制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。保育士&幼稚園教諭免許を所有するも、自分の子育てにはほとんど生かせていない2児の母。自称・ズボラ主婦日本代表。
『コウノドリ』 (TBS系)第3話が10月27日に放送された。描かれたのは、さまざまな迷信を信じてしまう妊婦・山崎麗子(川栄李奈)の 無痛分娩 と、第1話から描かれてきた彩加(高橋メアリージュン)の 産後うつ 。 とくに産後うつについては、放送直後からSNS上に共感の声が殺到。さまざまな思いを抱えながら、日々育児に奮闘する母親たちの叫びを「これでもか!」と詰め込んだ至極の物語だった。 ■産後うつを救った星野源の言葉とは どんなときでも「大丈夫です!」と仕事の話ばかりする彩加について、 小松(吉田羊) は自分が何か力になれることはないかと悩んでいた。だが 四宮(星野源) は、産後うつは精神疾患であり産科の領域ではないと主張する。 もちろんそれは正論。しかし、彩加に手を差し伸べたいと考えているのは サクラ(綾野剛) も同じだった。第1話に回想として登場した三浦芽美は、産後うつによって自殺。サクラは三浦の命を救うことができなかった自分を、悔やみ続けていたのだ。 そんななか、ペルソナ医療センターを訪れた彩加が、病院の受付に赤ちゃんを置いたまま姿を消してしまう。それを聞いたサクラは一目散に院内を探し回るが、靴を脱ぎ、屋上の柵に手を掛ける彼女に声をかけたのは四宮だった。 「もう、どうでもいいんです、だれにも必要とされてない」と嘆く彩加に、「まだ治療の道がある患者を放っておくことはできない」と返す四宮。「治療!?」と、思ってもいない言葉に彩加は驚くが、四宮は 「治療です、治ります」 と続けるのだった。 ■「育児を美化しすぎ」に激しく共感 一般的に、病気と診断されるのはつらいことだが、ときには「病気だ」と診断されることで気持ちが楽になることもある。「いま一番必要なのは、きちんとした知識を持った専門医の助けです」という明確な言葉は「なんで、どうして」と小さな世界で自問自答を繰り返していた彩加にとって一筋の光となった。 もちろん、そんな四宮の言葉には感銘を受けたが、筆者が大きくうなづいたのはメディカルソーシャルワーカー・向井祥子(江口のりこ)の「私もこんな仕事していますけど、子どもを窓から投げ出したいと思ったこと何度もありますよ。みんな 子育てを美化しすぎ です。髪振り乱して必死にやってるんです」という言葉。 夜泣き、頻回授乳、たびたびのおむつ替え、ミルクを吐いたら着替えさせ、抱っこをして寝かしつけても、ベッドにおろすとすぐに大泣き…。小さなわが子に振り回されっぱなしの日々の中、たまに鏡を見れば、ボサボサ頭に目の下のクマ…。みんなはちゃんと子育てできているのに、自分だけができていないと追い詰められていく。 だからこそ、彩加の産後うつ症状には、「ひとごとではない」とたくさんのママたちが共感したのだろう。今橋(大森南朋)の言うように「お母さんはだれにも がんばったねと褒めてもらえない 」。 仕事は結果を出せば評価されるが、こんなにもしんどい子育ては、どんなに自分を犠牲にしてがんばっても、だれにも評価はしてもらえない。褒めてほしくて育児をしているわけではないが、ママだって「がんばっているね」と認められるだけで、世界が明るく見えるのは当然である。 ■ママたちは「仕事が忙しいから帰れない」は通用しない 「俺も手伝う」 発言で、世の母親たちを敵に回してしまった康孝(ナオト・インティライミ)も「挽回できますかね」と反省の念を口にしていた。「赤ちゃんが0歳なら、お母さんもお父さんも0歳ですよ」というサクラの言葉にあったように、母親もいっぱいいっぱいだが、父親も父親になったばかり。 相変わらず康孝は「人間は 2人でひとつになんかなれない 」と四宮に喝を入れられていたが、夫婦とはいえ“別々の人間だからこそ、互いを尊重しあう”というのは、子育てに限らず夫婦としての大きな指針と言えそうだ。 子どもを保育園に預けるのも困難な世の中。苦労を乗り越え仕事に復帰しても、康孝のように「仕事が忙しいから帰れない」というのはワーママには通用しない。外でも家でも、やりたいことをやりたい時間にできない生活は、どうしたってストレスがたまる。 それでもわが子を思って必死に戦っているママたちのがんばりをパパには認めてほしいし、心だけでも寄り添っていてほしい(行動も伴ってくれたら、その100倍うれしいが…)。そんな『コウノドリ』からのメッセージに、ママたちはどうしたって共感せずにいられないのだ。 ■サクラ&四宮の2ショットに眼福! 気になるあの女性の正体は!? シーンごとに心に響く名ゼリフの連発となった第3話。さらに四宮の「おまえが大丈夫じゃないんだよ」というサクラへの投げかけをはじめ、サクラ&四宮の眼福2ショットは、育児に疲れているママたちを癒やす要素としてもありがたかった。 そして今回も、最後の最後で登場した四宮が“お茶していた”あの女性。白川(坂口健太郎)は「まじかよ…」とつぶやいていたが、次回こそは何やら進展がありそうだ。というか白川先生、次こそ2人の関係についてしっかりと切り込んでおくれっ! 11月3日放送の第4話のテーマは“トーラック(帝王切開後の自然分娩)”。自然分娩がしたいと望む妊婦の意思を優先したいサクラと、子宮破裂などのリスクを懸念する四宮が再び対立する。 TBSテレビ 金曜ドラマ 『コウノドリ』 金曜よる10時から 【産後うつに関する記事】
2017年11月02日『先に生まれただけの僕』 (日本テレビ系)第2話が10月21日に放送された。ビジネスと教育の違いに戸惑う35歳の新校長・ 鳴海涼介(櫻井翔) が、今回ぶち当たったのは “スクールカースト” というあらたな壁。これは生徒間に存在する上下関係のことで、ここからいじめに発展することもあるという。 不祥事を恐れる鳴海は、思いも寄らない方法で生徒を指導。新校長の逆襲にはスカッとしたが、一体ママたちは子どものスクールカーストとどう向き合うべきなのだろうか? ■理不尽なスクールカースト…教師たちは楽観視!? 2年1組の小山は、腹痛を訴え保健室に通う日々を送っていた。そんな小山について保健教師の 綾野(井川遥) は、メンタルの問題ではないかと鳴海に告げる。校長としてもサラリーマンとしても不祥事を避けたい鳴海は小山を呼び出し、その理由が“スクールカースト”にあると知る。 この“スクールカースト”こそが今回のメインテーマ。これはルックスや運動神経が良かったり、恋人がいたりする子が上、そうではない子が下という生徒間で起こる階級のこと。 小山は、自身の彼女である横井と友人の磯山が、もともと仲が良かったはずの上野をバカにしている様子に耐えられず、学校に来るのがつらいと言うのだ。 鳴海は、この問題について職員たちに意見を乞うが「大人が介入すると逆によくない」などと楽観的。そんな教師たちに“予備校の先生は 「講師」 だが、学校の先生は 「教師」 だ”と語り、勉強だけでなく生きる上で大切なことや社会の現実も生徒たちに教えてほしいと伝えるのだった。 ■櫻井翔が喝!「僕に言わせりゃ、くだらないよ」 唯一の味方になりつつある 真柴(蒼井優) とともに、横井と磯山に話を聞くことにした鳴海。真柴のオブラートに包んだ問いかけに対して、「(私たちが)いじめてるって言うんですか?」と返す2人。 それに対して鳴海は「そうだよ」と即答。そして、大人の世界でも派閥やいじめはよくあると話し、学校という小さな世界で上だの下だの言うのは「僕に言わせりゃ、 くだらないよ 」と言い放つ。 そして、小山にフラれたという横井は「くだらないですよ、そんなのわかってます。ごめんなさい、もう(上野)美咲をいじめたりしません!」「私はもう…3軍だから」と言い残して去って行く。 真柴は、大人の尺度で物を言うのは良くないと忠告するが、鳴海は自分にはああいう言い方しかできず、何も言わなければ自分が校長をやっている意味がないと声を荒らげるのだった。 社会に出ても必ず上下関係はあり、学生時代に存在したスクールカーストで上位だったからといって、社会で上位になれるとは限らない。だからこそ、鳴海の「くらだない」というセリフには「ほんとに、そうだよね」と思わずつぶやいてしまった。 けれども学生時代の自分を思い起こせば、学校が社会のすべてだという真柴の意見にもうなづける。毎日楽しく学校に通ってはいたが、その裏では友達にどう思われるか、どう思われたいか、そんなことを考えながら学生生活を送っていたことは否めない。そういった意味で、学生時代に感じていたストレスは相当なものだった。見事なまでに井の中の蛙であり、 学校というものが人生そのもの だったように思うのだ。 ■子どもを待ち受けるスクールカースト、ママはどう向き合う? スクールカーストはおもに小学校から起こりはじめ、中高生でもっとも顕著になると言われている。そこから必ずしもいじめに発展するわけではなく、そのなかでも同じ価値観を持った友達と過ごすことができれば問題ない。 とはいえ、幼い子どもを持つママたちは、これから子どもたちがそんなカーストに分類されていくのかと思うと恐ろしくも感じるだろう。だが、残念ながらこれは親が解決できる問題ではなく、子ども自身が乗り越えていかなくてはいけない壁なのかもしれない。 SNSの普及などから、ママ世代の学生時代とは友だちとの付き合い方も変化。子どもにかかるストレスも想像以上という可能性も十分にある。鳴海の「くだらない」というド直球には納得するばかりだが、親だけは「くだらない」ですませずに、子どもの置かれている状況を把握することが大切だとも感じた。 わが子がスクールカーストに悩んだとき、一体なんと声をかければいいのか。おそらくそこに答えはないが「だれでも経験すること」と決めつけず、わが子の心に寄り添うことを忘れずにいたい。 ■“先に生まれただけ”の鳴海校長に一言もの申す 高校生を子ども扱いすることなく、あくまで対等にスクールカースト・いじめについて説いた鳴海のやり方は大胆だったが、結果として横井、磯山、上野の関係性は修復。第1話で奨学金の現実を突きつけられたことで思い悩み、不登校になっていた加瀬も、奨学金を借りて大学に行く決意を固めて再び登校しはじめた。 教育はこういうものだと決めつけている教師たちのなかで、なんの知識もない鳴海が “先に生まれただけ” の先輩として生徒たちを導き始めた第2話。 小山の保健室通いを知りながら何も手を打たずにいた 及川(木下ほうか) に辞任の道を用意するなど、なかなかの手荒さも見せたが、教師の意識改革に向けて突き進む鳴海の表情は明るく、この状況を楽しんでいるようにも見えた。 そんなサラリーマン校長の逆襲は爽快そのもの。ただひとつ注文を付けるなら、彼女と5年も付き合っておいて「結婚は考えられない」はちょっとヒドいよ、鳴海先生…。生徒の幸せと同じように、愛する人の幸せも考えていただければ! 10月28日放送の第3話では、退職した及川の代わりに鳴海が数学教師として教壇に立つことに。一体どんな授業を進めるのか、楽しみだ。
2017年10月27日「恋って、やっぱりいいねーっ!!」。映画 『先生! 、、、好きになってもいいですか?』 は鑑賞後、そんな言葉を大声で叫びたくなるような、甘酸っぱく、たくさんのトキメキを呼び起こしてくれるラブストーリー。 “先生と生徒”の切ない恋愛を描いた河原和音原作の少女漫画を実写化した本作で、 生田斗真 が演じるのは、感情を表に出さない社会科教師・ 伊藤貢作 。 響(広瀬すず) をとりこにする彼からあふれるのは、えも言われぬ“大人の男性”としてのカッコよさ。無造作ヘアに、メガネ、スーツを身につけた生田は、一見さえない教師でありながら、ところどころで放つ “いい男オーラ” がとにかくすごいのです。 ■生田斗真の隠し切れない、大人の男性としての魅力 NHK『天才!テレビくん』に出演していた頃から、早20年。学生、刑事、捜査官はたまたトランスジェンダーの女性役など、役者として着実にキャリアを重ねてきた生田も30代となり、 大人の色気 が漂う男性に。 そんな生田演じる無愛想な教師が、ふと見せる優しさや笑顔にはトキメキ&ニヤツキが止まりません。当然、彼の魅力に女性陣が気付かないはずもなく、響のほかに美人教師・ 中島幸子(比嘉愛未) からも思いを寄せられるなど、心の奥に秘めた優しさで女性たちを惹きつけています。 注目すべきは、響に対してあくまで大人の男性(なにより先生)として振る舞ってきた伊藤が、ある日突然、屋上で見せるキス&ハグ。響がかなわない恋という現実を受け止め、“きちんとフラれよう”としているさなかに訪れる運命の瞬間です。生田と広瀬という、まさに少女漫画から飛び出したかのような2人のキスは、一瞬、時の流れが止まったのではと感じるほどの美しさ。 そして“キスをすると人を好きになる”というどこかで聞いたことのある原理と同じなのか、このキスの後からなぜかスクリーンに映る伊藤先生がより一層カッコよく見えてくるから不思議…。憧れの年上男性、しかも先生からのキスといえば胸キュン必至! と同時に、先生と生徒という壁を越えてしまったことで、物語は大きな転機を迎えます。 ■青春あるあるの恋愛感情を追体験! 伊藤に初めての恋をする内気な女子高生を演じる 広瀬すず 。全編をとおし、広瀬が魅せた声の演技には感嘆しきり。相手が誰であるかによって繊細に声色を使い分け、感情を豊かに表現しています。それによって、観る者も自然と響の心情に寄り添うことができるのです。 はじめは本人すら気付いていなかった伊藤への恋心。それは、だれでも一度は経験するだろう、「好きじゃなかったはずなのに、どんどん相手が気になっていく…」という青春あるある。そして、いちずに伊藤を思う響は「その人を思うだけで、心が温かくなる」といった、片思いならではの感情の高ぶりや喜びなどを 追体験 させてくれます。 先日行われた完成披露試写会で、生田が「広瀬すず史上最強にかわいい映画ができたと思っています。数年は更新されることはないでしょう」と話していたように、全力で悩み、笑い、悲しみ、喜ぶ姿は、すべてがかわいくてたまらない! 女性であっても、思わず「守ってあげたい」と思ってしまうヒロインの愛らしさは、男性ならずとも必見です。 ■純愛のトキメキや甘酸っぱい記憶がよみがえるラブストーリー 「俺はやめとけ。俺が教師で、おまえが生徒だからだ」――。こんなにも歯がゆく、やりきれない言葉があるでしょうか。どんな恋愛にも困難が付きものですが、先生と生徒という立場の壁はその最たるもの。かといって、この『先生!』には“禁断の愛”にはツキモノともいえるドロドロの展開はまったくなく、ひたすら純愛を貫いていくからこそ、心が動かされます。 そして、響の親友である同じ高校の 千草(森川葵 )、 浩介(竜星涼) もまた、この物語にはなくてはならない存在。いつでも友達のことを思い、感情をむき出しにして突き進む姿は微笑ましく、自分のことを無条件で受け入れ、支えてくれる人の温かさに、あらためて気付かせてくれます。 初恋、友情といったキラキラとした“ザ・少女漫画”の要素は存分に生かしつつ、登場人物の心の移り変わりの繊細さは、単なる少女漫画の範疇には収まらない、まさに“いいとこ取り”の純愛物語。恥ずかしながら、年齢は完全に先生サイドなはずなのに、響に感情移入し何度ドキドキしたことか…。 恋愛からは遠ざかってしまっているママ。でも、やっぱり純愛を貫くことのすばらしさやトキメキってとても懐かしくて、甘酸っぱい記憶も思い出される。学生時代の片思いのとき、夫に恋したときの気持ちも思い出せるかも。そんな胸キュンを実感できる『先生! 、、、好きになってもいいですか?』。大人の魅力あふれ出る生田、そして、どんな表情でもひたすらかわいい広瀬という愛すべき2人の恋の行方を、ぜひとも映画館で見届けてみてはいかがでしょうか? 『先生! 、、、好きになってもいいですか?』 10月28日(土)全国ロードショー 出演:生田斗真、広瀬すず、竜星涼、森川葵、健太郎、中村倫也、比嘉愛未、八木亜希子、森本レオ 監督:三木孝浩 原作:河原和音(「先生!」集英社文庫コミック版) めったに笑わない伊藤貢作(生田斗真)は、生徒からの人気もイマイチ。けれども、恋愛を知らない内気な女子高生・島田響(広瀬すず)は、伊藤が時折みせる優しさに惹かれていきます。立場を気にせずまっすぐにアプローチする響に、伊藤も少しずつ心を動かされ…。さまざまな思いが交錯するなか、響の初恋の行方は…?
