2023年5月12日 11:00
最新研究で判明「2年間で身長が5mm縮んだ人は死亡リスクが増加」
「身長短縮が5mm以上だった人の群は、5mm未満の人の群と比較すると、あらゆる原因による死亡リスクが『26%高い』ことが示されました」(田中先生、以下同)
身長が縮むことと死亡リスクの関連を調べた研究はこれまでにもあった。だが、それらの先行研究は身長が顕著に変化した場合のものが多かったと田中先生は話す。
「私は日ごろ、腎臓内科で人工透析の患者さんなどを多く診療していますが、腎臓疾患の合併症は骨粗しょう症など骨の疾患も多く、死亡リスクも高くなる傾向があります。これまでは、2cm単位での身長短縮と死亡リスクの関係が示されていましたが、もっと細分化して、ミリ単位で調べる必要があると思っていたのです」
たとえば、背骨を圧迫骨折した場合、身長が縮む要因になると同時に、健康寿命を脅かすこととなる。そこまで大きな変化でなくとも、身長短縮が寿命に関わる懸念があると考えたのだという。
ところで、私たちの身長はどのような要因から縮んでしまうのだろう。「5mm程度の身長短縮の理由としては、慢性的な姿勢の悪化や運動不足によるちょっとした筋力低下などが考えられます。しかし、そこから全身の筋力が低下するサルコペニアや、心身の衰弱もみられるフレイルなどと診断される状態になると、将来的に死亡リスクが高まることにつながってしまいます。