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現代はテレビがあるのがほぼ当たり前の時代であり、多くの人が毎日の生活に必要な情報をテレビを通じて受け取っています。テレビが子どもにどんな影響を与える可能性があるのかについて、少し考えてみましょう。
文部科学省によれば、平成25年度の小中学生の不登校は約12万人であり、前年度に比べると7,000人程度増加しています。さらに詳しく見ていくと、小学生の不登校は24,175人で、前年度比較で2,932人増加。中学生の場合は95,181人で、前年度比較で3,932人増加という結果になっています。このように不登校になってしまう子どもは増えてきていますが、自分の子どもが不登校に陥ってしまわないようにするためにはどんな点に注意すればいいのか、一緒に考えていきましょう。
子育て中の悩みとして筆頭に挙げられるものに、子どもの食についてのことがあるのではないでしょうか。食が細い、好き嫌いが激しい、食べ過ぎるなど、いろいろな悩みがあるようです。すが、一番大切なことを念頭においておけば、子どもの食についての悩みが少しは解消するはずです。子どもの食について大切にしたいこととは何か、一緒に考えていきましょう。
子どもが2歳にさしかかったころ、何に対しても「イヤ!」と駄々をこね、言うことを聞かなくなるようになります。これは「魔の2歳児」とか「第1次反抗期」などと呼ばれる現象で、たいていの子どもが示すものです。「反抗期」というと何か悪いことのように捉えがちですが、実際にはこれは子どもにとっては大事な成長のプロセスです。この第1次反抗期をはじめ、反抗的になった子どもにどう接していけばいいかについて見ていきましょう。
子どものために手間暇をかけていろいろと世話を焼くことこそが親の役割で、子どもに愛情を示す方法だ、というような考え方をしている親は結構たくさんいます。しかしこれはある意味では間違った考え方で、そのようにしていると子どもの自立心の芽を摘んでしまうことになりかねません。子どもの自立心を育んでいくためにはどうすればいいのかについて見ていきましょう。
双子の妊娠についての基礎知識(前編) の続きです。 ■双子の妊娠では、無理は禁物 前編で解説したように、多胎妊娠の場合、どうしても単胎妊娠よりリスクが高くなります。そのため、無理をしないよう、とくに心がける必要があります。 まず、妊婦健診には忘れず行き、少しでも体調に異変を感じた場合はかかりつけの病院にすぐ相談しましょう。状態が急に変わって緊急の入院や手術になるといったことも十分考えられますので、いつでも入院できるような準備をしておくことも大切です。 ■ノウハウを調べておこう 双子の妊娠では、制度面でも少し異なってきます。たとえば職場で取れる産前休暇の長さは通常6週間ですが、これを14週間まで延長することができます。そして、健康保険から支給となる出産育児一時金は2人分の支給を受けることができます。 2人分支給されるとはいえ、出産にかかる費用は赤ちゃんが1人の場合よりも多くなりますし、長く入院したり帝王切開をしたりすれば、それに関わる費用もかかります。 ・参考: 出産育児一時金はどう受給するか (※ウーマンエキサイト外のページにジャンプします) 育児のために使うものについても、少し様子が違ってきます。当然ですが、肌着やベビー服などは2人分必要となります。一方でベビーバスなどについては2人で同じものを使うこともできますので、その辺りを考えて、「なんでも2つ揃えてしまった!」ということがないようにしましょう。 また、ベビーカーなどで双子用の特殊なものなどを見かけますが、これは購入するよりもレンタル(リース)やリサイクル品を使うほうがコストは抑えられます。 そのほか、言わずもがなですが、育児の手間が2人分かかるので、ママ1人ではかなり厳しい状況になることもあるでしょう。家族に早めに協力を取り付けたり、自治体などが提供しているサービスを利用したりして、育児や家事の負担、ストレスを減らしましょう。 こうしたノウハウについては、双子のいる親同士が集うネット上のコミュニティなどをのぞいてみると、さまざまな知恵があるはずです。 双子の妊娠は大変ですが、生まれた後の喜びは、きっと2倍になるでしょう。大切な命のためにも日々の生活に気をつけて、無理のないように過ごしてください。
2016年08月08日思春期のゴールは子離れのスタート(前編) の続きです。 ■子どもが親離れを始めたら、親はこう考えよう! 親離れを何とも思わない子どもに対して、親はどうなるかというと、かなりの心の痛みを感じるはずです。だって、ついこの間まで自分がいなければ生きていけないほどだったのに、あるとき急に自分に対して反抗を始め、親子の間には、目には見えない距離ができていきます。 次第に子どもとの距離は長くなっていき、そしてまた急に、子どもが目の前からいなくなってしまう。こうなってしまったときの親の寂しさは計り切れません。子どもと一緒に過ごした幸せな日々は、もう二度と来ないと気づき、心にぽっかりと穴が開いたような気持ちになることでしょう。 子どもと違って、親には「子どもが成長したら自分から離さなければならない」というような本能はありません。ですから寂しい気持ちになるのは仕方のないことです。でも、つらい気持ちは何とか克服したいですね。そんなときは理性の力を借りて、子離れを理解しようと努めるしかありません。 自分自身のつらさや寂しさを理由に、子どもをいつまでも自分につなぎとめていてはなりません。わが子はもう、立派な1人の大人となったのです。考えてみてください。どこから見ても大人の人に対して、子どものような扱いをしたら、それは失礼なことですよね。わが子に対してもそんな失礼なことをしてはいけません。 子どもが大人になったからと言って、もう親子でなくなるなんてことはありません。成長しても親子は親子です。でも、その関係がちょっと変わるだけです。わが子を1人の人間として認め、接していく関係に切り替わったということです。「子どもが親離れをしたら、わが子との新しい関係が始まるのだ」と考えましょう。 ■子育てよりも長い、夫婦だけの時間 さて、わが子との関係は今まで述べたとおりですが、夫婦という関係も忘れてはなりません。子どもが親離れしたら、そこからは夫婦の時間がほとんどになります。 考えてみれば人生の道のりの中で、子育てをしている時期なんて、たったの数十年間です。平均寿命から考えても、子育ての期間よりももっと長い時間が、これから先も続きます。そして、その時間を共にするのは、誰あろう自分の伴侶です。 子育てが終わり、子どもは立派に成長しましたが、それでもまだまだ人生の途中です。子育てと同じように、ときにはほめ、ときには厳しく接して、夫婦でお互いに高め合っていきましょう。 子育てはいつか終わってしまうものですが、人生はずっと続きます。子育ての後は、自分自身を育てる楽しみをじっくりと味わっていきましょう。
2016年06月19日思春期は子どもとぶつかることが多く、とても大変な時期。それゆえ、とかく目の前の反抗的な子どもをどうしたらよいかとばかり考えがちです。でも、私たちは、反抗期のその先の子どもの姿についても知っておかなければなりません。思春期が終わると同時に、親にとってはもっとつらく感じる「子離れ」の時期が待っているのですから。 ■子育て期=母親の人生でもっとも素晴らしい時間 何かにつけ反抗してばかりの思春期。早くこの時期が過ぎてほしい…と願うのは、どの親も同じでしょう。でも、子どもたちは思春期が終わったら、どのように変化していくのでしょう。思春期を越えた子どもたちは、もう「1人の大人」という立場で、親と接しようとします。 そんなわが子を見て、あなたはきっと「ここまで成長したか」と感慨深く、そしてうれしく思うことでしょう。でもその一方で、つらい気持ちも感じるはずです。 子どもを育てることは実に苦労が多く、無償の愛で続けていかなければならない大変な仕事です。でも、子どもが与えてくれる親としての幸せは、ほかのどんなものにもかないません。子育て期というのはいわば、母親の人生でもっとも素晴らしい時間と言えるはずです。 しかし、そんな素晴らしい時間は永遠には続きません。子どもは成長していき、思春期を迎え、そしてある時急に、親から離れていく日が来るのです。 ■親から離れていく思春期後の子どもたち 親子の別れは、人間にだけあるのではありませんね。むしろ、人間以外の動物の離れ方のほうがはっきりしています。そして決定的に違うのは、あるとき急に離れていくのは、子どもではなく親のほうであるということです。 「もうこの子はちゃんと自分の力で餌をとったり、自分を守ったりして過ごしていける」というところにまでわが子が成長したとき、親はきっぱりとした態度で子どもを自分のそばから追い出そうとします。子どもにとっては突然のことで、何が何だかわかりません。ですから、親がどんなに自分を追い払おうとしても、必死に近づいて行こうとします。 それが何回も続いて初めて、自分はもう親と一緒に過ごせないのだと悟り、名残惜しそうに親を見つめながら、新たな自分の住処を探しに出ていくのです。人間以外の動物の世界では、親子の間でこのようなことが行われています。 これに対して人間の場合、最初に離れようとするのは子どものほうです。ここでちょっと、自分が思春期を終えようとした頃を振り返ってみてください。親から離れていくとき、人間以外の動物の子どものように、「離れたくない」という気持ちが起こったでしょうか。たいていは、大したことではなかったとか、特に心に感じるものはなかったと思い出せるでしょう。 これは、人間の本能に関係しています。人間には本能的に「成長したら親から離れていくもの」ということが、脳に刻み込まれているのです。したがって、思春期を終えた子どもたちが親から離れていくことは、必然的なことと言えるのです。 <後編に続く>