2017年10月26日『コウノドリ』 第2話が10月20日に放送された。テーマとなったのは“がんと出産”。 妊娠中の検査で子宮頸部腺がんが発覚した妊婦が、がんの治療をせずに何週までおなかで赤ちゃんを成長させるかという葛藤が描かれた。なるべくおなかの中で赤ちゃんを育てたい、けれども治療を遅らせることで母体へのリスクが高まる…母親にとって、この上ない大きな決断が迫られた。 ■母体優先のサクラVS胎児へのリスクを懸念した四宮 鴻鳥サクラ(綾野剛) の担当妊婦・久保佐和子(土村芳)は、子宮頸部腺がんを患っていることが判明する。佐和子はまだ妊娠19週。症状からみて子宮全摘出は逃れられず、今回の妊娠が最初で最後のチャンスになる。産まないという選択肢も残されていたが、佐和子は妊娠継続を強く希望する。 少しでも早く子宮頸部腺がんの治療を開始するべきだが、妊娠中に抗がん剤治療はできない。ペルソナチームでは、在胎28週での帝王切開を望むサクラと32週まで待つべきだという 四宮(星野源) が真っ向対立。 母親を子宮頸がんで亡くしているだけに 母体のリスク を考えたサクラと、 ベビーへのリスク を懸念した四宮。この二つは、どちらも正解のないぶつかり合いだった。 ■思い詰める妻を救った夫の言葉とは じつは筆者は次男を30週で出産した。私の場合は切迫早産で有無を言わせず出産となってしまった。しかし、発達障害などのリスクについて説明を受けた上で、自ら早産児を産むという決断は相当な勇気がいるだろう。そして、「28週で産んでも、私は死ぬかもしれないんだよ」という佐和子の本音には胸が締め付けられた。 たとえ28週で産んだとしても、自分の命が助かる保障はなく、赤ちゃんへのリスクも高い。それならば、自分の命を犠牲にしても、おなかの中で “ちゃんと”赤ちゃんを育てたい という気持ちには強く共感できる。もしも自分が死んでしまったとき、自分のせいで障がいを持つことになった子どもを夫に託すわけにはいかないと思うからだ。 そんななか、夫(福士誠治)が語ったのは「2人で育てるんだよ。俺たちの子だよ。 3人の人生だよ 」という言葉。第1話で、ベビーに心室中隔欠損があり産後の不安を抱える彩加(高橋メアリージュン)の夫・康孝(ナオト・インティライミ)が発した 「育児を手伝う」 というセリフとの対比が鮮やかで、より一層心に響いた。そして「自分のせいで」と思い悩む佐和子を救い出す言葉は、これ以外になかったのではないだろうか。 佐和子は、そんな夫の言葉に“3人で生きる”決意をして、28週で帝王切開に挑む。「私、ガンなんかに負けませんから」と力強く宣言して、子宮全摘出。予後は良好といううれしいハッピーエンドだった。 四宮の「運がよかった」というのはその通りなのかもしれないが、サクラの思いと親子の愛が奇跡をもたらしたようで心が温かくなった。 ■赤ちゃんが“家族と生きるために選んだ誕生日”に感涙 赤ちゃんを早く産んだ母として、佐和子が語った 「おなかの大きな妊婦さんに抱く劣等感」 というのは痛いほどよくわかる。自分がおなかの中できちんと育ててあげられないことの罪悪感は、計り知れない。子どもに対して「小さく産んでしまってごめんね」という気持ちも当然芽生える。 だからこそ、 今橋(大森南朋) の「ちょっと早く産まれちゃったけど、赤ちゃんがご家族と一緒に生きていくために この誕生日を選んだ んです」という言葉には、涙があふれた。 自分を責める母たちは「ごめんね」ではなく、「大きくなってくれて、ありがとう」と言える日を信じて、小さなわが子が待つNICUへと通い続ける。だがそれは、母親が生きているからできること。命を失っては子どもに触れることも成長を見守ることもできない。久保夫婦の決断は、出産の奇跡や命のありがたさを、私たちに思い出させてくれた。 そして娘のいるママたちにとって、第2話は子宮頸がんワクチンを接種するか否かについてあらためて考えるきっかけとなったはず。 小松(吉田羊) の言うように、予防接種を受ける受けないは個人の自由。けれども命に関わることだからこそ、メディアや周囲の言葉に流されるのではなく、自分なりの答えを導く必要があると教えてくれたように思うのだ。 ■四宮の私服&タメ口に視聴者ザワザワ! 久保夫婦が新たなスタートを切った一方で、彩加は 産後うつ に陥っていた。体調も万全じゃない中で行う赤ちゃんのお世話、だれにも助けを求めることができずにどんどん追い込まれていく。 仕事に復帰したいのに、保育園に入れることができず…。次週予告で、そんな彩加に「なんでイライラしてんの」と声をかけた夫を批判する声が、早くもSNSで続出中。再び四宮がガツンと一喝してくれるようだが、彩加に心からの笑顔は戻るのだろうか…。 四宮先生といえば、忘れてはいけないのが今世紀最大のスクープ! あの女性は一体だれなんだ!? 2シーズン目にして初披露となった私服姿&敬語を使っていなかったことから、相手が単なる患者ではないのは明らか。前回から気になってはいたが、このシーンで視聴者たちはますます困惑することに。彼女は誰なの、ねぇだれなのよ、四宮先生っ!! 10月27日放送の第3話で描かれるのは 「無痛分娩」 。「痛いのがイヤ」という理由ではなく、麗子(川栄李奈)は心臓病を抱えており、負担を減らすためにもサクラから無痛分娩を勧められているのだった。さまざまなイメージが飛び交う無痛分娩について、医療的観点からその必要性を私たちに訴える。 TBSテレビ 金曜ドラマ 『コウノドリ』 金曜よる10時から
2017年10月26日櫻井翔 主演ドラマ 『先に生まれただけの僕』 (日本テレビ系)第1話が放送された。タイトルは“未来を生きる子供たちのために教師は何を教えるべきか?”。 コメディタッチで笑いもありながら、メインテーマとなった“ 奨学金問題 ”を含め、子どもを抱えるママにとっていろいろと考えさせられる、なんとも深い内容だった。 ■サラリーマンと教師にある感覚差とは 総合商社・樫松物産に務める 鳴海涼介 (櫻井翔)は、相手の懐に飛び込む持ち前の営業力で、業績不振だった青森支社を黒字に導いた。だが、慕っていた上司の失脚により、赤字経営の京明館高校を立て直すべく校長として出向することになる。いわゆる左遷というヤツだ。 35歳という若さとルックスの良さ、短すぎる校長あいさつで生徒たちの心をわしづかみにした鳴海は、高校を黒字にするためには生徒を増やす必要があると考える。 そこで特進クラスの担任教師・ 真柴ちひろ(蒼井優) を連れて学習塾へ営業に回るが「優秀な子が、京明館さんを選ぶ理由がありません」などと返され、あえなく撃沈。だが、それが現実だろう。 人気校にするには生徒を変える必要がある。そのためにはまず先生の意識を変えなくてはならないのだが、経営難に陥っているにもかかわらず「教材費をケチるのか」「またお金の話?」と文句ばかり言う教師たち。 鳴海は培った営業ノウハウを生かして 「学校はビジネスだ」 と力説するも、教師たちとの間にある感覚のズレに絶句するのだった。 ■奨学金は大きな借金。この現実を伝えることは正しいのか? 今回、おもに描かれたのは奨学金問題。父親がくも膜下出血で倒れた男子生徒の進路について、真柴が「大学は奨学金をもらって行けば良い」と話したことが始まりだった。 じつは鳴海自身、中学時代に父親が他界したため奨学金を借りて大学に通い、毎年3万円の奨学金を払い続けていた。そして、その支払は10年先まで続くという。 鳴海は男子生徒に 「奨学金は大きな借金だ」 と言い、何が起るかわからない世の中で「『君の代わりがいない』と言われるような、人に必要とされるような力を身に付けていかなきゃならないんだ。いまの君にその覚悟があるなら、奨学金もらって大学に行け」と説く。 一瞬、感動しているかのように見えた生徒だったが、「聞きたくなかった」「無理だよ~」と逃げるように去ってしまう。現実を伝えることが正しいと信じて疑わなかった鳴海が、教育の難しさに打ちのめされる瞬間だった。 ■ママ世代も考えたい「奨学金問題」のリアル ママ向けの家計相談コラムなどを読んでいても、“月3万円の奨学金の返済が家計に重くのしかかっている”といった悩みをよく見かける。新入社員の給料は安く、非正規社員であればなおのこと。結婚して家庭を持てば、生活費はもちろん、子育てにお金もかかる。そこに奨学金ときたら、厳しい現実は容易に想像できる。 ドラマで描かれたように、給付型以外の奨学金は借金であり、それを返していくには覚悟がいる。そんな現実を「聞きたくなかった」というのは高校生の本音なのかもしれない。 それに対して「甘い」という人もいるだろうし、「高校生のうちから、借金の重さなんて認識できない」と反論する人もいるはずだ。実際、ドラマ終了後にはSNS上で、奨学金を返済しているという当事者らを中心に、三者三様の意見があがっていた。 ママ友と話していると「大学に行くなら、奨学金で行ってもらう」と話す人もいる。それぞれ家庭の教育方針や事情があるし、わが家の子どもも奨学金を借りることになるかもしれない。 ドラマでは奨学金について教師がどう伝えるかということが課題とされていたが、個人的には奨学金を借りた場合に起こりうる現実を、親が子どもにどう教えていくかも重要ではないかと感じた。 奨学金問題は、社会全体が解決に向けて注力するべき課題である。でも、毎日を過ごすことに手一杯になりがちなママたちは、いずれ訪れる子どもの未来でありながら、この問題についてどれほど真剣に考えているだろうか。 鳴海の話にショックを受けた高校生もいるだろうが、同じようにショックを受けたママ世代もいるはず。実際、筆者もそのひとりだ。「なんとかなる」と目をそらさずに、莫大(ばくだい)な教育費をどう工面するのか…物語はそんな現実についても、あらためて考えさせてくれた気がする。 ■櫻井翔の代表作!? 2つの魅力をばっちり堪能できる 社会問題に切り込んでいながら、随所にちりばめられたコメディ要素のおかげで、重さと軽さがのバランスが絶妙だった『先僕』。スーツ姿が様になる櫻井の緩急ある演技も見どころで、頭が切れてカッコイイ&ちょっぴりオトボケという櫻井の良さが一度に堪能できるぜいたくさもありがたい。 鳴海校長が、商社マンとしてもっともらしいことを熱く語れば、「ここは学校だ」と一蹴されてしまう。櫻井の鳩が豆鉄砲を食ったような顔には思わず笑ってしまったが、このまま経営難が続いてよいはずもない。これからどんな風に鳴海校長が、先生たちの意識改革を行っていくのかワクワクする。 さすがは『ガリレオ』『HERO』(ともにフジテレビ系)の福田靖脚本だと納得するとともに、これは櫻井翔の代表作になるのではと期待大! 10月21日に放送される第2話のテーマは“スクールカースト”。次回も、教育の現場で起きているさまざまな問題について、私たちに考えるキッカケを与えてくれそうだ。
2017年10月19日金曜ドラマ 『コウノドリ』 (TBS系)待望の新シリーズがスタートした。舞台は前作から1年半後のペルソナ医療センター。綾野剛、松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎、星野源、大森南朋といったおなじみのメンバーが、出産と真摯(しんし)に向き合う姿が映し出された。 印象深かったのは、耳が聞こえないという困難がありながら同じ方向を向いて歩む夫婦と、仕事と育児のはざまで心がすれ違う夫婦2組の対比。出産は奇跡だが、ゴールではない。その先に、育児という“現実”が待っているのだ。 ■星野源の名言に拍手! ママが抱える出産後の怖さとは 物語は、 鴻鳥サクラ(綾野剛) がかつての恩師・ 荻島勝秀(佐々木蔵之介) のヘルプとして出向いた離島での出産問題から始まる。妊娠高血圧症の妊婦・ユリをドクターヘリで搬送する予定だったが、切迫早産の未受診妊婦を優先させることになる。だが、その後ユリの容体が急変。島の住人たちの献血への協力などもあり無事にお産にたどり着くも、サクラは産科医ひとりにできることは限られていると痛感しながらペルソナに戻るのだった。 そんなサクラのもとに訪れたのは、夫婦ともに耳の聞こえない妊婦の 早見マナ(志田未来) 。スマホを忘れた出先で突然破水したが、偶然にも研修医の赤西吾郎(宮沢氷魚)が居合わせたことで、救急搬送。そこでマナは、サクラに筆談で「怖い」と伝える。産むことではない、「産んだ後が怖いのだ」と。 産後の不安を抱えているのは、キャリアウーマンの 佐野彩加(高橋メアリージュン) も同じだった。出産、育児という未知の世界。自分にできるのだろうか、という不安は出産前にだれしも抱く感情であり、万が一どんなに自信があっても、多くの場合、そのプライドはへし折られることになる。そのくらい、子育てにかかる時間や精神的負担はハンパじゃない。だれにも迷惑をかけず、ひとりで挑むなんて到底無理な話なのだ。 だからこそ、「俺も手伝うから」と彩加の肩に手を置く康孝(ナオト・インティライミ)に対して、 四宮(星野源) が放った 「“手伝う”じゃないだろ。あんたの子どもだよ」 というセリフは、「よくぞ言った!」と拍手もの。ワンオペ育児を行っている母親たちには、とくにガツンと響く言葉だった。 ■ママたちが抱える闇。なぜ自分だけが… 出産後には、たった数日で退院となる。母親と言われても、育児なんて何もわからない状態のなか、ひとりで赤ちゃんと過ごすなんて考えられないという恐怖で戦っているママは多いことだろう。 さらには心室中隔欠損症という疾患があると言われればなおさらである。康孝は彩加に「いままでずっとごめん。一緒に頑張ろう」と告げたが、育児休暇をとってまで寄り添うことはしなかった。夕暮れ時、電気もつけずに散らかった部屋の中で、赤ちゃんの泣き声だけが響く様子は、現代を生きる多くのママたちの闇を映し出しているようで鳥肌がたった。 子どもはかわいいけれど、育児のために犠牲にしなくてはいけないことはたくさんある。それなのに夫は今まで通り仕事を優先し、家庭を顧みない。どうして自分だけがこんな思いをしなくてはいけないのだろうと、やり場のない気持ちにめいってしまう。ドラマを観て、そんな彩加に共感した女性は多いのではないだろうか。 ■試される夫婦の絆! 浮き彫りになる“現実”の明暗 一方耳が聞こえないマナは、ペルソナチームが一丸となって無事出産。本来であれば産声が入るシーンだが、無音で描かれたことでよりマナの感情へと引込まれた。 「赤ちゃんの産声、聞こえますか?」という問いにうなづくマナ。もちろん、本当に赤ちゃんの声が耳に届いているわけではない。だが退院後、後ろから車が来ていることに気付かなかった父母は、クラクションの音に泣き出した赤ちゃんに「(車が来ていると)教えてくれたんだね」とほほ笑み合う。そんな家族の未来は明るかった。 育児についての困難は人それぞれ。だが、同じ立場で支え合っていく相手の有無で、その壁は高くも低くもなる。女性たちが抱えるリアルな悩みを描いた物語は、男性にこそ観てほしいという声が多く上がった。と同時に、みんな同じように悩んでいるのだと、ママたちの心に安堵(あんど)をもたらしたはずである。 ■サクラが気にかける手紙の送り主・三浦芽美の正体は…? 繊細な物語と俳優陣の熱演で、期待どおりの感動を呼んだ新シリーズの幕開け。サクラは患者に優しく寄り添い、天才ピアニスト・BABYとしても活躍。四宮はぶっきらぼうで、小松(吉田羊)はムードメーカー。下屋(松岡茉優)や白川(坂口健太郎)は専門医になり成長していたが、おおまかにいえば“相変わらず”のペルソナチームにホッとした。四宮の「背負いすぎるな、サクラ」という言葉には、2人の信頼関係がより深まっていることに満悦&キュンとしたなぁ…。 そんななか、気になるのはサクラが手にしていた手紙の送り主“三浦芽美”。前作には登場しておらず、おそらくこの2年の間に関わった患者なのだろう。 手紙には「幸せです」と感謝の言葉がつづられていたのだが、その後、何らかの“厳しい現実”があったに違いない。そして、この出来事がサクラを離島に向かわせたようにも見えた。これはサクラにとって、どのような“現実”なのだろうか…? 今後の展開に注目したい。 10月20日に放送される第2話のテーマは“がんと出産”。自分の命か、子どもの命か。母親にとって、究極の選択が描かれる。 TBSテレビ 金曜ドラマ 『コウノドリ』 金曜よる10時から
2017年10月19日10月21日公開の映画 『斉木楠雄のΨ難』 で、念願のコメディ作品に初主演する 山崎賢人さん (「崎」は正しくは「たつさき」)。超能力を持ちながら、ひたすら普通の生活がしたいと望む主人公・斉木楠雄を演じています。 笑いをこらえるのに必死だったという笑顔あふれる現場で作られた作品は、当然ながら爆笑必死の最高傑作。青春もの、胸キュンもの…数々の作品に出演し、役者としての経験を重ねてきた山崎さんに、コメディならではの難しさ、殻を破った新たな自分について語っていただきました。 ■福田監督の“笑い”のこだわりに衝撃! 「これはやべぇぞ!」 ――今回、福田雄一監督からのご指名で初タッグが実現したそうですね。 「勇者ヨシヒコ」シリーズを観てから、僕も福田さんとご一緒したいなと思っていました。3年くらい前に福田さんが舞台を観に来てくださって、そのときに「『斉木楠雄のΨ難』っていうのがあるんだけど、やらない?」と直々に声をかけていただき、「やります!」と(笑)。 ――即答ですね(笑)。福田組について、撮影前のイメージはいかがでしたか? 福田さんの世界にはとにかく“笑い”があるので、「どうなるんだろうな」って自分自身ワクワクしながら衣装合わせに行きました。撮影に入る前、監督に「僕、なんか準備して行った方がいいですか?」と聞いたら、「何もいらない。何も持ってこないで」と言われて…。 ――実際の撮影に入ってからはいかがでしたか? 撮影初日が、(橋本環奈演じる)照橋さんが斉木を好きになるきっかけとなる夏休みのシーンだったんです。そのときの環奈ちゃんの振りきり方がすごすぎて。鼻の穴も広げるから、「そこまでやるの!?」と。斉木楠雄の心の声(かなりクール)とのギャップもあるので、内心これはやべぇぞって(笑)。 斉木の妄想シーンの最初は「おっふ」(美少女の照橋を見た男性陣が、頬を赤らめながら口にする言葉)だったんです。「(軽く手を上にあげて)おっふ」くらいの感じかなと思っていたら監督が、「(両手をバタバタ上下に動かして)あわあわあわ…照橋さん、おっふ、おっふ」って(笑)。「監督さすがっす!」。やっぱり違うって思って、そこから吹っ切れましたね。 ■笑いをこらえるのに必死の撮影現場――「早く2回目がやりたい」 ――すごく楽しそうな撮影現場ですね。 めちゃくちゃ楽しかったです。斉木は(無表情で)スンっとしているのですけど、周りのみんながすさまじいので、笑いを耐えるのがすごくキツかったです。超楽しかったんですけど(笑)。 撮影中は、とにかく「福田さんを笑わせたいな」と思っていました。福田さんが笑ってくれると安心というか…。でも福田組常連の賀来(賢人)さんには「福田組は2回目からが怖いよ」って言われて。「何をやったら笑ってくれるのかって考えていくうちに、やばくなるぜ」と。だから早く2回目がやりたいです。 ――2回目以降、さらにいろいろなことを要求されそうですが…。 何も抵抗もないです! デビュー作でも、裸でデッサンされてますし(笑)。 今回、みんなそれぞれが本当に役に合っています。(海藤瞬役の)吉沢亮くんも「この役をやるために僕は生まれてきた」みたいな話をするくらい。逆に自分は、次にどういう役を演じれば笑ってもらえるんだろうなぁとか思っちゃいますね。 ――今後もコメディについては、料理されてみたいという感じですか? 料理されてみたいし、自分でも準備していきたいですね。ビジュアルに関しては、どんな要求をされてもまったく問題ないです。 ――今回、「新しい扉を開けてしまった…」という感じですね。 そうですね、開けに行った感じです! ――では、撮影をとおして発見した、自分の新たな一面はありますか? 「笑いに対する貪欲さ」は発見かもしれません。お笑い番組を見ていても、やっぱり芸人さんはすごいなって思います。 たとえば、サンドウィッチマンさんとかロバートさんとか…。ロバート秋山さんの『クリエイターズ・ファイル』はかなり見ていて、ツボですね。すごく好きです。 ――映画の中で、笑わせる立場を経験できましたね。 「笑える」って、一番幸せなことだと思っているんです。週末にレジャー施設のアトラクションに乗るような感じで、「遊びに行かない? 笑いに行かない?」って。だから映画を観て楽しめて、笑えるというのは魅力的ですよね。 ■山崎賢人の集大成! いままでのイメージがあるからおもしろい ――念願のコメディ作品ですが、ご自身にとってどんな作品になりそうですか? 代表作です!(笑) ――(笑)。これまでの山崎さんのイメージとは違うと感じました。 いままでのイメージもあるからこそ、壁ドンのシーンとかもおもしろいんじゃないかなと思っています。照橋さんの「『ヒロイン失格』も『オオカミ少女と黒王子』も観てねぇもんな!」っていうナレーションのあと、斉木が壁ドンしたら校舎が崩れる…みたいなシーンがあるんです。そんなところにこれまでの出演作が生かせたことを考えたら、やっぱりこの作品が集大成ですね(笑)。 ――クールを飛び越えて無表情という斉木を演じる上で、一番難しかったのは? 笑いをこらえるっていうところですね。斉木に近づいてくる人は、みんな距離が近いんですよ。 賀来さんには、顔をすごく触られていましたし。窪谷須(賀来賢人)は、メガネを外すと、まったく目が見えないから、斉木にすごく寄りかかってくる。最終的には、窪谷須に体重を全部かけられるんだけれど、そのおかげで斉木の眼鏡がズレてくるのがおもしろくて。でも斉木はスンってしてなきゃいけない。 監督からも「メガネがズレるから、それを無表情で直してこう」と言われて「はい、わかりました」って(笑)。あの中で笑いをこらえるのは、結構キツかったです。 ――では、とくにオススメのシーンを教えてください。 海藤と燃堂(新井浩文)との屋上のシーンかな。もう笑いをこらえるのが大変だった。吉沢くんも最初は完璧にやっていたのに、俺の笑いにつられてしまって最後の最後で笑っちゃったりして。ちょっと申し訳なかったです。 ――山崎さんも、吉沢さん演じる海藤役も似合いそうですね! 海藤のキャラ好きです、笑いのツボ的に。ずっと吉沢くんと「海藤やばいよね」って話していました。 ――現場の中で、共演者の演技などから「斉木楠雄」に生かしたことはありますか? みんなそれぞれのキャラの笑いがあったと思います。これだけおもしろい人がいる中で、斉木は妄想シーンとかだけで笑わせるのは難しいですよね。 でも、斉木がやるとおもしろくなるんです、ふだんスンとしているから(笑)。だから共演者の演技に影響されるというよりは、斉木は斉木なままでいるという感じがしました。 ――共演者のみなさんと、演技についてお話しされましたか? みんなが仕掛けてくるけど、斉木は心の中のツッコミなので、芝居での掛け合いはあまりなかったです。だから演技について話すというよりも、(自分の感覚的にも)心の中でツッコんでる感じで。観客って言うと語弊があるかもしれませんけど、別のところから自分を観ているような感覚で演じていました。 ――ちなみに、山崎さんが使ってみたい超能力は? 心の声は読みたくないなって思いますけど…。何か物を動かすっていうのが最高ですね。布団とかに寝ていて、テレビのリモコンにちょっと手が届かないときに、超能力を使って手元に移動させる。でも斉木だったら、そのまま「ピッ」ってテレビ点けられそうですけどね、リモコンとか使わなくても(笑) ■斉木と真逆の学生時代! 周りに「左右されまくりです(笑)」 ――斉木の周りには変わった友達がいっぱい集まってきますが、山崎さんの学生時代はどうでした? 自分がふざける方で、ツッコミではなかったですね。でも、イジられるのは好きじゃなかったかな。みんなで一緒にふざけてたって感じかな。 ――斉木と似ているところはありますか? ないです(笑)。たぶん…でも、もしかしたらなんとなくは似ているところがあるかもしれないですね。 ――斉木は周りに左右されない感じの男の子ですが? 僕は、左右されまくりです(笑)。 ――(笑)。では、いまになって学生時代にやっておけばよかったと感じることは? もっと楽しめばよかったなっていうのはありますね。けれどその分、何度も高校生役をやらさせていただいているので、ラッキーだなって思います。 ――斉木は友達も個性的ですが、バカップルとも言える両親も印象的でした。あんな両親に育てられたら、ご自身だったらどんな風に成長すると思いますか? う~ん、ツッコミ的な冷静な感じにはなりそうですよね。いや、ならないかなぁ…自分もバカになっちゃうかも(笑)。 でも愛し合っている理想の夫婦かなとは思います。 ――それでは最後に、仕事に育児に頑張っているママたちへのメッセージをお願いします。 いつもお疲れさまです! この作品は、年齢とか性別とか、何にも関係なく、みんなが楽しめる映画だと思います。難しいことを考えずに、とにかく笑える。笑えるって、すごく幸せなことだと思うので、何も考えずに劇場に行ってもらえたらうれしいです。 取材中に発生したちょっとしたアクシデントに、「斉木楠雄のΨ難だ!」と周囲をキョロキョロ見渡すなど、茶目っ気たっぷりだった山崎さん。さまざまな役柄を演じてきた彼の集大成とも言える『斉木楠雄のΨ難』は、大人も子どもも大爆笑間違いなし。ぜひとも親子で、劇場に足を運んでみてくださいね。 映画『斉木楠雄のΨ難』 生まれながらに超能力を与えられた斉木は、普通の生活がしたいと切実に望んでいた。だが、彼の周りには次から次へとワケありクラスメイトたちが集まってくる。舞台は年に一度の文化祭。斉木は、災難だらけの一日を無事にやり過ごすことができるのか…!? 出演:山崎賢人 橋本環奈 新井浩文 吉沢亮 笠原秀幸/賀来賢人 ムロツヨシ 佐藤二朗 脚本・監督:福田雄一 原作:「斉木楠雄のΨ難」麻生周一(集英社「週刊少年ジャンプ」連載) 公式サイト:
