小麦粉、ワインから検出された除草剤成分、影響を専門家が警鐘
加熱しても分解されにくいことがわかる。
「昨年は、グリホサートが原因で悪性リンパ腫を発症した、という米カリフォルニア州の男性の訴えを裁判所が認め、発売元のモンサント社(現・バイエル社)に対し、約320億円(その後、約87億円に減額)の支払いを命じる判決も出ています。アメリカでは、同様の裁判が約8,000件も起きているのです」(纐纈さん)
こうした事態を受け、アメリカの一部のスーパーやホームセンターでは、店頭からグリホサートの成分を含む除草剤を撤去する動きが出ている。ヨーロッパでも使用を規制する動きが高まっている。
今回、製粉メーカー大手3社の製品から、グリホサートが検出されたが、すべての小麦製品を調べたわけではない。また、残留農薬を測定している農民連食品分析センター(以下、農民連)によると、グリホサートが検出されたのは小麦だけではない。
「フランスをはじめ、日本が世界中から輸入しているワインからも、ごく微量ながらグリホサートが検出されています。ぶどう園や、りんご、なし園などでも除草剤として散布されているからです。
それが果肉にも付着したのでは」(農民連・八田純人さん)
ほかにも、なたね油の搾り殻や、飼料の綿実などからも、グリホサートが検出されていた。