日本人に多い「過剰適応」とは?精神科医・名越康文先生が解説
それでも自分では原因がわからないから“まわりの人のようにうまくやりたいのにできない”というジレンマに陥り、自分自身をより追い詰めてしまうのです」
名越先生によると、このような状態は現代医学ではほとんど病名がつかず、東洋医学では「未病」と呼ばれる段階だという。
「しかし、心と体は密接につながっているので、いずれは身体や心の病気となって表れる危険があります。だからこそ、未病の段階でターンをかけることが大切なのです。頑張れる力が大きい人ほど、一度病気になると修復に多くの時間がかかります。だから“私は大丈夫”と決めつけず、息苦しいと感じたら、自分を気にかけ、ケアをはじめてください」