2017年10月13日アイドル、キャスター、司会者といったさまざまな顔を見せる嵐の 櫻井翔 。そんな彼が10月14日スタートの 『先に生まれただけの僕』 (日本テレビ系)で4年半ぶりに連ドラ主演を果たす。今回挑むのは、なんと35歳の校長先生。気になる放送を前に、役者としての櫻井翔をふり返り&“先僕”の見どころをチェックしたい。 ■初主演は保育士役! 役者が楽しいと思ったキッカケは? 役者・櫻井翔として、まず印象的だったのは2002年に放送された 『木更津キャッツアイ』 (TBS系)で演じた呉服屋の息子・バンビ(中込フトシ)役である。 野球チーム“木更津キャッツ”では花形ピッチャー、そして非合法な活動をする“木更津キャッツアイ”では頭脳派としてミッションを成功に導いた。見た目はちょっぴり派手だが、地頭が良くて根は真面目、モー子(酒井若菜)をいちずに愛する…そんな彼は、当時の櫻井にとって適役だった。 実際、昨年放送された 『櫻井・有吉THE夜会』 (TBS系)に、同作で主演を務めた岡田准一がゲスト出演した際、櫻井は「『木更津』は、この仕事楽しいなぁって思えるキッカケだった」と話しており、役者として大きな転機となったことは間違いない。 そして、翌2003年にはドラマ『よい子の味方 ~新米保育士物語~』(日本テレビ系)で連ドラ初主演。櫻井が演じたのは、新人保育士・鈴木太陽。新人ならではのミスを繰り返しつつ、周囲の人たちに支えられて成長していくというストーリーだ。当時の櫻井は、21歳。まさに短大や専門学校卒業1年目の年齢にあたり、初々しさとパワフルさを持った新米保育士を等身大の役どころであった。 ■『家族ゲーム』の家庭教師役で役者として大躍進 その後、2007年に二宮和也と共演した『山田太郎ものがたり』(TBS系)ではクールなお坊ちゃま、2009年『ザ・クイズショウ』(日本テレビ系)では記憶を失った謎多きクイズ番組MC、2010年『特上カバチ!!』(TBS系)では行政書士を目指す熱血漢、そして2011年『謎解きはディナーのあとで』(フジテレビ系)では、新人刑事であるお嬢様に代わり、聞いた話だけで事件を推理・解決する執事をユーモラスに演じた。 もちろんほかにも多数のドラマ、映画に出演してきたが、櫻井が役者としてもっとも高く評価されたのは2013年に放送された 『家族ゲーム』 (フジテレビ)ではないだろうか。櫻井が演じたのは、狂気的でミステリアスな家庭教師。どこまでが真実でどこからがうそなのか…そんなつかみどころのない複雑な役柄を、目つき、表情、多彩な声色、所作などでみごとに表現した。 櫻井に限らず、どんな役者でも好評の裏には悪評がつきものだが、アイドルやキャスターとして活躍すればするほど、世間には「櫻井翔」としてのイメージが定着する。これを覆すのは並大抵ではない。だが彼は、同作で 「櫻井翔=櫻井翔」 の殻を打ち破り、役者として大きく飛躍を遂げたように思う。 ■35歳の新校長が、経営不振の私立高校再建を目指す! そんな櫻井が『家族ゲーム』以来、4年半ぶりに連ドラ主演を務める『先に生まれただけの僕』。櫻井演じる商社マンの鳴海涼介が校長となり、経営難の 私立京明館高校の立て直し をはかるべく奮闘する物語だ。 さっそく始業式で校長挨拶をすると、35歳といういままでにない校長像ということもあり生徒からの評判は上々。だが、その反面、型破りなやり方に教師たちから反感をかってしまう。それでも「生徒はクライアントであり商品だ」と、教師たちの意識改革からスタート。高校を舞台にしながらも、物語の中心は生徒ではなくあくまで教師。そんな新たな学園ドラマの始まりである。 今作で櫻井の恋人を演じるのは、 多部未華子 。櫻井は10年ぶりに高校を舞台にした作品への出演となるが、その10年前の作品(『山田太郎ものがたり』)でヒロインを務めたのが多部というのも興味深い。ともに高校生役だった彼らが、時を経てどのような掛け合いを見せてくれるのか楽しみだ。 ■適任だからこそ難役…? 新たな“役者・櫻井翔”に期待! どちらかと言えば、コメディよりもシリアスな作品で演技力を発揮するかのように思える櫻井。だが『先僕』は“社会派エンターテインメントドラマ”と称しており、ひょっとすると彼にとって得意とは言えない分野なのかもしれない。 しかし“商社マンが校長になる”という型破りな設定を耳にして、頭の回転が速く、堅実な印象のある櫻井が主役というのは適任だと感じるのは筆者だけではないはず。自身のイメージに近いからこそ演じるのは難しいようにも思えるが、彼はどんな手法で私たちを楽しませてくれるのか。 そして、『HERO』『ガリレオ』などのヒット作を生み出してきた福田靖脚本のもと、役者としてさらなる大躍進となるのか。物語の行方とともに、櫻井の演技にもおおいに期待したい。
2017年10月12日2015年に放送され大反響を呼んだ 綾野剛 主演ドラマ 『コウノドリ』 (TBS系)が、2年ぶりに帰ってくる! ペルソナ総合医療センターを舞台に、未受診妊婦、切迫流産、里親制度など妊娠・出産にまつわるテーマをリアルに描いてきた同作。 キャストは、 松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎 、そして 星野源、大森南朋 ら前作から引き続き出演する。しかし彼らは、2年のときを経て“豪華俳優”へと大躍進。彼らの競演や新たなストーリーに期待が高まるが、放送を前に今までの物語と、その魅力を振り返りたい。 ■綾野剛・サクラが持つ2つの顔と出生のヒミツ 綾野剛が演じるのは、 産婦人科医とピアニスト という2つの顔を持つ主人公・鴻鳥サクラ。シングルマザーだった母は妊娠中に病が発覚するも、治療を拒否してサクラを出産後に他界する。 児童養護施設で育ったサクラだが、ママと慕う小野田景子(綾戸智恵)からの愛情をたっぷりと受けてきた。そして、景子に幼少期からピアノを教わっていたサクラは、喜び、悲しみ、苦しみといった感情をピアノに託すようになり、 大人気ピアニスト・BABY としてステージに立つように。しかし彼はライブ中に突然、演奏を中断してしまうことが。このことから、謎多き天才ピアニストと称されていた。 ライブ中断の理由。それは、サクラのもうひとつの顔である産婦人科医としてのオンコール(呼び出し)が理由だった。サクラはどんな状況でも「生まれてくる赤ちゃんに罪はない」と、患者を最優先に考えているため、連絡があればすぐに病院へと舞い戻る。「1分で赤ちゃん出すよ~」というおなじみのセリフどおり、腕も一流。同僚や患者から信頼される心優しき産婦人科医なのだ。 そんなサクラは自分の出生について「自分のせいで母親は死んだのでは」と長年悩み続けてきた。しかし母が「サクラは散っても来年また満開の花を咲かせるでしょ。命ってそうやってつないでいくものだと思うの」と話していたことを知る。自分は母の命を奪ったのではなく、命のバトンを受け継いだのだと会心したところで最終回を終えた。 ■星野源・四宮先生が笑顔をなくしたワケ 星野源演じる四宮春樹は、笑顔を見せない冷徹な産科医。もとは熱血でよく笑う医師だったが、ある出来事によって冷淡な医師へと変貌する。 5年前、喫煙を止めない妊婦に強く注意できなかったことで、女性は早期胎盤剥離を起して死亡。誕生した女児・つぼみは、重度の脳性麻痺で寝たきりとなってしまったことを機に、四宮は「患者に優しくするもんじゃない。こんなに悔しいなら嫌われた方がマシ」と、笑顔を封印してしまったのだ。 そして第8話で、患者から「妊婦にはもっと優しくしてください!」と言われた際、四宮は思わず「アハッ」と吹き出してしまう。これには小松も驚いたが、これ以降少しずつ表情が豊かに。とはいえ、最終回で見せたのも口角が多少上がる程度のほほ笑み…あれから2年後を描く新シリーズでは、四宮がどのような表情を見せてくれるのか注目だ。 ■松岡茉優、坂口健太郎ら主役級キャストがズラリ! 松岡茉優演じる下屋は、サクラの下で働く後期研修医。経験が浅く緊急事態に戸惑うことも多いが、サクラや小松にアドバイスを受けながら着実に成長してきた。 第10話では、順調と思われた妊婦が出産を前に突然の心停止。下屋はすぐさまAEDを使用し、コードブルーを宣言するなど的確な判断で患者を救った。 そんな下屋と互いに切磋琢磨する(茶々を入れ合う!?)のが、坂口健太郎演じる新生児科の白川。第8話では、胎児に口唇口蓋裂が発覚し悩む母親を「大げさだ」と言い放つなど精神面で未熟なところも。 だが、新生児科医・今橋( 大森南朋 )に導かれ「赤ちゃんの声を聞いてやれるのは俺たちしかいない」と考えを改め、技術向上に励んできた。 新シリーズでは研修期間を終え、下屋は産科医、白川は小児科の専門医へと成長。そしてサクラや四宮から「先生」と崇められる小松もペルソナで助産師を続けている。いつも明るいムードメーカーの小松。前作では他人の結婚話に敏感だったが、新シリーズではついに恋が訪れる…なんてうわさも!? ■リアルを追求! 命の誕生の裏にある悲しい物語 『コウノドリ』の特長といえば、なんと言っても すば抜けたリアリティ 。多くのドラマの場合、生まれたてなのに「あれ?」と思うほど大きな赤ちゃんだったり、人形だったりすることがある。 だが、本作では徹底管理のもと新生児で撮影が行われるなど、ビジュアル面でも真実を追求してきた。そしてそれが許されるのは、実際の医師からも高く評価されるほど物語が丁寧に作り込まれているからこそ。 命の誕生という幸せがあふれる産科だが、その裏には つらい物語 があるのも事実。そして同作では、「母体と胎児のどちらを優先するか」「障がいが残るかもしれない」などドキッとするようなテーマについてもサクセスストーリーにすることなく、地に足を付けて描いてきた。 たとえば第5話では、14歳の出産が描かれた。中学生で親になるのは大変だけど、周囲が協力して育てていく…という感動物語かと思いきや、経済的に育児困難という理由から特別養子縁組制度を選ぶことになる。しかも養親への引き渡しは、壮絶な出産を乗り越えた直後のことだった。 ほんの数秒だけ、生まれたわが子と顔をあわせただけで、母親がどんなに首を横に振っても、赤ちゃんは別室に連れていかれてしまう。そこには同情など存在せず、どうしようもない現実だけが待っていた。痛みに耐えて出産した彼女が、わが子をどんなに抱きしめたかったか、どんなに一緒にいたいと願ったか、どんなに自分の無力さを痛感したか…。むせび泣く母親がわが子と引き離されるシーンには、胸が締め付けられる思いだった。 そんな風に『コウノドリ』は、単なる「お涙ちょうだい」ではなく、 悲しみを含めた妊娠・出産のリアル を通して、命が誕生することの奇跡や“命の尊さ”に気づかせてくれるのだ。 ■『コウノドリ』新シリーズの見どころは? 新シリーズのテーマは「生まれること、そして生きること」。第1話では、サクラが産科過疎地の離島で総合医として働く恩師・荻島勝秀(佐々木蔵之介)のもとへ。ベテランの域に入ったサクラが、孤軍奮闘する恩師から何を学ぶのか。サクラと患者との関わりのみならず、今後、荻島がサクラにどんな影響を与えていくのかも楽しみだ。 さらに、小栗旬をはじめ要潤、石田ひかりなど豪華なゲスト陣も話題となった前作。今作では、一体どのような俳優陣が物語に彩っていくのか。そんなところにも期待したい。 TBSテレビ 金曜ドラマ 『コウノドリ』 10月13日(金)よる10時~スタート 初回15分枠大スペシャル
2017年10月12日正直、全編をとおして“情熱的な松潤”には出会うことができません…。 映画『ナラタージュ』 で 松本潤 が見せたのは“繊細な男”という新境地。ヒロイン・ 有村架純 を惑わす彼からは、女性を惹きつける 30代のリアルな男の哀愁と色気 が漂っていました。 島本理生の人気小説を行定勲監督で映画化した本作。タイトルの「ナラタージュ」とは、ナレーションとモンタージュからなる造語で、人物の語りや回想によって過去を再現する手法のこと。映画はタイトルどおり、社会人になった泉(有村)が過去を回想する形で進みます。 ■松本潤イメージを封印!? 本心を秘めた影のある男性教師 『花より男子ファイナル』や『陽だまりの彼女』などで、ひとりの女性に対してまっすぐな恋愛をする好青年を演じてきた松本がどのように恋に苦しむ姿を演じるのか。 松本が演じる葉山は、高校教師で演劇部の顧問。有村架純演じる泉が高校生だったとき、学校になじめない泉を演劇部に誘う。しかし彼はある過去の出来事を十字架のように背負っていた…。 前髪をおろし、松本のチャームポイントともいえる力強い眉毛と目力を封印。メガネをかけ、地味な装い…どういったキャラクターなのか、どういった気持ちなのか最後までつかみきることが難しい! 撮影前、行定監督が松本に伝えたのは「目にブラインドをかけてほしい」というリクエスト。その狙いはみごと的中。目力を普段の40%に抑えることで、 30歳を超えた男の悲哀 をにじませることに成功。もともと目力が強く、芯のとおったイメージのある松本が演じるからこそ、煮え切らない湿っぽさが、より一層際立っているではありませんか。 松本の葉山像について、原作者の島本も「良い意味で普段の松本さんとギャップがあった」と絶賛。MJ独自の王子様キャラどころか、自分の感情すら定まらない教師役…にもかかわらず、哀愁とともにあふれ出る 大人の色気 。そんな松本潤の新たな魅力が堪能できます。 ■目力、過去、愛…すべてを封印! ズルい男を松潤が体現 あえて“カッコイイ”すら封印した松本ですが、葉山にとっても 「封印」 はキーワードのひとつ。眉&目力という見た目の封印はもとより、葉山は離婚の成立していない 妻との過去 を封じ込み、泉へのどうしようもなく 湧き出る愛 をも抑え込みます。 教師と生徒という関係でなくなった今なお、2人が恋愛することが許されない理由はどこにあるのか? なぜ、妻とは離婚できないのか? 許されない恋の再熱とともに、その答えは少しずつ明かされていきます。 過去に縛られ、自分を「封印」から解放できない葉山には「お願いだから、自分の気持ちにすなおになって!」と伝えたくなりますが、同時につい手を差し伸べたくなってしまう女の弱さを痛感…。 行定監督は「言葉にしたいけど言葉にできない感情」を役者の表情の移り変わりでじっくり見せることにこだわったと話しています。そして、松本は本音を口にせず、すがるような瞳で語りかける 男のズルさ をみごとに表現。目力を封じることで生まれた松本の物憂げな表情には感服です。 ■嫉妬心むき出し坂口健太郎×感情を表に出さない松本潤 泉に恋をする大学生・小野怜二を演じるのは 坂口健太郎 。演劇部のOBである黒川と同じ大学に通っており、彼に誘われ卒業公演に参加することになります。練習を重ねるうちに、徐々に泉に惹かれていく小野。泉に対してまっすぐに自分の気持ちを伝える一方で、葉山への嫉妬心を募らせていきます。 坂口が魅せたのは、自分に気持ちがない泉に「それでもいい」と言いながら、その言葉に気持ちがついて行けない人間のむなしさと、抑えきれない嫉み。“頼りなくもかわいらしい”はたまた“クール”といった印象の強い坂口が、嫉妬心を爆発させる姿はかなり新鮮! さらに、思い切り感情をぶつける若さあふれる坂口に対して、感情を表に出さない松本から感じられる大人の余裕。 正反対の魅力を持つ2人の男性 が放つコントラストもまた絶妙です。 ■松本潤と有村架純のラブシーンは? 映画『ナラタージュ』は、公開前から 濃厚なラブシーン があることが話題になっていました。国民的アイドル・嵐の松本潤と、NHK連続テレビ小説『ひよっこ』でヒロインを務めた有村架純のラブシーンとなれば、注目されるのも当然のこと。 実際、今までの松本、そして有村の清純なイメージを打破する刺激的なシーンであることには間違いなし。けれども、許されない愛であることを互いに受け入れながら、気持ちをぶつけ合うその様は、切なく、儚く、美しいものでした。 印象深い雨のシーンをはじめとする映像美が、せわしない日常からフッと別世界へと引込んでくれる本作。徹底的にオーラを封印した松本潤に母性本能をくすぐられる新感覚とともに、心の奥底に秘めた「一生に一度の忘れられない恋」に、思いをはせてみてはいかがでしょうか? 『ナラタージュ』 10月7日(土)全国ロードショー 出演:松本 潤、有村架純、坂口健太郎 監督:行定勲 原作:島本理生(「ナラタージュ」角川文庫刊) 配給:東宝=アスミック・エース 大学2年の春、泉は高校時代の演劇部の顧問教師・葉山(松本)から、後輩のために卒業公演に参加してほしいと誘われます。葉山はかつて、学校で孤立していた泉を救い出した教師でした。 泉は、葉山との誰にも言えない秘密を抱いたまま卒業。しかし、一年ぶりの再会により彼への気持ちが募っていきます。そんな二人の想いが重なりかけたとき、泉は葉山から離婚の成立していない妻の存在を告げられるのです…。
2017年10月05日夏ドラマの余韻も残る中、早くも出そろった2017年10月期の秋ドラマ。若手からベテランまで、「ドラマ界が本気を出したか!?」と思える豪華キャストがズラリと並び、どの作品も話題性は十分。なかでも注目したのは“主婦”“経営難”“続編医療”という3つのテーマ。さらに、突然の発表で世間に衝撃を与えたあのふたりの活躍も必見! もれなく熱いハートを持った主人公達と、物語の見どころに迫ってみたい。 ■共感必至! がんばる主婦たちが大奔走 この秋、活躍するのはパワフルな主婦たち。まずピックアップするのは、意外にも月9初主演という 篠原涼子 の 『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?』 (フジテレビ系/10月16日~)。篠原演じる一児の母である佐藤智子が、職場をクビになったことをキッカケに“高額報酬=家族の幸せ”を目指して一念発起。政治の知識もない新米ママさん議員となり、市政にはびこる悪や社会問題を、素人目線・女性ならではの視点でぶった切る! そんな智子と、選挙戦で議席を争うライバル・藤堂を演じるのは、ママ世代から絶大な人気を誇る 高橋一生 。さらに、智子の夫を演じるのは安定の癒やし系俳優・ 田中圭 というのもたまらない。社会全体の幸せをつかむべく、学歴もない平凡な主婦は権力者に打ち勝つことができるのか!? 正義感の強いもうひとりの主婦は、 『奥様は、取り扱い注意』 (日本テレビ系/10月4日~)で 綾瀬はるか 演じる伊佐山菜美。夫に 西島秀俊 、隣人には 広末涼子 とそれだけでテンションのあがるキャスティングだが、ストーリーは謎だらけ。 だれもがうらやむセレブ主婦となった菜美だが、天涯孤独に育った彼女は、スリルのある生活が忘れられず…。平凡な毎日に物足りなさを感じていたとき、周りにいる幸せそうな主婦もじつはさまざまな悩みを抱えていることに気がつく。ちょっぴり危険な奥さまは、主婦たちの問題をどう解決していくのか。 『SP 警視庁警備部警護課第四係』『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(ともにフジテレビ系)など革新的な刑事ドラマを送り出してきた金城一紀が脚本を手掛けるホームドラマとしても、注目度は抜群だ。 ■衝撃発表のふたりも登場! 安室奈美恵×武井咲 女性が活躍するドラマといえば、宮藤官九郎脚本のおばさん犯罪エンターテインメント 『監獄のお姫さま』 (TBS系/10月17日~)も忘れてはいけない。元キャリアウーマンで、一児の母・馬場カヨ演じる 小泉今日子 を筆頭に、 満島ひかり、夏帆、坂井真紀、森下愛子、菅野美穂 という実力派女優がそろいぶみ。 物語は、罪を犯した彼女たちが女子刑務所でたくましく生きる姿を描いた群像劇。普通に生まれ、普通に生き、普通に死んでいくことの幸せをあらためて実感できる、笑って泣ける人間ドラマだ。主題歌は、2018年9月での電撃引退を発表した 安室奈美恵 の「Showtime」。日本を代表するカッコイイ女性・安室ちゃんが、冤罪(えんざい)を晴らすために奔走する女たちを盛り上げる! そして、結婚・妊娠発表で話題の 武井咲 は、 ディーン・フジオカ とタッグを組んで 『今からあなたを脅迫します』 (日本テレビ系/10月15日~)に出演。善人のお嬢様を演じる武井の美しさはもちろん、あのディーン様が放つくだらないギャグにも刮目せよ! ■今をときめく実力派イケメンが、経営難に立ち向かう! 一方、男性陣の前に立ちはだかるのは経営難。『過保護のカホコ』(日本テレビ系)の麦野初役で大ブレイクした 竹内涼真 がランナー役で出演するという発表に沸いた 『陸王』 (TBS系/10月15日~)はそのひとつ。主演の 役所広司 演じる宮沢紘一は、老舗足袋業者「こはぜ屋」四代目社長。100年以上続く会社の存続危機を救うべく、新規事業であるランニングシューズ「陸王」の開発に挑む。 そんな紘一の息子を演じるのは 山崎賢人 。「こはぜ屋」の経営について気にかけるも「足袋屋にランニングシューズは作れない」と、親子関係はすれ違う。ものづくり×原作・池井戸潤という『下町ロケット』(TBS系)を思わせる本作は、やはり職人たちの熱い思いに身震い必至。人情味あふれるストーリー×イケメンという最強のコンビネーションで、視聴者の心をつかみにくる。 存続危機に直面しているのは、 櫻井翔 主演 『先に生まれただけの僕』 (日本テレビ系/10月14日~)の京明館高校も同じ。商社マンだった鳴海涼介が、経営難に陥っている私立高校を立て直すべく新校長に就任。始業式で校長挨拶をすると、若さとルックスから生徒ウケは抜群。だが、生徒人気とは裏腹に教師たちから非難を浴びることになる。 学校という不慣れな場所に戸惑いつつも、「生徒はクライアントであり商品だ」と、教師たちの意識改革からスタート。35歳の型破りな校長は、学校を黒字へと導くことができるのか…? ■待望の続編! 大好評の医療ドラマが復活 命が生まれる奇跡を紡ぐ産科医療ドラマ 『コウノドリ』 (TBS系/10月13日~)。2015年10月期に放送され、毎週涙を誘った人気ドラマが復活する。医療従事者と患者のふれあいを基に、産科で起こるさまざまな葛藤、リスク、温かさなどをリアルに描いた同作。 産婦人科医兼天才ピアニストである鴻鳥サクラを演じる 綾野剛 はじめ、 松岡茉優、吉田羊、坂口健太郎 、そしてドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で一躍人気俳優へと上り詰めた 星野源 らが引き続き出演。心に響く物語性はもちろん、2年の間に、驚くほどパワーアップして帰ってきたキャスト陣、そして初登場となる 佐々木蔵之介 にも注目だ。 人気医療ドラマの続編といえば、 米倉涼子 主演 『ドクターX ~外科医・大門未知子~』 (テレビ朝日系/10月12日~)もしかり。第5シリーズとなる今回、フリーランスの天才外科医・大門美智子が派遣されたのは、日本最高峰の大学病院・東帝大学病院。前院長・蛭間( 西田敏行 )失脚後、新院長となったのは 大地真央 演じる志村まどか。未知子の腕は認めている志村だが、一筋縄で行くはずもなく…。ドラマ初共演となる米倉と大地という美しき女優2人のバトルは必見。困難を乗り越え、大門おなじみの「私、失敗しないので」炸裂(さくれつなるか!? ほかにも、 井上真央 主演 『明日の約束』 (フジテレビ系/10月17日~)、 浅野忠信×神木隆之介 の凸凹コンビが難事件に挑む 『刑事ゆがみ』 (フジテレビ系/10月12日~)など、芸術の秋にふさわしい粒ぞろいのラインアップ。お気に入りの作品とともに秋の夜長を堪能すべく、まずは初回の放送をチェック!