2016年06月18日なぜ「赤ちゃんには積極的にハイハイをさせよう」と言われるのか?(前編) の続きです。 ■ハイハイを始める前にしておきたい、寝返りトレーニング 赤ちゃんがハイハイをするためには、まず寝返りが上手にできなければなりません。生後7ヶ月になってもまだ寝返りをしようとしない場合、赤ちゃんを促して、まず寝返りができるようにトレーニングをしてあげるのも1つの方法です。 寝返りをうまく打てるようにするためには、赤ちゃんの足首を支えて、体をやさしく返してあげるようにします。その動きに赤ちゃんの体がついてくるようになり横向きにまでは自分でなれるようになったなら、そこでお尻に手を当てて軽く押してあげることで寝返りをすることができます。 何度か繰り返しサポートしてあげることで、寝返りを上手にできるように赤ちゃんのトレーニングをしてあげましょう。 ハイハイができるようになっても、赤ちゃんによっては、最初のうち足の力よりも腕の力が強く、前に進もうとするのに後ずさってしまう場合があります。あるいは、まっすぐに進めず、円を描くように同じ場所でぐるぐる回るような進み方しかできない場合もあります。 こういった場合は足のキック力が不足しているか、うまく踏ん張れていないかのどちらかですので、足の裏に手のひらをあてがってあげたり軽く押してあげたりすることで、足で踏ん張るコツをつかませてあげましょう。そうすれば、みるみるうちに前に進めるようになるはずです。 ■赤ちゃんがハイハイをし出したらチェックしたい危険箇所 本格的に赤ちゃんがハイハイしだしたら、周囲にある危険なものをチェックして取り除きましょう。たとえばヘアピン、針、ボタン、電池など、赤ちゃんが興味を示しそうで、かつ飲み込んでしまいそうな小物は落ちていないでしょうか。 また、赤ちゃんがつかまり立ちして届きそうなところに、熱湯の入ったやかんやポット、バランスの悪い重いものなどが置かれていないでしょうか。 意外なところで危険なのがコンセントやタップです。赤ちゃんの指は細いですし、よく指をなめているので濡れていることがあります。このままコンセント口に触れてしまったら感電してしまいかねません。もしくはコンセント自体に興味を持ってなめてしまうかもしれません。感電すると火傷を負って傷跡になることもありますし、そうならないようにコンセントにフタをするか、ガムテープなどで養生するようにしてください。 最後に、赤ちゃんがハイハイし始めた後、ドアなどを開け放しておくと、ちょっと目を離したすきに赤ちゃんが意外なところまで移動してしまい、ときに危険な目に遭うことがあります。そうならないよう、部屋から出る際はドアや窓をきちんと戸締まりして遊ばせるようにしてください。
2016年06月16日赤ちゃんのハイハイは足腰のほかに、脳の機能をも高めてくれる大事な成長段階の1つです。赤ちゃんのハイハイをしやすくするための注意点について、見ていきましょう。 ■ハイハイは赤ちゃんの発育の大事な通過点 赤ちゃんは、早い場合で生後8ヶ月になるとハイハイをして自分で動き回り始めます。人間はまだ動物であった頃に4足歩行をしていたわけですが、赤ちゃんの頃にそれと同じような移動過程を経るわけです。このハイハイは、赤ちゃんにとっては発育のための大事な通過点となります。 赤ちゃんのハイハイは、足腰を鍛え、また背筋を鍛えるために役に立ちます。こうしてつけた筋肉を使って、赤ちゃんはいずれ2本足で歩き始めることになります。 ハイハイをあまりせずに歩き出してしまった赤ちゃんを持つお母さんが、ときおり得意げにそのことを自慢しているのに出くわすことがありますが、そういう点から見ると、あまりいいこととは言えない場合もあります。赤ちゃんは、狭いお部屋にいろいろな家具などがいっぱいなせいで、十分な空間がなかったため、ハイハイをする前に近くにあるものにつかまり立ちするしかなかったのかもしれないのです。 また、ハイハイは脳の機能を高めるための大事なステップでもあります。赤ちゃんが自分で移動して、自分の周囲の環境に入っていくために必要となる自分の位置が、空間の中でどのようなところに位置しているか、という感覚を覚えるためのステップになるのです。 こうした位置の感覚をつかむことで、赤ちゃんは自分が行きたい場所にいくことができるようになり、欲しいものをつかみに行くことができるようになります。お母さんお父さんの膝までの距離はどのぐらいか、おもちゃまではどれぐらい手を伸ばせば届くのか、といったことを判断する基準になるものなのです。 ■赤ちゃんがハイハイをしやすいように、場所を確保しよう 赤ちゃんが寝返りをうつようになってきたら、いつハイハイが始まってもいいように、1畳ぐらいの空間を赤ちゃんのハイハイする場所として確保してあげるようにしましょう。 こうした空間がないと、赤ちゃんは周囲の家具などにつかまり立ちをしてしまい、ハイハイをろくにしないうちに伝い歩きを始めてしまうこともあります。なかには、それが原因で足腰の筋肉や背筋が鍛えられなかったり、位置感覚の発達に影響が出たりすることもあるでしょう。そうした状況は赤ちゃんのためにもよくありませんので、思う存分ハイハイできるようにしてあげたいものです。 赤ちゃんはハイハイを始めて1ヶ月もすると、かなりの早さで移動することができるようになります。これにより、行きたいところ、欲しいもののところに早くたどり着きたい、という欲求が芽生え、それに伴い「物事について知りたい」という学習欲求が出てくるようになります。 ハイハイをすることで、興味を持ったもののところまで自分で移動し、それを手で触れたり口に持って行ったりすることで、いままでよりも脳に加わる刺激の量がぐんと増えることになるからです。 赤ちゃんがハイハイをしだしたら、1m~2mほど離れたところから赤ちゃんを呼んでみたり、お気に入りのおもちゃを振ってみたりして赤ちゃんがハイハイを早くできるようになるように促してあげてください。 ハイハイがうまくなってきたら、天気の良い日などに外に連れ出し、公園などの芝生の上などの開けた場所で思いきりハイハイさせてみてはいかがでしょうか。 <後編に続く>
2016年06月15日思春期に子どもから激しい反抗をされると、親は戸惑います。どうしたらよいのかと、うろたえます。脳科学から思春期の反抗について考えてみましょう。「なぜこんなに反抗するの?」という疑問が、すっきりと解消すること間違いなしです! ■反抗の激しさは脳が求めていた! 思春期は、第2反抗期が訪れるものとされています。ただし、反抗の度合いは人それぞれです。上の子は反抗期の訪れがはっきりしていてすぐわかったけど、下の子は「後から振り返ってみたら、あのときが反抗期だったのかな」という感じだったなど、同じ血を分けた兄弟でも反抗の度合いが違っていたということがあるのです。始まる時期についても同様です。 ですから、「ほかの子に比べて反抗がひどすぎるのでは」「反抗期がいつになってもやってこない」といった親の心配は無用です。なぜなら、反抗の度合いや時期については、その子の脳が決定していることであり、脳は子どもによってみんな違うからです。親が心配してもどうにもなりません。反抗期が過ぎ去るのを、あるいはやってくるのを待つしかありません。 親に「イヤだ」と反抗することをきっかけとして、前頭前野(※)は働き始めます。でも、前頭前野が働くのにどれだけ強い刺激、つまり反抗が必要なのかは、脳によって違います。逆に考えてみれば、反抗が強いということは、それだけ強い刺激を脳が求めているからにほかなりません。脳が求めた刺激が反抗というかたちで出ているなら、脳は正常に発達しているのです。 反抗を続けていくうちに、言葉や態度による反抗をしなくても前頭前野が働いて、自分の力で何でもできるようになります。自分がそんな力を得たと脳が判断したとき、反抗期は終わります。 なんでもそうですが、習得するには反復練習が必要です。脳が学習するにも、繰り返しが絶対に必要なのです。子どもの反抗は、脳が学習を終えるまで続きます。その終わりの時期も人によって違っていて、大学生でも、まだ反抗期にいると感じられる人もたくさんいます。 (※)前頭前野とは、大脳の前頭葉の中に存在する領域で、「記憶」「思考」「創造性」「感情コントロール」などを、つかさどる脳内の最高中枢です。人間と他の動物の脳を比較した場合、大きく違うのが前頭前野で、人間の脳の部位でもっとも発達している部分です。従って、頭の良い人、発想が豊かな人、新しい物を造り出す人などは、前頭前野が発達していると考えられています。 ■長い反抗期、親が乗り越えるにはわが子への信頼と心の余裕が必要 子どもの反抗は、脳が成長のために求めている刺激なのだ、それほど子どもの脳は成長してきているということなのだ、とわかってはいても、反抗期の子どもに毎日接していると本当に大変です。 「ご飯できたよ」と声をかければ「食べない」と返される。「出かけるの?」と尋ねれば「ほっといてよ」と言われる…。まったく会話になりません。友だちとの電話中に親が通りかかれば、すっとその場からいなくなってしまう。これでは子どもが考えていることも、今置かれている状況もわかりません。そのような時親は、不安でいてもたってもいられなくなるのです。 そんなとき、親はどうすればよいのでしょうか? 答えは、今まで育んできたはずの子どもとの信頼関係を信じて、ひたすら今のわが子を認めることです。何を考えているの、何をしているのと迫りたい気持ちを我慢することです。 わが子を信用していればこそ、心の余裕が持てて、今の子どもの姿を受け入れられるのです。果てしなく続くように思われる思春期ですが、わが子を信じていれば、きっと乗り越えられるはずです。
2016年04月09日前編 では、なぜ思春期が社会の道徳意識を教える時期なのかについて、脳の成長のしくみから解説しました。後編では、社会モラルを教えるための具体的な方法を紹介します。 ■思春期の子どもにはこうやって社会の道徳意識を教えよう! 社会的な道徳意識(社会のモラル)を脳に植え込むのにふさわしい時期は、思春期です。でも、これは決してたやすいことではありません。親だけの力では不足と感じることもあるでしょう。どうやったら思春期の子どもに道徳意識を教えられるのか。それをご説明しましょう。 これまでのしつけのように、社会的な道徳意識を試行錯誤で身につけさせる? それはいけません! というのも、たとえば「やってみたら誰かにけがをさせちゃった。ごめんなさい。今度からこれはしちゃいけないな」というのは許されませんよね。試行錯誤している間にたくさんの人が傷つけられたり、不幸になったりしてしまいます。 思春期の子どもに道徳意識を教えるには、上手に言葉を使って何度も説明するしかありません。つまり、理性に訴える、理屈でわからせるという方法になります。というよりも、その方法以外にありません。前頭前野にとっては、社会的な道徳意識というのは「理性」として入っていくのです。 ■子どもとの積極的な話し合いを でも、このやり方は、とりわけ日本人にはとっては困ってしまう方法かもしれません。日本の子育てはつい「親が正しい姿を見せればいい、それを見て子どもが育ってくれれば」となってしまいがちです。「親の背を見て」的なしつけは、日本人は得意な傾向にありますが、面と向かって子どもとうまく話し合うのは苦手な傾向にあるようです(むろん家庭によっていろいろですが)。 子どもとしっかり向き合って、話し合いが持てない親たちは、学校で教えてくれないかな、なんて考えてしまうこともあります。でも、親がやるべきしつけを、ほかの人に転化してしまって、果たして効果が出るものなのでしょうか? なんとなく、でやってしまっていては、親の意思が子どもに伝わらず、子どもの脳に社会的な道徳意識を定着することはできません。タイミングを見て何度でも、真面目に、この世の道徳について語りかけてください。そのためには、子どもとの話し合いの場を、日常的に作っていくことが必要でしょう。 そしてもうひとつ大切なポイントがあります。思春期の子どもにこういった話を真剣に語るのは、家族において誰が適任か? それを考えておくことです。 道徳意識を教えるのは、子どもにとってもっとも身近な社会人が適任です。家庭によってはそれが父親のこともあるでしょうし、母親のほうがふさわしいこともあるでしょう。いずれにせよ、親が逃げずに子どもとしっかり向き合って、話し合う場を作ること、それが重要です。
