「大人のおねしょ」に潜む大病サイン…脳腫瘍や心不全の可能性も
では、夜尿症にはどんな「大病のサイン」が隠されているのか、上杉先生に解説してもらおう。
■睡眠障害や睡眠時無呼吸症候群など
「排尿で安眠が妨げられないよう、通常は夜間に『抗利尿ホルモン』という物質が分泌され、それが就寝中の尿量増加を防いでくれます。しかし、寝つきが悪い、すぐ目覚めてしまう、眠りが浅いといった睡眠リズムの乱れや加齢によって抗利尿ホルモンの分泌量が減少し、睡眠中に膀胱にたまる尿量が通常より多くなってしまうのです。睡眠時無呼吸症候群や睡眠障害、そして睡眠の質を下げるうつ病などの気分障害は、睡眠リズムの乱れによって夜尿症を引き起こす病気の代表例です」
■糖尿病性神経障害、脳腫瘍など
夜尿症の原因として、排尿に関わる神経の病気も挙げることができるという。
「ふつうは膀胱におしっこがたまっても、脳からの命令伝達があるまで排尿することはありません。しかし、その神経ネットワークに障害があると、反射的に排尿をはじめてしまうのです。代表的なのが糖尿病の合併症として知られる神経障害。さらに、脳腫瘍や脳血管障害が隠れているケースも考えられます」
これらの疾患があると、尿意を感じにくくなり、日中でも尿漏れを起こすことがあるそう。