2023年5月12日 06:00
5月が飛散量ピーク!PM2.5汚染で「認知症」リスク増の危機
(写真:PIXTA)
花粉の飛散が落ち着いたかと思ったら、今度は黄砂に覆われている日本列島。共に人体へ悪影響を及ぼすものとして知られているが、じつは私たちの健康を脅かす大気中の物質はほかにもある。「PM2.5」と呼ばれている微小粒子状物質だ。
PM2.5とは…大気中に浮遊する小さな粒子のうち、大きさが2.5μm(1μm=1mmの千分の1。直径が髪の毛の太さの約30分の1の大きさ)以下の非常に小さな粒子。物の燃焼や、大気中で排ガスや化学物質が光化学反応を起こすことなどで生成される。
今年4月、医学専門誌・ブリティッシュメディカルジャーナル誌の電子版に「PM2.5と認知症リスクに関連性がある」という衝撃的な解析結果が発表された。直径が髪の毛の太さの約30分の1程度の粒子が脳にどんなダメージを与えるというのか。
認知症の治療研究の第一人者であるお茶の水健康長寿クリニックの白澤卓二先生に聞いた。
「この論文は、過去に発表された7つの研究のデータをまとめ、解析したものです。結論としては、PM2.5の曝露量が1立方mあたり2μg増加すると、アルツハイマー型認知症のリスクが4%上がるというものでした」