2016年04月08日思春期の子どもの扱いは難しく、これまでのようなしつけがしづらくなります。ですから、子どもに何をどう教えたらよいかわからなくなって、何となく子どもとの関係が薄くなってしまいがちですね。でも、この時期だからこそ教えるのに適したこともあります。それは、「社会における道徳意識(モラル)」です。どういうことなのか少し詳しく見ていきましょう。 ■なぜ思春期は社会の道徳意識を教える時期なの? 12歳~13歳頃といえば、思春期真っただ中。この時期には、前頭前野がすごいスピードで発達していきます。この頃になると、前頭前野にある細胞が突然大きくなるのです。 前頭前野とは、大脳の前頭葉の中に存在する領域で、「記憶」「思考」「創造性」「感情コントロール」などをつかさどる脳内の最高中枢です。人間とほかの動物の脳を比較した場合、大きく違うのが前頭前野で、人間の脳の部位でもっとも発達している部分です。従って、頭の良い人、発想が豊かな人、新しい物を造り出す人などは、前頭前野が発達していると考えられています。 前頭前野はこの時期になると、何もしなくても成長するのかというと、それは違います。前頭前野の急成長をもたらすきっかけ、それは「反抗」です。反抗期は「これから前頭前野が活性化するよ、大人になるための訓練が始まるよ」という合図でもあるのです。 大人が言うことに対して反発をします。するとその次には、「ではどうしたらよいのか」ということを自分で考えなければならなくなります。このことこそが、前頭前野にとっての大きな刺激となるのです。脳の成長は、反抗なしには始まらないのです。 前頭前野が急成長するということは、脳が何かを会得しやすくなっているということです。そんな脳の成長時期であり、子どもから大人へとポジションが移っていく時期だからこそ、社会における道徳意識(社会のモラル)をしっかりと脳に叩き込むべきなのです。そしてこの時期を逃してしまったら、もう脳に道徳意識が定着することはないとも考えられています。 ■「子どもだから」では済まされない年齢 思春期以前は、子どもは何と言っても「子ども」です。仕方ないね、で済まされてきたこともあったかもしれません。しかし、これからは「子どもだからね」とは思ってもらえない年齢になっていきます。 仮に中学卒業後、すぐに仕事についたとすれば、もう自分1人の力で、社会において立ち回っていかなければなりません。そのために必ず必要になるのが、社会的な道徳意識です。だから、思春期の子どもには、親が責任を持って道徳意識を定着させてやらなければならないのです。時期からしても、これが最後のしつけになるのではないでしょうか。ぜひきちんと行ってあげましょう。 < 後編 に続く>
2016年04月08日前編 では、脳が子どもから大人へと成長していく段階について説明しました。後編では、子どもが思春期の反抗期を迎えるとき、親としてどのような心構えをしておけばよいのかについて解説します。 ■思春期は親としての責任から解放される兆し あらゆることに反抗し、親も何かと悩む思春期ですが、この思春期にも必ず終わりが来ます。そうなってみると初めてわかることですが、思春期を通り過ぎたわが子は、もう「子ども」ではありません。ですから、思春期の終わりとともに子育てが終わると言ってもよいでしょう。 とはいえ、日本では成人するのは20歳ですし、成人した後もしばらくは親元で学生を続けていることが多いでしょう。そうなると、実質は、子どもが自分の力でお金を稼げるようになるまでは、親は責任を持たなければなりません。 でも、わが子がどんどん成長・発達していくに伴って、子ども自身が自分の行動に責任を持たなければならなくなってくるはずです。それと比例するように、親としての責任を少しずつ、子ども側へ移行していかなければなりません。 言い換えてみれば、子どもの脳が大人になればなるほど、子育ての責任がなくなってくるということです。そう考えてみたら、思春期は親としての責任の終わりが近づいている時期とも言えますね。思春期真っただ中のわが子を見て思い悩むなんて、もうしなくていいのです! むしろ「もうすぐこの責任から解放されるのね!」と喜んでもいいくらいです。 昔はよく、初潮を迎えた女の子のために赤飯を作り、みんなでお祝いをしたと言います。脳が最後の転機を迎える思春期は、まさに初潮を祝うように喜びたいものなのです。それほど、脳にとっては大切で、大きな転機だと言えます。 思春期の反抗は、それまでの変化とは違って、夫婦ともにつらく感じることが多いでしょう。そんなとき、ぜひ思い出してほしいのです。「思春期が来るということは、もう子育てのゴールが近づいているということなのだ」と。きっと「思春期、反抗期が来てよかったね」という気持ちになれることでしょう。 ■子どもが思春期を迎える前に、見直すべきは夫婦関係 余談ですが、この思春期の時期に夫婦間でトラブルが起こることも多いようです。「これまでお前は何をしてきたんだ!」と夫が妻を責めるわけですね。こうならないようにするためには、子どもが生まれたと同時に、夫を父親へと育てていく妻の努力が必要なのです。 思春期にあるこのような夫婦のトラブルは、これまでの夫に対する教育がうまくいかなかったということを表しているのです。思春期には、子育てに関して夫婦がどうやって力を合わせていったかを問われる時期とも言えますね。 世の中のお母さんたちにはぜひ、思春期の厳しいときになって夫に心外な言葉を言われないよう、子どもが幼いうちから、父親育てを頑張っていってもらいたいと思います。
2016年04月07日親の仕事はいつでも大変ですが、もっとも試練と感じられるのが思春期の反抗の時期でしょう。今までは素直だったのに、この頃は親のいうことになんでも反抗して、扱いづらい…そんな悩みを誰もが抱えています。ちょっと視点を変えて、脳科学から思春期に訪れる反抗を考えてみませんか? 理屈がわかれば、子どもの反抗に悩むことがなくなり、むしろ喜べるようになるかもしれません。 ■大人になるまでに脳は3回の転機を迎える 子どもの脳は、生まれてからずっと休むことなく、大人の脳へと成長していきます。でも、ただ少しずつ成長していくだけでなく、周りから見ても「おや? 今までと違うぞ」と感じるような転機が訪れるときがあります。 脳の転機と言われる時期は、以下の通りです。 ・反抗期と呼ばれる2歳頃 ・何となく不安定になる9歳~10歳頃 ・第2反抗期と呼ばれる思春期 これら3回の転機を経て、脳は大人になるのです。つまり、脳の成長は一定速度ではなく、3回の転機には急激で大きな変化が現れるのです。 脳の成長は、カニの脱皮に似ていると言われることがあります。カニは大きくなるために脱皮を繰り返しますが、脱皮中や脱皮したばかりのカニの味はあまりおいしくない、ということをご存じですか? カニは甲羅のまま大きく成長するのではなく、成長するときに脱皮して一回り大きくなります。従って、脱皮中や脱皮したばかりのときは、甲羅だけサイズが大きくなっているため、中身はスカスカ状態で、あまりおいしくないのです。 子どもの脳の転機はちょうどこの脱皮に似ていて、脳が転機の真っただ中、あるいはその直後であるとき、子どもは大人にとって、ちょっと扱いづらくなるのです。 ■脳の転機を経て、心と体は大人へと近づいていく とはいっても、この転機は、脳にとっては必要不可欠です。カニの身がおいしくなるために脱皮が必要なように、脳にとっても転機は必要で、それを経て子どもの心と体は大人へと近づいていくのです。 2歳の頃に起こる反抗期は、ほかの人と違う「自分」を自覚することができた証です。9~10歳頃に起こる不安定さは、脳が大人の脳へと移行していることを表しています。そして、思春期と同時に起こる反抗期は、心も体も大人になる時期になったことを意味しているのです。 親にとってもそうですが、子どもにしてみてもこの3回の転機は、なかなかにハードなものです。それでも子どもは全力でそれにぶつかって、確実に大人に近づいていくのです。反抗期を含めた3回の脳の転機には子どもが扱いづらくなりがちで、親としてはイライラすることもあるでしょう。しかし、脳も体も心も成長しているシグナルであり、成長という視点で見ると喜ばしいことと言えます。 < 後編 へ続く>
2016年04月07日小学3年生~4年生というと、年齢にすれば9歳~10歳になりますね。実はこの頃の子どもたちの脳は、あるポイント地点に到達しています。この時期を境として、その前と後とでは、脳が少し違ってくるのです。いったいどう違ってくるというのでしょうか。それを知ると、わが子への働きかけをどうしていったらよいのかが、よくわかるのです。 ■9歳~10歳で大人の脳へと切り替わる! 生まれてから3歳くらいまでは、脳の発達の度合いはとても急激です。そして3歳過ぎになるとややゆっくりとした速度で脳は発達していきます。そのまま行くのかというとそうではなく、子どもの脳は9~10歳ころにもう一度変化をみせるのです。 学校での実例から見ても、9~10歳ころ、つまり小学3~4年生の頃というのは、子どもの学習という視点から見ても変化の兆しが表れる時期です。また、発達心理学の立場からは、このころを「9歳半の節」と名付けています。つまり、この頃の子どもたちはそれまでとはどこか違った様子を見せるようになるというのです。 この時期の子どもたちの脳は、大人の脳に移行していく時期を迎えているのです。 ■子どもの脳と大人の脳の違い では、大人の脳と子どもの脳というのは、どう違うのでしょうか。 そもそも脳にとってのエネルギーは、血液から来ています。脳を使うと血液循環のスピードが速まり、それに伴ってエネルギーもたくさん脳に取り込めるのです。 エネルギーを脳に取り込むには、酸素が必要です。大人の場合、血液循環のスピードが上がったとき、それに準じて酸素もたくさん取り入れられるようになるかというと、実はそうではないのです。ですから、エネルギーが脳に取り入れられる量が一定に決まっているということになります。 なぜこんな仕組みになっているのかは定かではありませんが、突然血液量が増えてしまうことによって血管に圧力がかかり、詰まりを生じたり切れたりしないようになっているとも考えられています。 