみでジョン自身が演じてくれたりしていたので。そのおかげで私たち俳優は、どんなキャラクターを相手にしているのかを把握した状態で演じることができました。ジョンは世界で最高の監督です!この映画で一番の挑戦は、笑わないようにすること―ライアン・レイノルズさんについては「この惑星で最も面白い人の一人」とおっしゃっているようですが、以前ananwebで取材させていただいたときにもフレンドリーで素敵な方だと感じました。彼との面白かったエピソードを教えてください。ケイリーさん劇中でイフたちの面接をするシーンがあるのですが、実は脚本には何も書かれていなかったので、ライアンと私は全部アドリブで演じているんです。そのときのライアンは面白すぎました。でも、笑わないなんて無理ですよね?だって、反対側ではジョンもみんな笑っているんですよ。映画では私が笑っている様子も映っていますが、あれはビーではなくて100%私です(笑)。もしかしたら、この現場で私にとって一番大変な挑戦だったのは、「笑わないこと」だったかもしれません。だとしたら、そんな素敵な挑戦はないですけどね。―ぜひ注目していただきたいシーンですね。ライアンさんは俳優としても素晴らしいので、ご一緒されて学ぶことも多かったのではないでしょうか。ケイリーさん本当に最高な方だなと思いました。いま話したように面白いのはもちろんですが、同時にすごく優しい方でもあります。彼がユーモアのある人物であることはみんな知っていると思いますが、彼のハートの大きさというのはもしかしたらあまり気付かれていない部分ではないかなと。この映画ではそういったところも見ることができます。彼のように、俳優としても父親としても夫としても友人としても素晴らしい方と知り合うことができて、本当によかったなと感じているところです。いまではすべてがイフに見えるようになっている―ご自身が幼い頃にも、空想の友達はいましたか?ケイリーさん私にはいなかったんですが、この作品に触れたことによって、いまではすべてがイフに見えるようになりました。氷が入ったグラスを見ても、何かの容器を見ても、ものを目にするたびに「あれもイフになり得るな」と考えるようになっています(笑)。―劇中でお気に入りのキャラクターがいれば、教えてください。ケイリーさん一番好きなのは、テディベアのルイス。聡明でいろいろなメッセージを発信してくれるところがいいですよね。なかでも心に残っているセリフは「一度愛したものは決して忘れることはない」です。というのも、私はすぐにいろんなことを忘れてしまうタイプなので(笑)。この作品の撮影が人生で一番楽しい経験ではありましたが、それもいつか忘れてしまうのではないかと心配していました。でも、そのルイスの言葉を聞いて安心しているところです。落ち込んでいるときに欠かせないのは音楽―素敵な言葉ですよね。普段、落ち込んだり、悩んだりしているときはどのようにして元気を取り戻していますか?ケイリーさん音楽を聴くことですね!ジャンルは問わずいろいろと聴くほうですが、一番好きなアーティストはテイラー・スウィフト。なぜなら、彼女の作品には、すべての人間の感情やムードに合わせた楽曲があるからです。そのなかでもお気に入りは、「Gorgeous(ゴージャス)」。ちょっと落ち込んでいても、この曲を聴くだけでハッピーな気持ちになれるんです。私は1歳からダンスをやっていることもあって、自分の人生と音楽は切り離せない部分もありますし、欠かせないものですね。―劇中ではさまざまな大人の姿も描かれていましたが、ケイリーさんはこれからどんな大人になりたいですか?ケイリーさんまだ考えたことがなかったですね(笑)。でも、いま思い浮かんだ人は、今回一緒に仕事をしたジョンとライアンです。2人ともつねに忙しいにもかかわらず、そういう姿を周りに見せないところが素晴らしいなと。本当にプロフェッショナルだし、優しいし、親切だし、そして何よりも地に足が付いているので、私もそういう大人になりたいです。劇場をあとにしたとき、笑顔になってほしい―今後の目標や夢はありますか?