2017年10月03日いよいよ9月18日に最終回を迎える 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)。先日放送された第9話では、地下鉄線路内での土壌再崩落に 藍沢(山下智久) が巻き込まれるという衝撃のラストシーンに、ショックと戸惑いを隠せないファンが続出…。 なぜこんな事故にまきこまれてしまったのか。3rdシーズンで起こったことをおさらいしつつ、藍沢たちが立ち向かってきたことを検証していきたい。 ■人手不足の救命センターはどのように変わったのか? 人手不足に悩んでいた翔北救命センターに、脳外科医として活躍していた藍沢、周産期医療センターで産科医療の道に進んでいた 緋山(戸田恵梨香) が戻ってきた。 救命には新人フェローがいたのだが、横峯(新木優子)は現場に恐怖心を抱いており、灰谷(成田凌)は自信がなく常にオドオド、名取(有岡大貴)はヤル気なしのへそ曲がり…3人揃って、とにかく使えなかった。 だが、 白石(新垣結衣) の優しい指導と藍沢のツンデレ指導などの甲斐もあり、いまでは見違えるほどに急成長。灰谷は精神疾患を抱えるものの、克服したいと前を向いており、白石率いる救命チームはひとつになりつつあった。 ■ガッキーは山Pに投げかけた言葉の真意は? 藍沢は、1席しかないトロント大へのレジデントを新海(安藤政信)と競っており、症例数を稼ぐためというのも救命に戻ってきた理由のひとつだった。 そんな藍沢がずっと固執しているのが天才ピアニスト・天野奏(田鍋梨々花)のこと。序盤から奏に脳腫瘍があることを「理不尽だ」と話し、藍沢らしからぬ手術前に奏に「大丈夫だ」という発言とともに執刀を約束。 だが、新海が藍沢へのライバル心から、ひとりで手術を強行。結果として約束を果たすことができず、奏の手には後遺症が残ってしまったことで 「俺だけが夢を追うわけにはいかない」 と責任を感じ続けてきた。 第9話で白石が話した「藍沢先生ってそんなだった? 9年前のあなたは違った 」という言葉は、1stシーズンから観続けてきたファンのだれもが抱いてきたヤキモキの代弁でもあった。 チームの大切さやチームプレイの楽しさを感じ始めたのかもしれない。でも、やっぱり藍沢の “一匹狼”的なカッコよさ を期待してしまう。ウジウジと悩む藍沢ではなく、“根は優しくて頼りになる”そんな藍沢がやっぱり好きだ! しかし最終回を前に、藍沢が土壌の下敷きになるとい緊急事態が発生! トロント大に行くか行かないかという以前に、生きるか死ぬかというまさかの展開に…。藍沢の“からだ”はもちろん、エースとしての“心”の復活を信じたい。 ■描かれた3組の恋愛模様…その行く末は? 3rdシーズンでは、30代半ばに突入したオリジナルメンバー5人の恋愛模様にも注目が集まっていた。第1話で、早くも 藤川(浅利陽介) & 冴島(比嘉愛未) の同棲・妊娠が発覚。その後、冴島の毒ガス騒動を乗り越え、2人は結婚を決意するが、冴島の流産という悲劇に見舞われる。だが冴島復帰後は、調子のよい藤川にピシャリとツッコむ冴島という夫婦漫才とも言えるおなじみのやりとりが帰ってきた。 それにしても藤川は、男として急成長を遂げた。1stシーズンでは口だけのお調子者だったが、3rdシーズンでは藍沢に勝るとも劣らない“デキる医師”に。鋭い眼差しで処置をする姿はやたらとカッコよく、冴島にノロける姿は愛らしい。本当いい男になったなぁ…いまでは、冴島が惹かれるのも納得しかない。 そして、恋愛物語の中心人物となったのは緋山。渓流で負傷して救命に運ばれてきた料理人の 緒方(丸山智己) と、互いに言いたいことを言い合いながら心を通わせていく。かつてない幸せそうな表情を見せる彼女だったが、第9話では「いずれ緋山先生は俺といる時間が楽しくなくなる」「もう会うのはよそう」と突き放されてしまう。あまりに自分本位の発言に、緋山先生を傷つけないで~と思うが、おや? これは名取にも可能性がある…のか!? これまでも、緒方にわかりやすく(かわいらしく)嫉妬してきた名取だが、先日もド・ストレートに「緋山先生がいないならここに未練はないです」と告げるなど、いまだ片思いしているのは一目瞭然。さすがに緒方がダメなら名取…ということは考えにくいが、それは本人のみぞ知る。緋山が医師として、そして女性として、どんな決断を下すのか楽しみだ。 そしてそして、忘れてはいけないのが「 救命にはお前がいる 。お前はおもしろい」という思わせぶり発言で、白石との恋愛に発展するのかと視聴者を翻弄しまくった藍沢。新海が白石を食事に誘い藍沢は嫉妬しているのかと思えばそんなこともなく、白石のお昼寝姿もそろりそろりとスルー。互いに「頼って欲しい」といった話を交わすものの、基本的にはすべて仕事上の話のみ。 第9話では「近くにいても遠くなる、そんな関係はイヤ」と白石が発するが、これを恋愛にこじつけるのは少々強引と言えそう。2人の恋愛には、医療を追求して欲しいと願うファンを中心に賛否両論あるも、それらもすべて藍沢先生が生きてこそ。恋愛成就じゃなくてもいいから、最後には藍沢と白石、そして、5人が笑いあう姿が見たい! ■地下鉄事故の結末は? 最終回の見どころチェック 第9話では、橘(椎名桔平)の息子・優輔の心臓移植手術に搬送されるところまでが描かれたが、こちらも結末は最終回まで持ち越し。地下鉄線路内での崩落という悲惨な事故が起きただけに、同時進行している優輔の手術は成功すると願いたい。そして、藍沢の事故を知ったピアニスト・奏は、藍沢にどんな思いを抱き、その現実とどう向き合っていくのかも見逃せない。 前話のラストシーンでは藍沢が倒れている様子だけが映し出されていたが、予告には藤川が子どもを必死で助けようとするシーンも。冴島が執拗に藤川の命の心配をしていたのが何かのフラッグではないかとも勘ぐってしまう…。最後にむなしく響いた「私の大好きなチームはバラバラになってしまった」という白石のナレーション。本当に、このままチームはバラバラになってしまうのだろうか…!? どんな結末を迎えるのかまったく想像ができない『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』。最終回は、9月18日夜9時から30分拡大放送。
2017年09月16日仕事ができない夫・ 小林司(錦戸亮) を妻・ 沙也加(松岡茉優) が支え、夫婦二人三脚で成長してきた 『ウチの夫は仕事ができない』 (日本テレビ系)。だが、第8話から司は名実ともに仕事ができる夫へとチェンジ。第9話では、仕事に打ち込むあまり家庭を顧みなくなったことで夫婦のピンチが訪れる。 ずっと望んできた“自慢の夫”になったはずなのに、妻は不満がたまりまくりの日々…。結局、妻にとって本当の“良い夫”とはどんな夫なのだろうか? ■最強の癒やし系夫・小林司に胸キュン 見た目よし、学歴よしの司だが、会社では仕事ができないお荷物社員の「にもちゃん」などと呼ばれていた。だが、第一制作部に異動すると、司の誠実さが功を奏し、メキメキと頭角を現し始める。そして、第7話ではついに会社でひとりしか受賞できない社長賞を受賞するまでに急成長。話にまとまりがない、プレゼン能力がない、いい人すぎて仕事だと割り切れない…といった弱点を乗り越え、まさかの 会社No.1 まで上り詰めたのだ。 家庭での司は、趣味の粘菌をうれしそうに愛で、いつだって妻思いの癒やし系夫。夕食は「おいしい」と褒めてくれるし、今日のできごとをうれしかったことも悔しかったことも包み隠さず話してくれる。朝はお弁当を受け取り「ありがとう」と声をかけ、振り返って手を振ってからさわやかすぎる笑顔で出勤。そんな夫に、妻は 毎朝胸キュン …なんともハッピーな日常だ。 第6話では、マタ友の 「ケンカしない夫婦は別れやすい」 といった言葉を真に受けた沙也加が、司にケンカをしようとけしかける。だが、司は顔面にお玉が直撃というまさかの事態にも怒ることはなく、取り込んだ洗濯物が散らばっていても「お日様いっぱい浴びた洗濯物、気持ちいいね」とニッコニコ。夕食を作っていないと言えば「たまにはいいな、カップラーメンも」とおいしそうにカップ麺をほお張る始末。司が大切にしている粘菌に、沙也加が水をかけてしまったことでケンカには発展したものの、結局すぐに仲直り。それどころか、さらに愛情を深めていった。 ■松岡茉優演じるサーヤの切なすぎるシーンに涙 幸せを絵に描いたような小林家だったが、司が仕事ができるようになったことで、今まで無縁だった問題が発生。夫婦がうまくいかなくなる原因としてありがちな 「すれ違い」 というヤツが訪れたのだ。 会社に評価されたことで司には大きな仕事がバンバン入り、打ち合わせと称した外食も増えていく。ある日、愛情込めて作った弁当に手を付けていないことに気付いた沙也加。司は「ごめんね」と謝るが、「しばらくお弁当は大丈夫だよ」と沙也加の気持ちを完全無視した言葉を繰り出す。 その後、沙也加が泣きながらお弁当を捨てるシーンの切ないこと、切ないこと…。お弁当を食べてくれなかったことはもちろん悲しいが、妻のお弁当に対する思いに気づけない夫に変わってしまったことがもっとつらかったのではないだろうか。 沙也加の思いをないがしろにする司を見て、ふと思い出すのは第5話で描かれた土方(佐藤隆太)と恩田(羽田美智子)の別居問題。仕事ができない夫時代の司に、恩田が話した「仕事をまっとうするのはいいよ。でもそればっかりに囚われると、人の気持ちって見えなくなるじゃない?」というセリフは、まさに ブラックつかポン そのものだ。 お弁当を渡せば「ありがとう」とほほ笑み、食事を作れば「おいしい」と喜び、不満を話せば目を見て「ごめんね」と寄り添ってくれる。このやりとりがなくなると、妻はとたんに寂しくなる。妻だって人間だ。頭では「夫は仕事をがんばっているから仕方ない」とわかっていても、相手からの感謝の気持ちが欠けてしまえば、活力が失われていくのは当然である。 ■錦戸亮と結婚したい! 松岡茉優に妻になってほしい! 夫婦円満のコツは “互いに感謝すること” …ありがちな答えだが、やはり結局そこに行き着くのかもしれない。そして「妻が支えてくれているからがんばろう」「夫が喜んでくれるからがんばろう」そうやって相乗効果のように成長していければ、それは最高の夫婦像。つまり、妻にとっての“良い夫”は、 「この人のためにがんばろう」 そう思わせてくれる夫ではないだろうか。 だが、夫ばかりに期待を押しつけてはいけない。「夕飯いりません」と言われて落ち込む沙也加を見て感情移入しつつも、自分だったら「ラッキー」と思ってしまうかもと苦笑いの筆者。「カップ麺や洗濯物の放置を笑顔で許してくれたつかポンってステキ!」と思うが、それは毎日サーヤが妻としての仕事をまっとうしているからこそ。毎日カップ麺、毎日洗濯物を放りっぱなしとはワケが違うのだ。ドラマを見ていると、 「あなたの妻としての行いはどうですか?」 と投げかけられている気もして、ちょっぴりドキッとする。 第9話の最後で、本当に大切なものに改めて気付いた司は、やっぱり“良い夫”。そんな「錦戸亮演じるつかポンと結婚した~い!」と願う女性は多いはずだが、同じように多くの男性が「松岡茉優演じるサーヤと結婚した~い!」と望んでいることを忘るべからず! サーヤになれる自信はない(いや、残念ながら確実に無理だ)が、自分なりに妻として気合いを入れ直し、つかポン&サーヤのハッピーエンドを見届けたい。
2017年09月14日『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)。8月28日に放送された第7話のタイトルは 「失敗の代償」 。患者に後遺症が残ってしまったことに苦しむ 藍沢(山下智久) と、ひとりの男性の死をすべて自分のせいだと思い悩む灰谷(成田凌)を中心に描かれた。変えることのできない結果に苦悩する藍沢が、再び歩き出すために必要なものとは…? ■藍沢謝罪の真相とは!? 天野奏のオペの真実 第6話で、天才ピアニスト・奏との 「約束をやぶった」 と話していた藍沢。それは、奏が手術を受ける条件として挙げた“藍沢が執刀する”という「約束」。藍沢は緊急オペのため、奏の手術から離れざるを得ず、結果として奏の手術を行うことができなかったのだ。 藍沢自身も「俺がオペをしても、いまと同じか、それ以上の後遺症が残った」と話したように、結果は変わらなかったかもしれない。さらに言えば、藍沢自身がオペをした患者は、おそらく命が救われたはず。だが、患者を救った事実より「もしも自分が奏の手術をしていたら…」という悔い、そして約束を破ったという紛れもない真実に苦しんでいた。 患者を救える可能性があるなら全力を尽くしたいと考える藍沢にとっては、手術できなかったというやり場のない無念さより、手術に失敗した自分を責めるほうがラクだったのかもしれない。 トロント大へのレジデントを辞退すると上司に告げた藍沢。奏の件とは関係ないと話したが、それ以外の理由は見つからない。 白石(新垣結衣) も、 「患者はあなたのような医者を必要としてる」 と、辞退を撤回するよう説得したが、藍沢の出す答えとは…!? ■ドクターヘリが着陸に失敗! 医師は? 患者は? 救命では踏切事故現場にドクターヘリ要請が入り、白石、灰谷、雪村(馬場ふみか)が向かう。負傷者が心停止間近であることに焦りを感じた灰谷はパイロットに着陸を急ぐよう指示を出し、次の瞬間ヘリは着陸に失敗してしまう。 負傷者は3人。そのうち男性は助かる可能性は低かったが、灰谷は心臓マッサージを続行。しかしその後、患者の状況はさらに悪化…藍沢の助言もあり、悔やみながらもその手を止めるのだった。 灰谷が「もしも着陸に成功していたら…」そんな風に考えるのは当然のこと。けれども灰谷は処分されなかった。いや、処分してもらえなかった。 「灰谷先生を責めることは誰にもできない」と話した白石もフェロー時代、自分のミスによって指導医・黒田の右腕切断という事態を招いた過去がある。だが、退職願を出して罪を償うことは許されず、医師を続けることでその苦悩を振り切ってきたのだ。 ■藍沢を襲う、償うことのできない苦しみ 「医者が賭けに負けて大きな代償を払わされた患者を見て、医者は思う。自分も何かを失うことで、背負った重荷を下ろすことができればどんなにいいかと。しかし、それは許されない」。 藍沢がナレーションでそう語ったように、医師は事実を客観的に捉えながら、自責の念を乗り越え歩んでいく。それはフェローに限らず、経験を積んできた藍沢もまた同じこと。 黒田の右腕切断の際には、 緋山(戸田恵梨香) は白石に、「腕をなくしたのがあんたじゃなくてよかった」と声をかけたことがある。結果を変えることができない以上、何かに頼り、進んでいくしかない。そして、そのとき頼るべきはきっと“仲間”なのだ。 流産に悲しむ 冴島(比嘉愛未) を囲んだ白石・緋山、 藤川(浅利陽介) を励ました藍沢と、彼らは精神的にも支え合ってきた。 第1話で、藍沢は白石に「そう背追い込むな」という言葉をかけている。白石にとっても仲間の存在の大きさを再認識し、救命のスタッフリーダーとしての道を決意したのだろう。 だからこそいまの藍沢を見て、白石は「『重荷を一緒に背負いたい』と思う仲間の存在」に気付いて欲しいと、心から願っているのではないだろうか。白石の“一緒に”という覚悟ある想いによって、藍沢が再び大きな使命を帯びた医師として立ち上がることを見届けていきたい。 ■緋山をめぐって、まさかのキャラ進化に衝撃! 料理人・緒方(丸山智己)にスパルタでリハビリをする緋山。そのやり取りを見た 名取(有岡大貴) は「夫婦かよ」とツッコみつつもすねた様子。 しかも緒方に対してライバル心剥き出しにする名取だが、緋山の気持ちは完全に緒方のほうを向いており…。あんなにツンツンしていてかわいげのない印象だった名取なのに、意外と純粋でなんだかかわいいぞ! 名取よ、いつの間に母性本能くすぐりキャラに進化したんだ…! 第8話では、そんな緋山、名取に緊急事態が発生。名取のミスにより、緋山がエボラ出血熱への感染の危機にさらされてしまう。一方、ホームから転落し救命に運ばれてきた灰谷は仕事ができるまでに回復するも、精神的な傷は癒えぬままで…。 ますます気になる『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』第8話は、9月4日夜9時から放送。
2017年09月02日大人気ドラマ 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~』 で、 山下智久 が演じる主人公・ 藍沢耕作 。感情を表に出さず、外科医としての腕も一流。だが、ふとした瞬間に見せる優しさと温かさが、観る者を惹きつける。 藍沢とはどのようにしていまの医師になったのか。そして30代となったいま、彼は自身が目指していた「名医」となったのだろうか。藍沢の過去と現在の行動、セリフから、彼が戦い続けた軌跡をたどってみたい。 ■患者に感情移入しない「生まれながらの外科医」 藍沢は、2008年に放送された1stシーズンで「普通の病院の1年の経験をフライトドクターなら1ヶ月で経験できる」という理由で翔北救命センターにフェローとしてやってきた。 初フライトの事故現場で、負傷した19歳少年の右腕を何のためらいもなく切断。さらにその状況を「おもしろかった」と言い放ち、 「患者は練習台」 と言い切るなど患者に感情移入しない。指導医だった黒田(柳葉敏郎)からも「生まれながらの外科医」と称されるなど、技術も外科医として突出していた。 「ピアニストやスポーツ選手と同じように、外科医は練習がすべて」――。過去に藍沢は、そう語ったことがある。たしかに間違ってはいない。だが、一般的な感覚からすると、ゾクッとするようなセリフである。 ■藍沢の厳しすぎる生い立ちと、強気な発言の裏にある優しさ 「だれよりも早く、名医になる」 と意気込んでいたが、それはけっして自分だけの名誉や名声のためではなかった。藍沢は、幼い頃に母親が他界。父親もなく、祖母に育てられた。 1stシーズンでは、そんな祖母が救命センターに搬送されてくる。そして藍沢は、事故の後遺症で一時的に認知症を発症していた祖母が、どんな状況でも孫である自分を思いやる姿に涙した。 「婆ちゃんは、自分のことはいつも後回しだった。 俺のために、自分の人生を犠牲にしてきた 」と、噛みしめるように語った藍沢。“自分がしっかりしなくてはいけない”そんな思いから、だれよりも早く一人前になることを目標にひたすら走り続けてきたのだろう。 2ndシーズンで、藍沢は父親が生きていたことを知る。そして母親は、研究者として高い能力をもちながらも、妊娠・出産によって第一線を退いたことなどから心の病を患い、自ら死を選んだと明かされる。 両親がいない状況を祖母に 「僕のせい?」 と問いかけてきた藍沢。小さなころから自分を責め、家族に甘えることもせず、すべてを一人で抱え込んできたせいで、自分の感情を表すことが極端に下手になってしまったのかもしれない。 しかし先日、冴島(比嘉愛未)の流産に落ち込む藤川(浅利陽介)を励ますシーンが話題となった。思い起こせば、2ndシーズンで冴島の恋人・田沢が亡くなった際、藤川が田沢のお別れ会にたくさんの友達が訪れていたことを引き合いに話した「俺なんか、たぶん誰も来ねぇよ」という言葉に、「少なくとも、俺は行く」と返すなど、以前から仲間への情も深い。感情を表に出すタイプではないため冷たい人間だと思われがちだが、藍沢は元来 温かな心の持ち主 なのだ。 ■空白の7年間の藍沢の成長。しかし医師としては… 放送中の『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』では、2ndシーズンから現在までの7年間の出来事は、まったくといって良いほど描かれていないため、たしかなことはわからない。だが、第1話で白石(新垣結衣)が藍沢に伝えた 「あなたは絶対、命から逃げない」 という一言が、7年の間も、彼がまっすぐに患者や医療と向き合ってきたということを物語っている。 脳外科から救命センターに戻ったこともまた、人手不足に悩む白石、藤川、緋山(戸田恵梨香)の思いに応えてのこと。ポーカーフェイスの裏に優しさがあるからこそ、医師やナース、そして患者からも信頼される医師に成長したのだろう。 そういった意味で、人間として大きく飛躍した藍沢。だが、判断力が肝となる医療現場では、 感情移入ともいえる寄り添い方は仇 となりかねない。 ■藍沢の心持ちが変わることで、立ちはだかる葛藤 3rdシーズンで藍沢は「俺は救命で覚えるべきことはひと通り覚えた。今は脳外(科)のほうが刺激が多くておもしろい…それだけでいいのか」と悩んでいた。以前の藍沢であれば、 「刺激が多くておもしろい」 それだけで満足だったはずだ。だが、7年の時を経て、藍沢の心持ちは大きく変わっていた。 後遺症を恐れて手術を拒否する天才ピアニスト・天野奏に「大丈夫だ」と声を掛けたことも、藍沢の医療に向かう姿勢の変化の象徴と言えるだろう。命を最優先させる。その考え方に、今も昔も変わりはない。だが、そこにたどり着くまでの葛藤は、歳を重ねるにつれて大きなものとなっているようだ。 第6話のラストシーンで藍沢は「命を救ったのは俺じゃない。俺はただ、約束を破っただけだ」と白石に告げる。奏の緊急手術で、一体何があったのか。そして、人として成長したからこそ訪れる苦悩に、藍沢はどう立ち向かっていくのか…。 過酷な現場に挑み続ける医師である以上、今後も落胆・苦悩することはあるだろう。だが、藍沢の周りには彼を慕う仲間がいる。“ひとりで背負い込まなくていい”、かつて藍沢が白石に述べた言葉が彼自身に届くと信じ、藍沢耕作の歩みを見届けたい。
