映画業界最大の祭典であるアカデミー賞授賞式が2月22日(現地時間)に迫った。第87回を迎える今年は、各賞とも「本命」「対抗」「ダークホース」が拮抗しており、例年以上に予想が難しい混戦模様となっている。「長編アニメ映画賞」もその例外ではない。今回は現在、日本でも大ヒット中の『ベイマックス』をはじめ、『ヒックとドラゴン2』(仮題)、『The Boxtrolls』(原題)、『Song of the sea』(原題)、そして日本から高畑勲監督の『かぐや姫の物語』がノミネーションに名を連ねた。スタジオジブリの作品が候補に挙がるのは、宮崎駿監督の『風立ちぬ』に続き2年連続。通算ではオスカーを獲得した『千と千尋の神隠し』を含めて、4度目となる。現時点では、前哨戦にあたるゴールデングローブ賞の「アニメ映画賞」、そして“アニメ界のアカデミー賞”と呼ばれるアニー賞でも「作品賞」の栄冠を勝ち取った『ヒックとドラゴン2』が一歩リードしている。製作するドリームワークス・アニメーションは『シュレック』『マダガスカル』などで知られるが、近年は不調続きで最近、大規模なリストラを発表したばかり。ぜひとも受賞し、重い雰囲気に風穴を開けたいだろう。昨秋、『ヒックとドラゴン2』を鑑賞する機会を得たが、前作同様に主人公とドラゴンの冒険と成長を描く「絆のドラマ」を軸に、意外性に富んだシナリオとおとぎ話に対する批評精神は健在(それらは、いまやディズニーの十八番となった)。これに比べると、『ベイマックス』はあらゆる面で洗練されており、優等生過ぎる印象もある。アナ雪旋風の反動もあり、受賞には若干パンチ不足かもしれない。そもそも「長編アニメ映画賞」の混戦は、『ファインティング・ニモ』『トイ・ストーリー3』など過去7回も同賞を受賞しているピクサーの新作が2014年は“不在”だったから。さらに当初、本命視されていた『LEGO(R)ムービー』の“脱落”が混戦に拍車をかけている。最後に日本人が想像する以上に、アカデミー会員にはジブリ信仰者が多く、『かぐや姫の物語』にも大いにチャンスがあることを付け加えたい。(text:Ryo Uchida)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTK
2015年02月13日2014年度映画賞の、ノミネートや発表が相次ぐこの季節。中でもアメリカのアカデミー賞といえば言わずもがな、全米はもちろん世界中の映画ファン、エンタメファンが注目している一大イベント。日本でも、毎年WOWOWで放送される授賞式の生中継放送は映画ファンや映画関係者がかじり付きでその行方を見届ける番組だが、その生中継を映画館の大スクリーンで大勢の観客とともに見届けよう、というイベントの開催が今年も決定した。その他の写真本企画は、WOWOWで放送される生中継番組をTOHOシネマズ 六本木ヒルズの大スクリーンで大勢の観客と共にリアルタイムに楽しんでしまおうという日本唯一の企画。例年、当日は会場でのスマートフォンの利用を解禁しており、特設サイトを通じてツイッターでリアルタイムに感想を共有しながら楽しむこともできる。授賞式前のレッドカーペットの様子や、これまで歴代、映画史に残る名言を数多く生み出している受賞者のスピーチは、大スクリーンだと迫力と感動も倍増。何より、順を追って各賞が発表されるその緊張感や、事前の当たり外れを含む悲喜こもごもは、ひとりで見るのとはまた違った感動が味わえそうだ。日本アカデミー賞パブリックビューイングイベント3月3日(月) TOHOシネマズ 六本木ヒルズ「第86回アカデミー賞授賞式」生中継!3月3日(月) 午前9時00分~ WOWOWプライムにて「第86回アカデミー賞授賞式」字幕版3月3日(月) 夜9時00分~ WOWOWプライムにて※時間変更の場合あり
2015年02月13日ドキュメンタリー映画『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』が第69回毎日映画コンクールでドキュメンタリー映画賞を受賞したことを受け、同作に出演した石川一雄さん(76)が10日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われたオープニングセレモニーに出席した。1963年5月1日に埼玉県狭山市で女子高生が殺害された「狭山事件」で無期懲役とされて服役し、仮釈放後も冤罪を訴え続けている石川一雄さん。同作はその石川さんと妻・早智子さんの「泣き笑い怒り、日々を凛として生き抜く」夫婦の姿を3年にわたって密着したドキュメンタリー作品となっている。観客の拍手を浴びながら早智子さんと共にグリーンカーペットに立った石川さんは「まさか、こういう賞をいただけるとは思いもしませんでした」と受賞に驚き、「これからやがて無罪になると思いますが、この賞を励みに生涯を生きていこうと思います」と喜びを伝えた。表彰式では、金聖雄監督が制作スタッフを代表してトロフィーを受け取った。金監督は、石川さんと会うまで「殺人犯と呼ばれている人はどんな人だろう」「きっと暗くて怖くて不幸の塊のようなそんな人なんじゃないか」と不安を抱いていたが、夫婦そろって対面した時に「現実を真正面から受けとめて凛と生きるその姿」を目の当たりにし「とても心を揺さぶられました」。事件の真相を解明する映画ではなく「2人のラブストーリーとして描こう」と決心したのは、その時だったという。
2015年02月11日第69回毎日映画コンクールのオープニングセレモニーが10日、神奈川・ミューザ川崎シンフォニーホールで行われ、各賞を受賞した綾野剛、伊藤英明、鈴木京香、三代目J Soul Brothers・登坂広臣らがグリーンカーペットに登場した。同賞は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社などが主催している映画賞。表彰式を前に、受賞者はグリーンカーペットを歩き、詰めかけた約300人の観客からの声援に応えた。『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』で男優助演賞を受賞した伊藤は、「早く帰りたいなと。この賞をいただくのは本当に光栄なことなんですけども、なんとかトロフィーだけ家に郵送してもらいたいなという気分です」と冗談を交えて受賞の喜びを語り、司会者から「表彰式までまだまだ続きますが」と心配されると、「はい。楽しみます!」と笑顔で答えた。会場で最も黄色い声援を浴びたのが『ホットロード』でポニチグランプリ新人賞を受賞した登坂。「このような名誉ある賞をいただけたのも皆さんのおかげだと思っています」と感謝し、「これからも日々精進してがんばっていきます」と意気込みのコメント。一方、『そこのみにて光輝く』で男優助演賞を受賞した綾野は観客に一礼しながらグリーンカーペットを歩き、「素直にうれしいです」と笑顔。「監督の表情を見て、監督の言葉をよく聞いたのを覚えています」と撮影を振り返った。昨年は加賀まりこが受賞した田中絹代賞には鈴木京香。着物姿で登場し、「とてもとても大きな大きな賞を頂戴したので、正直申し上げますととても驚いています」と恐縮。「この名前に失礼のないようにこれからもっともっといろんな役を演じていきたいと思います。田中さんのような『日本の母親像』を私も目指して少しずつ前に進んでいけたらと思います」と女優としての抱負を語った。■受賞一覧<作品部門>日本映画大賞:『私の男』日本映画優秀賞:『そこのみにて光輝く』外国映画ベストワン賞:『6才のボクが、大人になるまで。』<監督賞・脚本賞>監督賞:呉美保『そこのみにて光輝く』脚本賞:安藤桃子『0.5ミリ』<俳優部門>男優主演賞:綾野剛『そこのみにて光輝く』女優主演賞:安藤サクラ『0.5ミリ』男優助演賞:伊藤英明『WOOD JOB!~神去なあなあ日常~』女優助演賞:池脇千鶴『そこのみにて光輝く』ポニチグランプリ新人賞:登坂広臣『ホットロード』ポニチグランプリ新人賞:小松菜奈『渇き。』田中絹代賞:鈴木京香<スタッフ部門>撮影賞:シグママコト『紙の月』美術賞:林田裕至、佐久嶋依里『喰女-クイメ-』音楽賞:周防義和『舞妓はレディ』録音賞:藤本賢一『永遠の0』<ドキュメンタリー部門>ドキュメンタリー映画賞:『SAYAMA みえない手錠をはずすまで』<アニメーション部門>アニメーション映画賞:『ジョバンニの島』大藤信郎賞:『澱みの騒ぎ』<TSUTAYA映画ファン賞>TSUTAYA映画ファン賞(日本映画部門):『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』TSUTAYA映画ファン賞(外国映画部門):『アナと雪の女王』<特別賞>特別賞:野上照代(元黒澤映画助手)