しかし、この仕組みは、子どもの脳には当てはまりません。子どもの場合は、血液循環のスピードが上がるに従って、取り入れられる酸素の量も増えていきます。ということはつまり、脳を使えば使うほど、脳に必要なエネルギーをどれだけでも得ることができるということになります。 子どもの脳はこのような素晴らしい仕組みになっています。ですから、子どもの脳である時は、どんどんと脳を鍛える学習(漢字の書き取り、音読、計算問題など)をするのにもっともふさわしい時期と言えるのです。 では、いつまでが子どもの脳と言えるのか。それがズバリ、9歳~10歳ころ、学年で言えば小学校3~4年生の頃なのです。移行の時期には男女差があり、女子は男子より6ヶ月ほど遅れてやってきます。 ■9歳~10歳くらいの子どもの変化に対して心の余裕を持つ方法 小学校3年生~4年生のころになると、脳はもう子どもではありません。大人の脳へと移行していくのです。まだまだ子どもに思える小学校3年生~4年生ですが、脳は確実に大人へと切り替わっていくのですね。 さて、この時期の子どもたちを見ていると、それまでとはちょっと違うように見えることがあります。「何だか最近、生意気な口を利くようになってきた」「どうも落ち着きがないのよね」などと、どことなく漂う不安定感に気づかれる方もいるでしょう。それはもしかしたら、大人の脳へと移行していくことから来るのかもしれません。 反抗期を迎えた子どもも、今までとはちょっと違った様子を見せますが、それとこの時期の変化とは、少し異なっています。いつも一番近くで子どものことをよく見ている親であれば、きっとその違いがわかることでしょう。 さあ、ここまで読んでいただければ、あなたの子どもが小学校3年生~4年生になり、今までとはちょっと違った雰囲気を見せ始めた時、「大人の脳へと変化しているのだ、確実に成長しているんだな」と、少し余裕を持って受け止めてあげられるでしょう。大人の脳へと順調に移行していけば、脳の働きはより潤滑なものとなり、ついに思春期へと向かっていくのです。
2016年04月05日ドリルだけやっていても前頭前野は発達しない、キーポイントは「遊び」 前編 でもご紹介したように、たしかにドリル的な勉強は、子どもの脳の前頭前野を活性化させてくれます。でも、ただひたすらドリル学習をしていけば前頭前野がぐんぐんと発達していくかというと、それは違います。ポイントとして押さえておきたいことは「遊び」です。 このことは、運動になぞらえて考えてみるとよくわかります。筋肉は、一定の負荷をかけた後、適宜休ませることで、負荷をかける前よりも筋肉が強くなるということが知られています。ですから、運動をするときにはずっと動き続けているのではなく、適当に休憩を取り入れているのです。 考えてみれば脳だって体の一部分です。ですから、基本的には運動をするときと同じように訓練していけばよいのです。つまり、「遊び」を適宜取り入れながらやっていくということ。前頭前野を鍛えるためにドリル学習などの勉強をしますね。そうしたら、少し前頭前野が休まるような行動を取り入れればよいのです。 ゲームは決して悪者じゃない、バランスよくやれば味方になる 前回、「テレビゲームは頭を使うようでいて、前頭前野を働かせるような効果はあまりない」という研究報告があるとお伝えしました。何かと悪者になりがちなゲームですが、前頭前野を働かせる効果がない分、勉強の合間の遊びとしては適しているのです。ほかにも、漫画を読むこと、テレビを見ることなどもよいでしょう。これらも子どもに好かれることでありつつ、前頭前野を成長させる刺激にはあまりならないものだからです。 でも、「今まで『テレビばっかり見てないで!』『またゲームしているの!?』と怒ってきたけど、やらせていいのね。楽になったわ~」なんて言わないでくださいね。子どもたちがこれらの前頭前野をあまり使わない遊びに夢中になり、他のことが手につかないということは、非常によくあることですよね? 子どもたちが自らを律して勉強と遊びを両立するのは難しいのです。 つまりは、親のほうで勉強と遊びのバランスをとるように誘導してあげなければならないということです。たとえば、30分間勉強を頑張ったら、その後10分間はテレビや漫画・ゲームOKとする、とか。こうすることで、子どもが勉強の中に効果的に遊びを組み込んでいけるよう、引っ張っていってあげるのです。 もちろん、子どもが中学生や高校生になってまでやってあげなければならないこととは言いませんが、少なくとも小学校低学年くらいまでは必要です。親が子どもの勉強にリズムを作ってあげることで、いつかは親に言われなくても、上手に勉強と遊びのバランスがとれた方法を実践していくことができるでしょう。
2016年03月27日「うちの子は遊んでばかりで全然勉強しないのよ…」そんな悩みはよく聞かれます。確かに遊んでばかりでは脳を鍛えることはできませんが、だからと言って勉強ばかりしていても効果的なやり方とは言えません。勉強と遊び、その取り入れ方をどう考えていけばよいのでしょうか。 頭の良い子が育つのは遺伝ではなく環境 よく、「あそこのうちは、両親がいい大学を出ているから、子どもも賢いのよね」なんていう話を聞きませんか? 勉強ができるかどうかは、遺伝性があるのでしょうか。答えはノーです。頭の良い子を育てるのは、生まれてからの環境や教育でしかありません。 では、わが子を賢く育てたいと思ったら、親はどのような働きかけをしたらよいのでしょう。それは、子どもの脳の前頭前野と呼ばれる部分を訓練してあげることです。前頭前野が反応するという程度ではなく、活動的になるように行動させましょう。 子どもたちの大好きなテレビゲーム。やっているときの子どもたちは頭脳を使い、非常に集中しているように見えますが、前頭前野の働きを調べてみると、ゲーム中の前頭前野はほぼ100%活動していなかったという研究報告があります。 つまり、賢い脳を育てるための手段として、テレビゲームは適切とは考えにくいと言えます(無論すべてのゲームを調べたわけではないでしょうから、ゲームがすべてダメというわけではなく、ゲームによってケースバイケースではあるかと思います)。 前頭前野を訓練するのは音読や計算問題 では、前頭前野を訓練するには、どのような活動が適しているのでしょう。友だち同士での(テレビゲームではない)遊びを通しても、前頭前野を活動させることができるのですが、ほかにも前頭前野にとって良いと言えるものがあります。それは、音読や計算問題といったドリル勉強です。 学校などの集団の中に、落ち着いて活動に取り組めない子どもがいます。授業中立ち歩いたり、静かに話を聞けなかったり…。このように集団行動になじめない子どもは、前頭前野の発達が未熟であると考えられています。そんな子どもたちに、授業前、音読や単純な計算プリントなどをさせると、その後の授業への取り組みがとても落ち着いたものとなったのです。 ですから、「うちの子はどうも落ち着きがないようだ」とお悩みであれば、自宅での勉強タイムに読書の時間をたっぷりととったり、単純な計算問題や数を数えるような問題をやらせてみたりしましょう。そしてそれは、ぜひ親であるあなたも一緒に取り組んでください。 見違えるほど、子どもの集中力がアップする可能性大です。ちょっと信じられないくらいの効果をもたらしてくれる報告もあがっています。 < 後編 に続く>
2016年03月27日前編 では、不規則な生活が子どもに与える悪影響について解説しました。 後編ではそれを受けて、そうならないためにはどのようにしていけばよいのか、具体案をご紹介します。 平日も休日も、生活リズムを守る 規則正しい生活を送ることが、子どもの脳や健康、将来の生活を守ってくれます。具体的にどのようにすればよいかをご説明しましょう。以下に、小学生の場合の生活リズムの例を紹介します。 まずは朝、遅くとも7時には起床しましょう。その後、朝食をきちんととり、着替えや身支度を整えて、余裕を持って登校します。夕食は遅い時間にならないようにし、低学年の場合は21時、遅くとも22時には就寝します。そして、このリズムを休日も守るようにするのです。 「平日は学校があるから仕方ないけど、休日まで!?」と思う気持ちもわかります。いつも忙しい毎日を送っているのですから、親も休日くらい休みたいですよね。でも、これは一生続くことではありません。わが子が親の手助けを必要としている時期だけは、何とか頑張って、規則正しい毎日を送るように頑張ってほしいのです。それがもっとも大切なことです。 子どもが集団生活に入る時期は、特に大切 特に大切なのは、幼稚園や学校といった集団生活に入る時期です。最初からしっかりと正しい生活習慣をつけてあげることが、親としてもっとも重要な仕事と言っても過言ではありません。 このことは、決して簡単なこととは言えないでしょう。何しろ毎日続くことですから…。これは父親だけでもできないし、母親だけでもまた、難しいことなのです。夫婦がしっかりと規則正しい生活の大切さを理解し、それを一緒に実行していかなければなりません。 たとえ父親が休日の朝、いつまでたっても起きてこなかったとしたら、そこは「疲れているからかな」なんて言わずに起こしましょう。そして、休日でもなるべく決まった時間に、家族みんなで朝食をとるのです。平日の仕事の疲れが残っているのなら、後で昼寝をしてもよいでしょう。 子どもがまだ小さいうちは、夫婦で一致団結して、何よりもまず子どもの生活を規則正しいものにする努力をしていきましょう。やっていくうちにわかることですが、子どものためと思ってしてきたことが、結果的に親たちの健康にもつながっていくのです。家族みんなで規則正しい生活を送ると、そんなメリットもあるのです。