ケイリーさん『ブルー きみは大丈夫』という作品に出られたことで夢をひとつ叶えたような気分になっているので、まさにいま夢のなかに生きているような感じがしています。この作品はいろんなグッズが作られたりするほど人気になっていて、私の家族もみんな気に入ってくれたので、最近は「これ以上の経験ってあるのかな?」と思っているほどです。―それでは最後に、ananweb読者にメッセージをお願いします。ケイリーさんみんなでがんばって作った映画ですし、誰にとってもきっと何かが見つかる作品だと思っています。なので、とにかく観てほしいです!あと、私が一番望んでいるのは、劇場をあとにしたときみなさんが笑顔になっていること。そんなふうに楽しんでいただけたらうれしいです。インタビューを終えてみて…。つねに満面の笑顔を浮かべていて、ハッピーなオーラ全開のケイリーさん。一緒にいるだけで、こちらまで幸せな気分になりました。17歳になり、映画のときよりもグッと大人っぽくなっていたので少し驚きましたが、これからどんな大人に成長していくのかが楽しみなところです。大人こそ必要なのは子どもの心!日々の忙しさに追われるあまり、大人になると夢や想像を楽しむ気持ちを忘れがちなもの。誰もがふたたび子どもに戻れる本作では、人生に大切なものとは何かをもう一度思い出させてくれるはずです。ストーリー幼い頃に母親を亡くし、心に傷を抱えている12歳の少女ビー。ある日、おばあちゃんの家で、子どもにしか見えない“不思議な存在”のブルーと出会う。ブルーが友達だった子どもは、いまでは大人になって彼のことを忘れてしまっていた。居場所がなくなったブルーは、もうすぐ消えてしまう運命にあるという。そこで、ビーは大人だけどブルーが見える隣人の男の力を借り、ブルーの新しいパートナーになってくれる子どもを探すことに…。引き込まれる予告編はこちら!作品情報『ブルー きみは大丈夫』大ヒット上映中!配給:東和ピクチャーズ(C)2024 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2024年06月14日気になる話題の映像作品をおすすめするコラム【テレビっ子の窓】第15回。日本の作品から韓国の作品まで日々チェックしている、テレビウォッチャーで、ライター・エディター・エッセイストのかわむらあみりがお届けします。『ソンジェ背負って走れ』 U-NEXT独占配信中© CJ ENM Studios Co., Ltd.【テレビっ子の窓】vol.15もうすぐ雨の季節がやってきますね。しとしとと降る雨の中お散歩するのもオツなものですが、こんなときは、家でじっくり映像作品を観るのも楽しいものです。そこで今回は、おすすめの“ラブストーリー”が展開される最新の韓国ドラマをご紹介します!超能力一家と詐欺師のヒューマンラブ『ヒーローではないけれど』Netflixシリーズ『ヒーローではないけれど』独占配信中過去に戻ることができるポク・ギジュ(チャン・ギヨン)をはじめとしたポク家は、かつては超能力に恵まれていたものの、うつ病や不眠症、肥満、スマホ病といった現代病によって、現在は能力を失っていました。あるとき、ポク家が失った超能力を取り戻す救世主となる、不思議な女性ト・ダヘ(チョン・ウヒ)と出会ったことで、家族に変化が訪れて…。Netflixシリーズ『ヒーローではないけれど』独占配信中ギジュとダヘの運命の出会いかと思いきや、実は詐欺師のダヘ。しかし、過去のある出来事に導かれるように惹かれあっていくふたりから目が離せません。主要場面に時折挿入される音楽も冴えているヒューマンファンタジー『ヒーローではないけれど』(2024年)。主演のチャン・ギヨンといえば、昨年急逝した名優イ・ソンギュン×IUの名作『マイ・ディア・ミスター~私のおじさん~』(2018年)で、IUを痛めつける悪役だったことも鮮烈な印象に。今作では、闇を乗り越え愛する者を守ろうとする、それぞれの姿にじ〜ん!!アイドルとファンの時をかける恋物語『ソンジェ背負って走れ』『ソンジェ背負って走れ』 U-NEXT独占配信中© CJ ENM Studios Co., Ltd.