2015年02月10日英国アカデミー賞が8日(現地時間)に発表になり、『6才のボクが、大人になるまで。』が作品賞や監督賞など主要部門で受賞した。最多受賞作は5部門を制した『グランド・ブダペスト・ホテル』。オリジナル脚本賞、作曲賞、美術賞、衣裳デザイン賞、メイクアップ&ヘア賞と主に技術部門で表彰された。英国作品を対象とした英国映画作品賞に輝いた『博士と彼女のセオリー』は、主演男優賞(エディ・レッドメイン)、脚色賞を受賞。主演女優賞はジュリアン・ムーア(『アリスのままで』)、助演男優賞はJ・K・シモンズ(『セッション』)、助演男優賞はパトリシア・アークエット(『6才のボクが、大人になるまで。』)、とこれまで各映画賞で勝ち進んできた本命たちが順当に受賞を果たした。アメリカでは『6才のボクが、大人になるまで。』の対抗作として健闘している『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』はエマニュエル・ルベツキが撮影賞を受賞した。主な授賞結果は以下の通り作品賞:『6才のボクが、大人になるまで。』英国映画作品賞:『博士と彼女のセオリー』監督賞:リチャード・リンクレーター(『6才のボクが、大人になるまで。』)オリジナル脚本賞:ウェス・アンダーソン(『グランド・ブダペスト・ホテル』)脚色賞:アンソニー・マッカーテン(『博士と彼女のセオリー』)主演男優賞:エディ・レッドメイン(『博士と彼女のセオリー』)主演女優賞:ジュリアン・ムーア(『アリスのままで』)助演男優賞:J・K・シモンズ(『セッション』助演女優賞:パトリシア・アークエット英国脚本家、監督、プロデューサーによるデビュー作賞:『Pride』(原題)外国語映画賞:『イーダ』アニメ映画賞:『LEGOムービー』(text:Yuki Tominaga)
2015年02月10日英国アカデミー賞の最優秀作品賞に、リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』が選ばれた。監督賞も、リンクレイターが受賞。この数週間、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が、プロデューサー組合賞(PGA)、映画俳優組合賞(SAG)、監督組合賞(DGA)を立て続けに受賞し、フロントランナーに躍り出ていたが、オスカー作品賞の結果と一致することが多い英国アカデミー賞を『6才のボク~』が受賞したことで、さらに激戦の度合いが増した。その他の写真イギリス映画部門は、『博士と彼女のセオリー』が受賞。同作品では、エディ・レッドメインが主演男優賞を受賞している。主演女優賞には、『アリスのままで』のジュリアン・ムーアが輝いた。助演男優賞は、『セッション』のJ・K・シモンズ、助演女優賞は『6才のボク~』のパトリシア・アークエット。脚本賞は『グランド・ブダペスト・ホテル』、脚色賞は『博士と彼女のセオリー』が受賞した。文:猿渡由紀
2015年02月09日『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥが、監督組合賞(DGA)の長編映画部門を受賞した。DGAの受賞者は、ほとんどの場合、オスカーでも監督賞を受賞している。その他の写真これまでは『6才のボクが、大人になるまで。』のリチャード・リンクレイターが監督部門の最有力候補と思われてきたが、この結果を受けて、イニャリトゥがフロントランナーに躍り出た形だ。『バードマン~』は、さらに、オスカー予測の決め手となるプロデューサー組合賞(PGA)と映画俳優組合賞(SAG)も受賞している。しかし、『6才のボク~』への支持もまだ根強くあり、あと10日のうちに、どんな変化があるかはわからない。一方で、テレビ部門では、『HOMELAND/ホームランド』のレスリー・リンカ・グラッターがドラマで、『Transparent(原題)』のジル・ソロウェイがコメディで受賞している。文:猿渡由紀
2015年02月09日シンガーソングライターの片平里菜が2月5日、東京・新宿ピカデリーで行われた米映画『はじまりのうた』の公開記念イベントに出席し、第87回アカデミー賞で歌曲賞候補となった主題歌『LOST STARS』のカバーを生披露。「人前で歌ってみると、改めて曲の良さが分かりますね」と魅力を話した。その他の写真ニューヨークを舞台に、恋人に裏切られたシンガーと落ち目の音楽プロデューサーが、アルバム制作を通して心を通わせるハートフルな音楽ドラマ。キーラ・ナイトレイとマーク・ラファロが共演し、アカデミー歌曲賞を受賞した『ONCE ダブリンの街角で』のジョン・カーニー監督がメガホンをとる。「誰もいないライブハウスで歌ったり、失恋して曲を作ったり、ヒロインの行動すべてが自分と重なった。とても共感したし、感動した」と語る片平は、最近ニューヨークを訪ねたばかりだといい「映画を観ると、また行きたくなりますね。(劇中シーンのように)ニューヨークの街中でレコーディングしてみたい」と思いをはせた。この日、披露した『LOST STARS』はヒロインが恋人へクリスマスプレゼントとして贈った特別な一曲で、片平は「私自身の心にも刺さる曲で、影響を受けたオリジナル曲もできつつあるほど。20代になった今は、音楽を聞いてくれる人を思い浮かべながら、曲作りするようになりましたね」と強くインスパイアされた様子だった。現地2月22日に行われる第87回アカデミー賞授賞式では、恋人役で出演する人気ロックバンドMaroon 5のアダム・レヴィーンが同曲を披露する予定になっている。『はじまりのうた』2月7日(土)シネクイント、新宿ピカデリーほか全国公開
