日本高血圧学会が4月改訂予定「高血圧の降圧目標値」とは
ただ、もし日本で『上130未満』と基準値を10も下げたら、大変な混乱が起きる可能性がある。だから今回は“目標値”として発表することになったのです」
この調査結果を知った人の中には、恐怖のあまり「すぐに降圧薬を処方して!」と病院に駆け込む“血圧130台”の人がいるかもしれない。そこで本誌は「高血圧の薬による家計の負担増」を試算してみることにした。
実務薬学総合研究所の薬剤師・水八寿裕さんが解説する。
「高血圧薬の処方として、通例では、まず安価なジェネリックも多いカルシウム拮抗薬が出されます。次に肥満傾向がある場合には利尿薬で体重増加を抑え、必要であれば、ACE阻害薬などが処方されます」
高血圧の薬はこの3分類の取り合わせが一般的だが、依然、血圧が高ければ、ほかの生活習慣病とひも付けて考えることが多い。
「それぞれ基準値を大きく外れるなどしていれば、抗コレステロールのHMG-CoA還元酵素阻害薬や糖尿病のビグアナイド製薬などが、追加されていくケースが考えられます。仮にこのような計5種類の処方ともなれば、病院での自己負担額と薬局での薬代を合わせて月3,000円近い治療費がかかることになるでしょう」