2017年08月28日『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)。8月21日に放送された第6話のタイトルは 「落胆の向こう側」 。すでにフェローではなく、仕事を失敗しないことが“あたり前”とされる30代のリアルな葛藤とフェローの成長の対比が描かれた。 ■白石の判断と藍沢の言葉 冷凍倉庫で発生した事故現場に、ドクターヘリ要請が入る。現場には 藍沢(山下智久) 、 藤川(浅利陽介) 、雪村(馬場ふみか)。そしてピストンで灰谷(成田凌)、横峯(新木優子)が向かった。冷凍室内にいる軽症患者の元に向かう横峯と灰谷だったが、落雷による停電で冷凍室に閉じ込められてしまう。 しかし冷凍室には、新たな負傷者が! モニター越しに指示をする 白石(新垣結衣) のもと、横峯は麻酔なしの切開を試みるも断念してしまう。フェローの対応はムリと判断した白石は、藍沢を頼るのだが…。 しかし藍沢は、フェローである灰谷に任せる決断をする。「シアンガス騒ぎのとき、お前は臆病な自分を嘆いてた。またあとになって病院に戻ってから嘆くのか、それともここでその患者を救うのか。決めるのはお前だ」と灰谷に声をかけるのだった。 その言葉によって治療を行い、患者を救った灰谷に、藍沢は「この患者は正真正銘お前が救った患者だ」と告げる。頷いた灰谷は、自信に満ちた表情でストレッチャーを押すのだった。 ■2ndシーズンで脳死をめぐる事件を起こした緋山の今 脳死判定を受けた17歳の少年・山口匠に関する書類仕事を黙々と進める 緋山(戸田恵梨香) 。一方で、何の感情もなく「よかったですね、臓器が無駄にならなくて」と言ってのける名取(有岡大貴)。 臓器の摘出手術の際、 「たった1枚。たった6行」 とつぶやく緋山の視線には、臓器移植先の情報が書かれた一枚の紙。「この6行は、匠くんが17年間生きた証。そしてこの1行1行に、これから生きる6人の未来が書かれている。だから私は手を抜かずにやりたいの。書類仕事を」という言葉を聞いて、名取は手術室を去って行く。 臓器提供手術後の匠の洗髪をしている緋山の元を訪れた名取は、患者や家族に寄り添えるのがうらやましいと明かす。すると緋山は、7年前(2ndシーズン)、家族に寄り添った結果、脳死の子どもの延命中止書面にサインをもらわなかったことから訴訟沙汰になったことを思い起こす。 「ある先生に言われたの。 『遠回りすることで見える景色もある』 って。名取、人それぞれでいいんだと思う。どんな景色が見えるかは」と、フェロー時代に田所部長(児玉清)から言われた言葉に、自分の思いを添えて述べるのだった。 「ありがとう、君のおかげで6人が生きる。君はこんな言葉、いらないかもしれないけど」と、寄り添う言葉を掛けながら洗髪する名取。それを見た緋山は、無言で口角を上げた。 ただツンツンしていてヤル気のない若者かと思われた名取だが、実際には患者の気持ちに寄り添うことができない自分に苛立ちを感じていた。緋山の言葉を機に、自分なりのやり方で進んでいくことを決めた名取。「緋山先生を見る目はあくまで尊敬の目よね? 恋愛ではないよね?」なんて余計な心配はせず、これからの活躍に期待したい。 ■やっぱりこの5人の結びつきがサイコー! 新人フライトナース・雪村は、事故現場で藍沢、藤川(浅利陽介)からの指示を受けて器械出しをするも、作業に余裕がない。そこに、フライトナースに復帰した 冴島(比嘉愛未) が到着。医師からの指示が出る前に、自ら率先してサポートを行う。自分との違いを目の当たりにした雪村だが、以前のようにふてくされることはなかった。 そして、藤川は、雪村に「倒す相手として不足はないよね、がんばれ!」とニヤつきながら話す。この姿に、やっぱり藤川先生はこうでなきゃと一安心。 ついでに、ドクターヘリに向かう藍沢にさりげなくメディカルバッグを差し出す白石にホッコリ。冷凍倉庫で転びそうになった藤川を支える藍沢になぜか胸キュン。白石&緋山という正反対コンビの他愛ない会話にニンマリ…。やっぱり5人の関係性が垣間見えるシーンは見どころのひとつ。今後もおおいに楽しみたい。 ■成長するフェロー、結果がすべての藍沢、白石 「落胆は成功に繋がる。でもそれは、若い人の場合だ」「今の私たちに求められるのは、 成長ではなく結果 。それだけだ」。そんな白石のナレーションは、まさに第6話のすべてだった。 臆病な自分を振り切った灰谷、自分なりの道筋を見出した名取、自分の未熟さを受け入れた雪村。彼らは落胆を乗り越え、確実に前進した。 一方、フェローを信じ切れなかったことを悔やむ白石、ピアニスト・天野奏に後遺症を残してしまったことに苦悩する藍沢。キャリアを重ね、着実にステップアップしてきたゆえに、成長より落胆を感じることが多いというのは30代のリアルかもしれない。 第7話では、奏の緊急手術の真実が明らかに。そして、ドクターヘリの墜落(!?)と想像をはるかに超えた事態が発生。ヘリに乗っているのは誰なのか、もし墜落であるなら負傷はどの程度なのか…。第6話で「コード・ブルー」らしい緊迫の医療シーンが帰ってきたが、第7話はさらに息を飲む展開になりそう。 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』第7話は8月28日夜9時から放送。
2017年08月26日仕事ができない夫・ 小林司(錦戸亮) を、妻・ 沙也加(松岡茉優) が支えながら、夫婦二人三脚で成長していくお仕事ホームドラマ 『ウチの夫は仕事ができない』 (日本テレビ系)。 優しいが、どこか頼りない司を演じる錦戸の姿に、女性たちから「かわいい」といった声が上がっている。だが実際のところ、“錦戸”が演じているという大きなプラス要素を抜きにしたら、小林司という男と結婚したいだろうか? ■“仕事ができる”は、結婚相手に必要? 不必要? 物語は、見た目・学歴・収入ともに理想の夫だと思っていた夫・司が、じつは会社では仕事のできないお荷物社員であることを妻が知ってしまうところから始まる。錦戸の甘いマスクと優しい笑顔にだいぶカバーされているが、リアルな想像を膨らませると、 「できれば仕事ができる男の妻でいたい」 。そう思うのが正直なところである。 男の魅力は、ルックスがよい、包容力がある、そして“仕事ができる”こと…? もし結婚前に「仕事ができない」ということがわかっていたら、 「小林司と結婚するか?」 は、なかなか難しいところだ。“夫”ではなく“男”という立場にある場合、仕事ができないと知った時点で気持ちが冷め、結婚には至らない可能性はおおいにある(錦戸亮レベルのルックス好条件の場合は除く)。 でも、結婚生活において、妻が夫に求めるものは何か。安定した収入、家族への思いやり、浮気をしない。さらには家事・育児を手伝ってくれる、できればイケメンがいい…と、そんな希望をあげればキリがないが、必要最低条件はこんなものではないだろうか。 そう考えると、男性として惹かれる要素に“仕事ができる”はあるものの、結婚相手には“優しさ”や“信頼関係”のほうが大切で、“仕事ができる”は必ずしも必要な要素ではないのかもしれない。 いやもちろん、仕事ができないがゆえに生活苦…となると、本当に申し訳ないところだが正直言ってしまえば、少し話は変わってくるかもしれない。でも家族を思い、家族のために働いてくれる、それだけで夫としては十分なのだ。 ■小林司、“じつは仕事できる説”を解明 第7話の最後には “仕事ができるようになった小林司” との衝撃的な告知があったが、そもそも司は、はじめから仕事ができなかったのだろうか? いままでに“仕事ができない”と感じたのは、第2話で発注する弁当の予算を確認していなかったこと、第4話でイベント出場者にメールでしか連絡を入れていなかったこと、この程度だ。 たしかに、ルール至上主義の経理部であれば、司は確実に仕事ができない社員である。経理部で人情丸出しの仕事ばかりしていたら、会社はすぐに倒産してしまうだろう。けれども外部との人間関係が肝となる第一制作部では、司の人柄に皆が心を動かされ、 だれも傷つかずにすべての案件が成功 へとたどり着いてきた。 上司の土方(佐藤隆太)、黒川(壇蜜)らの司を見る目も大きく変わってきている。だが、司自身は 最初から、正しいと思う道を進んでいるだけ 。過去に8回も異動した司だが“仕事ができる・できない”は、その人にあった仕事かどうか、さらに言えば、周りの人の捉え方次第なのかもしれない。 「僕は仕事ができません」と開き直った司は、仕事をする上で邪魔になりがちなプライドもなく、もはや無敵状態。はじめは「にもちゃん」(お荷物社員)などと罵られる姿にウズウズしていたが、物語が進むに連れて「正義は勝つ」そんなことを証明しているようでワクワクしてきた。 ■小林司の妻にとって最大の問題点はコレ! 妻をいちずに愛し、なんなら会社での評価も上昇中の司は、良き夫以外の何者でもない。 唯一、司との結婚生活の欠点といえば、実姉の存在。突然訪れ、居座り、当たり前のように食事し、合い鍵まで持ち出し、実父をいきなり宿泊させる…。 これには妻の立場からすると、「つかポン、そりゃないよ」と声をかけたくなる。でも、すべてが完璧の夫なんていない。そこは妻の頑張りどころ。どうしても耐えられないのであれば、妻が夫にきちんと話せばいい。雨降って地固まる。波風の立たない夫婦なんていないのだから。 第8話では、仕事ができると自信をつけた司の第2章がスタートする。同時に“仕事ができる=家族の幸せ?”という疑問が投げかけられていたが、おそらくその答えは「NO」である。夫として必要なのは、仕事ができることより、家族への愛情。家庭を顧みなくなってしまったら、司の魅力は半減どころの騒ぎではないのだ。 つかポン&サーヤのことだ、きっと波乱を乗り越えラブラブな夫婦関係を再び私たちに見せてくれるはず。夫婦に大切なことってなんだろう。そんなことを自分に問いかけながら、ますます盛り上がる物語の行く末を楽しみたい。
2017年08月25日『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)。8月14日に放送された第5話のタイトルは 「寄り添う人」 。 藤川(浅利陽介) と 冴島(比嘉愛未 )、そして 藍沢(山下智久)、白石(新垣結衣)、緋山(戸田恵梨香) らが、愛情、友情といったさまざまな感情の中で、互いを思い、痛みを分かちあう姿が描かれた。 ■藤川×冴島に生まれた「夫婦(婚約者)の絆」 妊娠13週の冴島が勤務中に倒れ、処置を受けるも流産してしまう。緋山は、原因は子宮頚管無力症だと思うと告げ「赤ちゃん、助けてあげられなくてごめん」と涙をこらえる。それに対して冴島は「大丈夫。妊娠初期の流産はめずらしいことじゃないし。またチャンスはあるから」と落ち着いた口調で答えるのだった。 だが冴島は、つわりのせいでまずく感じていたご飯をおいしく感じたことで、赤ちゃんがほんとうにいなくなったことを実感。「私のせいで赤ちゃんは死んだ」、「ちゃんとお母さんじゃなかった」と藤川に涙を見せる。 退院の日、藤川はシアンガス騒ぎの際、冴島が一番に子どもの心配をしたことを挙げ 「はるかはすごく良いお母さんだと思う」 と伝える。その言葉に励まされた冴島も、火葬までの時間を「私たち家族の大事な思い出にしたい」と話し、「そうだな、出発だ!」と車のハンドルを握る藤川の横で、母親らしい優しい表情を見せるのだった。 ■藍沢×藤川が背中で語った「男の友情」 元恋人を難病で亡くし、子どもを流産した冴島を思いやる藤川。「俺、あいつ幸せにしてやれるかな」と不安を漏らすも、無言の藍沢…。だが、それは軽々しく物事を口にしない藍沢らしい返答でもあった。 その夜、冴島のために用意したトマトを頬張る藤川に、藍沢「どんなときでもおまえの家庭はきっと明るい。人は幸せになるために結婚するんじゃない。 つらい毎日を二人で乗り越えていくために結婚するんだ 。俺はそう思う」と寄り添った。 複雑な家庭環境で育ち、結婚に対して人一倍思うところがあるだろう藍沢の言葉には重みがある。瞳を潤ませながらトマトをかじる2人の背中からは、痛みを分かちあう友情が伝わってきた。 ■白石×緋山×冴島が紡ぐ「女の友情」 冴島のベッドサイドで、退院の話をする緋山。なんと声をかけていいかわからない緋山をかばうように、白石が会話に入り込む。そしてフェローのミスという話題をきっかけに、“白石は人の気持ちに気付かないタイプだ”と盛り上がる。 たわいない会話で、傷ついた友に寄り添う女同士の友情には気持ちが和む。と同時に、白石先生ってやっぱり鈍感なのねと納得。藍沢先生もおそらく鈍感…似たもの同士のこの2人、やっぱり恋愛に発展するのは困難…かも!? ■名取×レスキュー隊員が魅せた「仕事のプライド」 事故現場で 名取(有岡大貴) が診察し、別病院に搬送したベテランレスキュー隊員・倉田(大谷亮介)が急変。容体は落ち着くも、名取は自分のミスを素直に認めることができず、あえて気にしていないかのようなそぶりを見せる。 倉田は、意識の戻らない若手作業員・吉崎を気にかけ、食事を取ろうとしない。見かねた名取は、「自分を責めないでください」と自らに言い聞かせるように声を掛ける。だが「人は、起きたことはすべて自分の責任だと言い切れる人間に命を預けたいと思うものだ。俺の仕事は、そういう仕事だ。ドクターヘリだってそうでしょ?」と諭されてしまう。 言い訳ばかりしている自分を全否定された名取。だが、吉崎の病状が回復に向かい始めたことを機に「僕なんですよ、倉田さんの骨盤骨折見落としたの。すみませんでした」と、責任を認めて素直に謝る。 最後に見せた小さなほほ笑みには、安堵(あんど)とフライトドクターとしての決意が見えた。いままで、教科書どおりの医療を進めてきた名取だが、患者に寄り添う医師に一歩近づいたのかもしれない。 ■緋山×緒方に垣間見える「恋愛と結婚」 料理人の 緒方(丸山智己) はリハビリの最中に転倒し、ケガを負う。緋山が症状の報告を妻に電話連絡したところ、離婚するのでもう連絡は入れないでほしいと言われる。 その後、緒方に頼まれ離婚届の承認欄に署名をする緋山。おもむろに妻の魅力を尋ねると、「まずキレイだったよね」「頭が良くて野心家で、店の経営手腕もピカイチ。あとは、彼女は最初に俺の料理をおいしいと言ってくれた。誰にも見向きもされない俺の才能を信じてくれた」と淡々と話す緒方。しかし最後は、離婚届を提出できるのかと話す緋山に「心配してくれてるの? それは俺の体のほう? それとも傷ついた心のほう?」と冗談めかして話すのだった。 その夜、緋山は白石に結婚したいと思っているかと尋ねると「思ってるよ」と即答。「一人のほうがラクかもよ」という緋山に「でもやっぱり憧れる。 誰かと一緒に生きる人生 って素敵だなって思う」と返し、「意外と響いた…」とつぶやく緋山とほほ笑みあった。 離婚が成立すれば緒方はフリーになり、緋山と恋愛関係に発展しても問題ない。だが、思うように動かない腕を見つめながら「こうなった俺が悪いんだ」とつぶやく姿に、妻への未練が感じられるようで切なかった。今後、緋山の恋愛模様に進展はあるだろうか。そして、結婚したい宣言が飛び出した白石。やっぱり藍沢と恋愛関係に発展するのか!? こちらも、ますます目が離せない。 「寄り添う人」というタイトルゆえ、それぞれの心模様が多く描かれた第5話。だが第6話では冷凍室にフェローと負傷者が閉じ込められるなど、緊迫のシーンが観られそう。彼らの人間模様にも興味はあるが、やはり、ほかのドラマとは一線を画す『コード・ブルー』ならではの医療シーンに期待が高まる。 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』第6話は8月21日夜9時から放送。
2017年08月20日『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)第4話が8月7日に放送され、視聴率は13.8%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と相変わらず好調だ。 第4話のタイトルは 「笑顔の効能」 。たとえ医療現場でも、手術や薬ではなく笑顔によって救われる人もいるという現実が、さまざまな笑顔をとおして描かれた。 ■橘の息子の容体が急変! 互いを思う親子の笑顔に号泣 物語の中心となったのは、拡張型心筋症を患う 橘(椎名桔平) の息子・優輔(歸山竜成)。容体が急変するも、一命を取り留めICUに移動となる。そんななか、同じ病気を患う同い年の少年・暁人が心停止。橘はじめ救命スタッフ総出で懸命な処置を行うも、亡くなってしまう。 優輔の前でつらい表情をしがちな母・ 三井(りょう) に対して橘は「笑顔でいてやってくれ。あいつは、おまえのことが一番好きなんだ」と声をかける。だが三井は「笑ってあげたい。でも、どうやったら笑えるの?」と当惑した。 その後、病院の庭先から親子3人で花火を眺めていると「暁人と観たかった」と初めて本音を漏らして泣き出す優輔。三井は、小さな頃に優輔が花火を怖がって泣いた話を持ち出し、無理に笑顔を見せる。それに対して優輔が「やっぱり笑ってるお母さんが良いな」とほほ笑む場面は、子を思う親、親を思う子、それぞれへの感情が交錯して涙が止まらなかった。 支え合ってきた友だちが他界することのつらさ、次は自分かもしれないという恐怖は計り知れない。そして、親として何もしてやれないことの無念さ、しかも両親ともに外科医であり、助ける方法(臓器移植)がわかっているにも関わらず、それを提供できないという歯がゆさを思うと胸が苦しくなる。 優輔が移植希望登録をして800日以上が過ぎた。臓器移植できるまでは約1000日。綱渡りの日々かもしれないが、けっして綱が切れたわけではない。親子3人でどうか渡り切ってほしいと願うばかりだ。 ■雪村のナースの資格とは? 冴島が伝える大切なこと 第4話から、妊娠中の 冴島(比嘉愛未) に代わってフライトナースを務めることになった 雪村(馬場ふみか) 。だが、息子が事故に遭いパニックを起こす母親を横目にあきれ顔で処置をする姿に、ナースとしてどうなの? とモヤモヤ…。 その後、花火が見える位置に患者のベッドを動かすのを手伝うよう冴島に言われると、「あそこまでしてあげてたら、ナースの仕事ってキリがないと思うんですけど」と言い出す始末。患者の願いをかなえるためにベッドを移動させるって、ナースにとって重要な仕事のひとつではないのか? と、より一層モヤモヤ…。 そんな雪村に対して、「あなたの顔を見るとみんなが安心する。雪村さんにはそういうナースになってもらいたいの」と冴島。技術で冴島に劣っていないと自負してきた雪村は、別の角度から“まだまだだ”と指摘され、言葉を失う。 このやりとりに、2ndシーズンで 緋山(戸田恵梨香) が冴島に伝えた「(あなたの)顔を見ると私がどれだけ安心するか。私だけじゃない。たぶんみんなそうだと思う」というセリフを重ねたファンも多い。たしかに、この言葉を誇りに冴島が長年フライトナースを続けてきたのだと思うと、なんだか胸が熱くなる。 過去があって、今がある。ちょっとしたセリフから、そんなことを思い起こさせてくれるのも3rdシーズンの魅力と言えそうだ。 ■こんなのアリ!? 緋山の恋の行方は…? 第3話から緋山と恋の予感がプンプンに漂っていた料理人の 緒方(丸山智己) だが、今週はさらに踏み込む展開に。救命に戻る前にいた周産期医療センターに自分の居場所がなくなってしまったことに落ち込む緋山を、緒方は「一緒にどう?」と食事(といっても売店のおにぎりだが)に誘う。 ケガを理由に自分の店を弟子に奪われてしまった緒方だが、「闇ん中で暗くなってたら、自分自身がどこにいるかわかんなくなるだろ。だから、闇ん中にいるときこそ、気合いで明るくすんだよ。そしたら周りも見えてくる」と励ます。そして「緒方さんって本当ポジティブだね」と笑う緋山に「ほら、笑ってるほうがかわいい」と恥ずかしげもなく言ってのける。これはお互いに恋愛感情を抱き始めているのか…!? と思ったのもつかの間、緋山がおにぎりのお礼を返そうと緒方の病室に向かうと、そこには妻の姿が。思わず「そっちかよーっ!」とツッコみたくなる急展開。緒方はただの調子が良いヤツだったのか、それともワケあり夫婦なのか…。緋山を見つめる緒方の表情からも「妻がいたのでハイ、終了」という流れは考えにくく、今後の展開がますます気になってたまらない。 ■不意に見せた藍沢スマイルに歓喜! 圧倒的な「笑顔の効能」 脳腫瘍を患う14歳の天才ピアニスト・天野奏(田鍋梨々花)は、容体がますます深刻になっていた。それでも後遺症を恐れて手術を拒む彼女に「君はとても強い。だから大丈夫だ」と優しくほほ笑む 藍沢(山下智久) 。この笑顔に勇気づけられた奏は、手術を受けることを決意した。 基本的に医師は「大丈夫」などと軽々しく口にしない。以前の藍沢であれば“訴訟を起こされ謹慎にでもなれば、救える患者が減る”とでも考えそうなものだが、とにかく彼女に生きていてほしいと感情を優先したことに驚いた。10年以上のキャリアを重ね、藍沢は患者の心に寄り添える医師に成長したということだろう。 と同時に、そんな藍沢スマイルに癒やされるファンが続出したことは言うまでもない。「笑顔の効能」はやっぱりすごいと、認めざるを得ない名シーンだった。 第5話では、冴島が意識を失い倒れてしまう。ほかにも優輔の病状、緋山&緒方の関係性など未解決のテーマが山積み。見逃せない『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』第5話は、8月14日夜9時から15分拡大で放送。