2015年02月06日2014年のサンダンス映画祭で、「大胆」「危険」「熱すぎる」と悲鳴に近い賞賛を受けながら「グランプリ」&「観客賞」W受賞の快挙を成し遂げ、本年度のアカデミー賞では「作品賞」「助演男優賞」ほか5部門にノミネートされ、注目を浴びている『セッション』。このほど、その予告編とポスタービジュアルが解禁!文字通り“血のにじむ”狂気のレッスンが明らかとなった。ニューヨークの名門音楽大学に入学した若きドラマー、アンドリュー・ニーマン(マイルズ・テラー)。彼はフレッチャー(J・Kシモンズ)のバンドにスカウトされる。ここで成功すれば偉大な音楽家になる、という彼の夢は叶ったも同然。だが、待ち受けていたのは、常人には理解できない“完璧”を求める狂気のレッスンだった――。今回届いた予告編映像では、まだほんの序盤から「テンポが違う」と物を投げつけ、強烈なビンタを食らわせ、さらには「もっと、もっと速く!」と煽る、鬼教師フレッチャーの狂気のレッスンの一部が収められている。彼が求める音楽を引き出そうと、追い詰められながらもドラムを叩き続けるニーマンの手には、文字通り、血がにじんでいく。この驚異の作品をわずか3億円の制作費で、そして28歳という若さで創りだしたのは、恐るべき新人デイミアン・チャゼル(監督・原案・脚本)。監督自身の実体験が基になっているという。主人公ニーマンに扮するのは、吹き替えなしでドラムに挑戦した2015年ブレイク必至の若手男優、『ダイバージェント』のマイルズ・テラー。そして、鬼教師フレッチャーには『スパイダーマン』『JUNO/ジュノ』の“見た目はいかついけど、実は心優しい”イメージの強かったJ・K・シモンズ。名バイプレイヤーとして活躍してきたシモンズは、キャリア最高の演技で世界中の観客を震わせ、賞レースを独走。アカデミー賞「助演男優賞」も、ほぼ手中に収めたも同然とされている。恋人、家族、人生さえも投げ打ち、フレッチャーが目指す極みへと這い上がろうともがくニーマン。原題の『Whiplash』(=ムチ打ち)さながらに、究極&最狂の師弟がスクリーンに刻み付けるラスト9分19秒の演奏シーンは、圧巻。まずはその“狂演”VS“快演”のバトルを、こちらから確かめてみて。『セッション』は4月17日(金)よりTOHOシネマズ 新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年02月04日第21回全米映画俳優組合賞(SAG賞)が25日(現地時間)にロサンゼルスで発表になり、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』がキャスト賞を受賞した。SAG賞は作品ではなく、俳優の演技を対象とした賞であり、キャスト賞はアカデミー賞における作品賞に相当する。『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』は前日発表の全米プロデューサー組合(PGA)賞も受賞していて、最多9部門で候補になっている第87回アカデミー賞受賞にまた1つ駒を進めた。映画部門の主演男優賞は、ゴールデン・グローブ賞のドラマ部門を受賞したエディ・レッドメイン(『博士と彼女のセオリー』)に輝いた。主演女優賞はジュリアン・ムーア(『アリスのままで』)、助演男優賞はJ・K・シモンズ(『セッション』)、助演女優賞はパトリシア・アークエット(『6才のボクが、大人になるまで。』)、とオスカー本命視されている候補が順当に受賞した。アクション・シーンのスタント演技に贈られるスタント・アンサンブル賞は、アンジェリーナ・ジョリー監督の『Unbroken』(原題)が受賞。テレビ部門のドラマ・キャスト賞はイギリスのTVシリーズ「ダウントン・アビー」、コメディ・キャスト賞は「Orange is the New Black」(原題)が受賞した。映画部門の受賞結果は以下の通り。キャスト賞:『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』主演男優賞:エディ・レッドメイン『博士と彼女のセオリー』主演女優賞:ジュリアン・ムーア『アリスのままで』助演男優賞:J・K・シモンズ『セッション』助演女優賞:パトリシア・アークエット『6才のボクが、大人になるまで。』スタント・アンサンブル賞:『Unbroken』(原題)(text:Yuki Tominaga)
2015年01月27日全米映画俳優組合賞(SAG)のキャスト賞(Outstanding Performance by A Cast in A Motion Picture)に、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』が選ばれた。同作品は前夜に発表されたプロデューサー組合賞(PGA)も獲得しており、オスカーにまたもや一歩近づいた。その他の写真映画部門の主演男優賞は、『博士と彼女のセオリー』のエディ・レッドメイン、主演女優賞は『アリスのままで』のジュリアン・ムーアが獲得。助演男優賞には『セッション』のJ・K・シモンズ、助演女優賞には『6才のボクが、大人になるまで。』のパトリシア・アークエット。テレビ部門シリーズのアンサンブル賞に輝いたのは、『ダウントン・アビー』(ドラマ)と、『Orange is the New Black(原題)』(コメディ)。ドラマシリーズの主演男優賞は『ハウス・オブ・カード 野望の階段』のケビン・スペイシー、主演女優賞は『How to Get Away with Murder(原題)』のヴィオラ・デイヴィス、コメディシリーズの主演男優賞は『シェイムレス 俺たちに恥はない』のウィリアム・H・メイシー、主演女優賞は『Orange is the New Black(原題)』のウゾ・アドゥバが獲得している。文:猿渡由紀
2015年01月26日毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社が共催する、日本で最も歴史ある映画賞のひとつ「第69回毎日映画コンクール」。1月21日(水)、受賞作品並びに受賞者が発表され、最高賞にあたる日本映画大賞を熊切和嘉監督の『私の男』が受賞。さらに綾野剛・主演作『そこのみにて光輝く』が男優主演賞を含め最多4部門を受賞した。毎日映画コンクールは、映画業界団体、映画配給会社、映画評論家の投票によって決定するもので、俳優たちの演技や作品はもちろん、美術や照明や録音などの映像スタッフ、故人の名を冠する賞など、幅広い部門を設け顕彰を続けてきた。今回大賞に輝いたのは、桜庭一樹による直木賞受賞のベストセラーを熊切監督によって映画化された『私の男』。「第36回モスクワ国際映画祭」コンペティション部門で最優秀作品賞と最優秀男優賞(浅野忠信)をW受賞。さらにその後「ニューヨーク・アジア映画祭」では、二階堂ふみがライジング・スター賞を受賞するなど日本のみならず海外からも注目を集めた。また最多部門となったのは呉美保監督が手がける『そこのみにて光輝く』。日本映画優秀賞、監督賞(呉美保)、男優主演賞(綾野剛)、女優助演賞(池脇千鶴)と数々の賞を総なめにした。そのほか女優主演賞に『0.5ミリ』の安藤サクラ、男優助演賞に『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』の伊藤英明が受賞する中、スポニチグランプリ新人賞に輝いたのは、先日発表された「第38回日本アカデミー賞」でも新人賞を獲得した登坂広臣。「三代目J Soul Brothersrs from EXILE TRIBE」で活躍し、映画『ホットロード』では能年玲奈と共演し銀幕デビューを果たした。また、中島哲也監督の劇薬映画『渇き。』で“天使と悪魔の顔を持つ女子高生”という難役に挑んだ小松菜奈が受賞。その後も山下智久と『近キョリ恋愛』共演、さらに今年公開を控える実写映画化作品『バクマン。』でもヒロイン役を演じるなど今後のブレイク女優として注目を集める新人女優だ。表彰式は、2月10日(火)川崎市のミューザ川崎シンフォニーホールにて行われる予定。<第69回毎日映画コンクール/受賞一覧>■日本映画大賞:『私の男』(熊切和嘉監督)【作品部門】■日本映画優秀賞:『そこのみにて光輝く』■外国映画ベストワン賞:『6才のボクが、大人になるまで。』【監督賞・脚本賞】■監督賞:呉美保(『そこのみにて光輝く』)■脚本賞:安藤桃子(『0.5ミリ』)【俳優部門】■男優主演賞:綾野剛(『そこのみにて光輝く』)■女優主演賞:安藤サクラ(『0.5ミリ』)■男優助演賞:伊藤英明(『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』)■女優助演賞:池脇千鶴(『そこのみにて光輝く』)■スポニチグランプリ新人賞:登坂広臣(『ホットロード』):小松菜奈(『渇き。』)