2016年03月26日現代人は不規則な生活を送りがちです。残業で夕飯の時間も就寝の時間も遅くなり、外食をしがちになり…。そんな生活を送り続けているため、生活習慣病になってしまったり、ストレスがたまって精神的にも病んでしまったりするのです。 しかし、それは大人の世界だけの話だと思っていませんか? 夜更かしや朝食抜きの生活は、子どもたちにも増えてきているのです。「でも、病気になっているわけではないし、そんなに気にしなくてもいいのでは?」と思わないでくださいね。子どもの将来にも大きな影響を与える問題なのです。 引きこもりを作る要因は生活習慣の乱れにもある 規則正しい生活を送っていないと、子どもの体と心はいろいろな影響を受けてしまいます。夜更かしをして朝寝坊をし、朝食を食べずに慌てて学校へ行くため、便秘がちになる。睡眠不足で授業に集中できない。そんな話をよく聞きます。 もっとショッキングなことに、子どものうちから規則正しい生活をしておかないと、将来引きこもりになるかもしれないという研究結果があります。もちろんほかにも、家庭に問題があったり、その人のコミュニケーション能力に問題があったりして、原因が複雑ではありますが、原因のひとつとして生活習慣の乱れも考えられるというのです。 不規則な生活を続けていると、子どもの体はいつも疲れを感じるようになり、朝起きるのが非常につらくなって、体を動かすことさえうまくいかなくなります。さらに、免疫システムもうまく働かなくなって、病気にかかりやすくなってしまうのです。つまり、不規則な生活は子どもの体全体に悪影響を与えているということなのです。 学校に行こうと思うのに、体が動かなくなる あるとき急に、「学校に行かなければと思うのに体が動かない」と、引きこもりになった子どもたちがたくさんいます。その中には、家族とも、友だちや先生ともトラブルがなく、理由がわからない、というケースがあります。その子たちの共通点となるのが、「不規則な生活を送っていた」ということなのです。 塾通いなどのために夕食の時間が夜中になったり、その後もなんとなくだらだらと夜更かししてしまったり…。平日はきちんとしていたのに、休日に夜更かしや朝寝坊をしていたことが、引きこもりの原因となってしまったという子どももいるのです。 「単なる朝寝坊や夜更かしが、引きこもりにまで発展する?」と疑っている方もいるかもしれませんが、これらの現象は実際に起こっていることです。大人ならよくあることかもしれませんが、子どもの脳には確実に悪影響を与えるということを肝に銘じて、自分の子どもの生活を正しい方向に導いてもらいたいのです。 < 後編 に続く>
2016年03月26日赤ちゃんは生まれて6ヵ月~10ヵ月頃になると、ハイハイをする準備を始めます。この頃になると、腹ばいにしたときに首を持ち上げてきますので、そうしたら背中の筋肉の力を高める訓練を始めることで、姿勢良く育っていきます。 赤ちゃんの背中の筋肉を鍛えよう 赤ちゃんが生後6ヵ月~10ヵ月にさしかかり、腹ばいにしたときに首を持ち上げられるようになったら、背中を反らす訓練をして、背中の筋肉を鍛えてあげましょう。 背中の筋肉が弱いと、成長してから背骨が曲がって姿勢が悪くなったり、すぐに疲れてしまったり、物を長い時間持っていられないなど、体力の低下にもつながってしまいます。 背中を反らすことで背中の筋肉を鍛えるためには、赤ちゃんが腹ばいになった状態で訓練を始めます。まず、赤ちゃんが腹ばいになったところで背中から手を回し、両手を軽くつかんで左右に伸ばしてあげてください。 両手を伸ばしてあげると、赤ちゃんは自分から体を起こして背中を反らそうとします。これを2回~3回繰り返すだけです。これだけで、赤ちゃんの背中の筋肉を十分鍛えることができます。 この訓練はあまり長くやり過ぎてはいけません。赤ちゃんが疲れてしまうからです。背中を反らす時間は長くても10秒ほどにして、それを2回~3回、毎日行えばそれで十分です。 また、赤ちゃんが腹ばいになっている状態で、脇の下を両手でサポートしたまま空中にそっと持ち上げてあげると、赤ちゃんは宇宙遊泳でもしているかのように一生懸命身を反らそうとします。これも赤ちゃんにとっては楽しい経験になると共に、背中の筋肉を鍛える、よい運動になります。 背中の筋肉の力が弱いと姿勢が悪くなる 最近の子どもたちを見ていると、学校の朝礼で最後まで立っていられずしゃがみ込んでしまう子どもや、街角でしゃがみ込む首を丸めている高校生などをよく目にします。最近流行っているスタイルなのかもしれませんが、こういった悪い姿勢が流行る背景の1つには、子どもたちの背中の筋肉が発達していないということが挙げられます。 赤ちゃんの頃から適切に背中の筋肉を鍛えて、正しい姿勢と健康な体を持つようにしてあげたいものです。 (子育ての達人)
2016年03月02日前編 では赤ちゃんの足裏への刺激不足がさまざまな弊害をもたらすことを紹介しました。後編では、足裏への刺激以外で赤ちゃんの脚をすこやかに発達させるために大切なことをご紹介します。 おむつにも注意を払おう 赤ちゃんが歩くとき以外にも注意すべきことがあります。赤ちゃんを寝かせるときに、寒いのではないかとたくさん布団をかけるお母さんを時折見かけますが、これもよくありません。 赤ちゃんは睡眠中も活発に四肢を動かしており、布団が重いとこうした運動が妨害されてしまいます。結果、赤ちゃんは運動不足になり、四肢の筋肉の発達に遅れが出かねないのです。 また、赤ちゃんに使うおむつですが、最近はほとんど見かけなくなりましたが、昔(昭和初期頃)日本でよく使われていた腰巻きタイプのおむつは、あまりよくありません。というのも、腰巻きタイプのおむつは膝の下から脚まで布を巻き付ける形で利用するため、赤ちゃんの股関節に悪い影響を与えるからです。 こうした、腰に巻き付ける形のおむつは、脚の骨を弱めてしまうだけでなく、運動をやりにくくするだけでなく均整の取れた筋肉の発達を阻害し、結果としてまだ柔らかい状態の赤ちゃんの脚関節を曲げてしまいます。 カルシウム不足でさらに刺激が伝わらなくなる 成長してからガニ股になってしまうのにはもうひとつ、体内のカルシウムが不足しがちであるという原因もあげられます。 ある研究では、日本の子どもは摂取が推奨される量の半分程度しかカルシウムを摂取していないと言われています。そのほか、さまざま調査データを見ても、日本の赤ちゃんはアメリカなどに比べてカルシウムが足りなくなっていることが多いのです。 カルシウムはご存じの通り骨を形成するためになくてはならない栄養素ですが、それ以外にも神経における刺激の伝達を早めたり、反射行動の速度を上げたりするために必要になってくる栄養素です。 また、カルシウム不足はいらつきや攻撃性の上昇を招き、赤ちゃんの場合には夜なかなか寝つかなかったり夜泣きをしたりするといったことの原因になることもあります。 なぜ日本の子どもはカルシウム不足になりがちなのか 日本の赤ちゃんや子どもがカルシウム摂取不足になりがちなのには、実は理由があります。それは、欧米の子どもに比べて離乳した後に牛乳を飲まないからです。 昔はそれでも骨の多い小魚などを食べることでカルシウム不足が補われていた側面がありましたが、最近では小魚を食べさせる家庭が減っています。お魚そのものを食べない家庭が増えただけでなく、食べるとしても料理に手間がかからない切り身しか使わないという傾向が出てきているためでしょう。 子どもの頃にこういった食習慣をつけると、大きくなっても小魚を食べないように育ちます。最近の子どもが30年前の子どもに比べて約2倍も骨折しやすくなっているというのはこうした食習慣の変化によるものと思われます。 丈夫な骨を作っていくためには、カルシウム以外にビタミンDといった栄養素が必要ですし、日光浴などで紫外線を適度に浴びることも大事になってきます。 丈夫な骨を作るためのカルシウム、ビタミンD、日光浴の関係については、下記の記事に詳しく解説されていますので参考にしてください。 ・ 牛乳をたくさん飲んでいるのに骨の弱い現代っ子 足の裏の適当な刺激と共に、必要な栄養素も適切に摂るように気をつけることが重要です。 (子育ての達人)
2016年03月01日赤ちゃんの頃に足裏で感じる刺激が不足すると、成長してからいろいろな問題が起こってくると言われています。どんな問題が起きてしまうのかチェックするとともに、予防策を見ていきましょう。 O脚やX脚は足裏への刺激不足が原因? 最近、若い人の足を見るとすらっとした見栄えのいい足の形をしている人が増えてきていますが、中にはいわゆるO脚(立ったときにひざが外側に開く)やX脚(ひざ同士がくっついてこすれる状態)になっている人もまだ見受けられます。 このように、大きくなってからO脚やX脚になってしまうのは、赤ちゃんの頃に受けておくべき足の刺激が不足していたからと考える専門家もいます。 赤ちゃんは初めて歩き出す頃、大人のようにつま先をまっすぐにしてスタスタ歩いたりはしません。体の外側に向かって両足を開いて、よちよち歩きをします。 このとき注意して観察すると、両足の指を全部しっかりと開き、床を踏みしめているのがわかるかと思います。こうすることで、赤ちゃんは頑張ってバランスを取ろうとしているのです。 室内で赤ちゃんに靴下は履かせなくてよい そんなふうにして足の使い方を覚えようとしている赤ちゃんに対して、冬だからと靴下を履かせたり、すぐ大きくなるからと足の大きさに合わない靴を履かせたりしてはいないでしょうか? こういった状態では、赤ちゃんの足にかかる力が普通と違う状態になってしまい、膝関節にかかる力がおかしくなってしまいます。これが、成長してからO脚やX脚になってしまう原因の1つと考えられています。 そればかりか、足が滑ってしまうためにガニ股になってしまったり、歩きにくいせいであまり歩かないという結果をもたらしたりしかねません。 また、多少寒くても靴下は履かせず、また、靴を履かせる際にはきちんと赤ちゃんの足に合ったものを履かせてあげてください。赤ちゃんは足裏から体温を逃して、体温が上がりすぎないよう体温調整をしています。このため、少し寒いからといって靴下をたくさん履かせてしまうと、体温が上がりすぎてしまいかねないのです。 赤ちゃんの足裏にいい刺激を与え、将来美しい脚になって欲しいと思うのであれば、赤ちゃんを砂場で遊ばせるとよいでしょう。そしてそのときには、靴も靴下もなしで裸足で遊ばせてあげてください。 砂の上で裸足で遊ぶことで、指でくずれやすい砂を踏みしめることになりますから、足の指を活発に動かすことにつながります。これは、最近問題になっている子どもの偏平足(へんぺいそく=足裏の土踏まず部分のアーチが何らかの原因によって失われてしまうこと)の防止になります。 < 後編 に続く> (子育ての達人)