アーティストのリュ・ソンジェ(ビョン・ウソク)は、不慮の事故で突然この世を去り、その現実を受け入れられない彼の大ファンのイム・ソル(キム・へユン)は、ひょんなことから15年前にタイムスリップ。ハッと気づくと高校生の自分に戻り、その状況に混乱するソル。そして時が戻ったことがわかり、ソルは最愛のソンジェが生きていられるように、運命を変えようとするのですが…。『ソンジェ背負って走れ』 U-NEXT独占配信中© CJ ENM Studios Co., Ltd.愛する“推し”の男性のために、ファンの女性がタイムスリップして奮闘するラブストーリー『ソンジェ背負って走れ』(2024年)。今作がきっかけで現在、大ブレイク中のモデル出身のビョン・ウソクと、『SKYキャッスル~上流階級の妻たち~』(2018年)などで活躍する若手実力派のキム・ヘユンが共演しています。何度も移り変わる時とともに、ふたりの運命はどのように変化するのか、そしてソンジェはどうなるのか、要注目です。放送業界の男女のラブコメディ『正直にお伝えします』Netflixシリーズ『正直にお伝えします!?』独占配信中人気アナウンサーのソン・キベク(コ・ギョンピョ)は、バラエティ番組の放送作家オン・ウジュ(カン・ハンナ)と、「高電圧、立ち入り禁止」の部屋で話していたところ、うっかり感電してしまいます。その影響でくしゃみをするとウソがつけなくなるキベクは、番組で暴走するようになり、退職。あるとき、そんな彼をウジュが手がけているバラエティ番組に引き入れることを思いついて…。Netflixシリーズ『正直にお伝えします!?』独占配信中キベクとウジュの恋模様も見逃せないラブコメディ『正直にお伝えします!?』(2024年)。“本音”をズバズバ言ってしまうキベクは、滑稽なところがありながらも、実に清々しく魅力的。恋愛リアリティ番組が繰り広げられる場面もあって、多様な番組の表と裏も楽しめます。キベク役のコ・ギョンピョは、三池崇史監督×スタジオドラゴンによる日韓合作ドラマ『コネクト』(2022年)の衝撃的な殺人鬼役や、パク・チャヌク監督の映画「別れる決心」での刑事役といったシリアスから今作のようなコメディまで、振り幅が広い!不思議な写真館が舞台のファンタジーラブ『ザ・ミッドナイトスタジオ ~恋人は訳ありカメラマン~』『ザ・ミッドナイトスタジオ ~恋人は訳ありカメラマン~』 U-NEXT独占配信中 © 2024 KT StudioGenie Co.,Ltd All rights reservedある寂れたところにあり、しかも夜にだけ開かれる写真館は、この世に未練を残した死者が最後の写真を撮影できる場所。そんな不思議な写真館のカメラマン兼7代目社長のソ・ギジュ(チュウォン)は、大きな悩みを抱えていました。あるとき、死者しか入れないはずの写真館に、なぜか熱血弁護士のハン・ボム(クォン・ナラ)が入ってきて…。『ザ・ミッドナイトスタジオ ~恋人は訳ありカメラマン~』 U-NEXT独占配信中 © 2024 KT StudioGenie Co.,Ltd All rights reserved幽霊がお客さんの写真館を舞台に展開するファンタジーラブコメディ『ザ・ミッドナイトスタジオ ~恋人は訳ありカメラマン~』(2024年)。昼は公務員、夜は怪盗として二重生活を送る主人公を演じた『スティーラー 〜七つの朝鮮通宝〜』(2023年)のチュウォンと、いまだ『梨泰院クラス』(2020年)でパク・ソジュン演じる主人公の初恋相手役だったことも印象深いクォン・ナラが共演。生と死のはざまで、生き抜こうとするギジュとボムの運命と恋の行方とは!?今回は、おうちでじっくり楽しめる、最新の“ラブストーリー”が展開される韓国ドラマをお届けしました。家で過ごす機会が多いこの季節、さまざまなストーリーを味わってみてくださいね。文・かわむらあみり文・かわむらあみり