■田中絹代賞:鈴木京香【スタッフ部門】■撮影賞:シグママコト(『紙の月』)■美術賞:林田裕至、佐久嶋依里(『喰女 -クイメ-』)■音楽賞:周防義和(『舞妓はレディ』)■録音賞:藤本賢一(『永遠の0』)【ドキュメンタリ―部門】■ドキュメンタリー映画賞:『SAYAMAみえない手錠をはずすまで』【アニメーション部門】■アニメーション映画賞:『ジョバンニの島』■大藤信郎賞:『澱みの騒ぎ』【TSUTAYA映画ファン賞】■日本映画部門:『るろうに剣心京都大火編/伝説の最期編』■外国映画部門:『アナと雪の女王』【特別賞】■野上照代(スクリプター)(text:cinemacafe.net)■関連作品:私の男 2014年6月14日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2014「私の男」製作委員会そこのみにて光輝く 2014年4月19日よりテアトル新宿ほか全国にて公開(C) 2014 佐藤泰志 / 「そこのみにて光輝く」製作委員会渇き。 2014年6月27日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開(C) 2014「渇き。」製作委員会ホットロード 2014年8月16日より全国にて公開(C) 2014「ホットロード」製作委員会 (C) 紡木たく/集英社
2015年01月21日1月14日(水)、「第38回日本アカデミー賞」の優秀賞が発表され、岡田准一(V6)が優秀主演男優賞(『永遠の0』)と優秀助演男優賞(『蜩ノ記』)をW受賞。最多受賞となったのは、吉永小百合・主演の映画『ふしぎな岬の物語』だった。また、新人俳優賞では福士蒼汰や池松壮亮らが受賞した。同賞は、2013年12月15日~2014年12月13日の間に、東京地区において有料で初公開された優秀な劇場用映画およびアニメーション作品を表彰したもの。授賞式の女性司会者は、前年の最優秀主演女優賞を獲得した女優が務めるのが恒例となっており、今年は昨年、『さよなら渓谷』で最優秀主演女優賞を受賞した真木よう子が司会を務めることで話題を呼んでいる。受賞結果を見てみると、昨年、映画にNHK大河ドラマにと大活躍だった岡田さんが勢いそのままに、優秀主演男優賞と優秀助演男優賞をダブル受賞。さらに、優秀主演女優賞に目を向けてみると、13部門で最多受賞となった『ふしぎな岬の物語』から吉永さんを始め、『紙の月』の宮沢りえ、『私の男』の二階堂ふみ、『0.5ミリ』の安藤サクラ、『そこのみにて光輝く』の池脇千鶴、『白ゆき姫殺人事件』の井上真央と絢爛豪華な顔ぶれが並ぶ。一方で、若手俳優が選出される新人俳優賞では、まさに“人気沸騰中”の福士蒼汰(『イン・ザ・ヒーロー』『神さまの言うとおり』『好きっていいなよ。』)、問題作として賛否を巻き起こした『渇き。』の小松菜奈、朝ドラから鳴り物入りでスクリーンに登場した能年玲奈(『ホットロード』)、独特な空気感で女性たちのハートを捉える池松壮亮(『紙の月』『愛の渦』『ぼくたちの家族』)など、こちらも2月27日に行われる授賞式当日は大きな注目を集めそうだ。【第38回日本アカデミー賞優秀賞/受賞結果一覧】<優秀作品賞>■『永遠の0』■『紙の月』■『小さいおうち』■『蜩ノ記(ひぐらしのき)』■『ふしぎな岬の物語』<優秀主演男優賞>■阿部寛:『ふしぎな岬の物語』■岡田准一:『永遠の0』■佐々木蔵之介:『超高速!参勤交代』■中井貴一:『柘榴坂の仇討』■役所広司:『蜩ノ記(ひぐらしのき)』<優秀主演女優賞>■安藤サクラ:『0.5ミリ』■池脇千鶴:『そこのみにて光輝く』■井上真央:『白ゆき姫殺人事件』■二階堂ふみ:『私の男』■宮沢りえ:『紙の月』■吉永小百合:『ふしぎな岬の物語』<優秀助演男優賞>■阿部寛:『柘榴坂の仇討』■伊藤英明:『WOOD JOB!(ウッジョブ)~神去なあなあ日常~』■岡田准一:『蜩ノ記(ひぐらしのき)』■笑福亭鶴瓶:『ふしぎな岬の物語』■三浦春馬:『永遠の0』<優秀助演女優賞>■大島優子:『紙の月』■黒木華:『小さいおうち』■小林聡美:『紙の月』■竹内結子:『ふしぎな岬の物語』■富司純子:『舞妓はレディ』<優秀アニメーション作品賞>■『思い出のマーニー』■『ジョバンニの島』■『名探偵コナン 異次元の狙撃手(スナイパー)』■『BUDDHA2 手塚治虫のブッダ-終わりなき旅-』■『STAND BY ME ドラえもん』<優秀監督賞>■小泉堯史:『蜩ノ記(ひぐらしのき)』■成島出:『ふしぎな岬の物語』■本木克英:『超高速!参勤交代』■山崎貴:『永遠の0』■吉田大八:『紙の月』<優秀脚本賞>■加藤正人/安倍照雄:『ふしぎな岬の物語』■土橋章宏:『超高速!参勤交代』■早船歌江子:『紙の月』■山崎貴/林民夫:『永遠の0』■山田洋次/平松恵美子:『小さいおうち』<優秀外国作品賞>■『アナと雪の女王』■『インターステラー』■『ジャージー・ボーイズ』■『フューリー』■『GODZILLA ゴジラ』<新人俳優賞>■上白石萌音:『舞妓はレディ』■小松菜奈:『渇き。』■能年玲奈:『ホットロード』■池松壮亮:『紙の月』『愛の渦』『ぼくたちの家族』■登坂広臣:『ホットロード』■福士蒼汰:『イン・ザ・ヒーロー』『神さまの言うとおり』『好きっていいなよ。』(text:cinemacafe.net)
2015年01月15日その年の最低の映画に与えられるゴールデン・ラズベリー(ラジー)賞。その候補が発表14日(現地時間)発表になり、『トランスフォーマーロストエイジ』が作品賞など最多7部門でノミネートされた。全世界の興収が11億ドルに達した大ヒット作は、作品賞のほかに最低シリーズ作品賞、最低脚本賞、最低スクリーン・コンボ賞、最低監督賞(マイケル・ベイ)、最低助演女優賞(ニコラ・ペルツ)、最低助演男優賞(ケルシー・グラマー)で候補になった。『Kirk Cameron’s Saving Christmas』(原題)、『ザ・ヘラクレス』が作品賞を含めて6部門ノミネートでそれに続き、作品賞にはニコラス・ケイジ主演の『Left Behind』(原題)、『ミュータント・タートルズ』がノミネートされた。俳優部門では、ニコラス・ケイジ、セス・マクファーレン(『荒野はつらいよ~アリゾナより愛を込めて~』)、カーク・キャメロン(『Kirk Cameron’s Saving Christmas』)、ケラン・ルッツ(『ザ・ヘラクレス』)、ラジー賞常連のアダム・サンドラー(『Blended』原題)が男優賞候補に。女優賞はドリュー・バリモア(『Blended』)、キャメロン・ディアス(『The Other Woman』原題、『Sex Tape』原題)、メリッサ・マッカーシー(『Tammy』原題)、シャーリーズ・セロン(『荒野はつらいよ~アリゾナより愛を込めて~』)、ガイア・ワイス(『ザ・ヘラクレス』)という豪華な顔ぶれ。そして今年は新たに名誉挽回(Redeem)賞が設けられた。これは、かつてラジー賞を受賞しながら、新作で高い評価を得た俳優に贈られる賞で、ベン・アフレック(『ゴーン・ガール』)、ジェニファー・アニストン(『Cake』原題)、マイク・マイヤーズ(『Supermensch: The Legend of Shep Gordon』原題)、キアヌ・リーヴス(『ジョン・ウィック』、クリステン・スチュワート(『Camp X-Ray』)が候補になった。授賞結果は例年通りにアカデミー賞授賞式前日、2月21日(現地時間)に発表される。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:トランスフォーマーロストエイジ 2014年8月8日より全国にて公開(C) 2014 Paramount Pictures. All Rights Reserved.
