産後、授乳をしている時期に、赤ちゃんの泣き声を聞いただけで胸が張ってきて、母乳が分泌されてしまった経験はありませんか? 赤ちゃんの泣き声に脳が反応し、母乳が出るのは「オキシトシン」のしわざなのです。
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オキシトシンとは、下垂体後葉から分泌されるホルモン。子宮筋の収縮促進作用があるので陣痛誘発剤として使われることが多いですが、乳汁分泌作用も持っています。私自身も2人の子どもを母乳で育てていた授乳期を振り返ると、たしかに赤ちゃんの泣き声に反応して母乳が勝手に出てきたという経験を何度も味わったことがあります。
そんなオキシトシンですが、最近もっと幅広い効果があると、にわかに知名度が上がってきていていることをご存じでしょうか?
■オキシトシンが「幸せホルモン」と呼ばれる由来オキシトシンは別名「幸せホルモン」や「絆ホルモン」と呼ばれています。それは、オキシトシンが乳児期の母子間だけでなく、親子や異性の間でも有益なことがわかってきたからです。誰かと手をつないだり、抱きしめたり、頭をなでたりすることでもオキシトシンが分泌され、お互いの幸福感を満たすことができるといわれています。