2017年08月13日『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)第3話が7月31日に放送され、視聴率は14.0%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)と好調をキープしている。 第3話のテーマは 「命より大切なもの」 。ピアノが弾けなくなるリスクを伴うことから、脳腫瘍の手術を躊躇する14歳の天才ピアニスト・天野奏(田鍋梨々花)、命より大切なものを失ったつらさに耐え切れず自殺をはかった研究者という2人を軸に物語は展開。そして、「患者が優先したいと思うこと」に関係なく、必ず命を優先させなくてはいけないという医者の葛藤と実情が描かれた。 ■藤川&冴島の関係性を1stシーズンからおさらい 大きな進展といえば、やはり 藤川(浅利陽介) と 冴島(比嘉愛未) の関係性だろう。1stシーズン序盤から、藤川は冴島に興味津々だった。そして2ndシーズンでは、第1話から「冴島、男いるのかな?」とつぶやくなど完全なる 片思い期 に突入。 意を決して冴島にクリスマスの予定を尋ねるも「法事」だと断られ、 緋山(戸田恵梨香) に「バレンタインは、はとこの結婚式で、去年のクリスマスは飼ってた犬の三回忌だって」「意外と義理堅い子なんだよ、それもいいところだけど」と話すなど、見事な勘違い男っぷりを披露。 ちなみに、そんな藤川に対して「あんたの鈍さにはクラクラするわ」と返す緋山という“いつものやりとり”は、この時から変わらない。 その後、冴島にはALSを患う恋人・田沢(平山浩行)がいることが明らかになるものの、病気の進行によって他界。「彼は私の光だった」、そう語るほど愛していた恋人を失ったとき、「引きずっていいんだよ、無理に忘れる必要はない」と明るく励ます藤川に徐々に心を開き始める。 2ndシーズン最終話で冴島は、何度も聞き直していた田沢からの留守電メッセージを消去。恋人の死を乗り越え、前に進み始めていた。 ■3rdシーズンで藤川&冴島が同棲! フライトナースはどうなる? あれから7年。3rdシーズンの第1話が放送されるやいなや 藤川&冴島の同棲 は視聴者からもおおきな注目を集め、さらには第2話では冴島の出産への迷いが明かされた。 第3話では、ヘリの中で患者の吐瀉物を浴びたことで、冴島は中毒症状を起こし、意識を失ってしまう。藤川は 藍沢(山下智久) に、今日に限って通勤途中の信号がすべて青だったと話し、「ひとつでもどっか赤だったら、俺言えてたと思うんだ。お腹の子のためにヘリ降りてほしいって」と後悔の念を口にする。 藤川が寄り添う中、無事に目を覚ました冴島。藤川は、妊娠していなければ「結婚しよう」と言ったかはわからないと前置きしつつ、「いまの気持ちならはっきりわかる。とにかくずっと、はるかと生きていきたい。だから…結婚してほしい」と告げる。一方冴島も、目が覚めたとき、一番に思ったのは「私とあなたの赤ちゃん」だと微笑み、手を握り合った。 ようやく実現した2人の婚約はとても喜ばしい。今後は冴島もお腹の赤ちゃんを第一優先で動くことになるのだろうか? でもそうなるとドクターヘリのフライトナースの展開が気になってくる。冴島の後を継ぐ気満々の気の強い新人ナース・雪村(馬場ふみか)がどういった活躍(?)をしていくのか期待がかかる。 ■白石をめぐって藍沢が嫉妬…!? まさかの三角関係発展? 毎度お馴染みの藍沢、 白石(新垣結衣) のエレベーターシーン。そこに第3話では、 新海(安藤政信) が乱入。 新海から、救命に戻った藍沢について聞かれた白石は「口が悪くて少し困ってますけど、まぁそれは昔からなんで」と答える。「なんか2人、よく知った仲って感じですよね」と言われても、動揺することなく「付き合いが長いだけです」とキッパリ。 しかし去り際、「白石先生、今度お食事どうでしょう? 藍沢の愚痴、聞きますよ」と声を掛ける新海。取り残された白石は、藍沢に「いまのどういうことかな?」と固まる。それに対して藍沢は、「そのまんまだろ。誘ってるんだ」とぶっきらぼうに返すのだった。 藍沢&白石の恋の行方ばかり気にしていたが、もしや新海まで絡んでくるのか!? 恋愛に疎そうな藍沢先生。今の状況…そもそも自分の感情にどこまで気付いているのだろうか、いや、もともと恋愛感情はないのかもしれない…などと勝手に堂々巡り。その一方で、そんなに恋愛要素を盛り込んで、物語の芯である医療現場のリアルまで描いていけるのだろうかと不安になる。 ■緋山の恋愛模様は描かれるのか? 恋愛関係といえば気になるのが、渓流で足を滑らせて転落した料理人・ 緒方博嗣(丸山智己) の存在。緋山は搬送直後の緒方に「ちょっとタイプ」とポツリ。 終盤、「麻痺が残るかもしれない」という病状を勢いで伝えてしまったことを謝罪すると、「起きてしまったことは変えられないんだ。いま、この瞬間をどう生きるかですよ」と慰められ、「そうですね」と頷くのだった。 丸山は、第3話以降レギュラー出演することが発表されており、緋山との恋愛に発展する可能性もないとは言い切れない。藤川&冴島、そして藍沢&白石がくっつくのではと噂されるいま、緋山の恋愛模様が描かれても不思議ではないのだ。 第4話では、拡張型心筋症を抱える 橘(椎名桔平) の息子・優輔(歸山竜成)の容体が急変。恋心のみならず、3rdシーズンでは医師たちのプライベートを含む心模様が物語を大きく左右しそう。恋愛事情も去ることながら、救命スタッフたちの心の成長もまた大いに楽しみたい。 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』第4話は、8月7日夜9時から放送。
2017年08月06日『ウチの夫は仕事ができない』 (日本テレビ系)は、 錦戸亮 演じる仕事ができないお荷物社員・小林司が、妻・沙也加( 松岡茉優 )と二人三脚で成長していくお仕事ホームドラマ。 物語の最大の魅力は、なんといっても小林夫婦のかわいらしさ! しかも、そんな2人のやりとりには、ただかわいいだけでなく“夫婦”にとって大切な要素がたくさん詰まっていそう。そこで、つかポン&サーヤの美しき 夫婦愛 を名言とともにおさらいしたい。 ■夫が会社を辞めようとしているときにかける夫婦愛明言 妻の期待に応えたい一心で、本当の姿を隠していた司。そんな彼が 「ぼくは仕事ができません」 と正直に打ち明けたときに、沙也加が返した一言。 「司さんの 良さがわからない会社 なんて辞めていいです」 さらにその後、「家族がいて、おいしいご飯が食べられて。それで健康だったら、お金はたくさんいらない」と、落ち込む司を優しく包み込んだ。 妊娠が発覚し、それを伝えたことで司が退職について話せなかったのだろうと謝る沙也加。仕事を辞めようとしている夫に対してけっして詰め寄らず、「これからも私の大好きな司さんでいてください」なんて言葉を掛けられるなんて、どれだけ良い妻なんだと頭が下がる。互いを思う2人のほのぼのとした雰囲気に、心が温かくなった。 ■仕事で評価されなかったときに妻にかける夫婦愛の名言 TOKYOおもちゃエキスポで、本来新人の仕事である弁当発注を任された司。しかし、予算を考えずに弁当を数種類用意したことで上司の土方( 佐藤隆太 )に罵倒されてしまう。その様子をたまたま見かけてしまった沙也加が、一緒に遊びに来ていたマタ友に「夫だ」と話せなかったことを謝った際の司からの返事。 「いつかサーヤが僕を“ウチの夫です”って、 自慢したくなるような夫 になります」 結果として、発注した弁当はクライアントからは高評価。しかし手柄を後輩の田所( 薮宏太 )に横取りされてしまったことには「オイオイしっかりしろよ…」とツッコみたくなったが、その悔しさより“みんなが喜んでくれたことがうれしい”と心底思える器の大きさは見習いたいもの。そんなつかポンに対して、「いまのままでいいから、私の夫になってほしい!」と切に願う女性が急増したのでは? ■仕事をするのは誰のため? そんなときに思い出したい夫婦愛の名言 ショッピングモールの集客企画を考えるよう指示された司は、人気デザイナーのレイジカキタニ( 岸谷五朗 )の個展という企画を思いつく。土方は、この企画と田所発案の“来場者にTシャツプレゼント企画”を合体させ、カキタニにTシャツデザインを依頼するよう命令する。 しかし納期まで3週間しかないにも関わらず、デザインには2ヶ月かかると言うカキタニ。田所は実際の納期を隠して契約しようとするが、司は事実を伝えた上で、それでもお願いしたいと頼み込む。そして、自分が肩たたき人事でいまの部署に来たこと、今回の企画を妻と一緒に考えたことなどを赤裸々に告白し、最後にこう話す。 「レイジカキタニさんのデザインが好きだと喜んでいた妻にも、Tシャツ着せてやりたいなって」 一度は破談となった企画だが、最終的には“田所に言い込められている司”を模したカバ2体を描いたデザイン画がFAXで届き、無事に成功を収めた。 多くの夫が 家族を思って働いている ことは周知の事実だが、自分の評価を下げてでも、まっすぐに妻への愛を打ち明ける勇気は並大抵じゃない。それをサラリとこなす司を見て「夫婦って良いな」と、あらためて気付かされる名シーンだった。 ■「仕事できない=ダメ夫」ではないと気づく夫婦愛の名言 テレビ局の大型イベントの目玉ステージをつなぐ隙間企画を任された司が、沙也加に隙間であることを隠して「責任者だ」と見えを張ってしまったことを謝ったときの言葉。 「僕の場合、隙間責任者なんだ。大きく言ってしまいました…」 若干のミスはあったものの、今回も自力で挽回。企画自体は成功し、土方からも「おまえに任せてよかったよ」と声を掛けられるなど、司が沙也加の力も借りて成長していることはたしか。 このあと、沙也加がいまの司のほうが前よりもっと好きだと話して2人はキスをするのだが、近年まれに見る 純粋すぎるキスシーン にだれもがキュンキュンときめいた。 第3話の田所のセリフにもあったように、実際の仕事現場では「仕事だから」と割り切らなくてはいけない場面は多い。そういった意味で、司は仕事ができないのかもしれないが、 “仕事ができない=ダメな夫”ではない 。 そして、短所を認めて互いに支え合うのがチーム、もしくは夫婦なんだと気付かされ、見えないところで働く夫を思い、自分の態度を改めなくてはと感じた妻は私だけではない…はず。 第5話では司の姉・みどり(江口のりこ)と、なにやらひと悶着ある予感…。今後、どのような試練を乗り越えてつかポン&サーヤ夫婦が成長を遂げるのか、優しい気持ちで見届けたい。
2017年08月04日『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)第2話が7月24日に放送され、視聴率は15.6%(ビデオリサーチ調べ・関東地区)を記録。月9ドラマで3年ぶりの2週連続15%超えを達成し、大反響を呼んでいる。 ■黒田イズムを継承!藍沢の“飴と鞭”にファン歓喜 「親の心子知らずということわざがある。確かにそうだ。親にはなっていないけど、いまではその心がすごく理解できる」と、 白石(新垣結衣) は新人フェローたちをどう育成するか悩んでいた。 人手不足を解消するためにはフェローを育てるしかないという白石と、フェローへの丁寧な指導よりも人命を優先するという 藍沢(山下智久) がぶつかりあう。 意識のない患者を「最高の練習台」と言い切る藍沢に、「人として最低です」と泣き出す横峯(新木優子)。直後、クレーンで吊られた船の落下事故が発生してドクターヘリに乗り込むと、藍沢は負傷者の親子3人全員を診るよう横峯に指示し、 「フライトドクターはおまえだ。俺はただの付き添い」 と言い放つ。 このセリフは、1stシーズンで当時の指導医だった 黒田(柳葉敏郎) が、初フライトの白石に対して発した言葉。ファンからは、黒田イズムが藍沢に引き継がれていることに歓喜の声もあがった。 現場では「まずは順番を決めろ」という藍沢に、何かを吹っ切ったようにスイッチが入る横峯。そして相変わらず無駄のないスピード感で救急車に乗り込む藍沢。この、救急車のドアを閉めながら乗り込む感じ、なんでこんなにもカッコいいんだろうか。ただドアを閉めるだけなのにカッコイイって、藍沢先生どういうことよ…。 患者の容態も落ち着き、一安心したところで炸裂(さくれつ)したのが藍沢先生の最強ツンデレ。「換気ができないくらいで連絡するな、ヘリの中で制限があったとはいえ処置がへたくそすぎ」などとさんざん落としてからの 「よくやった」 。この一言に、もう胸がトキめいてどうしようもない。 ちなみに、この「よくやった」もまた、白石が「魔法の言葉」と語ったように黒田の名ゼリフ。ただし黒田は過去、藍沢に対して 「患者はおまえの練習台じゃない」 とも話しており、今でも患者を「練習台」と言い切る藍沢は、黒田をリスペクトしつつも、あくまで自分自身のやり方を貫いているといえるだろう。 たしかに、人の命を左右する現場で「できません」は通用しない。この藍沢の“飴と鞭”とも言える指導方法には、ファンからの胸キュン報告はもちろん、若手の人材育成という課題に悩む視聴者からも共感の声が多く聞かれた。 ■同期のなごみ会話に胸熱! じつは藍沢先生はおとぼけ? 今回も、ほんの少しの進展があった 藤川(浅利陽介) と 冴島(比嘉愛未) の恋愛模様。冴島に話を持ちかける前に、白石と 緋山 (戸田恵梨香) 、そして背中越しの藍沢にまで「じつは、あいつも妊娠してるみたいなんだ…」と話す藤川。 白石には「まず人に言っちゃいけないと思う、そんな大事なこと」と諭され、緋山には「当たり前でしょ、あんたバカなの?」と、視聴者だれもの心を代弁されてしまう藤川 。そして「ひとつ確認していいか、おまえら付き合ってたのか?」というおとぼけ藍沢。そんな同期同士のたわいないやりとりに思わず笑みがこぼれてしまう。 だが、冴島本人は「仕事がおもしろい」という理由で産むかどうか悩んでいた。「いまは、だれにも言わないで」と話すと「…あ」と固まる藤川に、「言ったの!?…ったく」と舌打ち。そりゃそうだよ、藤川先生。妊娠なんて繊細な問題、勝手に人に話して舌打ちだけで済んだことが奇跡かも。 この新感覚夫婦漫才のような藤川と冴島のやりとりは“ライトに、そしてハッピーに”描いてほしいという気持ちもあるが、次週予告では毒物汚染によって冴島が意識を失い搬送されるという衝撃の展開。冴島はもちろん、おなかの赤ちゃんに何かあったら…とハラハラせずにいられない。 ■名物・濃厚キャラ「メリージェーン洋子」あらわる~ 物語の最後に藍沢が訪れ、熱烈キスで歓迎されたバー。ママであるニューハーフの メリージェーン洋子(古本新乃輔) は、1stシーズンで救命に運ばれてきた“大山恒夫”という白石の担当患者だ。 2ndシーズンで白石が泥酔し、自分の父親について藍沢に語った重要な場面もこの店での出来事。緊迫感のあるドラマの中で、白石&緋山を「ブス2人」と呼ぶなどメリージェーン洋子は特異の存在でもある。しかし藍沢がスナックに常連として通っているなんて、「プライベートではそんな一面があるのね」とホッコリしてしまう。 気になるのは、前シーズンまでは『スナック すれちがい』だった店名が、今回は『バー めぐり愛』にリニューアルしていること。これは今後のドラマの展開を表すものなのか、それともメリージェーン洋子のただの気まぐれなのか…!? ファン待望の名物キャラの再登場にも期待したい。 ■覚悟を決めた白石&藍沢が導く、フェロー達の行く末は…? 「導く者」をテーマに、17歳の少女と冴島の妊娠、橘先生親子、白石・藍沢のフェローへの指導といった、親(導く者)と子(導かれる者)のそれぞれの思いを描いた第2話。 自分の父親を「つまらない人生だ」と語った17歳の妊婦(古畑星夏)は、その理由がすべて娘である自分のためだったと知る。赤ん坊のうちは目が離せない、誘われても断ってばかり、趣味に費やす余裕も金もない…それでも「幸せだった」という父親(平山祐介)のセリフにはただただ共感しかなく、涙せずにはいられなかった。 出産を決断した少女と同様、藍沢の厳しい指導に耐えて殻を破った横峯や、腱鞘炎になるほど乗り物酔いのツボを押しまくった灰谷など、フェローたちも前を向いて歩いている。そして藍沢・白石もともに愛情を持ち、新人を育てたいという気持ちは変わらない。「彼らの成功も失敗も一緒に背負ってやる」と覚悟を決めた白石らが導く、救命救急センターの行く末がますます楽しみだ。 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』第3話は、7月31日夜9時から放送。
2017年07月30日7月19日、ポニーキャニオンから『かぞえてんぐといっしょにかぞえよう!~旅(たび)にはかぞえるものがあふれてんぐ~』が発売。これは観ないわけにはいかない!ということで、さっそくチェックしました。鑑賞後には、かぞえてんぐへの愛が溢れて止まらない、素晴らしきDVDの感想を報告しちゃいます! ■最終回の「旅に出る」宣言はウソじゃなかった! かぞえてんぐは、今年3月にNHK Eテレ『おかあさんといっしょ』を卒業し、今なお人気上昇中の横山だいすけお兄さんの“親友”。 数を数えることに喜びを感じ、数えた後には「パンパカパ~ン」とファンファーレが鳴り響き、鼻先から様々なモノが飛び出すという個性あふれる人気キャラクターです。 だいすけお兄さんが番組を卒業する際に「旅に出る」と宣言し、テーマ曲を歌い終えるとウチワを置いて去って行ったかぞえてんぐ。 そして、その“旅”に密着したのが、このDVDというわけ。ゴールである富士山を目指しながら、身近にあるものの数を数える楽しさを教えてくれるのですが…。 ■かぞえてんぐとデート気分!? 親子でテレビに釘付け! 街に出たかぞえてんぐは、「クンクン、クンクン」と数のニオイにとっても敏感。なんでもかんでも楽しそうに数える姿に、本編がスタートして早々、笑顔の筆者。もちろん、一緒に観ている息子たちも終始テレビ画面に食い入るように観ています! DVDでは、旅をするかぞえてんぐにカメラが密着。何をするにも、振り返って私(もとい視聴者)に話しかけてくれるという設定に、ついつい胸キュン。今まで学校でしか会っていなかった彼に、初めて外で会った時のドキドキ感が味わえる…なんて感情は、私だけかしら!? どこにいたって、私たち(完全にデート気分)のことを気に掛けてくれる上、てんぐさんは終始めちゃくちゃ楽しそう! 途中途中に出てくる、子どもたちに優しく話しかけるかぞえてんぐさんも、またステキなんですよ。 ■お兄さん・お姉さんの全力に感謝感謝の歌クリップ 本編では、数にまつわる歌クリップも収録。中でも筆者が嬉しかったのは、だいすけお兄さん、たくみお姉さん、よしおにいさん、りさおねえさんによる「すずめがサンバ」。 すずめ役のだいすけお兄さん、たくみお姉さん、りさお姉さんがサンバ隊のようなバッチリメイクで、まつげバチバチ、目がギラギラ! そして、なぜかよしお兄さんは主婦(おばちゃん!?)役で登場…これ、りさお姉さんでもよかっただろうに(笑)。けれど、みなさんご存知、よしお兄さんのハイクオリティな顔芸で親子の心を鷲づかみ。こういう全力な姿勢、本当に好きです。 他にも「すうじのうた」「ともだち8人かぞえうた」という数にまつわる楽曲、そして3月の最終出演回で披露された「かぞえてんぐがやってきた」も収録されており、まるでアイドルのように歌い上げるその姿に、ペンライトでも振りたい気分! そして、テレビ未公開の新曲「かぞえてんぐのかぞえたび」は、てんぐさんの伸びやかな声が堪能できる名曲。初めてなのに、どこか懐かしさもあるメロディに心が癒やされます。 ■特典映像もボリュームたっぷり!リピート再生決定!! 特典映像では、「かぞえてんぐ名作選」として、過去に放送されたコーナーから初回の「めがね」、最終回の「ハンカチ」を含む8つを収録。 かぞえてんぐが子どもたちに数を尋ねても、なかなか正解にたどり着けず、あつこお姉さんが思わず笑ってしまうという、ファンの間で“神回”とも言われる「積み木」もバッチリ収められています。 さらに「かぞえてんぐスペシャル」として、『おかあさんといっしょ』の番組内で過去に放送された「トナカイ」「回転寿司」「電車」のおでかけシリーズもラインナップ。今よりちょっぴり若いてんぐさんが、これまた楽しそうに数を数えています…が、こちらも一筋縄ではいかず、笑いの要素もたっぷり。親子で何度でもリピートしたくなるシーンが満載です。 ■数をかぞえることが、自然と楽しくなる究極のDVD! DVDを観ていると、かぞえてんぐがあまりに嬉しそうに数を数えるものだから“数を数えるってすごく楽しいことなんだ”と本気で思えてくるから不思議。 笑い袋の笑い声を聞くと思わず笑いたくなるのと同じような感覚で、DVDを観ると反射的に「1、2…」と数を数えたくなってしまうんです(笑)。 ちなみに4歳の息子は、かぞえてんぐの呼び掛けに合せて大きな声で数を数え、「もっと大きな声で~」と言われれば、家中に響き渡るほどの大声で数をカウント。かぞえてんぐの子ども心の掴み方…やっぱり、すごいなぁ。 さらに本編では、団子を食べると数が減るという“物の増減”や、富士山までの駅の数を数える際には未知の領域である“10を超える数”も登場。数の楽しさを学べるのはもちろん、数への知識をさらに深める良いきっかけになりそうです! あまりにも充実した内容だった『かぞえてんぐといっしょにかぞえよう!~旅(たび)にはかぞえるものがあふれてんぐ~』。かぞえてんぐ、そして彼の親友・だいすけお兄さんファンの親子は必見。見終わった後には、きっと「満足満足~」できるはずですよ! \DVD詳細の詳細はこちら/
2017年07月25日前シーズンから7年ぶりとなる 『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』 (フジテレビ系)第1話が7月17日に放送された。 山下智久 、 新垣結衣 をはじめとする主要キャストが再集結し、平均視聴率は16.3 %と好発進。 しかも、藤川(浅利陽介)と冴島(比嘉愛未)の関係性には、想像をはるかに超えた進展があり、歓喜した視聴者も多いのでは? 藍沢(山下)と白石(新垣)の関係、フェローの成長、三井先生の息子の病…と、今後の展開が気になる! ■7年たって発展した恋愛と病の事実 救命救急センターを離れ、翔北病院の脳外科に勤務する藍沢は、ライバルである新海広紀(安藤政信)と臨床医師としてトロント大へ行ける1席を争うことに。一方、救命スタッフリーダーとなった白石は、救命救急センターのスタッフ不足に頭を抱える日々。同じく救命救急医の藤川は、メガネをかけて以前と比べてかなり“できる男”風に進化していた。 藤川といえば、衝撃だったのが冴島との関係性。前シーズンまでは藤川が冴島に思いを寄せてきたが、どうやらその 恋愛が成就 した模様。 「藤川」という表札のある部屋に入ると、パジャマ姿の冴島。さらに、冴島のバッグに足を引っかけたところ出現した “妊娠7週” という検査結果用紙…。これを見た藤川の嬉しそうな表情ったら! 冴島を思う姿勢に変わりはない様子でホッと一安心。だが、こんなにも忙しく人手不足に悩む救命で、フライトナースのエースとして活躍する冴島の妊娠って、大丈夫なの? と心配は尽きない。 緋山(戸田恵梨香)は周産期医療センターで産婦人科医として勤務していたが、人手不足の救命救急センターに呼び戻される形でフライトドクターに復帰。と、同時に三井(りょう)が救命を離れることがわかり、「人手不足で扱う症例はつまんないし、やってらんない! せめて藍沢戻せない?」と相変わらずの言いたい放題。 だが、その後、緋山は三井の休職理由が、長男の病気によるものだと知ってしまう。拡張型心筋症で移植しか生きる道がなく、しかも適合者が見つかる可能性は限りなく低いというのだ。 一般的なドラマであれば、奇跡の生還となるのが通例。けれど、1stシーズンでは指導医の黒田(柳葉敏郎)が腕を切断し、フライトドクターを辞すなど『コード・ブルー』はハッピーエンドばかりの夢物語ではない。子を持つ親としては、少しでも子どものそばにいたいという三井の気持ちは痛いほどよくわかる。どうにか移植適合者が見つかり、手術が成功することを祈りたい。 ■やっぱり藍沢先生には胸キュン連発! チラ見え恋愛模様 医療ドラマとして芯のある『コード・ブルー』だが、やはり山下智久演じる 藍沢耕作 にはドキドキさせられてしまうのが女のサガ。突如、テレビ画面に現れた藍沢先生の 胸筋 に、「これはなんのシーン!?」と一人アタフタしたが、更衣室でのただのお着替え。あの見せ方、ずるいわ…。 七夕祭りの事故現場で体を挟まれて動けなくなってしまった男児を手当する白石が「お願い、まだいて」と祈るように脳外科にコールし、藍沢に事情を説明するやいなや 「もういい、わかった。現場に向かう」 と一言。頼れる藍沢先生、カッコよすぎ。 そして外せないのは、藍沢&白石のエレベーターシーン。「どうして救命に戻ったの?」という白石の問いに、救命にいれば頭の患者を独り占めでき、ライバルの新海に差を付けることができるという藍沢らしい回答。 だが驚いたのは次のセリフ 「救命にはおまえがいる」 …なんという急展開!? その後、多くは語らず「おまえはおもしろい」とクールに言い放つ藍沢。しかし、藍沢が救命に戻ると決断する上で「あなたはどこにいたって、絶対命から逃げない」という白石の言葉がキッカケとなったことは明らかで、これはもしや、もしやなのか…? じつは1st・2ndシーズンで脚本を担当していた林宏司氏は、『救命病棟24時 第2シリーズ』『医龍-Team Medical Dragon-』(共にフジテレビ系)などを手掛けた医療ドラマに定評がある脚本家。一方、3rdシーズンで脚本を担う安達奈緒子氏は『リッチマン、プアウーマン』『失恋ショコラティエ』(共にフジテレビ系)など恋愛ドラマを得意としていることもあり、恋愛色が強くなりすぎることを懸念する声も多い。 医療現場のリアルを描いてきた『コード・ブルー』だけに、恋愛ばかりに注力されるのはいただけないが、藍沢&白石ともに30代半ばだというのに恋愛要素がまったくないというのも考えにくい。かといって、違う相手と恋愛に発展するのもなんだかな…というジレンマ。やはり3rdシーズンでは、彼らの 恋愛模様 もひとつのキーワードとなりそうだ。 ■第2話 白石vs.ガンガン攻め込む藍沢!? 藍沢が救命に戻ったことで、第1話のラストで5人が救命救急センターに再集結。第2話では、フェローたちを育てるために、葛藤しつつも柔らかに指導する白石と、容赦せずに厳しく指導に当たる藍沢は対立するように。ドクターヘリの中で、「(患者の)意識レベルが悪いです」と焦る横峯(荒木優子)に対して「それで?」と返す藍沢。ほんの数秒の予告でも、緊迫感がものすごい。 今後、何を機にフェローたちが脱皮していくのか、はたまた脱落者が出てしまうのか。遅刻を気にしない図太さは持つものの、現場に恐怖心を抱く横峯、自分に自信が持てず常にオドオドとしている灰谷(成田凌)、医師としての腕はあるが、ヤル気に欠ける名取(有岡大貴)、そして、とにかくプライドが高い新人ナース・雪村(馬場ふみか)。 いままでも、登場人物たちが背負ってきた過去がそれぞれ繊細に描かれてきただけに、今回も新人フェローら一人ひとりが“何か”を抱えていることは間違いない。これからの放送で、それらが徐々に明らかになっていくと思うと、やはり1話たりとも見逃せない。 早くも話題沸騰の『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』。第2話は、7月24日夜9時から放送。