2015年01月15日ゴールデン・グローブ賞が発表された。ドラマ部門の作品賞に選ばれたのは『6才のボクが、大人になるまで。』。コメディまたはミュージカル部門の作品賞には、最有力と思われていた『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』を制して、『グランド・ブダペスト・ホテル』が輝いた。その他の写真主演男優賞は、『博士と彼女のセオリー』のエディ・レッドメイン(ドラマ部門)と『バードマン~』のマイケル・キートン(コメディまたはミュージカル部門)。主演女優部門は、『アリスのままで』のジュリアン・ムーア(ドラマ部門)と、『ビッグ・アイズ』のエイミー・アダムス(コメディまたはミュージカル部門)が獲得した。主な受賞結果は以下のとおり。作品賞(ドラマ部門):『6才のボクが、大人になるまで。』作品賞(コメディまたはミュージカル部門):『グランド・ブダペスト・ホテル』監督賞:リチャード・リンクレイター(『6才のボクが、大人になるまで。』)脚本賞:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr、アルマンド・ボー(『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』)文:猿渡由紀
2015年01月13日年も明け、いよいよ本格化してきた本年度の賞レース。中でも、世界最高峰の映画の祭典とされる「第87回アカデミー賞授賞式」が、2月23日(日本時間)に行われ、WOWOWにて生中継される。このほど、1月15日(木)夜の主要賞ノミネートの発表の前に、レッドカーペット・ナビゲーターとして斎藤工が就任することが決定!世界が注目する映画の祭典の熱気を、斎藤さんが現地から生レポートしてくれることになった。アカデミー賞授賞式は、世界的スターが一挙に集う、文字通り世界最高峰のエンターテインメントをすべて盛り込んだ晴れの祭典。WOWOWでは例年、日本のスタジオと現地を結び、レッドカーペットでのスターのインタビューや、授賞式の様子を余すところなく生中継。今回のスタジオの案内役は、9回目の登板となるジョン・カビラと、2年ぶりの復活となる高島彩が務め、多彩なゲストを迎えて興奮と感動の瞬間を生でお届けする。その栄えあるレッドカーペットのナビゲーター就任について、斎藤さんは、「いつもスタジオから参加させていただいていたのですが、 現地のレポートは大変だな…と思ってました。 自分らしいナビゲートが出来たらと思っています。 そして、映画のもたらす世界最大の祭典、その空間を余すことなく味わい、皆様にお伝えします!」と、意気込みたっぷりにコメント。また、今回のアカデミー賞については、「まだラインナップが出てませんが、(ベネディクト・)カンバーバッチだったり新生が、ジェニファー・ローレンスの如く頂点に立つのかどうか楽しみです」と語り、映画通ならでは楽しみを明かしてくれた。なお、授賞式の前には「ノミネーション徹底紹介! 第87回アカデミー賞」「もうすぐ授賞式! 第87回アカデミー賞のみどころ」「直前大予想! 第87回アカデミー賞」と題した関連番組も放送され、ノミネーション情報やハリウッドの動向などを伝えていくという。「生中継!第87回アカデミー賞授賞式」は2月23日(月)9:00より同時通訳、21:00より字幕版をWOWOWにて放送。(text:cinemacafe.net)
2015年01月08日ベルリン映画祭で金熊賞(グランプリ)と銀熊賞(主演男優賞)をダブル受賞した『薄氷の殺人』が間もなく日本で公開になる。郊外で起こる連続殺人と事件を追う刑事、被害者につながる謎の女の駆け引きを巧みに描いたサスペンス作品だが、監督を務めたティアオ・イーナンは「観客が参加してもらえる“生きた映画”」を目指したという。来日時に話を聞いた。その他の画像本作の物語は、1999年に中国の郊外で男の死体がバラバラに切り刻まれて複数の石炭工場で発見されたことから始まる。刑事のジャンは事件を追うが真相は解明されず、5年後に再び同様の手口の事件が起こる。すべての被害者は謎の女ウーと親密な関係にあり、ジャンは彼女に近づいて手がかりを得ようとするが、彼もまたウーに魅了されていく。本作では事件の“真相”を追うドラマと、ジャンとウーの危険な愛の行方、そして郊外都市で暮す人々の人間ドラマが絶妙なバランスで描かれる。「脚本を書く際には事件を主軸に様々な要素を加えていきました。しかし、ドラマを描きこみ過ぎるとミステリーの要素が薄まってしまう可能性もあります。ですからバランスをとりながら描いていくことが難しかったのです。殺人事件を中心に据えていますが、本当に描きたいのは愛のドラマ、人間ドラマ、社会問題でした」。そのため、監督は事件のカギを握る女ウーも単なる“魔性の女”には描いていない。「確かに彼女は邪悪な力を持っていて、人をコントロールする力があると思います。しかし、彼女にはある種の温かみを残しています。なぜ、彼女はそんなことをしたのか? そうせざるをえなかったのかを描きたかったのです。ジャンとウーの関係はミステリアスな色彩に彩られています。ふたりはミステリアスで危険だからこそ惹かれていくわけです」。本当の想いを隠したままウーに近づき、いつしか心を奪われてしまう刑事ジャンと、本心を明かすことがないウー。観客は本作の原題“真昼の花火(白日焔火)”を観るときのように、想像力をかきたてられるだろう。「完璧に料理を作って口の中に入れてあげないと満足しない観客は存在します(笑)。でも私はこの映画は脚本を書いている時も、撮影している時も、完成した今でも成長を続けていると考えていますから、観客の方にも参加してもらいたいんですね。ベルリン映画祭でも様々な場所から審査員の方が集まり、この映画に賞を与えてくれましたし、私自身も幅広い人たちに映画を観てもらいたいという気持ちがあります。私がめざしたのはそんな“生きた映画”でした」。観客は映画を鑑賞し、事件の真相を知った後も、そこで描かれたドラマや過去に想いをはせることになるだろう。『薄氷の殺人』1月10日(土) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開
2015年01月08日映画・テレビのスターが一堂に会して開催され、“アカデミー賞前哨戦”とも言われる祭典「ゴールデン・グローブ賞」。第72回を数える今年の受賞式に登場するプレゼンターたちの名前が発表された。注目は、昨年度の同賞で見事「女優賞」を獲得し、今年度もコメディ/ミュージカル部門の「女優賞」に映画『ビッグ・アイズ』でノミネートされているエイミー・アダムス。さらに、ロバート・ダウニーJr、グウィネス・パルトロー、キャサリン・ゼタ=ジョーンズと豪華絢爛な俳優陣が選出。この他にもエイドリアン・ブロディ、ケイト・ハドソン、サルマ・ハエック、クリス・プラット、チャニング・テイタム、オーウェン・ウィルソンなど、名だたる俳優陣が続々とプレゼンターとして登場することが決定した。「パーティ・オブ・ザ・イヤー」とも称される同賞の華やかな授賞式。今年はどんなドラマが繰り広げられるのか注目が集まる。<「第72回ゴールデン・グローブ賞 授賞式」放送情報>■AXN 海外ドラマ presents「生中継!第72回ゴールデン・グローブ賞 授賞式」放送日時:1月12日(月・祝)8:30~14:00(日本時間)BSスカパー!(BS241ch/CS585ch)で無料放送。※「AXN 海外ドラマ」では、1月12日(月・祝)21:00~同時通訳版、1月18日(日)21:00~HD字幕版を放送。(text:cinemacafe.net)
2015年01月07日ジャン=リュック・ゴダール監督の『さらば、愛の言葉よ』が、約60人から成る全米映画批評家協会のベスト作品賞を受賞した。次点は、リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』。『さらば、愛の言葉よ』は、3Dで撮影された、実験的かつ野心的な69分の映画。昨年のカンヌ映画祭のコンペティション部門で上映され、審査員特別賞を受賞している。その他の画像主演男優賞は『ミスター・ターナー(原題)』のティモシー・スポール、主演女優賞は『Two Days, One Night(英題)』のマリオン・コティヤールが受賞。助演男優賞は『ウィプラッシュ(原題)』のJ・K・シモンズ、助演女優賞は『6才のボク~』のパトリシア・アークエットが獲得した。監督賞には『6才のボク~』のリンクレイター、脚本賞には『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンが輝いた。文:猿渡由紀
2015年01月05日ベルリン映画祭で金熊賞(グランプリ)と銀熊賞(主演男優賞)をダブル受賞した『薄氷の殺人』の本編映像の一部が公開になった。連続殺人事件の謎を追う男と、事件のすべての被害者につながる謎の女の姿を捉えた美しい映像だ。『薄氷の殺人』本編映像本作の物語の始まりは、1999年に中国の郊外で男の死体がバラバラに切り刻まれて複数の石炭工場で発見されたことから始まる。刑事のジャンは事件を追うが真相は解明されず、5年後に再び同様の手口の事件が起こる。すべての被害者は謎の女ウーと親密な関係にあり、ジャンは彼女に近づいて手がかりを得ようとするが、彼もまたウーに魅了されていく。このほど公開されたのは、ジャンとウーがスケート場にいる場面。ふたりは共に行動しているがなぜか両者の間に会話はなく、ふたりは離れた常態でリンクを滑り続ける。やがてウーがコースを離れ、ジャンは後を追うが、次第に人はいなくなり、誰もいない道でジャンとウーはふたりきりになる。なぜウーはジャンを人のいない場所に誘いこんだのか? 黄色い照明と降り続ける雪、そしてスケート場を離れていくにしたがって周囲の闇が増していく美しい映像だ。ウーは事件の被害者なのか? それとも“魔性の女”なのか? 本作はミステリー劇を主軸にしながら、郊外で生きる人々の人間模様、苦いロマンスをじっくりと描いている。『薄氷の殺人』1月10日(土) 新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開(C)2014 Jiangsu Omnijoi Movie Co., Ltd. / Boneyard Entertainment China (BEC) Ltd. (Hong Kong). All rights reserved.