2016年03月01日前編 では、赤ちゃんが1人でおすわりできるようになったタイミングで視覚と聴覚の両方を鍛えることの大切さを紹介しました。後編では、さらに具体的な遊びの事例を紹介しましょう。 赤ちゃんは、楽しみながら物事を学んでいきます 赤ちゃん本人は視覚や聴覚のトレーニングを楽しい遊びとして捉えるため、ただ寝ているよりも「おすわりをして、またその楽しいことをしたい」という意欲が出て、おすわりをさせてくれるよう、おねだりをするようになってきます。こうなってきたら、楽しく脳のトレーニングを積んでもらって、役に立つ刺激をたくさん吸収してもらいましょう。 なお、トレーニングと書きましたが、赤ちゃん側からすると楽しくて仕方ない状態ですので「遊び」と認識していると考えられます。「無理にトレーニングさせる」というのではなく、遊びたいので遊ばせてあげる、という意味と捉えてください。 さて、赤ちゃんが意欲を見せ始めたら、ガラガラ(ラトル)や小さなボールなどを渡してみましょう。赤ちゃんの目の前に出してあげると、赤ちゃんは両手を出してそれをつかむ動作をするでしょう。初めのうちは両手でしかつかめませんが、ほどなく、両方の手で別々の物を1つずつつかむことができるようになってきます。 赤ちゃんが物を下に落とす理由 生後8ヵ月目に入ると、赤ちゃんは手に持った物を下に落とすことに楽しみを見出し始めます。最初は、ただ偶然取ろうとしたら落としてしまっただけなのですが、手から離れた物が転がったり音を出したりするのを見て、それが楽しくなってしまうのです。大人からすると、何が楽しいのかと思うかもしれませんが、赤ちゃんからすれば初体験ですので、楽しくて仕方ありません。 楽しくて仕方ないため、偶然ではなく、そのうちに手に持った物を意図的に下に落とし始めますし、ほどなく下に投げ出すようになります。とはいえ、横方向に放り投げることはまだできません。横方向の放り投げができるのは生後12ヵ月を過ぎたぐらいになるでしょう。 このように、自分で興味深い物事を見つけ、それを自分でもう一度やってみようという行動をしているわけですから、これはかなり脳が鍛えられて発達してきたということを表しています。赤ちゃんの興味がありそうな物を渡すということを、お母さん・お父さんがはじめに実施した結果、赤ちゃんに知恵がついてきたとも言えます。 なお、まだハイハイができないうちは、赤ちゃんは取り落としてしまった物を自分で取りに行くことができません。そんなときにはママやパパが拾って、また渡してあげるとよいでしょう。赤ちゃんは喜んで、繰り返し物を落としては楽しんでくれると思います。 (子育ての達人)
2016年02月29日生まれてから半年ぐらい経つと、赤ちゃんは自分1人でおすわりすることができるようになってきます。おすわりができるようになると赤ちゃんに入ってくる情報は格段に増え、脳を鍛えるのに絶好の機会がやってきます。 おすわりをすることで、視点が平面から立体へと変化する 赤ちゃんが1人でお座りができるようになると、それまではあおむけの状態や腹ばいの状態からの視点、つまり、どちらかというと平面的な視点だったのが、高さや奥行きといった立体的な視点でものを見ることができるようになります。 赤ちゃんは、この平面から立体への視点の変化によって、脳に大きな刺激を受けることになります。このため、この時期は赤ちゃんの脳をより高度に訓練するいい機会だと言えるのです。 赤ちゃんの首がすわってくる生後5ヵ月頃は、赤ちゃんの視力も少し上がっておおよそ2mほど先までを見ることができるようになっています。また、50cm程度の距離であれば図形を識別できるようになりますし、動いているものについてもかなりのスピードの物まで目で追うことができるようになってきます。 視覚と聴覚の両方に刺激を与えましょう 座っている赤ちゃんの前で、中に鈴が入っているボールなどを赤ちゃんの目の高さから下に落とすと、赤ちゃんは音を立てながら転がるボールを一心不乱に目で追います。ボールの転がっていく方向に体を乗り出したり、手を伸ばしたりすることもあります。 続いて、赤ちゃんの顔の斜め上あたりでボールを振って音を立て、そのまま下に落としてみましょう。赤ちゃんが顔を上げて上を向き、ボールが転がっていった先を探すようなそぶりを見せたら、しめたものです。次はベビーベッドの外側の、少し遠くのところにボールを転がしてみてください。 こうしたトレーニングをする際には、視覚だけ、あるいは聴覚だけの刺激ではなく、その両方が合わさった刺激を与えるようにします。どちらか一方だけの刺激よりも効果が上がりますし、視覚を司る神経の回路と聴覚の回路とのリンクが、より正確に鍛えられます。中に鈴が入ったボールを使うのはこういった理由からです。 ボール遊びのほかに、いないいないばあも、この時期の赤ちゃんの脳を訓練するのに有効です。いないいないばあをしてみせたり、物陰に隠れて声だけで赤ちゃんに呼びかけたりしてみてください。赤ちゃんは声のする方向を目で探しますが、目当ての人がいないので、いぶかるような様子を見せると思います。そこで声をかけた人が姿を現すと、大喜びしてくれるはずです。 こういった遊びは、赤ちゃんの空間の認識力や距離感覚を鍛えるのに役に立ちます。また、だんだんと視界を広くし、目で見える距離を広げていくことにも効果的です。 < 後編 に続く> (子育ての達人)
2016年02月29日前編 では、子どもの脳をもっとも発達させるのは親子のコミュニケーションであるということをお話ししました。後編では、子どもとコミュニケーションをとるときに気をつけたいことを紹介します。 こんなコミュニケーションは間違っている! 子どもとのコミュニケーションは真剣勝負で 子どもも3歳を過ぎると、幼稚園などに入り、その後は小学校に入学します。これらは子どもにとっては、ひとつの社会です。子どもがそうした社会に入ったら、コミュニケーションのとり方で気をつけてほしいことがあります。それは、子どもが話しかけてきたら、親の心をしっかりと子どもに向けて聞くということ。つまり、真剣に子どもの話を聞くということです。 もちろん3歳以前でもこれは同じことですが、社会の中に入ると子どもたちは、親が知らないところでたくさんのことを体験してきます。だから、家に帰ったらそのことを早く親に伝えたくてたまらない状態なのです。聞いてもらえなければ、この気持ちを満足させることはできません。 それに、一度体験したことを後から親に話せば、その出来事を振り返ることになり、「あのとき、もっとこうしたらよかったな」などと自分の行動を省みることもできますし、「あぁ、そうか、あの人はだからこうしたのか」などと改めて気づくこともできるのです。これは、物事を客観的に捉えたり、多面的に考えたりすることであり、かなり高度な脳の使い方をしている(訓練している)ことになります。 子どもの話を聞いているとき、うわの空ではありませんか? さぁ、今度はあなたのいつもの行動を思い出してみてください。 子どもに話しかけられたとき、こんな言動に心当たりはありませんか? ・うわの空で、あまり反応しなかった ・忙しいからあとでね、と断った ・先に宿題でしょ、と子どもの話を遮った 残念がならこれらは皆、子どもと真正面から向き合っていない言動になります。子どものことを真面目に考えているのかどうか、それは子どもには何となくわかるものです。 子どもに対してはいつも真剣勝負! いつも100%の意識を向けて! そうしていれば、たとえきつく叱ることがあったとしても、子どもは親の考えを理解し、親を信じてくれるでしょう。 会社勤めの経験のあるお父さん、お母さんなら、おわかりになるかと思いますが、子どもに対してだけではなく大人同士であっても、コミュニケーションを真剣に取ることは信頼関係につながり、仕事を効率的・効果的に回したり、人間関係を円滑にしたりすることの基本とされています。 コミュニケーションによる効果を最大限に引き出すには、「真剣勝負!」これが一番の方法なのです。 (子育ての達人)
2016年02月28日親は誰しも皆、わが子の脳の発達にとって良いことをしたい、と考えているでしょう。そのために幼い頃から子どもを塾や教室に通わせたり、学習教材を買い与えたりするのです。 でも、お金を使わず、かつ、もっとも脳の発達にとって大切となることを見落としている人が多いのです。それは、「コミュニケーション」です。 親子のコミュニケーションほど脳を発達させるものはない! 子どもの脳の発達について書かれた本には、たいてい「コミュニケーション」という言葉がたくさん書かれてあります。赤ちゃんに対する言葉かけ、幼児に対する読み聞かせ。それらは脳の発達に欠かせないものであり、そこにはいつも「コミュニケーション」という言葉が付いて回ります。そう、脳の発達のキーワードとなるのは、コミュニケーションなのです。 逆に考えてみると、コミュニケーションなしでの事柄は、どんなに脳に良いと言われていることであっても、脳をそれほど発達させないということです。 特に乳幼児と呼ばれる子どもたちにとって、一番その脳を発達させてくれるものは、親によるコミュニケーションなのです。実際、たくさんの研究結果によって、「幼少期にたくさん親から声をかけてもらった子どもは、将来よい子どもになる」ということが明らかになっています。 脳の発達に良いからと、多くの親が、幼稚園に通い出すころから教室や塾などで何かを習わせます。それはそれでよいでしょう。でも、他人からのアプローチよりも親からのアプローチのほうが、子どものやる気を十分に引き出せるため、「いろいろ通わせたものの、あまり子どもに変化が見られないのよね…」なんてこともあるのです。 習い事で親子のコミュニケーションの時間を減らしては本末転倒 さらに危惧すべきところは、まだまだ親子のコミュニケーションが必要な時期に、貴重な時間を習い事で消費してしまうということです。習い事を始めれば、そこにいる時間だけでなく、送り迎えにも時間をとられて、ゆったりとした親子のコミュニケーションの時間がかなり減ってしまうのは否めません。 では何も習わず、家で親子が一緒にいるだけでよいのかというと、それもちょっと違います。一緒にいても会話をせず、ただ教育メディアを見ているだけなら、子どもの脳にはコミュニケーションによる刺激は与えられません。家族そろっての食事時も、テレビをつけ、皆がそちらを向いて黙って食べているなら、それはコミュニケーションのある風景ではないのです。 < 後編 に続く> (子育ての達人)
2016年02月28日前編 では、読書を通じて子どもの興味の幅を広げる方法を紹介しました。後編では、いよいよ、「なぜ自分の子だけできないことがあるのか」の答えを、再び読書を通じて考えてみます。 「なぜこんなこともできないの?」と感じたときが、自分の子育てを振り返るとき 子どもが自分から本を読み、しかも本の種類の幅を広げていくには、親の関わりが必要不可欠です。幼いころから読み聞かせの時間をたっぷりととり、子どものボキャブラリーが自然と増え、自分で読むようになったら、子どもが選ぶ本の種類の幅を広げるよう聞き役に回るなどの工夫をする。そうすることで、子どもの脳が、一人で本を読み、しかもいろいろな種類の本に興味を持つように、自然と成長するのです。 当然、今まできちんと関わってこなかった場合(読み聞かせをしていない、聞き役に回っていない等)は、いきなり本を読めと言っても、子どもは読むことができないのです。 でも、そのような成長プロセスを知らなければ「どうしてあなたはそんなに本を読まないの!」「もうそろそろ自分で読めるでしょ。なんで読めないの!」なんて言ってしまいがちです。 これは読書だけに限りません。「なぜできないのだろう」と親が感じ、その言葉をそのまま子どもにぶつけてしまう場面は、思いのほか多いものです。「もうできるだろう」「こんな簡単なこと、できるに違いない」親からするとそう思っていたのに、実際やらせてみたらできなかった。そんな時「なぜできない!?」という気持ちが湧き上がったり、子どもに直接そう言ってしまったりするのでしょう。 ですが、読書の例からもおわかりの通り、そのことに対する子どもとの適切な関わり方が今までなかったのであれば、子どもの脳はそこまでに発達しておらず、「できない」ということになってしまうのです。 「なぜできないんだ!」と子どもに言ったって、子どもにはその理由がわかるわけがありません。「わからない」と答える程度でしょう。この場合の質問は、無茶な質問です。というのも、「自分の脳はそこまで発達していないからだ」なんて、わかるわけがないからです。 ですから、お父さん、お母さん、このような言葉を子どもにぶつけるのはやめてください。反省すべきはむしろ、自分自身なのです。 子どもに対して「なんでできないの!?」という気持ちになったら、一度深呼吸してみてください。それだけで少し冷静になれます。そうなったら次に、自分のこれまでの育児を振り返ってみてください。適切にかかわってきたかな? 必要なことを面倒だからと言ってやらないできたのではないかな? 冷静に考えて思いつくことがあれば、「なぜできないの!」とイライラしたり、子どもを責めたりすることは、きっと低減するはずです。 (子育ての達人)