2017年07月23日池袋・サンシャインシティにあるナンジャタウンで、『うんこ漢字ドリル』(文響社)初の大型コラボイベント 『あつまれ!うんこ漢字タウン』 が開催中。“うんこ”というド直球のテーマゆえ賛否両論ありますが、どちらかというと“賛”よりの筆者が、夏休みのおでかけとしてアリなのか!? この目で確かめに行ってきました! ■「うんこ漢字ツリー」をメインに、うんこうんこのオンパレード 『あつまれ!うんこ漢字タウン』は、夏休みに合せて開催される期間限定イベント。『うんこ漢字ドリル』が大ブームとなるほんの少し前に企画が動き出し、なんと2ヶ月でイベント開催が実現したのだとか。 ナンジャタウンに入園し、左方向に向かうと突如現れる『うんこ漢字タウン』。ピンク×黄色のカラフルな会場にテンションが上がりますが、よくよく見ると、目に付くほとんどが“うんこ”。想像を超える“うんこ指数”にめげそうになりますが、このビジュアルに子どもは目をキラキラと輝かせることでしょう。 入口には、いきなり「うんこ注意」の看板。そして、「うんこ漢字ツリー」を囲うように、 インスタ映え しそうなフォトスポットがズラリと並んでいます。 すべて、『うんこ漢字ドリル』で実際に使われている例文を表現したもので、直接手で触れてもOK。「うんこメガネ」を掛けることもできるし、一瞬ステキな美術館風に見える「うんこの花束」、そして「金色に輝くうんこ」にも、触れることができるのです。 それにしても「うんこのお散歩」って、やっぱり衝撃的だわ…。 会場内では、 「無料体験・実演コーナー」 も展開。時間ごとにうんこ漢字ドリルの例文を使ったオリジナルの「かるた遊び」や、うんこ先生を作る「バルーンアート」、例文に沿った絵を描く「うんこ漢字ドリルお絵かき」などが楽しめます。 ■投稿作品がその場でモニターに反映!「うんこ例文コンテスト」開催中 会場にあるピンク色のかわいらしい(うんこだけど)ポストは、 「うんこ例文コンテスト」 の応募用紙を投函するためのもの。集まった例文はホームページ上で公開されるそうで「もっとおもしろいものを作りたい…」と創作意欲が高まります。 スマホなどを持っている場合、QRコードを読み込みWEB応募すれば、自分が作った例題が会場内にあるモニターに表示される仕組みということで、筆者もさっそくチャレンジ! 「夏」「遊」など7つの漢字の中から一つ選び、“うんこ”と組み合わせた例文を考えるという内容で、グランプリを受賞すると賞品がもらえるとのこと。 ちなみに「賞品もうんこ関連ですか?」と尋ねると、「いやいや、そこはNOうんこです」というご回答をいただき、一安心。おもしろい例文がひらめいた人は、是非とも応募してみては!? ■うんこ漢字学習アトラクション「うんこ英雄伝」に挑戦!! ナンジャタウンに出現した「うんこドラゴン」を倒すために、園内にある漢字問題を解いていくクエスト型アトラクション 『うんこ英雄伝』 。1回600円(ナンジャコイン3枚・パスポートは1回利用可)で参加でき、受付けに行くと“うんこ先生Tシャツ”を着た元気なお姉さんが、紙芝居でアトラクションの説明をしてくれます。 1~6年生ごとにそれぞれ2種類の「うんこの書」が用意されており、自分の好きな「書」を選んで、いざスタート! 園内にある5つのうんこパワースポットをめぐり、キーワードを埋めて「うんこの書」を完成させたら、再度受付けへ。いよいよ、うんこドラゴンを倒すゲームにチャレンジします。 問題は3択で、正解だと思う方向にタッチパネルをスライドさせると、うんこが飛び出しますが、これが意外と難しい! 60秒で10問正解すればクリアなのですが、わりと真剣に挑んだにも関わらずクリア失敗…。若干悔しい思いをしつつ、その後「うんこは連射できる」という事実を知った筆者。とにかく“うんこを投げ続けることがコツ”だと、こっそりお伝えしておきます。 「うんこドラゴン」とのバトルを終えたら、総合得点に応じたスタンプを押してもらってアトラクションは終了。そして最後に、3種類の中から好きなオリジナルステッカーが1枚もらえます。 成績に関係なく選べるので、失敗したにもかかわらず「GREAT」を選んで、一人ほくそ笑むのでした。 ■これは禁断!? うんこ先生フードも充実のラインナップ 『うんこ漢字タウン』の魅力を語る上で、欠かせないのがコラボフード。すべてにガッツリうんこ先生が鎮座しております。 一番気になるのは、やっぱり 『お子さまにもオススメ!うんこ先生の甘口カレーライス』 (980円)。うんことカレーのコラボって、子どもの時に一度は話題になる「カレー味のうん…」というアレをついに表現しちゃっています。味は、子どもにも食べやすいシンプルな味わいで、チーズやハム、そしてオクラの星形がかわいらしく、子どもはペロリと平らげること間違いなし。 続いて、 『うんこの例文を書こう!うんこ先生オムライス』 (820円)。こちらは、鉛筆型のケースの中にスプーンが。消しゴムに見立てたパンは、ブルーの大豆シートで巻かれており、すべて食べることができます。食後は、下に敷かれた“うんこと”で始まる作文用紙を持ち帰ることができるので、今日の思い出を楽しく日記に書けそうです。 そして、あまりのクオリティの高さに驚いた 『白いうんこ先生ソフト』 (700円)。顔部分のミルク味のソフトクリームと、洋服部分のゴマペースト入りジェラートの2段重ねで、かなりボリューミー。しかも味は抜群に美味! 甘さ控えめの優しい味わいです。 コラボフードは、他に 『うんこ先生のうんこ型ホイップクレープ』 (700円)や 『うんこ先生わたあめ』 (700円)、 『うんこ先生のキュートなマンゴームースケーキ』 (680円)、『うんこ先生のひんやりきつねうどん』(850円)の全7種類。 それぞれ別々の飲食店で販売されているので、好きなものを持ち寄り、パーク内の飲食スペースで食べるのがオススメです。 ■ナンジャタウン×うんこ漢字ドリルのオリジナルグッズが登場 お出かけといったら、お土産のゲットも楽しみのひとつ。 『うんこかん字ドリル学習帳』 (各300円)や 『75ミリ缶バッジ』 (各300円)など、ここでしか手に入らないオリジナルグッズが、パーク内の売店(ナジャモジャマーケット)に登場します。 ここまでうんこ尽くしのイベントを堪能すると、いつの間にやら“うんこ”が愛おしい存在になっており、「お土産でも買っていこうかな」という気持ちになってくる…おそるべし、うんこ先生!! ということで、ふだん「うんこなんて汚い言葉を使うのをヤメなさい!」と息子たちに注意している筆者ながら、大満足でイベント会場を後にするのでした…。 『あつまれ!うんこ漢字タウン』に行けば、子どもたちの笑顔(大爆笑!?)がたくさん見られるはず。少しでも漢字学習意欲に繋がってくれることを期待しつつ、思い出作りに出かけてみるのは“アリ”かもしれませんよ! ナンジャタウン×うんこ漢字ドリル『あつまれ!うんこ漢字タウン』 開催場所:東京都豊島区東池袋3丁目 サンシャインシティ・ワールドインポートマートビル2階 開催期間:~2017年8月31日 開催時間:10:00~22:00(最終入園21:00) ※イベントにより異なる 料金:入園料 大人500円、こども300円/パスポート(入園料+アトラクション遊び放題) 大人3,500円、こども2,800円 (C)Yusaku Furuya/Bunkyosha (C)2017 NAMCO All rights reserved.
2017年07月22日KinKi Kids 主演ドラマ 『ぼくらの勇気 未満都市』 が20年ぶりに復活! しかも嵐・相葉雅紀&松本潤、さらには元ジャニーズJr.の小原裕貴も出演…そんな情報を入手したものだから「うわぁ、懐かし~い!」と胸躍らせずにはいられない。とはいえ、前作の放送は20年前…ドラマを100%楽しむために、作品についておさらいしたい。 ■キンキ主演懐かしの3部作はコレ! まずは20年前のKinKi Kidsについての記憶を呼び起こしておこう。当時、KinKi Kidsの2人は18歳。高校生役を演じたら右に出る者はなく、個々にも多数のドラマに出演。そして2人が主演を務めた 『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』 (1994年/TBS系)、 『若葉のころ』 (1996年/TBS系)、『ぼくらの勇気 未満都市』はKinKi Kids主演3部作と呼ばれ、次々にヒットを飛ばしていた。 「頭の中にハエがいるんだ」というセリフが社会現象にもなった『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』は、いじめ、虐待、自殺など、タブーとされる 過激なテーマ を扱い、批判を受けながらも最終回には視聴率28.9%を記録。 一方『若葉のころ』は、光一、剛、そして奥菜恵という3人の友情、恋愛模様を描いた青春物語。CDデビュー前のKinKi Kidsが歌った「FRIENDS」は、いまだにファンの間で名曲として愛されているが、デビュー前のタレントがドラマ主題歌を務めること自体、異例なこと。それほどまでにKinKi Kidsの勢いはハンパじゃなかったのだ。 それ以降、KinKi Kidsのドラマ共演は2003年の『ムコ殿』(フジテレビ系)に友情出演したのが最後。互いの道でパフォーマンスを磨き合ったKinKi Kidsが、 14年ぶり に『ぼくらの勇気 未満都市2017』で待望の共演を果たすのだから、ファンならずとも必見と言えるだろう。 ■ジャニーズJr.黄金期! 嵐メンバーも出演した伝説のドラマ さて、今回SPドラマの放送が決定した『ぼくらの勇気 未満都市』は、1997年10月~12月にかけて日本テレビ系の“土9枠”で放送された連続ドラマ。 主演KinKi Kidsの人気はもちろん、 “ジャニーズJr.黄金期” と言われた当時、 相葉雅紀 、 松本潤 を含むJr.メンバーの出演でも注目を集め、平均視聴率16.8%をたたき出した。相葉、松本の 連ドラ初出演作品 としても有名で、汚れまみれの彼らの姿、そしてバックに流れる主題歌「愛されるより愛したい」は、20年たったとは思えないほど強く印象に残っている。 ■大人が感染すると死に至る、“子供だけの街” ドラマの舞台は、千葉県の臨海幕原。同地区で大地震が起きたというニュースが流れたが、これは政府による情報操作。実際の幕原地区は微生物 「T幕原型」 に汚染され、その微生物は“大人が感染すると死に至る”ことから、政府が子どもたちを残して一帯を封鎖していたのだった…。 地震の一報を耳にした ヤマト(堂本光一) は友人を探しに、そして タケル(堂本剛) は災害ボランティアのために幕原地区に向かうところから物語は始まる。食事の配給のたびに奪い合いが起こり、街の外には自衛隊が配備されるなど物々しい雰囲気の中、子どもだけの無法地帯と化していく幕原地区。そんな中でヤマトとタケルが秩序を取り戻し、力強く生き抜いていく姿が描かれた。 ■あの日の約束、覚えてる? 気になる連ドラの結末は!? 幕原地区では年齢を重ねて大人になり、微生物に感染した者が次々に亡くなっていく。そして、ヤマトとタケルと三角関係にあったユーリ(宝生舞)が20歳を迎えて息絶えた後、幕原地区に雪が降る。すると、寒さに弱かった微生物はあっさりと死滅した。 しかし、それで物語は終わらない。原因となった「T幕原型」は政府が開発中の微生物で、研究のため人工衛星で宇宙に運ぶ際に誤って落下させたものだったのだ。 事実に気付いたヤマトとタケルたちは、真実を問うべく戦いを挑むが、抵抗もむなしく抑圧されてしまう。そこで彼らは人工衛星の破片を分け合い、 「20年後、俺たちでまたこの場所に集まろう」 と誓い合う。 今回のSPドラマでは、そんな20年後の再会が描かれるというワケだ。 ■嵐・相葉雅紀&松本潤、小原裕貴もまさかの出演決定! SPドラマの放送が決定した時点では、KinKi Kidsの出演しか発表されておらず、「相葉ちゃんと松潤は出演するの?」などと話題になっていたが、その後、松本&相葉の出演が正式決定。さらには2000年にジャニーズ事務所を退所した元Jr.の 小原裕貴 も出演することが判明し、ファンから驚きと喜びの声が上がっている。 ほかに、ヤマトの彼女・スズコを演じた矢田亜希子も出演。彼らがどのように成長し、どんな思いで再会するのか期待したい。 ちなみに、昨年放送された松本潤主演ドラマ 『99.9-刑事専門弁護士-』 (TBS系)のなかで、赤石(片桐仁)が深山(松本)に対して放った「20年前って言ったらなぁ、おまえがこんなに小さくて犬連れてる頃から俺は勉強してんだぞ!」というセリフが、『ぼくらの勇気』で松本が演じた“モリ”のことではないかと関心を集めたことをご存じだろうか。 じつは、『99.9-刑事専門弁護士-』で演出を担当した木村ひさし氏は、当時『ぼくらの勇気』で演出助手を務めており、いま思えばこの一言は、SPドラマへの伏線だったのかも…!? ■向井理、道枝駿佑ら新キャスト発表! SPドラマの主題歌は、20年前と同じく「愛されるより 愛したい」。そして挿入歌は、劇中で堂本剛が弾き語りしていた「風のない街」(歌:滝川タケル)と発表された。 さらに今作では、ヤマトやタケルと対立する組織のキーマン役の 向井理 をはじめ、千葉雄大、早見あかり、そしてドラマ『母になる』(日テレ系)での息子・広(こう)役が話題となった 道枝駿佑 (関西ジャニーズJr.)ら新キャストも登場。道枝は教師となったヤマトの生徒役を演じるといい、ストーリーはもちろん、その演技にも注目が集まる。 KinKi Kids デビュー20周年記念特別企画『ぼくらの勇気 未満都市 2017』は7月21日(金)21時から放送! 20年という歴史をかみしめながら、彼らとの“再会”を楽しみに待つことにしよう。
2017年07月20日『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』 3rdシーズンが7月17日から放送スタート。2008年に1stシーズン、翌年にSPドラマ、2010年には2ndシーズンが放送され、衝撃、感動といった多くの名シーンを残して終幕。 そして2017年夏、 山下智久 、 新垣結衣 、 戸田恵梨香 、 比嘉愛未 、 浅利陽介 という人気キャストをそのままに『コード・ブルー』が帰ってくる! 放送を前に、いままでのおさらいと、最新作の見どころをチェックしたい。 ■ドクターヘリをテーマにした日本初のテレビドラマ 『コード・ブルー』は、ドクターヘリを日本ではじめてテーマにした唯一の医療ドラマ。 ヘリで現場に向かう フライトドクター を目指し、翔陽大学附属北部病院救命救急センターにやってきた藍沢耕作、白石恵、緋山美帆子、藤川一男、すでにフライトナースとして活躍している冴島はるかの5人が、互いに切磋琢磨(せっさたくま)しながら成長していく物語だ。 ■よき仲間x最大のライバル…1stシーズン 1stシーズンで、彼らは フェロー (後期研修医)。ときにぶつかり、ときに助け合い、成長し続けた主要キャラクターを紹介しつつ1stシーズンを振り返りたい。 ●藍沢(山下智久) 第1話から患者に迷いなく気管切開をするなど、常に冷静沈着な姿勢。事故現場で行った腕の切断を「楽しかった」と言い放ち、「普通の病院の1年の経験をフライトドクターなら1ヶ月で経験できる。俺はだれよりも早く名医になる」と、自信に満ちていた。 ●白石(新垣結衣) 知識が豊富な優等生タイプ。ドクターヘリのシステムを学び、地元にドクターヘリを導入することが目標だ。 ●緋山(戸田恵梨香) ほかのフェローにライバル心剥き出し。相手が誰であれ思ったことをすぐ口に出してしまうが、じつは繊細な心の持ち主。 ●冴島(比嘉愛未) フライトナースとしての信頼は得ているものの「ナースは医師から下に見られている」と卑屈になっており、白石、緋山と衝突することも。 ●藤川(浅利陽介) お調子者で、知識・技術ともにほかのフェローから遅れをとっており、指導医の 黒田(柳葉敏郎) からは「ドクターヘリに乗ることはない」とまで宣言されてしまう。しかし、患者と打ち解ける能力は随一で、最終話では自ら志願し念願のドクターヘリ初搭乗を果たす。 第6話では、藍沢の祖母が事故の後遺症で認知症を発症。藍沢は、自分の顔さえ忘れてしまったことにショックを受けながらも、育ての親でもある祖母に寄り添う日々。そんな祖母との関わり、そして自分の甘さから患者を危険にさらしてしまったことから医師としてさまざまな葛藤を抱くも、ヘリに搭乗し続けることで乗り越えていく。 第8話では、安全確認が取れていない爆発事故現場に進入した白石をかばった黒田の上に鉄板が落下。黒田は、藍沢に腕を切断させ、フライトドクターとしての一線を退くこととなる。 白石は、その重責から一度は病院を辞めようとするが、最終話では「もう気に病むことはない」と黒田に背中を押され、再度フライトドクターを目指すことを決意した…。 ■電車脱線事故が発生! 数々の別れを描いたスペシャルドラマ SPドラマ では、 電車の脱線事故 が発生。5人全員が現場に向かい、混乱状態のなか、 白石 は現場監督ともいえる トリアージ を任され、葛藤の中で優先順位を見極めていく。 藍沢 は、脳外科医の指示を受けながら工事用のドリルで男児の頭蓋内出血を吸引するという荒業を披露。「何もしなければ死んでしまう、それならできることをやる」という 姿勢にブレがない 。 そして藤川は、現場に訪れた黒田の指示で、心臓を損傷した患者の手術を行う。自分を奮い立たせながら指示の通りに手術をこなし、無事患者を救うことに成功した。 そんなとき、 緋山 が突然の揺れによって電車から落下。胸を強打し、 心肺停止状態 のところを発見され、一命を取り留めた。ヘリで搬送後に手術を受け、仲間や父親が見守る中、ゆっくりと目を覚ました彼女は仕事復帰できるまでに快復した。 一方、1stシーズンで認知症を患った藍沢の祖母の記憶が回復。藍沢は「一緒に住もう」と提案するが、祖母は自ら特別養護老人ホームに入居することを選び退院して行くのだった。 ■フェロー修了認定、それぞれの旅立ちを描いた2ndシーズン フェローの修了認定日 が迫るなか、事故のせいでヘリの搭乗回数で遅れをとってしまった緋山は焦るばかり。そのころ藍沢は、亡くなったと教えられてきた両親について、母親は自殺であり、父親は健在だという衝撃の真実を知る。 一方緋山は、脳死の子どもの延命を中止した際、書面にサインをもらわなかったことから 訴訟問題 に巻き込まれてしまう。結局訴訟に発展することはなかったが、これがトラウマとなって患者に恐怖心を抱くように…。 だが、その後、飛行機墜落事故現場で出会った母親の「この子を救えるのはあなたしかいない」という言葉に意を決してメスを握り、救命に成功した。 白石は、医師である自分の父親に反発心を抱いていたが、父親は末期がんを患っていることを知る。そんな父に対して「ひどいことを言った」といままでの言動に思い悩む。しかし、飛行機事故現場でともに治療に挑むこととなり、偉大な父親を目標に進み続けることに。 最終話では、藍沢、白石、藤川が フライトドクターに認定 。事故によるブランクもあり認定を逃した緋山も、前向きにフェローとして勤務を続けていた。 ■ついに始まる3rdシーズン! 豪華新キャストも登場 医師として10年以上勤務を続けてきた彼ら。藍沢は、救命ではなく 脳外科医 としてオペを重ねてきた。白石は 救命スタッフリーダー になり、緋山は翔北病院を離れて周産期医療センターで 産婦人科医 として勤務。冴島は、いまなおフライトナースのエースとして活躍し、藤川は救命救急センターを支える 整形外科専門の救命医 に成長した。 3rdシーズンでは、フライトドクターを目指すフェロー役として、 有岡大貴 (Hey! Say! JUMP)、 成田凌 、 新木優子 、そしてフライトナースを目指す 馬場ふみか という期待の若手俳優陣が新加入。いまをときめく人気キャストたちが5人とどのように関わり、どう成長を遂げるのか注目したい。 そして、あくまで医療ドラマとはいえ、やっぱり気になるのが 恋愛事情 。いままで放送されてきた『コード・ブルー』では、藤川が冴島に思いを寄せていることだけは明確で、一方の冴島も2ndシーズンでALSを患っていた恋人を亡くすと、前を向いて進むべきだと明るく助言する藤川に心を開き始めていた。 ほかに藍沢と白石も、同じく2ndシーズンでそれぞれの父親について心を許して語り合うシーンがあり、このまま恋愛に発展するのか!?と思いきや、進展がないまま終了…。 これまで「仕事が一番」という姿勢でがむしゃらに働いてきた彼らだが、3rdシーズンでは皆 30代半ば に突入。少なからず 恋愛要素 も描かれるのでは? と期待が高まる。 名医が存在し、どんな患者でも必ず助かるという医療ドラマも多いが、このドラマでは助からない患者も多い。悲惨な事故現場や、医療現場でのやるせない思い、快復に向かう喜びなどが渦巻くなかで、繊細な人間模様が描かれてきた『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』。 待望の3rdシーズンは、7月17日(月)21時からいよいよ放送スタート!