2015年01月05日第70回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門で「監督賞」を含む4賞を受賞したほか、各国の映画祭でも受賞が相次いだ、英国版“おくりびと”を描く『おみおくりの作法』。2015年1月24日(土)からの日本公開を前に、いち早く本作を観賞した、小堺一機や斎藤工、映画コメンテイターのLiLico、漫画家の辛酸なめ子、『エンディングノート』で知られるドキュメンタリー監督の砂田麻美などから、絶賛のコメントが続々と寄せられていることが分かった。ロンドン市ケニントン地区の民生係ジョン・メイ(エディ・マーサン)。彼の仕事は、ひとりきりで亡くなった人の“おみおくり”。ともすれば事務的に処理することもできるこの仕事を、ジョン・メイはいつも誠意をもってこなしていた。ある日、ジョン・メイの真向かいに住むビリー・ストークが亡くなり、これまで以上に熱心に仕事に打ち込むジョン・メイ。故人を知る人を訪ねて葬儀へと招待する旅の過程で、出会うことのなかった人々と知り合い、彼にも変化が生まれていく…。本作は、日本でも社会問題となっている孤独死の弔いを担当する、役所の几帳面な民生係ジョン・メイが、故人の人生を紐解く中で新たな人生を歩みだす物語。主人公ジョン・メイを情感豊かに演じるのは、『戦火の馬』『思秋期』などの大作やシリアスな作品から、『ワールズエンド 酔っぱらいが世界を救う!』などコメディもこなせる、英国を代表する名優、エディ・マーサン。監督・脚本は大ヒットコメディ『フル・モンティ』を生み出した名プロデューサー、ウベルト・パゾリーニが手がけている。死者に対しても、誰に対しても丁寧にあたたかく向き合うジョン・メイが見守る“旅立ち”と、胸震える感動が待つ奇跡的なラストシーンは、日本でも多くの映画通たちの心をとらえている。<著名人コメント>(順不同・敬称略)■斎藤工(俳優)※オフィシャルブログより抜粋きめ細かく上質な風味。 厳選され抽出されたエスプレッソの様な作品。ひたすらに素晴らしい。■LiLiCo(映画コメンテーター)優しさに満ちた生き方をすれば逝くときは美しくて感動的。日本らしい考えが溢れる傑作!■辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)誰も来ない誕生日よりも誰も来ないお葬式の方が何倍も淋しいことに気付き、生きている間にもっと人と関わらなければと切実に思いました。■砂田麻美(『エンディングノート』監督)死者という名のモノ言わぬ人間の痕跡は、一体誰のためにあるのだろうと、答えのない問いをずっと考えている。映画「おみおくりの作法」の主人公は、 彼等がわたしたちの世界を横切っていくことの愛おしさを、 その真摯な人生を通じて惜しみなくわたしに教えてくれた。■志茂田景樹(よい子に読み聞かせ隊隊長・作家)こんな人、日本人もいるよね、と自問して観ていたら、登場人物がみんな日本人に見えてきた。死者の思いを、探しあてた遺族に伝える主人公の崇高な心情にふれ涙があふれた。■小堺一機(タレント)観終わった後に、こみあげてくる数々のセリフ、場面の意味、いま生きていることの素晴らしさ、小津映画のような、静かな饒舌さ。エディ・マーサンが素晴らしい!特に、先日行われた自身初のトークライブに登壇した小堺さんは、本作を紹介する際、ラストシーンを話すことができないもどかしさに「とにかく、細部にわたってこだわり抜かれた素晴らしい映画だから、絶対に観てほしい!」と繰り返していたほど。観た後には誰かに伝えずにはいられない、そんなアツい想いが詰まったコメントの数々から、本作に思いを巡らせてみて。『おみおくりの作法』は2015年1月24日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月30日「第39回報知映画賞」の表彰式が12月17日(水)、都内で開催され、「主演男優賞」を受賞した岡田准一、「主演女優賞」の宮沢りえ、「助演男優賞」の津川雅彦、「助演女優賞」の大島優子、「新人賞」の登坂広臣(三代目J Soul Brothersrs from EXILE TRIBE)らが出席。受賞者への花束贈呈には、役所広司、秋元康、片桐はいり、安藤サクラ、池松壮亮、HIROら豪華サプライズゲストが次々と駆けつけ、会場に華を添えた。今後の国内映画賞の行方を占う意味でも話題を集める同賞。今年大ヒットを記録した『永遠の0』(山崎貴監督)で特攻パイロットを熱演した岡田さんは、ジャニーズ初となる快挙に「このような光栄な賞をいただき嬉しく思う。若い頃に悩んでいたとき、『芝居を続けなさい』と道を示してくれた事務所の方や役者の先輩方のおかげで何とか芝居を続けてこられた。今後とも精進していきたい」と感謝の気持ちと決意を語った。「新人賞」は、賛否両論を巻き起こした鬼才・中島哲也監督の野心作『渇き。』でヒロインに抜擢された小松菜奈、『ホットロード』で俳優業に初挑戦した「三代目J Soul Brothers」の登坂広臣、向井理と片桐はいりが姉弟役を好演した『小野寺の弟・小野寺の姉』で長編デビューを果たした西田征史監督が受賞した。小松さんは、優等生に隠された狂気を演じ切り「全てが初めてで大変なこともたくさんあったけど、素晴らしい環境のおかげで伸び伸びと演技ができました」と笑顔。サプライズで駆けつけた中島監督は、「自分が来たら『絶対泣くぞ』とスタッフに言われたけど、(小松さんは)全くの無表情(笑)。コソコソ隠れて出て来る必要なかった」と冗談交じりに祝福した。同じく初演技での受賞となった登坂さんは、「まだまだ恐縮な気持ち。この賞にふさわしい表現者に成長していきたい」と抱負を述べ、花束贈呈に駆けつけた「EXILE TRIBE」のプロデューサー・HIROさんも、「身内のメンバーの受賞を心から光栄に思う。これからもともに初心を忘れずに頑張っていきたい」と気を引き締めた。「作品賞」には、奥田瑛二の長女・安藤桃子監督作『0.5ミリ』が輝き、安藤監督をはじめ、主演で妹の安藤サクラ、助演男優賞受賞の津川雅彦、共演の坂田利夫が勢ぞろい。女優賞を独占した『紙の月』チームも、花束贈呈に駆けつけた池松壮亮と吉田大八監督と受賞の喜びを分かち合った。特別賞には、社会現象を巻き起こしたディズニーの大ヒット作『アナと雪の女王』が選出された。なお、“長年の映画界への貢献”として同賞を贈呈予定だった故・高倉健さん(享年83)は、故人の遺志を尊重し、所属事務所の高倉プロモーションが受賞を辞退した。<「第39回報知映画賞」受賞結果一覧>■作品賞・邦画部門:『0.5ミリ』(安藤桃子監督)■作品賞・海外部門:『ジャージー・ボーイズ』(クリント・イーストウッド監督)■監督賞:小泉堯也(『蜩ノ記』)■主演男優賞:岡田准一(『永遠の0』)■主演女優賞:宮沢りえ(『紙の月』)■助演男優賞:津川雅彦(『0.5ミリ』)■助演女優賞:大島優子(『紙の月』)■新人賞:小松菜奈(『渇き。』):登坂広臣(『ホットロード』):西田征史(『小野寺の弟・小野寺の姉』)■特別賞:『アナと雪の女王』(text:cinemacafe.net)