2024年06月13日台湾映画界の巨匠ホウ・シャオシェン監督がプロデュースを手掛け、歴史ある「台北金馬映画祭」で4冠を獲得した話題作『オールド・フォックス11歳の選択』がついに日本でも公開を迎えます。そこで、こちらの方々にお話をうかがってきました。門脇麦さん & シャオ・ヤーチュエン監督【映画、ときどき私】 vol. 646本作で主人公の父であるタイライの初恋の女性ジュンメイを演じ、台湾人役に挑戦したのは幅広い作品で存在感を放っている門脇麦さん。そして、メガホンを取ったのは、ホウ監督から台湾ニューシネマの系譜を受け継ぐ担い手として期待されているシャオ・ヤーチュエン監督です。今回は、撮影の裏側や台湾と日本の違い、そして人生で大事にしている言葉などについて語っていただきました。―門脇さんはシャオ監督からの熱烈なオファーにより台湾映画初出演となりましたが、日本人ではなく台湾人の役ということで苦労された部分もあったのではないでしょうか。門脇さん事前に中国語を2か月くらい勉強して、セリフを丸暗記しました。でも、慣れない言語に引っ張られることなく、集中力を切らさずに感情に目を向けるというのが本当に難しかったです。一番大切なのは、“核”として何を大事にするのか―そんななかでも、演じていて楽しさを感じたこともありましたか?門脇さん今回は言語が大きな壁ではありましたが、日本の作品でも方言であったり、時代劇の言葉であったりすることもあるので、そもそも役者というのはいろんなことをする仕事だと思っています。ただ、そういうなかでも一番大切なのは、“核”として何を大事にするのか。この作品でいうと、どんなに環境が変わってもそこは同じなんだというのがわかったので、それは私にとって発見でした。―ホウ・シャオシェン監督からは「日本の俳優と仕事をしてみるといいよ」と前から勧められていたそうですが、実際にお仕事してみていかがでしたか?監督麦さんは集中力が高くて、まなざしもすごくチャーミングで引き付けられるので、素晴らしいなと思いました。これまで仕事をしたことがある日本の方は少ないですが、自分のなかでは日本人にはかしこまった方が多いイメージがあったんです。でも、麦さんは豪快でストレートな感じで全然違っていたので、そういうところもすごく好きでした。門脇さんあははは!日本にはかしこまっている人や真面目な人もちゃんといますよ。でも、私みたいなタイプもいるので、そこはさまざまですよね(笑)。日本の俳優には好意的な印象を持っている―門脇さんから監督に聞いてみたいことはありますか?門脇さんまた日本の俳優と仕事してみたいと思っていらっしゃるのか、そのあたりは気になっています。監督もちろんです!麦さんと仕事をしたおかげで、日本の俳優さんに対しては好意的な印象を持っているので、ぜひまたご一緒したいと思っています。―台湾と日本では、俳優のタイプに違いなどもあるのでしょうか。監督おそらく良い俳優に国籍は関係ないと思うのですが、ホウ監督からは「日本の俳優たちはすごく真面目だし、プロフェッショナルだよ」と随分言われてきました。それは本当にそうだったなと感じています。ただ、台湾の若い世代も非常に真面目で真剣に取り組んでくれるので、そういう意味では同じかもしれませんね。1つ1つの行為にぬくもりを感じた―今回の作品で門脇さんはご自身が求めるモノづくりが詰まっている現場に幸せを感じてグッとくることが何度もあったそうですが、どういったところに感銘を受けましたか?門脇さんまずは環境や体制が整っていますし、全員の士気が高くて魂を感じられたので、みんなで一緒に映画を作っている実感を持ちながら撮影を続けることができました。決して日本の現場にそういう部分がないという意味ではないのですが、日本と比べると時間的な余裕があったのは大きかったですね。あとは、つねに温かいご飯が用意されていて、ときにはスタッフの方々が炊き出しでお鍋を作ってくれたことも。役職に関係なくみんなで同じ釜のご飯を食べて撮影に臨んでいましたが、そういう1つ1つの行為にもぬくもりを感じました。―監督がご自身の現場で意識されていることがあれば、お聞かせください。監督いま麦さんが言ってくださったことは、台湾では当たり前のことだと思っていたので、特別していることはないのではないかなと。でも、もしかしたら僕は少し年を取っているので、ほかの人よりもぺースが遅いのかもしれません(笑)。