2016年02月27日もうできてもいい時期なのに、ほかの子たちはできているのに、と、わが子の「できないこと」にイライラすること、ありますよね。そんなときには、まず深呼吸。そして、これまでの育児を振り返ってみませんか? ここでは、子どもの本への関わり方を例にとって考えてみたいと思います。なぜお子さんが「できない」のかが、わかってくるでしょう。 こうすれば、子どもはどんどん本を読むようになり興味の幅も広がってくる! 読み聞かせを続けていき、それに伴って子どもの中でのボキャブラリーがたくさんになってきた頃、誰かに読んでもらわなくても自ら本を開いて読む姿が、自然と見られるようになります。このような行動を取るようになった時期をどうか見逃さないでください。このとき、どう親が関わるかで、子どもの未来が決まると言っても過言ではないのです。 本を自分で読むようになったら、子どもに「お父さん(お母さん)に読んで聞かせて」と頼むのです。このときのポイントは、子どもが本を選ぶのではなく、親が本を選ぶこと。そして、子どもが好んで読んでいる本とは少し違ったジャンル類の本を選ぶのです。「この本を○○ちゃんに読んでもらいたいなあ」と、子ども心に訴えるように上手に頼みましょう。 子どもが、お父さんやお母さんに読んであげる経験を通して、「幅広いジャンルの本を自分で読んでみようかな?」という気持ちをさらに強めることができます。そして、自分なら普段は選ばないような本を読むことで、子どもが自分で気づいていない新たな興味を引き出せる可能性が高まります。 小学校の低学年くらいまでに、上記のようなことをしっかりと経験してきた子どもたちは、中学校、高校へと進学していく中で、成績がグンと上がっていく傾向にあります。実際、多方面からこれを裏付けるような例が、たくさん報告されています。 読み聞かせをしたり、本の聞き役に回ったりするには、ある程度まとまった時間が必要になりますから、忙しい子育て中には「めんどくさいな…」と思うこともあるでしょう。 しかし、読み聞かせをしたり、本の聞き役に回ったりして、子どもの読書にちょっと親の手を入れたりすることが、のちのちのその子の成績にまで関わってくることを知れば、「やっておかなければ」という気にもなるのではないでしょうか。面倒くさがらずに、ぜひ取り入れていただきたいと思います。 < 後編 に続く> (子育ての達人)
2016年02月27日子どもの質問は突然です。しかも、結構難しいことを聞いてくるものです。ときには、聞かれたほうもその答えを知らない、わからない、なんてこともあります。そんなとき、あなたならどうしますか? 親がとるべき行動をお教えします。 わからなかったら素直に「わからない」、これが正解! 子どもはよく大人に「これはどうしてなの?」「なぜそうなるの?」といった質問をぶつけてきます。子どもよりは大人のほうが知識を持っていると考えがちですが、大人だって世の中のすべてのことがわかっているわけではありません。ですから当然、子どもの質問に対して答えに窮することだって起こり得るのです。 そんなとき、親はどうしたらよいのか。答えはシンプルです。「わからない」。これでいいのです。親としてしっかりと答えなければならない、と考えているかもしれませんが、意外にも子どもたちは、わからないなら「わからない」と、はっきり言われたほうが良いと思っているようなのです。 こんな実話があります。ある科学者が子どもたちに対する講演会に呼ばれて話をしました。その後、その会を開いた大人が、子どもたちに聞いたところ、「わかっていることと、わかっていないことをきちんと話してくれたのが良かった」と答えたそうです。 その科学者は子どもたちにこんな話し方をしたのです。現在の科学ではまだ証明されておらず、はっきりとはわからないことがある、けれど、おそらくこういうことなのではないかという仮説はあるので、これからそれが正しいかどうかを調べていくのだ、と。 科学でわかっていることとわかっていないこととが、子どもたちの心の中にすっと受け入れられたようですね。だから大人だって、わからないものは「わからない」と答えたっていいのです。 「わからない」ことに対処する姿を見せれば、子どもは正しく育ちます 「親が子どもの質問に答えられないようでは、威厳が保てないのでは?」「親は意外と何も知らない、なんて呆れられたらどうしよう」そう思うのが大人としては自然なことでしょう。特に男性は外面を気にしますから、母親よりも父親のほうがそう思う傾向にあり、子どもに対して素直に「わからない」という言葉を言うなんて、なかなかできないことが多いのです。 でも、先の例を思い出してください。科学でさえもわからないのか、案外科学なんてダメだな、なんて子どもたちは思いません。だから、大人が「わからない」と言ったって、それで大人を馬鹿にしたりはしないのです。ただ、「わからない」という事態に対して大人がどう対処するかによって、子どもたちは気落ちするかもしれないし、逆に好印象を持つかもしれないということはあります。 親が、何となくごまかして終わりにしようとしたり、わからないからもういいやとすぐにあきらめてしまったりしたら、子どもたちはどのように思うでしょう。少なくとも、素敵だな、とは思わないでしょうね。そのような大人の姿を見続けてきた子どもは、将来わからないことにぶつかったときに、同じようにごまかしたり逃げたりするようになるでしょう。 わからないという事態に対して親がどのように行動するか、子どもたちはしっかりと見ています。そして、そんな親の行動をお手本とするのです。まさに、「子は親の背を見て育つ」ということです。 「わからない」と言うのは恥ずかしいと思うかもしれませんが、ごまかしたりすぐにあきらめたりする姿を見せることのほうが、ずっと恥ずかしく思えませんか? だから、子どもからの質問がわからない、答えられないと思ったら、まずは正直に「わからない」と答えましょう。その後、調べるなり考えるなりして、答えを見つけようとする姿を見せるのです。 きっと子どもはそうした親の姿から、わからないと思ったらどう対処していけばよいのかを学ぶはず。子どもの先輩ともいえる親が、行動で子どもに伝える、初めての教えだと言っても過言ではないでしょう。 (子育ての達人)
2016年02月26日生後半年ぐらいになると、赤ちゃんが急に人見知りをはじめ、知らない人やあまり接点のない人に接すると泣き出すことが増えてきます。しかし、これは赤ちゃんが正常に脳を発達させている結果であり、心配することではありません。 人見知りは赤ちゃんの成長の証です 赤ちゃんの人見知りは、赤ちゃんの脳が正常に発達してきている証だと言えます。この頃になると赤ちゃんはお母さん、お父さん、よく接する家族などとその他の人の区別がきちんとつくようになるため、こういった行動を取るようになるのです。 赤ちゃんが人見知りを始めるのは生後半年ぐらいからが多く、遅くても7ヵ月目までにはたいていの子がし始めます。 赤ちゃんが人見知りをし始めたら心配するのではなく、正常に育っているなと安心するようにしたほうがいいでしょう。そうすれば、赤ちゃんが激しく人見知りをしても余裕を持って臨めるはずです。 赤ちゃんの人見知りが悪いことのように言われるのは、赤ちゃんに問題があるわけではなく、周囲の大人の考え方に問題があるのです。今までは誰彼なく笑いかけていたのが急に違った反応をされたからといって、それが悪いことのように言われたら赤ちゃんにとっても心外でしょう。 人見知りが始まったときに、それをおかしなことのように言う大人がいるのなら、お母さんはむしろ正しい発育ができているから人見知りを始めたのだと、その人に教えてあげるぐらいの心持ちでいたほうが気にせずに切り抜けられるでしょう。 生まれたばかりの頃にお母さんとのスキンシップが不足している子どもは、人見知りが始まる時期が遅れるという研究結果もあります。お母さんはむしろ人見知りするようになったことを喜ぶぐらいでいいのです。 赤ちゃんは目を見つめられると恐怖を覚えます、注意! とはいえ、激しく人見知りするわが子をみれば、将来社交的になれないのではないか、などと心配になる人がいるかもしれません。 しかし、こういった心配はまったく的外れなものです。赤ちゃんの頃の人見知りは始まって2ヵ月から3ヵ月もすれば自然に治まりますし、むしろきちんと発育するためには必要不可欠なものだからです。 さて、赤ちゃんの人見知りですが、生まれてからどんなところで育てられてきたかによって個人差が出ます。大勢の人がいる家で育った赤ちゃんは人見知りはそんなに激しくならず、お店をやっていていろんな人が尋ねてくる家の赤ちゃんもそうなりがちです。 こういった環境で赤ちゃんを育てる必要がある場合、お母さんはほかの家庭よりもよりいっそう、赤ちゃんとのコミュニケーションをきちんと図ったほうがよいと思われます。 というのも、人見知りの薄い子どもは、大きくなってから主体性に欠け、他人の意見に流されやすい性格に育ちかねないからです。流されやすさと社交性の高さは別物なので、その点注意してあげる必要があるでしょう。 話題は変わりますが、人見知りの始まった頃の赤ちゃんというのは、他人の顔の中でも目を怖いと感じるようになっています。このため、よく知らない人に目を見つめられると不安になり、恐怖を感じてひどく泣き出すことがあります。 赤ちゃんの脳の発達という面から見ると、恐怖を感じるというのはあまりいいことではありません。よく知らない人に凝視されないように、お母さんのほうでそれとなく配慮してあげましょう。 (子育ての達人)