2014年12月17日女優の宮沢りえが12月17日(水)、都内で開催された「第39回報知映画賞」の表彰式に出席。7年ぶりに映画主演を務めた『紙の月』(公開中)での体当たりの演技が高く評価され、「主演女優賞」に輝いた。2002年の「たそがれ清兵衛」でも同賞を受賞している宮沢さんは、「銀幕を彩った大先輩たちも同じ場所に立って受賞されたと思うと、本当に感動でいっぱいです。『志高く誠実に頑張りなさい』と言われているようで、己にムチをいっぱい打ちたい気持ち」と感無量にスピーチした。花束贈呈には、共演の池松壮亮が駆けつけた。池松さんは、宮沢さんとの濡れ場にも挑み「りえさんの覚悟がこういった形で認められて個人的にもうれしい。りえさん、おめでとうございます」と祝福。宮沢さんも、「“本番”という嘘の時間を、”本当”のもので一所懸命に埋めてくれた池松さんら共演者の方々にも感謝でいっぱい」と熱いハグを交わした。また、同作で「AKB48」卒業後初めて映画出演を果たした大島優子も、栄えある「助演女優賞」を受賞。大島さんは、「賞とは縁遠いものだと思っていた。この賞に出合わせてもらい心から感謝。時に励みに、常に自信に、これからの糧にさせていただきたいと思います」と飛躍を誓った。「AKB48」の総合プロデューサー・秋元康がサプライズで祝福に駆けつけると、感極まって思わず涙ぐむ姿も見せた。『紙の月』は、「八日目の蝉」や直木賞受賞作「対岸の彼女」などで人気を誇る作家・角田光代のベストセラー小説の映画化。年下の不倫相手(池松さん)のため、顧客の金を横領してしまう女性銀行員(宮沢さん)の姿を描き出した。宮沢は、「7年ぶりの主演という中で、監督が緻密に丁寧に志高く、私を支えて引っ張ってくれたのだと思う。感謝しています」と、メガホンをとった吉田大八監督に改めて感謝の意を述べた。<「第39回報知映画賞」受賞結果一覧>■作品賞・邦画部門:『0.5ミリ』(安藤桃子監督)■作品賞・海外部門:『ジャージー・ボーイズ』(クリント・イーストウッド監督)■監督賞:小泉堯也(『蜩ノ記』)■主演男優賞:岡田准一(『永遠の0』)■主演女優賞:宮沢りえ(『紙の月』)■助演男優賞:津川雅彦(『0.5ミリ』)■助演女優賞:大島優子(『紙の月』)■新人賞:小松菜奈(『渇き。』):登坂広臣(『ホットロード』):西田征史(『小野寺の弟・小野寺の姉』)■特別賞:『アナと雪の女王』(text:cinemacafe.net)■関連作品:紙の月 2014年11月15日より全国にて公開(C) 2014「紙の月」製作委員会
2014年12月17日『許されざる者』『ミリオンダラー・ベイビー』で2度のアカデミー賞「監督賞」に輝くクリント・イーストウッドが、ブラッドリー・クーパーを主演に迎え、重厚な人間ドラマを描き出す『アメリカン・スナイパー』。そのN.Y.プレミアが12月15日(現地時間)に開催され、イーストウッド監督とブラッドリー、さらにシエナ・ミラーが出席した。原作は、クリス・カイル本人による自伝「ネイビー・シールズ最強の狙撃手」。舞台となるのは、9.11以降のイラク戦争。米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに所属するクリス・カイル(ブラドリー・クーパー)が命じられた任務は、「どんな過酷な状況でも仲間を守ること」。国の正義を信じ、実直に任務を遂行し続けた男は、仲間からは“レジェンド”と崇められ、イラク側からは“悪魔”と恐れられ、賞金がかけられるほどの存在となる。終わりのない戦争は幾度となく彼を戦場に向かわせるが、愛する家族を国に残した度重なる戦地への遠征は、クリスの心を徐々に蝕んでいき…。この日、ブラッドリー、シエナ、イーストウッド監督の3人がレッドカーペッにト降り立つと、世界中から集まった報道陣や観客の熱狂で迎えられ、会場は大きな盛り上がりを見せた。“伝説のスナイパー”と謳われる主人公・クリスを演じたブラッドリーは、巨匠イーストウッド監督との初タッグに「素晴らしい!一生に一度の夢が叶った気分だよ!」と大興奮。さらにブラッドリーは、役づくりのために過酷なトレーニングと食事制限を敢行。外見を含めて、戦争により徐々に心が蝕まれていく主人公の心理を繊細に演じている。「大変な長い道のりでした。集中を要したし、大変だったけど、こういった犠牲が私にとってはクリス・カイルに近づく、準備の期間になりました」。そして先日、“アカデミー前哨戦”といわれるナショナル・ボード・オブ・レビューで「監督賞」を受賞し、アカデミー賞受賞にも期待が集まるイーストウッド監督は、その意気込みを聞かれるも「あまり考えないようにしている」と謙虚な姿勢で答えながら穏やかな笑みを浮かべ、「ただ映画作りをしていることが楽しいし、私くらいの歳になると仕事を続けられることだけで光栄なんだ」と、84歳を迎えてもなお、あふれんばかりの創作意欲をのぞかせていた。『アメリカン・スナイパー』は2015年2月21日(土)丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2014年12月17日ゴールデングローブ賞で最多7部門にノミネートされるなど、本年度の映画賞レースで有力候補にあげられている映画『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のポスター画像が公開になった。かつてヒーロー映画で世界的な人気を博すも現在は失意の日々を送る俳優を主人公にした作品だ。その他の画像本作の主人公リーガンは、かつて『バードマン』というヒーロー映画で主演を務め、世界的な人気を得たが、その後のキャリアは低調で、復活をかけてブロードウェイで自身が主演する舞台のリハーサルを重ねている。しかし、プレビュー公演前に共演者が負傷し降板。代役を立てるがその存在はリーガンを脅かし、娘との関係は悪く、さらにトラブルも重なってリーガンは次第に追いつめられていく。本作では、『バットマン』で主演を務めた経験のあるマイケル・キートンが鬼気迫る演技でリーガンを演じ、本年度の主要な映画賞のほぼすべてで主演男優賞候補に入る評価を獲得。他にもエドワード・ノートン、ナオミ・ワッツ、エマ・ストーンら実力派キャストが出演し、キートンと息つまる演技バトルを繰り広げる。また、本作ではアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の演出の下、『ゼロ・グラビティ』『ツリー・オブ・ライフ』を手がけた鬼才エマニュエル・ルベッキが撮影を担当。狭い通路が入り組んだ劇場内でのシーンをすべてワンカットで撮影するなど、観る者を圧倒する映像が次々に登場する。このほど公開されたポスターは、バードマンの横顔に“すべてを手に入れ、すべてを手放した。もういちど輝くために、もういちど愛されるために、いったい何をすればいいのか?”というコピーが掲載されたもの。主人公リーガンの“現在”の心の叫びと、その背後に控えるバードマンという“過去”の栄光のコントラストが強烈なデザインだ。『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』2015年春、TOHOシネマズ シャンテほか 全国ロードショー
2014年12月16日サンフランシスコ映画批評家協会が、『6才のボクが、大人になるまで』を今年の最優秀映画に選んだ。同作品からは、ほかにリチャード・リンクレーター監督が監督賞を、パトリシア・アークエットが助演女優賞を受賞したほか、編集賞も獲得した。その他の写真主演男優賞に輝いたのは、『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のマイケル・キートン。主演女優賞は『アリスのままで』のジュリアン・ムーア、助演男優賞は『バードマン…』のエドワード・ノートン。脚本賞は『バードマン…』のアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、脚色賞は『Inherent Vice(原題)』のポール・トーマス・アンダーソン、外国語映画賞はポーランドの『Ida(原題)』が獲得した。文:猿渡由紀