門脇さんいやいや、それはないですよ!監督ただ、僕は出演してくれる人が気持ちよく現場にいてもらえる環境を提供するのは、当然のことだと考えています。俳優たちが落ち着いてスムーズに仕事をしてくれたほうが、監督としては結果的にいいものが撮れますから。そこについては妥協しませんし、彼らにもいい状態で演技をしてほしいと思っています。人生は行き着くところに行き着く―門脇さんは唯一の日本人キャストとして、台湾の俳優たちのなかに加わりましたが、コミュニケーションを取るためにしていたことはありますか?門脇さんいまは、配信が広まっていることもあって、みなさんが私の出演作である「浅草キッド」や日本のドラマをけっこう観てくださっていたのでそういう話で盛り上がりました。監督僕もそうですけど、最近の台湾では多くの人が日本の作品を観ていますからね。―本作では、主人公の少年が新たな価値観に触れて成長していく過程が描かれています。おふたりにもご自身の人生観を変えるような経験や影響を受けている言葉などがあれば、教えてください。監督僕は子ども時代よりも、大学を卒業して社会人になってからのほうが衝撃を受けることが多かったです。というのも、僕が入ったのは広告業界で、非常に商業的な世界だったので、人との付き合い方などがそれまでとは全然違うものだと感じて驚くことばかりでした。門脇さん私は子どもの頃に、父親から「人生はもう決まっているから、安心して前に一生懸命進みなさい」と言われたことがありました。これは「行き着くところに行き着くんだよ」という意味でもありますが、そういうのはあるんじゃないかなとつねに感じています。ふさわしいテーマがあれば、日本でも撮る可能性はある―門脇さんは海外の作品に参加したことで、心境の変化もありましたか?門脇さん私は仕事を始めてからまだ10年くらいしかたっていませんが、日本の映画界がよくなるためにはどうしたらいいんだろうかということをずっと考えています。海外進出というのはハードルが高いことではありますが、いまはいろんなコンテンツがあるので、同じアジアでもある台湾と日本でもっと行き来ができたらいいなと。それによって、お互いの作品をより深めるきっかけにもなるのではないかと思っています。そういう意味でも、今回は私にとってすごく希望のある映画出演になりました。―いつか監督が日本を舞台に作品を撮ることもあるかもしれませんよね。監督それにふさわしいテーマとストーリーがあれば、可能性はあると思います。私は最近の日本映画に詳しいわけではないですが、コマーシャリズムに走りすぎることなく人間関係や社会について真剣に撮っている方が多い印象です。しんどくなったら“荷物”を減らしていい―それでは最後に、ananweb読者に向けてメッセージをお願いします。監督教育者めいたことを言うつもりはありませんが、この映画を観たことによって、少しでもみなさんに影響を与えられたらうれしいです。門脇さんやりたいことがあればサッサとやればいいし、持ちたいものがあればどんどん持てばいいと思います。20代や30代は失敗してもすぐにやり直せるので、“荷物”はいっぱい溜め込んでもいいのではないかなと。そして、何が必要なのかがわかってくれば、徐々に軽くなっていくはずですから。以前なら「これがないと不安」と思っていたことも、「捨ててみたら意外と平気だった」という場合もあるので、無理に抱え込むことなくしんどいと思ったら荷物を減らしてみてください。インタビューを終えてみて…。和気あいあいとした撮影に始まり、取材中もつねに楽しそうにしていた門脇さんとシャオ監督。言葉が違っていても、おふたりが作り出す雰囲気からお互いへの信頼感が伝わってきました。このタッグによる新たな作品がいつかまた生まれるのを期待したいところです。俳優たちの演技に釘付けになる!社会が大きく変化していくなかで、11歳の少年がさまざまな現実にぶつかりながらも、成長していく姿を描いた本作。ストーリー展開に引き込まれるだけでなく、俳優陣の熱演にも心を揺さぶられる必見作です。