ReNさんによる、サードアルバム『ReNBRANDT』は、最新のUKサウンドのテイストが色濃くありながら、歌が際立ったアルバムだ。エド・シーランのレーベルに所属するメイジー・ピーターズを招いた「One Last Try(feat. Maisie Peters)」も収録されている。「元々僕は10代の頃はスポーツ選手を目指していたっていうのもあって、選手たちを鼓舞する曲を作りたかったんです。そこで今は男性も女性も戦う時代であるので大好きなメイジー・ピーターズを招いて、男女のアンセムソングとして作りました」不安や苦悩を越えて、明日に向かおうとする意志が歌われている曲だが、その不屈さはReNさんの楽曲に通底するメッセージだ。「スポーツの世界にいた時は、一個一個積み木を重ねていって、それを俯瞰して『もっと頑張ろう』って思って進むことを生きがいにしてたんですけど、怪我をしてそれが崩れ去ってしまって。すごく苦しかったけど、そこで終わるのか未来に繋げられるかは、いま自分がどう動くか次第だなと思ったんです。音楽をやってる今でもその気持ちは強くありますね。昨日の自分より今の方が向上している実感を得ることがモチベーションに繋がるんです。僕、動いてなきゃ駄目なタイプなんですよね(笑)。他は前よりだいぶ大雑把になったんですけど」アップテンポでエネルギーに溢れる「Teenage Dreamers」でも、目指すべきものをつかみ取るのは自分自身だと綴っている。「僕は今27歳ですが、ずっと夢を追いかけていて、10代の時の感覚を未だに持ってるんですよね。10代の時の根拠のない自信ってすごく大事だなって。歳を取ると夢が妬みに変わってしまったり。そうなった時点でもう終わりだと僕は思ってるんです。結果も大事だけど、追いかけることがものすごく重要で。その気持ちを僕自身忘れたくないし、僕の音楽を聴いて一緒に歩んでくれる人たちにも忘れてほしくないって思ったので書いた曲です」生きる原動力を曲にする作業はどういうものなのだろう。「曲には自分が思っていることをちりばめることが絶対条件だと思ってるんです。それがないとどんなにメロディが美しくても曲として好きになれない。曲を聴いてくれる人と近い距離にいたいんです。もちろんヒット曲を出すことも嬉しいけど、聴いてくれる人と共存したい、そういう思いが一番なんです」3rdアルバム『ReNBRANDT』。自身初のコラボレーション曲であるアシックスCMソング「One Last Try(feat. Maisie Peters)」、先行シングル「Laid back」を含む全11曲収録。¥2,970(Warner Music Japan)ReN1994年2月28日生まれ。10代でプロスポーツ選手を目指し渡英。20歳からシンガーソングライターの道を志す。2015年FUJI ROCK FESTIVAL出演。’16年1stアルバム『Lights』リリース。※『anan』2021年9月15日号より。写真・小笠原真紀取材、文・小松香里(by anan編集部)
2021年09月13日シンガーソングライターのReN(25)が3月28日、東京・EX THEATER ROPPONGIで開催されたライブイベント「Spotify presents Early Noise Special」で、「Life Saver」「What I’m Feeling」「HURRICANE」の3曲を披露した。ReNは10代で単身イギリスに渡った後、20歳の春から本格的な音楽活動をスタート。ギター1本でステージに立ち、さまざまな楽器演奏を重ねて録音・再生が可能なループステーションを駆使するパフォーマンスがファンの心をつかんでいる。この日も、ステージ上でビートやコーラスを次々と重ね、観客を引き込んでいった。3曲を歌い終え、「こんなカッコいいセットで歌うことはなかなかないので、思う存分やらせていただきました」と晴れ晴れとした表情を魅せるReN。「本当に音楽が好きな人だと分かるようなキラキラした目で見てくれた。こんな贅沢な場所で歌わせてもらって。初めて僕の音楽を見て、どうしていいのか分からない人もいると思いますが、それも含めてライブとして楽しくやらせていただいています」と感想を述べ、「一体感のある、めちゃくちゃ良いライブです。最高です」と他のアーティスト含めて「Early Noise Special」を絶賛した。4月17日に「HURRICANE」をリリースし、約半年ぶりのワンマンツアー「衝動」を控えている。中でも、5月30日の会場・新木場STUDIO COASTには特別な思い入れがあり、「僕にとって音楽をスタートするきっかけになったライブがありました。2014年まで遡るのですが、僕の大好きなエド・シーラン、彼の初めてのワールドジャパンツアーが行われた会場です。自分はそこでライブを見て、『音楽をやろう』と思ってここまで来ることができた」と回顧。「必ずこのステージでやりたい」という熱い思いが5月30日に成就する。「その時、20歳ですごく葛藤があった時期でした。目の前で悩み事を吹き飛ばされるようなライブでした」「そういう経験をさせてもらったこそ、自分も音楽でそういうことをやりたい。その一心です」と語る通り、ReNにとってのエド・シーランは音楽活動のルーツとなった存在。過去には対談する機会もあり、「願ってもないようなタイミングで。一番会いたかった人に会えたことはすごく大きい。でも、それも1つの通過点として、もっと高いところに行きたい」と前を向く。人生の分岐点となったあの日。同じ“衝撃”を観客に届けるべく、「音楽しかできないから、それを通してみんなの悩み事とかを吹き飛ばせるようなライブをしていきたい」と意欲を燃やしている。世界で2億人以上が利用する音楽ストリーミングサービス・Spotifyが、新たな才能を音楽ファンにいち早く紹介してきた「Early Noise」プログラム。「Spotify presents Early Noise Special」は初の開催となり、プレイリスト「Early Noise」をきっかけに再生回数やリスナー数が急増したアーティストを選出し、あっこゴリラ、ビッケブランカ、SIRUP、ドミコ、RIRI、Nulbarich、ReN、Official髭男dismが出演した。
2019年04月05日