大手3社の小麦粉メーカー、「発がん性」除草剤成分検出に返答
に対し、約320億円(その後、約87億円に減額)の支払いを命じる判決も出ています。アメリカでは、同様の裁判が約8,000件も起きているのです」(纐纈さん)
こうした事態を受け、アメリカの一部のスーパーやホームセンターでは、店頭からグリホサートの成分を含む除草剤を撤去する動きが出ている。ヨーロッパでも使用を規制する動きが高まっている。
今回、製粉メーカー大手3社の製品から、グリホサートが検出されたが、すべての小麦製品を調べたわけではない。“汚染”はどこまで進んでいるのだろうか。
「小麦は政府が海外から輸入し、それを各メーカーに割り振っています。輸入小麦を使っているかぎり、どのメーカーの小麦からも検出される可能性が」(小野さん)
気になるのは、人体への影響だ。国際農薬監視行動ネットワークアジア・太平洋(以下、PAN)の日本代表で、元・国際基督教大学教授の田坂興亜さんは、こう警鐘を鳴らす。
「発がん性以外にも、リスクが指摘されています。グリホサートは、“内分泌攪乱物質”のひとつとして指摘されており、子宮内に入ると、胎児の男性ホルモンの働きを阻害するのです」
PANが’16年に出版した報告書がある。