2017年07月15日ゲーム、アニメ、映画と幅広い展開をみせる「ポケットモンスター」、縮めてポケモン。1997年にスタートしたテレビアニメは、今年で20周年を迎えます。 今回は、テレビアニメの立ち上げ当初から総監督を務め、劇場版20作品すべてを手掛けてきた 湯山邦彦監督 にインタビュー。サトシの相棒にピカチュウが選ばれた理由から、7月15日公開の最新作「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」の制作秘話まで、たっぷりとお話を伺いました。 ■サトシのパートナーにピカチュウが選ばれたワケとは… ――初めはゲームから始まったポケモンですが、どのようにアニメ化していったのでしょうか? ポケモンをもらって旅立ち、ジムを巡って行くというゲームの設定をそのままに、ゲーム内に出てくる地図なども参考にアニメをつくっていきました。最初のゲームはモノクロのドット絵だったので、それほどビジュアルはなかったんですけどね。 ――ゲームが発売されて、すぐにアニメ化が実現したのですか? 実はそうではないんです。ポケモンって、じわりじわりと演歌みたいな売れ方をしていて(笑)。子ども達の口コミで広まっていき、1年くらい経ったところでアニメ化の話が来たんです。「これはおもしろそうだな」と、初めから手応えがありました。 ――たくさんのポケモンがいる中で、サトシのパートナーにピカチュウを選んだ理由を教えてください。 最初はフシギダネ、ゼニガメ、ヒトカゲの誰をパートナーにするかという話になったんです。でも、たとえばフシギダネを選んだら、ゲームで他のポケモンを選んだ子がかわいそうだし、それはイヤだなって。 ピカチュウは一番ポケモンらしいというか、あくまで“生き物”として成立しているし、かわいくて強い。しかも、その頃「コロコロコミック」の読者アンケートで人気第1位がピカチュウだったこともあって、ほぼ満場一致で決まりました。なるべくしてなったという感じですね。 ――ちなみに、ピカチュウがモンスターボールに入らないことに理由はあるのですか? 当初は、特に理由はなかったんです。単純に外に出していたかった…見せたかったんですよ(笑)。あとは、 “ずっと一緒” っていうのを表現したかったというのもありますね。 ■大切にしたいのは “ポケモンが生きている世界の日常感” ――ピカチュウは本当にかわいいし、他のポケモンもすごく魅力的ですよね! ポケモンの最大の魅力は、やはりその種類の豊富さだと思います。かわいい子やかっこいいヤツ、ちょっと気持ち悪いのもいる。子どもって、かわいいだけじゃなくて意外と不気味なヤツが好きだったりするじゃないですか。そういうものを全部網羅することで、自分が本当に好きなものを選べるようになっているんです。 あとは、キャラクターというより、その世界に存在している“生き物”として受け止められているのも大きいと思いますね。ポケモンが日常にいる感覚っていうのが味わえれば、それだけで結構楽しめるんじゃないかなと。 ――息子は草むらを見ると「あそこにポケモンいそうだね!」ってよく言います(笑)。 そうですか!そういう感覚を持ってもらえると、一番嬉しいですね。 ポケモンの場合、“ポケモンが生きている世界の日常感”というのを大事にしています。あくまで非日常なんだけど、そこにある日常の感覚みたいなものを出したいんです。 2002年からは映画を制作する際、海外に取材に行くようになりました。ふだんと違う世界の日常感っていうのは、行ってみないとわからないですからね。 ――たしかに旅行に行くと、自分にとっては知らない世界だけど、ここで暮らしている人もいるんだなっていう感覚はありますよね。 今作では、ニュージーランドに行きました。街中のバトルシーンでは、ニュージーランドの街並みをかなり参考にしています。なので、見比べたら「ここだ!」とわかるところはたくさんあると思いますよ。 ――そんなところに注目しながら観るのもおもしろそうですね! ■テレビ版と劇場版の大きな違いはリアリティの差 ――20年の歴史の中で、大きな転機などはありますか? 技術的に言うと、フィルムからオールデジタルになったことですね。2002年の「水の都の護神 ラティアスとラティオス」はちょうど転換期で、フィルムも残っているデジタル作品です。 デジタルをフィルムに変換すると、色や質感が変わってしまうので、そこを合わせるのが大変だったんですよ。苦労して、ようやくデジタルをフィルムにするシステムが完璧にできるようになったと思った翌年、全部デジタルになって、その技術は必要なくなったっていう(笑)。 デジタルになるとカメラワークが全然違ってきますし、初期の頃の作品もデジタルならもっといろいろ表現できたな、とは思いますね。 ちなみに内容的な転換期は…特にありません(笑)。 ――20年間変わらないというのもまた、魅力のひとつですよね! では、テレビ版と映画版での違いはありますか? テレビ版は、高い所から落ちても人型の穴が開く程度だけど、映画だと高い所から落ちると怪我をする。映画のほうが、リアリティの具合をちょっと上げているんです。たとえば、ロケット団が「やな感じ~」と言ってキランと光って消えるという流れは、話の展開に関わるようなシーンではやらないようにしています。 それだとピンチがピンチにならなくて、何でもありになっちゃうんですよね。テレビはギャグからシリアスまで、アニメとして楽しい部分を残しながらやりたいけれど、映画ではサトシが生身の人間として危機を乗り切ってほしいと思っています。 ――劇場版について、意外と知られていない秘密などはありますか? 映画の中では、図鑑は使わないことにしています。必ず幻のポケモンが出てくるので、それを図鑑に載せちゃうのはどうなんだろうっていうのがあって(笑)。 ――なるほど(笑)。アニメの第1話ではホウオウについて、図鑑に“まだ登録されていません”と出てきますよね。 そうなんですよ。あれはまだ次のゲームの発売前で、ホウオウだけを先出ししたんです。アニメが4月に始まって、本当は年末ぐらいにゲーム「ポケットモンスター 金・銀」が出るはずだったんですけど、実はゲームの製作が遅れて3年ぐらいゲームが出なかったんですよ。 だからアニメも最初はすごいペースで進んでいたけど、途中からはスローダウン(笑)。旅をして行く物語なので、とくに問題はなかったんですけどね! ――それはすごい裏話ですね(笑)。作品をつくる上で大切にしていることはありますか? ポケモンの世界は、どこかへ遊びに行って、何かを経験して帰ってくる“夏休みの一日”を表現したものだと思っていて。だから、煮詰まったり悩んだりした時には「夏休みの一日だったら、どうかな?」と考えてやるようにしています。日常から特別離れたものではなくて、10歳のサトシくんの頭の中で捉えられるようなことを描こうと。 サトシがわからないことは、わからないままでいい。たとえば「ミュウツーの逆襲」(1998年)では、ミュウツーの言っていることをサトシは半分も理解できていないと思うけど、気持ちだけでなんとなく通じ合っていく。言葉で納得し合うわけではなくて、“どこかで通じ合う”というところが表現したいんです。 あとは、 異質なものを異質なものとして受け入れる というのもポケモンの大きなテーマのひとつですね。不思議な生き物たちとの出会いを善悪で分けるのではなくて、 「俺とあいつは全然違うけど、それはそれとして認め合う」 というところが伝わればいいなと思っています。 ■サトシとピカチュウの絆を描く「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」 ――20作目となる「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」で、原点回帰した理由は? 20周年ということでいろんな議論があって、新シリーズ・サンムーンの劇場版に20周年の要素を入れようかとも思いましたが、そうすると過去のキャラが出てきた時にそれを説明しなきゃいけない。ずっと観ていた人は説明が邪魔だろうし、新しく観た人は説明がないとわからない。それではストレートに楽しめないんじゃないかなと思って、サトシとピカチュウはみんな知ってるよね?と。 原点に戻って、仲間と出会い、ポケモンを捕まえて、育てて、別れて…っていうところをちゃんと映画の中でやってみる。それが20周年らしい作品になるんじゃないかということで、 「コレにきめた!」 って(笑)。 ――いただきました~!(笑)。では、今作で一番伝えたいことを教えてください。 ポケモンの持っている楽しさとか良いところを凝縮したかったんです。今までの劇場版では、テレビの流れがあるので、成長したり状況が変化するっていうことができなかったのですが、20周年ということでサトシをただポケモンが好きな10歳の少年に戻して出発することにしました。 普通の男の子だから、悪態つくこともあるだろうし、そういう体験を経て仲間ができて、励まされたりして成長していく姿を、ポケモンの世界の中で描けたらいいなと。 テレビシリーズの中では、サトシはある意味“ヒーロー”なので、喧嘩はするけど弱い部分を見せるということは20年間一切やっていないんです。 今回はゼロから描いていくので、いろいろな困難を乗り越えて、最終的に成長したサトシを見せられたらいいなと思いました。 ――今作で特にこだわった部分はどこですか? 「こんなところを旅したいな、体験したいな」と思ってもらえるように、自然の風景をなるべく美しく魅せたいというのがあります。朝・昼・夕といった時間帯によって変わる風景の美しさも、ニュージーランドの取材を生かしつつ、気をつけながら取り組みました。 ――新キャラのパートナーには、なぜポッチャマ、ルカリオ、ガオガエンというポケモンを選んだのでしょうか? ポッチャマに関しては「出したいな」って言うのがあったんです。なので女の子(マコト)が連れているのにいいだろうって。で、ルカリオも「出したいな」と思って(笑)。そう、この2体はまさにキャスティングされたという感じです! クロスが連れているガオガエンはアローラ地方のポケモンなので、彼はアローラから来ているんじゃないか!?っていう話もありますね。 (物語のキーとなる)エンテイは、その辺にいてもあまり不思議すぎず、会えたらすごいなぁぐらいのルックス。日常の延長線上にいる“ちょっとすごい動物”みたいな感覚があったので選びました。 ――では、「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」に期待してほしいことは? 観る人のポケモン歴によって、いろんな見え方をする映画だと思います。20年前から観ている人には「懐かしいけど新しい」と思ってもらえると思うし、ポケモンを観たことがない人にとっては入門編にもなっているので、幅広く観てもらいたいですね。 テーマであるサトシとピカチュウの絆がだんだん深まっていくっていうところを、ぜひ観ていただければと思います。 ――最後に、ポケモンが大好きなパパ・ママ、子ども達へのメッセージをお願いします。 アニメが始まった初期にポケモンを観ていた子が親になり、その子ども達を劇場に連れて観に来てくれるようになると最高だなと思っていたのですが、今、そういう親子が増えて来ているところなんです。 ポケモンは、いろんな世代に向けてつくっています。親子で一緒に鑑賞して、そこから対話が生まれたり、感じたことを話し合ったりしてもらえたら嬉しいですね。 「劇場版ポケットモンスター キミにきめた!」 公開日:2017年7月15日 詳細はこちら→
2017年07月14日KinKi Kidsは、言わずと知れた 堂本光一、堂本剛 の2人組。今年 デビュー20周年 を迎え、現在、数多くのテレビ番組にゲスト出演中の彼ら。ずっと見続けてきた2人だけど、その笑顔いっぱいの掛け合いに自然と癒やされ、「やっぱりKinki好きだわ…」とあらためて感じているママたちも多いはず。ということで、KinKi Kidsの歴史について敬意を込めて振り返り! ■中居正広が公言! SMAPとの強い絆とは 兵庫県芦屋市出身の光一、そして奈良県奈良市出身の剛。その名の通り近畿地方(関西)出身の2人は、一時 「KANZAI BOYA(カンサイボーヤ)」 というユニット名で活動していた。ちなみに、カン“サ”イなのにSではなくZである理由については、「Zがカッコいいんだよ」というジャニーさんのご意向だったとか。 デビュー前は SMAPのバック に付くことが多く、 中居正広 も「唯一の直属の後輩」と公言。SMAPライブにKinKi Kidsの歌コーナーがあったほどで、堂本剛が「SMAP兄さんのファンにも感謝している」と語ったことも。 さらに「KinKi Kids」というユニット名も、バラエティ番組『KISSした?SMAP』(テレビ朝日系)内で発表! いまだにSMAPとのエピソードを数多く披露するなど、KinKi KidsとSMAPはとてつもなく深い強い絆がある。 そんなKinKi Kidsは、1994年12月31日、日本武道館でファーストコンサートを開催。まだCDデビュー前にもかかわらず、 大晦日に武道館で単独公演 という偉業を達成した。 ■ソロで!ユニットで! 話題のドラマに次々出演!! 爽やかな笑顔で魅せる王子様・光一、独自の空気感が魅力の剛といった2人だが、役者としてもその才能をいかんなく発揮。とくに、どことなく影を持った青年役の演技は、目を見張るものがあった。 1994年に放送された『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら〜』(2人出演・TBS系)以降、『金田一少年の事件簿』(剛主演・1995年/日本テレビ系)、『セカンドチャンス』(剛出演・1995年/TBS系)、『家なき子2』(光一出演・1995年/日本テレビ系)、『銀狼怪奇ファイル〜二つの頭脳を持つ少年〜』(光一主演・1996年/日本テレビ系)、『若葉のころ』(2人出演・1996年/TBS系)…などなど、出演ドラマは次々に高視聴率を記録。 バラエティでは、2人がギターと出会うキッカケとなった 『LOVE LOVE あいしてる』 (フジテレビ系)、 櫻井翔 を含むJr.3人組「それいけトリオ」も人気となった『それ行けKinKi大冒険』(日本テレビ系)、TOKIOと共に司会を務めた『Toki-kin急行 好きだよ!好きやねん』(TBS系)、「チッチッチッチッバリチッチ」の掛け声でおなじみのゲームアトラクションバラエティ『バリキン7 賢者の戦略』(TBS系)という番組がすべて1996年に放送スタート。これほど多くのレギュラー番組、しかもすべてメインMCを務めていたんだからスゴすぎる。 そして1996年末には、近藤真彦とのコラボでなんとNHK『紅白歌合戦』まで出演! デビュー前にもかかわらず、すでに演技力、トーク力、歌唱力…そのすべてを手に入れていたのだ。 ■1997年『硝子の少年』で満を持してCDデビュー! ということで、KinKi Kidsはデビュー前から知名度は相当高く、 1997年7月21日にデビュー決定 という報道に「今までデビューしていなかったの?」という声が上がるほどだった。 作詞・松本隆、作曲・山下達郎という豪華制作陣を迎えた1stシングル 『硝子の少年』 は昭和歌謡っぽい昔懐かしい曲調で、幅広い年代から支持され、オリコン週間ランキング堂々第1位。それどころか、累計売り上げ約180万枚の大大大ヒットとなった。 その後2ndシングル『愛されるより 愛したい』は、今月21日にSPドラマが放送される 『ぼくらの勇気 未満都市』 (1997年/日本テレビ系)の主題歌として当然のごとく大ヒット。続く3rdシングル『ジェットコースター・ロマンス』は爽快かつキラキラとしたアイドルナンバー、はたまた4thシングル『青の時代』では、歌唱力を存分に活かしたバラード…というように、楽曲の良さ、そしてKinKi Kids独自のハーモニーで、 アイドルの枠を超えた“アーティスト” としての地位も確立していった。 ■作詞・剛、作曲・光一『愛のかたまり』は名曲中の名曲! 『LOVE LOVEあいしてる』で初めて作詞作曲に挑んでから、2人はコンスタントに曲作りにも励んできた。2001年にリリースされた『Hey! みんな元気かい?』のカップリングとして収録されている 『愛のかたまり』 は 剛作詞、光一作曲 のナンバーで、デビュー10周年の際に行われた ファンによる人気投票で1位 に選出された名曲。 歌詞は女性目線で書かれ、「心配性すぎなあなたは…」という歌い出しからストーリーに引込まれてしまう。恋人のことは愛しているし、すごくうまくいっている。けれど、好きだからこそ不安になってしまうという人間の心理が、丁寧な言葉で描かれている。 「うれしいの」「もっと素敵になってね」というちょっぴり古風な“いい女”がこんなにもうまく表現できるなんて、「剛さんって天才なのでは?」と思うほど。もちろんメロディも、KinKi Kidsハーモニー、そして歌詞の物語性が存分に伝わる傑作だ。 この頃、光一は座長を務めるミュージカル 『SHOCK』シリーズ が初演(2000年)。単なるミュージカルではなく、歌、ダンス、演技、イリュージョンなど、エンターテインメント要素がこれでもかと詰め込まれた同作。今でも 『Endless SHOCK』 として毎年上演され、2017年には 通算1500回、観客動員数270万人 を突破した。 一方剛は、自身主演のドラマ『夢のカリフォルニア』の主題歌を含む『街/溺愛ロジック』で2002年5月29日に、堂本剛ソロ名義で ソロデビュー 。2005年からはENDLICHERI☆ENDLICHERIとして楽曲リリースやライブを開催するなど、互いに本格的にソロ活動を開始した。 ■愛すべきは“仲良しこよし”じゃない、絶妙な距離感 その後、光一は舞台やコンサートの演出やプロデュース、さらには趣味が高じてF1関連の仕事もこなすなど、幅広く活動。そして剛は、持ち前のファッションセンスを活かしたデザイナー業のほか、2013年には奈良市の母子手帳の表紙を描くなど、その活躍は多岐にわたる。 ソロでの活動が増えてきた2人だが、KinKi Kidsとしての活動はもちろん休むことなく続けてきた。タイプが違う…というよりむしろ正反対とも思える2人。しかも、「プライベートでは一切関わらない」と話すなど、けっしてベタベタとした仲良しコンビではない。けれど互いに認め合い、 KinKi Kidsとして、KinKi Kidsらしい作品 を常に生み出し続けている。 現在放送中のバラエティ番組『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)では、冒頭から企画内容に「興味がない」と言ってみたり、「これ楽し~いっ!!」と思い切りはしゃいでみたり…。ボケとツッコみが流動的に入れ替わる、ふたりの絶妙な距離感が心地良く、また温かく思えてくる。 これからますます盛り上がるであろうKinKi Kids20周年アニバーサリーイヤー! 最上級のパフォーマンスと、安定感のあるトーク力を兼ね備えた2人の魅力に、あらためて触れてみてはいかがだろうか。
2017年07月13日『かぞえてんぐといっしょにかぞえよう!~旅(たび)にはかぞえるものがあふれてんぐ~』がポニーキャニオンから7月19日にリリース。「かぞえたっい~かぞえたっい~かぞえられたら鼻高い~ かぞえてんぐ~」という名曲(迷曲!?)が、Eテレ『おかあさんといっしょ』で聴けなくなって早3ヶ月…あの“かぞえてんぐ”がDVDで帰ってくるのだっ! ■だいすけお兄さんの親友・かぞえてんぐって? 今年3月、子どもはもちろんママ・パパからも惜しまれつつ同番組を卒業した横山だいすけお兄さんの親友・かぞえてんぐ。見た目はそっくりですが、あくまで“親友”であることをお忘れなく…! そんな、かぞえてんぐの最大の喜びは“数を数えること”。毎週あらゆるモノの数を、子どもたちと一緒にそれはそれは嬉しそうに数えてきました。もちろん、彼とともに「1、2、3…」と大きな声を出すことで、数を覚えたり、数のおもしろさを知ったりしたお子さんも多いですよね! ■全力の数カウントとハイテンションに、ママたちも満足満足~! かぞえてんぐの初登場は、2013年4月。当時は数を数えた後に「パンパカパ~ン」と鼻からお花や様々なモノが飛び出すなんて展開、一体誰が想像したでしょう。 そんな突飛な流れにもかかわらず、いつしか「今日は何が飛び出すんだろう」と気に掛けるようになっているから、あら不思議…。 数え終わった後の満足そうな姿を見ると、毎度毎度わかっちゃいるのに思わずニンマリ。あのハイテンションでユーモアたっぷりな言動に笑わされ、かぞえてんぐから“パワー”をもらってきたというママは、私だけではないはずです。 ■カッコイイだけでは終わらない!「かぞえてんぐ」最終回も話題に かぞえてんぐは、だいすけお兄さんの番組卒業と同時に「世界中の数を数えるのさ」と旅に出ることを宣言。最後は「ハンカチ」を数えて私たちを感動させたと思いきや、去り際にウチワを落としてしてしまうというアクシデントが発生。決してカッコイイでは終わらない、だいすけお兄…じゃなくて、かぞえてんぐさんの人柄を見たようで、ホッコリ気分の最終回となりました。 そして後日、かぞえてんぐはテーマ曲『かぞえてんぐがやってきた』のフルバージョンを披露。引退時の山口百恵さながら、ウチワを舞台に置いて去って行ったのです…。 ■目的地は富士山!? 旅先で大好物の数を数えまくる! 今回発売されるDVDは、旅に出たかぞえてんぐのその後を追ったもの。今までの総集編ではなく、本編はほぼオリジナルの撮り下ろしだというから嬉しい限り。 果たしてかぞえてんぐは、一体どこへ旅に出たのでしょう…!? DVDに収録されているのは、「こうえんのたび」「しょうてんがいのたび」「えきのたび」、そして「ふじさんのたび」…どうやら旅の道中で訪れた公園、商店街、駅で見つけたモノの数を数えながら、富士山を目指すようです。 この様子は、公式サイトで公開されている予告動画でちょっぴり覗くことが可能。お団子屋さんで、店主を相手に全力の「てんにちはー!」。そして、お団子を数え終わった後には、鼻から三色団子が飛び出すという期待を裏切らない展開に大爆笑! 3分20秒に渡る大ボリュームの動画ながら、満足どころか「全編が観たい!」と、ますます発売が楽しみになってしまいます。 ■たくみお姉さんも登場!相棒・ミーニャ&チョロミーとの共演も DVDの出演者は、かぞえてんぐ、チョロミー、ミーニャ、横山だいすけ、小野あつこ、三谷たくみ、小林よしひさ、上原りさ。ミーニャ、チョロミーという歴代の相棒(!?)はもちろん、たくみお姉さんとの共演まで見られるなんて、涙もの。 ミーニャが番組を卒業する際、それまで「ねこちゃん」と呼んでいたかぞえてんぐが初めて「ミーニャ」と名前を呼んだことも話題になりましたが、果たしてDVDではミーニャのことをなんと呼ぶのか、そんなところにも注目です。 その他、初公開の新曲「かぞえてんぐのかぞえたび」、「かぞえてんぐ」コーナー最終回を含む過去の名作選や歌クリップも収録。 さらに数量限定封入特典として、てんぐさんからのおてがみ(カード)が全3種類のうち1枚同梱というから、気になる方は早めの入手がおすすめです。 と、ここまで主にママ目線でかぞえてんぐの魅力をお伝えしてきましたが、DVD『かぞえてんぐといっしょにかぞえよう!~旅(たび)にはかぞえるものがあふれてんぐ~』は、「かぞえてんぐ」を通して子どもたちに数えることの楽しさを伝えることを目的とした1枚。親子で学び、楽しめる贅沢な内容になっています。 DVDの中でかぞえてんぐは一体どんなモノの数を数えているのか…発売まであと少し、ワクワクキューンで待ちましょう! \DVD詳細の詳細はこちら/
2017年07月12日