(写真:アフロ)
高血圧は男性に多いイメージがあるが、実は40歳を過ぎると女性も徐々に血圧が高くなる傾向がある。更年期になると女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの減少にともない、血圧をコントロールしている自律神経の働きが乱れて、血圧が上がってしまうのだ。「自分は低血圧だ」と思いこんでいる女性は多いが、久々に測定してみたら高血圧になっていたなんてこともあるのだ。
「今年はコロナ禍により、多くの人が家にこもりがちになりました。食事量は変わらない、むしろストレス解消のために過食気味になっているのに、運動量は減り、体重が増加した人も多いでしょう。摂取カロリーが増え、家飲みなどで酒量が増えると、高血圧になるリスクが高まるのです」
そう警鐘を鳴らすのは、高血圧を中心とした循環器病の専門医・渡辺尚彦医師。渡辺先生自身、87年8月より連続携帯型血圧計を装着し、以来、365日24時間血圧を測定し続けている、いわば血圧のエキスパートだ。
「食生活で大切なのは、塩分を減らすこと。
塩分を過剰摂取すると、血液の浸透圧を一定に保つため、血液中の水分が増えます。結果的に体内を循環する血液量が増え、末梢血管の壁にかかる抵抗が高くなり、血圧が上がってしまうのです」