アボカドが「ひざ痛」によいとされる理由を整形外科医が解説
「ひざ痛対策としてウオーキングを心がけている人も多いかと思いますが、それだけではひざを伸ばすための筋肉は鍛えられません。腰椎から大腿骨にかけての『腸腰筋』と、骨盤から大腿骨にかけての『大殿筋』を鍛えてはじめて、大腿骨をつり上げる力が強くなっていきます」
どうしても体を動かすのが苦手な人には、「アボカドを1日に半分食べる」ことを戸田院長は提案する。
「アボカドに多く含まれる『アボカド大豆不けん化物』(ステロール)という成分内には、さらにTGF-βという成分があり、軟骨の土台となる線維を作っています。たとえば、傷ができてもカサブタができて治りますよね。TGF-βは、血小板由来の成長因子で、傷を治して皮膚の再生やコラーゲンの生成をうながし、すり減った軟骨を修復してくれます」
実際、TGF-βは再生医療の現場で使われているPRP注射の主成分のひとつにもなっている。
「フランスの有名な整形外科医、リキーネ先生の論文にも、変形性股関節症の患者がアボカドを2年間食べ続けたら、軟骨のすり減りが遅くなったという研究結果が報告されていましたので、私のクリニックでも患者さんにすすめるようになりました」