「低血圧なので朝が苦手」は本当? 朝スッキリ目覚められる方法を知りたい
「低血圧だと朝に弱い」と言うことがありますが、朝の目覚めと血圧には、何か因果関係があるのでしょうか? また、朝スッキリ目覚めるために有効な方法はあるの? 『マタニティ&ママのための鍼灸アロママッサージ院・天使のたまご』総院長の鈴木さんに教えてもらいました。
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低血圧と朝の目覚めは関係ない
結論から言うと、低血圧が理由で朝がすっきり起きられない…には医学的根拠はないとされています。ただ、なぜそう言われているのかについては、ちょっと思い当たることがあります。
寝起きや睡眠には、交感神経と副交感神経という2つの自律神経の切り替えが影響を与えています。交感神経はおもに活動をつかさどり、副交感神経はおもにリラックスをつかさどる神経と考えます。
この2つは常にシーソーの関係で、片方が活動を強めると、もう片方は活動を弱めます。通常、昼間は交感神経がメインで働き、夜になると副交感神経がメインになることで眠気が現れ、眠りにつくというわけです。
多くの人が目覚める時間帯である朝は、副交感神経が弱まり、交感神経が活動を強めてくる時間帯です。
交感交換神経は血圧にも影響を与える働きがあり、朝は血圧が上昇しないと活動することができないことから、「朝起きられない=血圧が低い」と言われる由縁になったのかもしれません。
自律神経≒東洋医学の陰陽
自律神経の切り替えと同じような考え方が、東洋医学にもあります。
東洋医学には陰陽思想があり、天と地、太陽と月、朝と晩、動と静、温と冷など、この世のすべてを陰と陽に分けるという考え方があります。そして陰陽は、自然界と同じく、体内にも同じくあると考えられています(天人合一)。
太陽は活動の根本である動=陽気であり、太陽が昇り始めると私たちの体内でも陽気が昇り、精神活動のメインである頭部に働きかけて、活動が始まります。つまり、朝になると脳の覚醒が始まるのです。一方、夜になると反対の作用が起こります。脳から陽気が去り、脳の沈静化、そして睡眠を迎えるのです。
交感神経・副交感神経の切り替えと、ほぼ同じですね。
つまり、自律神経と陰陽というのは結果的には同じように働き、私たちの活動を支えますが、バランスが損なわれると、活動とリラックスの関係がアベコベになると考えられます。寝起きの悪さは交感神経と副交感神経、陰と陽の切り替えが上手でないことが考えられるというわけです。