写真・園山友基(門脇麦、シャオ・ヤーチュエン)取材、文・志村昌美門脇麦 ヘア&メイク 秋鹿裕子(W)スタイリング 渡邉恵子(KIND)赤ワンピース ¥27,500/DOUBLE STANDARD CLOTHING(フィルム/03-5413-4141)、ゴールドネックレス ¥12,100、ゴールドブレスレット ¥3,780(ともにABISTE/03-3401-7124)ストーリー台北郊外に父と2人で暮らす少年のリャオジエは、コツコツと倹約しながら、いつか自分たちの家と店を手に入れることを夢見ていた。ある日、リャオジエが出会ったのは、“老獪なキツネ”と呼ばれる地主のシャ。優しくて誠実な父とは真逆で、生き抜くためには他人なんか関係ないと言い放つ。そんななか、バブルでどんどん不動産の価格が高騰し、父子の夢が遠のいていく。その状況を目の当たりにしたリャオジエの心は揺らぎ始める。そして、人生の選択を迫られたリャオジエが選んだ道とは…。目が離せない予告編はこちら!作品情報『オールド・フォックス11歳の選択』6月14日(金)新宿武蔵野館ほか全国公開配給:東映ビデオ(C)2023 BIT PRODUCTION CO., LTD. ALL RIGHT RESERVED写真・園山友基(門脇麦、シャオ・ヤーチュエン)
2024年06月13日ヨーロッパ在住のファッションジャーナリスト、平野秀美さんのファッションスナップレポートです。今回は夏にどんなシューズを履けばいい?という疑問に答えてくれるようなストリートスナップを紹介いたします。1. やっぱり定番のスニーカースニーカーが人気の理由は、快適さ。優しいクッション性があるので足がサポートされ、長時間の歩行や立ち仕事でも疲れにくいですよね。また、最近では厚底スニーカーも人気で、脚長効果も抜群!海外ではワンピースやスーツなどにもスニーカーを合わせる人が多いほど。快適さと機能性が高いことから、夏でも人気です。2. ビーチサンダルでどこへでも!ビーチサンダルの魅力は、気軽さ!日本では1枚目の写真のようにスーツに合わせるかたはなかなか見かけませんが、海外では意外とあり!?軽量で持ち運びが容易であり、簡単に着脱できるため、海辺での活動だけでなくリラックスしたい時に最適です。また、デザインもシンプルでありながらカラフルでおしゃれなものが多く、カジュアルなスタイルに合わせやすい点も魅力です。3. 『ボッテガヴェネタ』のピンヒールサンダルで魅惑の足元エレガントに見せてくれるピンヒールは、足元を華奢に見せ、全体のスタイルを引き締める効果あり。履く人の姿勢や歩きかたを美しく見せることができ、ドレスアップしたい場面や特別なイベントに最適です。この『ボッテガヴェネタ』のピンヒールのように、エレガントで洗練された印象を与えることが、大きな魅力となっています。4. 太めのヒールサンダル太めのヒールサンダルの特徴は、なんと言っても安定感!ヒール部分が太く設計されているため、体重をしっかりと支えることができ、歩行時のバランスが取りやすくなります。また、ヨーロッパは石畳が多いので、ピンヒールよりも太めのヒールが人気。長時間履いていても足への負担が少なく、快適に過ごせることが多いです。5. 夏でもウェスタンブーツ!?頻繁に見かける訳ではないのですが、それでも見かける事が比較的多いのがウェスタンブーツ。夏なのに!?と思うかたもいると思いますが、ヨーロッパは日本ほど湿気が多くもなく暑くもないので、納得です。ウェスタンブーツの魅力は、独特のスタイルと個性。特徴的なデザインと装飾が施されており、その独特のスタイルはファッションに強いインパクトを与えてくれるので、シンプルなファッションの日には、アクセントとしてもってこい!また、丈夫な作りと耐久性も魅力。アウトドアやカジュアルなシーンだけでなく、ファッションアイテムとしても多くの人に愛されています。いかがでしたでしょうか?今回は夏にぴったりなシューズをピックアップしてみました。足元は意外と多くの人に見られていると言われます。シューズでビシッと決めると、ファッション全体を引き締める効果もあるので、ぜひこの夏も足元までおしゃれしてください。写真、文・平野秀美
2024年06月09日