BMI、血圧…医師が解説する健康診断”ホントの正常値”
小太りの人は蓄えている内臓脂肪の分、体力があるということです」
ちなみに、BMI30以上になると、がん、脳卒中、心臓病のリスクが上がり、逆に短命になってしまうのだとか。
■血圧(特定健診の基準値=収縮期血圧130mmHg未満、拡張期血圧85mmHg未満/大櫛先生による55~59歳女性の基準値=収縮期血圧78~159mmHg、拡張期血圧50~97mmHg)
日本では多くの健診で収縮期血圧(上のほう)と拡張期血圧(下のほう)を測定するが、「国際的には病気と関係する収縮期血圧の基準のみを定めています」というから、まず驚く。つづいて、収縮期血圧についても、大櫛先生の基準値は55~59歳で78~159となっている。
「以前の医学教科書には『年齢+90』までが正常とされていました。私が実際に全国の健康診断のデータを調べた結果でも160までは死亡率に影響はありません。それ以上は脳出血や眼底出血などのリスクが高まります」
現在、国の基準は130だが……。
「じつは欧米やWHOの基準値も130~150の間を揺れ動いているのが現実です。その原因は、世界的な製薬会社と医療機関の癒着。
今年秋に、日本高血圧学会が収縮期血圧130以上で投薬開始という基準に引き下げるといわれていますが、この基準になると、特定健診の対象者である40~74歳のうちの2,700万人が新たに薬を飲むことに。