2014年12月16日SAG(映画俳優組合)賞のノミネーションが発表になった。演技に対して贈られるこの賞で、最多ノミネーションに当たる4部門で候補入りしたのは『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。続いて、『イミテーション・ゲーム(原題)』と『博士と彼女のセオリー』が3部門でノミネーションされた。その他の情報受賞発表は来年1月25日(現地時間)。主な部門のノミネーションは次のとおり。アンサンブル部門『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』『イミテーション・ゲーム(原題)』『博士と彼女のセオリー』『グランド・ブダペスト・ホテル』『6才のボクが、大人になるまで。』主演男優部門スティーヴ・カレル『フォックスキャッチャー』マイケル・キートン『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』ジェイク・ギレンホール『Nightcrawler(原題)』エディ・レッドメイン『博士と彼女のセオリー』ベネディクト・カンバーバッチ『イミテーション・ゲーム(原題)』主演女優部門ジュリアン・ムーア『Still Alice(原題)』ジェニファー・アニストン『Cake(原題)』フェリシティ・ジョーンズ『博士と彼女のセオリー』リース・ウィザースプーン『ワイルド(原題)』ロザムンド・パイク『ゴーン・ガール』助演男優部門J・K・シモンズ『Whiplash(原題)』エドワード・ノートン『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』イーサン・ホーク『6才のボクが、大人になるまで。』マーク・ラファロ『フォックスキャッチャー』ロバート・デュヴァル『ジャッジ 裁かれる判事』助演女優部門パトリシア・アークエット『6才のボクが、大人になるまで。』ナオミ・ワッツ『St. Vincent(原題)』エマ・ストーン『バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』キーラ・ナイトレイ『イミテーション・ゲーム(原題)』メリル・ストリープ『イントゥ・ザ・ウッズ』文:猿渡由紀
2014年12月11日2月のアカデミー賞発表に向けて各映画賞レースが始まったが、7日(現地時間)にロサンゼルス映画批評家協会(LAFCA)賞が発表になり、高畑勲監督の『かぐや姫の物語』が長編アニメーション賞に輝いた。作品賞はリチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで。』。1人の少年の成長を12年間かけて撮影した作品で、監督賞、主演女優賞(パトリシア・アークエット)、編集賞も合わせて受賞した。主演男優賞は、全編車の中でたった1人というシチュエーションを演じきった『Locke』(原題)のトム・ハーディという意外な結果。次点は、本命視されていた『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のマイケル・キートン。主演女優賞の次点は『Still Alice』(原題)のジュリアン・ムーア。助演男優賞は『ウィプラッシュ』(原題)のJ・K・シモンズ(次点は『バードマンあるいは(無知のもたらす予期せぬ奇跡)』のエドワード・ノートン)、助演女優賞はポーランド映画『イーダ』のアガタ・クレシャ(次点は『Nightcrawler(原題)』のレネ・ルッソ)。『イーダ』は外国語映画賞も受賞した。作品賞、監督賞で次点だった『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンは脚本賞を受賞した。同作は美術賞も受賞。脚本賞の次点は『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ、ニコラス・ヒアコボーネ、アレクサンダー・ディネラリス・Jr.、アルマンド・ボー。同作はエマニュエル・ルベツキが撮影賞を受賞した。『かぐや姫の物語』が受賞した長編アニメーション賞の次点は『LEGO(R)ムービー』。ロサンゼルス批評家協会賞はアカデミー賞の前哨戦の1つとして知られ、2002年に長編アニメーション賞を受賞した宮崎駿監督の『千と千尋の神隠し』はその後アカデミー賞長編アニメーション賞も受賞。『かぐや姫の物語』も今回の受賞で、今後の映画賞レースでの健闘が期待される。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:かぐや姫の物語 2013年11月23日より全国にて公開(C) 2013 畑事務所・GNDHDDTKグランド・ブダペスト・ホテル 2014年6月6日よりTOHOシネマズ シャンテ、シネマカリテほか全国にて公開(C) 2013 Twentieth Century Fox
2014年12月09日ゴッサム・インディペンデント映画賞が発表になった。作品賞に輝いたのは、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)』。最多ノミネーションを受けた『6才のボクが、大人になるまで。』を打ち負かしての受賞となった。『6才のボクが…』は、観客賞を受賞している。男優賞は『バードマン…』のマイケル・キートン、女優賞は『Still Alice(原題)』のジュリアン・ムーア、ドキュメンタリー賞には『Citizenfour(原題)』。ブレイクスルー俳優には、『Dear White People(原題)』のテサ・トンプソンが選ばれている。文:猿渡由紀
2014年12月03日ニューヨーク映画批評家サークル賞が発表された。作品賞に輝いたのは、リチャード・リンクレイター監督の『6才のボクが、大人になるまで』。作品賞のほか、監督部門(リンクレイター)、助演女優部門(パトリシア・アークエット)でも賞を獲得した。その他の画像主演男優賞は、『Mr.Turner(原題)』のティモシー・スポール。スポールは5月のカンヌ映画祭でも男優賞を受賞している。主演女優賞は『エヴァの告白』『Deux jours, une nuit(原題)』のマリオン・コティヤール。助演男優賞は『Whiplash(原題)』のJ・K・シモンズ。アニメ部門は『LEGO(R)ムービー』が受賞した。主な受賞結果は以下のとおり。作品賞:『6才のボクが、大人になるまで。』監督賞:リチャード・リンクレイター『6才のボクが、大人になるまで。』脚本賞:ウェス・アンダーソン『グランド・ブダペスト・ホテル』主演男優賞:ティモシー・スポール『Mr.Turner(原題)』主演女優賞:マリオン・コティヤール『エヴァの告白』『Deux jours, une nuit(原題)』助演男優賞:J・K・シモンズ『Whiplash(原題)』助演女優賞:パトリシア・アークエット『6才のボクが、大人になるまで。』外国語映画:『Ida(原題)』(ポーランド)文:猿渡由紀
2014年12月02日