2016年02月14日前編 では、赤ちゃんに離乳食をあげる際の注意点を説明しました。今回は、赤ちゃんの脳の成長に必要な栄養素について解説します。 赤ちゃんの脳の成長にはビタミンが必須です 赤ちゃんが脳を成長させるにはビタミンがどうしても必要になってきます。ビタミン類は水溶性と脂溶性の2つの種類に大きく分けることができますが、このうち、水溶性のビタミンは不足しないように、少し気をつけてやる必要があります。 というのも、水溶性のビタミンは尿に溶けて体の外に出てしまいますので、体内に蓄積しておくことができないからです。このため、毎日必要な量を摂取することが欠かせません。一方、脂溶性のビタミンは体内に蓄積することが可能なビタミンで、十分な量を摂取しているなら、数日摂取しなくても問題は起こりません。 大人であれば、ビタミンが不足したらサプリメントを飲めばいいのでしょうが、赤ちゃんはカプセルや錠剤を飲み込むことができません。どうしても離乳食を食べず、食品に含まれるビタミンが不足するような場合には、乳幼児用のビタミン剤を利用してもいいでしょう。乳幼児用のビタミン剤は液体状になっており、ミルクやスープなどの中に混ぜ込んで与えられるようになっています。 脳を成長させるために必須となる水溶性ビタミン類を多く含有している食品は次の通りです。 ・ビタミンB1:全粒パン、オートミール、レバー、豚肉 └精神の安定や神経系の発達に必要 ・ビタミンB6:レバー、キャベツ、鶏肉、魚介類 └ストレス軽減に必要 ・ビタミンB12:レバー、牛肉、魚介類、卵、牛乳、チーズ └集中力や記憶力の向上、情緒の安定に必要 ・ビタミンC:ミカン、イチゴ、野菜、芋類 └神経の活性化、ストレス軽減やアレルギー対策に必要 摂り過ぎないほうがよい栄養素は かならず摂るようにしたい栄養素もあれば、あまり摂り過ぎないほうがいいものもあります。それは、糖分です。おやつなどで過剰に甘いものを摂取すると、赤ちゃんは高血糖症になってしまいます。 高血糖症になった赤ちゃんは脳の発達に遅れが出ると言われており、ものごとを学び取る力も下がってきます。普通にお店で売られているお菓子は砂糖がふんだんに入っており、赤ちゃんにとっては甘すぎますので、おやつについては砂糖を控えめにして手作りをしたものをあげるようにしてください。 なお、清涼飲料水、特にコーラは赤ちゃんにとっては危険です。重量の10分の1は砂糖ですし、コーヒー並みのカフェインを摂ってしまうことになるからです。 (子育ての達人)
2016年02月13日個人差はあるものの、赤ちゃんは生まれてから100日前後で乳歯が生え始めます。このため、この時期にいわゆる「お食い初め」の儀式をすることもありますが、実際のところどれぐらいになったら離乳食に移るようにすればいいのでしょうか。 離乳食の味は薄めに お食い初めでは赤ちゃんに実際にものを食べさせるわけではなく、食事をする「まね」をさせます。実際、生後100日目で離乳食を始めるのは、赤ちゃんにとっては少し早すぎます。 離乳食、特に液体状ではなく流動食状態のようなものを赤ちゃんにあげ始める時期は、生後6ヵ月目ぐらいからにするといいでしょう。最初は流動食のようなものから始めて、固形のものを食べさせるのは、赤ちゃんの慣れに従ってという具合いで進めていきます。 離乳食については、あまり味つけを濃くせず、大人からすると薄味過ぎておいしく感じられない程度の味の濃さにしてください。あまり最初から濃い味のものを与えると、赤ちゃんがそれに慣れきってしまい、食べ物の持っている微妙な味わいを学習できずに味覚の幅が狭くなってしまいかねないからです。 味覚への刺激は赤ちゃんの脳の発達のために必要不可欠な要素となっています。味覚の幅が狭いということはそれだけ脳が受ける刺激が狭くなってしまうことを意味しますから、味オンチにならないように気をつけてあげたいものです。 無理強いは禁物 とはいえ、赤ちゃんは毎日いつでも機嫌良く食事をしてくれるわけではありません。大人であっても、日によって食べたくなく感じる日もあるでしょう。赤ちゃんだってこれは同じですから、とにかく無理強いは禁物です。 赤ちゃんによっては、気分的な問題のほかに、天候、運動の多い少ない、便秘などの体調によって食事を嫌がることもあります。食べたくないと感じているときに無理強いすると、食べることそのものを嫌がることにもなりかねませんから、無理は禁物なのです。 赤ちゃんが食べたがらないときには無理に食べさせなくても大丈夫です。空腹になればいずれは食べますし、毎日必ず決まった量、決まった栄養成分を確実に取らなければ死んでしまうというわけでもありません。嫌がっているときには一食ぐらい食べなくても大丈夫ですから、あまり神経質にならないようにしてください。 離乳食を食べ始めた頃の赤ちゃんに、食べたがるものを食べたがるだけ与える実験をしたところ、1ヵ月経ってならしてみると、栄養のバランスがしっかりと取れていたというデータもあります。必ずしもそううまくいくとは限りませんが、あまり神経質にならなくても大丈夫だということは、おわかりいただけるでしょうか。 思う通りに食べてくれず、食べさせる側が焦って神経質になると、赤ちゃんはそれを敏感に感じ取ります。そのせいで余計食べなくなったり、時には本格的な離乳がかなり遅れるようなことにもなりかねませんから注意が必要です。 < 後編 に続く> (子育ての達人)
2016年02月13日前編 では、赤ちゃんが持つ短期記憶と論理的思考力について説明しました。今回はその続きとして、遊びを通じて赤ちゃんの記憶力と思考力をトレーニングする方法を紹介します。 「いないいないばあ」をするなら顔全体を隠そう 玩具隠しと同じように、「いないいないばあ」にも赤ちゃんの脳をトレーニングし、記憶力を発達させる効果が見込めます。「いないいないばあ」をされて赤ちゃんが大喜びするのは、自分にとって大事なお母さんが急に消えてしまって不安になったものの、すぐまた見つかって安心することによるものです。 繰り返しやっていると、記憶力が育ってくるため、お母さんが「いないいないばあ」をして顔が見えなくなっても、「どこかすぐ近くにいるはずだ」という考え方ができるようになってきます。 こうした記憶力のトレーニングという意味では、「いないいないばあ」をするときに目だけを隠すのは意味がありません。赤ちゃんからお母さんの顔が見えなくなり、お母さんが一瞬いなくなったと思わなければ意味がないからです。目は隠れていても顔の全体像が見えていては、赤ちゃんでもお母さんがいなくなったと感じません。 このため、記憶力のトレーニングも兼ねるのであれば、「いないいないばあ」をする時にはお母さんの顔全体が隠れるようなかたちで行いましょう。たとえば、赤ちゃんの前に布を垂らしたり、自分の顔の前に新聞紙をもってくる、といったようなやり方をすると簡単にできるでしょう。赤ちゃんの視界からお母さんの顔を一度完全に見えなくするところがポイントです。 生後半年もすると、赤ちゃんはようやくお父さんのことを意識できるようになるので、「いないいないばあ」をお父さんがやってもいいでしょう。しかし、この頃になると人見知りが始まる子もいます。このため、あまり頻繁に顔を合わせない人(おじいちゃん、おばあちゃん、親戚の人など)がいきなり「いないいないばあ」をすると怖がってしまい、泣き出してしまうことがありますので注意が必要です。 幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておこう 「短期的記憶力」というのは、脳科学では「ワーキングメモリシステム」と言われています。例えば、人から用を言われメモするまで覚えておく、買い物で買ってくるものを覚えておく、というような、少しの間だけ覚えておけば後は記憶しておく必要のないことを記憶するシステムです。 ワーキングメモリシステムは、日常生活を送るには必須であり、学習のスキルアップにも重要なファクターとなってきます。そのため、できるだけ幼い頃からワーキングメモリシステムを訓練しておくことがベターだと言えるでしょう。 (子育ての達人)
2016年02月12日生後半年ぐらいになると、赤ちゃんは「いないいないばあ」で大喜びをするようになります。そういう様子を見せ始めたら、玩具遊びを利用して赤ちゃんの記憶力や思考力をトレーニングしてあげましょう。 玩具隠しで赤ちゃんの脳を発達させよう 赤ちゃんが日頃見慣れている玩具を用意して、それを半分布で覆って隠します。そうして、赤ちゃんが布で覆ったものを玩具であると理解して取ろうとすることができるかチェックしてください。 それができることがわかったら、赤ちゃんの目の前で、今度は玩具を布で完全に隠してみます。初めてこれをされたときには、赤ちゃんは玩具が唐突に目の前から消えたので不思議そうなそぶりを見せます。 この時点では赤ちゃんは視界から消えたものはないものとしか認識できないので、目の前で隠されたにもかかわらず、布をはいで玩具を見つけるということができないのです。 とはいえ、これを何度も繰り返しやってみせると、そのうちに赤ちゃんは布がかぶさっているところに玩具があったことを記憶できるようになり、その記憶に基づいて布を取りのけ、玩具を発見できるようになります。 この行動は短期的な記憶力だけでなく、そこに玩具があったのだから布のかげにあるはずだ、という論理的な思考力が芽生えていなければ行うことができません。それだけ赤ちゃんの脳が発達してきているということです。こういった行動は、生後半年から1年ぐらいで行えるようになります。 赤ちゃんが理解できること、そうでないこと 赤ちゃんが布をはいで玩具を見つけられるようになったら、今度は赤と青といった区別しやすい色合いの布を2枚用意します。そして、片方の布で玩具を隠してしまいます。それから赤ちゃんが見ている前で、玩具を隠した布ともう一方の布の位置をすり替えてみましょう。 赤ちゃんは目の前で布をすり替えられても、さらには玩具を隠したほうの布が盛り上がっていても、最初に玩具があったほうの位置にある布を持ち上げます。そして、何もないのにびっくりして、ちょっと残念そうな顔をすると思います。 目の前で位置が交換されたのにこういう行動を取ってしまうのは、玩具がもともとあった場所についての短期的な記憶はあるものの、玩具が布ごと場所を移された、ということを理解することができないためです。また、盛り上がった布を見て玩具が隠されていることを理解することもできません。 こういった事柄について、赤ちゃんは生後1年~1年3ヵ月ぐらいで理解できるようになります。この頃の赤ちゃんの脳はそこまでの思考力を備えるようになってきているのです。 < 後編 に続く> (子育ての達人)
2016年02月12日